特許第6839105号(P6839105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6839105視聴覚刺激治療を自己管理する改良された装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6839105
(24)【登録日】2021年2月16日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】視聴覚刺激治療を自己管理する改良された装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 5/00 20060101AFI20210222BHJP
【FI】
   A61H5/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-568434(P2017-568434)
(86)(22)【出願日】2016年6月29日
(65)【公表番号】特表2018-519121(P2018-519121A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】IB2016053890
(87)【国際公開番号】WO2017002037
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年5月29日
(31)【優先権主張番号】UB2015A001766
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518001139
【氏名又は名称】リナリ エンジニアリング エス. アール. エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】リナリ、 ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ティネッリ、 フランチェスカ
【審査官】 小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/028722(WO,A1)
【文献】 特開昭62−286432(JP,A)
【文献】 特開昭55−151938(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3185933(JP,U)
【文献】 特表2006−507543(JP,A)
【文献】 特開2012−040430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 5/00
A61B 3/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面(11、11’)の展開の角度部分と実質的に等しい角度範囲で空間的に分散配置された視覚刺激を付与する、少なくとも1つの水平展開カーブ画面(11、11’)と、
前記視覚刺激の空間的分散配置の角度範囲と少なくとも部分的に対応する角度範囲で空間的に分散配置された聴覚刺激を付与する少なくとも1つの音響源(12、12’)であって、前記少なくとも1つのカーブ画面(11、11’)及び前記少なくとも1つの音響源(12、12’)は視覚及び/または聴覚刺激の少なくともアクティベーション手段に実装されている電子中央処理ユニット(20)に接続されている、音響源(12、12’)と、
前記視覚及び/または聴覚刺激のアクティベーション及び信号インターフェイス(21)の作動に関連するデータを収集する手段に接続されている少なくとも1つの付与される刺激の検出を示すために、患者によって作動され得る少なくとも1つの信号インターフェイス(21)と、
を含み、
前記カーブ画面(11、11’)が、前記画面(11、11’)のカーブ水平展開に対して中央に見える状態を採るように、前記患者の凝視をガイドするのに適した可視信号を提供するのに適し、
前記水平展開カーブ画面(11)は、第1半円形状操作構成を採るように、縦軸(A)に対して相対的に回転可能に、相互に制限される複数のパネル(14)及び低減された量をもつ巻き上げ構成を含み、
前記カーブ画面(11)を画定する複数のパネル(14)の少なくとも1つのパネル(14a)は、少なくとも1つの視点表示(15)を含み、
前記視点表示(15)を含むパネルは、前記画面の水平展開に対して、好ましくは中央に存在するパネル(14a)であり、
前記中央のパネル(14a)は、前記画面(11、11’)のカーブに対して内部に放射状に向かう鏡(22)を含む、
