(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2吐水形態において前記被検知体が前記電波センサの検知領域から出てから、前記吐水部が止水されるまでの時間は、前記第1吐水形態において前記被検知体が前記電波センサの検知領域から出てから、前記吐水部が止水されるまでの時間よりも長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動水栓。
前記制御部は、前記吐水部からの吐水が前記第1吐水形態であるか前記第2吐水形態であるかを、前記検知信号を基に判定し、前記吐水部の止水の制御を切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動水栓。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、複数の吐水形態を切り替えた場合にも、電波センサによる検知によって適切に吐止水を制御できる自動水栓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、第1吐水形態と、前記第1吐水形態と異なる第2吐水形態と、を有する吐水部と、前記吐水部の前記第1吐水形態と前記第2吐水形態とを切り替える切替部と、被検知体を検知して検知信号を出力する電波センサと、前記電波センサからの前記検知信号に基づいて、前記吐水部からの吐止水を制御する制御部と、を備え、前記第2吐水形態で前記吐水部から吐水した時の前記検知信号は、前記第1吐水形態で前記吐水部から吐水した時の前記検知信号よりも大きく、前記制御部は、前記第1吐水形態と前記第2吐水形態とで前記吐水部の止水の制御を切り替え
、前記制御部は、前記第1吐水形態の時は、前記検知信号に対して第1閾値を設定し、前記第2吐水形態の時は、前記検知信号に対して第2閾値を設定し、前記第2閾値は、前記第1閾値よりも高いことを特徴とする自動水栓である。
【0009】
この自動水栓によれば、第1吐水形態と第2吐水形態とで止水の制御を切り替えることができるので、第1吐水形態と第2吐水形態とを切り替えた場合においても、電波センサによる検知によって、適切に止水の制御を行うことができる。従って、自動水栓の誤吐水を抑制することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、前記検知信号の振幅値に基づいて吐止水を制御し、
前記第1閾値及び前記第2閾値は、前記振幅値に対する閾値であることを特徴とする自動水栓である。
【0011】
この自動水栓によれば、第1吐水形態の時には第1閾値を設定し、第2吐水形態の時には第2閾値を設定することにより、第1吐水形態と第2吐水形態とを切り替えた場合にも、より確実に止水の制御を行うことができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第2吐水形態において前記被検知体が前記電波センサの検知領域から出てから、前記吐水部が止水されるまでの時間は、前記第1吐水形態において前記被検知体が前記電波センサの検知領域から出てから、前記吐水部が止水されるまでの時間よりも長いことを特徴とする自動水栓である。
【0013】
この自動水栓によれば、第2吐水形態において止水されるまでの時間を長くすることにより、第2吐水形態における止水の制御をより正確に行うことができる。
【0014】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記吐水部からの吐水が前記第1吐水形態であるか前記第2吐水形態であるかを、前記検知信号を基に判定し、前記吐水部の止水の制御を切り替えることを特徴とする自動水栓である。
【0015】
この自動水栓によれば、第1吐水形態及び第2吐水形態の止水の制御を確実に切り替えることができる。また、判定に検知信号を用いることにより、部品点数の増加を抑えることができる。
【0016】
第5の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、前記切替部による前記第1吐水形態と前記第2吐水形態との切り替えを検知する検知部をさらに備え、前記制御部は、前記検知部の検知結果を基に、前記吐水部の止水の制御を切り替えることを特徴とする自動水栓である。
【0017】
この自動水栓によれば、第1吐水形態及び第2吐水形態の止水の制御を確実に切り替えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の態様によれば、複数の吐水形態を切り替えた場合にも、電波センサによる検知によって適切に吐止水を制御できる自動水栓が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る自動水栓を表すブロック図である。
