(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイド揺動部材は所定の周期で駆動し、最も搬送方向の長さの短い前記印刷媒体が搬送される間に、前記押圧ガイド部材を1回以上、揺動させるような周期としたことを特徴とする請求項2記載の媒体搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
以下に本発明を実施するための最良の形態である第1の実施の形態を説明する。各図面に共通な要素には同一の符号を付す。以下、第1の実施の形態に関する媒体搬送装置及び画像形成装置の構成を説明する。なお、以下の説明では、媒体搬送装置としてボトムシートフィーダ20を一例として説明する。また、印刷媒体として封筒を一例として説明するが、印刷媒体は市販されているカット紙又は透明フィルム用紙等であってもよい。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に関するボトムシートフィーダ及び画像形成装置の概略説明図である。
図1に示すように、第1の実施の形態に関する媒体搬送装置としてのボトムシートフィーダ20は、画像形成装置10に対して着脱可能に設けられ、後述するように印刷媒体としての封筒Mを画像形成装置10へ供給するものである。ボトムシートフィーダ20は、画像形成装置10のマルチパーパストレイ600(以下、「MPT600」という)のトレイ開口部650に対し、矢印X方向に挿入して接続される。
ボトムシートフィーダ20は、後述するように封筒Mを搬送方向へ前傾して積載した状態で、積層された複数の封筒Mのうち最下端の封筒Mから順次給紙するものである。このために、ボトムシートフィーダ20は、複数の封筒Mを集積し、最も下端の封筒Mから給紙を行う集積給紙機構200と、給紙された封筒Mを更に画像形成装置10へ搬送するフィーダ内搬送機構250とを有する。
【0012】
画像形成装置10は、接続されたボトムシートフィーダ20から搬送されてくる封筒Mに所望の印刷を行うものである。このために、画像形成装置10は、接続されたボトムシートフィーダ20から給紙搬送された封筒Mを更に画像形成装置10内部へ搬送するプリンタ内搬送機構300を有する。また、画像形成装置10は、封筒Mに印刷を行う、即ち画像を形成する画像形成機構400と、形成された画像を中間転写し封筒Mに転写させる中間転写機構700と、封筒Mの画像の定着及び排出を行う定着排出機構800を有する。
【0013】
次に、媒体搬送装置としてのボトムシートフィーダ20の集積給紙機構200の構成を詳細に説明する。
図2は、第1の実施の形態に関するボトムシートフィーダの集積給紙機構の説明図である。
図2に示すように、集積給紙機構200は、複数の印刷媒体としての封筒Mを搬送方向へ前傾した状態で集積し、最も下端の封筒Mから給紙を行うものである。そのため集積給紙機構200は、封筒スタック部210、給紙部220、ゲート部230及び分離部240を有する。なお、矢印Bは、封筒Mが搬送される搬送方向を示す。以下、矢印B方向を「搬送方向」という。
【0014】
封筒スタック部210は、印刷媒体としての封筒Mを積層させるものである。このために、封筒スタック部210は、封筒Mの後端に設けられるスタックガイド213及び封筒Mの左右に設けられるセットガイド214を有する。
封筒スタック部210が積層する複数の封筒Mは、全て同じ形状、寸法であるほうがよい。封筒Mは、水平状態に比較し搬送方向の先端が下降し又は後端が持上げられた状態、即ち、搬送方向へ前傾した状態で積層される。更に、事前捌きガイド231は上層と下層の形状が異なる。事前捌きガイド231の上層は、各封筒Mの搬送方向先端が揃うように直線状で垂直又は上端が搬送方向下流側へ傾斜している。事前捌きガイド231の下層は、封筒Mの搬送方向先端が直上にある封筒Mの先端よりわずかに前に出てずれるように直線状に傾斜して、その傾斜は上層の傾斜と逆方向にとしての下端が搬送方向下流側へ傾斜している。
【0015】
封筒Mは、装置左右両側面に備えられるセットガイド214によって図中奥行き方向、即ち封筒Mの搬送方向に直角水平方向(以下、「幅方向」という)が規制され整列され、後に説明するゲート部230の事前捌きガイド231によって封筒Mの前端が当接して支持され積載される。また、封筒Mの搬送方向上流側、即ち封筒後端側には、封筒後端を支持するためのスタックガイド213が設けられている。
従って、封筒スタック部210は、スタックガイド213及びセットガイド214並びに後述するゲート部230の事前捌きガイド231によって前後左右を規制された領域に封筒Mを積載する。
【0016】
給紙部220は、封筒スタック部210の搬送方向下流側付近の下方、即ち封筒Mの先端付近の下方に配設されている。給紙部220は、積載された複数の封筒Mを最下端の封筒Mから順次繰り出して給紙するものである。このために、給紙部220は、ベルト状部材としての給紙ベルト221、給紙ベルト221を駆動する給紙駆動ローラ223、張架ローラ224、プレッシャーローラ228及びペーパーエンドセンサ229を有する。
