(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カートリッジ本体が、前記カートリッジ本体が前記第一の位置にある時に、前記エンクロージャから突出する第一のカム面を含み、前記第一のカム面が、前記カートリッジが前記マウスピースくぼみ内に挿入された時に、前記マウスピースの第一の部分と係合して、前記カートリッジ本体を前記第一の位置から前記第二の位置へと移動させる、請求項1に記載のカートリッジ組立品。
前記第一のカム面が先細であり、前記マウスピースが、前記カートリッジを受けるために、前記マウスピースくぼみの端に開口部を画定し、前記マウスピースの前記第一の部分の少なくとも一部が、前記開口部の端の部分を画定する、請求項3に記載のカートリッジ組立品。
前記カートリッジ組立品が、前記マウスピースくぼみからの前記カートリッジの取出しが、前記カートリッジ本体を前記第二の位置から前記第一の位置へと移動させるようにさらに構成される、請求項1〜4のいずれかに記載のカートリッジ組立品。
前記カートリッジ本体が、前記カートリッジ本体が前記第二の位置にある時に、前記エンクロージャから突出する第二のカム面を含み、前記第二のカム面が、前記カートリッジが前記マウスピースくぼみから取り出された時に、前記マウスピースの第二の部分と係合して、前記カートリッジ本体を前記第二の位置から前記第一の位置へと移動させる、請求項5に記載のカートリッジ組立品。
前記第二のカム面が先細であり、前記マウスピースが溝穴を含み、前記マウスピースの前記第二の部分の少なくとも一部が、前記溝穴の端の部分を画定する、請求項7または8に記載のカートリッジ組立品。
前記マウスピースくぼみが、第一の方向に沿って、前記カートリッジを摺動可能に受けるように構成され、前記カートリッジ本体が、第二の方向に沿って、前記第一の位置から前記第二の位置へと前記エンクロージャに対して摺動するように構成され、前記第二の方向が、前記第一の方向に対して実質的に垂直である、請求項1〜9のいずれかに記載のカートリッジ組立品。
前記カートリッジ本体が、5ミリメートル未満の距離を通じて、前記第一の位置から前記第二の位置へと前記エンクロージャに対して摺動するように構成される、請求項1〜10のいずれかに記載のカートリッジ組立品。
前記カートリッジ本体が、前記第一の区画内に配置されるニコチン供与源および前記第二の区画内に配置される酸供与源をさらに含む、請求項1〜11のいずれかに記載のカートリッジ組立品。
前記カートリッジ本体が、エアロゾル発生装置の発熱体を受けるための第三の区画であって、前記第一の区画と前記第二の区画との間に配置される、第三の区画を含み、前記エンクロージャが、前記カートリッジ本体が前記第二の位置にある時に、前記第三の区画と整列される開口部を含む、請求項1〜12のいずれかに記載のカートリッジ組立品。
前記ヒーターが、前記装置くぼみ内に配置される発熱体を含み、前記カートリッジ本体が、前記発熱体を受けるための、前記第一の区画と前記第二の区画との間に配置される、第三の区画を含み、前記エンクロージャが、前記カートリッジ本体が前記第二の位置にある時に、前記第三の区画と整列される開口部を含む、請求項15に記載のエアロゾル発生システム。
前記ヒーターが、前記装置くぼみの少なくとも一部を囲む、誘導ヒーターを含み、前記カートリッジ本体が、前記第一の区画と前記第二の区画との間に配置される、サセプタを含む、請求項15に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第一の態様によれば、エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジ組立品であって、カートリッジおよびマウスピースを含む、カートリッジ組立品が提供されている。カートリッジは、第一の空気吸込み口および第一の空気出口を有する第一の区画と、第二の空気吸込み口および第二の空気出口を有する第二の区画と、を含むカートリッジ本体を含む。カートリッジは、第三の空気吸込み口、第三の空気出口、第四の空気吸込み口、および第四の空気出口を含むエンクロージャをさらに含み、カートリッジ本体は、エンクロージャ内に摺動可能に受けられる。マウスピースは、カートリッジを受けるためのマウスピースくぼみを含む。カートリッジ本体は、エンクロージャが、第一の空気吸込み口、第一の空気出口、第二の空気吸込み口、および第二の空気出口のそれぞれを塞ぐ第一の位置から、第三の空気吸込み口が、第一の空気吸込み口と流体連通し、第三の空気出口が、第一の空気出口と流体連通し、第四の空気吸込み口が、第二の空気吸込み口と流体連通し、また第四の空気出口が、第二の空気出口と流体連通する第二の位置へと、エンクロージャに対して摺動するように構成される。カートリッジ組立品は、マウスピースくぼみ内へのカートリッジの挿入が、カートリッジ本体を第一の位置から第二の位置へと移動するように構成される。
【0006】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「空気吸込み口」という用語は、空気がそれを通してカートリッジ組立品の構成要素または構成要素の部分の中へと引き出されうる1つ以上の開口部を記述するために使用される。
