特許第6839270号(P6839270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6839270DRX設定又は再設定後のPDCCHモニタリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6839270
(24)【登録日】2021年2月16日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】DRX設定又は再設定後のPDCCHモニタリング
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20210222BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20210222BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20210222BHJP
【FI】
   H04W52/02 111
   H04W72/12 150
   H04W72/04 136
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-517402(P2019-517402)
(86)(22)【出願日】2017年9月28日
(65)【公表番号】特表2019-534627(P2019-534627A)
(43)【公表日】2019年11月28日
(86)【国際出願番号】KR2017010791
(87)【国際公開番号】WO2018062886
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2019年3月29日
(31)【優先権主張番号】62/401,928
(32)【優先日】2016年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】リ,サンヤン
(72)【発明者】
【氏名】イ,スンジュン
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/168891(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/169000(WO,A1)
【文献】 特表2009−533940(JP,A)
【文献】 特表2010−508704(JP,A)
【文献】 ASUSTeK,Issues on DRX Activation[online],3GPP TSG-RAN WG2#62bis R2-083206,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_62bis/Docs/R2-083206.zip>,2008年 6月30日
【文献】 3GPP TSGRAN,Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) Medium Access Control (MAC) protocol specification,3GPP TS 36.321 V13.3.0,2016年 9月,P.37-38
【文献】 ETSI MCC,Report of 3GPP TSG RAN WG2 meeting #63bis, Prague, Czech Republic, September 29 - October 03, 2008[online],3GPP TSG-RAN WG2#64 R2-087432,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_64/Docs/R2-087432.zip>,2008年11月10日,P.78/171
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DRX(Discontinuous Reception)の設定に基づく端末(UE)の動作方法であって、
DRXの設定(configuration)又は再設定を含むメッセージを受信する段階;及び
前記DRXの設定又は再設定によって活性期間(active time)の間にPDCCH(Physical Downlink Control Channel)をモニタする段階を含み、
前記活性期間は新しい送信を指示する第1PDCCHが、前記DRXの設定又は再設定を含むメッセージを受信した後、受信されない第1期間を含み、
前記UEが前記メッセージを受信する時、前記UEに対して設定されたDRXが存在しないと、前記第1PDCCHを受信するまで前記UEはいかなるDRX関連タイマも使用しない、端末の動作方法。
【請求項2】
前記UEはスケジューリング要請禁止メカニズムを支援する能力を有する、請求項1に記載の端末の動作方法。
【請求項3】
前記活性期間はスケジューリング要請がPUCCH(物理的上りリンク制御チャネル)上で送信され、さらに保留(pending)中である第2期間を含む、請求項1に記載の端末の動作方法。
【請求項4】
前記活性期間はスケジューリング要請がPUCCH(物理的上りリンク制御チャネル)上で送信されず、保留中ではない時にも、前記第1期間を含む、請求項1に記載の端末の動作方法。
【請求項5】
前記端末は前記第1PDCCHを受信した後、DRX−非活性タイマ(DRX−inactivity timer)を開始する、請求項1に記載の端末の動作方法。
