特許第6839325号(P6839325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6839325
(24)【登録日】2021年2月16日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B28B 1/14 20060101AFI20210222BHJP
   B28B 1/24 20060101ALI20210222BHJP
   B29C 45/76 20060101ALI20210222BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   B28B1/14 F
   B28B1/24 101C
   B29C45/76
   B29C45/26
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-140831(P2020-140831)
(22)【出願日】2020年8月24日
【審査請求日】2020年8月24日
(31)【優先権主張番号】特願2019-159775(P2019-159775)
(32)【優先日】2019年9月2日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】水木 一博
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 真司
(72)【発明者】
【氏名】大森 誠
【審査官】 田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−101615(JP,A)
【文献】 特開昭63−288704(JP,A)
【文献】 特開平07−256616(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/044730(WO,A1)
【文献】 特開2006−198813(JP,A)
【文献】 特開2007−260939(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0240396(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 1/14 − 1/16
B28B 1/24 − 1/28
B28B 7/00 − 7/46
B29C 45/00 − 45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形空間と、ゲート空間と、ベント空間と、前記成形空間及び前記ゲート空間に連通する第1連通路と、前記成形空間及び前記ベント空間に連通する第2連通路とを内部に有する成形型を用いた成形体の製造方法であって、
前記ゲート空間に成形用原料を充填する第1工程と、
前記成形空間に前記成形用原料を充填する第2工程と、
を備え、
前記成形用原料が前記第1連通路から前記成形空間に流入する前に、前記成形用原料の単位時間当たりの供給量を前記第1工程における前記成形用原料の単位時間当たりの供給量よりも低減させる、
成形体の製造方法。
【請求項2】
前記成形用原料が前記成形空間に流入した後、前記成形用原料の単位時間当たりの供給量を前記成形用原料が前記成形空間に流入開始した時点における前記成形用原料の単位時間当たりの供給量よりも増大させる、
請求項1に記載の成形体の製造方法。
【請求項3】
前記成形用原料が前記成形空間から前記第2連通路に流出する前に、前記成形用原料の単位時間当たりの供給量を前記第2工程における前記成形用原料の単位時間当たりの供給量よりも低減させる、
請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、成形空間と、ゲート空間と、ベント空間と、成形空間及びゲート空間に連通する第1連通路と、成形空間及びベント空間に連通する第2連通路とを内部に有する成形型を用いた成形体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。成形用原料は、ゲート空間に充填された後、第1連通路を介してゲート空間から成形空間に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/044730号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、成形用原料が第1連通路から成形空間に流入する際、成形用原料に空気が取り込まれやすいため、成形体のうち第1連通路側の表面にボイドが生じるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、成形体にボイドが生じることを抑制可能な成形体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る成形体の製造方法では、成形空間と、ゲート空間と、ベント空間と、成形空間及びゲート空間に連通する第1連通路と、成形空間及びベント空間に連通する第2連通路とを内部に有する成形型が用いられる。