(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る車両用表示装置およびルーフモジュールにつき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
図1から
図12を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、車両用表示装置およびルーフモジュールに関する。
図1は、実施形態に係るルーフモジュールの配置を示す図、
図2は、実施形態に係るルーフモジュールの斜視図、
図3は、実施形態に係るルーフモジュールの正面図、
図4は、実施形態に係るルーフモジュールの側面図、
図5は、実施形態に係るルーフモジュールの分解斜視図、
図6は、実施形態に係るルーフモジュールの断面図、
図7は、実施形態に係るルーフモジュールの他の断面図、
図8は、実施形態に係る車両用室内照明装置の断面図、
図9は、裾部による光の反射を説明する断面図、
図10は、実施形態に係る車両用室内照明装置の他の断面図、
図11は、実施形態に係るルーフモジュールの下面図、
図12は、実施形態に係るルーフモジュールの断面図である。
【0011】
図6には、
図4のVI−VI断面が示されている。
図7には、
図3のVII−VII断面が示されている。
図8および
図9には、
図7と同じ断面位置の断面が示されている。
図10には、
図6のX−X断面が示されている。
図12には、
図11のXII−XII断面が示されている。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係るルーフモジュール1は、車両100に搭載される。ルーフモジュール1は、車両100のルーフ101における内側面101aに固定される。内側面101aは、ルーフ101における車室側の面であり、典型的には下方を向く面である。ルーフモジュール1は、例えば、ルーフパネルの内側面101aに固定される。
【0013】
ルーフモジュール1は、車両用室内照明装置2および車両用表示装置3を含む。車両用室内照明装置2は、車両100の車室内を照明する装置である。車両用表示装置3は、車両100の車室内に配置され、画像や映像を表示する表示装置である。本実施形態のルーフモジュール1は、照明装置および表示装置が一体化されたユニットである。
【0014】
本実施形態のルーフモジュール1の説明において、「前方」および「後方」は、それぞれ車両前後方向Xの前方および後方を示すものとする。また、「上方」および「下方」は、それぞれ車両上下方向Hの上方および下方を示すものとする。
【0015】
ルーフモジュール1は、例えば、前方座席102の上方の位置や、前方座席102よりも前方の位置に配置される。この場合、ルーフモジュール1は、前方座席102に着座している搭乗者P1の上方かつ前方に位置する。ルーフモジュール1は、搭乗者P1が車両用表示装置3の表示面61を視認できるように構成されている。また、ルーフモジュール1は、後方座席103に着座している搭乗者P2が表示面61を視認できるように構成されている。なお、ルーフモジュール1は、全ての搭乗者P2が表示面61を視認できるように構成されていることが望ましい。例えば、車両100に三列以上の座席が搭載されている場合、ルーフモジュール1は、二列目および三列目に着座した全ての搭乗者P2が表示面61を視認できるように構成される。
【0016】
図2に示すように、筐体10は、ルーフパネル等の内側面101aに対して固定される。つまり、本実施形態のルーフモジュール1では、筐体10が内側面101aから下方に向けて突出している。ルーフモジュール1は、ルーフ101に配索されたワイヤハーネスを介して車両100の電源と接続され、当該電源から電力の供給を受ける。
【0017】
図5に示すように、ルーフモジュール1は、筐体10、導光部材5、表示装置6、第一光源4等を含む。本実施形態のルーフモジュール1は、車両用室内照明装置2および車両用表示装置3が一つの筐体10を共有する。
【0018】
筐体10は、本体部7およびカバー部8を有する。筐体10は、例えば、絶縁性の合成樹脂等によって形成される。本実施形態の筐体10は、遮光性の材料によって形成されている。本実施形態では、本体部7とカバー部8とが別の部材である。本体部7とカバー部8とが組み合わされて筐体10を構成する。本体部7は、車両100のルーフ101に対して固定される。本体部7は、略筒状に形成されており、上方および下方が開口している。
【0019】
カバー部8は、本体部7における下方の開口部71を覆うようにして本体部7に対して固定される。本実施形態の筐体10では、カバー部8が本体部7に対して固定された状態において、カバー部8と本体部7との間にスリット状の開口が形成される。より詳しくは、本体部7の開口部71と、カバー部8の周壁8Bとの間には、導光部材5を突出させる隙間が設けられている。
【0020】
図5から
図7等に示すように、車両用室内照明装置2は、筐体10、第一光源4、第二光源9、導光部材5、および制御基板20を含む。車両用表示装置3は、筐体10、表示装置6、および制御基板20を含む。
【0021】
車両用室内照明装置2の詳細について説明する。導光部材5は、透光性を有する部材であり、第一光源4および第二光源9から照射された光を筐体10の外部空間に導く。導光部材5は、例えば、有色または無色の透明な材料によって形成される。導光部材5は、例えば、アクリル樹脂等の樹脂材料によって形成される。本実施形態の導光部材5は、板状の部材であり、平面視における形状が略U字形状となるように形成されている。
【0022】
