(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、近年ではセキュリティの重要性が高まっており、端末のログイン認証、タイムカードなどの勤怠管理の認証、プリンタ認証、社員食堂などの福利厚生施設等で使用する認証など個人を認証する必要性も高まっている。
【0009】
しかし、生体認証は非常に高額な装置であり、全ての通行扉に設置することや、セキュリティレベルの低い通行扉に高額な生体認証装置を設置することは、設備費用の大きな負担となっていた。まして端末のログイン認証などで使用する個人認証に生体認証を利用することはありえなかった。
【0010】
実際このような個人認証はIC(Integrated circuit)カードなどの認証媒体を用いて行われており、認証媒体の管理は個人に任されていることが多い。しかし、簡単に持ち帰ることができてしまうので、通勤途中での紛失や盗難などの危険性が問題視されていた。
【0011】
また認証媒体管理装置などを用いて厳重に認証媒体を管理することも考えられるが、通行錠、カードキー、認証媒体と管理対象物が増えてしまい、管理が煩雑化してしまうことで業務効率が悪化してしまう問題もあった。
【0012】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、高額でセキュリティレベルの高い通行錠と、低セキュリティの人が利用する鍵や認証媒体として機能するRFタグ(Radio Frequencyタグ)とを一体管理できる鍵管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では上記問題を解決するために、利用者が情報媒体を所持することで施解錠できる通行扉と利用者が所持する鍵で施解錠できる通行扉とを有する閉鎖施設で利用する情報媒体および鍵の管理装置において、タイムカードの認証、端末ログイン認証、プリンタ認証、福利厚生の認証等の認証媒体として利用でき、非接触で読み書き可能な前記情報媒体としても利用可能なRFタグを内部に備え、かつ前記鍵が連結されるキーホルダと、
前記キーホルダが挿入される鍵保管ユニットと、前記鍵保管ユニットを複数備える鍵管理装置本体と、前記RFタグから情報を受信するための受信機と、前記RFタグから受信した情報をもとに前記キーホルダの貸出を管理する貸出管理手段とを備えることを特徴とする鍵管理装置が提供される。
【0014】
これにより、鍵が連結されるキーホルダが、端末ログイン認証、タイムカードの認証、プリンタ認証、福利厚生の認証等の認証媒体として利用でき、非接触で読み書き可能な前記情報媒体としても利用可能なRFタグを内部に備え、鍵保管ユニットにキーホルダが挿入され、鍵管理装置本体が、鍵保管ユニットを複数備え、受信機が、RFタグから情報を受信し、貸出管理手段が、RFタグから受信した情報をもとにキーホルダの貸出を管理する。
【0015】
また、本発明では、利用者が情報媒体を所持することで施解錠できる通行扉と利用者が所持する鍵で施解錠できる通行扉とを有する閉鎖施設で利用する情報媒体および鍵の管理方法において、端末ログイン認証、タイムカードの認証、プリンタ認証、福利厚生の認証等の認証媒体として利用でき、非接触で読み書き可能な前記情報媒体としても利用可能なRFタグを内部に備えたキーホルダが、鍵保管ユニットに挿入される工程と、複数の前記鍵保管ユニットを備える鍵管理装置本体に備えられた受信機が、前記RFタグから情報を受信する工程と、貸出管理手段が前記RFタグから受信した情報をもとに前記キーホルダの貸出を管理する工程とを備えることを特徴とする鍵管理方法が提供される。
【0016】
これにより、端末ログイン認証、タイムカードの認証、プリンタ認証、福利厚生の認証等の認証媒体として利用でき、非接触で読み書き可能な前記情報媒体としても利用可能なRFタグを内部に備えたキーホルダが、鍵保管ユニットに挿入され、複数の前記鍵保管ユニットを備える鍵管理装置本体に備えられた受信機が、RFタグから情報を受信し、貸出管理手段が、RFタグから受信した情報をもとにキーホルダの貸出を管理する。
【0017】
また、本発明では、利用者が情報媒体を所持することで施解錠できる通行扉と利用者が所持する鍵で施解錠できる通行扉とを有する閉鎖施設で利用する情報媒体および鍵の管理装置を含む鍵管理システムにおいて、端末ログイン認証、タイムカードの認証、プリンタ認証、福利厚生の認証等の認証媒体として利用でき、非接触で読み書き可能な前記情報媒体としても利用可能なRFタグを内部に備え、かつ前記鍵が連結されるキーホルダと、
