(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ストッパ部材は、前記第1ストッパ部を形成する階段面と前記第2ストッパ部を形成する他の階段面とを有する階段を備え、前記階段に沿って移動可能に構成されている、請求項3または4に記載の電線クランプ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、近年、多品種少量生産のニーズが高まり、処理すべき電線の種類が多く、従来よりも頻繁に電線を変更する必要がある。そのため、電線ガイドの交換頻度が高まり、従来よりも手間暇がかかるという問題が生じることとなった。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電線ガイド等の部品を交換しなくても、外径の異なる複数種類の電線を曲がり癖がつかないように把持および案内できる電線クランプ装置と、それを備えた電線処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電線クランプ装置は、一対のクランプ爪と、前記一対のクランプ爪を互いに接近および離反するように駆動するクランプ爪駆動装置と、を備えている。前記クランプ爪駆動装置は、前記一対のクランプ爪を、電線を把持するクランプ位置と、前記一対のクランプ爪の間隔が前記電線の外径よりも大きくなるガイド位置とに切り替え可能に構成されている。前記クランプ爪駆動装置は更に、前記ガイド位置として少なくとも、前記一対のクランプ爪の間隔が第1の間隔となる第1ガイド位置と、前記一対のクランプ爪の間隔が前記第1の間隔よりも大きな第2の間隔となる第2ガイド位置と、を選択可能に構成されている。
【0010】
上記電線クランプ装置では、クランプ爪駆動装置によりクランプ爪をクランプ位置に切り替えることにより、電線を把持することができる。このように電線をクランプ爪により把持することによって、電線の処理を行うことができる。一方、クランプ爪駆動装置によりクランプ爪をガイド位置に切り替えると、クランプ爪の間隔は電線の外径よりも大きくなる。そのため、両クランプ爪の間を電線が通過することができ、送り出される電線を両クランプ爪によって案内することができる。よって、電線ガイド等の専用の部品がなくても、電線を案内することができる。
【0011】
更に、上記電線クランプ装置では、ガイド位置として少なくとも、両クランプ爪の間隔が異なる第1ガイド位置と第2ガイド位置とを選択可能である。比較的細い電線が用いられる場合には、両クランプ爪の間隔が比較的小さな第1ガイド位置を選択することにより、電線を案内する際のクランプ爪と電線との間隔を好適に保つことができる。一方、比較的太い電線が用いられる場合には、両クランプ爪の間隔が比較的大きな第2ガイド位置を選択することにより、電線を案内する際のクランプ爪と電線との間隔を好適に保つことができる。このように、電線の外径に応じて、第1ガイド位置と第2ガイド位置とを適宜選択することができる。よって、電線の太さに応じて電線ガイド等の部品を交換する必要はなく、部品を交換しなくても、外径の異なる複数種類の電線を曲がり癖がつかないように把持および案内することができる。
【0012】
本発明の好ましい一態様によれば、前記電線として少なくとも、第1の外径を有する第1電線、または、前記第1の外径よりも大きな第2の外径を有する第2電線の情報が入力される入力装置と、前記クランプ爪駆動装置を制御するクランプ制御装置と、を備えている。前記クランプ制御装置は、前記入力装置に前記第1電線の情報が入力されると前記ガイド位置として前記第1ガイド位置を選択し、前記入力装置に前記第2電線の情報が入力されると前記ガイド位置として前記第2ガイド位置を選択する。
【0013】
上記態様によれば、例えばオペレータが入力装置に電線の情報を入力すると、クランプ制御装置により、電線の種類に応じたガイド位置が自動的に選択される。
【0014】
本発明の好ましい一態様によれば、前記クランプ爪駆動装置は、流体が封入されたシリンダチューブと、前記シリンダチューブ内に配置されたピストンと、前記ピストンから前記シリンダチューブの外部に向けて延び、前記一対のクランプ爪にリンク機構により連結されたピストンロッドと、を有する流体圧シリンダを備えている。また、前記クランプ爪駆動装置は、前記ピストンロッドに設けられた当接部と、少なくとも、前記第1ガイド位置のときに前記当接部と当接する第1ストッパ部と、前記第2ガイド位置のときに前記当接部と当接する第2ストッパ部と、を有するストッパ部材と、前記流体圧シリンダの前記ピストンロッドと前記ストッパ部材との相対位置を、少なくとも、前記当接部と前記第1ストッパ部とが対向する位置と、前記当接部と前記第2ストッパ部とが対向する位置とに切り替えるストッパアクチュエータと、を備えている。
【0015】