図1に表したように、自動水栓10は、吐水部12と、切替部14と、電磁弁16と、電波センサ18と、制御部20と、を備える。自動水栓10は、例えば、洗面化粧台やシステムキッチンなどに用いられる。
【0021】
吐水部12は、洗面ボウルやキッチンシンクなどに水を吐出する。吐水部12は、いわゆるスパウトである。吐水部12は、第1吐水口31と、複数の第2吐水口32と、を有する。吐水部12は、第1吐水口31から吐水を行う第1吐水形態と、複数の第2吐水口32のそれぞれから吐水を行う第2吐水形態と、を有する。
【0022】
第1吐水形態は、例えば、1本の水流状に水を吐出する整流吐水や、1本の水流の中に複数の気泡を含ませる泡沫吐水などである。第2吐水形態は、例えば、複数の第2吐水口32のそれぞれから水流状又は水滴状に水を吐出するシャワー吐水や、シャワー状の吐水の水流又は水滴に気泡を含ませる泡沫シャワー吐水などである。
【0023】
第2吐水形態は、例えば、第1吐水形態よりも広い範囲に吐水を行う吐水形態である。このように、吐水部12は、第1吐水形態と、第1吐水形態と異なる第2吐水形態と、を有する。
【0024】
複数の第2吐水口32は、二次元マトリクス状に配置してもよいし、ライン状に配置してもよい。すなわち、シャワー吐水は、複数の水流の束を吐水する吐水形態でも良いし、複数の水流をライン状に並べて広い幅に吐水する吐水形態でもよい。
【0025】
切替部14は、吐水部12の第1吐水形態と第2吐水形態とを切り替える。切替部14は、例えば、第1吐水口31に水を供給する経路と、各第2吐水口32に水を供給する経路と、を切り替えることにより、第1吐水形態と第2吐水形態とを切り替える。切替部14は、吐水部12と別に設けてもよいし、吐水部12に設けてもよい。
【0026】
電磁弁16は、切替部14に接続されるとともに、給水管などの給水源に接続される。電磁弁16を開状態とすることにより、吐水部12から水が吐出され、電磁弁16を閉状態とすることにより、吐水部12からの水の吐出が停止される。
【0027】
電波センサ18は、被検知体を検知して検知信号を出力する。電波センサ18は、例えば、吐水部12の前方に差し出された使用者の手などを被検知体として検知する。電波センサ18は、例えば、マイクロ波センサである。電波センサ18は、マイクロ波を送信し、使用者の手などの被検知体で反射した反射波を受信し、送信波と受信波との位相差や周波数差を計測することにより、物体が電波センサ18に対して接近方向か離れる方向かのどちらに移動しているかや物体の移動速度などを検知する。電波センサ18から出力される検知信号は、例えば、ドップラー信号である。
【0028】
電波センサ18の送信するマイクロ波の周波数はGHz(ギガヘルツ)帯が好ましく、例えば、10.50GHz以上10.55GHz以下である。
【0029】
また、電波センサ18は、放射される電波の少なくとも一部が、第1吐水口31から吐水された吐水流、及び各第2吐水口32の少なくとも一部から吐水された吐水流に当たるように配置される。すなわち、電波センサ18は、第1吐水口31からの吐水流、又は第2吐水口32からの吐水流に向けて電波を照射し、吐水流により反射した電波を受信する。
【0030】
制御部20は、電磁弁16及び電波センサ18と電気的に接続されている。制御部20は、電波センサ18からの検知信号に基づいて、電磁弁16の開閉を制御することにより、吐水部12からの吐止水を制御する。
【0031】
図2(a)〜
図2(d)は、検知信号の一例を表すグラフ図である。
図2(a)は、第1吐水形態において電波センサ18の検知領域内に被検知体が無い時の検知信号DSの一例を表す。すなわち、
図2(a)は、使用者が手などを差し出していない状態で第1吐水口31から吐水が行われている時の検知信号DSの一例を表す。
【0032】
図2(b)は、第1吐水形態において電波センサ18の検知領域内に被検知体が有る時の検知信号DSの一例を表す。すなわち、
図2(b)は、第1吐水口31からの吐水で使用者が手洗いなどを行っている時の検知信号DSの一例を表す。
【0033】
図2(c)及び
図2(d)は、使用者が手などを差し出していない状態で各第2吐水口32から吐水が行われている時の検知信号DSの一例を表す。なお、
図2(a)〜
図2(d)において、横軸は、時間であり、縦軸は、電圧である。
【0034】
図2(a)〜
図2(d)に表したように、検知信号DSは、波状に振動する信号である。検知信号DSは、例えば、電波センサ18の送信波と受信波との差分の信号である。使用者が手洗いなどを行うと、吐水流の乱れや使用者の手の動きにより、反射波が乱れ、送信波と受信波との差分が大きくなる。すなわち、