視聴覚刺激治療を自己管理する装置(10、10’)。
【請求項2】
検出される患者の凝視の方向及び/または頭部の位置が所定の位置及び方向に対応しない場合、治療の付与を妨げる電子手段に接続されている、前記患者の凝視の方向及び/または頭部の位置を検出するグループ(16、17)を含む、
請求項1に記載の視聴覚刺激治療を自己管理する装置(10、10’)。
【請求項3】
前記患者の凝視の方向及び/または頭部の位置を検出する前記グループ(16、17)は、前記画面(11、11’)のカーブに対して内側に放射状に向いた面(16)または画像の少なくとも1つの取得手段を含み、
目及び/または顔追跡アルゴリズムを実装するのに適した取得された画像の電子処理手段と関連付けられている、
請求項2に記載の視聴覚刺激治療を自己管理する装置(10、10’)。
【請求項4】
前記画像の取得手段(16)は赤外線ビデオカメラであり、
前記患者の凝視の方向及び/または頭部の位置を検出するグループ(16、17)は、前記画面(11、11’)のカーブに対して内側に放射状に向いた少なくとも1つの赤外線照射手段(17)を追加的に含む、
請求項3に記載の視聴覚刺激治療を自己管理する装置(10、10’)。
【請求項5】
前記視点表示(15)は、前記患者の顔及び/または凝視の適切な再配置をガイドするのに適した表示を含む、
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の視聴覚刺激治療を自己管理する装置(10)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの赤外線照射部(17)は、前記中央のパネル(14a)に隣接する少なくとも1つのパネル(14b)によって好ましくは支持される、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の視聴覚刺激治療を自己管理する装置(10)。
【請求項7】
巻き上げ構成において前記画面(11)を含むのに適した閉じた円筒状コンテナを画定する前記装置(10)の前記電子中央処理ユニット(20)と協働するのに適した底部で開いた円筒状カバー(40)を含む、
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の視聴覚刺激治療を自己管理する装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己管理視聴覚刺激セラピーのための改良された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半盲及び四半盲などの、主な視覚異常治療に関する分野では、2様相、詳細には、視聴覚の刺激の利益が知られている。
【0003】
詳細には、これらの治療は、特定の疾患の治療に適当であると看做され、患者の進行の関数として経時的に適用される特定の治療に基づく、所定の時間頻度及びシーケンスによって管理される視覚刺激及び聴覚刺激のシリーズを含む。
【0004】
視覚異常がない患者に対するこれらの治療の管理の利益が最近知られている。詳細には、疾患がない場合の視聴覚刺激は、認識機能の増強につながり、詳細には、周辺視覚が改善される。視聴覚刺激治療の管理において、水平半円展開によって患者の位置周辺に対称的に配置される、フラットパネルである複数の視聴覚刺激モジュールを含む装置が知られている。
【0005】
以下の説明において、「水平展開」は患者の前に配置された画面を使用する構成を表す。
【0006】
視聴覚刺激モジュールの各々は、一般的に、スピーカ及び光源を含む。モジュールは、光源及びスピーカの単一のモジュールに、アクティベーション信号を伝送する中央プロセッサに接続されている。
【0007】
詳細には、モジュールは、位置決めステーションの前に配置された、いわゆる視点を患者が見ている状態から開始する、患者の各々に定められた治療プランによってアクティブ化される。患者は、視点から異なる点に与えられる刺激を検出し、患者が刺激を検出するとすぐに、フィードバックインターフェイスによって装置に刺激を示す。視点は、上または下の視覚の4分の1を試験するために、光源の位置に対して上または下に位置付けされていてもよい。対応する装置は、詳細には、四半盲の治療に適している。
【0008】
現在、インターネット接続を介して遠隔から管理される装置は既に知られている。当該装置によれば、治療プラン、即ち、治療を画定する視聴覚刺激のシーケンス、を受け取るために、患者がセラピストとやり取りし、セラピストが対面で治療しない場合であっても、治療プランの適切さ及びあり得るアップデートをセラピストが評価することが可能となるように、結果(単一の付与される刺激の検出回数)を送信することが可能となる。