【0007】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「空気出口」という用語は、空気がそれを通してカートリッジ組立品の構成要素または構成要素の部分から外へ引き出されうる1つ以上の開口部を記述するために使用される。
【0008】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「塞がれる」という用語は、空気吸込み口または空気出口を通る気流が実質的に防がれるように、空気吸込み口または空気出口が塞がれることを意味する。
【0009】
有利には、本発明によるカートリッジ組立品は、カートリッジ組立品がエアロゾル発生システムで使用される前に、カートリッジ組立品内に格納された1つ以上の揮発性化合物の損失を最小にし、または実質的に防ぐ。特に、カートリッジ本体が第一の位置にある時のエンクロージャによる第一の空気吸込み口、第一の空気出口、第二の空気吸込み口、および第二の空気出口の閉塞は、カートリッジ本体内に格納された1つ以上の揮発性化合物の損失を最小にし、または実質的に防ぎうる。
【0010】
有利には、エンクロージャを使用して、エンクロージャに対して摺動可能であるカートリッジ本体の空気吸込み口および空気出口を塞ぐことによって、本発明によるカートリッジ組立品は、1つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアを使用して、カートリッジ本体を封止する必要性を省くことができる。
【0011】
有利には、本発明によるカートリッジ組立品は、カートリッジを動作させるための確実な、かつ一貫性の手段を提供する。特に、マウスピースくぼみ内へのカートリッジの挿入が、カートリッジ本体を第一の位置から第二の位置へと移動するように構成されるカートリッジ組立品は、カートリッジがマウスピースくぼみ内に挿入された時に、カートリッジの自動的な動作を提供する。
【0012】
カートリッジ本体は、カートリッジ本体が第一の位置にある時に、エンクロージャから突出する第一のカム面を含んでもよく、第一のカム面は、カートリッジがマウスピースくぼみ内に挿入された時に、マウスピースの第一の部分と係合して、カートリッジ本体を第一の位置から第二の位置へと移動させる。有利には、マウスピースの第一の部分と係合するように構成される第一のカム面は、カートリッジがマウスピースくぼみ内に挿入された時に、第二の位置へのカートリッジ本体の自動的な移動をもたらす、単純な、かつ費用効果が高い機構でありうる。
【0013】
第一のカム面とマウスピースの第一の部分のうちの少なくとも1つは先細でありうる。
【0014】
マウスピースは、カートリッジを受けるためのマウスピースくぼみの端に、開口部を画定しうる。第一のカム面は先細であってもよく、マウスピースの第一の部分の少なくとも一部は、開口部の端の部分を画定してもよい。第一のカム面は、カートリッジ本体から延びる第一の突出部によって形成されうる。第一の突出部は、カートリッジ本体と第一のカム面との間に延びる高さを含んでもよく、カートリッジ本体とマウスピースの第一の部分と接触する第一のカム面の部分との間の第一の突出部の高さは、カートリッジがマウスピースくぼみ内に漸進的に挿入されるのに従って、増加する。
【0015】
カートリッジは、単一の第一の突出部によって形成される、単一の第一のカム面を含みうる。単一の第一の突出部は、カートリッジ本体の第一の面の中心に配置されることが好ましい。単一の第一の突出部をカートリッジ本体の第一の面の中心に配置することは、有利には、マウスピースくぼみ内へのカートリッジの摺動動作をエンクロージャに対するカートリッジ本体の摺動動作へ転換することを容易にしうる。すなわち、単一の第一の突出部をカートリッジ本体の第一の面の中心に配置することは、有利には、マウスピース内へのカートリッジの摺動動作がエンクロージャに対するカートリッジ本体の回転動作へ転換されることを防ぎうる。
【0016】
カートリッジは、複数の第一の突出部によって形成される、複数の第一のカム面を含みうる。カートリッジが複数の第一の突出部を含む実施形態では、複数の第一の突出部は、カートリッジ本体の第一の面に提供されることが好ましい。カートリッジ本体の第一の面は、対称中心線を含むことが好ましく、第一の突出部は、対称中心線を中心として対称に配置される。複数の第一の突出部をカートリッジ本体の第一の面に対称的に配置することは、カートリッジがマウスピースくぼみ内に挿入された時に、カートリッジ本体に対する均一な力の伝達を容易にしうる。
【0017】
カートリッジ組立品は、マウスピースくぼみからのカートリッジの取出しが、カートリッジ本体を第二の位置から第一の位置へと移動させるようにさらに構成されることが好ましい。有利には、こうしたカートリッジ組立品は、カートリッジを停止させるための確実な、かつ一貫性のある手段を提供する。すなわち、マウスピースくぼみからカートリッジ組立品を取り出すことは、エンクロージャが、第一の空気吸込み口、第一の空気出口、第二の空気吸込み口、および第二の空気出口を再び塞ぐように、カートリッジ本体を第一の位置に移動させる。このことは、有利には、カートリッジがマウスピースくぼみから取り出された時に、カートリッジ本体内に格納されたいくつかの残留する揮発性化合物の損失を最小にし、または実質的に防ぐ。したがって、こうしたカートリッジ組立品は、有利には、カートリッジが各使用後にマウスピースから取り出され、停止されうるのに従って、ユーザーが単一な体験において、カートリッジの全体の揮発性内容物を消費する必要性を省きうる。