成形体の製造方法は、ゲート空間に成形用原料を充填する第1工程と、成形空間に成形用原料を充填する第2工程とを備える。成形用原料が第1連通路から成形空間に流入する前に、成形用原料の単位時間当たりの供給量を低減させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、成形体にボイドが生じることを抑制可能な成形体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る成形型10の側面図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3(A)】実施形態に係る成形体の製造方法を説明するための模式図である。
図3(B)】実施形態に係る成形体の製造方法を説明するための模式図である。
図4(A)】実施形態に係る成形体の製造方法を説明するための模式図である。
図4(B)】実施形態に係る成形体の製造方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(成形型10の構成)
本実施形態に係る成形型10の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、成形型10の側面図である。図2は、図1のA−A断面図である。
【0010】
成形型10は、例えば、金属(アルミニウム、アルミニウム合金、SUS鋼、ニッケル合金など)によって構成される。成形型10は、内部に注入される液状又はゾル状の成形用原料を硬化(ゲル化)させて成形体を形成するために用いられる。成形型10は、例えば、鋳込み成形法の一種であるモールドキャスト法による成形体の形成に好適である。
【0011】
成形用原料は、流動性を有する自己硬化性のスラリーである。成形用原料は、所定の粉末、反応剤、ゲル化剤、溶媒、分散助剤、その他の添加剤(例えば、造孔剤など)を含む。
【0012】
所定の粉末は、成形体の基材である。所定の粉末としては、例えば、セラミック粉末、金属粉末、及びこれらの混合物が挙げられる。セラミック粉末としては、例えば、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、窒化アルミニウム粉末、炭化珪素粉末などが挙げられるが、これに限定されない。金属粉末としては、白金粉末、タングステン粉末、モリブデン粉末などが挙げられるが、これに限定されない。所定の粉末の含有量は特に限られないが、例えば、20体積%以上60体積%以下とすることができる。
【0013】
反応剤は、ゲル化剤と反応して硬化反応(ゲル化反応)を引き起こす反応性官能基を含む。反応剤としては、多価アルコール(エチレングリコールのようなジオール類、グリセリンのようなトリオール類等)、多塩基酸(ジカルボン酸等)、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。反応剤の含有量は特に限られないが、例えば、0.05体積%以上5体積%以下とすることができる。
【0014】
ゲル化剤は、反応剤に含まれる反応性官能基と反応して硬化反応を引き起こす添加剤である。ゲル化剤としては、例えば、MDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアナート)、TDI(トリレンジイソシアナート)、IPDI(イソホロンジイソシアナート)などが挙げられる。ゲル化剤は、イソシアナート基(−N=C=O)及びイソチオシアナート基(−N=C=S)の少なくとも一方を有することが好ましい。これにより、ゲル化剤と反応剤との反応を促進することができる。ゲル化剤の含有量は特に限られないが、例えば、3体積%以上20体積%以下とすることができる。
【0015】
溶媒は、所定の粉末を分散させるための添加剤である。溶媒としては、多塩基酸エステル(グルタル酸ジメチル等)、多価アルコールの酸エステル(トリアセチン等)、脂肪族多価エステルなどの2以上のエステル基を有するエステル類などが挙げられる。溶媒の含有量は特に限られないが、例えば、30体積重量%以上70体積%以下とすることができる。
【0016】
分散助剤は、成形用原料の粘度を低減させるための添加剤である。分散助剤は、所望により添加される任意の添加剤である。分散助剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリカルボン酸系共重合体、重合体のリン酸エステル塩化合物、酸基を含む重合体のアルキルアンモニウム塩化合物、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。分散助剤の含有量は特に限られないが、例えば、0.5体積%以上10体積%以下とすることができる。
【0017】