【0009】
しかしながら、現在知られている装置によれば、管理が適切に行われているか否か、セラピストがチェックすることは可能ではない。したがって、実際、刺激の各々の後、患者が、患者の顔及び視線が治療付与フィールドの中心に向けられ、装置の視点を見る、いわゆる開始点に戻ることが保証されなければならない。
【0010】
本開示において、「治療付与フィールド」は刺激信号が付与される角度範囲を意味し、一般的に、中央点(いわゆる視点)上に配置され、当該点の側部、約90°で水平に延在する。治療管理フィールドは、一般的に約180°である全体角度展開を採る。
【0011】
セラピストが治療付与に臨席しない場合、刺激とその他との間の適正な位置付けは、患者のスキルによる。しかしながら、患者は、不適正な位置付けを識別するために自身を評価することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
適切な初期位置が採られていない場合、患者による視聴覚刺激検出速度に関連する記録データは変動する。これらのデータに基づいて、セラピストは、付与された刺激に対する患者の応答を適切に解釈することはできない。これは、医者による治療プランの不適切な更新につながり得る。
【0013】
上記によって、本発明の課題は、患者による視聴覚刺激検出速度に関連する記録データの正確さを保証することができる視聴覚刺激治療を自己管理する装置を創出することである。
【0014】
したがって、刺激が付与される度毎に、適切な再配置位置を検出するように患者を導くのに適した視聴覚刺激治療を自己管理する装置を実装する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様によれば、本発明は、画面の展開の角度部分に実質的に等しい角度範囲で空間的に分散配置される視覚刺激を付与する少なくとも1つの水平展開カーブ画面、視覚刺激の空間的分散配置の角度範囲と少なくとも部分的に対応する角度範囲で空間的に分散配置される聴覚刺激を付与する少なくとも1つの音響源を含み、少なくとも1つのカーブ画面及び少なくとも1つの音響源は、視覚及び/または聴覚刺激のアクティベーション手段を少なくとも実装する電子中央処理ユニット(20)に接続され、少なくとも1つの信号インターフェイスは患者によって作動され、視覚及び/または聴覚刺激のアクティベーションに関連するデータを収集する手段に接続されている少なくとも1つの付与された刺激の検出及び信号インターフェイスの動作の検出を表示し、カーブ画面は、画面のカーブ水平展開に対して中央に見える状態になるように、患者の凝視をガイドするのに適した可視信号を提供するのに適している。
【0016】
患者の凝視が視点に戻るように、可視表示の画面の生成は、結果の質を保証するために重要である。実際、シンプルな光信号は、新しい刺激を付与する前に、適切な開始位置に、患者の凝視を自然に戻すのに十分である。
【0017】
このように、エクササイズは患者によって適切に実行され、実際の値と報告されるリアクション回数が適合することを十分保証する。その結果、セラピストが不在であっても、重要なデータの集合が、患者の治療に関連する進展/後退の評価をセラピストに行わせることができ、それによって、治療プランを調整させることができることを確実とする。
【0018】
本発明は、以下の好ましい特徴の少なくとも1つを含むことができる。後者は、詳細には、特定の応用要件に適合することが所望されるように、相互に結合され得る。
【0019】
好ましくは、視聴覚刺激治療を自己管理する装置は、検出された患者の凝視の方向及び/または頭部の位置が所定の位置及び方向に対応しない場合、治療の付与を妨げる電子手段に接続される患者の凝視の方向及び/または頭部の位置を検出するグループをさらに含む。
【0020】
有利には、検出グループの存在は、患者の可能な姿勢の状態及び/または患者の凝視の不適切な位置付けを識別し、適切な姿勢及び/または位置付けを達成するために刺激を付与することを対象に可能とさせることができる。
【0021】
より好ましくは、患者の凝視の方向及び/または頭部の位置を検出するグループは、目及び/または顔追跡アルゴリズムを実装するのに適した取得された画像の電子処理手段に関連し、画面のカーブに対して内部に放射状に向いた面または画像の少なくとも1つの取得手段を含む。
【0022】
さらに好ましくは、患者の凝視の方向及び/または頭部の位置を検出するグループは2つの空間的に離間された画像取得手段を含む。
