【文献】
ダハラン・ナリマン他,拡張現実感による土木工事支援システムの開発,日本バーチャルリアリティ学会第6回大会論文集、2001年9月19日、p.9−12,ISNN1342−4564
【文献】
intra−mart ベースモジュール・マニュアルVer.4.1 アドミニストレータ・ガイド,株式会社NTTデータイントラマート,2003年7月,初版,p.42
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記施工計画データ出力部は、前記出力装置に、土砂の切土計画データと前記切土完了データとを異なるデザインで同時に出力示させ、土砂の盛土計画データと前記盛土完了データとを異なるデザインで同時に出力させる、
請求項5に記載の施工管理システム。
前記施工計画データ出力部は、前記出力装置に、前記中間設計地形データ及び前記中間現況地形データの3次元表示データと、前記中間設計地形データ及び前記中間現況地形データの断面表示データとを同時に出力させる、
請求項16に記載の施工管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0016】
[施工管理システムの概要]
図1は、本実施形態に係る施工管理システム1を模式的に示す図である。施工管理システム1は、施工計画の導出及び施工の進捗状況の可視化の一方又は両方を実施する。施工管理システム1は、コンピュータシステム2を含み、土木の施工現場3の施工計画及び施工管理を実施する。施工現場3において、作業機械が稼働する。作業機械は、例えば、施工現場3の切土、盛土、又は整地が可能な建設機械4と、土砂を運搬可能な運搬車両5とを含む。
【0017】
建設機械4は、情報化施工を実施可能なICT(Information and Communication Technology)建設機械である。建設機械4は、作業部材を有するブルドーザ4Aと油圧ショベル4Bとを含む。作業部材とは、刃先を有し、施工現場3の現況地形の切土、盛土、又は整地が可能な部材をいう。作業部材は、ブルドーザ4Aに設けられたブレード及び油圧ショベル4Bに設けられたバケットである。施工現場3において、ブルドーザ4Aは、土砂の掘削、切土、押土、盛土、及び整地を行う。油圧ショベル4Bは、土砂の掘削、切土、盛土、及び整地を行う。
【0018】
運搬車両5は、ベッセルを有するダンプトラックを含む。油圧ショベル4Bによって、運搬車両5に土砂が積込まれる。運搬車両5は、例えば、施工現場3から施工現場3の外に土砂を運搬し、施工現場3の外から施工現場3に土砂を運搬する。
【0019】
また、施工現場3において、作業者Maが作業を行う。作業者Maは、建設機械4のオペレータ及び施工現場3で補助作業等を行う作業員を含む。作業者Maは、携帯端末7を所持する。携帯端末7は、スマートフォン又はタブレット型パーソナルコンピュータのような携帯型コンピュータを含む。また、施工現場3には、現場事務所9が設けられる。パーソナルコンピュータのような情報端末8が現場事務所9に設置される。作業者Maは、携帯端末7又は情報端末8を使って作業を行う。
【0020】
また、施工現場3において、施工現場3の現況地形を検出するためのドローン10が稼働する。ドローン10は、無人で飛行する飛行体である。ドローン10は、無線により遠隔操作される飛行体、及び自動的に浮上して予め設定された飛行ルートに従って飛行して所定の位置に降下する飛行体を含む。ドローン10は、カメラ11を有する。ドローン10は、カメラ11を搭載した状態で、施工現場3の上空を飛行する。カメラ11は、施工現場3の現況地形を非接触で検出可能な第1検出装置である。ドローン10に設けられたカメラ11は、施工現場3を空撮して、現況地形を非接触で検出する。
【0021】
コンピュータシステム2は、施工会社12とデータ通信可能である。施工会社12において、施工現場3の設計地形が作成される。設計地形は、施工現場3における地面の目標形状である。パーソナルコンピュータのような情報端末13が施工会社12に設置される。施工会社12の作業者Mbは、情報端末13を使って、2次元又は3次元の設計地形データを作成する。
【0022】
また、コンピュータシステム2は、施工現場3をサポートするサポートセンター14とデータ通信可能である。サポートセンター14において、施工現場3から要求された設計地形の変更又は3次元画像データの生成が行われる。パーソナルコンピュータのような情報端末15がサポートセンター14に設置される。サポートセンター14の作業者Mcは、情報端末15を使って作業を行う。なお、コンピュータシステム2がサポートセンター14に配置され、コンピュータシステム2の処理がサポートセンター14で実行されてもよい。
【0023】
[建設機械]
次に、建設機械4について説明する。GPS衛星6を含むGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)により、グローバル座標系(XgYgZg座標系)における建設機械4の車両本体の位置を示す絶対位置が検出される。建設機械4に設けられた検出装置により、ローカル座標系(XYZ座標系)における建設機械4の車両本体に対する作業部材の刃先の位置を示す相対位置が検出される。車両本体の絶対位置と、車両本体と作業部材の刃先との相対位置とに基づいて、作業部材の刃先の絶対位置が算出される。
【0024】
図2は、ブルドーザ4Aを模式的に示す図である。ブルドーザ4Aは、車両車体400Aと、車両本体400Aの絶対位置を検出するGPS受信器406Aと、車両本体400Aに対するブレード440Aの刃先440Apの相対位置を検出する検出装置420Aと、ブレード440Aの刃先440Apの位置を制御するブレード制御装置401Aとを有する。
【0025】
また、ブルドーザ4Aは、油圧シリンダであるリフトシリンダ411Aと、リフトシリンダ411Aの作動量を検出するリフトシリンダセンサ421Aと、ブレード440Aを支持するリフトフレーム430Aと、車両本体400Aを支持する走行装置450Aとを有する。
【0026】
車両本体400Aは、運転者が着座する運転席が設けられた運転室を有する。運転室には、各種の操作装置及び画像データを表示する出力装置404Aが配置される。
【0027】
走行装置450Aは、クローラを有する。リフトフレーム430Aは、車幅方向に平行な軸線Yaを中心に上下方向に動作可能に車両本体400Aに支持される。ブレード440Aは、リフトフレーム430Aを介して車両本体400Aに支持される。リフトシリンダ411Aは、車両本体400Aとリフトフレーム430Aとを連結するように設けられる。リフトシリンダ411Aは、リフトフレーム430Aを移動して、ブレード440Aを上下方向に移動する。刃先440Apは、ブレード440Aの下端部に配置される。整地作業及び切土作業(掘削作業)において、刃先440Apが施工現場3の地面に接触する。
【0028】
GPS受信器406Aは、車両本体400Aに設けられる。車両本体400AにGPS用アンテナが設けられる。GPS用アンテナは、GPS衛星6から受信した電波に対応する信号をGPS受信器406Aに出力する。GPS受信器406Aは、自車の絶対位置を示す絶対位置データを取得する。GPS受信器406Aが自車の絶対位置を取得することによって、車両本体400Aの絶対位置を示す絶対位置データが取得される。
【0029】
検出装置420Aは、リフトシリンダセンサ421Aを含む。リフトシリンダセンサ421Aは、リフトシリンダ411Aのストローク長さを示すリフトシリンダ長データLaを検出する。ブレード制御装置401Aは、リフトシリンダ長データLaに基づいて、ブレード404Aのリフト角θaを算出する。リフト角θaは、ブレード440Aの原点位置からの下降角度、すなわち、刃先440Apの地中への貫入深さ又は地上からの高さに対応する。
図2において、リフトフレーム430A及びブレード440Aの原点位置が二点鎖線で示されている。リフトフレーム430A及びブレード440Aが原点位置に位置する場合、ブレード440Aの刃先440Apは地面に接触する。ブレード440Aを原点位置から下降させた状態でブルドーザ4Aが前進することによって、ブルドーザ4Aによる整地作業及び切土作業(掘削作業)が行われる。
【0030】
また、図示しないが、ブルドーザ4Aは、ブレード440Aを回転方向(アングル方向)に移動可能なアングルシリンダと、ブレード440Aを回転方向(チルト方向)に移動可能なチルトシリンダと、アングルシリンダのストローク長さを示すアングルシリンダ長データを検出するアングルシリンダセンサと、チルトシリンダのストローク長さを示すチルトシリンダ長データを検出するチルトシリンダセンサとを有してもよい。
【0031】
検出装置420Aは、リフトシリンダセンサ421Aに加えて、アングルシリンダセンサ及びチルトシリンダセンサも含む。リフトシリンダセンサ421Aによって検出されたリフトシリンダ長データ、アングルシリンダセンサによって検出されたアングルシリンダ長データ、及びチルトシリンダセンサによって検出されたチルトシリンダ長データは、ブレード制御装置401Aに出力される。ブレード制御装置401Aは、リフトシリンダ長データ、アングルシリンダ長データ、及びチルトシリンダ長データに基づいて、車両本体400Aに対するブレード440Aの刃先440Apの相対位置を算出する。ブレード制御装置401Aは、算出した車両本体400Aに対するブレード440Aの刃先440Apの相対位置と、GPS受信器406Aで取得された車両本体400Aの絶対位置とに基づいて、ブレード440Aの刃先440Apの絶対位置を算出する。
【0032】
図3及び
図4は、油圧ショベル4Bを模式的に示す図である。油圧ショベル4Bは、車両車体400Bと、車両本体400Bの絶対位置を検出するGPS受信器406Bと、車両本体400Bに対するバケット440Bの刃先440Bpの相対位置を検出する検出装置420Bと、バケット440Bの刃先440Bpの位置を制御するバケット制御装置401Bとを有する。
【0033】
また、油圧ショベル4Bは、ブームピン433Bを介して車両本体400Bに接続されるブーム431Bと、アームピン434Bを介してブーム431Bに接続されるアーム432Bとを有する。バケット440Bは、バケットピン435Bを介してアーム432Bに接続される。
【0034】
また、油圧ショベル4Bは、ブーム431Bを駆動するブームシリンダ411Bと、アーム432Bを駆動するアームシリンダ412Bと、バケット440Bを駆動するバケットシリンダ413Bと、ブームシリンダ411Bの作動量を検出するブームシリンダストロークセンサ421Bと、アームシリンダ412Bの作動量を検出するアームシリンダストロークセンサ422Bと、バケットシリンダ413Bの作動量を検出するバケットシリンダストロークセンサ423Bとを有する。ブームシリンダ411B、アームシリンダ412B、及びバケットシリンダ413Bは、油圧シリンダである。
【0035】
また、油圧ショベル4Bは、車両本体400Bを支持する走行装置450Bと、IMU(Inertial Measurement Unit)460Bとを有する。車両本体400Bは、走行装置450Bに支持される。車両本体400Bは、旋回軸AXを中心に旋回可能な上部旋回体である。なお、
図3及び
図4に示す点P2は、旋回軸AX上の点であって、ローカル座標系(XYZ座標系)の原点を示す。
【0036】
車両本体400Bは、運転者が着座する運転席が設けられた運転室を有する。運転室には、各種の操作装置及び画像データを表示する出力装置404Bが配置される。
【0037】
走行装置450Bは、クローラを有する。刃先440Bpは、バケット440Bの先端部に配置される。整地作業及び切土作業(掘削作業)において、刃先440Bpが施工現場3の地面に接触する。
【0038】
GPS受信器406Bは、車両本体400Bに設けられる。車両本体400BにGPS用アンテナが設けられる。GPS用アンテナは、GPS衛星6から受信した電波に対応する信号をGPS受信器406Bに出力する。GPS受信器406Bは、自車の絶対位置を示す絶対位置データを取得する。GPS受信器406Bが自車の絶対位置を取得することによって、車両本体400Bの絶対位置を示す絶対位置データが取得される。
【0039】
検出装置420Bは、ブームシリンダストロークセンサ421B、アームシリンダストロークセンサ422B、及びバケットシリンダストロークセンサ423Bを含む。ブームシリンダストロークセンサ421Bは、ブームシリンダ411Bのストローク長さを示すブームシリンダ長データを検出する。アームシリンダストロークセンサ422Bは、アームシリンダ412Bのストローク長さを示すアームシリンダ長データを検出する。バケットシリンダストロークセンサ423Bは、バケットシリンダ413Bのストローク長さを示すバケットシリンダ長データを検出する。
【0040】
バケット制御装置401Bは、ブームシリンダ長データに基づいて、車両本体400Bの垂直方向に対するブーム431Bの傾斜角θ1を算出する。バケット制御装置401Bは、アームシリンダ長データに基づいて、ブーム431Bに対するアーム432Bの傾斜角θ2を算出する。バケット制御装置401Bは、バケットシリンダ長データに基づいて、アーム432Bに対するバケット440Bの刃先440Bpの傾斜角θ3を算出する。バケット制御装置401Bは、傾斜角θ1、傾斜角θ2、傾斜角θ3、ブーム431Bの長さL1、アーム432Bの長さL2、及びバケット440Bの長さL3に基づいて、車両本体400Bに対するバケット440Bの刃先440Bpの相対位置を算出する。なお、ブーム431Bの長さL1は、ブームピン433Bとアームピン434Bとの距離である。アーム432Bの長さL2は、アームピン434Bとバケットピン435Bとの距離である。バケット440の長さL3は、バケットピン435Bとバケット440Bの刃先440Bpとの距離である。
【0041】
IMU460Bは、車両本体400Bに設けられる。IMU460Bは、車両本体400Bの左右方向に対する傾斜角θ4と、車両本体400Bの前後方向に対する傾斜角θ5とを検出する。
【0042】
バケット制御装置401Bは、算出した車両本体400Bに対するバケット440Bの刃先440Bpの相対位置と、GPS受信器406B及びIMU460Bで取得された車両本体400Bの絶対位置とに基づいて、バケット440Bの刃先440Bpの絶対位置を算出する。
【0043】
建設機械4は、施工現場3の地面の現在の地形を示す現況地形データを取得することができる。
図5は、ブルドーザ4Aが現況地形データを取得している状態を示す模式図であり、
図6は、油圧ショベル4Bが現況地形データを取得している状態を示す模式図である。
図5に示すように、施工現場3の地面の現在の地形にメッシュが設定される。ブルドーザ4Aは、刃先440Apの絶対位置(Xg軸方向の位置、Yg軸方向の位置、及びZg軸方向の位置)を検出可能である。ブルドーザ4Aは、メッシュの交点を示すメッシュ点に刃先440Apを接触させることにより、複数のメッシュ点それぞれの位置データを取得することができる。同様に、
図6に示すように、油圧ショベル4Bは、メッシュの交点を示すメッシュ点に刃先440Bpを接触させることにより、複数のメッシュ点それぞれの位置データを取得することができる。複数のメッシュ点の位置データ、すなわち刃先440p(刃先440Ap、刃先440Bp)の軌跡が取得されることにより、施工現場3の現況地形データが取得される。なお、ブルドーザ4A又は油圧ショベル4Bが、走行装置450(450A、450B)に含まれる履帯を駆動させて走行した場合、車体の寸法情報とGPS受信器406(406A、406B)による自車の絶対位置を示す絶対位置データとに基づいて、走行中に履帯が地面と接触した位置の軌跡(履帯の走行軌跡)を求め、履帯の走行軌跡を施工現場3の現況地形データとして取得してもよい。
【0044】
なお、現況地形データは、建設機械4又は建設機械4とは別の車両に搭載されたステレオカメラによって取得されてもよい。ステレオカメラは、施工現場3の地面の画像データを取得して、その画像データから現況地形を検出することができる。なお、現況地形データは、建設機械4又は建設機械4とは別の車両に搭載された3次元レーザスキャナ装置によって取得されてもよい。レーザスキャナ装置は、施工現場3の地面に検出光であるレーザ光を照射して、現況地形を光学的に検出することができる。
【0045】
図7は、ブルドーザ4Aの運転室に設けられている出力装置404Aの一例を示す図であり、
図8は、油圧ショベル4Bの運転室に設けられている出力装置404Bの一例を示す図である。
図7及び
図8に示すように、建設機械4(ブルドーザ4A、油圧ショベル4B)の出力装置404(出力装置404A、出力装置404B)は、画像データを表示可能な表示装置を含む。設計地形データ及び建設機械4が出力装置404に表示される。建設機械4の運転者は、出力装置404に表示される画像データを見ながら、整地作業又は切土作業(掘削作業)を行うことができる。
【0046】
このように、建設機械4(ブルドーザ4A、油圧ショベル4B)の車両本体400(車両本体400A、車両本体400B)の絶対位置が、車両本体400に搭載されたGPS受信器406(406A、406B)及びGPS衛星6を含むGPSによって検出される。また、建設機械4は、車両本体400に対する作業部材440(ブレード440A、バケット440B)の刃先440p(刃先440Ap、刃先440Bp)の相対位置を検出可能な検出装置420(検出装置420A、検出装置420B)を有する。建設機械4は、車両本体400の絶対位置と、車両本体400に対する作業部材440の相対位置とに基づいて、作業部材440の絶対位置を求めることができる。建設機械4は、コンピュータシステム2とデータ通信可能である。設計地形データは、コンピュータシステム2から建設機械4に送信される。建設機械4は、掘削対象の目標形状である設計地形データに基づいて、作業部材440の刃先440pが設計地形に沿って移動するように、作業部材440を制御する。
【0047】