触媒は、ゲル化剤と反応剤との反応を更に促進するための添加剤である。触媒は、所望により添加される任意の添加剤である。触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ヘキサンジアミン、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノールなどが挙げられる。触媒の含有量は特に限られないが、例えば、0.01体積%以上3体積%以下とすることができる。
【0018】
このような成形用原料は、上記の各組成物を混合した時点から硬化し始めるため、例えば射出成形に用いられる熱可塑性樹脂とは異なり、急速に粘度が増大する。具体的には、成形用原料は、各組成物の混合から2分経過後の粘度をE1(せん断速度1sec−1)とし、各組成物の混合から12分経過後の粘度をE2(せん断速度1sec−1)としたとき、0.01Pa・sec≦E1≦3.0Pa・sec、2.0Pa・sec≦E2≦2000Pa・sec、E2/E1≧5.0の関係を満たすものである。
【0019】
図1に示すように、成形型10は、鉛直方向に沿って縦置きされた状態で使用される。図1及び図2では、成形型10が一部材によって構成されているように描かれているが、成形型10は、複数の部材が連結されることによって構成されていてもよい。
【0020】
成形型10は、成形空間11と、ゲート空間12と、第1連通路13と、ベント空間14と、第2連通路15と、ランナー16とを内部に有する。
【0021】
成形空間11は、成形体を形成するための空間である。成形空間11は、いわゆるキャビティーである。成形空間11には、成形用原料が充填される。
【0022】
成形空間11は、ゲート空間12の上方に配置される。成形空間11とゲート空間12との間には、第1連通路13が配置される。成形空間11は、ベント空間14の下方に配置される。成形空間11とベント空間14との間には、第2連通路14が配置される。
【0023】
成形空間11は、成形体の外形に対応していればよく、その形状は特に限られない。図1に示すように、本実施形態では、成形空間11が、略直方体状に形成されている。また、図2に示すように、本実施形態では、成形空間11の下端部が、第1連通路13に向かってテーパ状に形成され、成形空間11の上端部が、第2連通路15に向かってテーパ状に形成されている。
【0024】
なお、成形体に流路などの構造を設ける場合には、当該構造の形状に応じた物体(例えば、棒など)を成形空間11に予め配置してもよい。また、成形体に何らかの物体(例えば、導体、電子機器など)を埋設する場合には、当該物体を成形空間11に予め配置してもよい。
【0025】
ゲート空間12は、成形空間11の下方に配置される。ゲート空間12は、成形空間11に供給される成形用原料を貯留するための空間である。ゲート空間12の容積は、成形空間11の容積より小さくてもよい。ゲート空間12は、成形空間11に成形用原料をスムーズに供給できるように構成されていればよく、その形状は特に限られない。図1に示すように、本実施形態では、ゲート空間12が、成形空間11の下端部に沿って配置されている。また、図2に示すように、本実施形態では、ゲート空間12の上端部が、第1連通路13に向かってテーパ状に形成されている。
【0026】
第1連通路13は、成形空間11及びゲート空間12に連通する。第1連通路13は、ゲート空間12に充填された成形用原料を成形空間11に導くための流路である。第1連通路13は、図2に示すように、成形空間11及びゲート空間12よりも狭く形成されている。すなわち、第1連通路13は、成形空間11とゲート空間12との間を狭窄させている。これにより、ゲート空間12に成形用原料をスムーズに充填させることができるとともに、成形体の硬化後、成形空間11内で硬化した製品部とゲート空間12内で硬化した非製品部とを簡便に切除することができる。
【0027】
ベント空間14は、成形空間11の上方に配置される。ベント空間14は、成形空間11に供給された過充填分の成形用原料を貯留するための空間である。ベント空間14の容積は、成形空間11の容積より小さくてもよい。図1に示すように、ベント空間14は、成形型10の上面に形成された複数の排出口14aに繋がる。ベント空間14における過貯留分の成形用原料は、排出口14aから外部に排出される。ベント空間14の形状は特に限られない。図1に示すように、本実施形態では、ベント空間14が、成形空間11の上端部に沿って配置されている。また、図2に示すように、本実施形態では、ベント空間14の下端部が、第2連通路15に向かってテーパ状に形成されている。
【0028】
第2連通路15は、成形空間11及びベント空間14に連通する。第2連通路15は、成形空間11に充填された成形用原料をベント空間14に導くための流路である。第2連通路15は、図2に示すように、成形空間11及びベント空間14よりも狭く形成されている。すなわち、第2連通路15は、成形空間11とベント空間14との間を狭窄させている。これにより、成形用原料を成形空間11に確実に充填させることができるとともに、成形体の硬化後、成形空間11内で硬化した製品部とベント空間14内で硬化した非製品部とを簡便に切除することができる。