上記態様によれば、流体圧シリンダのピストンロッドが伸縮することにより、一対のクランプ爪が互いに接近または離反する。一対のクランプ爪を接近および離反させるアクチュエータとして、比較的安価な流体圧シリンダを利用することができる。流体圧シリンダのピストンロッドは本来2つの位置しかとらないが、ピストンロッドに設けられた当接部がストッパ部材に当接することにより、ピストンロッドは中途の位置にて停止し、この位置がガイド位置となる。ストッパアクチュエータがピストンロッドとストッパ部材との相対位置を切り替えることにより、当接部が当接するストッパ部として、第1ストッパ部または第2ストッパ部を選択することができる。当接部が第1ストッパ部に当接すると、クランプ爪は第1ガイド位置に設定され、当接部が第2ストッパ部に当接すると、クランプ爪は第2ガイド位置に設定される。上記態様によれば、クランプ爪を駆動するアクチュエータとして比較的安価な流体圧シリンダを用いながら、クランプ爪駆動装置を構成することができる。
【0016】
本発明の好ましい一態様によれば、前記ピストンロッドは、前記ピストンから延びる第1ロッドと、前記ピストンから前記第1ロッドと反対側に延びる第2ロッドと、を含んでいる。前記一対のクランプ爪は、前記リンク機構により前記第1ロッドに連結され、前記当接部は、前記第2ロッドに設けられている。
【0017】
上記態様によれば、当接部およびストッパ部材を、シリンダチューブに対してリンク機構と反対側に配置することができる。そのため、ストッパ部材の設置自由度が高い。ストッパ部材の設置に際して、スペース上の制約を少なくすることができる。
【0018】
本発明の好ましい一態様によれば、前記ストッパ部材は、前記第1ストッパ部を形成する階段面と前記第2ストッパ部を形成する他の階段面とを有する階段を備え、前記階段に沿って移動可能に構成されている。
【0019】
上記態様によれば、ストッパ部材を簡易に構成することができる。
【0020】
本発明の好ましい一態様によれば、前記ストッパアクチュエータを制御するストッパ制御装置と、前記ストッパ部材と接触可能な原点位置決め部材と、を備えている。前記ストッパ制御装置は、前記原点位置決め部材と接触したときの前記ストッパ部材の位置を基準として、前記ストッパアクチュエータを制御することにより前記ストッパ部材の位置を制御するように構成されている。
【0021】
ガイド位置の切り替えを何度も行うことにより、ストッパ部材の位置がずれる場合がある。しかし、上記態様によれば、原点位置決め部材と接触したときのストッパ部材の位置を基準として、ストッパ部材の位置が制御される。そのため、ストッパ部材の位置が一時的にずれたとしても、原点位置決め部材と接触したときの位置に基づいて、ストッパ部材の位置が補正される。よって、ストッパ部材の位置を正確に制御することができ、ガイド位置の切り替えを良好に行うことができる。
【0022】
本発明に係る電線処理装置は、前記電線クランプ装置を備えた電線処理装置である。前記電線は、導体からなる心線と、前記心線を覆う絶縁体からなる被覆材とを含んでいる。前記電線処理装置は、前記電線の切断、前記電線の端部の前記被覆材の剥ぎ取り、または、前記被覆材が剥ぎ取られた前記電線の端部に対する端子の圧着を行う電線処理機構と、前記電線処理機構に向けて前記電線を送り出す送給装置と、を備えている。前記電線クランプ装置は、前記送給装置と前記電線処理機構との間に配置されている。
【0023】
上記電線処理装置によれば、クランプ爪をガイド位置に切り替えることにより、送給装置から送り出される電線を、一対のクランプ爪により電線処理機構に向けて案内することができる。一方、クランプ爪をクランプ位置に切り替えることにより電線を把持することができ、電線処理機構により電線の切断、被覆材の剥ぎ取り、または端子の圧着を行うことができる。よって、前述の効果を得ながら、電線処理機構に対する電線の案内および電線処理機構による電線の処理を良好に行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電線ガイド等の部品を交換しなくても、外径の異なる複数種類の電線を曲がり癖がつかないように把持および案内できる電線クランプ装置と、それを備えた電線処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電線処理装置1の構成を模式的に表す平面図である。以下の説明では、
図1の右側、左側をそれぞれ前側、後側とする。
図1の上側、下側をそれぞれ右側、左側とする。ただし、以下の説明における各方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
【0027】
電線処理装置1は、電線処理機構10と、電線処理機構10に向けて電線5を送り出す送給装置20と、送給装置20と電線処理機構10との間に配置された電線クランプ装置30と、電線処理機構10の前方に配置された電線クランプ装置29とを備えている。