図5等に示すように、導光部材5は、左側板状部50A、右側板状部50B、および後側板状部50Cを有する。左側板状部50Aおよび右側板状部50Bは、それぞれ主として車両前後方向Xに沿って延在している。後側板状部50Cは、車幅方向Wに沿って延在しており、左側板状部50Aの後端と、右側板状部50Bの後端とをつないでいる。左側板状部50Aは、後側板状部50Cに対して車幅方向Wの左側に位置している。右側板状部50Bは、後側板状部50Cに対して車幅方向Wの右側に位置している。なお、車幅方向Wにおいて、「左側」および「右側」は、車両前方を向いた場合の左側および右側を示す。
【0023】
左側板状部50Aの延在方向および右側板状部50Bの延在方向は、車両前後方向Xに対して傾斜している。具体的には、左側板状部50Aの延在方向は、車両前方へ向かうに従って車幅方向Wの左側へ向かうように車両前後方向Xに対して傾斜している。右側板状部50Bの延在方向は、車両前方へ向うに従って車幅方向Wの右側へ向かうように車両前後方向Xに対して傾斜している。つまり、車幅方向Wにおける左側板状部50Aと右側板状部50Bとの間隔は、車両前方へ向かうに従って広がっている。
【0024】
導光部材5は、第一の導光部51および突出部52を有する。第一の導光部51および突出部52は、一体に形成されている。第一の導光部51は、筐体10の内部に収容される部分である。突出部52は、本体部7とカバー部8との隙間から、筐体10の外部空間に向けて突出する部分である。突出部52は、導光部材5の外縁部である。
【0025】
突出部52は、第一突出部52A、第二突出部52B、および第三突出部52Cを有する。第一突出部52Aは、左側板状部50Aの一部であり、車幅方向Wの左側に向けて突出した部分である。第二突出部52Bは、右側板状部50Bの一部であり、車幅方向Wの右側に向けて突出した部分である。第三突出部52Cは、後側板状部50Cの一部であり、車両後方に向けて突出した部分である。第一突出部52A、第二突出部52B、および第三突出部52Cにより、連続した略U字形状の突出部52が構成される。
【0026】
図5および
図6に示すように、本実施形態の突出部52は、尾根状の先端面56を有する。先端面56は、突出部52の突出方向を向く面である。例えば、第一突出部52Aの先端面52である第一先端面56Aは、車幅方向Wの左側を向いている。第二突出部52Bの先端面52である第二先端面56Bは、車幅方向Wの右側を向いている。第三突出部52Cの先端面52である第三先端面56Cは、車両後方を向いている。第三先端面56Cは、第一先端面56Aと第二先端面56Bとをつないでいる。第一先端面56A、第二先端面56B、第三先端面56Cは、滑らかに連続している。例えば、第一先端面56Aの後端部および第三先端面56Cの左端部は、それぞれ湾曲しながら互いにつながっている。第二先端面56Bの後端部および第三先端面56Cの右端部は、それぞれ湾曲しながら互いにつながっている。
【0027】
突出部52の先端面56には、タッチセンサ11が配置されている。タッチセンサ11は、例えば、静電容量式のセンサである。タッチセンサ11の電極は、細長い板状もしくは棒状に形成されている。
【0028】
タッチセンサ11は、第一先端面56Aから第三先端面56Cを経由して第二先端面56Bまで連続して配置されている。より詳しくは、タッチセンサ11は、第一センサ部11A、第二センサ部11B、および第三センサ部11Cを有する。第一センサ部11A、第二センサ部11B、および第三センサ部11Cは、一体である。第一センサ部11Aは、タッチセンサ11において第一先端面56Aに配置された部分である。第二センサ部11Bは、タッチセンサ11において第二先端面56Bに配置された部分である。第三センサ部11Cは、タッチセンサ11において第三先端面56Cに配置された部分であり、第一センサ部11Aおよび第二センサ部11Bとそれぞれ連続している。
【0029】
ユーザはタッチセンサ11における第一先端面56A、第二先端面56B、および第三先端面56Cのどの箇所に触れても同様にルームランプを操作することができる。タッチセンサ11の電極は、筐体10の内部に配置された制御回路に対して電気的に接続されている。制御回路は、例えば、制御基板20に配置されている。制御回路は、タッチセンサ11に対する操作入力に応じて第一光源4を制御する。制御回路は、例えば、タッチセンサ11に対するタッチ入力が検出されるごとに、第一光源4の点灯および消灯を切り替える。
【0030】
導光部材5は、突出部52が筐体10の外部に向けて突出するように筐体10に収容される。すなわち、導光部材5の第一の導光部51は、筐体10の内部に収容され、筐体10によって保持される。導光部材5の突出部52は、筐体10から外部に向けて突出する。より詳しくは、突出部52は、
図2等に示すように、本体部7とカバー部8との隙間から、ルーフ101の内側面101aに沿う方向に向けて突出する。後述するように、突出部52は、第一光源4および第二光源9から照射される光によって発光し、車室内を照らす。
【0031】
第一光源4は、ルームランプ用の光源である。本実施形態の第一光源4は、筐体10の本体部7に収容される。
図6等に示すように、第一光源4は、左側第一光源41、右側第一光源42、および後側第一光源43を有する。左側第一光源41は、筐体10の内部空間において、車幅方向Wの左側に配置されている。右側第一光源42は、筐体10の内部空間において、車幅方向Wの右側に配置されている。後側第一光源43は、筐体10の内部空間において、車両後方に配置されている。
【0032】