【0018】
カートリッジは、カートリッジがマウスピースくぼみ内に受けられていない時に、カートリッジ本体を第一の位置に偏向させるように構成される、弾力性の構成要素を含みうる。弾力性の構成要素は、ばねを含みうる。
【0019】
カートリッジ本体は、カートリッジ本体が第二の位置にある時に、エンクロージャから突出する第二のカム面を含むことが好ましく、第二のカム面は、カートリッジがマウスピースくぼみから取り出された時に、マウスピースの第二の部分と係合して、カートリッジ本体を第二の位置から第一の位置へと移動させる。有利には、マウスピースの第二の部分と係合するように構成される第二のカム面は、カートリッジがマウスピースくぼみから取り出された時に、第一の位置へのカートリッジ本体の自動的な移動をもたらす、単純な、かつ費用効果が高い機構でありうる。
【0020】
第二のカム面とマウスピースの第二の部分のうちの少なくとも1つは先細でありうる。
【0021】
マウスピースの第二の部分は、マウスピースの内側表面に形成される先細の溝を含みうる。マウスピースは、カートリッジを受けるためのマウスピースくぼみの端に、開口部を画定しうる。先細の溝の深さは、マウスピース開口部から離れる方向に増加することが好ましい。先細の溝は、単一の先細の溝であってもよい。先細の溝は、複数の先細の溝を含んでもよい。先細の溝が複数の先細の溝を含むそれらの実施形態では、先細の溝は、マウスピースの内部面に提供されることが好ましい。マウスピースの内部面は、対称中心線を含むことが好ましく、先細の溝は、対称中心線を中心として対称に配置される。複数の先細の溝をマウスピースの内部面に対称的に配置することは、カートリッジがマウスピースくぼみから取り出された時に、カートリッジ本体に対する均一な力の伝達を容易にしうる。
【0022】
マウスピースは溝穴を含んでもよく、マウスピースの第二の部分の少なくとも一部は、溝穴の端の部分を画定する。溝穴は、マウスピースの内側表面に形成される溝を含んでもよく、溝は、その長さに沿って実質的に一定の深さを有する。溝穴は、マウスピースくぼみの少なくとも一部を画定する壁を通って延びる、開口部を含みうる。溝穴は、単一の溝穴であってもよい。溝穴は、複数の溝穴を含みうる。溝穴が複数の溝穴を含むそれらの実施形態では、溝穴は、マウスピースの面に提供されることが好ましい。マウスピースの面は、対称中心線を含むことが好ましく、溝穴は、1つの対称中心線を中心として対称に配置される。複数の溝穴をマウスピースの面に対称的に配置することは、カートリッジがマウスピースくぼみから取り出された時に、カートリッジ本体に対する均一な力の伝達を容易にしうる。
【0023】
第二のカム面は、カートリッジ本体から延びる第二の突出部によって形成されうる。第二の突出部は、カートリッジ本体と第二のカム面との間に延びる高さを含みうる。第二の突出部の高さは、第二のカム面全体を通じて実質的に一定でありうる。カートリッジ本体とマウスピースの第二の部分と接触する第二のカム面の部分との間の第二の突出部の高さは、カートリッジがマウスピースくぼみから漸進的に取り出されるのに従って、増加しうる。すなわち、第二のカム面は先細であってもよい。マウスピースの第二の部分の少なくとも一部が、溝穴の端の部分を画定する実施形態では、第二のカム面は先細であることが好ましい。
【0024】
カートリッジは、単一の第二の突出部によって形成される、単一の第二のカム面を含みうる。単一の第二の突出部は、カートリッジ本体の第二の面の中心に配置されることが好ましい。単一の第二の突出部をカートリッジ本体の第二の面の中心に配置することは、有利には、マウスピースくぼみ内へのカートリッジの摺動動作をエンクロージャに対するカートリッジ本体の摺動動作へ転換することを容易にしうる。すなわち、単一の第二の突出部をカートリッジ本体の第二の面の中心に配置することは、有利には、マウスピース内へのカートリッジの摺動動作がエンクロージャに対するカートリッジ本体の回転動作へ転換されることを防ぎうる。
【0025】
カートリッジは、複数の第二の突出部によって形成される、複数の第二のカム面を含んでもよい。カートリッジが複数の第二の突出部を含む実施形態では、複数の第二の突出部は、カートリッジ本体の第二の面に提供されることが好ましい。カートリッジ本体の第二の面は、対称中心線を含むことが好ましく、第二の突出部は、対称中心線を中心として対称に配置される。複数の第二の突出部をカートリッジ本体の第二の面に対称的に配置することは、カートリッジがマウスピースくぼみ内に挿入された時に、カートリッジ本体に対する均一な力の伝達を容易にしうる。
【0026】
第二の突出部の数は、マウスピース上の溝穴または先細の溝の数と同一であることが好ましい。
【0027】