【0029】
ランナー16は、ゲート空間12と成形型10の上面に形成された注入口16aとに連通する。ランナー16は、成形型10の外部から供給される成形用原料をゲート空間12に導くための流路である。成形用原料は、注入口16aからランナー16内に供給される。
【0030】
(成形体の製造方法)
次に、成形体の製造方法について説明する。
【0031】
1.ゲート空間充填工程(第1工程)
まず、ゲート空間12に成形用原料を充填する。具体的には、成形型10の外部からランナー16を介してゲート空間12に成形用原料を供給することによって、ゲート空間12に成形用原料を充填する。この際、成形空間11とゲート空間12との間が第1連通路13によって狭窄されているため、ゲート空間12に成形用原料が充填される前にゲート空間12から成形空間11に成形用原料が流入してしまうことを抑制できる。
【0032】
このゲート空間充填工程においてゲート空間12に供給される成形用原料の単位時間当たりの供給量R1(以下、「供給量R1」と略称する。)は、充填時間、成形用原料の粘度、ゲート空間12の体積、成形空間11の形状などを考慮して適宜設定することができる。ゲート空間充填工程では、供給量R1を所定値に保持することが好ましい。
【0033】
なお、本明細書において、単位時間当たりの供給量とは、1秒の間に供給される成形用原料の体積を意味し、その単位は「mL/sec」である。単位時間当たりの供給量は、注入口16aから注入される成形用原料の注入圧の調整によって制御することができる。供給量R1の値は特に制限されないが、例えば、0.1〜10mL/secとすることができる。
【0034】
2.成形空間充填工程(第2工程)
ゲート空間充填工程に続いて、成形空間11に成形用原料を充填する。具体的には、第1連通路13から成形空間11に成形用原料が流入した後、成形用原料が第2連通路15に達するまで、ゲート空間12への成形用原料の供給を継続する。
【0035】
ここで、本実施形態では、成形用原料が第1連通路13から成形空間11に流入する前に、成形用原料の単位時間当たりの供給量を低減させる。具体的には、成形空間11とゲート空間12との間で最も幅が狭くなるラインL13を成形用原料が超える前に、ゲート空間充填工程における供給量R1から、供給量R1よりも小さい単位時間当たりの供給量R2(以下、「供給量R2」と略称する。)に変更する。供給量R1から供給量R2への変更は、注入口16aから注入される成形用原料の注入圧の低減によって行うことができる。供給量R1から供給量R2への変更は、成形用原料が成形空間11に流入し始める前に行われればよく、例えば、成形用原料の液面が第1連通路13内に位置する間に行われてもよいし、成形用原料の液面が第1連通路13に達する前に行われてもよい。
【0036】
このように、成形用原料が成形空間11に流入する前に供給量R1から供給量R2へ低減させることによって、第1連通路13から成形空間11に成形用原料を緩やかに流入させることができる。そのため、図3(A)に示すように、成形空間11の壁面に沿って徐々に成形用原料を押し出すことができるため、成形用原料に空気が混入することを抑制できる。その結果、成形体にボイドが生じることを抑制できる。なお、供給量R2は、図3(B)に示すように、第1連通路13から勢いよく流入した成形用原料に空気が混入してしまわないように設定すればよい。なお、供給量R2の値は、供給量R1の値より相対的に小さければよく、特に制限されないが、例えば、0.01〜8mL/secとすることができる。
【0037】
また、成形用原料が成形空間11に流入した後は、成形用原料の単位時間当たりの供給量を増大させることが好ましい。具体的には、成形用原料が第1連通路13から成形空間11に流入した後に、成形用原料の流入開始時点における供給量R2よりも大きい単位時間当たりの供給量R3(以下、「供給量R3」と略称する。)に変更することが好ましい。供給量R2から供給量R3への変更は、注入口16aから注入される成形用原料の注入圧の増大によって行うことができる。供給量R2から供給量R3への変更は、成形用原料が成形空間11に流入した後に行われればよい。
【0038】
このように、成形用原料が成形空間11に流入した後に供給量R2から供給量R3へ増大させることによって、成形空間11における成形用原料の充填時間を短縮することができる。なお、成形用原料の充填中は、供給量R3を所定値に保持することが好ましい。供給量R3の値は、供給量R2より相対的に大きいことが好ましく、特に制限されないが、例えば、0.1〜10mL/secとすることができる。
【0039】