【0023】
これにより、3次元測定を可能とし、患者の凝視の方向及び顔の姿勢をより正確に計測可能とする。
【0024】
好ましくは、画像取得手段は、赤外線カメラであり、患者の凝視の方向及び/または頭部の位置を検出するグループは画面のカーブに対して内部に放射状に向いた少なくとも1つの赤外線照射手段、好ましくは赤外線LEDを含む。
【0025】
好適には、視聴覚刺激治療の理想であると考えられる、暗闇、半暗闇でさえも、赤外線照射手段を提供することで、検出が可能となる。
【0026】
代替的に、患者の凝視の方向及び/または頭部の位置を検出するグループは、患者の顔、好ましくは、患者の目に関連する複数の点の位置を検出するように適応され、位置センサによって検出される信号に基づいて、目及び/または顔追跡アルゴリズムを実装するように適応された電子信号処理手段に接続された少なくとも1つのセンサを含む。
【0027】
好ましくは、位置センサはレーザプロフィロメータである。
【0028】
好ましくは、患者によって作動可能な信号インターフェイスはデータ収集手段にワイヤレスで接続されたボタンである。
【0029】
好ましくは、視聴覚刺激アクティベーション手段は、コンピュータネットワーク、好ましくは、インターネットを介して、刺激アクティベーションシーケンスを受け取るように適応された電子中央処理ユニットに実装されている。
【0030】
より好ましくは、電子中央処理ユニットは、インターネットなどの、好ましくは、ワイヤレスインターフェイスを有する3Gルータタイプの、コンピュータネットワークを有するインターフェイスデバイスに接続されている。
【0031】
さらにより好ましくは、電子中央処理ユニットは、患者とセラピストとの間の情報の交換を可能とするように、PC、タブレットまたはスマートフォンなどの電子通信デバイスとインターフェイスをとるように適応されている。
【0032】
好ましくは、水平展開カーブ画面は、縦軸に対して相対的に回転可能に、相互に接した、好ましくは水平の、複数のパネルを含む。
【0033】
これにより、巻き上げるために、水平展開に沿ったカーブから画面の構成を変更することを可能とする。巻き上げ構成において、画面は容易に保存され、保護され、使用構成の画面と比較して極めて小さいスペースしか占有しない。
【0034】
より好ましくは、カーブ画面を画定する複数のカーブパネルの少なくとも1つは、少なくとも1つの可視視点表示、好ましくは、視点LEDを含む。
【0035】
さらにより好ましくは、可視視点表示は、患者の顔及び/または凝視の適切な再配置をガイドするように適応された表示信号を含む。
【0036】
好ましくは、視点表示を含むパネルは、画面の水平展開の中央パネルである。
【0037】
有利には、可視視点表示は、特定の方向に向かう患者の凝視を惹きつける、及び/または、ガイドするようにアクティベートされ、これにより、刺激の付与の前に、患者の姿勢を適切に再配置するよう促進し、刺激する。
【0038】
さらにより好ましくは、中央パネルは画像取得手段を含む。
【0039】
好ましくは、中央パネルは、画面のカーブに対して内部に放射状に向く鏡を含む。
【0040】
好ましくは、中央パネルは、鏡を接続するための接続要素、好ましくは、磁気の、を含む。
【0041】
有利には、この鏡は、治療が自己管理される環境の最適な明るさレベルを検出し、調整することができる。
【0042】
詳細には、患者が鏡における患者の眼を認識することができるまで、明るさが低減される。これにより、画像取得手段が、患者の凝視の方向及び頭部の位置を検出することができ、同時に、部屋の余剰光は、デバイスから及びデバイスまで、患者の安全な移動を確実にするのに適している。
【0043】
さらにより詳細には、少なくとも1つの赤外線照射手段は、中央パネルに隣接する少なくとも1つのパネルによって支持されている。
【0044】
好ましくは、少なくとも1つのパネルは、少なくとも1つの光源及び/または少なくとも1つの音響源、一般的には、RGBLED及び/またはスピーカを含む。
【0045】
音響源及び光源は、治療を構成する刺激のシーケンスを付与するように、所定のシーケンスにしたがってアクティベートされる。スピーカは、有利には、予め記録された、または、合成された音声メッセージを伝達するために使用され、次の刺激を付与する前に、患者の凝視及び頭部の再配置をガイドする。
【0046】
好ましくは、カーブ画面を画定する複数のパネルの各々のパネルは、視聴覚刺激アクティベーション手段からアクティベーション信号を受け取り、タイミング信号に対して対応する刺激の付与の時間を決定するように適応されたローカルの電子中央ユニットを含む。