第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口は、カートリッジ本体の上流端に配置されてもよく、第一の空気出口および第二の空気出口は、カートリッジ本体の下流端に配置されてもよい。エンクロージャは、カートリッジ本体の上流端に隣接する上流部分と、カートリッジ本体の下流端に隣接する下流部分と、を含むことが好ましく、エンクロージャの上流部分および下流部分は、カートリッジ本体が第一の位置にある時に、カートリッジ本体の空気吸込み口および空気出口をそれぞれ塞ぐ。第三および第四の空気吸込み口は、エンクロージャの上流部分に提供されることが好ましく、第三および第四の空気出口は、エンクロージャの下流部分に提供されることが好ましい。エンクロージャは、エンクロージャがカートリッジ本体の少なくとも一部を包装するように、上流部分と下流部分との間にそれぞれ延びる第一および第二の側面部分を含むことが好ましい。
【0028】
マウスピースくぼみは、第一の方向に沿って、カートリッジを摺動可能に受けるように構成されてもよく、カートリッジ本体は、第二の方向に沿って、第一の位置から第二の位置へとエンクロージャに対して摺動するように構成されてもよい。第二の方向は、第一の方向に対して実質的に垂直であることが好ましい。第二の方向が第一の方向に対して実質的に垂直であるようにカートリッジ組立品を構成することは、使用時にカートリッジ組立品を通る気流が、第一の方向に全体的に沿う実施形態において、特に好ましくありうる。本明細書で説明したような、カートリッジ本体が上流端と下流端を含み、カートリッジ本体の空気吸込み口および空気出口が提供される実施形態では、第一の方向は、カートリッジがマウスピースくぼみ内に挿入された時に、カートリッジ本体の上流端と下流端との間に延びうる。そのような実施形態では、第二の方向が第一の方向に対して実質的に垂直であるようにカートリッジ組立品を構成することは、有利には、エンクロージャの上流部分とカートリッジ本体の上流端との間に必要な接点を維持する一方で、またエンクロージャの下流部分とカートリッジ本体の下流端との間に必要な接点を維持する一方で、エンクロージャに対するカートリッジ本体の摺動を容易にしうる。
【0029】
カートリッジ本体が第一のカム面および第二のカム面を含む実施形態では、第二のカム面は、第一のカム面から第一の方向にオフセットされることが好ましい。
【0030】
カートリッジ本体は、約5ミリメートル未満の距離を通じて、第一の位置から第二の位置へとエンクロージャに対して摺動するように構成されうる。有利には、約5ミリメートル未満の距離を通じて摺動するようにカートリッジ本体を構成することは、カートリッジ組立品の寸法を最小にする一方で、さらにカートリッジ本体とエンクロージャとの間に十分な相対的な移動を提供することができ、その結果、カートリッジ本体の空気吸込み口および空気出口は、第一の位置で完全に塞がれ、第二の位置で完全に塞がれない。カートリッジ本体は、エンクロージャに対するカートリッジ本体の移動の方向に、カートリッジ本体の空気吸込み口および空気出口の最大寸法以上の距離を通じて、摺動するように構成されることが好ましい。
【0031】
マウスピースは、マウスピースの外部とマウスピースの内部との間に流体連通を提供する換気空気吸込み口を含んでもよく、換気空気吸込み口は、カートリッジがマウスピースくぼみ内に受けられた時に、カートリッジの下流に配置される。換気空気吸込み口は、マウスピースくぼみと流体連通し、マウスピースくぼみの下流端に配置されうる。
【0032】
カートリッジ組立品は、第一の区画内に配置されるニコチン供与源および第二の区画内に配置される酸供与源をさらに含みうる。
【0033】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「ニコチン」という用語は、ニコチン、ニコチン塩基、またはニコチン塩を記述するために使用される。
【0034】
ニコチン供与源は、約1ミリグラム〜約50ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料を含みうる。ニコチン供与源は、約1ミリグラム〜約40ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料を含みうる。好ましくは、ニコチン供与源は、約3ミリグラム〜約30ミリグラムのニコチンを浸み込ませた第一の担体材料を含む。より好ましくは、ニコチン供与源は、約6ミリグラム〜約20ミリグラムのニコチンを浸み込ませた第一の担体材料を含む。最も好ましくは、ニコチン供与源は、約8ミリグラム〜約18ミリグラムのニコチンを浸み込ませた第一の担体材料を含む。
【0035】
第一の担体材料がニコチン塩基またはニコチン塩が浸み込まされた実施形態では、本明細書で列挙したニコチンの量は、それぞれニコチン塩基の量またはイオン化されたニコチンの量である。
【0036】
第一の担体材料は、水性溶媒または非水性溶媒中の液体ニコチンまたはニコチン溶液で含浸されうる。
【0037】
第一の担体材料は、天然ニコチンまたは合成ニコチンで含浸されうる。
【0038】
酸供与源は、有機酸または無機酸を含みうる。
【0039】
酸供与源は有機酸を含むのが好ましく、カルボン酸を含むのがより好ましく、α−ケト酸もしくは2−オキソ酸または乳酸を含むのが最も好ましい。