【請求項6】
前記UEが前記メッセージを受信する時、前記UEに対して設定されたDRXが存在すると、前記UEは前記第1PDCCHを受信するまで任意のDRX関連タイマを続けて使用する、請求項5に記載の端末の動作方法。
【請求項7】
DRX(Discontinuous Reception)の設定に基づいて動作する端末(UE)であって、
DRXの設定又は再設定を含むメッセージを受信するように構成された送受信器;及び
前記DRXの設定又は再設定によって活性期間の間にPDCCH(物理的下りリンクの制御チャネル)をモニタするように前記送受信器を制御するプロセッサを含み、
前記活性期間が、新しい送信を指示する第1PDCCHが、前記DRXの設定又は再設定を含むメッセージを受信した後、受信されない第1期間を含むことに基づいて、前記プロセッサは前記送受信器を制御し、
前記UEが前記メッセージを受信する時、前記UEに対して設定されたDRXが存在しないと、前記第1PDCCHを受信するまで前記プロセッサはいかなるDRX関連タイマも使用しない、UE。
【請求項8】
前記UEはスケジューリング要請禁止メカニズムを支援する能力を有する、請求項に記載のUE。
【請求項9】
前記活性期間がスケジューリング要請がPUCCH(物理的上りリンク制御チャネル)上で送信され、さらに保留(pending)中である第2期間を含むことに基づいて、前記プロセッサは送受信器を制御する、請求項に記載のUE。
【請求項10】
前記活性期間がスケジューリング要請がPUCCH(物理的上りリンク制御チャネル)上で送信されず、保留中ではない時にも、前記第1期間を含むことに基づいて、前記プロセッサは前記送受信器を制御する、請求項に記載のUE。
【請求項11】
前記プロセッサは前記第1PDCCHを受信した後、DRX−非活性タイマ(DRX−inactivity timer)を開始する、請求項に記載のUE。
【請求項12】
前記UEが前記メッセージを受信する時、前記UEに対して設定されたDRXが存在すると、前記プロセッサは前記第1PDCCHを受信するまで任意のDRX関連タイマを続けて使用する、請求項11に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムにおけるDRX(Discontinuous Reception)動作に関する。特に、本発明は、DRX設定又は再設定メッセージを受信した後のPDCCH(Physical Downlink Control Channel)モニタリングに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明が適用可能な移動通信システムの一例として、3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution、以下 LTEという)通信システムについて簡単に説明する。
【0003】
図1はE−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunication System)の網構造を示すブロック図である。E−UMTSはLTEシステムとも呼ばれる。通信網はIMS及びパケットデータを通じたVoIP(Voice over IP)のような様々な通信サービスを提供するために広く配置される。
【0004】
図1に示したように、E−UMTS網は、E−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)、EPC(Evolved Packet Core)及び1つ以上の端末を含む。E−UTRANは1つのセルに位置できる1つ以上のeNB(evolved NodeB、20)及び複数の端末10を含む。1つ以上のE−UTRAN MME(Mobility Management Entity)/SAE(System Architecture Evolution)のゲートウェイ30は、ネットワークの終端に位置して外部ネットワークに転結される。
【0005】
本明細書において、「下りリンク(downlink)」は、eNB20から端末10への通信を称し、「上りリンク(uplink)」は、端末10からeNB20への通信を称する。端末10は、ユーザによって運搬される通信装備を称し、また、移動局(Mobile Station、MS)、ユーザ端末(User Terminal、UT)、加入者ステーション(Subscriber Station、SS)又は無線デバイスと称することもできる。
【0006】
図2はDRX(Discontinuous Reception)の概念を示す図である。
【0007】
図2を参照すると、RRC#CONNECTED状態であるUEについてDRXが設定されると、UEは下りリンクチャネルであるPDCCHの受信を試みるが、即ち、UEは、所定期間の間にのみPDCCHをモニタし、残りの期間の間にはPDCCHをモニタしない。UEがPDCCHをモニタすべき期間をOn Durationという。1つのOn DurationがDRXサイクルごとに規定される。即ち、DRXサイクルはOn Durationの繰り返し周期である。
【0008】