さらに、成形用原料が成形空間11から第2連通路15に流出する前に、成形用原料の単位時間当たりの供給量を低減させることが好ましい。具体的には、成形空間11とベント空間14との間で最も幅が狭くなるラインL15を成形用原料が超える前に、供給量R3から、供給量R3よりも小さい単位時間当たりの供給量R4(以下、「供給量R4」と略称する。)に変更することが好ましい。供給量R3から供給量R4への変更は、注入口16aから注入される成形用原料の注入圧の低減によって行うことができる。供給量R3から供給量R4への変更は、成形用原料が第2連通路15に流出し始める前に行われればよい。
【0040】
このように、成形用原料が第2連通路15に流出する前に供給量R3から供給量R4へ低減させることによって、成形空間11から第2連通路15に成形用原料を緩やかに流出させることができる。そのため、図4(A)に示すように、成形空間11の壁面に沿って徐々に成形用原料を押し出すことができるため、成形用原料に空気が混入することを抑制できる。その結果、成形体にボイドが生じることをより抑制できる。なお、供給量R4は、図4(B)に示すように、成形用原料と成形空間11の壁面との間に空気が取り残されないように設定すればよい。供給量R4の値は、供給量R3の値より相対的に小さいことが好ましく、特に制限されないが、例えば、0.01〜8mL/secとすることができる。
【0041】
3.流出工程(第3工程)
成形空間充填工程に続いて、成形空間11からベント空間14に成形用原料を流出させる。具体的には、成形空間11に成形用原料が充填された後、第2連通路15からベント空間14に成形用原料から流出するまで、ゲート空間12への成形用原料の供給を継続する。
【0042】
この流出工程においてゲート空間12に供給される成形用原料の単位時間当たりの供給量R5(以下、「供給量R5」と略称する。)は、上述した供給量R4と同じであってもよいが、供給量R4と異なっていてもよい。
【0043】
4.硬化工程
次に、一定時間(例えば、0.1〜24時間)放置して、成形用原料を硬化(ゲル化)させることによって成形体を形成する。その後、成形型10を適宜分解して成形体を取り出す。
【0044】
(実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0045】
例えば、上記実施形態では、成形空間11の下端部が、第1連通路13に向かってテーパ状に形成され、成形空間11の上端部が、第2連通路15に向かってテーパ状に形成されることとしたが、成形空間11の形状は特に制限されない。例えば、成形空間11は、矩形状に形成されていてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、ゲート空間12の上端部が、第1連通路13に向かってテーパ状に形成されることとしたが、ゲート空間12の形状は特に制限されない。例えば、ゲート空間12は、矩形状に形成されていてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、ベント空間14の下端部が、第2連通路15に向かってテーパ状に形成されることとしたが、ベント空間14の形状は特に制限されない。例えば、ベント空間14は、矩形状に形成されていてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、第1連通路13が、成形空間11及びゲート空間12のそれぞれに向かってテーパ状に形成されることとしたが、これに限られない。例えば、第1連通路13は、矩形状に形成されていてもよい。すなわち、第1連通路13は、等幅(すなわち、水平方向における幅が鉛直方向において同じ)であってもよい。この場合には、成形用原料が第1連通路13の上端のラインを超える前に、成形用原料の単位時間当たりの供給量を低減させればよい。
【0049】
また、上記実施形態では、第2連通路15が、成形空間11及びベント空間14のそれぞれに向かってテーパ状に形成されることとしたが、これに限られない。例えば、第2連通路15は、矩形状に形成されていてもよい。すなわち、第2連通路15は、等幅(すなわち、水平方向における幅が鉛直方向において同じ)であってもよい。この場合には、成形用原料が第2連通路15の下端のラインを超える前に、成形用原料の単位時間当たりの供給量を低減させればよい。
【符号の説明】
【0050】
10 成形型
11 成形空間
12 ゲート空間
13 第1連通路
14 ベント空間
14a 排出口
15 第2連通路
16 ランナー
16a 注入口
【要約】
【課題】成形体にボイドが生じることを抑制可能な成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】成形体の製造方法は、ゲート空間12に成形用原料を充填するゲート空間充填工程(第1工程)と、成形空間11に成形用原料を充填する成形空間充填工程(第2工程)とを備える。成形空間充填工程において、成形用原料が第1連通路13から成形空間11に流入する前に、成形用原料の単位時間当たりの供給量を低減させる。
【選択図】図2
図1
図2
図3(A)】
図3(B)】
図4(A)】
図4(B)】