図2に示すように、電線5は被覆電線であり、導体からなる心線5aと、心線5aを覆う絶縁体からなる被覆材5bとを含んでいる。
【0028】
図1に示すように、電線処理機構10は、電線5を切断する切断刃11と、電線5の端部の被覆材5bを剥ぎ取るストリップ刃12F,12Rと、被覆材5bが剥ぎ取られた電線5の端部に端子7を圧着する端子圧着装置13F,13Rとを有している。ストリップ刃12F、ストリップ刃12Rは、それぞれ電線5の前側、後側の端部の被覆材5bを剥ぎ取るように構成されている。端子圧着装置13F、端子圧着装置13Rは、それぞれ電線5の前側、後側の端部に端子7を圧着するように構成されている。
【0029】
送給装置20は電線5を送り出すことができる装置であれば足り、その具体的構成は何ら限定されない。本実施形態では、送給装置20は、図示しないモータによって駆動される駆動ローラ21aと、従動ローラ21bと、駆動ローラ21aおよび従動ローラ21bに巻かれた搬送ベルト22とを、左右に一対備えている。駆動ローラ21aが搬送ベルト22を走行させることにより、左右の搬送ベルト22に挟まれた電線5が前方に送り出される。
【0030】
送給装置20の後方(電線5の送給方向の上流側)には、伸線機25が配置されている。伸線機25は、電線5の巻き癖を除去し、電線5を真っ直ぐに矯正する装置である。伸線機25は、千鳥状に配置された複数のローラを有している。
【0031】
電線クランプ装置30および電線クランプ装置29は、送給装置20が電線5を送り出すときには電線5の長手方向に沿った移動を案内し、電線処理機構10が電線5の処理を行うときには電線5を把持するものである。電線クランプ装置30は、送給装置20が電線5を送り出すときに、電線5を電線処理機構10に向けて案内する。また、電線クランプ装置30は、切断後の電線5の前端部の処理を行うときに、電線5の前側部分を把持する。次に、電線クランプ装置30の詳細な構成について説明する。
【0032】
図3、
図4は、それぞれ電線クランプ装置30の正面図、右側面図である。電線クランプ装置30は、左右一対のクランプ爪31L,31Rと、これらクランプ爪31L,31Rを互いに接近および離反するように駆動するクランプ爪駆動装置32と、クランプ爪駆動装置32を制御する制御装置70とを備えている。
【0033】
クランプ爪駆動装置32は、アクチュエータとしてエアシリンダ34を有している。本実施形態では、エアシリンダ34は両ロッド式の複動シリンダである。エアシリンダ34は、エアが封入されたシリンダチューブ35と、シリンダチューブ35の内部に配置されたピストン36と、ピストン36からシリンダチューブ35の外部に向けて延びるピストンロッド37とを有している。ピストン36は、シリンダチューブ35の内部に摺動可能に配置されている。ピストン36の上方には第1圧力室38Aが区画され、ピストン36の下方には第2圧力室38Bが区画されている。ピストンロッド37は、ピストン36から上方に延びる第1ロッド37Aと、ピストン36から下方に延びる第2ロッド37Bとを含んでいる。
【0034】
第1圧力室38Aにエアを供給するか、あるいは、第2圧力室38Bからエアを排出すると、第1圧力室38Aの圧力が第2圧力室38Bの圧力よりも大きくなり、ピストン36は下方に移動する。その結果、第1ロッド37Aは収縮し、第2ロッド37Bは伸張する。なお、本明細書において、「ロッド37A,37Bが収縮する」とは、ロッド37A,37Bのシリンダチューブ35からの突出長さが短くなることを意味する。「ロッド37A,37Bが伸張する」とは、ロッド37A,37Bのシリンダチューブ35からの突出長さが長くなることを意味する。第2圧力室38Bにエアを供給するか、あるいは、第1圧力室38Aからエアを排出すると、第2圧力室38Bの圧力が第1圧力室38Aの圧力よりも大きくなり、ピストン36は上方に移動する。その結果、第1ロッド37Aは伸張し、第2ロッド37Bは収縮する。制御装置70は、第1圧力室38Aおよび第2圧力室38Bに対するエアの供給または排出を制御することにより、エアシリンダ34を制御する。
【0035】
クランプ爪31L,31Rは、リンク機構33により第1ロッド37Aに連結されている。リンク機構33は、第1ロッド37Aが伸張すると両クランプ爪31L,31Rが互いに接近し、第1ロッド37Aが収縮すると両クランプ爪31L,31Rが互いに離反するように、第1ロッド37Aと両クランプ爪31L,31Rとを連結している。なお、
図3は、第1ロッド37Aが最も伸張し、両クランプ爪31L,31Rの間隔が最小(ここでは零)となる状態を表している。
図5は、第1ロッド37Aが最も収縮し、両クランプ爪31L,31Rの間隔が最大となる状態を表している。
【0036】