UEは1つのDRXサイクルにおいて‘On Duration’の間にPDCCHを常にモニタし、DRXサイクルはOn Durationが設定される周期を決定する。複数のDRXサイクルは、DRXサイクルの周期によって長いDRXサイクルと短いDRXサイクルとに分類される。長いDRXサイクルはUEのバッテリー消耗を最小化できる反面、短いDRXサイクルはデータ送信遅延を最小化することができる。
【0009】
UEが、DRXサイクルにおいてOn Durationの間にPDCCHを受信すると、On Duration以外の期間の間に追加送信又は再送信が発生することができる。よって、UEはOn Duration以外の期間の間にPDCCHをモニタしなければならない。即ち、UEは非活性期間の管理タイマdrx−InactivityTimer又は再送信の管理タイマdrx−RetransmissionTimer及びOn Durationの管理タイマonDurationTimerが実行される期間の間にPDCCHをモニタしなければならない。
【0010】
各タイマの値はサブフレームの数に規定される。サブフレームの数はタイマ値に到達するまでカウントされる。タイマ値を満たすと、タイマが満了される。現在のLTE標準は、初期UL又はDLユーザのデータ送信を指示するPDCCHを成功的にデコーディングした後、drx−InactivityTimerを連続するPDCCH−サブフレームの数として規定し、DL再送信がUEにより期待されると、直ちにdrx−RetransmissionTimerを連続するPDCCH−サブフレームの最大数として規定する。
【0011】
また、UEは、任意接続の間、又はUEがスケジューリング要請を送信し、ULグラントを受信しようとする時、PDCCHモニタを行うことができる。
【0012】
UEがPDCCHをモニタすべき期間を活性期間(active time)という。活性期間はPDCCHが周期的にモニタされるOn Duration及びイベント生成時にPDCCHがモニタされる区間を含む。
【0013】
より具体的には、活性期間は、(1)onDurationTimer又はdrx−InactivityTimer又はdrx−RetransmissionTimer又はmac−ContentionResolutionTimerが実行される時間、(2)スケジューリング要請がPUCCH上に送信されるか、又は保留中(pending)である時間、(3)保留中であるHARQ再送信に対する上りリンクグラントが発生でき、対応するHARQバッファーにデータがある時間、又は(4)UEのC−RNTIにアドレスされた新しい送信を指示するPDCCHがUEにより選択されなかったプリアンブルに対する任意接続応答の成功的な受信以後に受信されない時間を含む。
【0014】
図3はLTEシステムにおけるDRX動作方法を示す図である。
【0015】
図3を参照すると、UEはDRX機能を有するRRCにより設定されることができ、各TTI(即ち、各々のサブフレーム)に対して以下の動作を行うことができる。
【0016】
該当サブフレームにおいて、HARQ RTT(Round Trip Time)タイマが満了し、対応HARQプロセスのデータが成功的にデコーディングされないと、UEは対応HARQプロセスのためにdrx−RetransmissionTimerを開始することができる。
【0017】
また、DRX Command MAC制御要素(CE)が受信されると、UEはonDurationTimer及びdrx−InactivityTimerを中止することができる。DRX Command MAC CEは、DRX状態に遷移するための命令であり、MAC PDU(Protocol Data Unit)サブヘッダのLCID(Logical Channel ID)フィールドにより識別される。
【0018】
該当サブフレームにおいて、drx−InactivityTimerが満了するか、又はDRX Command MAC CEが受信される場合、Short DRXサイクルが設定されると、UEはdrxShortCycleTimerを開始又は再開始し、Short DRXサイクルを使用することができる。しかし、Short DRXサイクルが設定されないと、Long DRXサイクルが使用される。また、該当サブフレームにおいて、drxShortCycleTimerが満了すると、Long DRXサイクルも使用される。
【0019】
また、Short DRXサイクルが使用され〔(SFN*10)+サブフレームの数〕モジュロ(shortDRX−Cycle)が(drxStartOffset)モジュロ(shortDRX−Cycle)である場合、又はLong DRX Cycleが使用され、〔(SFN*10)+サブフレームの数〕モジュロ(longDRX−Cycle)がdrxStartOffsetであると、UEはonTurationTimerを開始することができる。
【0020】
UEは活性期間の間にPDCCH−サブフレームについてPDCCHをモニタすることができる。PDCCHがDL送信を指示するか又はDL割り当てが該当サブフレームに対して設定されると、UEは対応HARQプロセスに対するHARQ RTTタイマを開始し、対応HARQプロセスに対するdrx−RetransmissionTimerを中止できる。PDCCHが(DL又はUL)新しい送信を示すと、UEはdrx−InactivityTimerを開始するか又は再開始することができる。
【0021】