【0047】
より詳細には、中央パネルは、患者によって動作可能な信号インターフェイスと通信するワイヤレスインターフェイスを含み、データ収集手段に接続される。
【0048】
さらにより好ましくは、中央パネルのローカル電子処理ユニットは、ワイヤレスインターフェイスを介して付与される少なくとも1つの刺激の検出信号を受信し、タイミング信号に対する総検出時間を決定するように適応されている。
【0049】
好ましくは、電子中央処理ユニットは、パネルのローカル電子処理ユニットによって処理されるデータに基づいて、刺激の付与時間に対する検出時間を再構築するように適応されている。
【0050】
好ましくは、装置は、巻き上げ構成の画面を含むように適応された閉じた円筒状コンテナを画定するように、電子中央処理ユニットと協働するように適応された、底が開いた円筒状カバーを含む。
【0051】
代替的な実施例によれば、水平展開カーブ画面はヘッドマウントディスプレイのバイザーである。
【0052】
好ましくは、代替的な実施例による視聴覚刺激治療を自己管理する少なくとも1つの音響源は、空間的に分散配置された聴覚刺激生成源及び当該源に接続されたヘッドセットを含む。
【0053】
本開示において、用語「ヘッドセット」は、2つのスピーカを含むデバイスを意味する。2つのスピーカは、各々がユーザの耳に配置可能なように、堅牢なサポートで接続されていてもよいし、音緩衝パッドを含んでいてもよい。
【0054】
本発明の他の特徴及び効果は、図面を参照する、好ましいいくつかの実施例についての以下の詳細な説明によってより明確となる。
【0055】
単一構成における異なる特徴は、特定の組み合わせから特殊な方法で取得される効果を利用するように、上記にしたがって、所望されるように相互に組み合わせられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】動作構成における、本発明による視聴覚刺激治療を自己管理する装置の第1実施例の平面図である。
図2】特定のパック構成における、図1の視聴覚刺激治療を自己管理する装置の実施例の斜視図である。
図3A図1の実施例のカーブ画面を構成する複数のパネルの3種類のパネルタイプの前面図である。
図3B図1の実施例のカーブ画面を構成する複数のパネルの3種類のパネルタイプの前面図である。
図3C図1の実施例のカーブ画面を構成する複数のパネルの3種類のパネルタイプの前面図である。
図4】本発明による視聴覚刺激治療を自己管理する装置の第2実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下の説明において、同一の参照符号は、同一の機能を有する構成要素を示すために、図面において使用される。さらに、例示を明瞭にするために、同一の参照符号は、図面によっては省略される場合がある。
【0058】
図1図3において、参照符号10は、視聴覚刺激治療を自己管理する装置を表す。視聴覚刺激治療を自己管理する装置は、視覚刺激を表示するように適応された水平展開カーブ画面11を含む。視覚刺激は、特定の患者のために決定された治療プランによって画定される所定のシーケンスにしたがって付与され、シーケンスは視覚刺激及び聴覚刺激が付与される位置及び時間の双方を設定する。空間的な観点から、視覚刺激は画面の展開角度と実質的に等しい角度範囲内で付与され、画面に分散して配置される複数の位置に表示され得る。
【0059】
使用する際、画面は、半円水平展開によって、患者の位置付けステーション50の前に対称に配置される。
【0060】
一般的に、画面11は、位置付けステーション50に配置される椅子などに座る患者の視野の高さになるように、面60に配置される。
【0061】
画面11は、図1に示されるように、患者位置付けステーション50の前に、半円の中央が配置されるように、位置付けされる。
【0062】
自己管理視聴覚刺激治療装置10は、さらに、図1の実施例で、画面11に直接的に統合され、空間的に分散して配置される、聴覚刺激を付与する、複数の音響源12を含む。
【0063】
音響源12は、画面11全体にわたって空間的に分散して配置され、画面11の展開部の角度と実質的に等しい角度範囲を有し、当該角度範囲は、視覚刺激の空間的な分散配置の角度範囲と実質的に一致する。
【0064】
図2に示されるように、図1の実施例の画面11は、複数のパネル14を含む。図3Aは、パネル14の各々が、スピーカタイプの音響源12及びLEDタイプの光源18の対をどのように含むかを示す。光及び音響刺激は、画面11の展開部角度と実質的に対応する空間的分散配置で付与され得る。