前記キーホルダが挿入される鍵保管ユニットと、前記鍵保管ユニット毎に備えられ、前記情報媒体から情報を受信するための受信機と、前記鍵保管ユニット毎に備えられ、隣接する前記鍵保管ユニットに備えられた前記受信機から出力される電波を遮るための遮断部と、前記鍵保管ユニットを複数備える鍵管理装置本体と、前記情報媒体から受信した情報をもとに前記キーホルダの貸出を管理する貸出管理手段と、を備えることを特徴とする鍵管理装置と、前記利用者が前記閉鎖施設から退出する際に、前記キーホルダが返却されない場合に前記利用者に警告を行う警告手段とを備えることを特徴とする鍵管理システムが提供される。
【0018】
これにより、鍵が連結されるキーホルダが、端末ログイン認証、タイムカードの認証、プリンタ認証、福利厚生の認証等の認証媒体として利用でき、非接触で読み書き可能な前記情報媒体としても利用可能なRFタグを内部に備え、鍵保管ユニットにキーホルダが挿入され、鍵管理装置本体が、鍵保管ユニットを複数備え、受信機が、RFタグから情報を受信し、貸出管理手段が、RFタグから受信した情報をもとにキーホルダの貸出を管理し、利用者が閉鎖施設から退出する際に、キーホルダが返却されない場合に利用者に警告を行う。
【発明の効果】
【0019】
本発明の情報媒体および鍵の管理装置、鍵管理方法、および鍵管理システムによれば、鍵が連結されるキーホルダが、端末ログイン認証、タイムカードの認証、プリンタ認証、福利厚生の認証等の認証媒体として利用でき、非接触で読み書き可能な前記情報媒体としても利用可能なRFタグを内部に備え、鍵保管ユニットにキーホルダが挿入され、鍵管理装置本体が、鍵保管ユニットを複数備え、受信機が、RFタグから情報を受信し、貸出管理手段が、RFタグから受信した情報をもとにキーホルダの貸出を管理するので、高額でセキュリティレベルの高い通行錠と、低セキュリティの人が利用する鍵を一体管理でき、RFタグを内部に備えるキーホルダで個人認証が行え、かつキーホルダの紛失や持帰りを未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本実施の形態に係る鍵管理装置の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、鍵管理装置100は、鍵管理装置本体110、キーホルダ120、通行錠130、鍵保管ユニット140、および貸出管理部150を備えている。
【0022】
鍵管理装置本体110は、非常に取扱が厳しい通行錠130を保管する箱体であり、外部からの衝撃に耐えられる強固かつ重量を備えた筐体である。鍵管理装置本体110の前面には、複数の挿入部111が形成され、各挿入部111には鍵保管ユニット140が挿入され固定されている。
【0023】
鍵保管ユニット140には差込口141が形成され、通行錠130を連結したキーホルダ120が差し込まれている。鍵保管ユニット140に差し込まれたキーホルダ120は、鍵保管ユニット140内部で確実にロックされる。また利用者に通行錠130の貸出権限の権限がある場合のみロックが解除され、キーホルダ120および通行錠130が利用できるようになる。
【0024】
また鍵管理装置本体110の鍵保管ユニット140が挿入されている面には、貸出管理部150が備えられる。貸出管理部150は生体認証部151、テンキー操作部152およびブザー部153を備える。生体認証部151は、手のひらや指先の静脈パターンにより本人認証を行う静脈認証方式を採用したものであり、利用者が手のひらや指先を生体認証部151にかざすことで利用者が識別される。この生体認証部151で識別された利用者によって、許可された通行錠130が貸し出される。また通行錠130を返却する際に利用することもできる。
【0025】
また貸出管理部150はカレンダー機能を備えることもでき、生体認証部151で識別された利用者を日付や時間帯によって通行錠130の貸出を制御することもできる。また、通行錠130の貸出や返却時間、認証情報を記録し、ログ情報を取得する機能を備えることもできる。
【0026】
テンキー操作部152は、認証登録がされていないなど生体認証部151が利用できない場合など、テンキー操作部152を利用してあらかじめ決められた番号を入力することで通行錠130が貸し出される。
【0027】
またブザー部153は、利用者に警告を行うものであり、生体認証部151で認証されない場合、テンキー操作部152での入力操作の誤り、鍵保管ユニット140へのキーホルダ120の挿入位置間違いなどが生じた際などに、利用者に音で警告を行うことができる。
【0028】
また各鍵保管ユニット140が挿入された挿入部111の上部にはランプ112が備えられている。貸出管理部150で認証が行われ、利用者に通行錠130の貸出が許可が与えられると、貸出許可された通行錠130が保管された鍵保管ユニット140の上部に備えられたランプ112のみが点灯する。これにより、利用者は目的の通行錠130がどこに保管されているか素早く把握することができる。
【0029】