ここで、PDCCH−サブフレームはPDCCHを有するサブフレームとして規定される。即ち、PDCCH−サブフレームはPDCCHが送信可能なサブフレームである。特に、FDD(周波数分割デュプレックス)システムにおいて、PDCCH−サブフレームは任意のサブフレームを示す。フル−デュプレックスTDD(時分割デュプレックス)システムにおいて、PDCCH−サブフレームは、下りリンクサブフレームと、schedulingCellIdが設定されたサービングセル(即ち、スケジューリングされたセル)を除いて、全てのサービングセルのDwPTSを含むサブフレームの結合を示す。ここで、schedulingCellIdはスケジューリングセルのIDを示す。また、ハーフ−デュプレックスTDDシステムの場合、PDCCH−サブフレームはPCell(primary cell)が下りリンクサブフレーム又はDwPTSを含むサブフレームとして設定されたサブフレームを示す。
【0022】
なお、活性期間内ではない時、UEはeNBによりトリガーされるSRS(Sounding Reference Signal)送信及びCSI報告を行わない。
【0023】
DRX動作において、UEがDRX設定又は再設定を含むメッセージを受信した後、PDCCHモニタを開始する時期に関する論議があった。上述したように、現DRX動作によれば、活性期間は以下の4つの場合がある:
【0024】
(1)onDurationTimer又はdrx−InactivityTimer又はdrx−RetransmissionTimer又はdrx−ULRetransmissionTimer又はmac−ContentionResolutionTimerが実行中である場合;又は
【0025】
(2)スケジューリング要請がPUCCHを介して送信されて保留中である場合(5.4.4での説明と同様);又は
【0026】
(3)保留中であるHARQ再送信に対する上りリンクグラントが発生することができ、同期HARQプロセスのために対応するHARQバッファーにデータが存在する場合;又は
【0027】
(4)MACエンティティーのC−RNTIにアドレスされた新しい送信を指示するPDCCHが、MACエンティティーにより選択されなかったプリアンブルに対する任意接続応答の成功的な受信以後に、受信されない場合。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
LTE標準のDRX動作によれば、DRXサイクルは非活性タイマの1番目の満了後にのみ使用される。上述したように、活性期間の規定はDRX設定又は再設定を含むメッセージを受信した後の新しい送信のためにPDCCHを受信するまでの期間を含まない。
【0029】
よって、UEがDRX設定又は再設定を含むメッセージを受信した後にPDCCHをモニタできるか否かが曖昧である。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の目的を達成するために、一態様において、DRX(Discontinuous Reception)の設定に基づく端末(UE)の動作方法であって、DRXの設定(configuration)又は再設定を含むメッセージを受信する段階;及びDRXの設定又は再設定によって活性期間(active time)の間にPDCCH(Physical Downlink Control Channel)をモニタする段階を含み、活性期間は、新しい送信を指示する第1PDCCHが、DRXの設定又は再設定を含むメッセージを受信した後、受信されない第1期間を含む端末の動作方法が提供される。
【0031】
これに関連して、UEはスケジューリング要請禁止メカニズムを支援する能力を有する。
【0032】
活性期間はスケジューリング要請がPUCCH(物理的上りリンク制御チャネル)上で送信され、さらに保留(pending)中である第2期間を含む。
【0033】
活性期間はスケジューリング要請がPUCCH(物理的上りリンク制御チャネル)上で送信されず、保留中ではない時にも、第1期間を含む。
【0034】
端末は第1PDCCHを受信した後、DRX−非活性タイマ(DRX−inactivity timer)を開始する。
【0035】
UEがメッセージを受信する時、UEに対して設定されたDRXが存在しないと、第1PDCCHを受信するまでUEはいかなるDRX関連タイマも使用しない。
【0036】
UEがメッセージを受信する時、UEに対して設定されたDRXが存在すると、UEは第1PDCCHを受信するまで任意のDRX関連タイマを続けて使用する。
【0037】
本発明の他の態様において、DRX(Discontinuous Reception)の設定に基づいて動作する端末(UE)であって、DRXの設定又は再設定を含むメッセージを受信するように構成された送受信器;及びDRXの設定又は再設定によって活性期間の間にPDCCH(物理的下りリンクの制御チャネル)をモニタするように送受信器を制御するプロセッサを含み、活性期間が、新しい送信を指示する第1PDCCHが、DRXの設定又は再設定を含むメッセージを受信した後、受信されない第1期間を含むことに基づいて、プロセッサは送受信器を制御する、UEが提供される。
【0038】
UEはスケジューリング要請禁止メカニズムを支援する能力を有する。
【0039】
