特許第6838895号(P6838895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6838895
(24)【登録日】2021年2月16日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】ワーク搬送装置およびその運転方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/90 20060101AFI20210222BHJP
   B65G 47/91 20060101ALI20210222BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   B65G47/90 A
   B65G47/91 A
   B25J9/06 D
【請求項の数】18
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-168502(P2016-168502)
(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公開番号】特開2018-8820(P2018-8820A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2019年7月22日
(31)【優先権主張番号】特願2016-132961(P2016-132961)
(32)【優先日】2016年7月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻森 俊行
(72)【発明者】
【氏名】東 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】岡 光信
【審査官】 臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−159688(JP,A)
【文献】 特開平05−031689(JP,A)
【文献】 特開2010−064169(JP,A)
【文献】 特開2011−251837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/06−15/08
B65G 47/90−59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを第1載置面から第2載置面に搬送するワーク搬送装置であって、
第1枝部が側方に延びる第1フォークを先端に有し、かつ、前記第1フォークを移動する第1アームと、
第2枝部が下方に延びる第2フォークを先端に有し、かつ、第2フォークを移動する第2アームと、を備え、
前記第1枝部が前記ワークと前記第1載置面との間を移動するとき、前記第2枝部は前記第1枝部の移動方向における前記ワークより先行側に配置され、
前記第1枝部が前記ワークと前記第2載置面との間を移動するとき、前記第2枝部は前記第1枝部の移動方向における前記ワークより先行側に配置される、ワーク搬送装置。
【請求項2】
前記第1フォークにおいて複数の前記第1枝部が分岐し、
前記第2フォークにおいて複数の前記第2枝部が分岐する、請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記第1フォークにおいて複数の前記第1枝部が分岐し、前記第2フォークにおいて複数の前記第2枝部が分岐して、
前記第1フォークが前記ワークと前記第1載置面との間に配置されているとき、前記第1枝部の先が、互いに隣接する前記第2枝部の間隔に挿入される、請求項1または2に記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記第1フォークにおいて複数の前記第1枝部が分岐し、前記第2フォークにおいて複数の前記第2枝部が分岐して、
前記第1フォークが前記ワークと前記第2載置面との間に配置されているとき、前記第2枝部の先が、前記ワークと前記第1枝部の分岐点との間において互いに隣接する前記第1枝部の間隔に挿入される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のワーク搬送装置。
【請求項5】
前記第1アームおよび前記第2アームの少なくともいずれか一方は、前記第2載置面を吸着する吸着部をさらに有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記第2載置面はトレーの上面であり、
前記トレーを挟持する一対の挟持部をさらに備え、
前記第1アームは一対の前記挟持部の一方を有し、
前記第2アームは一対の前記挟持部の他方を有している、請求項1〜5のいずれか一項に記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
前記第1アームおよび前記第2アームを備えたロボットにより構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のワーク搬送装置。
【請求項8】
前記第1枝部の上面には、当該第1枝部の延伸方向に沿って延びる突条部が形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のワーク搬送装置。
【請求項9】
前記突条部の先端部分は、先端に向かうにつれて、その高さが小さくなるように形成されている、請求項8に記載のワーク搬送装置。
【請求項10】
前記第1フォークと前記第2フォークを前記第1載置面に載置されている前記ワークを挟んで、互いに対向するように、前記第1アームおよび前記第2アームを動作させ、
その後、前記第1フォークにおける前記第1枝部の先端が前記ワークと前記第1載置面との間に挿入されるように、前記第1アームを動作させ、かつ、前記第1フォークと前記第2フォークとが近接するように、前記第1アームまたは前記第2アームを動作させるように構成されている、制御装置をさらに備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載のワーク搬送装置。
【請求項11】
前記制御装置は、前記第1フォークの前記第1枝部の上面に載置されている前記ワークを前記第2載置面に載置させるときに、
前記第2フォークの前記第2枝部の先端部が前記第1枝部の基端部上方に位置するように、前記第2アームを動作させ、
その後、前記第1フォークと前記第2フォークが、前記第1枝部の延伸方向に対して、離間するように、前記第1アームまたは前記第2アームを動作させるように構成されている、請求項10に記載のワーク搬送装置。
【請求項12】
板状に形成され、第1主面に複数の突条部が並んで延びるように配設されている、第1保持部を有する第1アームと、第2保持部を有する第2アームと、制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記第1保持部と前記第2保持部が、第1載置面に載置されているワークを挟んで、対向するように、前記第1アームおよび前記第2アームが動作する(A)と、
前記(A)の後、前記第1保持部が前記ワークと前記第1載置面との間に挿入するように、かつ、前記第2保持部が前記ワークと当接するように、前記第1アームまたは前記第2アームを動作させる(B)と、を実行し、
前記(A)において、前記第1保持部の前記第1主面が上方を向くように、前記第1アームを動作させる(A1)を実行するように構成されている、ワーク搬送装置。
【請求項13】
前記突条部の先端部分は、先端に向かうにつれて、その高さが小さくなるように形成されている、請求項12に記載のワーク搬送装置。
【請求項14】
前記制御装置は、前記第2保持部が前記第1保持部の前記第1主面に載置されている前記ワークと対向し、かつ、前記第2保持部の先端部が前記第1主面の基端部上方に位置するように、前記第2アームを動作させ、
その後、前記第1保持部と前記第2保持部が、前記突条部の延伸方向に対して、離間するように、前記第1アームまたは前記第2アームを動作させる、請求項12又は13に記載のワーク搬送装置。
【請求項15】
板状に形成され、第1主面に複数の突条部が並んで延びるように配設されている、第1保持部を有する第1アームと、第2保持部を有する第2アームと、を備える、ワーク搬送装置の運転方法であって、
前記第1保持部と前記第2保持部が、第1載置面に載置されているワークを挟んで、対向するように、前記第1アームおよび前記第2アームが動作する(A)と、
前記(A)の後、前記第1保持部が前記ワークと前記第1載置面との間に挿入するように、かつ、前記第2保持部が前記ワークと当接するように、前記第1アームまたは前記第2アームが動作する(B)と、を備え、
前記(A)は、前記第1保持部の前記第1主面が上方を向くように、前記第1アームが動作する(A1)を有する、ワーク搬送装置の運転方法。