通行錠130を返却する際も、返却するべき鍵保管ユニット140の位置をランプ112が点灯することで利用者に返却位置を示すことができる。これにより、利用者が借りるべき通行錠130の位置、および返却するべき通行錠130の位置を素早く把握することができ、通行錠130の貸借をスムーズに行うことができる。
【0030】
図2は、第1の実施の形態におけるキーホルダおよび通行錠の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、キーホルダ120は差込部121、キー取付部122、RFタグ123、蓋124、溝部125、ロック穴126、および持ち手部127が備えられる。
【0031】
差込部121は、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)などの樹脂材料などの板部材から形成されている。また差込部121の一方の端部には持ち手部127が設けられ、差込部121よりも大きく形成されている。持ち手部127には、強度の高い金属で環状に形成されたキー取付部122がキー取付部122の一部を残して差込部121に埋め込まれている。キー取付部122の差込部121から突出した部分には、直接または図示しないキーリング等を介して通行錠130が連結される。
【0032】
差込部121の中央内部にはRFタグ123(Radio Frequencyタグ)が埋め込まれ、蓋124がエポキシ樹脂などの接着剤で確実に固定されている。RFタグ123は、電磁波を用いてRFタグ123に内蔵されたメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体であり、RFID技術(Radio Frequency IDentification技術)に用いられるものであって、ユニークIDなどが記録されている。
【0033】
また、RFタグ123は、後述するRFIDアンテナ部144が発する電波をエネルギー源として動作するパッシブタグであり、通信可能距離は数cm程度に制限されている。
【0034】
尚、このRFタグ123と近接読み取りリーダを備えた端末を利用することで、端末ログイン認証を容易に行うことができる。他にも、入退出管理、勤怠管理、インターロック、プリンタ認証、福利厚生施設の個人認証なども利用することができる。
【0035】
溝部125は差込部121の長手方向上部に直線状に設けられる。この溝部125はキーホルダ120を挿入する鍵保管ユニット140に設けられた差込口141の挿入方向上部に設けられた凸部に沿って挿入することがきる。これによりキーホルダ120を差込口141に差し込む際に上下逆に差し込むことを防止することができる。このように溝部125を設けることで、キーホルダ120を鍵保管ユニット140に逆に差し込んだ際に生じるキーホルダ120や鍵保管ユニット140の破損を防ぐことができる。また、鍵保管ユニット140にキーホルダ120が一方向からしか挿入されないので、鍵保管ユニット140の内部構造を単純化させることができる。
【0036】
差込部121のキー取付部122と反対側には、差込部121の上面から下面に連通するロック穴126が設けられる。ロック穴126は、鍵保管ユニット140に備えられる固定機構がロック穴126に挿入されることにより確実にキーホルダ120が鍵保管ユニット140に固定される。
【0037】
図3は、鍵保管ユニットの構成および鍵保管ユニットにキーホルダが挿入された様子を示す側面図である。
図3に示すように、鍵保管ユニット140は差込口141、凸部142、ロック棒143、RFIDアンテナ部144、および遮断部145を備える。
【0038】
鍵保管ユニット140は、鍵管理装置本体110に挿入され固定される箱型形状をしており、前面にはキーホルダ120が差し込まれる差込口141が形成される。差込口141の内側上部には凸部142が形成され、キーホルダ120の差込部121に形成された溝部125が凸部142に沿ってキーホルダ120が鍵保管ユニット140に挿入される。
【0039】
差込口141の差込方向奥には、キーホルダ120を完全に挿入した際におけるロック穴126に、ロック穴126の上方から下方に向けて挿入可能な強固な金属で形成された棒状のロック棒143が備えられている。キーホルダ120が鍵保管ユニット140に挿入された後に、このロック棒143がロック穴126に挿入されることにより、権限のない利用者が、キーホルダ120を鍵保管ユニット140から抜き取ることを防止することができる。また権限のある利用者が認証されることにより、ロック棒143がロック穴126より引き抜かれ、キーホルダ120を鍵保管ユニット140から引き抜くことでキーホルダ120を利用することができる。
【0040】