活性期間がスケジューリング要請がPUCCH(物理的上りリンク制御チャネル)上で送信され、さらに保留(pending)中である第2期間を含むことに基づいて、プロセッサは送受信器を制御する。
【0040】
活性期間がスケジューリング要請がPUCCH(物理的上りリンク制御チャネル)上で送信されず、保留中ではない時にも、第1期間を含むことに基づいて、プロセッサは送受信器を制御する。
【0041】
プロセッサは、第1PDCCHを受信した後、DRX−非活性タイマ(drx−inactivity timer)を開始する。
【0042】
UEがメッセージを受信する時、UEに対して設定されたDRXが存在しないと、第1PDCCHを受信するまでプロセッサはいかなるDRX関連タイマも使用しない。
【0043】
UEがメッセージを受信する時、UEに対して設定されたDRXが存在すると、プロセッサは第1PDCCHを受信するまで任意のDRX関連タイマを続けて使用する。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、UEがDRX設定又は再設定を含むメッセージを受信する時期に対する現標準における曖昧さを明確に解決することができる。即ち、UEはSRが保留状態ではなくてもDRX設定/再設定メッセージを受信した後にPDCCHをモニタする。
【0045】
当業者であれば、本発明により達成される効果が、上記に特定した技術に限られず、本発明の他の長所は添付の図面について行われる以下の詳細な説明からより明らかになることを理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本明細書に添付する図面は本発明に対する理解を提供するためのものであり、本発明の多様な実施形態を示し、本発明の説明とともに本発明の原理を説明するためのものである。
【0047】
図1】E−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunication System)のネットワーク構造を示すブロック図である。
図2】DRX(Discontinuous Reception)の概念を示す図である。
図3】LTEシステムにおけるDRX動作方法を示す図である。
図4】DRX設定又は再設定を含むメッセージを受信する時の流れを示す図である。
図5】DRX設定又は再設定を含むメッセージを受信する時の流れを示す図である。
図6】本発明の一実施例の概念を示す図である。
図7】本発明の一実施例による通信装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の構成、動作及び他の特徴は、添付の図面を参照して説明する本発明の実施例により理解できるであろう。以下の実施例は3GPP(3rd Generation Partnership Project)システムに本発明の技術的特徴を適用する一例である。
【0049】
この明細書では、本発明の実施例をLTE(Long Term Evolution)及びLTE−A(LTE−Advanced)システムを使用して説明しているが、これらは例示に過ぎない。従って、本発明の実施例は上記の定義に該当するその他の通信システムにも適用可能である。
【0050】
上述したように、UEがDRX設定又は再設定を含むメッセージの受信後にPDCCHをモニタできるか否かは曖昧である。
【0051】
図4及び図5はDRX設定又は再設定を含むメッセージを受信する時の流れを示す図である。
【0052】
DRX設定又は再設定を含むメッセージは、図4及び図5に示したように、RRCConnectionReconfigurationメッセージとして例示できる。
【0053】
かかる手順の他の目的は、RRC連結を修正すること、例えば、RB設定/修正/解除すること、ハンドオーバーの実行、測定を設定/修正/解除すること、SCellを追加/修正/解除することを含む。かかる手順の一部として、NAS専用情報がE−UTRANからUEに送信されることができる。
【0054】
図4に示したように、RRC連結再設定が成功した時、UEはRRC連結再設定完了メッセージを送信することができる。反面、RRC連結再設定に成功しなかった場合は、図5に示したように、UE及びEUTRANはRRC連結再確立の手順を行う。
【0055】
DRX設定又は再設定を含むメッセージを受信後、UEがPDCCHのモニタを開始する時について論議する場合、当業者はUEがDRX設定、即ち、RRCConnectionReconfigurationを受信後、RRCConnectionReconfigurationに応答してRRCConnectionReconfigurationCompleteを送信するためにトリガーされた保留中であるSRによりUEが活性期間内にいるので、UEがPDCCHをモニタすることができると判断できる。
【0056】
しかし、上記の結論においては、UEがDRX設定を受信する時にSRが常に保留中であるか否かについて、さらに考えてみる必要がある。最近、以下のように、SRをトリガーできないようにするいくつの方法がある:例えば、Rel−9に導入されたlogicalChannelSR−Mask及びRel−12に導入されたlogicalChannelSR−ProhibitTimer。
【0057】
RRCによれば、かかるSR禁止メカニズム、即ち、logicalChannelSR−Mask及びlogicalChannelSR−ProhibitTimerは、SRBについて使用できる。以下の表を参照する:
