【実施例】
【0023】
以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例において、ほうれん草汁および果汁の含有量はいずれもストレート換算の値である。
【0024】
実 施 例 1
ほうれん草汁の青臭さに対するマスキング効果:
ほうれん草濃縮汁(SVZ製、Brix42.4、ストレートBrix5)および下記表1に示した果汁を精製水に溶解して飲料を製造した。ほうれん草濃縮汁はストレート換算で10%、果汁はストレート換算で30%となるように調製した。熟練した5名のパネルにより、これらの飲料の風味を下記評価基準で評価し、評点をつけ、パネル全員の評点の合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。その結果を表1に示した。
【0025】
<マスキング効果評価基準>
評点 内容
3 : ほうれん草汁の青臭さが十分にマスキングされている
2 : ほうれん草汁の青臭さがマスキングされている
1 : ほうれん草汁の青臭さがあまりマスキングされていない
0 : ほうれん草汁の青臭さが全くマスキングされていない
<4段階判定基準>
判定 : 評点の平均点 : 内容
◎:2.25点を超え3点以下 :ほうれん草汁の青臭さが十分にマスキングされ
ている
○:1.5点を超え2.25点以下:ほうれん草汁の青臭さがマスキングされている
△:0.75点を超え1.5点以下:ほうれん草汁の青臭さがあまりマスキングされて
いない
×:0点以上0.75点以下 :ほうれん草汁の青臭さが全くマスキングされてい
ない
【0026】
【表1】
【0027】
以上の結果から、ブドウ(白ブドウ、赤ブドウ)、グレープフルーツ、ストロベリーの果汁は、ほうれん草汁の青臭さに対するマスキング効果が高いことが明らかになった。一方、みかん、パインの果汁では、十分にマスキングできず、青臭さが感じられた。
【0028】
実 施 例 2
ほうれん草汁含有飲料の調製(1):
ほうれん草汁と、果汁としてブドウ果汁を用いて飲料を調製した。ほうれん草汁として、ほうれん草濃縮汁(SVZ製、Brix42.4、ストレートBrix5)を使用した。ブドウ果汁としては、白ブドウ果汁(白ぶどう濃縮果汁:長野サンヨーフーズ製、Brix55、ストレートBrix11)または赤ブドウ果汁(レッドグレープ濃縮果汁:インベルテック製、Brix67、ストレートBrix11)を使用した。ほうれん草濃縮汁1.18g、ストレート換算で下記表2の含有量となるようにブドウ果汁を精製水に加え、全量が100gとなる飲料を調製した。当該飲料のほうれん草汁のストレート換算の含有量は10%となる。熟練した5名のパネルにより、これらの飲料のほうれん草の青臭さに対するマスキング効果と風味の総合評価を下記評価基準で評価し、評点をつけ、パネル全員の評点の合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。その結果を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
(評価基準)
<マスキング効果評価基準>
評点 内容
3 : ほうれん草汁の青臭さが十分にマスキングされている
2 : ほうれん草汁の青臭さがマスキングされている
1 : ほうれん草汁の青臭さがあまりマスキングされていない
0 : ほうれん草汁の青臭さが全くマスキングされていない
<4段階判定基準>
判定 : 評点の平均点 : 内容
◎:2.25点を超え3点以下 :ほうれん草汁の青臭さが十分にマスキングされ
ている
○:1.5点を超え2.25点以下:ほうれん草汁の青臭さがマスキングされている
△:0.75点を超え1.5点以下:ほうれん草汁の青臭さがあまりマスキングされて
いない
×:0点以上0.75点以下 :ほうれん草汁の青臭さが全くマスキングされてい
ない
【0031】
<風味総合評価基準>
評点 内容
3 : ほうれん草の風味とブドウの風味のバランスがとても良い
2 : ほうれん草の風味とブドウの風味のバランスが良い
1 : ほうれん草の風味とブドウの風味のバランスがあまり良くない
0 : ほうれん草の風味とブドウの風味のバランスが悪い
<4段階判定基準>
判定 : 評点の平均点 : 内容
◎:2.25点を超え3点以下 :ほうれん草の風味とブドウの風味のバランスが
とても良い
○:1.5点を超え2.25点以下:ほうれん草の風味とブドウの風味のバランスが良
い
△:0.75点を超え1.5点以下:ほうれん草の風味とブドウの風味のバランスがあ
まり良くない
×:0点以上0.75点以下 :ほうれん草の風味とブドウの風味のバランスが悪
い
【0032】
表2に示すとおり、ほうれん草汁のみでは、青臭さを感じるのに対し(比較品1)、さらに白ブドウ果汁または赤ブドウ果汁を20〜40%配合すると、青臭さがマスキングされるとともに、ほうれん草風味とブドウ風味のバランスが良い飲料となった(発明品2〜4、発明品7〜9)。ブドウ果汁を50%配合するとマスキング効果は十分であるが、果汁の風味が強くなりすぎてしまい、ほうれん草とブドウの風味のバランスがあまり良くないものとなった(発明品5、10)。