給紙ベルト221は給紙駆動ローラ223及び張架ローラ224との間に架けられる。従って、給紙ベルト221は、前述の封筒スタック部210に積層された封筒Mのうち最下端の封筒Mに当接した状態となる。
【0017】
給紙ベルト221は、後に
図9に示す給紙搬送駆動モータ2102が給紙駆動ローラ223を矢印A方向に回転駆動することにより駆動される。給紙駆動ローラ223及び張架ローラ224の中間にはペーパーエンドセンサ229が設けられ、封筒Mが封筒スタック部210に積載されていることを検出する。後述するように、給紙ベルト221は、ペーパーエンドセンサ229により封筒Mが検出されているときに回転駆動される。
プレッシャーローラ228は、給紙駆動ローラ223及び張架ローラ224の中間付近に設けられ、搬送方向に移動する給紙ベルト221を下方から上方へ押圧する。従って、給紙ベルト221は、プレッシャーローラ228によって上方に押圧されながら、次に説明するプレッシャーガイド234のガイド面234−1の下部にある押圧部234−2(
図7参照)との間にニップ部を形成し、封筒スタック部210の最下端の封筒Mを繰り出す。なお、ペーパーエンドセンサ229は、反射型、透過型光センサであってもよいし、メカセンサであってもよい。
【0018】
ゲート部230は、積層した封筒Mを捌き、一枚毎に給紙しやすくする。特に、封筒Mの積載量が少なくなるに伴い、軽量化のために給紙ベルト221による弱くなった給紙力を増加させるものである。このために、ゲート部230は、封筒Mの先端を規制する事前捌きガイド231、押圧ガイド部材としてのプレッシャーガイド234、プレッシャーガイド234を付勢する付勢部材としてのスプリング238、プレッシャーガイド234を繰り返して揺動させるガイド揺動部材としてのリバースカム239を有する。
【0019】
事前捌きガイド231は、封筒スタック部210に積層された封筒Mの先端側を当接させ、封筒Mを繰り出す前に1枚毎に捌くために設けられる。前述のように封筒スタック部210の封筒Mは、複数の封筒Mのうち上層では各先端がほぼ直線状に揃って積層され、下層では封筒Mの搬送方向先端が直上にある封筒Mの先端よりわずかに前に出てずれるように積層される。これは、事前捌きガイド231が、上層は最上端が搬送方向下流側へ向けて傾斜しているが、下層は逆に最下端が搬送方向下流側へ傾斜した形状としているからである。下層において封筒Mをこのように積層させることによって、封筒Mを繰り出す前に1枚毎に捌くことができる。
【0020】
本実施の形態に関する押圧ガイド部材としてのプレッシャーガイド234は、アーム支点235aを中心に揺動するアーム部235を備える。アーム部235はプレッシャーガイド234の一部である。
プレッシャーガイド234は、第1のガイド面としてのガイド面234−1を有する。ガイド面234−1は、封筒Mの搬送方向上流側の面、即ち積載される封筒Mに当接する面である。また、事前捌きガイド231も積載される封筒Mに当接する第2のガイド面としてのガイド面231−1を有する。ガイド面234−1はガイド面231−1の封筒Mの幅方向の両側に位置するよう左右に一対設けられる。ガイド面234−1及びガイド面231−1は、後に
図6に示すように高さが同じ面、いわゆる同一面である。プレッシャーガイド234のガイド面234−1は、事前捌きガイド231が固定されているので、事前捌きガイド231のガイド面231−1と同一面の位置以上に矢印D方向の反対方向、即ち搬送方向下流側には回転しない。これにより、封筒Mが多いとき、プレッシャーガイド234のガイド面234−1は、多量の封筒Mによってプレッシャーガイド234を搬送方向下流側に押す力(
図11のFp参照)で押圧されても、事前捌きガイド231のガイド面231−1と同一面を維持する。
【0021】
一方、封筒Mの積載量が少なくなるに伴って、封筒Mによるプレッシャーガイド234を押す力Fpが弱くなる。そこで、プレッシャーガイド234はスプリング238の付勢力により、矢印Dに示すようにアーム支点235aを中心として、搬送方向上流側へと傾倒する。即ち、プレッシャーガイド234の左右のガイド面234−1が事前捌きガイド231のガイド面231−1より徐々に突出する状態になる。このプレッシャーガイド234の傾倒によって、プレッシャーガイド234のガイド面234−1の下部にある押圧部234−2は給紙ベルト221へと押し付けられ、給紙ベルト221による封筒Mの給紙力を高めることができる。
即ち、プレッシャーガイド234は、給紙ベルト221へと傾倒可能に支持され、封筒Mの先端側を当接させて封筒Mを保持している。そして封筒Mの積載量が少なくなるに伴いプレッシャーガイド234を傾倒させて、給紙ベルト221との間に封筒Mを挟持して給紙力を増加させるものである。
【0022】
付勢部材としてのスプリング238は、プレッシャーガイド234が受ける複数の印刷媒体からの押す力Fpに対抗するように設けられ、封筒Mの積載量が少なくなるに伴って、プレッシャーガイド234を搬送方向上流側へ付勢して傾倒させるものである。スプリング238は、後述するブリッジ2005を介して装置筐体に固定されるプレッシャーガイドフレーム2007に、一方端部が固定される。スプリング238は例えばコイルスプリング等で構成される。