また、建設機械4は、刃先440pを使って、施工現場3の現況地形データを取得することができる。また、建設機械4は、作業中の作業部材440の刃先440pの絶対位置に基づいて、施工実績データを取得することができる。建設機械4によって取得された現況地形データ又は施工実績データは、コンピュータシステム2に送信される。
【0048】
[ドローン]
図9は、ドローン10を模式的に示す図である。ドローン10は、施工現場3の上空を飛行可能な無人航空機である。ドローン10により、施工現場3の測量が行われる。ドローン10は、プロペラ10Pを有する無人ヘリコプターである。ドローン10は、フレーム部材10Fと、フレーム部材10Fに支持されたカメラ11と、フレーム部材10Fに設けられたプロペラ10Pとを有する。プロペラ10Pが回転することにより、ドローン10は飛行する。ドローン10は、予め決められた飛行ルートと自身の現在位置とを対比しながら、飛行ルートに沿って自動飛行するものでもよいし、地上の操作者が保持した無線操縦機からの無線信号により遠隔操作され、操作者の意図する飛行ルートを飛行するようなものでもよい。ドローン10のカメラ11により、施工現場3の現況地形が空撮される。カメラ11で取得された現況地形の画像データは、後述する記憶装置102に記憶される。記憶装置102に記憶された画像データは、無線又は有線によって、記憶装置102から、地上のコンピュータにダウンロードされる。コンピュータにダウンロードされた画像データは、コンピュータに組み込まれた変換ソフトウェアによって施工現場3の現況地形を示す3次元現況地形データに変換される。これにより、3次元現況地形データが取得される。なお、ドローン10の記憶装置102に変換ソフトウェアを記憶させ、ドローン10が有するプロセッサ101によって3次元現況地形データが生成されてもよい。
【0049】
[ハードウエア構成]
図10は、施工管理システム1のハードウエア構成を示す図である。コンピュータシステム2は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ201と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のような内部メモリ及びハードディスク装置のような外部メモリを含む記憶装置202と、キーボード、マウス、及びタッチパネルのような入力デバイスを含む入力装置203と、フラットパネルディスプレイ装置のような表示装置及びインクジェットプリンタのような印刷装置を含む出力装置204と、有線通信機器又は無線通信機器を含む入出力インターフェース回路205と、を有する。
【0050】
施工会社12に設置される情報端末13は、プロセッサ131と、記憶装置132と、入力装置133と、出力装置134と、有線通信機器又は無線通信機器を含む入出力インターフェース回路135と、を有する。
【0051】
施工現場3で稼働する建設機械4は、プロセッサ401と、記憶装置402と、入力装置403と、出力装置404と、GPS受信器406と、検出装置420と、有線通信機器又は無線通信機器を含む入出力インターフェース回路405と、を有する。
【0052】
施工現場3で稼働するドローン10は、プロセッサ101と、記憶装置102と、カメラ11の撮像素子106と、有線通信機器又は無線通信機器を含む入出力インターフェース回路105と、を有する。
【0053】
施工現場3で使用される携帯端末7は、プロセッサ701と、記憶装置702と、入力装置703と、出力装置704と、有線通信機器又は無線通信機器を含む入出力インターフェース回路705と、を有する。
【0054】
施工現場3に設置される情報端末8は、プロセッサ801と、記憶装置802と、入力装置803と、出力装置804と、有線通信機器又は無線通信機器を含む入出力インターフェース回路805と、を有する。
【0055】
サービスセンター14に設置される情報端末15は、プロセッサ151と、記憶装置152と、入力装置153と、出力装置154と、有線通信機器又は無線通信機器を含む入出力インターフェース回路155と、を有する。
【0056】
コンピュータシステム2は、施工現場3の建設機械4、運搬車両5、携帯端末7、情報端末8、及びドローン10とデータ通信可能である。携帯端末7及び情報端末8は、インターネットを介して、コンピュータシステム2とデータ通信する。建設機械4、運搬車両5、及びドローン10は、通信衛星回線又は携帯電話回線を介して、コンピュータシステム2と無線でデータ通信する。なお、建設機械4、運搬車両5、及びドローン10は、Wi−Fiのような無線LAN等、他の通信形態を用いてコンピュータシステム2と無線でデータ通信してもよい。
【0057】
また、コンピュータシステム2は、施工会社12の情報端末13とインターネットを介してデータ通信する。コンピュータシステム2は、サポートセンター14の情報端末15とインターネットを介してデータ通信する。
【0058】
[コンピュータシステム]
図11は、施工管理システム1を示す機能ブロック図である。コンピュータシステム2は、施工計画データ算出部20と、施工実績データ取得部21と、現況地形データ取得部22と、モードデータ取得部23と、設計地形データ取得部24と、原単位データ取得部25と、施工条件データ取得部26と、変動要因データ取得部27と、施工計画データ出力部28と、遠隔制御部29とを有する。
【0059】
また、コンピュータシステム2は、原単位データベース31と、施工条件データベース32と、変動要因データベース33と、結果データベース34とを有する。
【0060】
プロセッサ201は、施工計画データ算出部20、施工実績データ取得部21、現況地形データ取得部22、モードデータ取得部23、設計地形データ取得部24、原単位データ取得部25、施工条件データ取得部26、変動要因データ取得部27、施工計画データ出力部28、及び遠隔制御部29を含む。記憶装置202は、原単位データベース31、施工条件データベース32、変動要因データベース33、及び結果データベース34を含む。
【0061】
<現況地形データ取得部>
現況地形データ取得部22は、施工現場3の現況地形を示す現況地形データを取得する。現況地形データは、ドローン10に設けられたカメラ11で検出される。現況地形データ取得部22は、現況地形データをドローン10のカメラ11から、例えば無線で取得する。なお、現況地形データ取得部22は、建設機械4又は建設機械4とは別の車両に搭載されているステレオカメラから現況地形データを取得してもよいし、3次元レーザスキャナ装置から現況地形データを取得してもよい。
【0062】
<設計地形データ取得部>
設計地形データ取得部24は、施工現場3の設計地形を示す設計地形データを取得する。設計地形は、施工会社12において作成される。設計地形データ取得部24は、設計地形データを施工会社12の情報端末13からインターネットを介して取得する。
【0063】
<原単位データ取得部>
原単位データ取得部25は、施工現場3を施工する作業機械の条件を示す原単位データを取得する。原単位データは、原単位データベース31に記憶されている。原単位データ取得部25は、原単位データを原単位データベース31から取得する。
【0064】
原単位データの作業機械の条件は、施工現場3に対して調達可能な作業機械の種類、車格、及び作業機械の台数の少なくとも一つを含む。また、作業機械の条件は、調達可能な作業機械の管理状態を含む。
【0065】
また、原単位データの作業機械の条件は、単位時間当たりに実施可能な作業機械の作業量を含む。単位時間当たりに実施可能な作業機械の作業量とは、作業機械の作業能力を示す指標であり、単位時間当たりに作業機械が動かすことができる土砂の量をいう。単位時間当たりに実施可能な作業機械の作業量は、建機作業原単位とも呼ばれる。作業機械がブルドーザ4Aである場合、ブルドーザ4Aの作業量は、単位時間当たりにブルドーザ4Aが実施可能な押土量(押せる土砂の量)、及び盛土量(盛れる土砂の量)をいう。作業機械が油圧ショベル4Bである場合、油圧ショベル4Bの作業量は、単位時間当たりに油圧ショベル4Bが実施可能な積込量(運搬車両5に積込める量)、切土量(掘削可能な量)、及び盛土量(盛れる土砂の量)をいう。作業機械が運搬車両5である場合、運搬車両5の作業量は、単位時間当たりに運搬車両5が運搬可能な土砂の量をいう。
【0066】
単位時間当たりに実施可能な建設機械4の作業量は、作業部材440のサイズに依存する。作業部材440のサイズが大きければ、作業量は多くなり、作業部材440のサイズが小さければ、作業量は少なくなる。したがって、作業機械4の作業量は、作業部材440のサイズを含む。ブルドーザ4Aの作業量は、ブレード440Aのサイズを含み、油圧ショベル4Bの作業量は、バケット440Bのサイズ(バケット容量)を含む。
【0067】
また、原単位データは、施工現場3の作業者Maの条件を更に含む。作業者Maの条件は、施工現場3に対して調達可能な作業者Maの人数を含む。また、作業者の条件は、調達可能な作業者Maの技量を含む。
【0068】
すなわち、原単位データは、作業機械の条件及び作業者の条件のような、施工に必要なリソースを示すデータである。原単位データは、施工前に取得可能な既知データであり、原単位データベース31に保持される。
【0069】
<施工条件データ取得部>
施工条件データ取得部26は、施工現場3の施工条件を示す施工条件データを取得する。施工条件は、施工会社12において設定された事項を含む。施工条件データは、施工条件データベース32に記憶されている。施工条件データ取得部26は、施工条件データを施工条件データベース32から取得する。
【0070】
施工条件データは、施工に係る予算、工期、作業内容、作業手順、作業時間、及び現場環境の少なくとも一つを含む。現場環境は、施工現場3の地形、及び施工現場3の大きさの少なくとも一つを含む。施工条件データは、施工前に設定される既知データであり、施工条件データベース32に保持される。
【0071】
<変動要因データ取得部>
変動要因データ取得部27は、施工現場3の変動要因を示す変動要因データを取得する。変動要因データは、施工現場3の自然環境のような変動要因を含み、施工の作業効率に影響を与える。変動要因データは、変動要因データベース33に記憶されている。変動要因データ取得部27は、変動要因データを変動要因データベース33から取得する。
【0072】
変動要因データは、施工現場3の土砂の種類及び状態を示す土質データを含む。また、変動要因データは、施工現場3の地下の埋設物を示す埋設物データを含む。また、変動要因データは、施工現場3の気象データを含む。土質データ及び埋設物データは、施工前に実施される事前調査から取得される。事前調査として、ボーリング調査が例示される。気象データは、気象庁又は気象会社から取得される。施工前に取得された変動要因データは、変動要因データベース33に保持される。
【0073】
<施工実績データ取得部>
施工実績データ取得部21は、施工現場3の施工実績を示す施工実績データを取得する。施工実績データは、建設機械4が実施した施工実績を示すデータである。建設機械4は、自己の施工実績データを取得する。建設機械4は、現況地形に接触する作業部材440の刃先440pの絶対位置の軌跡又はクローラの走行軌跡に基づいて、現況地形を検出可能である。建設機械4は、刃先440pの絶対位置から検出される現況地形と目標形状である設計地形とを比較して、設計地形に対してどれくらい作業(土砂の切土又は盛土)が進んだのかを示す施工実績データを取得可能である。施工実績データ取得部21は、施工実績データを建設機械4から無線で取得する。なお、コンピュータシステム2が、建設機械4から現況地形データを取得し、現況地形と設計地形とを比較することによって、施工実績データを取得してもよい。なお、施工実績データ取得部21は、建設機械4又は建設機械4とは別の車両に搭載されているステレオカメラにより検出された現況地形と設計地形とを比較することによって施工実績データを取得してもよいし、3次元レーザスキャナ装置により検出された現況地形と設計地形とを比較することによって施工実績データを取得してもよい。
【0074】
<モードデータ取得部>
モードデータ取得部23は、施工の優先項目を示すモードデータを取得する。モードデータの詳細は後述する。施工の優先項目は、施工現場3の作業者Ma又は施工会社12の作業者Mbによって選択される。作業者Maは、携帯端末7の入力装置703又は情報端末8の入力装置803を操作して、施工の優先項目を入力する。作業者Mbは、情報端末13の入力装置133を操作して、施工の優先項目を入力する。モードデータ取得部23は、施工の優先項目を示すモードデータを、携帯端末7、情報端末8、及び情報端末13の少なくとも一つから、例えばインターネットを介して取得する。
【0075】
モードデータは、施工の期間を優先する工期優先モードデータ、及び施工の費用を優先するコスト優先モードデータの少なくとも一方を含む。施工を早期に終了させたい場合、作業者Ma又は作業者Mbは、施工の優先項目として工期を選択し、入力装置703、入力装置803、又は入力装置133を操作する。入力装置が操作されることにより、施工の期間を優先する工期優先モードデータがモードデータ取得部23に取得される。一方、施工を少ない費用で行いたい場合、作業者Ma又は作業者Mbは、施工の優先項目として費用を選択し、入力装置を操作する。入力装置が操作されることにより、施工の費用を優先するコスト優先モードデータがモードデータ取得部23に取得される。
【0076】
<施工計画データ算出部>
施工計画データ算出部20は、現況地形データ取得部22で取得された現況地形データと、設計地形データ取得部24で取得された設計地形データと、原単位データ取得部25で取得された原単位データとに基づいて、施工現場3の施工計画を示す施工計画データを算出する。
【0077】
施工計画データ算出部20は、現況地形データと設計地形データとを照合して、施工現場3の施工計画を示す施工計画データを算出する。
【0078】
施工計画データは、施工現場3の施工範囲を示す施工範囲データ、土砂の切土計画データ、及び土砂の盛土計画データの少なくとも一つを含む。
【0079】
切土計画データは、施工範囲における土砂の切土(掘削)を必要とする部位を示す切土部位データ、及び施工範囲における土砂の切土量(掘削量)を示す切土量データの少なくとも一方を含む。盛土計画データは、施工範囲における土砂の盛土(補填)を必要とする部位を示す盛土部位データ、及び施工範囲における土砂の盛土量(補填量)を示す盛土量データの少なくとも一方を含む。
【0080】
切土量データは、土砂の切土量を数値で示す切土数値データ、及び土砂の切土量を画像(アイコン又はアニメーション)で示す切土画像データの少なくとも一方を含む。盛土量データは、土砂の盛土量を数値で示す盛土数値データ、及び土砂の盛土量を画像(アイコン又はアニメーション)で示す切土画像データの少なくとも一方を含む。
【0081】
施工範囲データとは、設計地形データに基づいて現況地形を変化させる範囲を示すデータである。施工範囲データは、現況地形データと設計地形データとの差分を表す施工範囲又は施工量を示す。
【0082】
以下の説明においては、施工範囲における土砂の切土量を示す切土量データ、又は施工範囲における土砂の盛土量を示す盛土量データを適宜、土量データ、と称する。土量データは、施工範囲において掘削される土砂の量(掘削量又は切土量)、又は施工範囲に投入される土砂の量(補填量又は盛土量)を示す。
【0083】
施工計画データ算出部20は、現況地形と設計地形とを照合して、現況地形からの切土部位及び切土量と、現況地形に対する盛土部位及び盛土量とを算出する。施工計画データ算出部20は、算出した施工範囲データ及び土量データと、原単位データとに基づいて、施工計画データを算出する。
【0084】
また、施工計画データは、施工現場3で使用する作業機械の種類、車格、及び台数を示す作業機械データ、作業機械を使用した施工の工程表を示す工程表データ、及び施工に要する費用を示すコストデータの少なくとも一つを含む。工程表データは、施工の作業手順を示すフローデータ、施工の作業毎の作業時間を示す作業時間データ、及び施工が完了するまでの期間を示す工期データの少なくとも一つを含む。
【0085】
また、施工計画データ算出部20は、算出した施工範囲データと、施工範囲における土砂の切土量又は盛土量を示す土量データと、原単位データとに基づいて、施工計画データを算出する。
【0086】
また、施工計画データ算出部20は、施工条件データ取得部26により施工条件データが取得された場合、現況地形データと、設計地形データと、原単位データと、施工条件データとに基づいて、施工計画データを算出する。
【0087】
また、施工計画データ算出部20は、変動要因データ取得部27により変動要因データが取得された場合、現況地形データと、設計地形データと、原単位データと、変動要因データとに基づいて、施工計画データを算出する。
【0088】
また、施工計画データ算出部20は、モードデータ取得部23によりモードデータが取得された場合、現況地形データと、設計地形データと、原単位データと、モードデータとに基づいて、施工計画データを算出する。
【0089】
また、施工計画データ算出部20は、施工実績データ取得部21により施工実績データが取得された場合、施工実績データに基づいて、施工計画データを再算出する。
【0090】
また、施工計画データ算出部20は、施工の工程毎に、施工計画データを算出する。また、施工計画データ算出部20は、施工日毎に、施工計画データを算出する。
【0091】
現況地形及び設計地形と、原単位データとに基づいて、施工計画データが算出される。上述のように、原単位データとは、作業機械の種類、車格、及び作業機械の台数の少なくとも一つを含む作業機械の条件を示す。換言すれば、原単位データとは、施工現場に投入可能な作業機械の作業能力を示す。施工計画データ算出部20は、現況地形からの切土部位及び切土量と作業機械の能力を示す原単位データとに基づいて、どの種類又は車格の作業機械が何台投入された場合にどれくらいの時間で切土工程が完了するのかを推定することができる。同様に、施工計画データ算出部20は、現況地形に対する盛土部位及び盛土量と作業機械の能力を示す原単位データとに基づいて、どの種類又は車格の作業機械が何台投入された場合にどれくらいの時間で盛土工程が完了するのかを推定することができる。そのため、施工計画データ算出部20は、現況地形データ取得部22で取得された現況地形データから導出された現況地形と、設計地形データ取得部24で取得された設計地形データから導出された設計地形と、原単位データ取得部25で取得された原単位データとに基づいて、原単位データから導出される作業機械を使用した場合の切土工程及び盛土工程が完了するまでの時間を示す施工計画データを算出することができる。