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
よって、UEがDRX設定を受信した後にもSRが保留状態ではないようにRRCConnectionReconfigurationCompleteが伝達されるSRB1にSR禁止メカニズムが適用される場合があり得る。
【0061】
従って、UEが活性期間内にいないと、UEはdrx−InactivityTimerを全く開始しない。結果として、UEはDRXを使用できない。よって、UEがDRX設定の受信後に、UEが活性期間であるようにする方法が必要である。従って、DRXを設定した後にはUEがPDCCHをモニタするようにすることが好ましい。
【0062】
図6は本発明の一実施例の概念を示す図である。
【0063】
図6に示したように、DRXサイクルが設定される時(S610)、活性期間は、UEがDRXの設定又は再設定を受信する時点からUEが新しい送信を示すUEのC−RNTIによりアドレスされたPDCCHを受信する時点までの期間を明示的に含むことができる(S620、S630)。
【0064】
UEはネットワークからDRXを設定又は再設定するRRCメッセージを受信する(S610)。RRCメッセージはDRX−configを含むRRCConnectionReconfigurationである。UEはRRCメッセージにより指示されたように、DRX設定を適用することができる;UEが活性期間内であると、即ちUEはPDCCHをモニタしていると見なされることができる(S630)。即ち、DRXを設定又は再設定するRRCメッセージをUEが受信した後、直ちにUEはPDCCHモニタを開始することができる。
【0065】
次に、UEはUEに対する新しい送信を示す自分のC−RNTIにアドレスされたPDCCHを受信する(S620)。その後、UEはDRX関連タイマの動作を開始でき、この明細書に明示したように、活性期間内でPDCCHをまたモニタすることができる。例えば、PDCCHが下りリンク/上りリンク/サイドリンクで新しい送信を指示すると、UEはdrx−InactivityTimerを開始する。
【0066】
この実施例によると、活性期間(active time)は以下のように定義できる:
【0067】
【表3】
【0068】
活性期間は次の時間を含む:onDurationTimer又はDRX−InactivityTimer又はDRX−RetransmissionTimer又はDRX−ULRetransmissionTimer又はMAC−ContentionResolutionTimerが実行中である時間;又はスケジューリング要請がPUCCHを介して送信され、保留中である時間;又は保留中であるHARQ再送信に対する上りリンクグラントが発生でき、同期HARQプロセスのために対応するHARQバッファーにデータが存在する時間;又はMACエンティティーのC−RNTIにアドレスされた新しい送信を指示するPDCCHが、MACエンティティーにより選択されなかったプリアンブルに対する任意接続応答の成功的な受信後に受信されない時間;又はMACエンティティーのC−RNTIにアドレスされた新しい送信を指示するPDCCHがDRXの設定又は再設定の後に受信されない時間。
【0069】
即ち、新しい送信を指示するPDCCHがDRXの設定又は再設定を含むメッセージを受信した後に受信されない期間は、DRX動作のための活性期間として明示的に規定される。この実施例のUEは、スケジューリング要請禁止メカニズムを支援する能力を有することと仮定される。
【0070】
勿論、UEはスケジューリング要請がPUCCHを介して送信され、保留中である時、DRX設定/再設定メッセージを受信した後、UEはPDCCHをモニタすることができる。重要ポイントは、スケジューリング要請がPUCCH(物理的上りリンク制御チャネル)上で送信されず保留中でもない場合にも、活性期間は新しい送信を指示するPDCCHが、UEがDRXの設定又は再設定を含むメッセージを受信した後、受信されない期間を含むことである。
【0071】
UEに対してDRXが現在設定されていない状態でUEがDRXを設定するRRCメッセージを、UEがDRXの設定を受信した時点からUEが新しい送信を示すUEのC−RNTIによりアドレスされたPDCCHを受信した時点までの期間内に受信すると、UEは任意のDRXサイクルを使用することができない;また
【0072】
−UEはdrx−InactivityTimerの満了後、DRXサイクルの使用を始まる;又は
【0073】
−UEは活性期間の間にネットワークからDRX Command MAC制御要素を受信する。
【0074】
UEはいかなるDRX関連タイマも開始できない。新しい送信を指示するPDCCHをUEが受信する時、UEはdrx−InactivityTimerを開始することができる。
【0075】
UEについて現在DRXが設定されている間にDRXを設定するRRCメッセージを、UEがDRXの設定を受信した時点からUEが新しい送信を示すUEのC−RNTIによりアドレスされたPDCCHを受信した時点までの期間内に、UEが受信すると、UEは現在UEが使用しているDRXサイクルを続けて使用することができる。UEは現在実行している任意のDRX関連タイマを続けて使用又は実行することができる。