ガイド揺動部材としてのリバースカム239は、後に
図9に示す駆動部2103によって所定の周期で矢印C方向に回転駆動される。この駆動部2103は制御部2100及びモータ制御部2101の制御のもとに、電磁クラッチ2140を介して給紙搬送駆動モータ2102の駆動を伝えるものである。このリバースカム239の回転駆動によってリバースカム239をプレッシャーガイド234のアーム部235のカム作用点に当接させて、アーム部235を矢印D方向の逆方向に回転させる。このアーム部235の回転によりプレッシャーガイド234を元の位置に戻させる。
リバースカム239を更に回転させるとアーム部235のカム作用点への当接が外れ、プレッシャーガイド234は矢印D方向に傾倒する。これを繰り返すことでプレッシャーガイド234を揺動させる。
【0023】
即ち、リバースカム239は、所定の周期でプレッシャーガイド234を傾倒させることにより、給紙ベルト221との当接及び離間を繰り返してプレッシャーガイド234を揺動させるものである。なお、リバースカム239の形状は、リバースカム239の円周当たり、最高点が一か所形成されるものでよい。
また、ゲート部230の搬送方向下流側には、
図5において後述するように、給紙ベルト221の上方に分離部240が設けられる。分離部240は、封筒Mが複数枚同時に繰り出された場合に1枚毎に分離するためのセパレータ2003等からなる。
【0024】
次に、ボトムシートフィーダ20のフィーダ内搬送機構250の構成を説明する。
図3は、第1の実施の形態に関するボトムシートフィーダのフィーダ内搬送機構の説明図である。
図3に示すように、ボトムシートフィーダ20のフィーダ内搬送機構250は、集積給紙機構200の給紙部220の搬送方向下流側に配置され、封筒Mを画像形成装置10へ搬送する。フィーダ内搬送機構250は、搬送ベルト251、搬送テーブル253、複数の搬送コロ254、先端センサ255及びセカンドセンサ256を有する。
搬送ベルト251は、搬送コロ254との間に封筒Mを挟持し、封筒Mを矢印B方向に挟持搬送する。搬送ベルト251は、後に
図9に示す給紙搬送駆動モータ2102によって搬送駆動ローラ252へ動力が伝達され、搬送駆動ローラ252が矢印A方向に回転駆動されることによって駆動される。
【0025】
搬送テーブル253は、搬送される封筒Mを支持するテーブルである。セカンドセンサ256及び先端センサ255は、封筒Mの位置を検出するセンサであり、搬送ベルト251及び前述の給紙部220における給紙ベルト221の駆動を制御するために用いられる。セカンドセンサ256及び先端センサ255は、反射型、透過型光センサであってもよいし、メカセンサであってもよい。
搬送ベルト251によって挟持搬送された封筒Mは、画像形成装置10のトレイ開口部650のピックローラ602及び給紙ローラ601等によって画像形成装置10内に給紙搬送される。
【0026】
次に、画像形成装置10の構成を説明する。
図4は、第1の実施の形態に関する画像形成装置の説明図である。なお、本願発明と直接関係しない構成については、簡略化のためのその説明を省略する。
図1において説明したように、画像形成装置10は、プリンタ内搬送機構300、画像形成機構400、中間転写機構700及び定着排出機構800を有する。
プリンタ内搬送機構300は、MPT600等から構成される。MPT600は、印刷媒体としての封筒Mに当接して繰り出すピックローラ602、繰り出された封筒Mを画像形成装置10の装置本体に給紙する給紙ローラ601、給紙された封筒Mを1枚毎に分離するために給紙ローラ601に付勢され当接するリタードローラ603などからなる。
【0027】
前述のボトムシートフィーダ20は、MPT600のトレイ開口部650において、ピックローラ602にボトムシートフィーダ20の搬送ベルト251の搬送方向下流側の先端部を当接させるように挿入される。なお、ボトムシートフィーダ20が挿入されないときは、MPT600は、用紙積載板604に積載された図示しない用紙を給紙するものとして機能する。
MPT600の搬送方向下流側には、封筒Mの斜行を規制する搬送ローラ対304、画像形成部400に封筒Mを送り込む搬送ローラ対305が配設される。また、これらの近傍には、搬送ローラ対304の駆動タイミングを検出する用紙センサ303、画像形成部400での書き込みタイミングを検出する用紙センサ320及び330が配設される。搬送ローラ対304及び305は、用紙センサ320及び330の検出結果に基づき、図示しない駆動モータによって回転駆動される。
【0028】