【請求項16】
前記(A)は、前記第1保持部の前記第1主面の先端と、前記第2保持部と、が、前記ワークを挟んで対向するように、前記第1アームおよび前記第2アームが動作する(A2)を有する、請求項15に記載のワーク搬送装置の運転方法。
【請求項17】
前記(B)の後、前記第1保持部の前記第1主面に載置されている前記ワークを第2載置面に載置させるように、前記第1アームまたは前記第2アームが動作する(C)と、をさらに備える、請求項16に記載のワーク搬送装置の運転方法。
【請求項18】
前記(C)は、前記第2保持部が前記第1保持部の前記第1主面に載置されている前記ワークと対向し、かつ、前記第2保持部の先端部が前記第1主面の基端部上方に位置するように、前記第2アームが動作する(C1)と、
前記(C1)の後、前記第1保持部と前記第2保持部が、前記突条部の延伸方向に対して、離間するように、前記第1アームまたは前記第2アームが動作する(C2)と、を有する、請求項17に記載のワーク搬送装置の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを第1載置面から第2載置面に搬送するワーク搬送装置およびその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワーク搬送装置として、たとえば、特許文献1に示す食肉スライサーにおける肉片のトレー盛付装置が知られている。この肉片のトレー盛付装置では、ハンドナイフで切り出された肉片を、ベルトコンベヤで受け取って搬送し、ベルトコンベヤからトレーに落下させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の肉片のトレー盛付装置では、ベルトコンベヤの終端部からトレーへ肉を落下させている。このため、たとえば、変形し易いワークを変形させずにトレーへ搬送することは困難である。
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ワークを第1載置面から第2載置面に適切に搬送することができるワーク搬送装置およびその運転方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある形態に係るワーク搬送装置は、ワークを第1載置面から第2載置面に搬送するワーク搬送装置であって、第1枝部が側方に延びる第1フォークを先端に有し、かつ、前記第1フォークを移動する第1アームと、第2枝部が下方に延びる第2フォークを先端に有し、かつ、第2フォークを移動する第2アームと、を備え、前記第1枝部が前記ワークと前記第1載置面との間を移動するとき、前記第2枝部は前記第1枝部の移動方向における前記ワークより先行側に配置され、前記第1枝部が前記ワークと前記第2載置面との間を移動するとき、前記第2枝部は前記第1枝部の移動方向における前記ワークより先行側に配置される。
【0007】
これによれば、第2枝部によりワークを押さえながら、ワークを第1載置面から第1枝部へ移すと共に、ワークを第1枝部から第2載置面へ移すことができる。よって、ワークを第1載置面から第2載置面に適切に搬送することができる。
【0008】
このワーク搬送装置では、前記第1フォークにおいて複数の前記第1枝部が分岐し、前記第2フォークにおいて複数の前記第2枝部が分岐していてもよい。
【0009】
このワーク搬送装置では、前記第1フォークにおいて複数の前記第1枝部が分岐し、前記第2フォークにおいて複数の前記第2枝部が分岐して、前記第1フォークが前記ワークと前記第1載置面との間に配置されているとき、前記第1枝部の先が、互いに隣接する前記第2枝部の間隔に挿入されてもよい。これにより、第1枝部が第2枝部に当たることなく、第2枝部によりワークを押さえながら、ワークを第1載置面から第1枝部へ移すことができる。
【0010】
ワーク搬送装置では、前記第1フォークにおいて複数の前記第1枝部が分岐し、前記第2フォークにおいて複数の前記第2枝部が分岐して、前記第1フォークが前記ワークと前記第2載置面との間に配置されているとき、前記第2枝部の先が、前記ワークと前記第1枝部の分岐点との間において互いに隣接する前記第1枝部の間隔に挿入されてもよい。これにより、第2枝部が第1枝部に当たることなく、第2枝部によりワークを押さえながら、ワークを第1枝部から第2載置面へ移すことができる。
【0011】
ワーク搬送装置では、前記第1アームは、前記第1アームおよび前記第2アームの少なくともいずれか一方は、前記第2載置面を吸着する吸着部をさらに有していてもよい。これにより、第2載置面を吸着部により吸着して、たとえば、第2載置面を上面とするトレーを供給することができる。
【0012】
ワーク搬送装置は、前記第2載置面はトレーの上面であり、前記トレーを挟持する一対の挟持部をさらに備え、前記第1アームは一対の前記挟持部の一方を有し、前記第2アームは一対の前記挟持部の他方を有していてもよい。これにより、第2載置面にワークが配置されたトレーを一対の挟持部で挟持して、トレーにおけるワークの配置を乱さずに安定して運ぶことができる。
【0013】
ワーク搬送装置は、前記第1アームおよび前記第2アームを備えたロボットにより構成されていてもよい。これによれば、先端を取替可能な汎用ロボットを使用することにより、先端を取り替えるだけで、ワークの搬送作業が可能となる。
【0014】
また、ワーク搬送装置は、板状に形成され、第1主面に複数の突条部が並んで延びるように配設されている、第1保持部を有する第1アームと、板状に形成されている第2保持部を有する第2アームと、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第1保持部と前記第2保持部が、第1載置面に載置されているワークを挟んで対向するように、前記第1アームおよび前記第2アームを動作させ、その後、前記第1保持部が前記ワークと前記第1載置面との間に挿入するように、かつ、前記第2保持部の主面が前記ワークと当接するように、前記第1アームまたは前記第2アームを動作させる。
【0015】
これにより、第2保持部の主面がワークの移動を抑えた状態で、ワークと第1載置面との間を第1保持部が移動することができる。このため、第1載置面に載置されているワークを容易に第1保持部の第1主面(第2載置面)上に載置させることができる。
【0016】
また、本発明のある形態に係るワーク搬送装置の運転方法は、板状に形成され、第1主面に複数の突条部が並んで延びるように配設されている、第1保持部を有する第1アームと、板状に形成されている第2保持部を有する第2アームと、を備える、ワーク搬送装置の運転方法であって、前記第1保持部と前記第2保持部が、第1載置面に載置されているワークを挟んで、対向するように、前記第1アームおよび前記第2アームが動作する(A)と、(A)の後、前記第1保持部が前記ワークと前記第1載置面との間に挿入するように、かつ、前記第2保持部の主面が前記ワークと当接するように、前記第1アームまたは前記第2アームが動作する(B)と、を備える。
【0017】
これにより、第2保持部の主面がワークの移動を抑えた状態で、ワークと第1載置面との間を第1保持部が移動することができる。このため、第1載置面に載置されているワークを容易に第1保持部の第1主面(第2載置面)上に載置させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上に説明した構成を有し、ワークを第1載置面から第2載置面に適切に搬送することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態1に係るワーク搬送装置を適用したロボットの一例の全体的な構成を概略的に示す平面図である。
図2図2は、図1のロボットの制御装置の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図3図3は、吸着部により第2載置面を吸着してトレーを供給している状態を概略的に示す斜視図である。
図4図4は、ワークを第1載置面から第1枝部に載せている状態を概略的に示す斜視図である。
図5図5は、ワークを第1枝部から第2載置面へ移している状態を概略的に示す斜視図である。
図6図6Aは、第1フォークがワークと第1載置面との間に配置されているとき、第1枝部の先が第2枝部の間隔に挿入されている状態を上方から視た図であり、図6B図6Aを側方から視た図である。図6Cは、第1フォークがワークと第2載置面との間に配置されているとき、第2枝部の先が、ワークと第1枝部の分岐点との間において第1枝部の間隔に挿入されている状態を上方から視た図であり、図6D図6Cを側方から視た図である。
図7図7は、第2載置面にワークが配置されたトレーを第2ベルトコンベアに搬送している状態を概略的に示す斜視図である。