【0092】
また、施工計画データ算出部20は、現況地形及び設計地形に基づいて、施工の作業手順を示すフローデータを算出する。例えば、盛土を必要とする部位に盛土をする場合、施工現場の外部から土砂を運搬しなくても、施工範囲における切土を使って盛土を実施可能である場合、施工計画データ算出部20は、盛土を必要とする部位よりも高さ(標高)が高い位置に存在する切土を使って盛土が実施されるように、フローデータを算出する。高い位置から低い位置へ土砂が運搬されるようにフローデータが算出されることで、作業の負担が軽減され、作業効率が向上する。
【0093】
<施工計画データ出力部>
施工計画データ出力部28は、施工計画データ算出部20で算出された施工計画データを出力する。施工計画データ出力部28は、結果データベース34に施工計画データを出力する。以下の説明においては、施工計画データ出力部28を単にデータ出力部28と称することもある。
【0094】
また、施工計画データ出力部28は、施工計画データ算出部20で算出された施工計画データを、携帯端末7、施工現場3に設けられている情報端末8、施工会社12に設けられている情報端末13、及びサポートセンター14に設けられている情報端末15の少なくとも一つにインターネットを介して出力する。携帯端末7の出力装置704、情報端末8の出力装置804、情報端末13の出力装置134、及び情報端末15の出力装置154は、施工計画データを出力可能な第1出力装置として機能する。
【0095】
携帯端末7の出力装置704、情報端末8の出力装置704、情報端末13の出力装置134、及び情報端末15の出力装置154は、画像データを表示可能な表示装置を含む。出力装置704、出力装置804、出力装置134、及び出力装置154は、例えば液晶ディスプレイのようなフラットパネルディスプレイを含む。携帯端末7、情報端末8、情報端末13、及び情報端末15は、施工計画データを画像データに変換し、出力装置704、出力装置804、出力装置134、及び出力装置154に表示する。
【0096】
なお、出力装置704、出力装置804、出力装置134、及び出力装置154は、紙媒体のような媒体に施工計画データを印刷する印刷装置を含んでもよい。出力装置704、出力装置804、出力装置134、及び出力装置154が、例えばインクジェットプリンタのようなプリント装置を含んでもよい。
【0097】
施工計画データ出力部28は、出力装置704,804,134,154に出力させる出力データを、出力形式を指令する指令信号とともに、出力装置704,804,134,154に出力する。施工計画データ出力部28は、出力装置704,804,134,154に指令信号を出力して、出力装置704,804,134,154に出力させる出力データの出力形式を指定する。出力装置704,804,134,154は、施工計画データ出力部28により指定された出力形式に基づいて、出力データを出力する。
【0098】
以下の説明においては、出力装置704、出力装置804、出力装置134、及び出力装置154が表示装置であることとし、携帯端末7の出力装置704を適宜、表示装置704、と称し、情報端末8の出力装置804を適宜、表示装置804、と称し、情報端末13の出力装置134を適宜、表示装置134、と称し、情報端末15の出力装置154を適宜、表示装置154、と称する。出力装置による出力は、表示装置による表示を含む。
【0099】
施工計画データ出力部28は、表示装置704,804,134,154に表示させる表示データを、表示形式を指令する指令信号とともに、表示装置704,804,134,154に出力する。施工計画データ出力部28は、表示装置704,804,134,154に指令信号を出力して、表示装置704,804,134,154に表示させる表示データの表示形式を指定する。表示装置704,804,134,154は、施工計画データ出力部28により指定された表示形式に基づいて、表示データを表示する。
【0100】
ドローン10のカメラ11によって取得された現況地形データ、及び施工会社12において作成された設計地形データは、施工計画データ算出部20及び施工計画データ出力部28を介して、携帯端末7、情報端末8、情報端末13、及び情報端末15に出力される。施工計画データ算出部20は、取得した現況地形データ及び設計地形データを、3次元画像データに加工する。すなわち、施工計画データ算出部20は、カメラ11によって取得された現況地形の画像データを、3次元画像データに変換する。また、施工計画データ算出部20は、施工会社12において作成された設計図面である2次元設計地形データ又は3次元設計地形データを、3次元画像データに変換する。施工計画データ算出部20は、現況地形データ及び設計地形データの3次元画像データを、施工計画データ出力部28を介して、携帯端末7、情報端末8、情報端末13、及び情報端末15に出力する。
【0101】
施工計画データ出力部28は、表示データとして現況地形データ及び設計地形データを出力し、表示形式を指定する指令信号として3次元表示指令信号を出力する。施工計画データ出力部28は、現況地形データ及び設計地形データが3次元表示されるように、表示装置704,804,134,154の表示形式を指定する。携帯端末7の表示装置704、情報端末8の表示装置804、情報端末13の表示装置134、及び情報端末15の表示装置154は、施工計画データ出力部28により指定された表示形式に基づいて、現況地形データ及び設計地形データを3次元表示する。
【0102】
また、施工計画データ出力部28は、現況地形データ及び設計地形データが、3次元画像形式のみならず、2次元画像形式、数値形式、文字形式、及び表形式の少なくとも一つの表示形式で表示されるように、表示装置704,804,134,154の表示形式を指定することができる。
【0103】
また、建設機械4によって取得された施工実績データは、施工計画データ算出部20及び施工計画データ出力部28を介して、携帯端末7、情報端末8、情報端末13、及び情報端末15に出力される。携帯端末7、情報端末8、情報端末13、及び情報端末15は、施工実績データを出力可能な第2出力装置として機能する。施工計画データ算出部20は、建設機械4から取得した施工実績データを、3次元画像データに加工する。すなわち、施工計画データ算出部20は、建設機械4によって取得された複数のメッシュ点それぞれの位置データを、3次元画像データに変換する。施工計画データ算出部20は、施工実績データを、施工計画データ出力部28を介して、携帯端末7、情報端末8、情報端末13、及び情報端末15に出力する。
【0104】
施工計画データ出力部28は、表示データとして施工実績データを出力し、表示形式を指定する指令信号として3次元表示指令信号を出力する。施工計画データ出力部28は、施工実績データが3次元表示されるように、表示装置704,804,134,154の表示形式を指定する。携帯端末7の表示装置704、情報端末8の表示装置804、情報端末13の表示装置134、及び情報端末15の表示装置154は、施工計画データ出力部28により指定された表示形式に基づいて、施工実績データを3次元表示する。
【0105】
また、施工計画データ出力部28は、施工実績データが、3次元画像形式のみならず、2次元画像形式、数値形式、文字形式、及び表形式の少なくとも一つの表示形式で表示されるように、表示装置704,804,134,154の表示形式を指定することができる。
【0106】
[サポートセンター]
サポートセンター14の情報端末15は、コンピュータシステム2の施工計画データ算出部20と同等の機能を実行可能である。例えば、情報端末15は、施工計画データ算出部20が実行可能な3次元画像データの生成を実行可能である。情報端末15は、施工計画データ算出部20の代わりに、建設機械4から取得した施工実績データを3次元画像データに加工すること、施工会社12において作成された設計図面である2次元設計地形データ又は3次元設計地形データを3次元画像データに変換することを実行可能である。生成された3次元画像データは、入出力インターフェース回路155及びコンピュータシステム2を介して、携帯端末7及び情報端末8に送信される。
【0107】
また、サポートセンター14は、施工現場3から要求された設計地形の変更を受け付ける。サポートセンター14において、情報端末15を使って、変更後の設計地形を示す設計地形データが算出される。情報端末15は、変更後の設計地形データを、例えば、インターネットを介して、コンピュータシステム2に送信する。コンピュータシステム2の設計地形データ取得部24は、サポートセンター14から出力された変更後の設計地形データを取得する。施工計画データ算出部20は、変更後の設計地形データに基づいて、施工計画データを再算出する。
【0108】
変更後の設計地形データは、建設機械4に送信される。変更後の設計地形データに基づいて、作業部材440が制御される。
【0109】
<遠隔制御部>
また、コンピュータシステム2は、設計地形データに基づいて、建設機械4を遠隔操作するための制御信号を出力する遠隔制御部29を有してもよい。遠隔制御部29は、建設機械4をリモートコントロールする。施工現場3からの要望により設計地形が変更された場合、遠隔制御部29は、変更後の設計地形データに基づいて、建設機械4を遠隔操作するための制御信号を出力することができる。
【0110】
[施工管理方法]
次に、施工管理システム1を用いる施工管理方法について説明する。
図12は、施工計画方法を示すフローチャートである。
【0111】
上述のように、現況地形データ、設計地形データ、施工計画データ、及び施工実績データがコンピュータシステム2に取得される。コンピュータシステム2の施工計画データ出力部28は、携帯端末7、情報端末8、情報端末13、及び情報端末15に、現況地形データ、設計地形データ、施工計画データ、及び施工実績データの少なくとも一つを出力する。携帯端末7の表示装置704、情報端末8の表示装置804、情報端末13の表示装置134、及び情報端末15の表示装置154は、施工計画データ出力部28から出力された現況地形データ、設計地形データ、施工計画データ、及び施工実績データを表示可能である。以下の説明においては、説明を簡略化するため、施工計画データ出力部28は、携帯端末7の表示装置704に、現況地形データ、設計地形データ、施工計画データ、及び施工実績データの少なくとも一つを出力することとする。
【0112】
ドローン10を使って施工現場3の測量が行われる。ドローン10のカメラ11は、施工現場3の3次元現況地形データを取得する。現況地形データ取得部22は、カメラ11から現況地形データを取得する(ステップS10)。
【0113】
また、設計地形データが設計地形データ取得部24に取得される(ステップS20)。
【0114】
施工計画データ算出部20は、現況地形データの3次元画像データ、及び設計地形データの3次元画像データを生成する(ステップS30)。
【0115】
現況地形データの3次元画像データ及び設計地形データの3次元画像データが、携帯端末7に送信される。携帯端末7の表示装置704に、現況地形データの3次元画像データ及び設計地形データの3次元画像データが表示される(ステップS40)。
【0116】
図13は、表示装置704による、現況地形データの3次元画像データの表示例を示す図である。施工計画データ出力部28は、表示装置704に、現況地形データを3次元表示させる。表示装置704は、現況地形の複数の部位を異なるデザイン(色又は模様)で表示する。
図13に示す例では、現状地形の標高に基づいて、現況地形が複数の部位に離散的に分けられる。第1範囲の標高の部位が第1デザインで表示され、第1範囲とは標高が異なる第2範囲の標高の部位が第2デザインで、第N範囲の標高の部位が第Nデザインで表示される。但し、Nは3以上の自然数である。
【0117】
図14は、表示装置704による、設計地形データの3次元画像データの表示例を示す図である。例えば、設計地形の形状が、ポリゴン表示による3次元画像データとして表示される。施工計画データ出力部28は、表示装置704に、設計地形データを3次元表示させる。表示装置704は、施工後の目標形状である設計地形を複数のラインを使って表示する。
【0118】
図15は、表示装置704による別の表示例を示す。
図15に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、現況地形データと設計地形データとを並べて3次元表示させることができる。
図15に示す例では、現況地形データの3次元画像データと設計地形データの3次元画像データとが表示装置704の表示画面に並んで同時に表示されている。
【0119】
施工計画データ算出部20は、現況地形データと設計地形データとを照合して、施工現場の施工範囲を示す施工範囲データと、施工範囲における土砂の切土計画データと、施工範囲における土砂の盛土計画データとを算出する。上述のように、切土計画データは、切土部位データ及び切土量データの少なくとも一方を含み、盛土計画データは、盛土部位データ及び盛土量データの少なくとも一方を含む。切土量データは、切土数値データを含み、盛土量データは、盛土数値データを含む。施工計画データ算出部20は、施工範囲における土砂の切土を必要とする部位を示す切土部位データを含む切土計画データと、施工範囲における土砂の盛土を必要とする部位を示す盛土部位データを含む盛土計画データとを算出する。また、施工計画データ算出部20は、現況地形データと設計地形データとを照合して、施工範囲において切土される土砂の切土量を示す切土量データである切土数値データと、施工範囲に投入される土砂の盛土量を示す盛土量データである盛土数値データを算出する(ステップS50)。土量データは、切土量データ(切土数値データ)及び盛土量データ(盛土数値データ)を含む。
【0120】
施工計画データ算出部20は、施工範囲データ及び土量データの3次元画像データを算出し、施工計画データ出力部28を介して、携帯端末7に送信する。携帯端末7の表示装置704は、施工範囲データ及び土量データの3次元画像データを表示する(ステップS60)。
【0121】
図16は、表示装置704による、施工範囲データ及び土量データに関する3次元画像データの表示例を示す。
図16に示すように、3次元画像データとともに数値データが表示されてもよい。3次元画像データにおいて現況地形データと設計地形データとの差が色分け又は模様分けされて視覚化されることにより、作業者又は管理者は、施工前に、施工すべき範囲、及び施工途中又は施工後の形等を把握することができる。例えば、3次元地形データにおいて、施工完了の範囲が青色で表示され、施工未完了の範囲が黄色で表示されてもよい。数値データにより、作業者又は管理者は、これまでの切土量、必要な切土量、投入された盛土量、必要な運土量、施工未完の法面面積の大きさ、及び施工済みの法面面積の大きさ等を正確に把握することができる。
【0122】
また、施工計画データ出力部28は、施工計画データ算出部20で算出された、施工範囲データ、切土計画データ、及び盛土計画データを携帯端末7の表示装置704に出力する。
【0123】
図17は、表示装置704による、設計地形データ、施工範囲データ、切土計画データの切土部位データ、切土計画データの切土数値データ、盛土計画データの盛土部位データ、及び盛土計画データの盛土数値データの表示例を示す。
図17に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工範囲における、切土計画データ(切土部位データ)及び盛土計画データ(盛土部位データ)を並べて3次元表示させる。設計地形データ、切土計画データ(切土部位データ)、及び盛土計画データ(盛土部位データ)は、例えば、ポリゴン表示により3次元表示される。切土計画データ(切土部位データ)と盛土計画データ(盛土部位データ)とは、後述するように重ねて表示したときに両者を区別できるように異なるデザイン(色又は模様)で表示される。
【0124】
また、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工範囲内における、設計地形データと切土計画データ(切土部位データ)と盛土計画データ(盛土部位データ)とを重ねて表示させる。設計地形データと切土計画データ(切土部位データ)と盛土計画データ(盛土部位データ)とは、異なるデザインで重ね表示される。
【0125】
また、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、切土数値データ及び盛土数値データを表示させる。
図17に示す例では、切土数値データとして、切土量「21,660m
3」が表示され、盛土数値データとして、盛土量「19,198m
3」が表示される。
【0126】
なお、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、現況地形データと切土計画データ(切土部位データ又は切土量データ)とを並べて3次元表示させてもよいし、現況地形データと盛土計画データ(盛土部位データ又は盛土量データ)とを並べて表示させてもよい。施工計画データ出力部28は、表示装置704に、現況地形データ、設計地形データ、施工範囲データ、切土計画データ(切土部位データ又は切土量データ)、及び盛土計画データ(盛土部位データ又は盛土量データ)の少なくとも二つを並べて3次元表示させることができる。
【0127】
なお、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、現況地形データと切土計画データ(切土部位データ又は切土量データ)とを重ねて表示させてもよいし、現況地形データと盛土地形データ(盛土部位データ又は盛土量データ)とを重ねて表示させてもよい。施工計画データ出力部28は、表示装置704に、現況地形データ、設計地形データ、施工範囲データ、切土計画データ(切土部位データ又は切土量データ)、及び盛土計画データ(盛土部位データ又は盛土量データ)の少なくとも二つを重ね表示させることができる。