画像形成機構400は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色の画像をそれぞれ形成する4つの画像形成ユニット400Y、400M、400C及び400Kを有する。これらが中間転写ベルトユニット700の上部に装着されている。各色の画像形成ユニットの内部構成は共通する。画像形成ユニット400Y〜Kには、像担持体としての感光体ドラム401が矢印方向に回転可能に配置される。感光体ドラム401の周囲には、感光体ドラム401の表面に電化を供給して帯電させる帯電ローラ402、帯電された感光体ドラム401の表面に選択的に光を照射して静電潜像を形成する露光装置850が配設される。更に、静電潜像が形成された感光体ドラム401の表面に現像剤としてのトナーを付着させてトナー像を生成させる現像ローラ404を有する。また、感光体ドラム401上のトナー像を転写した際に残留した転写残トナーを除去するドラムクリーニング部405が配設される。トナー収納部406Y〜Kは、トナーを収納して現像ローラ404にトナーを供給する。
【0029】
中間転写機構700は、画像形成部400により形成されたトナー像を中間転写ベルト701に転写する。更に、MPT600から搬送されてくる封筒Mに前記トナー像を転写する。中間転写ベルトユニット700は、図示しない駆動部より回転駆動されるドライブローラ702及びコイルスプリング等の付勢手段により中間転写ベルト701に張力を付与するテンションローラ703を有する。また、2次転写ローラ707と対向して封筒Mにトナー像を転写する2次転写バックアップローラ704及びこれらのローラに張架された中間転写ベルト701を有する。
中間転写機構700は、更に、中間転写ベルト701上に残ったトナーを除去するベルトクリーニング部706、感光ドラム401に対向して感光ドラム401上に形成されたトナー像を中間転写ベルト701上に転写するために所定の電圧を付加する一次転写ローラ705を有する。
【0030】
定着排出機構800は、熱源となるハロゲンランプ803aを内蔵し表面を弾性体で形成されたアッパローラ801と、熱源となるハロゲンランプ803bを内蔵し表面を弾性体で形成されたロワローラ802のローラ対と、を有する。
定着排出機構800は、封筒M上のトナー像に熱及び圧力を印加してトナー像を融解し、トナー像を封筒Mに定着させる。その後、封筒Mを、排出ローラ対804a〜804dによって搬送し、矢印Zのようにスタッカ部805へと排出する。封筒Mをスタッカ部810に排出する場合は排出ローラ対804eにより排出する。排出センサ806は、804a〜804d又は804eの駆動タイミングを検出する。
【0031】
次に、第1の実施の形態の媒体搬送装置としてのボトムシートフィーダ20の集積給紙機構200を更に詳細に説明する。
図5は第1の実施の形態に関するボトムシートフィーダの集積給紙機構の要部周辺の側面図であり、
図6は第1の実施の形態に関するボトムシートフィーダの集積給紙機構の要部周辺の外観斜視図である。なお、
図6は、
図5に示す矢印Y方向から見た外観斜視図である。また、
図5に示すa部については後述する。
前述のように、ボトムシートフィーダ20の集積給紙機構200は、封筒スタック部210、給紙部220、ゲート部230及び分離部240によって構成される。ボトムシートフィーダ20は、その構造体、即ち梁として機能するブリッジ2005を備える。ブリッジ2005は封筒Mの幅方向に梁として設けられ、ボトムシートフィーダ20の両側面の図示しない筐体に固定される。
【0032】
封筒スタック部210は、前述のように積載される封筒Mの幅方向を規制するためのセットガイド214を備える。セットガイド214は、積載される封筒Mの幅方向の長さに合わせて移動可能に配設される。更に、封筒スタック部210の封筒後端側には、封筒後端側を支持するようにスタックガイド213が設けられる。
分離部240は、前述のセパレータ2003の外に分離フレーム2002、ノブ2004、カム2027、インナーレール2025、アウターレール2024及びセパレータフレーム2006を有する。分離フレーム2002は、ブリッジ2005の搬送方向下流側においてブリッジ2005に接続される。分離フレーム2002は、分離フレーム2002に固定されたアウターレール2024と、アウターレール2024にガイドされてスライド可能なインナーレール2025を備える。
【0033】
ノブ2004を回転させると、カム2027が回転しカム2027の当接位置が変化することにより、インナーレール2025がアウターレール2024に沿って上下に移動する。インナーレール2025の下端側には、セパレータフレーム2006が取り付けられている。セパレータフレーム2006には、給紙ベルト221に対向するようにセパレータ2003が係止されている。
このような構成とすることにより、ノブ2004の回転によりセパレータフレーム2006を上下動させ、セパレータ2003を給紙ベルト221に押付け又は離間させることができる。即ち、ノブ2004の回転操作は、セパレータ2003及び給紙ベルト221の間隙を調整することができる。
【0034】
セパレータ2003は、給紙ベルト221によって封筒Mが複数重なって繰り出された場合、セパレータ2003の摩擦によって複数のうちの上側の封筒Mの繰出しを遅らせるので、下側の封筒Mのみを給紙し、重送を防止することができる。このためにセパレータ2003は、例えばゴム等の摩擦係数の大きい高摩擦部材で構成する。