図8図8は、本実施形態4に係るワーク搬送装置の第1フォークの概略構成を示す上面図である。
図9図9は、図8に示す第1フォークの側面図である。
図10図10は、本実施形態4に係るワーク搬送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、本実施形態5に係るワーク搬送装置の概略構成を示す模式図である。
図12図12は、図11に示すワーク搬送装置におけるロボットの概略構成を示す模式図である。
図13図13は、図12に示すロボットにおける第1アームの第1保持部の概略構成を示す上面図である。
図14図14は、図13に示す第1保持部の側面図である。
図15図15は、本実施形態5に係るワーク搬送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、本実施形態5に係るワーク搬送装置の動作の一例を示す模式図である。
図17図17は、本実施形態5に係るワーク搬送装置の動作の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したものである。さらに、一対のアームを広げた方向を左右方向と称し、基軸の軸心に平行な方向を上下方向と称し、左右方向および上下方向に直交する方向を前後方向と称する。
【0021】
(実施形態1)
本実施形態1に係るワーク搬送装置10は、ワークを第1載置面から第2載置面に搬送することが可能な装置である。図1に示すロボット11により本発明に係るワーク搬送装置10を構成した場合について説明する。ただし、ワーク搬送装置10はロボット11により構成される場合に限定されない。なお、このロボット11について、水平多関節型の双腕ロボットを説明するが、水平多関節型・垂直多関節型などの他のロボットを採用することができる。
【0022】
ロボット11は、図1に示すように、台車12と、台車12に支持された一対のロボットアーム(以下、単に「アーム」と記載する場合がある)13、13と、台車12内に収納された制御装置14とを備えている。各アーム13は、水平多関節型ロボットアームであって、アーム部15とリスト部17とハンド部18、19とを備えている。なお、左のアーム13および右のアーム13は、ハンド部18、19を除いて実質的に同じ構造であってもよい。また、左のアーム13および右のアーム13は、独立して動作したり、互いに関連して動作したりすることができる。
【0023】
アーム部15は、本例では、第1リンク15aおよび第2リンク15bとで構成されている。第1リンク15aは、台車12の上面に固定された基軸16と回転関節J1により連結され、基軸16の軸心を通る回転軸線L1まわりに回動可能である。第2リンク15bは、第1リンク15aの先端と回転関節J2により連結され、第1リンク15aの先端に規定された回転軸線L2まわりに回動可能である。
【0024】
リスト部17は、第2リンク15bの先端と直動関節J3により連結され、第2リンク15bに対し昇降移動可能である。右ハンド部18および左ハンド部19のそれぞれは、リスト部17の下端と回転関節J4により連結され、リスト部17の下端に規定された回転軸線L3まわりに回動可能である。
【0025】
右ハンド部18は、リスト部17に接続される右装着部20、右装着部20により脱着可能に装着される右基台21、および、右基台21に接続される第2フォーク22により構成されている。この右装着部20、右基台21および第2フォーク22は右のアーム(第2アーム)13の先端に設けられている。なお、右ハンド部18の詳細については後述する。
【0026】
左ハンド部19は、リスト部17に接続される左装着部30、左装着部30により脱着可能に装着される左基台31、および、左基台31に接続される第1フォーク32により構成されている。この左装着部30、左基台31および第1フォーク32は左のアーム(第1アーム)13の先端に設けられている。なお、左ハンド部19の詳細については後述する。
【0027】
上記構成の各アーム13は、各関節J1〜J4を有する。そして、アーム13には、各関節J1〜J4に対応付けられるように、駆動用のサーボモータ(図示せず)、および、そのサーボモータの回転角を検出するエンコーダ(図示せず)等が設けられている。また、2本のアーム13、13の第1リンク15a、15aの回転軸線L1は同一直線上にあり、一方のアーム13の第1リンク15aと他方のアーム13の第1リンク15aとは上下に高低差を設けて配置されている。
【0028】
制御装置14は、図2に示すように、CPU等の演算部14aと、ROM、RAM等の記憶部14bと、サーボ制御部14cと、を備える。制御装置14は、たとえばマイクロコントローラ等のコンピュータを備えたロボットコントローラである。なお、制御装置14は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。
【0029】
記憶部14bには、ロボットコントローラとしての基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。演算部14aは、記憶部14bに記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、ロボット11の各種動作を制御する。すなわち、演算部14aは、ロボット11の制御指令を生成し、これをサーボ制御部14cに出力する。サーボ制御部14cは、演算部14aにより生成された制御指令に基づいて、ロボット11の各アーム13の関節J1〜J4に対応するサーボモータの駆動を制御するように構成されている。
【0030】
次に、右ハンド部18および左ハンド部19について、図3図5を参照して説明する。なお、ここでは、右ハンド部18は第2フォーク22により構成され、左ハンド部19は第1フォーク32により構成されているが、右ハンド部18が第1フォーク32により構成され、左ハンド部19は第2フォーク22により構成されていてもよい。
【0031】
右装着部20は、右のリスト部17に対して右基台21および第2フォーク22を脱着可能に装着する。左装着部30は、左のリスト部17に対して左基台31および第1フォーク32を脱着可能に装着する。各装着部20、30は、たとえば、一対の棒状部材を有しており、その間隔は調整可能である。これにより、一対の棒状部材により各基台21、31を挟持して、各基台21、31および各フォーク22、32をリスト部17に装着することができる。
【0032】
第1フォーク32は第1柄部33および第1枝部34を有しており、これらは平板状体で形成されている。第1柄部33は、その基端が左基台31に接続され、基端から側方へ直線状に延びて、下方に傾斜する。
【0033】
複数(この実施の形態では、2本)の第1枝部34が、第1柄部33から分岐している。第1枝部34は、その基端が第1柄部33に接続され、側方へ直線状に延びる。第1枝部34は、互いに平行に並び、互いに間隔が空けられている。第1枝部34の並び方向における第1枝部34の間隔は、第2枝部24の並び方向における第2枝部24の幅より広く設けられている。なお、側方は、上下方向以外の方向であって、たとえば、前後方向および左右方向などの水平方向であるが、完全な水平方向だけでなく、斜め方向など水平方向を含む方向も含められる。
【0034】
第2フォーク22は第2柄部23および第2枝部24を有しており、これらは平板状体で形成されている。第2柄部23は、その基端が右基台21に接続され、基端から側方へ直線状に延びる。
【0035】
複数(この実施の形態では、3本)の第2枝部24が、第2柄部23から分岐している。第2枝部24は、その基端が第2柄部23に接続され、第1枝部34が延びる方向と異なる方法へ直線状に延びる。この異なる方向としては、この実施の形態では、第1枝部34が延びる方向と直交する方向(下方)である。第2枝部24は、互いに平行に並び、互いの間に間隔が空けられている。第2枝部24の並び方向における第2枝部24の間隔は、第1枝部34の並び方向における第1枝部34の幅より広く設けられている。
【0036】
次に、図3図5を参照して、上記構成のロボット11によるワーク40を第1載置面43aから第2載置面41aに搬送する方法について説明する。この方法は制御装置14により制御されている。なお、ここでは、ワーク40として薄切り肉を用いているが、ワーク40はこれに限定されない。また、複数の薄切り肉を第1載置面43aから第2載置面41aに搬送する場合について説明するが、ワーク40の枚数および形状とはこれに限定されない。
【0037】