【0033】
実 施 例 3
ほうれん草汁含有飲料の調製(2):
ほうれん草汁と、果汁としてブドウ果汁を用いて飲料を調製した。ほうれん草汁として、ほうれん草濃縮汁(SVZ製、Brix42.4、ストレートBrix5)を使用した。ブドウ果汁としては、白ブドウ果汁(白ぶどう濃縮果汁:長野サンヨーフーズ製、Brix55、ストレートBrix11)または赤ブドウ果汁(レッドグレープ濃縮果汁:インベルテック製、Brix67、ストレートBrix11)を使用した。白ブドウ果汁6g(赤ブドウ果汁の場合は4.9g)、ストレート換算で下記表3の含有量となるようにほうれん草汁を精製水に加え、全量が100gとなる飲料を調製した。当該飲料のブドウ果汁のストレート換算の含有量は30%となる。熟練した5名のパネルにより、これらの飲料のほうれん草の青臭さに対するマスキング効果と風味の総合評価を実施例2と同様の評価基準で評価し、評点をつけ、パネル全員の評点の合計からその平均値を算出し、実施例2と同様の4段階判定基準により判定した。その結果を表3に示した。
【0034】
【表3】
【0035】
表3に示すとおり、ブドウ果汁30%に対し、ほうれん草汁5〜20%の範囲で配合すると、ほうれん草の風味が十分感じられながら、青臭さがマスキングされ、良好な風味となった(発明品11〜13、発明品15〜17)。ほうれん草汁30%では若干の青臭さが認められた(発明品14、18)、ほうれん草汁40%では青臭さが認められた(比較品2、3)。
【0036】
実 施 例 4
ほうれん草汁含有飲料の調製(3)
果汁として、ストロベリー果汁(ストロベリー透明濃縮果汁:オーストリアジュース製、Brix65、ストレートBrix7)またはグレープフルーツ果汁(グレープフルーツ混濁濃縮果汁、GAT製、Brix60.5、ストレートBrix9)を使用した以外は実施例2と同様にして飲料を製造した。熟練した5名のパネルにより、これらの飲料のほうれん草の青臭さに対するマスキング効果と風味の総合評価を下記評価基準で評価し、評点をつけ、パネル全員の評点の合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。その結果を表4に示した。
【0037】
【表4】
【0038】
(評価基準)
<マスキング効果評価基準>
評点 内容
3 : ほうれん草汁の青臭さが十分にマスキングされている
2 : ほうれん草汁の青臭さがマスキングされている
1 : ほうれん草汁の青臭さがあまりマスキングされていない
0 : ほうれん草汁の青臭さが全くマスキングされていない
<4段階判定基準>
判定 : 評点の平均点 : 内容
◎:2.25点を超え3点以下 :ほうれん草汁の青臭さが十分にマスキングされ
ている
○:1.5点を超え2.25点以下:ほうれん草汁の青臭さがマスキングされている
△:0.75点を超え1.5点以下:ほうれん草汁の青臭さがあまりマスキングされて
いない
×:0点以上0.75点以下 :ほうれん草汁の青臭さが全くマスキングされてい
ない
【0039】
<風味総合評価基準>
評点 内容
3 : ほうれん草の風味とストロベリーまたはグレープフルーツの風味のバラン
スがとても良い
2 : ほうれん草の風味とストロベリーまたはグレープフルーツの風味のバラン
スが良い
1 : ほうれん草の風味とストロベリーまたはグレープフルーツの風味のバラン
スがあまり良くない
0 : ほうれん草の風味とストロベリーまたはグレープフルーツの風味のバラン
スが悪い
<4段階判定基準>
判定 : 評点の平均点 : 内容
◎:2.25点を超え3点以下 :ほうれん草の風味とストロベリーまたはグレープ
フルーツの風味のバランスがとても良い
○:1.5点を超え2.25点以下:ほうれん草の風味とストロベリーまたはグレー
プフルーツの風味のバランスが良い
△:0.75点を超え1.5点以下:ほうれん草の風味とストロベリーまたはグレー
プフルーツの風味のバランスがあまり良くない
×:0点以上0.75点以下 :ほうれん草の風味とストロベリーまたはグレー
プフルーツの風味のバランスが悪い
【0040】
表4に示すとおり、ほうれん草汁のみでは、青臭さを感じるのに対し(比較品1)、さらにストロベリー果汁またはグレープフルーツ果汁を20〜40%配合すると、青臭さがマスキングされ、ほうれん草風味とストロベリーまたはグレープフルーツの風味のバランスが良い飲料となった(発明品20〜22、発明品25〜27)。ストロベリー果汁またはグレープフルーツ果汁を50%配合するとマスキング効果は十分であるが、果汁の風味が強くなりすぎてしまい、ほうれん草汁とストロベリーまたはグレープフルーツの風味のバランスがあまり良くないものとなった(発明品23、28)。