リンク機構33の具体的構成は何ら限定されないが、本実施形態では、第1ロッド37Aの先端部に固定されたベースブロック40と、軸41によりベースブロック40に揺動可能に支持された左右のアーム42と、軸43により左右のアーム42に揺動可能に支持された正面視L型の左右のアーム44L,44Rと、を有している。左右のアーム44L,44Rは、軸45により互いに揺動可能に連結されている。左右のクランプ爪31L,31Rは、それぞれ左右のアーム44L,44Rの前端部にボルト46により固定されている(
図4参照)。
【0037】
クランプ爪31L,31Rは、前方から見てV字状の縁部を有している(
図5も参照)。
図3に示すように、左のクランプ爪31Lの縁部は左側に行くほど上下幅が狭くなり、右のクランプ爪31Rの縁部は右側に行くほど上下幅が狭くなるように形成されている。これにより、両クランプ爪31L,31Rが接近すると、電線5は両クランプ爪31L,31Rの縁部に沿って中心位置Cに案内され、電線5の位置が中心位置Cからずれることが抑制される。ただし、ここで説明するクランプ爪31L,31Rの形状は一例に過ぎず、何ら限定される訳ではない。クランプ爪31L,31Rの形状は、必ずしも正面から見てV字状に形成されている必要はない。
【0038】
第1ロッド37Aと第2ロッド37Bとは共に移動するので、第1ロッド37Aが収縮すると、第2ロッド37Bは伸張する。前述したように、第1ロッド37Aが収縮すると、両クランプ爪31L,31Rの間隔は大きくなる。そのため、第2ロッド37Bが伸張すると、両クランプ爪31L,31Rの間隔は大きくなる。第2ロッド37Bの伸張量と両クランプ爪31L,31Rの間隔とは、一対一に対応する。よって、第2ロッド37Bの伸張量を制御することにより、両クランプ爪31L,31Rの間隔を制御することができる。以下に説明するように、本実施形態に係るクランプ爪駆動装置32は、第2ロッド37Bの伸張量を多段階に制御可能に構成されている。これにより、クランプ爪駆動装置32は、両クランプ爪31L,31Rの間隔を多段階に制御することができる。
【0039】
クランプ爪駆動装置32は、第2ロッド37Bの下端部に取り付けられた当接部材39と、当接部材39と当接するストッパ部材50と、ストッパ部材50の位置を変更するストッパアクチュエータ60とを備えている。
【0040】
当接部材39は何ら限定されず、例えば、第2ロッド37Bの下端部に係合するボルトであってもよい。当接部材39は、第2ロッド37Bに取り付けられた別部材であってもよいが、第2ロッド37Bの一部分が当接部材39を兼ねていてもよい。言い換えると、当接部材39は第2ロッド37Bと一体物であってもよい。
【0041】
ストッパ部材50は、第1〜第9の階段面51〜59を有する階段50Aを備えている。第1〜第9の階段面51〜59は、それぞれ当接部材39と当接するストッパ部を形成している。なお、本実施形態では、階段50Aは9つの階段面51〜59を有しているが、階段面の数は9つに限定されない。階段50Aの段差の数は何ら限定されない。ストッパ部材50は、左右に延びるガイドレール61に係合している。ストッパ部材50は、ガイドレール61に沿って移動可能であり、階段50Aに沿って移動可能に構成されている。
【0042】
ストッパアクチュエータ60は、ストッパ部材50をガイドレール61に沿って駆動するように構成されている。本実施形態では、ストッパアクチュエータ60はモータにより構成されている。ストッパ部材50を駆動する機構は何ら限定されない。例えば、ストッパ部材50にはガイドレール61に係合するローラが設けられ、モータは当該ローラに連結されていてもよい。あるいは、ストッパ部材50は搬送ベルトに連結されており、上記モータは、搬送ベルトに巻き掛けられたプーリに連結されていてもよい。ただし、これらは例示に過ぎず、ストッパアクチュエータ60の種類、および、ストッパ部材50を駆動する機構は何ら限定されない。
【0043】
制御装置70には、入力装置71が通信可能に接続されている。入力装置71には、電線処理装置1によって処理される電線5の情報が入力される。言い換えると、入力装置71には、電線クランプ装置30の把持および案内の対象となる電線5の情報が入力される。入力装置71の具体的構成は何ら限定されず、例えば、キーボード、押しボタン、タッチパネルなどであってもよい。詳細は後述するが、制御装置70は、入力装置71から電線5の情報を受け取り、ストッパアクチュエータ60を制御する。
【0044】
ストッパ部材50の側方には、ストッパ部材50と接触可能な原点位置決め部材66が配置されている。原点位置決め部材66は、ストッパ部材50が予め定められた原点位置(
図3において仮想線で示す位置)に到達したときに、ストッパ部材50と接触する位置に配置されている。制御装置70は、アクチュエータ60を制御することによりストッパ部材50の位置を制御するが、原点位置決め部材66と接触したときのストッパ部材50の位置を原点位置として、ストッパ部材50の位置を制御する。
【0045】