【0076】
図7は本発明の一実施例による通信装置のブロック図である。
【0077】
図7に示した装置は、メカニズムを行うように構成された端末(UE)及び/又はeNBであり、これは同様の動作を行う任意の装置であってもよい。
【0078】
図7に示したように、この装置はDSP/マイクロプロセッサ110とRFモジュール(送受信器)135を備える。DSP/マイクロプロセッサ110は送受信器135と電気的に転結されて送受信器を制御する。この装置は、その具現及び設計者の選択によって、さらに電力管理モジュール105、バッテリー155、ディスプレイ115、キーパッド120、SIMカード125、メモリ装置130、スピーカー145及び入力装置150を含む。
【0079】
特に、図7は、ネットワークから信号を受信するように構成された受信器135とネットワークへ信号を送信するように構成された送信器135を備えるUEを示す。これらの受信器と送信器は送受信器135を構成する。UEはさらに送受信器(受信器と送信器)135に転結されたプロセッサ110を備える。
【0080】
また、図7はUEに信号を送信するように構成された送信器135とUEから信号を受信するように構成された受信器135を備えるネットワーク装置を示している。これらの送信器と受信器は送受信器135を構成する。ネットワークはさらに送信器と受信器に転結されたプロセッサ110を備える。
【0081】
当該技術分野における当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から外れない範囲内で本発明を多様に修正及び変更することができる。従って、添付する特許請求の範囲及びその等価的範囲内での本発明の変更と変化は本発明の範囲に属する。
【0082】
以上説明した実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態として結合したものである。各構成要素または特徴は、別途の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態として実施することもできる。また、一部の構成要素及び/または特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれることもでき、または、他の実施例の対応する構成または特徴に取って代わることもできる。特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めることもできることは自明である。
【0083】
本発明の実施例において、BSによって行われると説明された特定動作は、基地局の上位ノードにより行われることもできる。即ち、BSを含む多数のネットワークノードからなるネットワークでMSとの通信のために行われる種々の動作は、BSまたはBS以外の他のネットワークノードによって行われることができる。この時、‘eNB’という用語は、‘固定局’、‘ノードB’、‘基地局(BS)’、‘アクセスポイント(access point)’、‘gNB’などの用語に代替可能である。
【0084】
上述した本発明の実施例は多様な手段、例えば、ハードウェア、ファームウエア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの組合せなどによって具現できる。
【0085】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例による方法は、一つ又はそれ以上の注文型集積回路(ASICs)、DSP(Digital Signal Processor)、DSPD(Digital Signal Processing Devices)、PLD(Programmable Logic Devices)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、プロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサなどによって具現できる。
【0086】
ファームウエア又はソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例による方法は以上で説明した機能又は動作を行う装置、過程又は関数などの形態に具現できる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動されることができる。メモリユニットはプロセッサの内部又は外部に位置し、既に知られた多様な手段によってプロセッサとデータを取り交わすことができる。
【0087】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態で具体化できるのは当業者には自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定しなければならず、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
上述した方法は、3GPPシステムに適用された例を中心として説明したが、本発明の3GPPシステム以外にも多様な移動通信システム、例えばIEEEシステムにも適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7