【0128】
なお、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、切土数値データを表示させ、盛土数値データを表示させなくてもよい。なお、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、盛土数値データを表示させ、切土数値データを表示させなくてもよい。以上のように、表示装置704に切土計画データや盛土計画データ、設計地形データ、及び現況地形データなどを3次元表示により表示することにより、施工現場の管理者等は、どの場所にどのような施工がどの程度必要なのかを把握することができる。また、例えば、現況地形データと切土計画データ又は盛土計画データとを重ね合わせて表示することで、施工の進捗を把握することができる。
【0129】
原単位データが原単位データ取得部25に取得される(ステップS70)。原単位データを取得した施工計画データ算出部20は、原単位データの画像データを生成し、携帯端末7の表示装置704に、原単位データの画像データを表示させる。
【0130】
図18は、ブルドーザ4Aの原単位データの表示例を示す。ブルドーザ4Aの原単位データとして、ブルドーザ4Aの種類や車格(形式名)、ブレードサイズ、単位時間当たりに実施可能な押土量又は盛土量等が表示される。
図19は、油圧ショベル4Bの原単位データの表示例を示す。油圧ショベル4Bの原単位データとして、油圧ショベル4Bの種類、車格(形式名)、バケット容量、及び単位時間当たりに実施可能な切土量(掘削量)、盛土量(補填量)、及び積込量等が表示される。
【0131】
施工条件データが施工条件データ取得部26に取得される(ステップS80)。また、変動要因データが変動要因データ取得部27に取得される(ステップS90)。
【0132】
施工計画データ算出部20は、現況地形データと、設計地形データと、原単位データと、施工条件データと、変動要因データとに基づいて、施工計画データを算出する(ステップS100)。施工計画データ算出部20は、現況地形データと、設計地形データと、原単位データと、施工条件データと、変動要因データとに基づいて、施工をシミュレーションし、最適な施工計画データを策定する。
【0133】
上述のように、原単位データは、作業機械の能力を含み、一例として、作業部材440のサイズを含む。そのため、原単位データに基づいて、例えば、1回の掘削動作でバケット440Bが掘削できる土量が求められる。現況地形データと設計地形データとの差分により、現況地形を設計地形に仕上げるために必要なバケット440Bの掘削動作の回数が求められる。また、単位時間当たりに実施可能な油圧ショベル4Bの掘削動作の回数(油圧ショベル4Bの作業能力)も、既知データである原単位データから求められる。したがって、どの油圧ショベル4Bを何台使用すれば、目標工期内に施工を完了させることができるのかを算出することができる。また、施工条件データが示す制約条件に基づいて、どの作業機械を何台使用すればよいのか、あるいはどの作業者を何人作業現場に投入すればよいのかを求めることができる。
【0134】
また、盛土をするために施工現場3の外から運搬車両5を使って施工現場3に土砂を運搬する場合において、運搬車両5が一般道路を走行する場合、走行ルート、走行速度、及び交通事情(渋滞の有無など)などにより、運搬車両3が施工現場3に土砂を運搬するタイミング又は単位時間当たりに運搬可能な土砂の量が変化する可能性がある。例えば、目標タイミングよりも遅れて運搬車両5が施工現場3に到着する場合、運搬車両5が施工現場3に到着するまでの間、建設機械4又は作業者Maの作業が中断せざるを得ない状況が発生する可能性がある。そのため、運搬車両5の走行ルート、施工現場3への到着予想時点などを含む運搬車両5に係る原単位データに基づいて、効率良い作業が実施されるように、施工計画データを策定することができる。
【0135】
また、施工現場3の掘削を進めていくと、土質が変化する可能性がある。土質により、同一の作業能力の作業機械を使用したとしても、作業スピードが変化する。例えば、粘土質の地面を掘削する場合と、砂質の地面と掘削する場合とでは、同一の作業能力の作業機械を使用したとしても、粘土質の地面を掘削する場合の方が、砂質の地面を掘削する場合に比べて、作業スピードが低下し、作業時間が長期化する。土質は、ボーリング調査のような事前調査によって予め求めることができる既知データである。また、土質に応じた作業機械の作業スピードも、予め求めておくことができる。したがって、土質データを含む変動要因データを考慮することによって、ある作業機械を使用した場合の作業時間をシミュレーションすることができる。
【0136】
また、降雨時と晴天時とでは、施工のし難さ(トラフィカビリティ)が変化する。作業機械の走行に耐え得る地面の能力(走行可能な度合い)をトラフィカビリティという。例えば、降雨時では、晴天時に比べて、運搬車両5の走行可能最高速度が遅くなったり、建設機械4(例えばブルドーザ4A)の作業スピードが遅くなったりする可能性がある。気象に応じた作業機械の作業スピード又は運搬車両5の走行可能最高速度も、予め求めておくことができる。したがって、気象データを含む変動要因データを考慮することによって、ある作業機械を使用した場合の作業時間をシミュレーションすることができる。また、気象データに基づいて、降雨又は降雪に対応した仕様の建設機械4を施工現場3に投入するといった施工計画を策定することもできる。降雨に対応した仕様の建設機械4とは、例えば、ぬかるんだ路面を走行可能なように幅広の履帯を備えたブルドーザ4A又は降雪対応のタイヤを備えた運搬車両5等である。
【0137】
また、施工現場3の監査又は労働規約により、施工を実施できる作業可能期間及び施工を実施できない作業不可能期間が決められている場合がある。それら作業可能時間及び作用不可能時間を示すスケジュールデータは、事前に分かっている既知データであり、施工条件データとして施工条件データベースに記憶されている。施工条件データが取得された場合、施工計画データ算出部20は、スケジュールデータを含む施工条件データに基づいて、施工計画データを算出する。
【0138】
また、施工において実施すべき作業内容及び作業手順を示す工程設計データは、事前に決められており、施工条件データとして施工条件データベースに記憶されている。施工計画データ算出部20は、工程設計データを含む施工条件データに基づいて、施工計画データを算出する。
【0139】
施工計画データ出力部28は、算出された施工計画データを携帯端末7に出力する(ステップS110)。携帯端末7の表示装置704は、施工計画データを表示する(ステップS120)。
【0140】
図20は、表示装置704による施工計画データの表示例を示す。施工計画データ出力部28は、表示装置704に、切土計画データ(切土部位データ)及び盛土計画データ(盛土部位データ)を3次元表示させる。表示装置704は、切土を必要とする部位を示す切土部位と、盛土を必要とする部位を示す盛土部位とを、異なるデザインで表示する。
【0141】
図21は、表示装置704による施工計画データの表示例を示す。
図21に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、切土計画データ(切土部位データ)及び盛土計画データ(盛土部位データ)を複数のシェル要素で規定し、2次元表示させることができる。
図21に示す例では、表示装置704の表示画面に複数の表示領域704A,704B,704C,704Dが設定される。複数のシェル要素で規定された現況地形は、表示領域704Aに表示される。表示装置704は、複数のシェル要素のうち、切土を必要とする部位を示す切土シェル要素と、盛土を必要とする部位を示す盛土シェル要素とを、異なるデザインで表示する。また、施工計画データ出力部28は、表示領域704Aに表示された2次元画像データを(1)の方向から見たときの3次元画像データを表示領域704Bに表示させ、(2)の方向から見たときの3次元画像データを表示領域704Cに表示させ、(3)の方向から見たときの3次元画像データを表示領域704Dに表示させる。
【0142】
図22は、表示装置704による施工計画データの表示例を示す。
図22に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、現況地形について、切土量毎及び盛土量毎に異なるデザインで表示させることができる。このような施工計画データの表示は、施工計画を確認するために、施工現場を施工する前に表示させてもよいし、施工現場の施工が開始し、施工結果を逐次確認するために表示するようにしてもよい。また、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、総切土量の数値データ、及び総盛土量の数値データを表示することができる。
図22に示す例では、表示装置704の表示画面の左側の領域に、現況地形の2次元画像が表示される。また、表示装置704の表示画面の右側の下の領域に、切土量毎及び盛土量毎に示されるデザインの説明が表示される。
図22に示す例では、現況地形の2次元画像において、現況地形を示す2次元画像のうち、切土量が0.0[m
3]以上5.0[m
3]未満の領域が第1のデザインで表示され、切土量が5.0[m
3]以上の領域が第2のデザインで表示される。また、現況地形を示す2次元画像のうち、盛土量が0.0[m
3]以上7.5[m
3]未満の領域が第3のデザインで表示され、盛土量が7.5[m
3]以上の領域が第4のデザインで表示される。また、また、表示装置704の表示画面の右側の上の領域に、施工範囲の面積を示す文字データ及び数値データである「対象範囲:380.635m
2」が表示され、総切土量の数値データを示す「総切土量:756.589m
3」が表示され、総盛土量の数値データを示す「総盛土量:693.739m
3」が表示される。また、切土量及び盛土量についての演算結果及び注釈が文字データ及び数値データとして表示される。このような施工計画データの表示により、施工現場の管理者等は、どの場所にどのような施工がどの程度必要なのかを把握することができる。
【0143】
図23は、表示装置704による施工計画データの表示例を示す。
図23に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、現況地形の任意の位置における断面形状を2次元表示させるとともに、切土を必要とする部位を示す切土計画データと、盛土を必要とする盛土計画データとを異なるデザイン(色又は模様)で表示することができる。例えば、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、切土を必要とする断面形状を第1の色(例えばピンク)で表示させ、盛土を必要とする断面形状を第2の色(例えばブルー)で表示させる。
【0144】
図24、
図25、及び
図26は、表示装置704による施工計画データの表示例を示す。
図24及び
図25に示すように、施工計画データとして、施工現場3で使用する作業機械の種類及び台数を示す作業機械データが表示される。また、
図24及び
図26に示すように、施工計画データとして、作業機械を使用した施工の工程表を示す工程表データが表示される。
図26に示すように、工程表データとして、施工の作業手順を示すフローデータが表示される。
図24及び
図26に示すように、工程表データとして、施工の作業毎の作業時間を示す作業時間データが表示される。また、
図25に示すように、工程表データとして、施工が完了するまでの期間を示す工期データが表示される。
【0145】
また、
図25及び
図26に示すように、施工計画データとして、施工に要する費用を示すコストデータが表示される。本実施形態において、コストデータは、使用される作業機械の種類、車格、及び台数である。
【0146】
また、
図25に示すように、モードデータに対応した施工計画データが表示される。
図25の横軸は、施工開始からの経過予想時間であり、縦軸は、施工の進捗率である。施工計画データ算出部20は、施工の期間を優先する工期優先モード、施工の費用を優先するコスト優先モード、及び工期と費用との両立を図る中間モードのそれぞれについて、使用される作業機械の種類、車格、及び台数で表されるコストデータ、及び施工開始から施工終了までの予想時間データをシミュレーションし、表示する。
図25に示す「A」は、工期優先モードが選択された場合のコストデータ及び予想時間データを示す。「A」は、油圧ショベル4Bが6台使用され、ブルドーザ4Aが3台使用され、運搬車両20が20台使用された場合、工期を短くすることを示している。
図25に示す「C」は、コスト優先モードが選択された場合のコストデータ及び予想時間データを示す。「C」は、油圧ショベル4Bが3台使用され、ブルドーザ4Aが1台使用され、運搬車両20が10台使用された場合、コストを抑えることができるが工期が長くなることを示している。
図25に示す「B」は、中間モードが選択された場合のコストデータ及び予想時間データを示す。「B」は、油圧ショベル4Bが5台使用され、ブルドーザ4Aが2台使用され、運搬車両20が16台使用された場合、コスト及び工期を、工期優先モードとコスト優先モードとの間の値にすることができることを示している。このように、施工計画データ算出部100は、複数パターンの施工計画データを算出し、作業者や管理者に提案することができる。
【0147】
モードデータがモードデータ取得部23に取得される(ステップS130)。すなわち、作業者Maは、携帯端末7の入力装置703又は情報端末8の入力装置803を操作して、施工管理システム1によって提案された、
図25に示した「A」「B」「C」の3パターンの施工計画データの中から、任意の施工計画データを選択する。入力装置703が操作されることにより、施工の優先項目を示すモードデータが、例えば、インターネットを介してモードデータ取得部23に取得される。
【0148】
モードデータが選択されることにより、施工計画が決定される(ステップS140)。 施工管理システム1は、選択された施工計画に基づいて、工程表データを算出し、作業機械を保有する管理会社、作業機械のオペレータ、又は作業機械のレンタル会社等に対して作業機械の手配を自動で行うことができる。これにより、施工現場は、早期に施工を開始することができる。
【0149】
図26に示した工程表データについて説明する。例えば、掘削の工程について、第1日目から第6日目までの期間に、運搬車両5が3台、油圧ショベル4Bが2台、施工現場に投入される計画が示されている。また、盛土の工程について、第4日目から第8日目までの期間に、油圧ショベル4Bが2台、施工現場に投入される計画が示されている。このように、工程表データによれば、いずれの工程に対して、どの期間に建設機械4又は運搬車両5が何台必要であるのかを視覚的に容易に把握することができる。
【0150】
図27及び
図28は、表示装置704による施工計画データの別の表示例を示す。
図27及び
図28に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工の工程毎に、施工計画データを表示させることができる。
図27及び
図28に示す例では、表示装置704は、例えば、掘削工程、盛土工程、法面整形工程、及び溝掘削工程毎に、施工計画データを表示する。
【0151】
図27に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工計画データとして、各工程に必要な施工量を示す施工量データ、各工程に必要な作業機械の種類及び台数を示す作業機械データ、単位時間当たりに実施可能な作業機械の作業量である作業原単位を示す作業原単位データ、及び各工程が完了するまでの所要時間を示す必要時間データを、表形式で、文字データ及び数値データを使って表示させる。施工量データとして「施工量」の項目が表示され、作業機械データとして「作業機械」の項目が表示され、作業原単位データとして「作業原単位」の項目が表示され、必要時間データとして「必要日数」の項目が表示される。
【0152】
施工量とは、各工程で計画される切土量又は盛土量の総和である。本実施形態において、施工量と土量とは同じ意味である。
図27に示す例では、掘削工程の施工量は「22,240m
3」であり、盛土工程の施工量は「26,984m
3」であり、法面整形工程の施工量は「6,208m
3」であり、溝掘削工程の施工量は「473m
3」である。
【0153】
各工程に必要な作業機械の種類は、作業機械の大きさ(車格)を含む。
図27に示す「PC200i」及び「D61PX」は作業機械の種類を示し「×1」は必要な作業機械の台数を示す。
【0154】
作業原単位は、単位時間当たりに実施可能な作業機械の作業量である。
図27に示す例では、掘削工程、盛土工程、法面整形工程、及び溝掘削工程の作業原単位はそれぞれ、「576m
3」、「1,000m
3」、「200m
3」、「150m
3」である。
【0155】
必要日数は、掘削工程、盛土工程、法面整形工程、及び溝掘削工程の各工程が完了するまでの所要時間であり、それぞれ「39日」、「27日」、「31日」、及び「3日」である。施工現場の管理者等は、このような施工計画データから作業機械の手配やオペレータの確保、施工にかかるコスト見積もりなどを容易に行うことができる。
【0156】
なお、
図27に示す施工計画データにおいて、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工の各工程に必要な施工量を示す施工量データ、各工程に必要な作業機械の種類及び台数を示す作業機械データ、単位時間当たりに実施可能な作業機械の作業量である作業原単位を示す作業原単位データ、及び各工程が完了するまでの所要時間を示す必要時間データのうち、少なくとも一つを表示させてもよい。また、予定されている工程の全てについて施工量データ等が表示されずに、ある工程だけについて、施工量データ、作業機械データ、作業原単位データ、及び必要時間データの全部が表示されてもよいし、ある工程だけについて、施工量データ、作業機械データ、作業原単位データ、及び必要時間データの少なくとも一つが表示されてもよい。