以上が電線処理装置1および電線クランプ装置30の構成である。次に、電線処理装置1および電線クランプ装置30の動作について説明する。
【0046】
まず、送給装置20から送り出された電線5は、電線クランプ装置30および電線クランプ装置29によって前方(
図1の右方)へと案内される。次に、電線5は、電線クランプ装置30および電線クランプ装置29に把持され、切断刃11により切断される。次に、電線クランプ装置30は、切断後の後側の電線5を把持したまま右側(
図1の上側)に旋回し、当該電線5の前端部をストリップ刃12Fに導く。一方、電線クランプ装置29は、切断後の前側の電線5を把持したまま左側に旋回し、当該電線5の後端部をストリッパ刃12Rに導く。そして、ストリップ刃12Fにより、後側の電線5の前端部の被覆材5bが剥ぎ取られる。また、ストリップ刃12Rにより、前側の電線5の後端部の被覆材5bが剥ぎ取られる。その後、電線クランプ装置30は、後側の電線5を把持したまま更に右側に旋回し、後側の電線5の前端部を端子圧着装置13Fに導く。電線クランプ装置29は、前側の電線5を把持したまま更に左側に旋回し、前側の電線5の後端部を端子圧着装置13Rに導く。そして、端子圧着装置13Fにより、後側の電線5の前端部に端子7が圧着される。端子圧着装置13Rにより、前側の電線5の後端部に端子7が圧着される。次に、電線クランプ装置30は、後側の電線5を把持したまま切断刃11に対向する初期位置(
図1に示す位置)に戻り、当該電線5の把持を解除する。すなわち、電線5を放す。電線クランプ装置29は、前側の電線5を放した後、切断刃11に対向する初期位置(
図1に示す位置)に戻る。なお、電線クランプ装置29から放された電線(両端に端子7が圧着された電線)5は、回収トレイ8に回収される。その後は、上述の動作を繰り返す。これにより、両端に端子7が圧着された電線5が順次作製される。
【0047】
本実施形態に係る電線処理装置1は、外径の異なる複数種類の電線5の処理を行うことができる。電線クランプ装置30は、外径の異なる複数種類の電線5について、送給の案内および把持が可能である。次に、外径の異なる複数種類の電線5として、第1電線5Aと、第1電線5Aよりも太い第2電線5Bとを例にして、電線クランプ装置30による案内および把持の動作について説明する。なお、第1電線5Aの外径を第1の外径d1、第2電線5Bの外径を第2の外径d2とすると、第2の外径d2は第1の外径d1よりも大きい。すなわち、d2>d1である。
【0048】
まず、電線クランプ装置30が第1電線5Aを把持および案内する動作について説明する。制御装置70は、入力装置71に第1電線5Aの情報が入力されると、ストッパアクチュエータ60を駆動し、複数の階段面51〜59のうち第1電線5Aに対応する所定の階段面(ここでは第8の階段面58)が当接部材39に対向するよう、ストッパ部材50を移動させる(
図6A参照)。
【0049】
第1電線5Aを把持する際には、制御装置70は、エアシリンダ34を駆動し、
図6Aに示すように第1ロッド37Aを伸張させ、第2ロッド37Bを収縮させる。これにより、両クランプ爪31L,31Rは互いに接近することにより、第1電線5Aを把持する(
図6B参照)。なお、第1電線5Aを把持する際、両クランプ爪31L,31Rは第1電線5Aと接触する。
【0050】
一方、第1電線5Aの移動を案内する際には、制御装置70は、エアシリンダ34を駆動し、第1ロッド37Aを収縮させ、第2ロッド37Bを伸張させる。これにより、両クランプ爪31L,31Rは互いに離反する。しかし、当接部材39は第8の階段面58に対向しているので、
図7Aに示すように、当接部材39は第8の階段面58に当接する。これにより、第1ロッド37Aおよび第2ロッド37Bは中途位置で停止し、第1ロッド37Aの収縮および第2ロッド37Bの伸張は規制される。その結果、
図7Bに示すように、両クランプ爪31L,31Rは、第1電線5Aとの間に隙間を設けながら、互いに接近した位置を維持する。両クランプ爪31L,31Rの間隔g1は、第1電線5Aの外径d1よりも大きくなる。なお、各クランプ爪31L,31Rと第1電線5Aとの隙間の間隔は特に限定されないが、例えば、0.05mm〜3.0mmであってもよく、0.5mm〜1.0mmであってもよい(図面では隙間を誇張して図示している)。両クランプ爪31L,31Rと第1電線5Aとの間に隙間が設けられるので、両クランプ爪31L,31Rは第1電線5Aを円滑に通過させることができる。また、上記隙間は比較的小さいので、両クランプ爪31L,31Rは、第1電線5Aが左右または上下にずれることを防止することができる。よって、両クランプ爪31L,31Rは、第1電線5Aの移動を良好に案内することができる。
【0051】
次に、電線クランプ装置30が第2電線5Bを把持および案内する動作について説明する。制御装置70は、入力装置71に第2電線5Bの情報が入力されると、ストッパアクチュエータ60を駆動し、複数の階段面51〜59のうち第2電線5Bに対応した所定の階段面(ここでは第1の階段面51)が当接部材39に対向するよう、ストッパ部材50を移動させる(