鍵保管ユニット140の側面、かつキーホルダ120を完全に挿入した際におけるキーホルダ埋め込まれた120にRFタグ123の位置には、RFIDアンテナ部144が備えられる。鍵保管ユニット140にキーホルダ120が挿入されることにより、RFIDアンテナ部144は、キーホルダ120内部に埋め込まれたRFタグ123の情報を読み書きすることができる。この情報を貸出管理部150が制御および管理し、パソコンなどを利用して鍵の貸し出し状況などを把握することができる。
【0041】
尚、RFタグ123およびRFIDアンテナ部144を利用したRFID技術は、非接触でRFタグ123に記録された情報を読み書きできるので、接触不良により情報が読み取れないなどの問題が発生しない。また、非接触で読み書きできるので、利用者が汗などの水分や静電気などによる記録データの損失を防止することができる。
【0042】
鍵保管ユニット140の側面かつRFIDアンテナ部144が設置される反対側には、遮断部145が備えられている。遮断部145は、RFIDアンテナ部144が発する電波を遮断するための金属性の板で形成されている。鍵管理装置本体110には、鍵保管ユニット140が隣接して設置されており、鍵保管ユニット140に備えられるRFIDアンテナ部144が、隣接するRFIDアンテナ部144と干渉しないように、RFIDアンテナ部144が発する電波を遮断部145が遮断している。
【0043】
尚、RFIDアンテナ部144は、鍵保管ユニット140に設置された遮断部145を超えて隣接された鍵保管ユニット140に挿入されるキーホルダ120内部のRFタグ123を感知しない周波数で出力することが望ましい。このように短距離対応のRFタグ123と、遮断部145により通信距離を制限されたRFIDアンテナ部144を用いることで、鍵保管ユニット140の内部でのみRFタグ123とRFIDアンテナ部144が通信できる。
【0044】
図4は、施設内に設置された鍵管理措置を利用した施設の構成例を示す図である。
図4に示すように、施設は部屋A、部屋B、および部屋Cで構成されている。各部屋の間は壁で仕切られており、各壁には通行扉10B、および通行扉10Cが設けられている。また各扉には電気的に施解錠を行える電気錠20B、および電気錠20Cで各通行扉の施解錠が行われている。また、通行扉10Bを挟んで両側の壁付近には、例えばUHF(Ultra High Frequency)電波などを用いた電波方式でRFタグ123の情報を読み書きすることができるアンテナ31〜アンテナ33が設置されており、そのアンテナ31〜アンテナ33にキーホルダ120の内部に埋め込まれたRFタグ123を接触または近接させることでRFタグ123の情報を読み書きすることができる。また各電気錠および各アンテナは部屋B内に設置されたゲートコントローラ40に接続され、ゲートコントローラ40が各電気錠の施解錠を制御している。このゲートコントローラ40は施設内に配設されるネットワーク50に接続されている。
【0045】
また電気錠20Cは通行錠130を使用することでのみ解錠される通行扉であり、通行扉10Cを挟んで両側の壁付近にはアンテナは設置されていない。
【0046】
部屋A内には鍵管理装置100が設置されており、ネットワーク50に接続されている。また部屋B内にはネットワーク50に接続された管理PC60が設置されており、同じくネットワーク50に接続されたゲートコントローラ40、および鍵管理装置100の情報を管理PC60が管理している。
【0047】
次に、刑務官が鍵管理装置100を利用して施設内を通過する手順を説明する。
まず刑務官は、部屋A内に設置された鍵管理装置100より生体認証部151で認証を受け、鍵保管ユニット140より権限を与えられた通行錠130の連結したキーホルダ120が貸し出される。
【0048】
尚、刑務官が鍵管理装置100を利用してキーホルダ120が貸し出されると同時に、イントラネット50に接続された管理PC60で勤怠管理を行うこともできる。これにより、キーホルダ120の貸し出しと、勤怠管理を同時に行うことができ、始業時間等の混雑を緩和することができる。
【0049】
キーホルダ120を所持した刑務官は、刑務官が所持するキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123をアンテナ32に接触または近接させることで、アンテナ32がRFタグ123の情報を読み取り、ゲートコントローラ40が電気錠20Bを解錠させる。これにより刑務官は通行扉10Bを通過することができる。
【0050】
この時、刑務官が鍵管理装置100で認証されない場合は、キーホルダ120が刑務官に貸し出されない。つまりアンテナ32がキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123の情報を読み取ることができないので電気錠20Bは解錠されない。従って刑務官は、通行扉10Bを通過することができない。
【0051】