左側第一光源41、右側第一光源42、および後側第一光源43は、それぞれ複数の発光部を有している。本実施形態の第一光源4は、発光部としてLED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有している。左側第一光源41は、複数のLED41aを有する。複数のLED41aは、基板21に対して固定されている。LED41aは、車幅方向Wの左側を向いて配置されている。複数のLED41aは、車両前後方向Xに沿って所定の間隔で並んで配置されている。
【0033】
右側第一光源42は、複数のLED42aを有する。複数のLED42aは、基板22に対して固定されている。LED42aは、車幅方向Wの右側を向いて配置されている。複数のLED42aは、車両前後方向Xに沿って所定の間隔で並んで配置されている。左側第一光源41および右側第一光源42の配列方向は、車両前後方向Xに対して傾斜している。左側第一光源41のLED41aの配列方向は、車両前方へ向うに従って車幅方向Wの左側へ向かうように車両前後方向Xに対して傾斜している。右側第二光源のLED42aの配列方向は、車両前方へ向かうに従って車幅方向Wの右側へ向かうように車両前後方向Xに対して傾斜している。従って、車幅方向Wにおける左側第一光源41と右側第一光源42との間隔は、車両前方へ向かうに従って広がっている。
【0034】
後側第一光源43は、複数のLED43aを有する。複数のLED43aは、基板23に対して固定されている。LED43aは、車両後方を向いて配置されている。複数のLED43aは、車幅方向Wに沿って所定の間隔で並んで配置されている。後側第一光源43は、左側第一光源41の後端部と、右側第一光源42の後端部との間に配置されている。言い換えるならば、左側第一光源41、後側第一光源43、および右側第一光源42は、略U字形状をなすように配置されている。
【0035】
第二光源9は、マップランプ用の光源である。本実施形態の第二光源9は、筐体10の本体部7に収容される。
図6等に示すように、第二光源9は、左側第二光源9Aおよび右側第二光源9Bを有する。左側第二光源9Aは、左側第一光源41と後側第一光源43とが交差する角部に配置されている。つまり、左側第二光源9Aは、左側第一光源41の後端と、後側第一光源43の左端との隙間に配置されている。左側第二光源9Aは、基板24に対して固定されている。本実施形態の左側第二光源9Aは、一つのLEDで構成されている。左側第二光源9Aは、左斜め後方を向いて配置されている。
【0036】
右側第二光源9Bは、右側第一光源42と後側第一光源43とが交差する角部に配置されている。つまり、右側第二光源9Bは、右側第一光源42の後端と、後側第一光源43の右端との隙間に配置されている。右側第二光源9Bは、基板25に対して固定されている。本実施形態の右側第二光源9Bは、一つのLEDで構成されている。右側第二光源9Bは、右斜め後方を向いて配置されている。
【0037】
第二光源9の光軸上には、集光レンズ15が配置されている。集光レンズ15は、第二光源9から照射される光を集光して導光部材5に入射させる。本実施形態の集光レンズ15は、入射面および出射面がそれぞれ凸形状の曲面である凸レンズである。集光レンズ15の形状は、例えば、球形状または長球形状である。集光レンズ15は、第二光源9と導光部材5との間に配置されている。集光レンズ15は、左側第二光源9Aと導光部材5との間に配置された左側集光レンズ15A、および右側第二光源9Bと導光部材5との間に配置された右側集光レンズ15Bを有する。
【0038】
導光部材5は、入光面51a,51b,51c,51d,51eを有する。入光面51a,51b,51c,51d,51eは、例えば、鏡面加工されている。入光面51aは、第一の導光部51における左側第一光源41と対向する面である。左側第一光源41によって照射される光は、入光面51aから第一の導光部51に入射する。入光面51bは、第一の導光部51における右側第一光源42と対向する面である。右側第一光源42によって照射される光は、入光面51bから第一の導光部51に入射する。入光面51cは、第一の導光部51における後側第一光源43と対向する面である。後側第一光源43によって照射される光は、入光面51cから第一の導光部51に入射する。
【0039】
入光面51dは、第一の導光部51における左側第二光源9Aと対向する面である。左側第二光源9Aによって照射される光は、左側集光レンズ15Aを経由し、入光面51dから第一の導光部51に入射する。入光面51eは、第一の導光部51における右側第二光源9Bと対向する面である。右側第二光源9Bによって照射される光は、右側集光レンズ15Bを経由し、入光面51eから第一の導光部51に入射する。
【0040】
以下に説明するように、本実施形態に係る筐体10において、導光部材5に隣接する部分の平面形状は、導光部材5の形状に対応している。例えば、本体部7は、
図5等に示すように、平面視における形状が略六角形状である。本体部7は、湾曲形状の裾部72を有する。裾部72は、車両上下方向Hにおいて導光部材5の突出部52と対向する壁部である。裾部72は、突出部52よりも上方に位置している。裾部72は、上方へ向かうに従って外側へ向けて突出するように傾斜している。また、裾部72は、外側の面が凹面となるように湾曲している。裾部72が裾広がりの形状となっていることで、裾部72の縁と、ルーフ101の内側面101aとが滑らかに連続する。よって、裾部72とルーフ101との一体感が向上する。
【0041】
裾部72は、第一裾部72A、第二裾部72B、および第三裾部72Cを有する。第一裾部72Aは、導光部材5の第一突出部52Aと対向する壁部である。第二裾部72Bは、導光部材5の第二突出部52Bと対向する壁部である。第三裾部72Cは、導光部材5の第三突出部52Cと対向する壁部である。第一裾部72A、第二裾部72B、および第三裾部72Cは、連続した一つの壁部を構成している。すなわち、第一裾部72Aの外側面73Aは、湾曲しながら第三裾部72Cの外側面73Cと連続している。第二裾部72Bの外側面73Bは、湾曲しながら第三裾部72Cの外側面73Cと連続している。