【0035】
図7は第1の実施の形態に関するボトムシートフィーダのプレッシャーガイドの外観斜視図である。プレッシャーガイド234は、封筒スタック部210に積載される封筒Mの先端に当接する第1のガイド面としてのガイド面234−1を有する。ガイド面234−1は封筒Mの幅方向に左右一対設けられる。ガイド面234−1は、ガイド面上端234−4が上端であり、ガイド面上端234−4の上方は、搬送方向側に折れ曲り、積載される封筒Mの先端には当接しなくなる(
図6参照)。そして、ガイド面上端234−4の上方は、スプリング238の一端に当接するスプリング受け部234−8に至るよう形成される。
【0036】
プレッシャーガイド234は、左右のガイド面234−1の下部に、給紙ベルト221に当接又は離間するための押圧部234−2が形成される。そして、左右の押圧部234−2から、搬送方向下流側へ向けて左右のアーム部235が形成される。
左右のアーム部235の搬送方向下流側の先端は、前述のようにガイド揺動部材としてのリバースカム239に当接する。アーム部235の中間にはアーム支点235aが設けられ、アーム部235はアーム支点235aを中心に揺動する構成となっている。一方、スプリング受け部234−8に対向してスプリング238が設けられ、プレッシャーガイド234を矢印D方向に傾倒させる。
【0037】
その結果、ガイド揺動部材としてのリバースカム239が動作し、アーム部235を矢印G方向へ移動させると、プレッシャーガイド234を矢印H方向に復帰させる。また、リバースカム239が回転し、アーム部235を矢印Gの逆方向へ移動させると、プレッシャーガイド234は矢印D方向に傾倒する。これにより、プレッシャーガイド234は常時揺動を行い、押圧部234−2は給紙ベルト221に対して当接及び離間を繰り返すことになる。
【0038】
次に、給紙部220の構成を説明する。
図8は、第1の実施の形態のボトムシートフィーダに関する給紙部周辺の上面図である。
図8に示すように、給紙部220は、給紙ベルト221a〜221f、給紙駆動ローラ223、張架ローラ224及びプレッシャーローラ228を有し、給紙ベルト221によって封筒Mを矢印B方向に繰り出し給紙する。幅方向に設けられた複数の給紙ベルト221のうち中央の2つの給紙ベルト221c及び221dの間隙に分離部240のセパレータ2003が配設される。給紙ベルト221a〜221fとセパレータ2003は、封筒Mが複数枚同時に繰り出されたような場合にも、1枚毎に封筒Mを分離して給紙する。
【0039】
次に、ゲート部230の構成を説明する。ゲート部230は、
図5及び
図6に示すように、事前捌きガイド231、プレッシャーガイドフレーム2007、プレッシャーガイド234、スプリング238及びリバースカム239を有する。
事前捌きガイド231は、ブリッジ2005に固定される。ブリッジ2005に接続されたプレッシャーガイドフレーム2007にはアーム支点235aとなる回転支点軸が設けられている。プレッシャーガイド234の封筒Mに対する第1のガイド面としてのガイド面234−1は、前述のように多量の封筒Mが積載されたときに事前捌きガイド231の第2のガイド面としてのガイド面231−1と同じ高さ、即ちいわゆる同一面となる構成となっている。また、事前捌きガイド部231の下方の給紙ベルト221との間には、封筒Mを送り込むための後述する第2の間隙231−5が形成される。同様に、プレッシャーガイド234の左右の押圧部234−2の下方の給紙ベルト221との間には、封筒Mを送り込むための後述する第1の間隙234−5が形成される。
【0040】
プレッシャーガイド234の左右の押圧部234−2は、
図6に示すように、給紙ベルト221c及び221dの上方に位置付けされる。プレッシャーガイド234は、他の給紙ベルト221a、221b、221e及び221fの上位置に設ける構成としてもよい。スプリング238は、プレッシャーガイド234を矢印Dに示す方向に傾倒させるために備える。
リバースカム239は、次に
図9に示す駆動部2103によって矢印C方向に回転駆動される。この駆動部2103は制御部2100及びモータ制御部2101の制御のもとに、電磁クラッチ2140を介して給紙搬送駆動モータ2102の駆動を伝えるものである。なお、この駆動部2103は、電磁クラッチ2140を介さずに、リバースカム239を直接回転させるために給紙搬送駆動モータ2102とは別の駆動モータとしてのリバースカム駆動モータを含むものであってもよい。
このリバースカム239の回転によって、プレッシャーガイド234のアーム部235の先端にリバースカム239を当接させて矢印D方向の逆方向、即ち搬送方向下流側としてのH方向にプレッシャーガイド234を回転させて元の位置に戻す。これを繰り返すことによってプレッシャーガイド234を揺動させる。
【0041】
次に、第1の実施の形態の媒体搬送装置としてのボトムシートフィーダ20の制御系の構成を説明する。
図9は、第1の実施の形態のボトムシートフィーダに関する制御系のブロック図である。