【0065】
音響源12を含むカーブ画面11は、図1に示される特定の実施例において、電子中央処理ユニット20内に実装される、視覚及び/または聴覚刺激のアクティベーション手段に接続されている。
【0066】
電子中央処理ユニット20は、電子ネットワーク、好ましくはインターネットを介して、刺激の遠隔アクティベーションシーケンスを受信し、光源18及び音響源12による視覚及び聴覚刺激の位置及び時刻に関して、付与を制御する(図示しない)少なくとも1つのローカル電子処理ユニットに伝送する。
【0067】
図1の実施例において、中央ユニット20と画面11との間の接続は有線タイプであってよい。同様に、ワイヤレスタイプの代替的な接続による実施例も可能である。
【0068】
視聴覚刺激治療を自己管理する装置10は、さらに、図1の実施例において、ワイヤレスボタンの形態で、少なくとも1つの刺激の付与の検出を示すように、患者によって作動され得る信号インターフェイス21を含む。
【0069】
信号インターフェイス21は、視覚及び/または聴覚刺激のアクティベーションに関連するデータ及びボタン作動に関連するデータを保存する(図示しない)データ収集手段に接続されている。図1図3の実施例において、データ収集手段は、電子中央処理ユニット20に実装される。
【0070】
本発明によれば、カーブ画面11は、画面11のカーブ水平展開に対して中央を見る状態で、即ち、視点に対して正確に対向するように、患者の視点をガイドするのに適した可視信号を提供するのに適している。
【0071】
詳細には、図3Cに示される、複数のパネル14の中央パネル14aは、LEDタイプの2つの視点表示手段15を含む。第1可視視点表示手段は中央パネル14aの上部に配置され、第2可視視点表示手段は中央パネル14の下部に配置される。
【0072】
例えば、治療が、主に、視覚下部もしくは上部四分円の刺激であると想定する場合、最適な視点は、付与される特定の治療に応じて変動する可能性があるため、これは特に有利である。
【0073】
有利には、視聴覚刺激治療を自己管理する装置10は、さらに、検出される患者の頭部の位置及び/または凝視の方向が所定の位置及び方向に対応しない場合、治療の付与を妨げる電子手段に接続された患者の頭部の位置及び/または凝視の方向を検出するグループ16、17を含む。
【0074】
図1図3の実施例において、治療の付与を妨げる電子手段は、電子中央処理ユニット20に実装される。
【0075】
患者の頭部の位置及び/または凝視の方向を検出するグループは、患者の顔に対向する少なくとも1つの画像取得手段16を含む。当該画像取得手段は、目及び/または顔追跡アルゴリズムに適応された、取得された画像を電子的に処理する手段と関連付けられている。
【0076】
図1図3の実施例において、画像取得手段16は中央パネル14aに統合された赤外線カメラであり、患者の凝視の方向及び/または頭部の位置を検出するグループは、図3Bに示されるように、中央パネル14aに隣接するパネル14bに統合された2対のLEDタイプの赤外線照射手段17を含む。
【0077】
この特定の実施例において、装置は、患者の凝視の方向及び/または顔の位置の不合理さを認識することができ、治療の適切な付与のための許容可能な状態に戻すようにガイドする。
【0078】
これにより、図3Cに示されるように、視点表示手段15は、中央表示手段15a及び中央表示手段の周囲に配置された複数のサイド表示手段15bを含み、患者の顔及び/または目の位置を適切に位置付けるよう患者をガイドする矢印の形状を有する。
【0079】
カーブ画面11を画定する複数のパネルの各々のパネル14は、中央処理ユニット20から、及び、詳細には、中央ユニット20に実装された視覚及び/または聴覚刺激の作動手段から、刺激をアクティベーションする信号を受信するように適応された(図示しない)ローカル電子処理ユニットを含む。
【0080】
詳細には、刺激の付与毎に、全てのパネルはタイミング信号を受信し、タイムカウントを開始する。さらに、光源18及び/または音源12が聴覚及び/または視覚刺激の付与に関与するパネルは、タイミング信号に対して遅延された作動信号を受信する。詳細には、視覚及び/または聴覚刺激の各々は特定の時間だけ遅延され、治療に応じて決定される刺激のシーケンスを生成する。
【0081】
中央パネル14aのローカル電子処理ユニットは、ボタン21と無線で接続され、患者が付与された刺激を検出したときに患者によって付与される信号を受信する。ローカルユニットは、タイミング信号から開始する、刺激の各々の検出時間を判定する。