図3に示すように、ロボット11の前には、第1作業台42および第1ベルトコンベア43が配置されている。第1ベルトコンベア43は、たとえば、スライサ44により切断された複数のワーク40をその上面(搬送面)に間隔を空けながら載せ、ロボット11の前に搬送するように、間欠運転する。第1ベルトコンベア43の上面は第1載置面43aである。なお、ワーク40の第1載置面43aは第1ベルトコンベア43の上面に限定されない。
【0038】
また、第1作業台42はワーク40をトレー41の上面に配置するための台であり、このトレー41の上面が第2載置面41aである。なお、ワーク40の第2載置面41aはトレー41の上面に限定されない。
【0039】
さらに、カメラ45が、第1ベルトコンベア43の上に配置されている。カメラ45は、第1ベルトコンベア43に搬送されているワーク40を撮影し、撮影した画像を制御装置14に出力する。制御装置14は、画像を解析して、ワーク40の位置および形状などを判定する。
【0040】
まず、ワーク40が第1ベルトコンベア43の搬送面(第1載置面)43aに載置されてスライサ44からロボット11の近傍に運ばれてくると、カメラ45は第1ベルトコンベア43上のワーク40を撮影する。制御装置14は、カメラ45からワーク40の画像を取得して、ワーク40の位置および形状を判定する。
【0041】
そして、この判定結果に基づいてワーク40を第1載置面43aから第1枝部34に載せる。この際、第1枝部34がワーク40と第1載置面43aとの間を移動するとき、第2枝部24を第1枝部34の移動方向におけるワーク40より先行側に配置する。
【0042】
具体的には、図4に示すように、第2枝部24の並び方向が第1ベルトコンベア43の搬送方向に対し直交する方向になるように第2フォーク22を向ける。そして、第1ベルトコンベア43上において第2フォーク22を下方に第2アーム13により動かす。この際、判定されたワーク40の位置および形状に基づき、第1ベルトコンベア43上においてその搬送方向におけるワーク40より下流側に第2枝部24を配置する。これにより、第1ベルトコンベア43の搬送方向において下流側に第2枝部24が配置され、上流側にワーク40が配置される。ここで、第2枝部24とワーク40との間に隙間が設けられていてもよい。これにより、第2枝部24の先がワーク40を踏むことがより確実に防止される。
【0043】
そして、第1ベルトコンベア43上において、第1枝部34が延びる方向を搬送方向に一致するように第1フォーク32を向け、ワーク40の上流側から搬送方向へ第1フォーク32を第1アーム13により移動させる。これにより、第2枝部24に向かって第1枝部34が延びる方向に第1フォーク32が移動し、第1枝部34が第1ベルトコンベア43とワーク40との間を通る。この際、第1枝部34の移動方向におけるワーク40より先行側に第2枝部24が配置されている。このため、第1枝部34の移動によりワーク40が先行側に移動しようとしても、ワーク40は第2枝部24により押さえられ、ワーク40は広げられた状態で適切に第1枝部34上に載る。
【0044】
ここで、図6Aおよび図6Bに示すように、第1枝部34の先端34bを第2枝部24の間隔に挿入する。これにより、第1枝部34が第2枝部24に衝突することなく、矢印に示す移動方向におけるワーク40の先行端と後続端との間に亘ってワーク40を第1枝部34上に載せることができる。特に、第2枝部24とワーク40との間に隙間が設けられている場合であっても、第1枝部34と第2枝部24とが交差するため、ワーク40を第1枝部34上に確実に載せることができる。
【0045】
このように、図5に示すように、ワーク40を第1枝部34の載せると、続いて、ワーク40を第1枝部34からから第2載置面41aに移す。この際、第1枝部34がワーク40と第2載置面41aとの間を移動するとき、第2枝部24を第1枝部34の移動方向におけるワーク40より先行側に配置する。
【0046】
具体的には、第2フォーク22を上昇させてから、第1フォーク32を上昇させて第2載置面41aへ移動させる。この第1フォーク32においてワーク40と第1枝部34の分岐点34aとの間には隙間が設けられている。このため、図6Cおよび図6Dに示すように、第1フォーク32がワーク40と第2載置面41aとの間に配置されているとき、ワーク40と第1枝部34の分岐点34aとの隙間において第1枝部34の間隔に第2枝部24の先を挿入する。
【0047】
そして、第2載置面41a上において、第2枝部24に向かって第1枝部34が延びる方向に第1フォーク32を第1アーム13により移動させる。これにより、第1フォーク32が移動し、第1枝部34が第2載置面41aとワーク40との間を通る。この際、第1枝部34の移動方向におけるワーク40より先行側に第2枝部24が配置されている。このため、第1枝部34の移動によりワーク40が先行側に移動しようとしても、ワーク40は第2枝部24により押さえられる。よって、ワーク40は広げられた状態で適切に第2載置面41aに移されて、ワーク40は第2載置面41aに搬送される。
【0048】
この実施の形態によれば、第1枝部34がワーク40と第1載置面43aとの間を移動するとき、第2枝部24は第1枝部34の移動方向におけるワーク40の先行側に配置される。また、第1枝部34がワーク40と第2載置面41aとの間を移動するとき、第2枝部24は第1枝部34の移動方向におけるワーク40の先行側に配置されている。これにより、第2枝部24によりワーク40を押さえながら、ワーク40を第1載置面43aから第1枝部34に載せ、さらに、ワーク40を第1枝部34から第2載置面41aに移すことができる。このため、たとえば、柔らかく付着性がある肉などの変形し易いワーク40であっても、変形することなくワーク40を第2載置面41aに適切に搬送することができる。
【0049】
また、水平方向にアーム13が動作するロボット11によりワーク搬送装置10が構成されている。これにより、第1フォーク32および第2フォーク22を水平方向に移動させて、第2載置面41aにおけるワーク40の配置する位置を変えることができる。このため、第2載置面41aにおけるワーク40の配置の自由度が高まり、たとえば、盛り付けによる付加価値を高めることができる。
【0050】
さらに、第1フォーク32がワーク40と第1載置面43aとの間に配置されているとき、第1枝部34の先端34bが、互いに隣接する第2枝部24の間隔に挿入される。これにより、第1枝部34が第2枝部24に当たることなく、第2枝部24で押さえながらワーク40を第1枝部34上に載せることができる。また、第1載置面43aにおいてワーク40より先行側で、ワーク40と間を空けて第2枝部24を配置することができるため、ワーク40を第2枝部24で踏み付けることが防がれる。
【0051】
また、第1フォーク32がワーク40と第2載置面41aとの間に配置されているとき、第2枝部24の先がワーク40と第1枝部34の分岐点34aとの間において互いに隣接する第1枝部34の間隔に挿入される。これにより、第2枝部24が第1フォーク32に当たることなく、第2枝部24で押さえながらワーク40を第1枝部34から第2載置面41aに移すことができる。
【0052】
さらに、ワーク搬送装置10は、第1アーム13および第2アーム13を備えたロボット11により構成されている。このワーク搬送装置10では、第1フォーク32が左装着部30を介して左のアーム13のリスト部17に脱着可能に装着され、第2フォーク22が右装着部20を介して右のアーム13のリスト部17に脱着可能に装着されている。このような、第1フォーク32および第2フォーク22などの先端を取替可能な汎用のロボット11を使用することにより、先端を取り替えるだけで、ワーク40の搬送作業が可能となる。
【0053】
(実施形態2)
本実施形態2に係るワーク搬送装置10は、図1に示すように、第2載置面41a(図3)を吸着する吸着部25をさらに備えている。これにより、右ハンド部18は、右装着部20、右基台21および第2フォーク22に加えて、吸着部25により構成される。
【0054】
吸着部25は右のアーム(第2アーム)13の先端に設けられている。吸着部25は配管26を介して真空発生装置27に接続されている。真空発生装置27は、たとえば、真空ポンプやCONVUM(登録商標)など、吸着部25に負圧を発生させる装置であり、台車12やアーム13に設けられている。配管26には、たとえば、開閉弁(図示せず)が設けられている。開閉弁により配管26を開放および閉塞することによって、吸着部25による吸着およびその解除が行われる。この真空発生装置27の動作および開閉弁の開閉は制御装置14により制御される。これにより、真空発生装置27は、吸着部25を介して吸引し、第2載置面41a(図3)などを吸着することができる。
【0055】