【0157】
また、
図28に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、各工程毎の工程表(スケジュール)を示す工程表データを表示させることができる。
図28に示す例では、11月19日を初日として「掘削工程」が完了するまでに39日間を要することが棒グラフ形式で示され、「盛土工程」が完了するまでに27日間を要することが棒グラフ形式で示される。また、11月28日を初日として「法面整形工程」が完了するまでに31日間を要することが棒グラフ形式で示され、12月11日を初日として「溝掘削工程」が3日間を要することが棒グラフ形式で示される。施工現場の管理者等は、この工程表データからも、作業機械の手配やオペレータあるいは作業者の手配や確保を容易に行うことができる。
【0158】
施工現場3では、決定された施工計画に基づいて、施工が開始される(ステップS150)。施工計画データ出力部28から、建設機械4に、設計地形データ及び施工計画データが送信される。建設機械4は、設計地形データに基づいて、作業部材440を制御しながら、施工現場3の施工を行う。これにより、経験の浅い運転者に操作される建設機械4でも、設計図面通りの高精度の施工が可能となる。また、熟練の運転者に操作される建設機械4においては、生産性の飛躍的な向上をもたらす。
【0159】
作業を行う建設機械4から、例えば、リアルタイムで施工実績データがコンピュータシステム2に送信される。施工実績データは、例えば一日のうちの定時刻又は周期的に建設機械4からコンピュータシステム2に送信されるようにしてもよい。施工実績データ取得部21は、建設機械4の施工実績データを取得する(ステップS160)。
【0160】
図5及び
図6を参照して説明したように、建設機械4は、現況地形に接触する刃先440pの絶対位置を検出可能である。建設機械4は、刃先400pの絶対位置に基づいて、各メッシュ点のXg軸方向の絶対位置、Yg軸方向の絶対位置、及びZg軸方向の絶対位置を示す位置データを取得し、現況地形を検出する。
【0161】
各メッシュ点の位置データは、施工実績データ取得部21に出力される。携帯端末7の表示装置704は、施工実績データを表示する(ステップS170)。
図29は、施工実績データの表示例であって、2次元表示された例を示す。
図30は、3次元表示された例を示す。このように、作業者は、その日の施工実績(出来高)をリアルタイムで、視覚を通じて確認することができる。すなわち、施工管理システム1は、日々の施工計画及び施工実績を常に「視覚化」することができる。
【0162】
図29に示された施工実績データの例について説明する。ある施工現場におけるある時点(例えば、2015年4月16日)での工事進捗状況が2次元表示されている。この施工現場では、盛土が行われる。路床に複数回(複数層)にわたって盛土が行われた状況が、色分け又は模様分けされて視覚化されている。また、盛土の累積量が数値(
図29中、例えば462.0m
3)として表示されている。なお、「施工前」というボタンを選択すると、施工前の状態の色分け又は模様分けが表示され、「施工計画」というボタンを選択すると、施工計画の状態の色分け又は模様分けが表示される。このような2次元表示により、施工の進捗が視覚によって容易に把握することができる。
【0163】
図30に示された施工実績データの例について説明する。ある施工現場におけるある時点(例えば、2015年4月16日)での工事進捗状況が3次元表示されている。現況地形が、明暗をつけて3次元表示されている。コンピュータシステム2が、建設機械4に設けられたGPS受信器406Bによる自車の絶対位置を示す絶対位置データを各建設機械4から取得し、施工現場における建設機械4の位置を視覚的に表示している。また、これまでの作業結果として、目標とする切土量(例えば、22,240m
3)や目標とする盛土量(例えば、26,980m
3)が数値として表示され、各々の累積量(累計)及び目標に対する残量が数値やバーグラフによって表示されている。このような3次元表示により、施工の進捗が視覚によって容易に把握することができる。
【0164】
図31は、表示装置704による、施工実績データの別の表示例である。
図31に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工の工程毎及び施工日毎に、施工実績データを表示させることができる。また、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工の工程毎及び施工日毎に、施工計画データ及び施工実績データを表示させることができる。
図31に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704は、表形式で、施工計画データ及び施工実績データを表示させる。
【0165】
図31に示す例では、掘削工程、盛土工程、及び法面整形工程の各工程毎に、施工計画データを示す「計画」と、施工実績データを示す「実績」とが、表示装置704に同時に表示される。また、11月25日から12月11日までの各施工日毎に、「計画」と「実績」とが表示される。
【0166】
施工計画データを示す「計画」の欄には、施工日毎の施工量を示す「当日施工量」と、施工を開始してからの各施工日の施工量の累積量を示す「日毎累計」とが表示される。
【0167】
施工実績データは、施工の工程毎及び施工日毎の施工量を示す施工量実績データと、累積の施工量実績データと、施工計画データに対する施工の進捗率を示す進捗率データと、を含む。
【0168】
施工実績データを示す「実績」の欄には、施工日毎の実績施工量を示す「当日施工量」と、施工を開始してからの各施工日までの実績施工量の累積量を示す「日毎累計」と、施工日毎に施工の進捗率を示す「日毎進捗率」とが表示される。「日毎進捗率」は、日々の施工が終わった時点における、計画土量に対する実績施工量の累積量(日毎累計)の割合である。例えば、
図31の場合、掘削工程について、12月11日の時点で、計画土量22,240m
3に対し、日毎累計が9,216m
3の掘削が行われており、その日毎累計の値を計画土量で割ると、41.4%という日毎進捗率を得ることができる。このような「日毎進捗率」に変えて、あるいは「日毎進捗率」とともに、その日に計画した施工量(当日施工量)に対する、その日の施工量(当日施工量)の割合を算出し、日毎進捗率として表示させるようにしてもよい。例えば、
図31の場合、掘削工程について、11月25日は、計画された当日施工量が576m
3に対し、当日施工量の実績が576m
3となっている。したがって、当日施工量の実績を、計画された当日施工量で割ると、100%という日毎進捗率を得ることができる。つまり、11月25日は計画通りに掘削工程の施工が行われたことになる。このような日毎進捗率を、
図31のような表形式で表示装置704に表示してもよいし、横軸に施工日をとり縦軸に日毎進捗率をとったグラフにて表示してもよい。
【0169】
また、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工の工程に対する施工計画データのみを表示させてもよいし、施工の工程に対する施工実績データのみを表示させてもよいし、施工の工程に対する施工計画データ及び施工実績データの両方を表示させてもよい。その場合、ある所定の施工日について施工計画データ及び施工実績データの一方又は両方が表示されてもよいし、施工日毎に施工計画データ及び施工実績データの一方又は両方が表示されてもよい。
【0170】
図32は、表示装置704による、施工実績データの別の表示例である。施工実績データは、土砂の掘削が完了した部位を示す切土完了データ及び土砂の盛土が完了した部位を示す盛土完了データを含む。
図32に示すように、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、切土完了データ及び盛土完了データを3次元表示させる。
【0171】
また、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、切土完了データ及び盛土完了データと一緒に、切土計画データ(切土部位データ又は切土量データ)及び盛土計画データ(盛土部位データ又は盛土量データ)を表示させることができる。施工計画データ出力部28は、表示装置704に、切土計画データと切土完了データとを異なるデザインで同時に3次元表示させ、盛土計画データと盛土完了データとを異なるデザインで同時に3次元表示させる。
図32に示すように、切土計画データと、盛土計画データと、切土完了データと、盛土完了データとは、異なるデザインで表示される。例えば、計画通りに施工が行われた場所が認識できるように、計画データと完了データとが一致する場所は、計画データや完了データとは異なるデザインで3次元表示がされるようにしてもよい。
【0172】
施工計画及び施工実績が「視覚化」されることにより、施工前の施工計画、施工中の施工進捗の管理、及び施工の施工評価を含む一連の作業を迅速に実施することができる、所謂、PCDA(Plan Do Check Action)を高速に回転させることができる。
【0173】
また、施工現場3で設計地形の変更の要望がある場合、サポートセンター14によるサポートが行われる。サポートセンター14において、設計地形データ修正され、工程管理に反映される。
【0174】
また、設計計画データ及び施工実績データは、結果データベース34に蓄積される。なお、現況地形データ、設計地形データ、原単位データ、施工条件データ、変動要因データ、及びモードデータが、結果データベース34に蓄積されてもよい。これら結果データベース34に蓄積されたデータを生かし、施工完了後も、整備・修繕や将来の維持保守、自然災害を受けた地域の復旧作業などに活用することができ、大幅な工数削減に役立てることができる。
【0175】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、現況地形データ、設計地形データ、施工範囲データ、切土計画データ、及び盛土計画データの少なくとも二つを並べて3次元表示させる。したがって、施工前の施工計画のうち、現況地形データ、設計地形データ、施工範囲データ、切土計画データ、及び盛土計画データの少なくとも二つが対比された状態で視覚化されるので、作業者又は管理者は施工計画を感覚的に迅速に把握することができる。そのため、施工現場の生産性の向上を図ることができる。
【0176】
また、本実施形態によれば、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、現況地形データ、設計地形データ、施工範囲データ、切土計画データ、及び盛土計画データの少なくとも二つを重ねて表示させる。したがって、作業者又は管理者は、施工範囲のうちどの部位をどれくらい施工すればよいのかを、視覚を通じて迅速に把握することができる。
【0177】
また、本実施形態によれば、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、切土数値データ及び盛土数値データの一方又は両方を表示させる。したがって、作業者又は管理者は、施工計画を感覚的に把握するのみならず、数値データに基づいて適確に把握することができる。
【0178】
また、本実施形態によれば、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工の工程毎及び施工日毎に、施工計画データ及び施工実績データを表示させる。したがって、作業者又は管理者は、工程毎及び施工日毎の実績を把握することができるとともに、計画に対する実績も把握することができる。工程毎及び施工日毎に実績が把握されるので、把握された実績に基づいて、施工現場の生産性を向上するための措置を講ずることができる。例えば、計画に対して実績が遅れている工程があれば、計画に対して実績が上回っている工程のリソースを、遅れている工程に当てるなど、施工現場全体の生産性を向上するための措置を講ずることができる。
【0179】
また、本実施形態によれば、施工実績データは、施工計画データに対する施工の進捗率を示す進捗率データを含む。工程毎及び施工日毎の進捗率が視覚を通じて把握されるので、施工現場の生産性を向上させるための適切な措置を講ずることができる。
【0180】
また、本実施形態によれば、施工実績データは、工程毎及び施工日毎の施工量を示す施工量実績データ、及び累積の施工量実績データを含む。これにより、工程毎及び施工日毎の実績、及び累積施工量を視覚を通じて迅速に把握することができる。
【0181】
また、本実施形態によれば、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、土砂の切土が完了した部位を示す切土完了データ及び土砂の盛土が完了した部位を示す盛土完了データの一方又は両方を3次元表示させる。これにより、施工範囲のうちどの部位の切土工程又はどの部位の盛土工程が完了したのかを、視覚を通じて迅速に把握することができる。
【0182】
また、本実施形態によれば、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、切土計画データと切土完了データとを異なるデザインで同時に3次元表示させ、盛土計画データと盛土完了データとを異なるデザインで同時に3次元表示させる。これにより、計画に対する切土又は盛土の実績を感覚的に迅速に把握することができる。
【0183】
また、本実施形態によれば、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工の工程毎に、各工程に必要な施工量を示す施工量データ、各工程に必要な作業機械の種類及び台数を示す作業機械データ、単位時間当たりに実施可能な作業機械の作業量を示す作業原単位データ、及び各工程が完了するまでの時間を示す必要時間データを表示させる。これにより、作業者又は管理者は、視覚を通じて施工計画データを迅速に把握することができる。
【0184】
また、本実施形態によれば、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、工程毎の工程表を示す工程表データを表示させる。これにより、作業者又は管理者は、視覚を通じて工程表を十分に把握することができる。
【0185】
また、本実施形態によれば、施工管理システム1は、現況地形データ取得部22と、設計地形データ取得部24と、原単位データ取得部25と、施工計画データ算出部20とを有するので、施工計画データ算出部20は、現況地形データと設計地形データとに基づいて、施工すべき施工範囲及び施工量を導出することができる。施工管理システム1は、導出された施工範囲及び施工量と原単位データとに基づいて、コンピュータシステム2の施工計画データ算出部20を使って、最適な施工計画を策定することができる。これにより、施工現場の生産性を向上させることができ、建設業界が抱える労働力不足の問題を解決することができる。
【0186】
本実施形態においては、(1)施工前及び施工中において正確な施工計画を作ることができ、(2)計画と実績(出来形・出来高)との差分をリアルタイムに把握することができ、(3)最適な施工手順及び段取りを提案でき、(4)変動要因の発生可能性も予測しつつ施工計画を算出することができる。これにより、施工現場3の生産性を大幅に向上させることができる。
【0187】
また、本実施形態よれば、施工管理システム1は、施工会社12及び施工現場3の施工に係る作業を、施工前・施工中・施工後・維持管理まで、全てをサポートすることができる。
【0188】
また、本実施形態によれば、施工計画データ出力部28から、第1出力装置として機能する携帯端末7及び情報端末8に、施工計画データが送信される。これにより、携帯端末7及び情報端末8は、施工計画データを表示することができる。したがって、施工現場3の作業者Maは、視覚を通じて施工計画を十分に把握することができる。
【0189】
また、本実施形態によれば、携帯端末7及び情報端末8は、現況地形データ及び設計地形データを3次元表示する。これにより、作業者Maは、現況地形と設計地形との差分を直感的に把握することができる。
【0190】
また、本実施形態によれば、第1検出装置として機能するカメラ11は、現況地形を非接触で検出し、現況地形データをコンピュータシステム2の現況地形データ取得部22に無線で送信する。これにより、現況地形の測量及び測量結果の送信を迅速に行うことができる。
【0191】
また、本実施形態によれば、カメラ11は、無人飛行体であるドローン10に搭載され、空撮により現況地形を測量する。これにより、測量を短時間で終了させることができる。
【0192】
また、本実施形態によれば、原単位データが示す作業機械の条件は、作業機械の種類や車格、作業機械の台数、及び作業機械の管理状態の少なくとも一つを含む。これにより、原単位データに基づいて、施工のシミュレーション精度が向上し、最適な施工計画を策定することができる。
【0193】
また、本実施形態によれば、原単位データが示す作業機械の条件は、単位時間当たりに実施可能な作業機械の作業量を含む。これにより、単位時間毎に、あるいは工程毎に、施工のシミュレーションを高精度で行うことができる。
【0194】
また、本実施形態によれば、作業機械は、現況地形を変化させることが可能な作業部材を有し、作業量は、作業部材のサイズを含む。作業部材のサイズは事前に知ることができる不変データであるため、作業量の算出の負担が軽減される。
【0195】
また、本実施形態によれば、作業機械は、施工現場に土砂を運搬する運搬車両を含み、作業量は、単位時間当たりに運搬可能な土砂の量を含む。単位時間当たりに運搬可能な土砂の量は、一般道路を走行する運搬車両5の走行条件(走行経路、走行距離、及び走行速度)、交通事情、及びベッセルのサイズなどによって変化する。運搬車両5の走行条件、交通事情、及びベッセルのサイズなどを考慮することにより、施工のシミュレーション精度が向上し、最適な施工計画データが算出される。例えば、施工現場3において土砂の盛土が必要な場合、交通事情により、土砂を積んだ運搬車両5が施工現場3になかなか到着しない場合、施工がストップしてしまう可能性がある。このような状況が生じないように、運搬車両5の条件に基づいて、施工計画データが算出されることにより、施工現場3の生産性が向上する。