【0042】
第一裾部72Aおよび第二裾部72Bの延在方向は、車両前後方向Xに対して傾斜している。すなわち、第一裾部72Aの延在方向は、車両前方へ向かうに従って車幅方向Wの左側へ向かうように車両前後方向Xに対して傾斜している。第二裾部72Bの延在方向は、車両前方へ向かうに従って車幅方向Wの右側へ向かうように車両前後方向Xに対して傾斜している。第一裾部72Aは、導光部材5の第一突出部52Aに沿って延在しており、第二裾部72Bは、導光部材5の第二突出部52Bに沿って延在している。第三裾部72Cは、車幅方向Wに沿って延在している。言い換えると、第三裾部72Cは、導光部材5の第三突出部52Cに沿って延在している。
【0043】
平面視におけるカバー部8の形状は、略六角形状である。カバー部8は、カバー本体8Aおよび周壁8Bを有する。カバー本体8Aおよび周壁8Bは一体である。カバー本体8Aは、板状の構成部であり、本体部7に収容された構成部品を下方から覆う。カバー本体8は、上方に向けて凹んだ凹部80を有する。本実施形態のカバー部8では、カバー本体8Aの略全体が凹部80となっている。
【0044】
カバー本体8Aは、第一壁面81、第二壁面82、第三壁面83、第四壁面84、および第五壁面85を有する。第一壁面81は、凹部80における左側下方の側壁部である。第二壁面82は、凹部80における右側下方の側壁部である。第三壁面83は、凹部80の頂壁部である。第四壁面84は、凹部80における左側上方の側壁部である。第五壁面85は、凹部80における右側上方の側壁部である。
【0045】
カバー本体8は、開口部86を有する。開口部86は、凹部80の前端部に形成されている。開口部86の形状は、矩形である。表示装置6の表示面61は、開口部86に配置される。開口部86は、車両上下方向Hに沿って上方へ向かうに従って車両後方へ向かうように傾斜している。
【0046】
図5および
図11に示すように、第一壁面81は、開口部86の左端から後方に向けて延在している。第二壁面82は、開口部86の右端から後方に向けて延在している。第三壁面83は、開口部86の上端から後方に向けて延在している。つまり、開口部86は、第一壁面81、第二壁面82、および第三壁面83によって三方から囲まれている。第一壁面81と第二壁面82とは、車幅方向Wにおいて互いに対向している。第四壁面84は、第一壁面81の上端と第三壁面83の左端とをつないでいる。第四壁面84は、車両上下方向Hに対して傾斜した傾斜面である。第五壁面85は、第二壁面82の上端と第三壁面83の右端とをつないでいる。第五壁面85は、車両上下方向Hに対して傾斜した傾斜面である。
【0047】
周壁8Bは、カバー本体8Aを囲む壁部である。周壁8Bは、カバー本体8Aの縁部から上方に向けて立設されている。周壁8Bの上端と本体部7との間には、導光部材5の突出部52が突出する隙間が設けられている。
【0048】
図5等に示すように、周壁8Bには、左タッチセンサ12および右タッチセンサ13が配置されている。左タッチセンサ12および右タッチセンサ13は、例えば、静電容量式のセンサである。左タッチセンサ12および右タッチセンサ13の電極は、細長い板状もしくは棒状に形成されている。
【0049】
左タッチセンサ12は、ユーザが左側のマップランプを操作するためのセンサである。左タッチセンサ12は、周壁8Bにおける左後方の角部に配置されている。左タッチセンサ12は、周壁8Bにおける左側面8cおよび後方の面8eの両面に延在している。右タッチセンサ13は、ユーザが右側のマップランプを操作するためのセンサである。右タッチセンサ13は、周壁8Bにおける右後方の角部に配置されている。右タッチセンサ13は、周壁8Bにおける右側面8dおよび後方の面8eの両面に延在している。
【0050】
左タッチセンサ12および右タッチセンサ13の電極は、筐体10の内部に配置された制御回路に対して電気的に接続されている。制御回路は、例えば、制御基板20に配置されている。制御回路は、左タッチセンサ12に対する操作入力に応じて左側第二光源9Aを制御し、右タッチセンサ13に対する操作入力に応じて右側第二光源9Bを制御する。制御回路は、例えば、左タッチセンサ12に対するタッチ入力が検出されるごとに、左側第二光源9Aの点灯および消灯を切り替える。同様に、制御回路は、右タッチセンサ13に対するタッチ入力が検出されるごとに、右側第二光源9Bの点灯および消灯を切り替える。
【0051】
図7に示すように、導光部材5は、本体部7とカバー部8との隙間G1から突出部52を突出させた状態で筐体10によって保持される。突出部52において、下方を向く面は平坦面となっている。
図8に示すように、突出部52は、反射部54を有する。反射部54は、突出部52における内側の面であり、第一光源4から照射された光を下方に向けて反射する。
【0052】
図8に示すように、第一光源4は、突出部52の突出方向を向けて配置されている。第一光源4から出射された光は、入光面51cから導光部材5の内部に入射する。導光部材5に入射した光は、第一の導光部51によって突出部52に導かれる。反射部54は、第一光源4の光軸C1に対して傾斜した傾斜面である。反射部54は、第一光源4の光軸C1に沿って第一光源4から遠ざかるに従って下方へ向かうように傾斜している。また、反射部54は、導光部材5の内方に向けて凸の湾曲面である。反射部54の形状は、第一光源4側から反射部54に入射する光を下方に向けて反射するように設計されている。反射部54は、例えば、光軸C1に沿って入射する光を全反射するように構成されている。反射部54は、例えば、鏡面加工によって形成されている。