吸着部25の先端は、ゴムなどの弾性材料で形成された吸着パッドであり、下方に開口するキャップ形状を有している。吸着部25は右基台21を介してリスト部17に取り付けられている。これにより、吸着部25はリスト部17の回転軸線L3を中心に回動する。
【0056】
なお、吸着部25の位置は、右基台21に代えて左基台31に設けられていてもよく、右基台21と共に左基台31に設けられていてもよい。これにより、吸着部25は、第1アーム13および第2アーム13の少なくともいずれか一方に設けられる。
【0057】
図3に示すように、ロボット11の右側には第2作業台46が配置されており、第2作業台46には未使用のトレー41およびバラン47が載置されている。ワーク40をトレー41の第2載置面41aに搬送する前に、吸着部25により第2載置面41aを吸着して、トレー41を第2作業台46から第1作業台42へ移動させる。それから、吸着部25による第2載置面41aの吸着を解除して、トレー41を第1作業台42に載置する。
【0058】
その後、吸着部25によりバラン47を吸着して、バラン47を第2作業台46から第1作業台42の第2載置面41a上へ移動する。そして、吸着を解除して、第2載置面41aにバラン47を載置する。それから、第1フォーク32および第2フォーク22を用いて、ワーク40を第1載置面43aから第2載置面41aへ搬送する。
【0059】
この構成によれば、右ハンド部18に吸着部25が設けられている。これにより、ワーク搬送装置10とは別途、第2載置面41aを供給する専用の装置などを備える必要がないため、コンパクト化が図られる。また、吸着部25によりバラン47を吸着して第2載置面41aに載置することにより、たとえば、第2載置面41aにおける盛り付けの多様化が図られる。
【0060】
(実施形態3)
本実施形態3に係るワーク搬送装置10は、図1に示すように、トレー41を挟持する一対の挟持部28、35をさらに備えている。左のアーム13は一対の挟持部の一方(第1挟持部)35を有し、右のアーム13は一対の挟持部の他方(第2挟持部)28を有している。これにより、左ハンド部19は、左装着部30、左基台31および第1フォーク32に加えて、第1挟持部35により構成されている。また、右ハンド部18は、右装着部20、右基台21および第2フォーク22に加えて、第2挟持部28により構成されている。
【0061】
図7に示すように、第1挟持部35は、第1側面部35aおよび第1底面部35bを有するL字形状であり、これらは平板形状である。第2挟持部28は、第2側面部28aおよび第2底面部28bを有するL字形状であり、これらは平板形状である。各側面部35a、28aは、その基端が各基台21、31に接続され、各基端から下方へ延びる。各底面部35b、28bは、その基端が各側面部35a、28aに接続され、各基端から側方に延びる。
【0062】
第1作業台42においてワーク40がトレー41の上面(第2載置面41a)に配置されると、一対の挟持部28、35によりトレー41を把持する。たとえば、第1側面部35aおよび第2側面部28aが互いに平行になり、第1底面部35bおよび第2底面部28bが互いに同じ高さになるように、第1挟持部35および第2挟持部28をトレー41の両側にそれぞれ配置する。
【0063】
そして、各底面部35b、28bを第1作業台42と第2載置面41aとの間に差し込み、トレー41を各底面部35b、28bの上に載置する。それから、第1側面部35aと第2側面部28aとの間隔を縮めて、第1側面部35aおよび第2側面部28aによりトレー41を挟んで把持する。このように一対の挟持部35、28により把持したトレー41を第1作業台42から、搬送するための第2ベルトコンベア48へ移動する。ここで、第1側面部35aと第2側面部28aとの間隔を広げて、トレー41を第2ベルトコンベア48に載せて搬出する。
【0064】
この構成によれば、第2載置面41aはトレー41の上面であり、トレー41を挟持する一対の挟持部28、35をさらに備えている。このように、第2載置面41aにワーク40を配置したトレー41を一対の挟持部28、35により挟持する。このため、第2載置面41aにおけるワーク40の配置を乱すことなく、トレー41を搬送することができる。
【0065】
なお、実施形態2に係るワーク搬送装置10においても、左ハンド部19に第1挟持部35を備え、右ハンド部18に第2挟持部28を備えていてもよい。この場合、左ハンド部19は、左装着部30、左基台31、第1フォーク32および第1挟持部35により構成される。また、右ハンド部18は、右装着部20、右基台21、第2フォーク22、吸着部25および第2挟持部28により構成される。
【0066】
また、上記実施形態では、右ハンド部18が右装着部20を介してリスト部17に連結されたが、右ハンド部18がリスト部17に直接に連結されていてもよい。また、左ハンド部19が左装着部30を介してリスト部17に連結されていたが、左ハンド部19がリスト部17に直接に連結されていてもよい。
【0067】
さらに、上記実施形態では、第1挟持部35はL字形状に形成されているが、第1挟持部35は各基端から下方へ延びれば、第1挟持部35の形状はこれに限定されない。この場合、第1挟持部35は平板形状を有しており、その基端が回転機構に接続されていてもよい。この回転機構によって、第1挟持部35が水平方向を向いたり下方を向いたりする構造であってもよい。
【0068】
(実施形態4)
本実施形態4に係るワーク搬送装置は、実施形態1〜3のいずれか1つの実施形態に係るワーク搬送装置において、第1枝部の上面には、当該第1枝部の延伸方向に沿って延びる突条部が形成されている。
【0069】
また、本実施形態4に係るワーク搬送装置では、突条部の先端部分が、先端に向かうにつれて、その高さが小さくなるように形成されていてもよい。
【0070】
また、本実施形態4に係るワーク搬送装置では、第1フォークと第2フォークを第1載置面に載置されているワークを挟んで、互いに対向するように、第1アームおよび第2アームを動作させ、その後、第1フォークの第1枝部がワークと第1載置面との間に挿入されるように、第1アームを動作させ、かつ、第1フォークと第2フォークとが近接するように、第1アームまたは第2アームを動作させる、制御装置をさらに備えていてもよい。
【0071】
さらに、本実施形態4に係るワーク搬送装置では、制御装置は、第1フォークの第1枝部の上面に載置されているワークを第2載置面に載置させるときに、第2フォークの第2枝部の先端部が第1枝部の基端部上方に位置するように、第2アームを動作させ、その後、第1フォークと第2フォークが、第1枝部の延伸方向に対して、離間するように、第1アームまたは第2アームを動作させるように構成されていてもよい。
【0072】
以下、本実施形態4に係るワーク搬送装置の一例について、図8図10を参照しながら、説明する。
【0073】
[ワーク搬送装置の構成]
図8は、本実施形態4に係るワーク搬送装置の第1フォークの概略構成を示す上面図である。図9は、図8に示す第1フォークの側面図である。
【0074】
図8および図9に示すように、本実施形態4に係るワーク搬送装置は、実施形態1に係るワーク搬送装置と基本的構成は同じであるが、第1フォーク32における第1枝部34の上面に突条部36が配設されている点が異なる。突条部36は、第1枝部34の延伸方向に沿って、延びるように形成されていて、その基端部は、第1枝部34の分岐点34a近傍に位置していて、その先端部は、第1枝部34の先端34b近傍に位置している。なお、突条部36は、第1フォーク32の第1柄部33部分まで延びるように形成されていてもよい。
【0075】
また、突条部36は、先端部分が、先端に向かうにつれて、その高さが小さくなるようにテーパー状に形成されている。これにより、第1フォーク32の先端部を容易にワーク40と第1載置面43aの間に挿入させることができる。
【0076】
なお、本実施形態においては、1つの第1枝部34の上面に1本の突条部36が配設されている形態を採用したが、これに限定されず、1つの第1枝部34の上面に複数本の突条部36が並設されている形態を採用してもよい。
【0077】
[ワーク搬送装置の動作および作用効果]
次に、本実施形態4に係るワーク搬送装置10の動作および作用効果について、図8図10を参照しながら説明する。
【0078】
図10は、本実施形態4に係るワーク搬送装置の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、第1ベルトコンベア43の上面(第1載置面43a)に載置されているワーク40を搬送して、トレー41の上面(第2載置面41a)に載置する動作について、説明する(図3図5参照)。また、以下の動作は、制御装置14の演算部14aが、記憶部14bに格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0079】