図2(a)及び
図2(b)に表したように、手洗いなどを行っている場合には、行っていない場合と比べて検知信号DSの振幅が大きくなる。
【0035】
制御部20は、第1吐水形態の時は、検知信号DSの振幅値に対して第1閾値th1を設定する。制御部20は、例えば、電波センサ18が出力する検知信号DSの振幅の中心に対して正側及び負側に第1閾値th1を設定する。換言すれば、制御部20は、検知信号DSの振幅値に対して第1上限値と第1下限値とを設定する。
【0036】
第1閾値th1は、被検知体が無い状態で吐水部12から第1吐水形態の吐水が行われている時に、検知信号DSが第1閾値th1未満となる大きさに設定される。そして、第1閾値th1は、被検知体が有る状態の時に、検知信号DSが第1閾値th1以上となる大きさに設定される。
【0037】
制御部20は、検知信号DSが第1閾値th1未満の状態から第1閾値th1以上の状態となった場合に、電磁弁16を開状態にして吐水部12からの吐水を行う。そして、制御部20は、検知信号DSが第1閾値th1以上の状態から第1閾値th1未満の状態となった場合に、電磁弁16を閉状態にして吐水部12からの吐水を停止させる。これにより、使用者の手を差し出す動作などに応答して、吐水部12からの吐止水が自動的に切り替えられる。
【0038】
シャワー吐水などの第2吐水形態では、整流吐水などの第1吐水形態に比べて、反射波が乱れやすくなる。従って、第2吐水形態で吐水部12から吐水した時の検知信号DSは、第1吐水形態で吐水部12から吐水した時の検知信号DSよりも大きくなる。
【0039】
なお、第2吐水形態は、シャワー吐水や泡沫シャワー吐水に限ることなく、吐水流の乱れなどにより、上記のように検知信号DSが第1吐水形態よりも大きくなる任意の吐水形態でよい。また、第1吐水形態は、整流吐水や泡沫吐水に限ることなく、任意の吐水形態でよい。第1吐水形態は、必ずしも1つの吐水口から吐水する吐水形態に限ることなく、複数の吐水口から吐水する吐水形態でもよい。第2吐水形態は、複数の吐水口から吐水する吐水形態に限ることなく、1つの吐水口から吐水する吐水形態でもよい。
【0040】
このため、
図2(c)に表したように、被検知体が無い状態で吐水部12から第2吐水形態の吐水が行われている時に、検知信号DSに対して第1閾値th1を設定すると、被検知体が無いにも関わらず、検知信号DSが第1閾値th1を超えてしまう場合がある。すなわち、使用者が自動水栓10から離れた後にも、吐水部12から水が出たままとなってしまう可能性がある。
【0041】
このため、制御部20は、第2吐水形態の時は、検知信号DSの振幅値に対して第2閾値th2を設定する。制御部20は、例えば、検知信号DSの振幅値に対して第2上限値と第2下限値とを設定する。第2閾値th2は、第1閾値th1よりも高い。正弦波状の送信波の振幅の中心に対して正側及び負側に閾値を設定する場合、第2閾値th2の絶対値は、第1閾値th1の絶対値よりも高い。
【0042】
第2閾値th2は、被検知体が無い状態で吐水部12から第2吐水形態の吐水が行われている時に、検知信号DSが第2閾値th2未満となる大きさに設定される。そして、第2閾値th2は、被検知体が有る状態の時に、検知信号DSが第2閾値th2以上となる大きさに設定される。
【0043】
制御部20は、例えば、第1閾値th1に基づいて吐水を開始した後、吐水部12からの吐水が第1吐水形態であるか第2吐水形態であるかを、検知信号DSを基に判定し、吐水部12の止水の制御を切り替える。
【0044】
例えば、第2吐水形態で手洗いなどを行った場合には、第1吐水形態で手洗いなどを行った場合よりも検知信号DSが大きくなる。このため、制御部20は、例えば、第1閾値th1以上となって吐水を開始した後、検知信号DSが所定値以上か否かを判定し、所定値未満である場合には、第1吐水形態と判定し、所定値以上である場合には、第2吐水形態と判定する。
【0045】
制御部20は、第1吐水形態と判定した場合には、上述のように、第1閾値th1を設定し、検知信号DSが第1閾値th1未満となった場合に、電磁弁16を閉状態にして吐水部12からの吐水を停止させる。そして、制御部20は、第2吐水形態と判定した場合には、第2閾値th2を設定し、検知信号DSが第2閾値th2未満となった場合に、電磁弁16を閉状態にして吐水部12からの吐水を停止させる。
【0046】