図9に示すように、ボトムシートフィーダ20の制御系は制御部2100を有する。この制御部2100の入力側に封筒Mの搬送状態を検出するセンサとしてペーパーエンドセンサ229、先端センサ255及びセカンドセンサ256が接続される。制御部2100の出力側には、給紙搬送駆動モータ2102を回転駆動するモータ制御部2101が接続される。
このような構成とすることにより、ボトムシートフィーダ20は、各センサで封筒Mの搬送状態を検出しながら、制御部2100及びモータ制御部2101の制御のもとに、給紙搬送駆動モータ2102によって給紙駆動ローラ223及び搬送駆動ローラ252を回転駆動する。更に、各センサで封筒Mの搬送状態を検出しながら、制御部2100及びモータ制御部2101の制御のもとに、電磁クラッチ2140を介して給紙搬送駆動モータ2102の駆動を伝えることによってリバースカム239を回転させ、プレッシャーガイド234の繰返し揺動を制御する。
【0042】
(動作説明)
以上の構成により第1の実施の形態に関する媒体搬送装置としてのボトムシートフィーダ20及び画像形成装置10は、以下のように動作する。最初に、前述の
図2及び
図3を用いて媒体搬送装置における封筒Mの給紙搬送の動作を説明する。
図2に示すように、封筒スタック部210に積載された封筒Mは、スタックガイド213により封筒後端側が持ち上げられ前傾して、封筒Mの荷重が封筒先端側に掛かるように積載される。このとき、封筒Mは左右のセットガイド214により封筒Mの幅方向の規制が行なわれる。また、事前捌きガイド231及びプレッシャーガイド234によって封筒先端側が規制され、上方の封筒Mが搬送方向下流側へ進行しないようガイドされる。
【0043】
そして、給紙部220の給紙ベルト221が駆動されると、積載された封筒Mは、最も下端の封筒Mから順に搬送方向(矢印B方向)へと繰り出される。給紙ベルト221は、モータ制御部2101の制御のもとに、給紙搬送駆動モータ2102により回転駆動する給紙駆動ローラ223によって駆動される。このとき、事前捌きガイド231及び給紙ベルト221との間に設けられた第2の間隙231−5に、封筒Mが送り込まれる。搬送方向下流側へはこの第2の間隙231−5によって限られた量(必ずしも1枚であるとは限らない)の封筒Mだけが繰り出される。
【0044】
繰り出された封筒Mは、プレッシャーローラ228によって押圧された給紙ベルト221及びプレッシャーガイド234の下部にある押圧部234−2とにより形成されるニップ部へ送り込まれ、分離部240のセパレータ2003まで搬送される。ここで封筒Mが複数枚搬送された場合は、セパレータ2003によって1枚毎に分離され、そして、矢印Bのように搬送方向下流側のフィーダ内搬送機構250へと搬送される。
【0045】
図3に示すように、更に、封筒Mは、フィーダ内搬送機構250の搬送コロ254と搬送ベルト251により形成されるニップ部によって搬送方向下流側へと挟持搬送される。搬送ベルト251は、モータ制御部2101の制御のもとに、給紙搬送駆動モータ2102により回転駆動する搬送駆動ローラ252によって駆動される。封筒Mは、搬送ベルト251によって搬送方向下流側に搬送され続け、画像形成装置10のトレイ開口部650に設けられたピックローラ602と搬送ベルト251によって形成されるニップ部まで搬送される。
【0046】
次に、
図4を用いて、封筒Mに印刷を行う画像形成装置10の動作を説明する。先ず、画像形成装置10において、印刷指示が行われると、プリンタ内搬送機構300のビックローラ602は、ボトムシートフィーダ20から矢印B方向に搬送されてきた封筒Mを搬送方向下流側へと繰り出す。繰り出された封筒Mは、プリンタ内搬送機構300の給紙ローラ601及びリタードローラ603によって形成されるニップ部へ送り込まれ、挟持搬送される。この時、給紙搬送動作と平行して、画像形成機構400は、画像形成ユニット400Y〜Kによって印刷指示された画像のトナー画像を形成する。
【0047】
封筒Mは、プリンタ内搬送機構300の搬送ローラ対304及び305によって更に搬送される。封筒Mは、中間転写機構700まで搬送されると、中間転写機構700の中間転写ベルト701と2次転写ローラ707によって形成されるニップ部によって挟持搬送される。この時、中間転写機構700の中間転写ベルト701によって、画像形成ユニット400Y〜Kにより形成したトナー画像を封筒Mに転写する。
更に、封筒Mは、搬送方向下流側に搬送され続け、定着排出機構800の位置まで到達する。そして、定着排出機構800のアッパローラ801及びロアローラ802によって形成されるニップ部802による挟持搬送が行われ、トナー画像の定着動作が行われる。トナー画像が定着された封筒Mは、排出ローラ対804aを経由し、排出ローラ対804b、804c及び804dにより、又は804eにより挟持搬送され、スタッカ部805又は810に排出される。
【0048】
次に、