図10に示すように、制御装置14は、カメラ45が撮影した映像情報を取得し、取得した映像情報から、第1ベルトコンベア43の第1載置面43aに載置されているワーク40の位置情報を取得する(ステップS101)。
【0080】
次に、制御装置14は、ステップS101で取得したワーク40の位置情報を基に、第1フォーク32および第2フォーク22がワーク40を挟んで対向するように、第1アーム13および第2アーム13を動作させる(ステップS102)。具体的には、制御装置14は、ワーク40に対して、第1ベルトコンベア43の搬送方向の上流側に第1フォーク32が位置するように、第1アーム13を動作させる。また、制御装置14は、ワーク40に対して、第1ベルトコンベア43の搬送方向の下流側に第2フォーク22が位置するように、第2アーム13を動作させる。
【0081】
このとき、制御装置14は、第1フォーク32における第1枝部34の延伸方向と、第2フォーク22における第2枝部24の主面の法線方向と、が一致するように、第1アーム13および第2アーム13を動作させてもよい。
【0082】
なお、本実施形態4においては、第1フォーク32と第2フォーク22を第1ベルトコンベア43の搬送方向に沿うように配置する形態を採用したが、これに限定されない。第1フォーク32と第2フォーク22がワーク40を挟んで対向するように配置されればよく、たとえば、第1フォーク32と第2フォーク22を第1ベルトコンベア43の搬送方向に垂直な方向(ロボット11の前後方向)に沿うように配置する形態を採用してもよい。
【0083】
次に、制御装置14は、第1枝部34の先端34bが、ワーク40と第1載置面43aとの間に挿入されるように、第1アーム13を動作させる(ステップS103)。ついで、制御装置14は、第1フォーク32および第2フォーク22が近接するように、第1アーム13または第2アーム13を動作させる(ステップS104;図4参照)。このとき、制御装置14は、図6Aおよび図6Bに示されるように、第1枝部34の先端が、複数の第2枝部24の間に形成されている隙間に位置するように、第1アーム13または第2アーム13を動作させてもよい。
【0084】
これにより、第1枝部34がワーク40と第1載置面43aとの間を第1ベルトコンベア43の搬送方向に移動して、第1枝部34の上面にワーク40が載置される。ここで、本実施形態4においては、第1枝部34の上面には、突条部36が形成されている。このため、第1枝部34がワーク40と第1載置面43aとの間を移動するときに、第1枝部34とワーク40との接触面積を小さくすることができ、摩擦抵抗を小さくすることができる。このため、上記実施形態1に係るワーク搬送装置10に比して、よりスムーズにワーク40を第1枝部34に載置することができる。
【0085】
また、第1枝部34の移動に伴って、ワーク40は第1ベルトコンベア43の搬送方向に移動しようとするが、ワーク40が第2フォーク22と当接することによって、ワーク40の移動は妨げられる。このため、第1枝部34は、ワーク40を広げられた状態で載置することができる。
【0086】
次に、制御装置14は、ワーク40がトレー41の第2載置面41aの上方に位置するように、第1アーム13または第2アーム13を動作させる(ステップS105)。ついで、制御装置14は、第2フォーク22における第2枝部24の先端部が、第1枝部34の基端部(分岐点34a)上方に位置するように、第2アーム13を動作させる(ステップS106)。
【0087】
このとき、制御装置14は、第1フォーク32における第1枝部34の延伸方向と、第2フォーク22における第2枝部24の主面の法線方向と、が一致するように、第2アーム13を動作させてもよい。換言すると、制御装置14は、水平方向から見て、第2枝部24の主面がワーク40と対向するように、第1アーム13または第2アーム13を動作させてもよい。
【0088】
また、制御装置14は、図6Cおよび図6Dに示されるように、第1枝部34が、複数の第2枝部24の間に形成されている隙間に位置するように、第1アーム13または第2アーム13を動作させてもよい。
【0089】
次に、制御装置14は、制御装置14は、第1フォーク32および第2フォーク22が、第1枝部34の延伸方向に対して、離間するように、第1アーム13または第2アーム13を動作させ(ステップS107;図5参照)、本プログラムを終了する。
【0090】
これにより、第1フォーク32が第2フォーク22に対して離間するときに、第1フォーク32の第1枝部34に載置されているワーク40は、第1フォーク32の移動に伴って移動しようとするが、ワーク40が第2フォーク22と当接することによって、ワーク40の移動は妨げられる。このため、ワーク40は、第1枝部34の支持がなくなり、下方に落下し、トレー41の第2載置面41aに載置される。
【0091】
ここで、上述したように、本実施形態4においては、第1枝部34の上面には、突条部36が形成されている。このため、第1枝部34が移動するときに、第1枝部34とワーク40との接触面積を小さくすることができ、摩擦抵抗を小さくすることができる。このため、上記実施形態1に係るワーク搬送装置10に比して、よりスムーズに第1枝部34が移動することができ、ワーク40を広げた状態で第2載置面41aに載置することがより容易となる。
【0092】
なお、制御装置14は、第1アーム13および第2アーム13が予め設定されている所定の位置(初期位置)に位置するように動作させて、本プログラムを終了してもよい。また、制御装置14は、本プログラムを繰り返して、第1ベルトコンベア43の第1載置面43aに載置されているワーク40を全て、トレー41の第2載置面41aに搬送すると、搬送が終了したことを示す情報(たとえば、映像、音、光等)を出力してもよい。
【0093】
このように構成された、本実施形態4に係るワーク搬送装置10であっても、実施形態1に係るワーク搬送装置10と同様の作用効果を奏する。
【0094】
また、本実施形態4に係るワーク搬送装置10では、第1枝部34の上面に突条部36が配設されているため、ワーク40を第1枝部34に載置させるとき、第1枝部34とワーク40との接触面積を小さくすることができ、摩擦抵抗を小さくすることができる。このため、上記実施形態1に係るワーク搬送装置10に比して、よりスムーズにワーク40を第1枝部34に載置することができる。また、第1枝部34に載置されているワーク40を第2載置面41aに載置させるときには、ワーク40を広げた状態で載置することがより容易となる。
【0095】
なお、本実施形態4に係るワーク搬送装置10は、実施形態2に係るワーク搬送装置10のように、吸着部25を備える形態を採用してもよく、実施形態3に係るワーク搬送装置10のように、トレー41を挟持する一対の挟持部28、35を備える形態を採用してもよいことは、言うまでもない。
【0096】
(実施形態5)
本実施形態5に係るワーク搬送装置は、板状に形成され、第1主面に複数の突条部が並んで延びるように配設されている、第1保持部を有する第1アームと、制御装置と、を備え、制御装置は、第1保持部がワークと第1載置面との間に挿入するように、第1アームを動作させるように構成されている。
【0097】
また、本実施形態5に係るワーク搬送装置は、第2保持部を有する第2アームをさらに備え、制御装置は、第1保持部と第2保持部が、第1載置面に載置されているワークを挟んで対向するように、第1アームおよび第2アームを動作させ、その後、第1保持部がワークと第1載置面との間に挿入するように、かつ、第2保持部がワークと当接するように、第1アームまたは第2アームを動作させるように構成されていてもよい。
【0098】
また、本実施形態5に係るワーク搬送装置では、突条部の先端部分が、先端に向かうにつれて、その高さが小さくなるように形成されていてもよい。
【0099】
さらに、本実施形態5に係るワーク搬送装置では、制御装置が、第2保持部が第1保持部の第1主面に載置されているワークと対向し、かつ、第2保持部の先端部が第1主面の基端部上方に位置するように、第2アームを動作させ、その後、第1保持部と第2保持部が、突条部の延伸方向に対して、離間するように、第1アームまたは第2アームを動作させてもよい。
【0100】
以下、本実施形態5に係るワーク搬送装置の一例について、図11図17を参照しながら説明する。
【0101】
[ワーク搬送装置の構成]
図11は、本実施形態5に係るワーク搬送装置の概略構成を示す模式図である。図12は、図11に示すワーク搬送装置におけるロボットの概略構成を示す模式図である。なお、図11においては、ロボットにおける上下方向、左右方向、および前後方向を図における上下方向、左右方向、および前後方向として表し、図12においては、ロボットにおける上下方向および左右方向を図における上下方向および左右方向として表している。