なお、吐水開始を判定する閾値は、第1閾値th1でもよいし、第2閾値th2でもよい。例えば、前回の止水時に用いた第1閾値th1又は第2閾値th2を、次の吐水開始の判定に用いてもよいし、止水開始の判定には、第1閾値th1のみを用いてもよい。また、吐水開始の判定専用として、第1閾値th1、第2閾値th2とは別の第3閾値th3を用いてもよい。
【0047】
図3は、第1の実施形態に係る自動水栓の動作を表すフローチャートである。
図3に表したように、自動水栓10の制御部20は、吐水判定制御を開始すると、検知信号DSの振幅が、第1閾値th1以上か否かを判定する(
図3のステップS1、S2)。使用者は、自動水栓10を利用する場合、手などを吐水部12の前に差し出す。この際、使用者は、必要に応じて切替部14を操作することにより、第1吐水形態と第2吐水形態とを切り替える。
【0048】
制御部20は、検知信号DSの振幅が第1閾値th1以上であると判定すると、電磁弁16を閉状態から開状態に切り替え、吐水部12からの吐水を開始する(
図3のステップS3)。この際、切替部14で第1吐水形態が選択されている場合には、第1吐水口31から水が吐出されて第1吐水形態での吐水が実行され、第2吐水形態が選択されている場合には、各第2吐水口32から水が吐出されて第2吐水形態での吐水が実行される。
【0049】
制御部20は、吐水を開始すると、続いて止水判定制御を開始する(
図3のステップS4)。制御部20は、止水判定制御を開始すると、検知信号DSを基に、吐水部12からの吐水が第1吐水形態であるか第2吐水形態であるかを判定する(
図3のステップS5)。
【0050】
制御部20は、第1吐水形態であると判定すると、検知信号DSの振幅値に対して第1閾値th1を設定する(
図3のステップS6)。そして、制御部20は、検知信号DSの振幅値が第1閾値th1未満になったか否かを判定する(
図3のステップS7)。
【0051】
制御部20は、検知信号DSの振幅値が第1閾値th1以上であると判定した場合には、被検知体が有ると判断し、吐水部12からの吐水を継続させる。
【0052】
一方、制御部20は、検知信号DSの振幅値が第1閾値th1未満であると判定した場合には、検知信号DSの振幅値が第1閾値th1未満の状態が、第1時間継続されたか否かを判定する(
図3のステップS8)。
【0053】
制御部20は、第1時間の経過の前に検知信号DSの振幅値が再び第1閾値th1以上になった場合には、止水を行うことなく、吐水部12からの吐水を継続させる。そして、制御部20は、第1時間が経過した場合には、被検知体が無いと判断し、電磁弁16を開状態から閉状態に切り替え、吐水部12からの吐水を停止する(
図3のステップS9)。
【0054】
制御部20は、ステップS5において、第2吐水形態であると判定した場合、検知信号DSの振幅値に対して第2閾値th2を設定する(
図3のステップS10)。そして、制御部20は、検知信号DSの振幅値が第2閾値th2未満になったか否かを判定する(
図3のステップS11)。
【0055】
制御部20は、検知信号DSの振幅値が第2閾値th2以上であると判定した場合には、被検知体が有ると判断し、吐水部12からの吐水を継続させる。
【0056】
一方、制御部20は、検知信号DSの振幅値が第2閾値th2未満であると判定した場合には、検知信号DSの振幅値が第2閾値th2未満の状態が、第2時間継続されたか否かを判定する(
図3のステップS12)。
【0057】
制御部20は、第2時間の経過の前に検知信号DSの振幅値が再び第2閾値th2以上になった場合には、止水を行うことなく、吐水部12からの吐水を継続させる。そして、制御部20は、第2時間が経過した場合には、被検知体が無いと判断し、電磁弁16を開状態から閉状態に切り替え、吐水部12からの吐水を停止する(
図3のステップS9)。
【0058】
第2時間は、第1時間よりも長い。すなわち、制御部20は、第2吐水形態の時は、第1吐水形態の時よりも止水の判定時間を長く設定する。
【0059】
第2吐水形態では、第1吐水形態よりも検知信号DSの振幅値の変動が大きく、被検知体が有る状態においても、検知信号DSの振幅値が一時的に第2閾値未満となってしまう可能性が有る。制御部20は、第2吐水形態の時は、第1吐水形態の時よりも止水の判定時間を長く設定する。これにより、吐水部12からの吐水が意図せず止まってしまうことを抑制することができる。
【0060】
このように、制御部20は、第2時間を第1時間よりも長くする。従って、自動水栓10では、第2吐水形態において被検知体が電波センサ18の検知領域から出てから、吐水部12が止水されるまでの時間が、第1吐水形態において被検知体が電波センサ18の検知領域から出てから、吐水部12が止水されるまでの時間よりも長くなる。
【0061】