【0053】
突出部52において、下方を向く面には、光を拡散させる拡散部53が形成されている。本実施形態の拡散部53は、突出部52の表面に対する表面加工によって形成されている。突出部52に対する表面加工は、例えば、所謂シボ加工である。拡散部53において、突出部52の表面には、多数の微小な凹凸が形成されている。この凹凸によって、拡散部53から出射する光が拡散される。本実施形態の拡散部53は、突出部52の下面の全体に形成されている。
【0054】
反射部54は、第一光源4側から入射する光を拡散部53に向けて反射するように構成されている。従って、第一光源4から照射される光は、第一の導光部51を経由し、反射部54によって反射され、拡散部53から外部に出射される。拡散部53において光が拡散されることで、搭乗者P1,P2は、拡散部53が発光しているように感じる。
【0055】
左側第一光源41の光は、第一突出部52Aに形成された拡散部53を全体的に発光させる。右側第一光源42の光は、第二突出部52Bに形成された拡散部53を全体的に発光させる。後側第一光源43の光は、第三突出部52Cに形成された拡散部53を全体的に発光させる。従って、左側第一光源41、右側第一光源42、および後側第一光源43が点灯されることで、拡散部53が全体的に発光する。
【0056】
本実施形態の車両用室内照明装置2は、筐体10から突出した突出部52が光ることで、インテリア照明の様に見え、見た目で斬新なインパクトをユーザに与えることができる。導光部材5を通過した光が導光部材5を包み込むように光るため、導光部材5が浮遊しているかの様に見え、斬新である。
【0057】
特に、本実施形態の車両用室内照明装置2は、搭乗者P1,P2が第一光源4を視認できないように構成されている。具体的には、カバー部8の周壁8Bは、搭乗者P1,P2の目視位置EPに対して第一光源4を遮蔽するように構成されている。つまり、周壁8Bは、搭乗者P1,P2の目視位置EPと第一光源4とを結ぶ仮想線分L1と交差するように配置されている。搭乗者P1,P2から第一光源4が目視できないことで、搭乗者P1,P2は、拡散部53が面光源として光っているように感じる。従って、本実施形態の車両用室内照明装置2は、搭乗者P1,P2に浮遊感を感じさせる斬新な照明を実現できる。筐体10から側方に向けて突出した突出部52が面発光していることで、搭乗者P1,P2からは、発光体が空中に浮遊しているかのように見える。カバー部8の色を黒色等の暗色にした場合には、カバー部8と突出部52との間で明暗のコントラストが際立ち、浮遊感が向上する。
【0058】
図9に示すように、本体部7の裾部72は、突出部52から漏れた光を反射する。より詳しくは、裾部72の外側面73A,73B,73Cは、反射部54から上方に向けて漏れる光を下方に向けて反射する反射面として機能する。外側面73A,73B,73Cには、高反射率で光を反射する表面処理がなされている。外側面73A,73B,73Cは、突出部52から漏れた光を反射することで、ルーフモジュール1の周囲をぼんやりと照らす。第一光源4から照射された光の一部が反射部54から上方に漏れることで、突出部52よりも上方の空間にも光が届く。よって、外側面73A,73B,73Cは、間接照明として機能し、高級感を演出する。導光部材5において、拡散部53以外の部分の表面を鏡面加工とすることで、クリスタル感や透明感を向上させることができる。
【0059】
図10を参照して、右側第二光源9Bを含むマップランプ構造について説明する。なお、左側第二光源9Aを含むマップランプ構造は、右側第二光源9Bを含むマップランプ構造と同様である。
図10に示すように、右側第二光源9Bは、入光面51eと対向して配置されている。右側集光レンズ15Bは、入光面51eと右側第二光源9Bとの間に配置されている。右側第二光源9Bから照射される光は、右側集光レンズ15Bによって入光面51eに導かれる。
【0060】
右側集光レンズ15Bは、右側第二光源9Bから照射される光を集光して、右側第二光源9Bの光軸C2に沿った光を出射させる。右側集光レンズ15Bから出射される光は、入光面51eから第一の導光部51に入射する。第一の導光部51は、突出部52に光を導く。突出部52には、光軸C2と交差する反射部55が設けられている。反射部55は、光軸C2に対して傾斜した傾斜面であり、例えば、平面である。反射部55は、光軸C2に沿って右側第二光源9Bから遠ざかるに従って下方へ向かうように傾斜している。反射部55は、右側第二光源9Bの側から入射する光を下方に向けて反射するように設計されている。反射部55は、例えば、光軸C2に沿って入射する光を全反射するように構成されている。反射部55は、例えば、鏡面加工によって形成されている。
【0061】
反射部55は、右側第二光源9Bの側から入射する光を拡散部53に向けて反射するように構成されている。従って、右側第二光源9Bから照射される光は、右側集光レンズ15Bおよび第一の導光部51を経由し、反射部55によって反射され、拡散部53から外部に出射される。右側集光レンズ15Bによって反射部55に光が集光されることで、マップランプの照射範囲に対する発光効率が向上する。
【0062】
右側集光レンズ15Bは、光を集光することで、拡散部53における一部の領域を光らせる。右側第二光源9Bの光は、例えば、
図2に示す領域53bを光らせる。領域53bの形状は、例えば、円形である。領域53bは、第二突出部52Bと第三突出部52Cとが交差する交差部である。つまり、導光部材5は、右側第二光源9Bから照射された光によって、拡散部53のうち第二突出部52Bと第三突出部52Cとが交差する交差部を発光させる。