【0040】
有利なことには、酸供与源は、3−メチル−2−オキソペンタン酸、ピルビン酸、2−オキソペンタン酸、4−メチル−2−オキソペンタン酸、3−メチル−2−オキソブタン酸、2−オキソオクタン酸、乳酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された酸を含む。有利なことには、酸供与源は、ピルビン酸または乳酸を含む。さらに有利なことには、酸供与源は乳酸を含む。
【0041】
有利なことには、酸供与源は、酸を浸み込ませた第二の担体材料を含む。
【0042】
第一の担体材料および第二の担体材料は、同一であってもよく、または異なっていてもよい。
【0043】
有利なことには、第一の担体材料および第二の担体材料は、約0.1グラム/立法センチメートル〜約0.3グラム/立法センチメートルの密度を有する。
【0044】
有利なことには、第一の担体材料および第二の担体材料は、約15パーセント〜約55パーセントの空隙率を有する。
【0045】
第一の担体材料および第二の担体材料は、ガラス、セルロース、セラミック、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタラート)(PCT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびBAREX(登録商標)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0046】
第一の担体材料は、ニコチン用の貯蔵部としての役目をする。
【0047】
有利なことには、第一の担体材料は、ニコチンに対して化学的に不活性である。
【0048】
第一の担体材料は、適切な任意の形状およびサイズを持ちうる。例えば、第一の担体材料はシートまたはプラグの形態でありうる。
【0049】
有利なことには、第一の担体材料の形状およびサイズは、カートリッジ本体の第一の区画の形状およびサイズと同様である。
【0050】
第一の担体材料の形状、サイズ、密度、および空隙率は、第一の担体材料が望ましい量のニコチンを含浸できるように選択されうる。
【0051】
有利なことには、カートリッジ本体の第一の区画は、さらに風味剤を含みうる。適切な風味剤は、メントールを含むが、これに限定されない。
【0052】
有利なことには、第一の担体材料は、約3ミリグラム〜約12ミリグラムの風味剤で含浸されうる。
【0053】
第二の担体材料は、酸用の貯蔵部としての役目をする。
【0054】
有利なことには、第二の担体材料は、酸に対して化学的に不活性である。
【0055】
第二の担体材料は、適切な任意の形状およびサイズを持ちうる。例えば、第二の担体材料はシートまたはプラグの形態でありうる。
【0056】
有利なことには、第二の担体材料の形状およびサイズは、カートリッジ本体の第二の区画の形状およびサイズと同様である。
【0057】
第二の担体材料の形状、サイズ、密度、および空隙率は、第二の担体材料が望ましい量の酸を含浸できるように選択されうる。
【0058】
有利なことには、酸供与源は、約2ミリグラム〜約60ミリグラムの乳酸を浸み込ませた第二の担体材料を含む乳酸供与源である。
【0059】
好ましくは、乳酸供与源は、約5ミリグラム〜約50ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料を含む。より好ましくは、乳酸供与源は、約8ミリグラム〜約40ミリグラムの乳酸を浸み込ませた第二の担体材料を含む。最も好ましくは、乳酸供与源は、約10ミリグラム〜約30ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料を含む。
【0060】
カートリッジ本体の第一の区画の形状および寸法は、望ましい量のニコチンがカートリッジ本体内に収容可能になるように選択されうる。
【0061】
カートリッジ本体の第二の区画の形状および寸法は、望ましい量の酸がカートリッジ本体内に収容可能になるように選択されうる。
【0062】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと酸の比は、第一の区画の容積を第二の区画の容積に対して変動させることにより制御されてバランスを取りうる。
【0063】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、それぞれ1つ以上の開口部を含んでもよい。例えば、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、それぞれ1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの開口部を含みうる。
【0064】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、同一または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0065】