図8A参照)。
【0052】
図示は省略するが、第2電線5Bを把持する際には第1電線5Aを把持するときと同様、制御装置70はエアシリンダ34を駆動し、第1ロッド37Aを伸張させ、第2ロッド37Bを収縮させる。これにより、両クランプ爪31L,31Rは互いに接近することにより、第2電線5Bを把持する。
【0053】
第2電線5Bの移動を案内する際には、制御装置70は、エアシリンダ34を駆動し、第1ロッド37Aを収縮させ、第2ロッド37Bを伸張させる。ここでは、当接部材39は第1の階段面51に対向している。そのため、
図8Aに示すように、第2ロッド37Bが伸張すると、当接部材39は第1の階段面51に当接する。第1の階段面51は第8の階段面58よりも低いので、第1ロッド37Aおよび第2ロッド37Bは中途位置で停止するが、第1ロッド37Aの収縮量および第2ロッド37Bの伸張量は、当接部材39が第8の階段面58に当接する場合(第1電線5Aの移動を案内する場合)よりも大きくなる。そのため、
図8Bに示すように、両クランプ爪31L,31Rの間隔g2は、当接部材39が第8の階段面58に当接する場合の間隔g1(
図7B参照)よりも広くなる。その結果、第2電線5Bの外径d2は第1電線5Aの外径d1よりも大きいが、両クランプ爪31L,31Rは、第2電線5Bとの間に好適な間隔を保ちながら、第2電線5Bから離反した位置に位置付けられる。各クランプ爪31L,31Rと第2電線5Bとの隙間の間隔も特に限定されないが、例えば、0.05mm〜3.0mmであってもよく、0.5mm〜1.0mmであってもよい。このように、両クランプ爪31L,31Rと第2電線5Bとの間に隙間が設けられるので、両クランプ爪31L,31Rは第2電線5Bを円滑に通過させることができる。また、第2電線5Bの移動を案内するときの隙間も比較的小さいので、両クランプ爪31L,31Rは、第2電線5Bが左右または上下にずれることを防止することができる。よって、両クランプ爪31L,31Rは、第2電線5Bの移動を良好に案内することができる。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る電線クランプ装置30によれば、一対のクランプ爪31L,31Rと、一対のクランプ爪31L,31Rを互いに接近および離反するように駆動するクランプ爪駆動装置32とを備えている。クランプ爪駆動装置32は、エアシリンダ34を第1ロッド37Aが伸張した位置(
図6A参照)と、当接部材39がストッパ部材50と当接することにより第2ロッド37Bが中途まで伸張した位置(
図7Aおよび
図8A参照)とに切り替えることができる。なお、第1ロッド37Aが伸張した位置は、両クランプ爪31L,31Rが電線5を把持する位置(
図6B参照)であり、本発明における「クランプ位置」に対応する。第2ロッド37Bが中途まで伸張した位置は、両クランプ爪31L,31Rの互いの間隔が電線5の外径よりも大きくなる位置であり、本発明における「ガイド位置」に対応する。クランプ爪駆動装置32は、クランプ爪31L,31Rをクランプ位置とガイド位置とに切り替え可能に構成されている。更にクランプ爪駆動装置32は、ガイド位置として少なくとも、クランプ爪31L,31Rの間隔が第1の間隔g1となるガイド位置(
図7B参照。以下、第1ガイド位置という)と、第1の間隔g1よりも大きな第2の間隔g2となるガイド位置(
図8B参照。以下、第2ガイド位置という)とを選択可能である。
【0055】
したがって、本実施形態に係る電線クランプ装置30によれば、クランプ爪31L,31Rをクランプ位置に切り替えることにより、クランプ爪31L,31Rにより電線5を把持することができる。電線5をクランプ爪31L,31Rで把持することにより、電線処理機構10において、電線5の位置が振れることなく切断、被覆材の剥ぎ取り、端子圧着の各処理を行うことができる。一方、クランプ爪31L,31Rをガイド位置に切り替えると、クランプ爪31L,31Rの間隔は電線5の外径よりも大きくなる。そのため、両クランプ爪31L,31Rの間を電線5が通過することができ、専用の電線ガイド(
図12の符号110参照)がなくても、両クランプ爪31L,31Rによって電線5の移動を案内することができる。
【0056】
更に、本実施形態に係る電線クランプ装置30では、ガイド位置として少なくとも、両クランプ爪31L,31Rの間隔が異なる複数のガイド位置を選択可能である。例えば
図7Bに示すように、比較的細い第1電線5Aが用いられる場合には、両クランプ爪31L,31Rの間隔g1が比較的小さくなる第1ガイド位置を選択することにより、クランプ爪31L,31Rと第1電線5Aとの間隔を好適に保つことができる。一方、