【0102】
図11および図12に示すように、本実施形態5に係るワーク搬送装置10は、実施形態1に係るワーク搬送装置10と同様に、ロボット11により構成されていて、第1アーム13Aおよび第2アーム13Bにより、第1ベルトコンベア43の第1載置面(上面)43aに載置されているワーク40を保持して、搬送するように構成されている。また、ロボット11は、オペレータが、適宜な手段により、制御装置14へ所要事項を教示することにより、制御装置14が、ロボット11の自動運転を実行するように構成されている。
【0103】
まず、図11を参照しながら、本実施の形態1に係るワーク搬送装置10(ロボット11)が作業する作業空間内に配置されている各機器等の構成について、説明する。なお、図11においては、2台のロボット11のそれぞれが、第1ベルトコンベア43の第1載置面(上面)43aに載置されているワーク40を保持して、搬送する状態を示している。
【0104】
図11に示すように、本実施の形態1に係るワーク搬送装置10が作業する作業空間内には、第1作業台42、第1ベルトコンベア43、およびカメラ45が配置されている。第1作業台42は、トレー41を配置するための台である。
【0105】
第1ベルトコンベア43は、間欠運転するように行為されている。具体的には、たとえば、第1ベルトコンベア43は、スライサ44により切断された複数のワーク40をその上面(搬送面)に間隔をあけながら載せ、ロボット11の前に搬送するように構成されている。カメラ45は、第1ベルトコンベア43に搬送されているワーク40を撮影し、撮影した映像を制御装置14に出力するように構成されている。
【0106】
次に、図11および図12を参照しながら、ロボット11の具体的構成について、説明する。
【0107】
図12に示すように、ロボット11は、台車12を備えている。台車12の下面には、車輪12aが設けられていて、ロボット11は、車輪12aにより、移動可能に構成されている。
【0108】
また、台車12の上面には、基軸16が固定されている。基軸16には、当該基軸16の軸心を通る回転軸線L1周りに回動可能に第1アーム13Aおよび第2アーム13Bが設けられている。具体的には、第1アーム13Aと第2アーム13Bとが上下に高低差を有するように設けられている。さらに、台車12内には、制御装置14が収納されている。なお、第1アーム13Aおよび第2アーム13Bは、独立して動作したり、互いに関連して動作したりすることができるように構成されている。
【0109】
第1アーム13Aは、アーム部15、リスト部17、第1ハンド部19A、および第1装着部20Aを有している。アーム部15は、本実施の形態1においては、略直方体状の第1リンク15aおよび第2リンク15bで構成されている。第1リンク15aは、基端部に回転関節J1が設けられていて、先端部に回転関節J2が設けられている。また、第2リンク15bは、先端部に直動関節J3が設けられている。
【0110】
そして、第1リンク15aは、回転関節J1を介して、その基端部が基軸16と連結されていて、回転関節J1により、回転軸線L1周りに回動することができる。また、第2リンク15bは、回転関節J2を介して、その基端部が第1リンク15aの先端部と連結されていて、回転関節J2により、回転軸線L2周りに回動することができる。
【0111】
第2リンク15bの先端部には、直動関節J3を介して、リスト部17が第2リンク15bに対し昇降移動可能に連結されている。リスト部17の下端部には、回転関節J4が設けられていて、回転関節J4の下端部には、第1装着部20Aが設けられている。
【0112】
第1装着部20Aは、第1ハンド部19Aを着脱可能に構成されている。具体的には、たとえば、第1装着部20Aは、その間隔が調整可能に構成されている、一対の棒部材を有していて、当該一対の棒部材により、第1ハンド部19Aを挟み込むことにより、第1ハンド部19Aをリスト部17に装着することができる。これにより、第1ハンド部19Aは、回転関節J4により、回転軸線L3周りに回動することができる。なお、棒部材は、先端部分が折れ曲がっていてもよい。
【0113】
第1ハンド部19Aは、第1基台31A、第1保持部32A、および第1固定部37Aを有していて、第1保持部32Aは、第1固定部37Aを介して、第1基台31Aに接続(固定)されている。第1基台31Aは、第1装着部20Aと当接する部位であり、ここでは、板状に形成されている。
【0114】
第1固定部37Aは、第1基台31Aの側面に固定されていて、水平方向から見て、L字状に形成されている。また、第1固定部37Aの下面には、第1保持部32Aが固定されている。
【0115】
ここで、図13および図14を参照しながら、第1アーム13Aの第1保持部32Aについて、詳細に説明する。
【0116】
図13は、図12に示すロボットにおける第1アームの第1保持部の概略構成を示す上面図である。図14は、図13に示す第1保持部の側面図である。
【0117】
図13および図14に示すように、第1アーム13Aの第1保持部32Aは、へら状に形成されていて、略短冊状の柄部1と、略矩形状の本体部2と、を有している。本体部2の基端部には、柄部1の基端部が接続されている。本体部2の先端部は、先端に向かうにつれて、その厚みが小さくなるように形成されている。
【0118】
また、本体部2の一方の主面(上面2a)には、複数の突条部36が互いに並んで、本体部2の先端部から基端部に向かって延びるように配設されている。突条部36は、先端部36aが先端に向かうにつれて、その高さが小さくなるように形成されている。
【0119】
また、本体部2の上面における、隣接する突条部36、36の間には、突条部36の延伸方向に延びるように、貫通孔3が設けられている。なお、貫通孔3は、設けられていなくてもよい。また、貫通孔3を格子状に形成して、本体部2の主面を網状に形成してもよい。
【0120】
また、図11および図12に示すように、第2アーム13Bは、アーム部15、リスト部17、第2ハンド部18B、および第2装着部20Bを有している。第2装着部20Bは、第2ハンド部18Bを着脱可能に構成されている。なお、第2アーム13Bは、第2ハンド部18Bを除いて、他の構成は、第1アーム13Aと同様に構成されているため、アーム部15、リスト部17、および第2装着部20Bの詳細な説明は省略する。
【0121】
第2ハンド部18Bは、第2基台21Bおよび第2保持部22Bを有している。第2基台21Bは、第2装着部20Bと当接する部位であり、ここでは、板状に形成されている。第2保持部22Bは、第2基台21Bの下面に固定されていて、水平方向から見て、逆L字状に形成されている。なお、第2保持部22Bは、板状に形成されていて、第2基台21Bの側面に固定されていてもよい。すなわち、第2保持部22Bは、主面の法線方向が水平方向に位置するように、形成されていればよい。
【0122】
なお、第2保持部22Bは、本実施形態5においては、板状に形成されている形態を採用したが、これに限定されない。第2保持部22Bは、例えば、棒状に形成されている形態を採用してもよく、柱状に形成されている形態を採用してもよい。また、第2保持部22Bは、第1実施形態の第2フォークのように、フォーク状(くし状)に形成されている形態を採用してもよく、網状に形成されている形態を採用してもよい。
【0123】
[ワーク搬送装置の動作および作用効果]
次に、本実施形態5に係るワーク搬送装置10の動作および作用効果について、図11図17を参照しながら説明する。なお、以下の動作は、制御装置14の演算部14aが、記憶部14bに格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0124】
図15は、本実施形態5に係るワーク搬送装置の動作の一例を示すフローチャートである。図16および図17は、本実施形態5に係るワーク搬送装置の動作の一例を示す模式図である。図16は、第1載置面に載置されているワークを第1保持部および第2保持部で保持するときの動作を示し、図17は、第1保持部に保持されているワークを第2載置面に載置するときの動作を示している。
【0125】
図15に示すように、制御装置14は、カメラ45(図11参照)が撮影した映像情報を取得し、取得した映像情報から、第1ベルトコンベア43の第1載置面43aに載置されているワーク40の位置情報を取得する(ステップS201)。
【0126】