【0063】
左側第二光源9Aの光は、
図2に示す領域53aを光らせる。領域53aは、第一突出部52Aと第三突出部52Cとが交差する交差部である。つまり、導光部材5は、左側第二光源9Aから照射された光によって、拡散部53のうち第一突出部52Aと第三突出部52Cとが交差する交差部を発光させる。
【0064】
本実施形態の車両用室内照明装置2は、搭乗者P1,P2が第二光源9を視認できないように構成されている。具体的には、
図10に示すように、カバー部8の周壁8Bは、搭乗者P1,P2の目視位置EPに対して第二光源9を遮蔽するように構成されている。周壁8Bは、搭乗者P1,P2の目視位置EPと第二光源9とを結ぶ仮想線分L2と交差するように配置されている。従って、搭乗者P1,P2は、第二光源9の存在に気づかず、領域53a,53bがスポット光源として光っているように感じる。本実施形態の車両用室内照明装置2は、マップランプの光路の存在に気づかせずに領域53a,53bを光らせることができ、斬新な照明で車室内空間を演出することができる。第二光源9の存在が気づかれないことで、車両100内のどのようなデザインにも調和できる照明装置が実現される。どのようなデザインにも調和することで、車両100に対する車両用室内照明装置2の搭載性が向上する。
【0065】
また、本実施形態の車両用室内照明装置2では、導光部材5の先端面56にタッチセンサ11が配置されている。タッチセンサ11は、先端面56からの光漏れを抑制し、搭乗者P1,P2に眩しさを感じさせにくくしている。タッチセンサ11は、例えば、光を遮るように構成されている。
【0066】
本実施形態の車両用室内照明装置2では、タッチセンサ11が先端面56に連続的に配置されている。タッチセンサ11の設置範囲が広範囲であるため、搭乗者P1,P2の多くが容易にルームランプを操作することができる。また、タッチセンサ11の設置範囲が広範囲であるため、タッチセンサ11を直視しなくても容易にタッチセンサ11を操作することができる。導光部材5における突出方向の先端にタッチセンサ11が配置されていることで、搭乗者P1,P2は手探りでも容易にタッチセンサ11を操作することができる。例えば、前方を注視しているときでも容易にタッチセンサ11を操作することが可能である。更に、本実施形態のタッチセンサ11は、他のスイッチと間違えにくく、誤操作が生じにくい。
【0067】
また、導光部材5の先端面56にタッチセンサ11が配置されており、かつタッチセンサ11が内側面101aよりも下方に位置していることで、搭乗者P1,P2からタッチセンサ11までの距離が近く、スイッチ操作が容易である。側方を向いた先端面56にタッチセンサ11が配置されていることで、搭乗者P1,P2は指先でなく指の腹でタッチセンサ11に触れることになる。よって、内側面101a等に指先を突いてしまうおそれが小さい。導光部材5の外周のベゼル部を利用することで、意匠性を確保しつつタッチセンサ11を配置することができる。
【0068】
なお、タッチセンサ11は、複数に分割されていてもよい。例えば、タッチセンサ11は、第一先端面56Aに配置された部分と、第二先端面56Bに配置された部分と、第三先端面56Cに配置された部分と、に三分割されてもよい。この場合、車両用室内照明装置2は、タッチセンサ11におけるタッチされた部分に応じて第一光源4の一部を制御してもよい。例えば、タッチセンサ11において、第一先端面56Aに配置された部分がタッチされた場合、左側第一光源41が点灯および消灯されてもよい。同様に、第二先端面56Bに配置された部分がタッチされた場合、右側第一光源42が点灯および消灯されてもよい。第三先端面56Cに配置された部分がタッチされた場合、全ての第一光源4が点灯および消灯されてもよい。
【0069】
車両用室内照明装置2は、タッチセンサ11に対する触り方の態様に応じて第一光源4の点灯および消灯の動作を異ならせてもよい。例えば、第一光源4が消灯しているときに、タッチセンサ11が短い時間タッチされた場合、第一光源4が高輝度で点灯され、タッチセンサ11が長い時間タッチされた場合、第一光源4が低輝度で点灯されてもよい。
【0070】
次に、本実施形態の車両用表示装置3について説明する。車両用表示装置3は、筐体10、表示装置6、および制御基板20を有する。表示装置6は、
図2および
図3に示すように、カバー部8の凹部80に形成された開口部86に配置されている。開口部86は、凹部80における車両後方を向く位置に形成されている。本実施形態の表示装置6は、TFT−LCD(Thin Film Transistor−Liquid Crystal Display)等の液晶表示装置である。表示装置6は、液晶表示部およびバックライトを有する。バックライトは、液晶表示部に対して背面側から光を照射し、液晶表示部に表示されている画像を車両後方に向けて投射する。液晶表示部およびバックライトは、筐体10の内部に配置された制御回路によって制御される。本実施形態では、表示装置6の制御回路が制御基板20に配置されている。
【0071】
表示装置6は、表示面61を車両後方に向けて開口部86に配置される。つまり、表示装置6は、車両後方側から開口部86を介して表示面61を視認できるように、筐体10に対して固定されている。本実施形態の車両用表示装置3は、以下に説明するように、表示面61が凹部80に配置されていることで、表示面61の視認性を向上させることができる。
【0072】