制御部20は、吐水部12からの吐水を停止させた場合には、ステップS1の動作に戻り、以下同様の処理を繰り返す。
【0062】
以上、説明したように、本実施形態に係る自動水栓10では、第1吐水形態と第2吐水形態とで止水の制御を切り替えることができるので、第1吐水形態と第2吐水形態とを切り替えた場合においても、電波センサ18による検知によって、適切に止水の制御を行うことができる。従って、自動水栓10の誤吐水を抑制することができる。
【0063】
また、自動水栓10では、第1吐水形態の時には第1閾値th1を設定し、第2吐水形態の時には第2閾値th2を設定することにより、第1吐水形態と第2吐水形態とを切り替えた場合にも、より確実に止水の制御を行うことができる。
【0064】
例えば、シャワー吐水などの第2吐水形態の時に、検知信号DSの振幅値に対して第1閾値th1を設定すると、吐水が開始された後、使用者が自動水栓10から離れた後にも検知信号DSの振幅値が第1閾値th1以上となって、止水できなくなってしまう可能性がある。反対に、整流吐水などの第1吐水形態の時に、検知信号DSの振幅値に対して第2閾値th2を設定すると、使用者が手洗いなどを行っている最中にも関わらず、検知信号DSの振幅値が一時的に第2閾値th2未満となって、意図せず吐水が停止してしまう可能性がある。自動水栓10では、第1閾値th1と第2閾値th2とを切り替えることにより、こうした誤吐水をより確実に抑制することができる。
【0065】
また、自動水栓10では、第2吐水形態において止水されるまでの時間を長くすることにより、第2吐水形態における止水の制御をより正確に行うことができる。例えば、吐水部12からの吐水が意図せず止まってしまうことを抑制することができる。
【0066】
また、自動水栓10では、制御部20が、吐水部12からの吐水が第1吐水形態であるか第2吐水形態であるかを、検知信号DSを基に判定する。これにより、第1吐水形態及び第2吐水形態の止水の制御を確実に切り替えることができる。また、判定に検知信号を用いることにより、部品点数の増加を抑えることができる。例えば、自動水栓10の製造コストを抑えることができる。
【0067】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る自動水栓を表すブロック図である。
図4に表したように、自動水栓50は、検知部52をさらに備える。なお、上記第1の実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0068】
検知部52は、切替部14による第1吐水形態と第2吐水形態との切り替えを検知する。検知部52は、制御部20と電気的に接続されている。検知部52は、切替部14の切り替えの検知結果を制御部20に入力する。検知部52は、例えば、機械式のスイッチ、光学センサ、又は磁気センサなど、切替部14により吐水形態の切り替えを検知可能な任意のスイッチやセンサなどでよい。
【0069】
制御部20は、検知部52の検知結果を基に、吐水部12の止水の制御を切り替える。制御部20は、例えば、検知部52によって第1吐水形態が検知された場合には、検知信号DSの振幅値に対して第1閾値th1を設定して止水の制御を行い、検知部52によって第2吐水形態が検知された場合には、検知信号DSの振幅値に対して第2閾値th2を設定して止水の制御を行う。
【0070】
本実施形態に係る自動水栓50では、制御部20が、検知部52の検知結果を基に、吐水部12の止水の制御を切り替える。この場合にも、第1吐水形態及び第2吐水形態の止水の制御を確実に切り替えることができる。このように、第1吐水形態及び第2吐水形態は、検知信号DSを基に検知してもよいし、検知部52によって検知してもよい。
【0071】
上記各実施形態では、検知信号DSの振幅値に対して第1閾値th1及び第2閾値th2を設定している。これに限ることなく、例えば、検知信号DS(ドップラー信号)の分散値に対して第1閾値th1及び第2閾値th2を設定し、吐水部12の止水を制御してもよい。分散値とは、より詳しくは、所定時間の間における検知信号DSの振幅の変動を表す値である。検知信号DSの分散値は、被検知体が電波センサ18に接近し、検知信号DSの振幅の変動が大きくなるにつれて大きくなる。従って、検知信号DSの分散値に対して第1閾値th1及び第2閾値th2を設定した場合にも、振幅値の場合と同様に、適切に止水の制御を行い、誤吐水を抑制することができる。
【0072】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、自動水栓10、50などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。