図8Bに示すように、比較的太い第2電線5Bが用いられる場合には、両クランプ爪31L,31Rの間隔g2が比較的大きくなる第2ガイド位置を選択することにより、クランプ爪31L,31Rと第2電線5Bとの間隔を好適に保つことができる。このように、電線5の外径に応じてガイド位置を適宜選択することができる。よって、外径の異なる複数種類の電線5を良好に案内することができる。なお、本実施形態では、ストッパ部材50の階段50Aは、9つの階段面51〜59を有している。そのため、選択できるガイド位置は2つ(第1ガイド位置および第2ガイド位置)だけでなく、9つ存在する。
【0057】
以上より、本実施形態に係る電線クランプ装置30によれば、電線ガイド等の部品の交換は不要であり、部品を交換しなくても、外径の異なる複数種類の電線5を曲がり癖がつかないように把持および案内することができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、制御装置70は、入力装置71に入力される電線5の情報に応じて、ガイド位置を選択するように構成されている。制御装置70は、例えば、入力装置71に第1電線5Aの情報が入力されると第1ガイド位置を選択し、第2電線5Bの情報が入力されると第2ガイド位置を選択する。よって、例えばオペレータが入力装置71に電線5の情報を入力するだけで、電線5の種類に応じたガイド位置が自動的に選択される。
【0059】
本実施形態によれば、エアシリンダ34のピストンロッド37が伸縮することにより、一対のクランプ爪31L,31Rが互いに接近または離反する。クランプ爪31L,31Rを接近および離反させるアクチュエータとして、比較的安価なエアシリンダ34を利用することができる。エアシリンダ34のピストンロッド37は、本来、2つの位置しかとることができない。しかし、本実施形態によれば、ピストンロッド37に設けられた当接部材39がストッパ部材50に当接することにより、ピストンロッド37は中途位置にて停止し、この位置がガイド位置となる。ストッパアクチュエータ60がストッパ部材50の位置を変更することにより、ガイド位置を切り替えることができる。よって、本実施形態によれば、クランプ爪31L,31Rを接近および離反させるアクチュエータとして比較的安価なエアシリンダ34を用いながら、クランプ爪31L,31Rのガイド位置を適宜切り替えることができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、エアシリンダ34は両ロッド式の複動シリンダであり、ピストンロッド37は、互いに逆方向に延びる第1ロッド37Aおよび第2ロッド37Bを含んでいる。クランプ爪31L,31Rはリンク機構33を介して第1ロッド37Aに連結され、当接部材39は第2ロッド37Bに設けられている。
図3に示すように、シリンダチューブ35の上方にはリンク機構33およびクランプ爪31L,31Rが存在しており、シリンダチューブ35の上方にはスペースの余裕が少ない。しかし、本実施形態によれば、当接部材39およびストッパ部材50を、シリンダチューブ35に対してリンク機構33と反対側(すなわち下側)に配置することができる。そのため、ストッパ部材50の設置自由度が大きい。したがって、ストッパ部材50の設置に関して、スペース上の制約を少なくすることができる。
【0061】
本実施形態によれば、ストッパ部材50は、複数の階段面51〜59を有する階段50Aを備えている。ストッパ部材50は、ガイドレール61に沿って左右に移動可能であり、階段50Aに沿って移動可能に構成されている。本実施形態によれば、ガイド位置を切り替えるためのストッパ部材50を簡易に構成することができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、ストッパ部材50を左右に移動させるストッパアクチュエータ60を備えている。ストッパアクチュエータ60がストッパ部材50を階段に沿って移動させることにより、クランプ爪31L,31Rのガイド位置を適宜選択することができる。
【0063】
ところで、電線処理装置1を一旦停止し、その後に再起動させる際などに、ストッパ部材50の位置がずれてしまう場合がある。しかし、本実施形態によれば、
図3に示すように、ストッパ部材50と接触可能で、基準位置を明確にするための原点位置決め部材66を備えている。制御装置70は、原点位置決め部材66と接触したときのストッパ部材50の位置を原点位置として、ストッパ部材50の位置を制御するように構成されている。そのため、ストッパ部材50の位置が一時的にずれたとしても、上記原点位置に基づいてストッパ部材50の位置が補正される。したがって、制御装置70は、ストッパ部材50の位置を正確に制御することができ、クランプ爪31L,31Rのガイド位置の切り替えを正確に行うことができる。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態が前記実施形態に限定されないことは勿論であり、他にも種々の実施形態があり得る。次に、他の実施形態の例について簡単に説明する。