【0082】
中央パネル14aのローカルユニットによって収集されたデータは、中央電子処理ユニット20のデータ収集手段に伝送され、データ収集手段は、中央パネル14aのローカルユニットによって受信される全ての信号に基づいて、刺激検出時間及び(タイミング信号に基づいて、遅延アクティベーション信号の関数として決定される)刺激付与時間を含む、刺激の各々を検出するために、患者によって必要とされる時間を再構築する。
【0083】
視聴覚刺激治療を自己管理する装置10は、さらに、電子中央処理ユニット20に無線で接続されている患者インターフェイスデバイス30を含む。詳細には、タブレットの形態を有するインターフェイスデバイス30によって、患者は、患者の臨床状態及び治療に関する更新を受信し、セラピストと情報を交換してもよい。
【0084】
図2に示される視聴覚刺激治療を自己管理する装置10は、(図示しない)専用接続要素で、中央パネル14aに搭載可能な鏡22をさらに含む。この鏡により、治療が自己管理される環境の最適な明るさレベルを決定し、調整することが可能となる。
【0085】
図2の視聴覚刺激治療を自己管理する装置10は、インターネットなどのコンピュータネットワークに接続するためのコンピュータインターフェイスデバイス23を含む。詳細には、図2に示されるコンピュータインターフェイスデバイス23は、無線インターフェイスを有する3Gルータである。
【0086】
カーブ画面11を構成するパネル14は、縦軸Aに対して相対的に回転できるように、接している。半円操作構成に加え、画面11は大きさを低減した巻き上げられる構成を採ることができる。
【0087】
底部が開き、巻き上げ画面11、ボタン21、患者インターフェイスデバイス30、鏡22、コンピュータインターフェイスデバイス23及びデバイスの操作に必要とされる追加的なアクセサリを収納することができる閉じた円筒状コンテナを画定するために中央処理ユニット20と協働するように適応された円筒状カバー40が、画面11を収納するために提供される。デバイス及びアクセサリは、好ましくは、フレキシブルバッグ24の内部に配置され、ストラップによって、閉じると、搬送の間、巻き上げ画面11のロック及び緩衝システムとして機能する。
【0088】
図4は、本発明による視聴覚刺激治療を自己管理する装置10’の第2の実施例を示す。この装置において、水平展開カーブ画面11’は、ヘッドマウントディスプレイのように、詳細には、デバイスのバイザーのように、構成されている。
【0089】
ヘッドマウントディスプレイは、バイザー11’の角度展開と実質的に等しい角度空間分散配置に沿って、バイザー11’に、中央視点への凝視信号の表示及びガイダンス、及び、視覚刺激を投影することができる(図示しない)ローカル処理ユニットを含む。
【0090】
さらに、ヘッドマウントディスプレイはバイザー11’によって画定されるカーブの内側に対向し、目追跡アルゴリズムを実装するように適応され、取得された画像の電子処理手段と関連付けられている画像取得手段を含む。取得された画像の電子処理手段は、一般的に、ヘッドマウントディスプレイが接続される電子処理ユニット20’に実装される。
【0091】
目追跡アルゴリズム実装手段によって処理されたデータに基づいて、検出された患者の凝視が所定の向きに対応していない場合、中央処理ユニット20’は、治療付与を妨げる信号を決定する。さらに、中央処理ユニット20’は、バイザー11’がバイザー11’の中央に配置される視点に向かう凝視のガイダンス信号及び指標を表示するように、ローカル処理ユニットにデータを提供する。
【0092】
図4の視聴覚刺激治療を自己管理する装置10’は、さらに、(図示しない)空間的に分散配置され、一般的に電子中央処理ユニット20’に実装されている、聴覚刺激生成手段の源に接続されたヘッドセット12’を含む。
【0093】
本願の目的、関連する有利さ、及び視聴覚刺激治療を自己管理する装置の特徴は、上記説明から明らかである。
【0094】
上記実施例の追加的な変形は、本発明の教示から乖離することなく可能である。
【0095】
最後に、いくつかの変更及び変形が、視聴覚刺激治療を自己管理する装置に行われることができ、これらの全ては本発明の範囲内である。さらに、全ての詳細な説明は、技術的に同等な要素で置き換えることができる。実用的には、使用されるマテリアル及びサイズなどは、技術的な要求に応じ得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4