【0196】
また、本実施形態によれば、原単位データは、施工現場の作業者の条件を更に含む。施工現場3の生産性は、作業機械のみならず、作業者にも依存する。そのため、作業者の条件も考慮して施工計画が算出されることにより、施工現場3の生産性が向上する。
【0197】
また、本実施形態によれば、作業者の条件は、作業者の人数、及び作業者の技量の少なくとも一方を含む。これにより、施工のシミュレーション精度が向上し、最適な施工計画が策定される。
【0198】
また、本実施形態によれば、施工計画データ算出部20は、現況地形データと設計地形データとを照合して、施工現場の施工範囲を示す施工範囲データ及び施工範囲において必要な土砂の切土量又は盛土量を示す土量データを算出し、施工範囲データ及び土量データと原単位データとに基づいて、施工計画データを算出する。これにより、最適な施工計画データを算出することができ、施工現場3の生産性を向上することができる。
【0199】
また、本実施形態によれば、施工計画データは、施工現場で使用する作業機械の種類や車格及び台数を示す作業機械データ、作業機械を使用した施工の工程表を示す工程表データ、及び施工に要する費用を示すコストデータの少なくとも一つを含む。作業機械データ、工程表データ、及びコストデータが算出されることにより、実際の施工が円滑に行われ、生産性が向上される。
【0200】
また、本実施形態によれば、工程表データは、施工の作業手順を示すフローデータ、施工の作業毎の作業時間を示す作業時間データ、及び施工が完了するまでの期間を示す工期データの少なくとも一つを含む。これにより、作業者Maは、これらデータに従って、作業を円滑に実施することができる。
【0201】
また、本実施形態によれば、施工現場の施工条件を示す施工条件データを取得する施工条件データ取得部26を備え、施工計画データ算出部20は、施工条件データに基づいて、施工計画データを算出する。初期条件又は制約条件である施工条件が確定されることにより、施工のシミュレーションにおいて解が迅速かつ適確に得られ、適切な施工計画データを算出することができる。
【0202】
また、本実施形態によれば、施工条件データは、施工に係る予算、工期、作業内容、作業手順、作業時間、及び現場環境の少なくとも一つを含む。予算及び工期が規定された状態で、施工のシミュレーションが行われることにより、予算及び工期の範囲内で、複数の施工計画を適切に提案することができる。また、作業内容、作業手順、及び作業時間が予め規定されることにより、適切な労働環境の下で適切な施工計画データを算出することができ、目標通りの施工結果を得ることができる。
【0203】
また、本実施形態によれば、現場環境は、施工現場の地形、及び施工現場の大きさの少なくとも一方を含む。施工現場の地形及び大きさによって、作業に要する時間は変化する。そのため、施工現場の地形及び大きさが設定されることにより、施工のシミュレーション精度が向上する。
【0204】
また、本実施形態によれば、施工現場の変動要因を示す変動要因データを取得する変動要因データ取得部27を備え、施工計画データ算出部20は、変動要因データに基づいて、施工計画データを算出する。変動要因データは、施工現場の土砂の種類及び状態を示す土質データ、施工現場3の地下に埋設する埋設物を示す埋設物データ、及び施工現場3の気象データの少なくとも一つを含む。施工現場の土質によって、作業に要する時間は変化する。例えば、重い土の場合、軽い土の場合、粘土質の土の場合、砂質の土の場合では、建設機械4による掘削作業、押土作業、盛土作業、切土作業、整地作業、及び積込作業など、各種の作業に要する時間が変化する。また、土質によって、運搬車両5の走行のし易さ(トラフィカビリティ)が変化し、運搬車両5の運搬に要する時間も変化する。また、晴天の場合と雨天の場合とでは、作業機械による作業に要する時間が変化する。これら自然現象に起因する変動要因が考慮されることにより、施工のシミュレーション精度はより向上し、適切な施工計画データを算出することができる。
【0205】
また、本実施形態によれば、設計地形の変更を受け付けるサポートセンター14が設けられ、設計地形データ取得部24は、サポートセンター14から出力された変更後の設計地形データを取得し、施工計画データ算出部20は、変更後の設計地形データに基づいて、施工計画データを再算出する。サポートセンター14により、施工現場3の負担を軽減しつつ、施工現場3の判断が施工に正確に反映される。
【0206】
また、本実施形態に示したように、変更後の設計地形データに基づいて、作業機械を遠隔操作するための制御信号を出力する遠隔制御部29が設けられてもよい。これにより、作業機械の運転者の負担が軽減され、変更後の設計地形データに則って情報化施工を行うことができる。
【0207】
また、本実施形態によれば、施工現場3の施工実績を示す施工実績データを取得する施工実績データ取得部21を備え、施工計画データ算出部20は、施工実績データに基づいて、施工計画データを再算出する。これにより、施工の進捗状況に応じて、最適な施工計画をその都度策定することができる。
【0208】
また、本実施形態によれば、第2出力装置として機能する携帯端末7及び情報端末8に施工実績データが表示される。これにより、作業者は、日々の施工の進捗状況を把握することができる。
【0209】
また、本実施形態によれば、作業機械は、施工実績データを取得し、施工実績データ取得部21は、施工実績データ21を作業機械から無線で取得する。これにより、施工実績をリアルタイムで迅速に把握することができる。
【0210】
また、本実施形態によれば、施工の優先項目を示すモードデータを取得するモードデータ取得部23を備え、施工計画データ算出部20は、モードデータに基づいて、施工計画データを算出する。これにより、施工計画データ算出部20で複数パターンの施工計画が提案された場合、作業者又は管理者は、入力装置を操作して、モードデータをモードデータ取得部23に送信するだけで、優先項目に則った施工計画を取得することができる。
【0211】
また、本実施形態によれば、モードデータは、施工の期間を優先する工期優先モードデータ、及び施工の費用を優先するコスト優先モードデータの少なくとも一方を含む。優先項目として、工期及びコストが設定されることにより、予算及び目標工期に応じた施工計画を選択することができる。
【0212】
なお、本実施形態においては、飛行体として、動力源を有するドローン10を使って現況地形データを取得することとした。飛行体として、模型飛行機が使用されてもよいし、動力源を有しない気球が使用されてもよい。気球に搭載されたカメラによって、現況地形が検出されてもよい。
【0213】
[現況地形データの取得の変形例]
図2から
図6を参照して説明したように、建設機械4は、車両本体400と、車両本体400に対して相対移動する作業部材440とを有する。作業部材440は、現況地形に接触する刃先400pを有する。建設機械4は、刃先440pの絶対位置に基づいて、現況地形を検出するプロセッサ401(ブレード制御装置401A、バケット制御装置401B)を有する。車両本体400の絶対位置は、GPS受信器406によって検出される。建設機械4は、車両本体400に対する刃先440pの相対位置を検出する検出装置420(420A、420B)を備えている。車両本体400の絶対位置と、検出位置420の検出結果とに基づいて、刃先440pの絶対位置が求められる。刃先440pによって施工現場3が施工され、現況地形が形成される。すなわち、刃先440pの絶対位置が分かることにより、現況地形の表面のあるメッシュ点の絶対位置が分かる。したがって、プロセッサ401は、刃先440pの絶対位置を検出することによって、現況地形を検出することができる。
【0214】
建設機械4のプロセッサ401は、現況地形データを無線でコンピュータシステム2に送信する。コンピュータシステム2の現況地形データ取得部22は、現況地形データを建設機械4から無線で取得する。
【0215】
このように、現況地形データの取得は、ドローン10のような飛行体に限られず、建設機械4を使って取得されてもよい。例えば、施工現場3に樹木のような障害物が存在し、ドローン10を飛ばすことが困難な状況である場合、建設機械4を使うことにより、現況地形データを円滑に取得することができる。
【0216】
[施工管理システムの第2の実施形態]
施工管理システム1の第2の実施形態について説明する。上述の実施形態と同様、本実施形態に係る施工管理システム1は、施工現場の現況地形を示す現況地形データを取得する現況地形データ取得部22と、施工現場の設計地形を示す設計地形データを取得する設計地形データ取得部24と、現況地形データと設計地形データとを照合して、施工現場の施工計画を示す施工計画データを算出する施工計画データ算出部20と、施工現場の施工実績を示す施工実績データを取得する施工実績データ取得部21と、施工計画データ出力部28と、を備える。
【0217】
図33及び
図34は、本実施形態に係る表示装置704の表示例を示す図である。携帯端末7の電源がオフ状態からオン状態になるように携帯端末7が操作され、携帯端末7が起動し、携帯端末7とコンピュータシステム2との通信が成立すると、携帯端末7の表示装置704には、
図33に示すような初期画像が表示される。表示装置704には、コンピュータシステム2に管理又は登録されている複数の施工現場のデータが表示される。
図33に示す例では、表示装置704は、複数の施工現場の現場名を表示する。このように、本実施形態においては、施工計画データ出力部28は、携帯端末7が起動した後の初期画像として、コンピュータシステム2に管理又は登録されている複数の施工現場を識別する現場識別データを表示装置704に表示させる。
【0218】
表示装置704は、タッチパネルを含む。作業者Maは、表示装置704に表示されている複数の施工現場のうち、任意の施工現場を選択し、表示装置704の表示画面を操作(タップ)する。本実施形態においては、施工現場Aが選択され、表示装置704の表示画面において「施工現場A」の表示領域がタップされたこととする。
【0219】
「施工現場A」がタップされると、
図34に示すような、施工現場Aについての詳細なデータが表示装置704に表示される。
【0220】
図34に示すように、本実施形態において、施工計画データ出力部28は、表示装置704の表示画面に、複数の表示データを並べて表示させる。表示装置704の表示画面には、第1表示データを表示させる第1表示領域750と、第2表示データを表示させる第2表示領域760と、第3表示データを表示させる第3表示領域770と、第4表示データを表示させる第4表示領域780と、第5表示データを表示させる第5表示領域790と、が設定される。
【0221】
施工計画データ出力部28は、表示装置704の第1表示領域750に、現況地形データ、施工計画データ、及び施工実績データの少なくとも二つを重ねて表示させる。
【0222】
施工計画データ出力部28は、表示装置704の第2表示領域760に、施工計画データ及び施工実績データを施工日毎に表示させる。
【0223】
施工計画データ出力部28は、表示装置704の第3表示領域770に、日付データ、気象データ、施工現場Aの施工が開始されてからの経過日数データ、及び施工現場Aの目標施工期間に対する施工経過日数の割合データを表示させる。
【0224】
施工計画データ出力部28は、表示装置704の第4表示領域780に、盛土量データ及び切土量データを表示させる。
【0225】
施工計画データ出力部28は、表示装置704の第5表示領域790に、カレンダー及び気象データを表示させる。
【0226】
第1表示領域750に表示される現況地形データは、現況地形の撮影画像751を含む。本実施形態において、現況地形の撮影画像751は、現況地形を上空から撮影した航空写真又は衛星写真である。第1表示領域750に表示される施工計画データは、施工範囲を示す施工範囲画像752を含む。本実施形態において、施工範囲画像752は、施工範囲の輪郭を示す画像である。第1表示領域750に表示される施工実績データは、施工計画に対する施工の進捗率を示す進捗率データを含む。本実施形態において、施工現場の進捗率データは、区画された施工範囲の複数の区画領域毎に進捗率に応じた異なるデザインで出力される進捗率画像753である。
【0227】
図34に示すように、表示装置704は、現況地形の撮影画像751と施工範囲画像752とを重ねて表示する。第1表示領域750の施工範囲は、複数の区画領域に区画される。本実施形態において、区画領域は正方形である。各区画領域に対応する施工範囲の進捗率に合わせて、それら区画領域に異なるデザインの進捗率画像753が表示される。進捗率画像753は、1つの正方形の区画領域に重ねて表示される正方形の画像データである。
【0228】
各区画領域に対応する施工現場の進捗率に応じて、進捗率画像753の色を異ならせてもよいし、ハッチングを異ならせてもよい。本実施形態においては、施工現場の区画領域の進捗率が100[%]のとき、その区画領域が赤色で表示される。施工現場の区画領域の進捗率が80[%]のとき、その区画領域がオレンジ色で表示される。施工現場の区画領域の進捗率が60[%]のとき、その区画領域が黄色で表示される。施工現場の区画領域の進捗率が40[%]のとき、その区画領域が緑色で表示される。施工現場の区画領域の進捗率が20[%]のとき、その区画領域が青色で表示される。施工現場の区画領域の進捗率が0[%]のとき、その区画領域は着色されず撮影画像751が表示される。なお、進捗率に応じた色の選択は一例であり、任意の色を選択することができる。また、本実施形態においては、進捗率を6段階(100[%]、80[%]、60[%]、40[%]、20[%]、0[%])で表示しているが、段階の数は任意である。例えば、進捗率が100[%]、90[%]、80[%]、70[%]、60[%]、50[%]、40[%]、30[%]、20[%]、10[%]、0[%]の11段階が表示されてもよい。
【0229】
施工計画データ出力部28は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)として、表示装置704の表示画面に、選択部を表示させる。本実施形態において、選択部は、現況地形データ(撮影画像751)、施工計画データ(施工範囲752)、及び施工実績データ(進捗率画像753)のうち、表示装置704に表示させるデータを作業者Maに選択させるスイッチである選択部(751B,752B,753B)を含む。スイッチ751Bがオンされることにより、第1表示領域750に撮像画像751が表示され、スイッチ751Bがオフされることにより、撮像画像751は非表示となる。スイッチ752Bがオンされることにより、第1表示領域750に施工範囲画像752が表示され、スイッチ752Bがオフされることにより、施工範囲画像752は非表示となる。スイッチ753Bがオンされることにより、第1表示領域750に進捗率画像753が表示され、スイッチ753Bがオフされることにより、進捗率画像753は非表示となる。
図34は、スイッチ751B,752B,753Bがすべてオンされており、撮像画像751と、施工範囲画像752と、進捗率画像753とが重ねて表示されている例を示す。
【0230】
現況地形データ(撮影画像751)、施工計画データ(施工範囲画像752)、及び施工実績データ(進捗率画像753)は、グローバル座標系において規定されたデータである。施工計画データ出力部28は、撮影画像751、施工範囲画像752、及び進捗率画像753それぞれの緯度及び経度を一致させた状態で、第1表示領域750に重ねて表示させることができる。
【0231】
第2表示領域760に表示される施工計画データは、土砂の切土計画データ及び盛土計画データを含む。第2表示領域760に表示される施工実績データは、土砂の切土実績データ及び盛土実績データを含む。
【0232】
本実施形態においては、施工計画データ出力部28は、第2表示領域760において、横軸が施工日を示し、縦軸が施工計画データ(切土計画及び盛土計画)又は施工実績データ(切土実績及び盛土実績)を示すグラフを表示装置704の第2表示領域760に表示させる。施工計画データ出力部28は、横軸が施工日であり、縦軸が施工計画又は施工実績を示す折れ線グラフを表示させる。
【0233】
図34は、「2015年08月01日」から「2015年08月21日」までの各施工日毎の施工計画及び施工実績がプロットされ、そのプロットが結ばれて折れ線グラフが形成されている例を示す。
【0234】
なお、
図34に示す例において、第2表示領域760に表示されるグラフの縦軸は、施工日毎の盛土量数値データ[m
3]及び切土量数値データ[m
3]を示す。縦軸が、盛土量又は切土量の最終的な目標値に対する実績値の割合[%]を示してもよい。
【0235】
施工計画データ出力部28は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)として、表示装置704の表示画面に、スライド部を表示させる。本実施形態において、スライド部は、横軸が示す期間を変更させるスライダーバー761を含む。例えば、スライダーバー761が
図34に示す位置にある場合、上述したように、「2015年08月01日」から「2015年08月21日」までの盛土量データ及び切土量データが表示される。スライダーバー761が右に移動された場合、「2015年08月01日」から「2015年08月21日」までの期間よりも長い期間、例えば、「2015年08月01日」から「2016年01月21日」までの盛土量データ及び切土量データが表示される。スライダーバー761が左に移動された場合、「2015年08月01日」から「2015年08月21日」までの期間よりも短い期間、例えば、「2015年08月01日」から「2016年08月11日」までの盛土量データ及び切土量データが表示される。