次に刑務官が部屋Bから部屋Cに行くためには、通行錠130を使用して通行扉10Cを通過しなくてはならない。ここでは刑務官は通行錠130が連結されたキーホルダ120を貸し出されているので、刑務官は通行錠130を使用して電気錠20Cを解錠し、通行扉10Cを通過することができる。
【0052】
次に、一般業者が鍵管理装置100を利用して施設内を通過する手順を説明する。
まず一般業者は、部屋A内に設置された鍵管理装置100より生体認証部151で認証を受け、権限を与えられた鍵保管ユニット140より通行錠130の連結していないキーホルダ120が貸し出される。
【0053】
キーホルダ120を所持した一般業者は、一般業者が所持するキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123をアンテナ32に接触または近接させることで、アンテナ32がRFタグ123の情報を読み取り、ゲートコントローラ40が電気錠20Bを解錠させる。これにより一般業者は通行扉10Bを通過することができる。
【0054】
この時、一般業者が鍵管理装置100で認証されない場合は、キーホルダ120が一般業者に貸し出されない。つまりアンテナ32がキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123の情報を読み取ることができないので電気錠20Bは解錠されない。従って一般業者は、通行扉10Bを通過することができない。
【0055】
次に一般業者が部屋Bから部屋Cに行くためには、通行錠130を使用して通行扉10Cを通過しなくてはならない。しかし、ここでは一般業者が所持するキーホルダ120には通行錠130が連結されていないので、一般業者は通行錠130を使用して電気錠20Cを解錠することができず、通行扉10Cを通過することができない。
【0056】
次に、施設内で業務を終えた刑務官が施設内を通過し、貸し出されたキーホルダ120を鍵管理装置100に返却するまでの手順を説明する。
刑務官は部屋Cから部屋Bに進入するために通行錠130を利用して通行扉10Cを通過する。次に、刑務官が所持するキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123をアンテナ33に接触または近接させることで、アンテナ33がRFタグ123の情報を読み取り、ゲートコントローラ40が電気錠20Bを解錠させる。これにより刑務官は通行扉10Bを通過することができる。その後刑務官は、部屋A内に設置された鍵管理装置100に貸し出されたキーホルダ120を返却する。
【0057】
次に、施設内で業務を終えた一般業者が施設内を通過し、貸し出されたキーホルダ120を鍵管理装置100に返却するまでの手順を説明する。
一般業者は、通行錠130を所持していないので部屋Bより先には進入しておらず、部屋B内で業務を終え、一般業者が所持するキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123をアンテナ33に接触または近接させることで、アンテナ33がRFタグ123の情報を読み取り、ゲートコントローラ40が電気錠20Bを解錠させる。これにより一般業者は通行扉10Bを通過することができる。その後一般業者は、部屋A内に設置された鍵管理装置100に貸し出されたキーホルダ120を返却する。
【0058】
以上のように、鍵管理装置100および鍵管理装置100を鍵管理システムを利用することで、高額でセキュリティレベルの高い通行錠と、低セキュリティの人が利用する鍵として機能するRFタグ123とを一体管理することができる。
【0059】
また、交信距離の短い電磁波を利用したカードリーダーを各部屋に配置し、刑務官が巡回する際にRFタグ123が埋め込まれたキーホルダ120をカードリーダーに確実に接触または近接させて管理することで、巡回漏れを防止することができる。
【0060】
また巡回時における各通行扉の通過時間をログ管理をPC60等で管理することもできる。更に、通過時間に制限を設定することや、監視を行うことでキーホルダ120を所持した利用者が途中で倒れているなど、異常を判断することができる。
【0061】
また、施設内の各分岐地点にカードリーダーを設置することで、経路案内をすることもできる。
【0062】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の鍵管理措置を利用した鍵管理システムは、キーホルダ120内部に埋め込まれるRFIDの仕様が異なる以外は、第1の実施の形態と同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
【0063】
図5は、第1の実施の形態におけるキーホルダおよび通行錠の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、キーホルダ120は差込部121、キー取付部122、RFタグ123、RFタグ128、蓋124、溝部125、ロック穴126、および持ち手部127が備えられる。