図9を用いて、第1の実施の形態に関する媒体搬送装置としてのボトムシートフィーダ20の制御動作を説明する。制御部2100は、モータ制御部2101により給紙搬送駆動モータ2102を回転駆動する。即ち、給紙部220のペーパーエンドセンサ229によって封筒Mが封筒スタック部210に積載されていることを検出し、かつフィーダ内搬送機構250の先端センサ255又はセカンドセンサ256が封筒Mを検出していない場合、制御部2100は給紙搬送駆動モータ2102を回転駆動する。この給紙搬送駆動モータ2102の回転駆動により給紙部220の給紙駆動ローラ223及びフィーダ内搬送機構250の搬送駆動ローラ252を回転駆動させ、封筒Mの給紙搬送を行う。
【0049】
一方、ペーパーエンドセンサ229によって封筒Mが積載されていることを検出し、かつ先端センサ255及びセカンドセンサ256の両方が封筒Mを検出している場合、制御部2100は給紙搬送駆動モータ2102を回転駆動しない。また、ペーパーエンドセンサ229によって封筒Mが積載されていることを検出していない場合は、先端センサ255及びセカンドセンサ256の検出結果に関係なく、制御部2100は給紙搬送駆動モータ2102を回転駆動しない。
【0050】
この制御により、封筒スタック部210に積載された封筒Mが給紙搬送され、最初にセカンドセンサ256が封筒Mを検出すると、制御部2100は、モータ制御部2101によって、封筒Mを搬送し続けるように給紙搬送駆動モータ2102を回転駆動し続ける。その後、先端センサ255が封筒Mの先端を検出すると、給紙搬送駆動モータ2102を停止する。この時、搬送された封筒Mの先端は、ピックローラ602及び搬送ベルト251によって形成されたニップ部よりも搬送方向下流側に位置する。
【0051】
その後、画像形成装置10の印刷動作により、画像形成装置10のピックローラ602により封筒Mが搬送方向下流側へと繰り出される。そして、封筒Mの後端がセカンドセンサ256を通過すると、制御部2100はモータ制御部2101によって、給紙搬送駆動モータ2102の回転駆動を開始し、次の封筒Mを搬送方向下流側へと搬送する。
上記検出タイミングは、封筒Mの長さ、先端センサ255とセカンドセンサ256の間の距離、画像形成装置10の印刷速度などによって変化するが、上記のように制御部2100及びモータ制御部2101の制御のもとにボトムシートフィーダ20の給紙搬送が制御される。
【0052】
次に、第1の実施の形態に関する媒体搬送装置としてのボトムシートフィーダ20のゲート部230の動作を説明する。
図10は、第1の実施の形態に関するボトムシートフィーダにおける印刷媒体の積載量が多い状態の集積給紙機構の動作説明図である。また、
図11は、第1の実施の形態に関するボトムシートフィーダにおける印刷媒体の積載量が少ない状態の集積給紙機構の動作説明図である。なお、
図10及び
図11は
図5に示すa部の拡大図である。
【0053】
先ず、
図10に示すように、複数の封筒Mがプレッシャーガイド234のガイド面上端234−4よりも上方に積載された状態では、プレッシャーガイド234のガイド面234−1は、事前捌きガイド231のガイド面231−1と同一面側に押された状態が保持される。即ち、プレッシャーガイド234の自重及びスプリング238による搬送方向上流側への付勢力Fsの合力よりも、積載した封筒Mの重量(重力又は荷重)によってプレッシャーガイド234を搬送方向下流側へ押す力Fp(重力又は荷重の一部)の方が強くなる。その結果、プレッシャーガイド234は、搬送方向下流側へ回転しようとするが、事前捌きガイド231が固定されているのでそうならず、事前捌きガイド231と同一面となった状態が保持される。なお、この場合の積層された封筒Mの総重量が大きいので、給紙力Fcは十分であり、封筒Mの不送りは発生しない。
【0054】
一方、
図11に示すように、封筒Mの給紙が進み、積載した封筒Mが徐々に減少してくると、積層された封筒Mの総重量が小さくなり、給紙力Fcが減少する。そして、積載した封筒Mが徐々に減少してくると、積載した封筒Mの重量によってプレッシャーガイド234を押す力Fpが弱くなる。そして、プレッシャーガイド234の自重及びスプリング238の付勢力Fsの合力の方がプレッシャーガイド234を押す力Fpより強くなると、プレッシャーガイド234はアーム支点235aを中心に搬送方向上流側としての矢印D方向に傾倒する。即ち、プレッシャーガイド234のガイド面234−1が事前捌きガイド231のガイド面231−1より徐々に突出する状態になる。
そして、プレッシャーガイド234のガイド面234−1の下端の押圧部234−2が給紙ベルト221に当接することでプレッシャーガイド234の矢印D方向への傾倒が止まる。この時、プレッシャーガイド234の押圧部234−2及び給紙ベルト221との間に封筒Mが存在していると、給紙力Fcが増加し、封筒Mが搬送される。
【0055】
上記のようにプレッシャーガイド234の傾倒によって発生する給紙力Fcは、以下の式1で求められる。即ち、