【0065】
前記実施形態では、ストッパ部材50は左右方向に延びる階段50Aを有し、ストッパアクチュエータ60はストッパ部材50を左右方向に駆動するように構成されている。しかし、階段50Aは、直線状に形成されていなくてもよい。
図9に示すように、ストッパ部材50が円盤状に形成され、階段50Aが円周状に形成されていてもよい。
図9に示すストッパ部材50では、複数の階段面51〜58は、平面視において円弧状に形成されている。ストッパアクチュエータ60は、ストッパ部材50を回転させるように構成されている。ストッパアクチュエータ60がストッパ部材50を回転させることにより、ストッパ部材50は階段50Aに沿って移動し、複数の階段面51〜58のうち当接部材39と対向する階段面を適宜変更することができる。このようなストッパ部材50であっても、前述の効果を得ることができる。更に、本実施形態に係るストッパ部材50によれば、左右方向に延びるガイドレール61(
図3参照)は不要である。また、ストッパ部材50の左右方向の寸法を小さくすることができる。よって、電線クランプ装置を左右方向にコンパクト化することができる。
【0066】
また、ストッパ部材50は、
図10に示すように、階段50Aに代えて斜面50Bを備えていてもよい。斜面50Bを備えるストッパ部材50であっても、ガイドレール61に沿って移動することにより、当接部材39と当接する部分を変更することができる。斜面50Bの当接部分を変更することにより、当接するときの第2ロッド37Bの伸張長さを変更することができる。よって、クランプ爪31L,31Rのガイド位置を変更することができる。本実施形態においても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、前記実施形態では階段面の数に限りがあり、ガイド位置を段階的にしか変更できないが、本実施形態によれば、ガイド位置を連続的に変更することができる。よって、電線5の移動を案内するときのクランプ爪31L,31Rの間隔を自由に調整することができ、より多くの種類の電線5の把持および案内が可能となる。
【0067】
前記実施形態では、エアシリンダ34は両ロッド式であり、リンク機構33を介してクランプ爪31L,31Rと連結された第1ロッド37Aの他に、第2ロッド37Bを備えている。しかし、
図11に示すように、エアシリンダ34は、第1ロッド37Aのみを備えた片ロッド式であってもよい。
図11(a)に示すように、本実施形態では、ストッパ部材50はシリンダチューブ35の後方(
図11(a)の右方)に配置されている。第1ロッド37AにはL型のアーム48が固定され、アーム48の下端部に当接部材39が設けられている。当接部材39は、第1ロッド37Aの伸縮に伴って上下に移動するように構成されている。本実施形態においても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
なお、前記各実施形態において、エアシリンダ34は複動式に限らず、単動式であってもよい。例えば、エアシリンダ34のピストンの一方には、エアが供給または排出される圧力室が形成され、ピストンの他方には、ピストンを付勢するスプリングが配置されていてもよい。
【0069】
クランプ爪31L,31Rを接近および離反させるアクチュエータは、エアシリンダ34に限らず、油圧シリンダなどの他の流体圧シリンダであってもよい。
【0070】
前記実施形態では、クランプ爪駆動装置32は、ストッパ部材50を駆動するストッパアクチュエータ60を備えている。ストッパ部材50の位置は、ストッパアクチュエータ60によって自動的に変更される。しかし、ストッパ部材50の位置の変更は、オペレータが手動で行うことも可能である。本発明に係る電線クランプ装置には、ストッパ部材50が手動で位置変更されるように構成されているものも含まれる。
【0071】
前記実施形態では、クランプ爪駆動装置32は、クランプ爪31L,31Rを接近および離反させるアクチュエータとしてのエアシリンダ34と、ストッパ部材50を駆動するストッパアクチュエータ60とを備えている。しかし、クランプ爪駆動装置32は、多段階または連続的な位置変更が可能な単一のアクチュエータによって構成されていてもよい。例えば、クランプ爪駆動装置32は、リンク機構33を介してクランプ爪31L,31Rに連結されたサーボモータであってもよい。電線クランプ装置は、例えば、クランプ爪31L,31Rに連結されたリンク機構33に接続されたラックと、当該ラックに係合するピニオンと、当該ピニオンに連結されたサーボモータとを備えていてもよい。
【0072】
本発明に係る電線クランプ装置は、必ずしも電線処理装置に備えられている必要はない。本発明に係る電線クランプ装置は、電線の把持および案内が必要な任意の装置に適用可能である。