凹部80に形成された開口部86に表示面61が配置されていることで、外光が表示面61に映り込みにくくなっている。凹部80は、表示面61よりも車両後方の空間を車幅方向Wの両側から覆っている。第一壁面81は、開口部86の左端から車両後方に向けて延在しており、表示面61よりも車両後方の空間を左側から覆っている。また、第四壁面84は、表示面61よりも車両後方の空間を左側および上方から覆っている。よって、カバー部8は、車幅方向Wの左側からの外光に対して表示面61を遮蔽し、表示面61の視認性を向上させる。
【0073】
第二壁面82は、開口部86の右端から車両後方に向けて延在しており、開口部86よりも車両後方の空間を右側から覆っている。第五壁面85は、表示面61よりも車両後方の空間を右側および上方から覆っている。よって、カバー部8は、車幅方向Wの右側からの外光に対して表示面61を遮蔽し、表示面61の視認性を向上させる。
【0074】
また、本実施形態のカバー部8は、ルームランプやマップランプの光が表示面61に映り込まないように構成されている。具体的には、周壁8Bは、導光部材5から下方に向けて突出しており、拡散部53から照射される光に対して表示面61を遮蔽している。よって、本実施形態の車両用表示装置3は、表示面61の視認性を向上させる。また、表示面61は、外光等の光が下方に向けて反射するように傾斜している。言い換えると、表示面61は、外光等の光が搭乗者P1,P2の目視位置EPに向けて反射しにくいように傾斜している。例えば、
図7に示すように、第三壁面83と表示面61とのなす角度θは、鈍角となっている。よって、車両後方から表示面61に入射する光は、主として下方に向けて反射される。また、本実施形態の第三壁面83は、車両後方へ向かうに従って下方へ向かう傾斜面である。よって、筐体10は、車両後方からの外光に対して表示面61を遮蔽し、表示装置6の視認性を向上することができる。
【0075】
また、本実施形態のカバー部8では、
図11に示すように、車幅方向Wにおける第一壁面81と第二壁面82との間隔Wd1が表示面61の幅Wd2よりも大きい。よって、搭乗者P1,P2から表示面61が視認しやすくなっている。また、上記の間隔Wd1は、車両後方へ向かうに従って広がっている。よって、カバー部8は、搭乗者P1,P2が表示面61を見る視線を邪魔することなく、側方からの外光を遮ることができる。車両前後方向Xに対する第一壁面81および第二壁面82の傾斜角度は、全ての搭乗者P1,P2から表示面61が視認可能なように定められている。
【0076】
また、
図12に示すように、車幅方向Wにおける第一壁面81と第二壁面82との間隔Wd1は、下方へ向かうに従って広がっている。よって、カバー部8は、搭乗者P1,P2が表示面61を見る視線を邪魔することなく、側方からの外光を遮ることができる。車両上下方向Hに対する第一壁面81および第二壁面82の傾斜角度は、全ての搭乗者P1,P2から表示面61が視認可能なように定められている。
【0077】
図4および
図7から分かるように、筐体10は、車幅方向Wから見た場合に表示面61の全体を遮蔽している。言い換えると、表示面61の上端から下端までの全体が筐体10によって側方から覆われている。よって、本実施形態の車両用表示装置3は、表示面61への外光の映り込みを適切に抑制することができる。
【0078】
本実施形態のルーフモジュール1は、
図3に示すように、車室内を撮像するカメラ26を有する。カメラ26は、筐体10における表示面61よりも下方に収容されている。本実施形態のルーフモジュール1は、車幅方向Wに沿って並んで配置された二つのカメラ26を有する。ルーフモジュール1は、例えば、二つのカメラ26によって搭乗者P1,P2を撮像したステレオ画像を取得する。ルーフモジュール1は、カメラ26によって撮像された画像に基づいて、搭乗者P1,P2に対して各種の案内や警告を行ってもよい。搭乗者P1,P2に対する各種の案内や警告は、例えば、表示装置6によってなされる。ルーフモジュール1は、筐体10の内部にスピーカを有する。ルーフモジュール1は、スピーカから出力される音声等の聴覚情報によって各種の案内や警告を行ってもよい。
【0079】
本実施形態のカバー部8は、導光部材5とカメラ26との間を遮っており、ルームランプやマップランプの光がカメラ26に当たらないようにしている。よって、カメラ26が車室内を撮像するときに、ルームランプやマップランプの光が撮像品質を低下させにくい。
【0080】
以上説明したように、本実施形態の車両用表示装置3は、車両100のルーフ101における車室側の面に固定されており、かつ上方に向けて凹んだ凹部80を有する遮光性の筐体10と、凹部80における車両後方を向く位置に形成された開口部86と、開口部86に配置された表示面61を有し、表示面61を車両後方に向けて表示装置6と、を有する。上方に向けた凹部80に形成された開口部86に表示面61が配置されていることで、外光等が表示装置6の視認性を低下させてしまうことが抑制される。よって、本実施形態の車両用表示装置3は、表示装置6の視認性を向上させることができる。
【0081】
本実施形態の凹部80は、第一壁面81および第二壁面82を有する。第一壁面81および第二壁面82は、表示面61よりも車両後方に位置し、かつ車幅方向Wにおいて互いに対向する壁面である。第一壁面81および第二壁面82を有する筐体10は、車両100の側方からの外光を遮り、表示装置6の視認性を向上させることができる。
【0082】
本実施形態の車両用表示装置3において、車幅方向Wにおける第一壁面81と第二壁面82との間隔Wd1は、車両後方へ向かうに従って広がっている。よって、筐体10は、搭乗者P1,P2から表示装置6を視認可能とし、かつ車両100の側方からの外光を遮ることができる。
【0083】