図11に示すように、アーム支点235aから傾倒前のアーム部235を含むプレッシャーガイド234の重心234gまでの長さをL1とし、アーム支点235aからプレッシャーガイド234の下部角部234−2までの長さをL2とする。また、スプリング238のバネ荷重である付勢力をFs(グラム単位)、積層された封筒Mの総重量をm(グラム単位)、アーム部235を含むプレッシャーガイド234の重さをMa(グラム単位)、封筒Mと給紙ベルト221の摩擦係数をμとする。この場合の給紙力Fcは、下式で求められる。即ち、
給紙力Fc = μ(m + Ma × L1 / L2 )+ Fs (式1)
【0056】
一方、
図12に示す従来の媒体搬送装置では、給紙力Fcは、積層された封筒Mの総重量のみによる給紙力であるので、給紙力Fc = μmとなる。従って、第1の実施の形態に関する媒体搬送装置では、μ(Ma × L1 / L2 )+Fsの分、給紙力Fcを増加させることができる。
なお、スプリング238の付勢力Fsは、従来の媒体搬送装置において不送りが発生し始める封筒Mの積載量を把握し、この積載量に基づき、プレッシャーガイド234が給紙ベルト221へと傾倒するように実験的に求めればよい。
【0057】
ここで、プレッシャーガイド234の押圧部234−2が給紙ベルト221に当接したままの状態では、残った封筒Mが搬送されない場合がある。そこで、ガイド揺動部材としてのリバースカム239によるプレッシャーガイド234の繰返し揺動動作を行う。
即ち、
図11に示すように、リバースカム239を矢印C方向に回転させる。このリバースカム239の回転は、
図9に示す制御部2100及びモータ制御部2101の制御のもとに、電磁クラッチ2140を介して給紙搬送駆動モータ2102の駆動力を伝えることにより行う。
【0058】
このリバースカム239の回転により、リバースカム239の頂点に当接するアーム部235がアーム支点235aを中心に搬送方向下流側としての矢印G方向に回転し、プレッシャーガイド234が矢印H方向に回転する。即ち、プレッシャーガイド234は
図10に示す状態となり、プレッシャーガイド234及び給紙ベルト221との間には、封筒Mを送り込むための第1の間隙234−5が形成される。この第1の間隙234−5に最下端の封筒Mが送り込むことができる。
【0059】
リバースカム239を更にC方向に回転させると、リバースカム239の頂点は再びアーム部235との当接が外れて
図11に示す状態となり、スプリング238の付勢力により、アーム部235が搬送方向上流側としての矢印Gの反対方向に回転し、プレッシャーガイド234が矢印D方向に傾倒する。即ち、プレッシャーガイド234は
図11に示す状態となり、プレッシャーガイド234及び給紙ベルト221との間には、第1の間隙234−5がなくなる。これにより、プレッシャーガイド234の押圧部234−2が前述の第1の間隙234−5に送り込んだ最下端の封筒Mに対し、給紙力を生じさせることができる。
【0060】
このように、リバースカム239を回転させることにより、プレッシャーガイド234を矢印D方向及び矢印H方向に揺動させる。なお、所定の周期となるリバースカム239の回転周期は、最も搬送方向の長さの短い封筒Mが搬送される間に1回転以上回転させ、プレッシャーガイド234を1回以上、揺動させるようにすればよい。このように所定の周期を設定すれば、搬送方向の長さの短い封筒Mであっても、先の1枚の封筒Mが搬送される間にプレッシャーガイド234が矢印H方向に戻り、発生する間隙を次の封筒Mの先端が通過する。そして、プレッシャーガイド234の押圧部234−2及び給紙ベルト221との間にこの封筒Mの先端が挟まれ、給紙力Fcが増加し、該封筒Mをセパレータ2003まで搬送させることができる。
【0061】
以上のように、第1の実施の形態に関する媒体搬送装置としてのボトムシートフィーダ20によれば、封筒Mを給紙ベルト221によって最下端の封筒Mから給紙するボトムシートフィーダ20において、搬送方向上流側へ傾倒可能に支持され、積載された封筒Mの先端側を当接させて封筒Mを保持するプレッシャーガイド234を備え、封筒Mの積載量が少なくなるに伴い、プレッシャーガイド234を傾倒させて給紙ベルト221との間に封筒Mを挟持して給紙力を増加させるようにしたので、封筒Mの積載量が少ないときであっても不送りが発生することなく最後の封筒Mまで給紙搬送を行うことができる。
【0062】
更に、本実施の形態に関するボトムシートフィーダ20によれば、プレッシャーガイド234と給紙ベルト221の間を繰り返して当接及び離間させるためにプレッシャーガイド234を揺動させるリバースカム239を備えたので、離間のときに、プレッシャーガイド234及び給紙ベルト221との間に封筒Mの送込むことができるとともに、当接のときには、封筒Mを挟持することができるので給紙力を増加させることができる。
【0063】
なお、第1の実施の形態に関する画像形成装置10の説明では、画像形成装置10を電子写真式の画像形成装置として説明したが、インクジェット方式などの画像形成装置であってもよい。また、第1の実施の形態に関するボトムシートフィーダ20の説明では、ボトムシートフィーダ20を集積給紙機構200とフィーダ内搬送機構250から構成するように説明したが、フィーダ内搬送機構250を省略した構成としてもよい。