【0064】
差込部121の中央内部にはRFタグ123およびRFタグ128が埋め込まれ、蓋124がエポキシ樹脂などの接着剤で確実に固定されている。
【0065】
RFタグ123は、RFIDアンテナ部144が発する電波をエネルギー源として動作するパッシブタグであり、通信可能距離は数cm程度に制限されている。また、RFタグ128は、図示しない電池を内蔵し、通信時に自らの電力で電波を発するアクティブタグであり、通信可能距離は1〜100m程度である。
【0066】
また鍵保管ユニット140が備えるRFIDアンテナ部144は、RFタグ123のみを受信する周波数で電波が発信され、RFタグ128が発する電波を受信することはない。
【0067】
このように、通信可能距離が短いRFタグ123と、通信可能距離が長いRFタグ128とを併設することで両者の特性を活かしたシステムを提供することができる。
【0068】
図6は、施設内に設置された鍵管理措置および鍵管理システムの構成例を示す図である。
図6に示すように、施設は部屋A、部屋B、および部屋Cで構成されている。外部と部屋Aとの間、および各部屋の間は壁で仕切られており、各壁には通行扉10A、通行扉10B、および通行扉10Cが設けられている。また各扉には電気的に施解錠を行える電気錠20A、電気錠20B、および電気錠20Cで各通行扉の施解錠が行われている。また、通行扉10Aおよび通行扉10Bを挟んで両側の壁付近には、例えばUHF電波などを用いた電波方式でRFタグ128の情報を読み書きすることができるアンテナ31〜アンテナ33が設置されており、それぞれのアンテナから数メートルの範囲内にあるキーホルダ120の内部に埋め込まれたRFタグ128の情報を読み書きすることができる。但しここでは、各アンテナは壁を介して隣接された部屋の情報は読み取らないものとする。また各電気錠および各アンテナは部屋B内に設置されたゲートコントローラ40に接続され、ゲートコントローラ40が各電気錠の施解錠を制御している。このゲートコントローラ40は施設内に配設されるネットワーク50に接続されている。
【0069】
また電気錠20Cは通行錠130を使用することでのみ解錠される通行扉であり、通行扉10Cを挟んで両側の壁付近にはアンテナは設置されていない。
【0070】
部屋A内には鍵管理装置100が設置されており、ネットワーク50に接続されている。また部屋B内にはネットワーク50に接続された管理PC60が設置されており、同じくネットワーク50に接続されたゲートコントローラ40、および鍵管理装置100の情報を管理PC60が管理している。
【0071】
次に、刑務官が鍵管理装置100を利用して施設内に進入する手順を説明する。
まず刑務官は外部より通行扉10Aを通過して部屋Aに進入する。この時、刑務官は通行錠130およびカードキーを所持しておらず、通行扉10Aは施錠されていないか、テンキーなどのキー入力、生体認証などで通行扉10Aを通過することができる。
【0072】
次に刑務官は、部屋A内に設置された鍵管理装置100より生体認証部151で認証を受け、鍵保管ユニット140より権限を与えられた通行錠130の連結したキーホルダ120が貸し出される。またキーホルダ120の貸出管理はキーホルダ120内に埋め込まれたRFタグ123によって個別に管理される。
【0073】
キーホルダ120を所持した刑務官は、刑務官が所持するキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ128が自ら発する電波情報をアンテナ32が読み取るか、またはキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123をアンテナ32に接触または近接させることで、アンテナ32がRFタグ123の情報を読み取り、ゲートコントローラ40が電気錠20Bを解錠させる。これにより刑務官は通行扉10Bを通過することができる。
【0074】
この時、刑務官が鍵管理装置100で認証されない場合は、キーホルダ120が刑務官に貸し出されない。つまりアンテナ32がキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123の情報またはRFタグ128が自ら発する電波情報を読み取ることができないので電気錠20Bは解錠されない。従って刑務官は、通行扉10Bを通過することができない。
【0075】
次に刑務官が部屋Bから部屋Cに行くためには、通行錠130を使用して通行扉10Cを通過しなくてはならない。ここでは刑務官は通行錠130が連結されたキーホルダ120を貸し出されているので、刑務官は通行錠130を使用して電気錠20Cを解錠し、通行扉10Cを通過することができる。
【0076】
次に、一般業者が鍵管理装置100を利用して施設内に進入する手順を説明する。