本実施形態の車両用表示装置3において、車幅方向Wにおける第一壁面81と第二壁面82との間隔Wd1は、下方へ向かうに従って広がっている。よって、筐体10は、搭乗者P1,P2から表示装置6を視認可能とし、かつ車両100の側方からの外光を遮ることができる。
【0084】
本実施形態の筐体10は、車幅方向Wから見た場合に表示面61の全体を遮蔽している。よって、筐体10は、車両100の側方からの外光を適切に遮ることができる。
【0085】
本実施形態の凹部80は、開口部86の上端から車両後方に向けて延在しており、かつ下方を向く壁面である第三壁面83を有する。第三壁面83は、車両後方へ向かうに従って下方に向かう傾斜面である。よって、筐体10は、車両後方からの外光を遮り、表示装置6の視認性を向上させることができる。
【0086】
本実施形態のルーフモジュール1は、上記の筐体10と、筐体10の凹部80に形成された開口部86と、筐体10の内部に配置された光源4,9と、筐体10の側面から突出しており、光源4,9から照射される光によって発光する発光部と、開口部86に配置された表示面61を有し、表示面61を車両後方に向けた表示装置6と、を有する。本実施形態では、導光部材5の拡散部53が発光部に相当する。筐体10の側面から発光部が突出していることで、表示装置6の視認性を低下させることなく車両用表示装置3と車両用室内照明装置2とを一体のモジュールとすることができる。
【0087】
[実施形態の第1変形例]
図13から
図15を参照して、実施形態の第1変形例について説明する。
図13は、実施形態の第1変形例に係るルーフモジュールの内部構成を示す斜視図、
図14は、実施形態の第1変形例に係るルーフモジュールの要部を示す斜視図、
図15は、導光部材の一例を示す平面図である。
【0088】
図13および
図14に示すように、実施形態の第1変形例に係る導光部材5は、筐体10に対して着脱自在である。導光部材5は、車両前後方向Xに沿ってスライドしながら筐体10に対して装着され、あるいは筐体10から取り外される。本変形例の導光部材5は、係合部58を有する。本変形例のカバー部8は、係合部58に対応する係合部87を有する。
【0089】
導光部材5の係合部58は、
図14に示すように、第一片部58aおよび第二片部58bを有する。第一片部58aおよび第二片部58bは、導光部材5の前端から車両前方へ向けて突出している板状の構成部である。第一片部58aおよび第二片部58bは、互いに対向している。第一片部58aおよび第二片部58bにおいて、互いに対向する面には突起58cが形成されている。突起58cは、車両前後方向Xと直交する方向に沿って延在している。突起58cの断面形状は、例えば、三角形である。
【0090】
カバー部8の係合部87は、車両後方に向けて突出した片部である。係合部87の両面には、突起87aが形成されている。突起87aは、車両前後方向Xと直交する方向に沿って延在している。突起87aの断面形状は、例えば、三角形である。
【0091】
導光部材5が筐体10に取り付けられる場合、導光部材5がカバー部8に挿入される。導光部材5は、係合部58を先頭にして車両前方に向けてスライドされる。この場合、係合部87は、第一片部58aと第二片部58bとの間に差し込まれる。第一片部58aおよび第二片部58bは、撓み変形しながら係合部87を受け入れる。係合部87の突起87aは、導光部材5の突起58cと噛み合い、突起58cによって係止される。これにより、導光部材5が筐体10に対して固定される。筐体10は、車両前後方向Xに沿って導光部材5をガイドするガイド部を有していてもよい。
【0092】
導光部材5が筐体10から取り外される場合、導光部材5が車両後方に向けてスライドされる。係合部87は、第一片部58aおよび第二片部58bを撓み変形させながら、係合部58よりも車両後方に引き出される。これにより、導光部材5が筐体10から引き出される。
【0093】
このように導光部材5と筐体10とが着脱自在な係合部58,87を有することで、ルーフモジュール1のデザインや照明機能をカスタマイズすることが容易となる。ユーザは、導光部材5を付け替えることで、導光部材5の色や形状を好みの色や形状に変更することができる。例えば、
図15に示す導光部材5が筐体10に取り付けられてもよい。
図15に示す導光部材5は、複数の突出部59を有する。突出部59は、導光部材5における突出方向の先端に並んで形成されている。
【0094】
なお、筐体10に対して導光部材5を固定する機構は、例示したクリップ構造には限定されない。例えば、ネジ等の締結部材によって導光部材5が筐体10に対して固定されてもよい。
【0095】
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例について説明する。
図16は、実施形態の第2変形例に係る導光部材の断面図である。実施形態の第2変形例に係る導光部材5において、入光面57は、集光形状を有する。入光面57は、第一光源4からの光が入射する面である。入光面57は、入光面57に入射する光を反射部54に向けて集光する集光形状を有する。集光形状は、例えば、第一光源4に向けて凸の湾曲形状である。入光面57の断面形状は、例えば、第一光源4の光軸上に湾曲形状の最凸部が位置する形状である。入光面57によって反射部54に向けて光が集光されることで、拡散部53以外の箇所からの光漏れが抑制される。
【0096】
なお、導光部材5の形状は、例示した形状には限定されない。例えば、平面視における導光部材5の形状は、L字形状やO字形状等であってもよい。導光部材5の入光面51a,51b,51c,51d,51eは、入射する光を反射部54,55に向けて集光する集光形状を有していてもよい。
【0097】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。