次に、制御装置14は、ステップS201で取得したワーク40の位置情報を基に、第1保持部32Aおよび第2保持部22Bがワーク40を挟んで対向するように、第1アーム13Aおよび第2アーム13Bを動作させる(ステップS202)。具体的には、制御装置14は、ワーク40に対して、第1ベルトコンベア43の搬送方向の上流側に第1保持部32Aが位置するように、第1アーム13Aを動作させる。また、制御装置14は、ワーク40に対して、第1ベルトコンベア43の搬送方向の下流側に第2保持部22Bが位置するように、第2アーム13Bを動作させる。
【0127】
このとき、制御装置14は、第1保持部32Aにおける突条部36の延伸方向と、第2保持部22Bの主面の法線方向と、が一致するように、第1アーム13Aおよび第2アーム13Bを動作させてもよい。
【0128】
なお、本実施形態5においては、第1保持部32Aと第2保持部22Bを第1ベルトコンベア43の搬送方向に沿うように配置する形態を採用したが、これに限定されない。第1保持部32Aと第2保持部22Bがワーク40を挟んで対向するように配置されればよく、たとえば、第1保持部32Aと第2保持部22Bを第1ベルトコンベア43の搬送方向に垂直な方向(ロボット11の前後方向)に沿うように配置する形態を採用してもよい。
【0129】
次に、制御装置14は、第1保持部32Aにおける本体部2の先端部が、ワーク40と第1載置面43aとの間に挿入されるように、第1アーム13Aを動作させる(ステップS203;図16参照)。ついで、制御装置14は、第1保持部32Aおよび第2保持部22Bが近接するように、第1アーム13Aまたは第2アーム13Bを動作させる(ステップS204;図16参照)。
【0130】
これにより、第1保持部32Aの本体部2がワーク40と第1載置面43aとの間を第1ベルトコンベア43の搬送方向に移動して、第1保持部32Aにおける本体部2の上面2aにワーク40が載置される。ここで、本実施形態5においては、本体部2の上面2aには、突条部36が形成されている。このため、本体部2がワーク40と第1載置面43aとの間を移動するときに、本体部2の上面2aとワーク40との接触面積を小さくすることができ、摩擦抵抗を小さくすることができる。このため、上記実施形態1に係るワーク搬送装置10に比して、よりスムーズにワーク40を第1保持部32Aに載置することができる。
【0131】
また、第1保持部32Aの移動に伴って、ワーク40は第1ベルトコンベア43の搬送方向に移動しようとするが、ワーク40が第2保持部22Bと当接することによって、ワーク40の移動は妨げられる。このため、第1保持部32Aは、ワーク40を広げられた状態で載置することができる。
【0132】
次に、制御装置14は、ワーク40がトレー41の第2載置面41aの上方に位置するように、第1アーム13Aまたは第2アーム13Bを動作させる(ステップS205)。ついで、制御装置14は、第2保持部22Bにおける主面の先端部が、第1保持部32Aにおける本体部2の基端部上方に位置するように、第2アーム13Bを動作させる(ステップS206)。
【0133】
このとき、制御装置14は、第1保持部32Aにおける本体部2に形成されている突条部36の延伸方向と、第2保持部22Bの主面の法線方向と、が一致するように、第2アーム13Bを動作させてもよい。換言すると、制御装置14は、水平方向から見て、第2保持部22Bの主面がワーク40と対向するように、第1アーム13Aまたは第2アーム13Bを動作させてもよい。
【0134】
次に、制御装置14は、制御装置14は、第1保持部32Aおよび第2保持部22Bが、突条部36の延伸方向に対して、離間するように、第1アーム13Aまたは第2アーム13Bを動作させ(ステップS207;図17参照)、本プログラムを終了する。
【0135】
これにより、第1保持部32Aが第2保持部22Bに対して離間するときに、本体部2の上面2aに載置されているワーク40は、第1保持部32Aの移動に伴って移動しようとするが、ワーク40が第2保持部22Bの主面と当接することによって、ワーク40の移動は妨げられ、第1保持部32Aのみが移動する。このため、ワーク40は、上面2aから滑り落ちて、トレー41の第2載置面41aに載置される。
【0136】
ここで、上述したように、本実施形態5においては、本体部2の上面2aには、突条部36が形成されている。このため、第1保持部32Aが移動するときに、本体部2の上面2aとワーク40との接触面積を小さくすることができ、摩擦抵抗を小さくすることができる。このため、上記実施形態1に係るワーク搬送装置10に比して、よりスムーズに第1保持部32Aが移動することができ、ワーク40を広げた状態で第2載置面41aに載置することがより容易となる。
【0137】
なお、制御装置14は、第1アーム13Aおよび第2アーム13Bが予め設定されている所定の位置(初期位置)に位置するように動作させて、本プログラムを終了してもよい。また、制御装置14は、本プログラムを繰り返して、第1ベルトコンベア43の第1載置面43aに載置されているワーク40を全て、トレー41の第2載置面41aに搬送すると、搬送が終了したことを示す情報(たとえば、映像、音、光等)を出力してもよい。
【0138】
このように構成された、本実施形態5に係るワーク搬送装置10では、たとえば、柔らかく付着性がある肉などの変形し易いワーク40であっても、ワーク40を変形させることなく第2載置面41aに適切に搬送することができる。
【0139】
また、本実施形態4に係るワーク搬送装置10では、第1保持部32Aにおける本体部2の上面2aに突条部36が配設されているため、ワーク40を本体部2の上面2aに載置させるとき、本体部2とワーク40との接触面積を小さくすることができ、摩擦抵抗を小さくすることができる。このため、上記実施形態1に係るワーク搬送装置10に比して、よりスムーズにワーク40を本体部2に載置することができる。また、本体部2に載置されているワーク40を第2載置面41aに載置させるときには、ワーク40を広げた状態で載置することがより容易となる。
【0140】
なお、本実施形態5に係るワーク搬送装置10は、実施形態2に係るワーク搬送装置10のように、吸着部25を備える形態を採用してもよく、実施形態3に係るワーク搬送装置10のように、トレー41を挟持する一対の挟持部28、35を備える形態を採用してもよいことは、言うまでもない。
【0141】
また、本実施形態5に係るワーク搬送装置10では、第1アーム13Aおよび第2アーム13Bを備える形態を採用したが、これに限定されず、第1アーム13Aのみを備える形態を採用してもよい。この場合、制御装置14は、第1保持部32Aにおける本体部2の先端部が、ワーク40と第1載置面43aとの間に挿入されるように、第1アーム13Aを動作させることで、第1載置面43aに載置されているワーク40を第1保持部32Aで保持させてもよい。また、制御装置14は、第1保持部32Aにおける本体部2の上面に載置されているワーク40をトレー41の第2載置面41aに載置させるときには、第1保持部32Aにおける本体部2の先端部を下方に傾斜させるように第1アーム13Aを動作させてもよい。
【0142】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良または他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、ワークを第1載置面から第2載置面に適切に搬送することができるワーク搬送装置等として有用である。
【符号の説明】
【0144】
1 柄部
2 本体部
2a 上面
3 貫通孔
10 ワーク搬送装置
11 ロボット
12 台車
13 アーム
13A 第1アーム
13B 第2アーム
14 制御装置
14a 演算部
14b 記憶部
14c サーボ制御部
15 アーム部
15a 第1リンク
15b 第2リンク
16 基軸
17 リスト部
18 右ハンド部
18B 第2ハンド部
19 左ハンド部
19A 第1ハンド部
20 右装着部
20A 第1装着部
20B 第2装着部
21 右基台
21B 第2基台
22 第2フォーク
22B 第2保持部
23 第2柄部
24 第2枝部
25 吸着部
26 配管
27 真空発生装置
28 第2挟持部
28a 第2側面部
28b 第2底面部
30 左装着部
31 左基台
31A 第1基台
32 第1フォーク
32A 第1保持部
33 第1柄部
34 第1枝部
34a 分岐点
34b 先端
35 第1挟持部
35a 第1側面部
35b 第1底面部
36 突条部
36a 先端部
37A 第1固定部
40 ワーク
41 トレー
41a 第2載置面
42 第1作業台
43 第1ベルトコンベア
43a 第1載置面
44 スライサ
45 カメラ
46 第2作業台
47 バラン
48 第2ベルトコンベア
J1 回転関節
J2 回転関節
J3 直動関節
J4 回転関節
L1 回転軸線
L2 回転軸線
L3 回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17