まず一般業者は外部より通行扉10Aを通過して部屋Aに進入する。この時、一般業者は、通行錠130およびカードキーを所持しておらず、通行扉10Aは施錠されていないか、テンキーなどのキー入力で通行扉10Aを通過することができる。
【0077】
次に一般業者は、部屋A内に設置された鍵管理装置100より生体認証部151で認証を受け、権限を与えられた鍵保管ユニット140より通行錠130の連結していないキーホルダ120が貸し出される。
【0078】
キーホルダ120を所持した一般業者は、一般業者が所持するキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ128が自ら発する電波情報をアンテナ32が読み取るか、またはキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123をアンテナ32に接触または近接させることで、アンテナ32がRFタグ123の情報を読み取り、ゲートコントローラ40が電気錠20Bを解錠させる。これにより一般業者は通行扉10Bを通過することができる。
【0079】
この時、一般業者が鍵管理装置100で認証されない場合は、キーホルダ120が一般業者に貸し出されない。つまりアンテナ32がキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123の情報を読み取れないので電気錠20Bは解錠されない。従って一般業者は、通行扉10Bを通過することができない。
【0080】
次に一般業者が部屋Bから部屋Cに行くためには、通行錠130を使用して通行扉10Cを通過しなくてはならない。しかし、ここでは一般業者が所持するキーホルダ120には通行錠130が連結されていないので、一般業者は通行錠130を使用して電気錠20Cを解錠することができず、通行扉10Cを通過することができない。
【0081】
次に、施設内で業務を終えた刑務官が施設から退館するまでの手順を説明する。
刑務官は部屋Cから部屋Bに進入するために通行錠130を利用して通行扉10Cを通過する。次に、刑務官が所持するキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ128が自ら発する電波情報をアンテナ33が読み取るか、またはキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123をアンテナ33に接触または近接させることで、アンテナ33がRFタグ123の情報を読み取り、ゲートコントローラ40が電気錠20Bを解錠させる。これにより刑務官は通行扉10Bを通過することができる。
【0082】
刑務官は、部屋A内に設置された鍵管理装置100に貸し出されたキーホルダ120を返却し通行扉10Aを通過して退館する。この時、アンテナ31は、刑務官が所持するキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ128の有無を確認し、刑務官がキーホルダ120を所持したまま退館しようとした場合は、鍵管理装置100に備えられたブザー部153から警告音を発し、キーホルダ120の返却を促す。または、ゲートコントローラ40が電気錠20Aを施錠させ、刑務官を退館させないようにする。これにより刑務官がキーホルダ120および通行錠130の返却せずに退館してしまうことを防止することができる。
【0083】
次に、施設内で業務を終えた一般業者が施設から退館するまでの手順を説明する。
一般業者は、通行錠130を所持していないので部屋Bより先には進入しておらず、部屋B内で業務を終え、一般業者が所持するキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ128が自ら発する電波情報をアンテナ33が読み取るか、またはキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ123をアンテナ33に接触または近接させることで、アンテナ33がRFタグ123の情報を読み取り、ゲートコントローラ40が電気錠20Bを解錠させる。これにより一般業者は通行扉10Bを通過することができる。
【0084】
一般業者は、部屋A内に設置された鍵管理装置100に貸し出されたキーホルダ120を返却し通行扉10Aを通過して退館する。この時、アンテナ31は、一般業者が所持するキーホルダ120に埋め込まれたRFタグ128の有無を確認し、一般業者がキーホルダ120を所持したまま退館しようとした場合は、鍵管理装置100に備えられたブザー部153から警告音を発し、キーホルダ120の返却を促す。または、ゲートコントローラ40が電気錠20Aを施錠させ、一般業者を退館させないようにする。これにより一般業者がキーホルダ120および通行錠130のせずに退館してしまうことを防止することができる。