【0236】
なお、第2表示領域760に表示されるグラフの縦軸が施工日を示し、横軸が盛土量データ及び切土量データを示してもよい。なお、第2表示領域760において、盛土量データが表示され切土量データが表示されなくてもよいし、切土量データが表示され盛土量データが表示されなくてもよい。なお、第2表示領域760において、盛土量の計画値が表示され実績値が表示されなくてもよいし、盛土量の実績値が表示され計画値が表示されなくてもよい。なお、第2表示領域760において、切土量の計画値が表示され実績値が表示されなくてもよいし、切土量の実績値が表示され計画値が表示されなくてもよい。
【0237】
表示装置704の第3表示領域770には、当日(携帯端末7が起動された日)の日付、曜日、当日の天気、施工現場Aの施工が開始されてからの経過日数、及び施工現場Aの目標施工期間に対する施工経過日数の割合を示すバーグラフが表示される。
図34に示す例では、当日の天気がアイコンで表示される。施工現場Aの施工開始日は「2015年08月01日」であり、施工現場の施工終了予定日は「2016年08月31日」であり、施工現場Aの施工が開始されてからの経過日数は55日である。目標施工期間は、「2015年08月01日」から「2016年08月31日」までの13箇月間(396日間)であり、目標施工期間に対する施工経過日数の割合(本例では約14[%])を示すバーグラフが表示される。
【0238】
表示装置704の第4表示領域780には、当日における盛土量の計画値(842[m
3])と実績値(406[m
3])とが表示されるとともに、盛土量の計画値に対する実績値の割合(48[%])が表示される。また、当日における盛土量の計画値に対する実績値の割合(48[%])が円グラフで表示される。また、表示装置704の第4表示領域780には、切土量の計画値(1198[m
3])と実績値(878[m
3])とが表示されるとともに、切土量の計画値に対する実績値の割合(73[%])が表示される。また、切土量の計画値に対する実績値の割合(73[%])が円グラフで表示される。
【0239】
表示装置704の第5表示領域790には、カレンダーと、各日付に対応する予想天気のアイコンとが表示される。
【0240】
図35は、本実施形態に係る表示装置704の別の表示例を示す図である。
図35に示す例では、表示装置704の第5表示領域790には、カレンダーに代えて、気象データの一つとして、施工現場Aの雨雲レーダーの画像が表示される。
【0241】
なお、
図35は、スイッチ751B,753Bがオンされ、スイッチ752Bがオフされている例を示す。これにより、第1表示領域750において、施工範囲画像752は非表示となり、撮像画像751と進捗率画像753とが重ねて表示される。
【0242】
以上説明したように、本実施形態によれば、
図33に示した初期画像から施工現場を選択するだけで、選択された施工現場の詳細な施工データを表示装置704に表示させることができる。また、本実施形態によれば、表示装置704に、現況地形データ、施工計画データ、及び施工実績データの少なくとも二つが重ねて表示される。現況地形データ、施工計画データ、及び施工実績データの少なくとも二つが対比された状態で視覚化されるので、作業者又は管理者は施工状況を感覚的に迅速に把握することができる。そのため、施工現場の生産性の向上を図ることができる。
【0243】
また、本実施形態によれば、現況地形データは、現況地形の航空写真又は衛星写真による撮影画像751を含み、施工計画データは、施工範囲を示す施工範囲画像752を含み、施工実績データは、区画された施工範囲の複数の区画領域毎に進捗率に応じた異なるデザインで出力される進捗率画像753を含む。これにより、作業者又は管理者は施工状況をより感覚的に迅速に把握することができる。
【0244】
また、本実施形態によれば、グラフィカルユーザインタフェースとして、現況地形データ、施工計画データ、及び施工実績データのうち表示装置704に表示させるデータを選択させる選択部を表示装置704に表示させる。これにより、作業者又は管理者は、表示装置704を操作するだけで、必要な画像データだけを表示させたり、任意の複数の画像データを重ねて表示させたりすることができる。
【0245】
また、本実施形態においては、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、施工計画データ及び施工実績データの少なくとも一方を施工日毎にグラフ化して表示させる。これにより、作業者又は管理者は施工現場の進捗状況を感覚的に迅速に把握することができる。
【0246】
また、本実施形態によれば、グラフィカルユーザインタフェースとして、グラフの横軸(又は縦軸)が示す施工期間を変更させるスライド部761が表示装置704に表示される。スライド部761が設けられることにより、作業者又は管理者は、施工期間の表示範囲を容易に変更することができる。作業者又は管理者は、スライド部761を右に移動させることにより、長い施工期間における盛土又は切土の進捗状況を大まかに確認することができる。作業者又は管理者は、スライド部761を左に移動させることにより、短い施工期間における盛土又は切土の進捗状況を詳細に確認することができる。
【0247】
また、本実施形態によれば、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、気象データを表示させる。施工現場の作業効率は、天気に左右される場合が多い。表示装置704に、当日の天気のみならず予想天気が表示されることにより、作業者又は管理者は、例えばテレビや新聞等を別途確認しなくても、携帯端末7を起動させるだけで、初期画像で選択した施工現場の気象データを容易且つ迅速に確認することができる。
【0248】
[施工管理システムの第3の実施形態]
施工管理システム1の第3の実施形態について説明する。
図36は、本実施形態に係る施工管理システム1の一例を示す模式図である。上述の実施形態と同様、施工現場3において、建設機械4が稼働する。作業者Maは、携帯端末7を所持する。
【0249】
上述の実施形態と同様、建設機械4は、コンピュータシステム2とデータ通信可能である。コンピュータシステム2の施工計画データ出力部28は、施工現場3を施工する建設機械4に設計地形データを送信可能である。本実施形態においては、作業機械4に設計地形データを送信可能な施工計画データ出力部28を単にデータ出力部28と称する。
【0250】
施工現場の設計地形データは、コンピュータシステム2から建設機械4に送信される。建設機械4は、掘削対象の目標形状である設計地形データに基づいて、作業部材440の刃先440pが設計地形に沿って移動するように、作業部材440を制御する。
【0251】
本実施形態において、コンピュータシステム2の施工計画データ算出部20は、作業機械4に対する設計地形データの送信の承認を要求する承認要求データを生成する。本実施形態においては、コンピュータシステム2の施工計画データ算出部20を適宜、承認要求データ生成部20、と称する。
【0252】
承認要求データ生成部20は、承認要求データを生成する。データ出力部28は、建設機械4に対する設計地形データの送信に先立って、建設機械4に対する設計地形データの送信の承認を要求する承認要求データを、出力装置704を含む携帯端末7に出力する。データ出力部28は、出力装置704を含む携帯端末7から設計地形データの送信を認可する認可データを取得した後、建設機械4に設計地形データを送信する。
【0253】
図37は、本実施形態に係る施工管理方法の一例を示すフローチャートである。承認要求データ生成部20において建設機械4に対する設計地形データの送信の承認を要求する承認要求データが生成された後、
図37に示すように、データ出力部28は、承認要求データを携帯端末7に出力する。承認要求データは、コンピュータシステム2から携帯端末7に送信される(ステップS210)。なお、データ出力部28は、承認要求データとともに、建設機械4に送信しようとしている設計地形データの内容を示す情報を携帯端末7に送信してもよい。
【0254】
承認要求データを受信した携帯端末7は、受信した承認要求データを出力装置である表示装置704に表示する。本実施形態において、承認要求データは、承認を要求するメッセージを含む。携帯端末7の表示装置704にメッセージが表示される(ステップS220)。ここで、携帯端末7は、建設機械4に送信しようとしている設計地形データの内容を示す情報を、承認を要求するメッセージとともに表示させてもよい。つまり、データ出力部28は、建設機械4に送信しようとしている設計地形データの内容を示す情報を含む承認要求データを携帯端末7に送信してもよい。ここで、携帯端末7は、最初に、建設機械4に送信しようとしている設計地形データの内容を示す情報を表示装置704に表示させた後、所定の時間が経過するか、作業者Maが画面を切り替える操作をしたならば、承認を要求するメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0255】
図38は、携帯端末7の表示装置704の表示例を示す。
図38に示すように、承認を要求するメッセージが文字データとして表示装置704に表示される。上述の実施形態と同様、設計地形データは、施工会社12又はサポートセンター14において作成される。施工管理システム1のコンピュータシステム2は、設計地形データについての時刻データを保有する。本実施形態において、設計地形データについての時刻データは、設計地形データがコンピュータシステム2から携帯端末7に送信可能状態になった時刻データ、及び設計地形データの送信を要求したタイミングを示す時刻データの少なくとも一方を含む。設計地形データがコンピュータシステム2から携帯端末7に送信可能状態になった時刻データは、施工会社12又はサポートセンター14において設計地形データが作成された時刻を示すデータでもよいし、施工会社12又はサポートセンター14において作成された設計地形データを設計地形データ取得部24が取得した時刻を示すデータでもよい。設計地形データの送信を要求したタイミングを示す時刻データは、作業者Maが、施工会社12又はサポートセンター14などに、新たな設計地形データの作成や施工現場の設計変更に伴う設計地形データの変更を依頼したタイミングを示すデータでもよい。また、承認を要求するメッセージには、時刻データの表示はなくてもよい。さらに、承認を要求するメッセージには、設計地形データの変更や作成を依頼した者(依頼者)を示すデータや設計地形データの変更や作成が必要な施工現場の場所を示すデータが含まれてもよい。承認を要求するメッセージには、これから設計地形データを送信しようとする建設機械4を特定するデータ(種類、号機など)を含んでもよい。時刻データは、時分を含まず日時だけを示すものであってもよい。
【0256】
承認要求データは、例えば、設計地形データがコンピュータシステム2から携帯端末7に送信可能状態になった時刻データを含む。例えば、時刻データが、施工会社12又はサポートセンター14において作成された設計地形データを設計地形データ取得部24が取得した時刻を示すデータであって、設計地形データを設計地形データ取得部24が取得した時刻データが「A月B日C時D分」である場合、表示装置704には、
図38に示すように、「A月B日C時D分に御依頼いただいた御指示に基づく設計地形データを送信します。承認よろしくお願いします。」というメッセージが表示される。
【0257】
なお、
図38に示すメッセージの内容は一例である。時刻データが、施工会社12又はサポートセンター14において設計地形データが作成された時刻を示すデータである場合、設計地形データを作成した担当者名及び設計地形データの作成時刻が承認要求データと一緒に表示装置704に表示されてもよい。例えば
図14を参照して説明したような、設計地形データを示す画像データが承認要求データと一緒に表示装置704に表示されてもよい。
【0258】
表示装置704は、タッチパネルを含む。
図38に示すように、表示装置704に、「承認」ボタンが表示される。作業者Maは、コンピュータシステム2から建設機械4への設計地形データの送信を認可する場合、「承認」ボタンを操作(タップ)する。「承認」ボタンが操作されることにより、携帯端末7は、コンピュータシステム2から建設機械4への設計地形データの送信を認可することを示す認可データを生成し、コンピュータシステム2に送信する(ステップS230)。
【0259】
ここで、コンピュータシステム2から建設機械4への設計地形データの送信を認可しないことを示す、「不許可」ボタンが表示装置704に表示されてもよい。この場合、作業者Maが、コンピュータシステム2から建設機械4への設計地形データの送信を認可しないのであれば、表示装置704に表示された、「不許可」ボタンを操作(タップ)する。「不許可」ボタンが操作されることにより、携帯端末7は、コンピュータシステム2から建設機械4への設計地形データの送信を認可しないことを示す不認可データを生成し、コンピュータシステム2に送信する。
【0260】
コンピュータシステム2は、承認要求データの送信に基づいて携帯端末7で生成された認可データを取得する。コンピュータシステム2から建設機械4への設計地形データの送信を認可する認可データを携帯端末7から取得した後、データ出力部28は、建設機械4に設計地形データを送信する(ステップS240)。
【0261】
設計地形データを取得した建設機械4は、設計地形データに基づいて、作業部材440の刃先440pが設計地形に沿って移動するように、作業部材440を制御することができる。
【0262】
なお、建設機械4の記憶装置402に設計地形データが記憶されている場合、建設機械4のプロセッサ401は、記憶装置402に記憶されている設計地形データをコンピュータシステム2のデータ出力部28から送信された設計地形データに更新(書換え)する。建設機械4は、更新された設計地形データに基づいて作業部材440を制御する。
【0263】
なお、建設機械4の記憶装置402に設計地形データが記憶されていない場合、建設機械4のプロセッサ401は、コンピュータシステム2のデータ出力部28から送信された設計地形データを記憶装置402に記憶させる。建設機械4は、記憶装置402に新規に記憶された設計地形データに基づいて作業部材440を制御する。
【0264】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンピュータシステム2から建設機械4に対する設計地形データの送信に先立って、作業者Maによる承認作業が実施される。承認があった後、コンピュータシステム2から建設機械4に設計地形データが送信される。これにより、誤った設計地形データが建設機械4に送信されてしまうことが抑制される。誤った設計地形データが建設機械4に送信されてしまうと、正しい設計地形データに基づく施工が実施されなくなり、施工のやり直しがもたらされ、施工現場3の生産性が低下する可能性がある。承認作業が実施されることにより、誤った設計地形データが建設機械4に送信されてしまうことが抑制されるため、施工現場3の生産性の向上を図ることができる。
【0265】
また、本実施形態によれば、作業者Maによる承認作業が実施されるので、設計地形データに基づく施工が完了していないにもかかわらず、新たな設計地形データが建設機械4に送信され更新されてしまうことも抑制される。これにより、施工現場3の進捗管理を的確に実行することができる。
【0266】
また、本実施形態によれば、承認要求データは、設計地形データが送信可能状態になった時刻データを含む。設計地形データが送信可能状態になった時刻データとは、施工会社12又はサポートセンター14において設計地形データが作成された時刻データ、及び施工会社12又はサポートセンター14において作成された設計地形データを設計地形データ取得部24が取得した時刻データの少なくとも一方を含む。承認要求データが時刻データを含むことにより、携帯端末7の表示装置704を見た作業者Maは、時刻データに基づいて、承認対象となる設計地形データを識別することができる。これにより、誤った設計地形データや更新されるべきではない設計地形データが承認されることが防止される。
【0267】
また、承認要求データが、メッセージを含んだり、設計地形データを特定するための時刻データや作成者データ、あるいは設計地形データの画像データを含んだりすることにより、誤った設計地形データや更新されるべきではない設計地形データが建設機械4に送信されてしまうことをより確実に防止することができる。
【0268】
なお、承認要求データは、情報端末8、情報端末13、及び情報端末15の少なくとも一つに出力されてもよい。承認は、施工現場3の作業者Maのみならず、施工会社12の作業者Mbが実施してもよいし、サポートセンター14の作業者Mcが実施してもよい。
【0269】
なお、本実施形態においては、コンピュータシステム2から携帯端末7に承認要求データが送信され、その承認要求データを受信した携帯端末7からコンピュータシステム2に認可データ(又は不認可データ)が送信されることとした。すなわち、本実施形態においては、承認要求データを受信する携帯端末7と認可データを送信する携帯端末7とが同一の機器であることとした。承認要求データを受信する携帯端末7と、認可データ(又は不認可データ)を送信する携帯端末7とは、別々の機器でもよい。例えば、受信専用の携帯端末と送信専用の携帯端末とが設けられ、コンピュータシステム2から受信専用の携帯端末に承認要求データが送信される。作業者は、コンピュータシステム2から送信され受信専用の携帯端末で受信した承認要求データに基づいて、送信専用の携帯端末を操作して、送信専用の携帯端末に認可データを生成させる。送信専用の携帯端末で生成された認可データは、コンピュータシステム2に送信される。コンピュータシステム2は、送信専用の携帯端末から認可データを取得した後、作業機械4に設計地形データを送信する。
【0270】
なお、ここでは、受信専用の機器として携帯端末を例示し、送信専用の機器として携帯端末を例示した。受信専用の機器及び送信専用の機器は、スマートフォン又はタブレット型パーソナルコンピュータのような携帯型コンピュータでなくてもよく、受信専用の機器及び送信専用の機器の少なくとも一方が、例えばパーソナルコンピュータのような据置型機器でもよい。