有利なことには、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、それぞれ複数の開口部を含む。例えば、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、それぞれ2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの開口部を含みうる。
【0066】
複数の開口部を含む第一の空気吸込み口を備えた第一の区画と、複数の開口部を含む第二の空気吸込み口を備えた第二の区画とを提供することによって、有利なことに、それぞれ第一の区画内および第二の区画内で、より均一な気流がもたらされうる。これにより、使用時に、第一の区画を通して引き出される気流におけるニコチンの混入が改善され、また第二の区画を通して引き出される気流における酸の混入が改善されうる。
【0067】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと酸の比は、カートリッジ本体の第一の区画を通る空気流量を、カートリッジ本体の第二の区画を通る空気流量に対して変動させることにより制御されてバランスを取りうる。第一の区画を通る空気流量の、第二の区画を通る空気流量に対する比は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する開口部の数、寸法、および位置のうちの1つ以上を、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する開口部の数、寸法、および位置に対して変動させることにより制御されうる。
【0068】
酸供与源が乳酸を含む実施形態では、有利なことには、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積よりも大きい。
【0069】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「流れ面積」という用語は、使用中に空気がそれを通して流れる空気吸込み口また空気出口の断面積を記述するために使用される。空気吸込み口または空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、空気吸込み口または空気出口の流れ面積は、空気吸込み口または空気出口の全流れ面積となり、空気吸込み口または空気出口を形成する複数の開口部の各々の合計流れ面積と等しい。空気吸込み口または空気出口の断面積が気流の方向で変動する実施形態では、空気吸込み口または空気出口の流れ面積は、気流の方向における最小断面積となる。
【0070】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積を、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積に対して増加させることで、有利なことに、第二の空気吸込み口を通る空気流量が、第一の空気吸込み口を通る空気流量に比べて増加する。
【0071】
酸供与源が乳酸を含む実施形態では、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積の比が、約3:4〜約1:2であることが好ましい。カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積の比は、約2:3〜約1:2であることがより好ましい。
【0072】
第二の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部のサイズを、第一の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部のサイズに対して増加させること、および、第二の空気吸込み口を形成する開口部の数を、第一の空気吸込み口を形成する開口部の数に対して増加させることのうちの一方または両方によって、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積が、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積に比べて増加しうる。
【0073】
有利なことには、第二の空気吸込み口を形成する開口部の数を、第一の空気吸込み口を形成する開口部の数に対して増加させることによって、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積が、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積に比べて増加する。
【0074】
有利なことには、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口は、2つ〜5つの開口部を含む。
【0075】
有利なことには、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口は、3つ〜7つの開口部を含む。
【0076】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積は、約0.1平方ミリメートル〜約1.6平方ミリメートルであることが有利であり、約0.2平方ミリメートル〜約0.8平方ミリメートルであることがより有利である。