【0271】
なお、承認要求データが建設機械4に送信され、建設機械4の運転室に設けられている出力装置404A,404Bに、承認要求データが出力されてもよい。建設機械4を運転する作業者(運転者)が、出力装置404A,404Bを操作して、認可データを建設機械4の入出力インターフェース回路405を介してコンピュータシステム2に送信してもよい。
【0272】
[施工管理システムの第4の実施形態]
施工管理システム1の第4の実施形態について説明する。
図39は、本実施形態に係る施工管理システム1の一例を示す模式図である。設計地形データは、施工会社12又はサポートセンター14において作成される。
【0273】
本実施形態においては、設計地形データとして、施工完了時点における設計地形を示す最終設計地形データ、及び施工完了前の施工途中時点における設計地形を示す中間設計地形データが作成される。施工途中時点は、施工開始時点から施工完了時点までの間の所定の時点である。
【0274】
本実施形態において、中間設計地形データは、複数の施工途中時点それぞれの時点における設計地形を含む。コンピュータシステム2の設計地形データ取得部24は、複数の施工途中時点それぞれの中間設計地形データを取得する。
【0275】
また、盛土及び切土の少なくとも一方を含む規定の施工が実施されることによって複数の施工層が順次生成される場合、中間設計地形データは、地表に現れる複数の施工層それぞれの設計地形を含む。例えば、盛土が実施されることによって複数の施工層が順次積層される場合、中間設計地形データは、積層後の施工層の表面の設計地形を含む。また、切土が実施されることによって複数の施工層が順次除去される場合、中間設計地形データは、施工層を除去後の地表の設計地形を含む。
【0276】
図39に示す例では、施工開始時点から第1時間経過後の第1施工途中時点における設計地形を示す第1中間設計地形データ、施工開始時点から第1時間よりも長い第2時間経過後の第2施工途中時点における設計地形を示す第2中間設計地形データ、施工開始時点から第2時間よりも長い第3時間経過後の第3施工途中時点における設計地形を示す第3中間設計地形データ、施工開始時点から第(N−1)時間経過後の第(N−1)施工途中時点における設計地形を示す第(N−1)中間設計地形データ、及び施工開始時点から第N時間経過後の第N施工途中時点における設計地形を示す第N中間設計地形データが生成される。本実施形態において、第N中間設計地形データは、最終設計地形データである。
【0277】
コンピュータシステム2の設計地形データ取得部24は、最終設計地形データ及び中間設計地形データを取得する。
【0278】
図40は、本実施形態に係る中間設計地形データ及び最終設計地形データを説明するための模式図である。
図40は、中間設計地形データ及び最終設計地形データの側断面図を示す。
図40に示すように、施工現場3においては、最終設計地形を得るために、盛土を順次実施して、複数の施工層を順次積層する施工が実施される場合がある。
図40に示す例では、第1層の上に第2層が形成され、第2層の上に第3層が形成され、第(N−1)層の上に第N層が形成される。第1層の盛土完了時点の後に第2層を形成するための盛土が実施され、第2層の盛土完了時点の後に第3層を形成するための盛土が実施され、第(N−1)層の盛土完了時点の後に第N層を形成するための盛土が実施される。
【0279】
なお、複数の施工層として、土層、砂利層、砂層、及びコンクリート層等が例示される。なお、施工層の積層数及び施工層の種類は任意である。
【0280】
図40に示す例において、第1中間設計地形データは、第1層の表面の設計地形を示す。第2中間設計地形データは、第2層の表面の設計地形を示す。第3中間設計地形データは、第3層の表面の設計地形を示す。第(N−1)中間設計地形データは、第3層の表面の設計地形を示す。第N中間設計地形データ(最終設計地形データ)は、第N層の表面の設計地形を示す。
【0281】
図41は、本実施形態に係る中間設計地形データ及び最終設計地形データを説明するための模式図である。
図41は、中間設計地形データ及び最終設計地形データの側断面図を示す。
図41に示すように、施工現場3においては、最終設計地形を得るために、切土を順次実施して、複数の施工層を順次除去する施工が実施される場合がある。
図41に示す例では、施工現場3の地表の一部が除去されることにより第1層の表面が現れ、第1層が除去されることにより第1層の下の第2層の表面が現れ、第2層が除去されることにより第2層の下の第3層の表面が現れ、第(N−1)層が除去されることにより第(N−1)層の下の第N層の表面が現れる。第1層の切土完了時点の後に第2層を除去するための切土が実施され、第2層の切土完了時点の後に第3層を除去するための切土が実施され、第(N−1)層の切土完了時点の後に第N層を除去するための切土が実施される。
【0282】
図41に示す例において、第1中間設計地形データは、第1層の表面の設計地形を示す。第2中間設計地形データは、第2層の表面の設計地形を示す。第3中間設計地形データは、第3層の表面の設計地形を示す。第(N−1)中間設計地形データは、第3層の表面の設計地形を示す。第N中間設計地形データ(最終設計地形データ)は、第N層の表面の設計地形を示す。
【0283】
このように、中間設計地形データは、施工の途中段階における設計地形を示す。中間設計地形データが蓄積されることにより、例えば、第1層が施工された後、計測された第1層の中間現況地形データと、第1層の中間設計地形データとを比較することによって、第1層が設計面どおりに施工できているか否かを施工の途中段階においてチェックすることができる。
【0284】
本実施形態において、施工計画データ出力部28は、携帯端末7の表示装置704に、中間設計地形データを表示させる。また、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、複数の中間設計地形データのうち少なくとも2つの中間設計地形データを同時に表示させることができる。
【0285】
本実施形態において、作業者Maは、入力装置703を操作して、複数の中間設計地形データのうち、表示装置704に表示させる中間設計地形データを指定することができる。
【0286】
また、本実施形態においては、現況地形データとして、施工完了時点における現況地形を示す最終現況地形データ、及び施工途中時点における現況地形を示す中間現況地形データが取得される。施工途中時点は、施工開始時点から施工完了時点までの間の所定の時点である。
【0287】
最終現況地形データ及び中間現況地形データは、施工完了時点及び施工途中時点においてドローン10、ステレオカメラ、及び3次元レーザスキャナ装置等を使って取得される。コンピュータシステム2の現況地形データ取得部22は、最終現況地形データ及び中間現況地形データを取得する。
【0288】
本実施形態において、中間現況地形データは、複数の施工途中時点それぞれの現況地形を含む。コンピュータシステム2の現況地形データ取得部22は、複数の施工途中時点それぞれの中間現況地形データを取得する。
【0289】
本実施形態において、施工計画データ出力部28は、携帯端末7の表示装置704に中間設計地形データ、中間現況地形データ、最終設計地形データ、及び最終現況地形データのうち、任意の少なくとも2つの地形データを同時に表示させることができる。
【0290】
図42は、本実施形態に係る表示装置704の表示例を示す図である。なお、以下で説明する表示装置704に表示される表示データは、上述の実施形態と同様、携帯端末7の表示装置704のみならず、情報端末8の表示装置804、情報端末13の表示装置134、及び情報端末15の表示装置154の少なくとも一つに表示されてもよいし、建設機械4(油圧ショベル4A、ブルドーザ4B)に設けられている表示装置に表示されてもよい。
【0291】
図42は、作業者Maによって入力装置703が操作され、第1中間設計地形データ及び最終設計地形データが指定され、表示装置704にそれぞれの地形データの側断面が表示されている例を示す。また、
図42には、第1中間設計地形データに一致させるように施工された時点における現況地形データ(第1中間現況地形データ)も表示されている。このように表示することで、作業者は、第1中間設計地形データに一致させるように施工した時点における現況地形データ(第1中間現況地形データ)と第1中間設計地形データとを比較し、比較した結果により施工の途中段階における進捗度合いを確認することができる。また、最終設計地形データも同時に表示させることで、現時点から完成時までにどの程度作業を要するのかも併せて確認することができる。
【0292】
なお、結果データベース34に、複数の時点のそれぞれにおける現況地形データ、例えば、第1中間現況地形エータ、第3中間現況地形データ、及び最終現況地形データが記憶され、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、それら複数の現況地形データを同時に表示させてもよい。
【0293】
図43は、本実施形態に係る表示装置704の表示例を示す図である。
図43は、作業者Maによって入力装置703が操作され、第5層を示す第5中間設計地形データが指定され、第5中間設計地形データと、第5中間設計地形データに一致するように施工が実施された時点における中間現況地形データとが、表示装置704に同時に3次元表示されている例を示す。施工計画データ出力部28は、表示装置704に、中間設計地形データ(第5中間設計地形データ)及びその中間設計地形データに一致するように施工が実施された時点おける中間現況地形データ(第5中間現況地形データ)の3次元表示データを表示させる。
図43に示すように、表示装置704は、中間設計地形データ及び中間現況地形データのそれぞれを3次元表示することができる。
図43に示す例では、第1の表示形態(色、模様等)で表示されている領域Daが、中間現況地形データのうち中間設計地形データと一致している、又は所定の誤差範囲内に収まっている領域を示す。第1の表示形態とは異なる第2の表示形態(色、模様等)で表示されている領域Dbが、中間現況地形データのうち中間設計地形データと一致していない領域を示す。すなわち、領域Daは、中間設計地形データどおりに施工が実施された領域を示し、領域Dbは、中間設計地形データどおりに施工が実施されてなく、更なる盛土又は切土を必要とする領域を示す。
【0294】
また、
図43に示す例において、作業者Maは、入力装置703を操作して、表示装置704の表示画面において、中間設計地形データ(第5中間設計地形データ)500の断面501を指定し、断面501における側断面図を表示させることができる。
【0295】
施工計画データ出力部28は、指定された断面501において、指定された中間設計地形データ500の断面を示す断面表示データを表示装置704に表示させる。また、施工計画データ出力部28は、指定された断面501において、指定された中間設計地形データに対応する中間現況地形データ503の断面を示す断面表示データを表示装置704に表示させる。また、施工計画データ出力部28は、指定された断面501において、指定された最終設計地形データの断面502を示す断面表示データを表示装置704に表示させる。
【0296】
このように、本実施形態においては、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、中間設計地形データ500及び中間現況地形データ503の3次元表示データと、中間設計地形データ500、中間現況地形データ503、及び最終設計地形データの断面表示データとを同時に出力させる。
【0297】
また、施工実績データ取得部21は、ある施工途中時点に対応する施工層についての中間設計地形データと中間現況地形データとに基づいて、施工途中時点におけるその施工層についての中間設計地形データに対する施工実績を示す施工実績データを取得する。例えば、施工実績データ取得部21は、第5層についての第5中間設計地形データと第5中間現況地形データとに基づいて、第5中間設計地形データに対する施工の進捗率を示す進捗率データを算出する。施工計画データ出力部28は、表示装置704に、第5中間設計地形データに対する施工実績データを表示させる。
【0298】
図44は、本実施形態に係る表示装置704の表示例を示す図である。
図44は、作業者Maによって入力装置703が操作され、第5層についての施工実績データが表示装置704に表示されている例を示す。上述の実施形態と同様、施工実績データは、施工の進捗率データを含む。
図44は、施工実績データとして、施工の進捗率データが表示装置704に表示されている例を示す。
図44に示すように、施工現場3のマップデータが表示され、マップデータの複数の領域が進捗率に基づいて異なるデザインで表示される。
図44に示す例では、進捗率100[%]の領域が第1の色(例えば青色)が表示され、進捗率50[%]の領域が第2の色(例えば黄色)が表示され、進捗率0[%]の領域が第2の色(例えば赤色)が表示される。進捗率とマップデータにおける表示デザインは、より多くの段階にて表現されるようにしてもよい。
【0299】
以上説明したように、本実施形態においては、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、複数の中間設計地形データを同時に表示させることができる。これにより、作業者Maは、表示装置704の表示画面を見て、施工の複数の途中段階のそれぞれにおける設計地形を確認することができる。
【0300】
また、本実施形態においては、施工計画データ出力部28は、携帯端末7の表示装置704に、中間設計地形データ及び中間現況地形データを同時に表示させることができる。これにより、作業者Maは、表示装置704の表示画面を見て、施工の途中段階における設計地形と現況地形との差異を確認することができる。施工の途中段階における設計地形と現況地形との差異が視覚化されるので、作業者又は管理者は施工計画又は施工状況を感覚的に迅速に把握することができる。そのため、施工現場の生産性の向上を図ることができる。
【0301】
また、本実施形態においては、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、中間設計地形データ、中間現況地形データ、及び最終設計地形データを同時に表示させることができる。これにより、作業者Maは、表示装置704の表示画面を見て、中間設計地形と中間現況地形との差異、及び最終設計地形と中間現況地形との差異を確認することができる。
【0302】
また、本実施形態においては、施工計画データ出力部28は、表示装置704に、中間設計地形データに対する施工実績データを表示させる。これにより、作業者Maは、表示装置704の表示画面を見て、ある施工層(例えば第5層)の施工についての進捗状況を確認することができる。
【0303】
なお、上述の実施形態においては、設計地形データは、コンピュータシステム2が取得することとした。施工会社12又はサポートセンター14において作成された設計地形データが、コンピュータシステム2を介さずに、建設機械4の入出力インターフェース回路405を介して、建設機械4にダイレクトに送信されてもよい。また、設計地形データは、施工会社12又はサポートセンター14で作成されずに、建設機械4のプロセッサ401で作成されてもよい。その設計地形データの使用の承認を要求する承認要求データが建設機械4の運転室に設けられている出力装置404A,404Bに出力されてもよい。建設機械4を運転する作業者(運転者)が、出力装置404A,404Bを操作して、その設計地形データの使用を認可する認可データを建設機械4のプロセッサ401に出力してもよい。
【0304】
なお、上述の各実施形態においては、設計地形データが施工会社12の情報端末13又はサポートセンター14の情報端末15で生成され、コンピュータシステム2の設計地形データ取得部24が施工会社12又はサポートセンター14から設計地形データを取得することとした。設計地形データは、施工管理システム1のコンピュータシステム2で生成されてもよい。その場合、コンピュータシステム2の設計地形データ取得部24に代えて、又は設計地形データ取得部24とともに、コンピュータシステム2が設計地形データを生成する設計地形データ生成部を有してもよい。
【0305】
なお、上述の各実施形態において、建設機械4に搭載されたステレオカメラによって、3次元現況地形データが検出されてもよい。建設機械4に搭載されたステレオカメラによれば、建設機械4自身が施工した結果である現況地形データを確実に取得でき、また、前述のようにドローン10を飛ばすことが困難な状況やドローン10により現況地形データが取得できなかった領域に対しても、確実に現況地形データを取得することができる。このように、現況地形データの取得は、ドローン10とステレオカメラとを併用して行われてもよい。なお、ステレオカメラは、施工現場に設置され移動可能なものでもよい。
【0306】
あるいは、3次元現況地形データの取得に、現況地形の表面に検出光であるレーザ光を照射して現況地形データを光学的に取得する3次元レーザスキャナ装置が使用されてもよい。また、3次元現況地形データの取得に、三角測量機器が使用されてもよい。
【0307】
なお、上述の実施形態においては、出力装置(出力装置704など)が表示装置である例について主に説明した。出力装置が印刷装置でもよい。出力装置による出力は、印刷装置による印刷(プリントアウト)を含む。すなわち、上述の実施形態で説明した、表示装置704に表示される各表示データ(画像データ及び文字データ)が、印刷物として出力されてもよい。
【0308】
なお、上述の実施形態においては、建設機械4がICT建設機械である例について説明した。現況地形データを都度、ドローン、ステレオカメラ、及び3次元レーザスキャナ装置のような第1検出装置によって取得するのであれば、ICT建設機械ではなく、情報化施工を可能とする機器を搭載していないような通常の建設機械を用いた施工管理システムにより、管理者又は作業者に施工計画(施工計画データ)を提示することができる。