【0077】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積が第一の空気吸込み口を形成する開口部間で不均等に分けられるように、異なる流れ面積を有しうる。
【0078】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部の各々は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積が第一の空気吸込み口を形成する開口部間で等しく分けられるように、同一の流れ面積を有しうる。実質的に同一の流れ面積を有する複数の開口部を含む第一の空気吸込み口を備えた第一の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジ本体の製造が簡略化されうる。
【0079】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口は、適切な任意の断面形状を有する1つ以上の開口部を含みうる。例えば、各開口部の断面形状は、円形、楕円形、正方形、または長方形でありうる。有利なことには、各開口部は、実質的に円形の断面形状を有する。有利なことには、各開口部の直径は、約0.2ミリメートル〜約0.6ミリメートルである。
【0080】
酸供与源が乳酸を含む実施形態では、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積は、約0.2平方ミリメートル〜約2.4平方ミリメートルであることが有利であり、約0.4平方ミリメートル〜約1.2平方ミリメートルであることがより有利である。
【0081】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部は、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口の全流れ面積が第二の空気吸込み口を形成する開口部間で不均等に分けられるように、異なる流れ面積を有しうる。
【0082】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部の各々は、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口の全流れ面積が第二の空気吸込み口を形成する開口部間で等しく分けられるように、同一の流れ面積を有しうる。実質的に同一の流れ面積を有する複数の開口部を含む第二の空気吸込み口を備えた第二の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジ本体の製造が簡略化されうる。
【0083】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口は、適切な任意の断面形状を有する1つ以上の開口部を含みうる。例えば、各開口部の断面形状は、円形、楕円形、正方形、または長方形でありうる。有利なことには、各開口部は、実質的に円形の断面形状を有する。有利なことには、各開口部の直径は、約0.2ミリメートル〜約0.6ミリメートルである。
【0084】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口とが、それぞれ1つ以上の開口部を含んでもよい。例えば、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口とが、それぞれ1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの開口部を含みうる。
【0085】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口とが、同一または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0086】
有利なことには、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口とが、それぞれ複数の開口部を含む。例えば、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口とが、それぞれ2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの開口部を含みうる。複数の開口部を含む第一の空気出口を備えた第一の区画と、複数の開口部を含む第二の空気出口を備えた第二の区画とを提供することによって、有利なことに、それぞれ第一の区画内および第二の区画内で、より均一な気流がもたらされうる。これにより、使用時に、第一の区画を通して引き出される気流におけるニコチンの混入が改善され、また第二の区画を通して引き出される気流における酸の混入が改善されうる。
【0087】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、有利なことに、第一の空気出口は、2つ〜5つの開口部を含む。
【0088】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、有利なことに、第二の空気出口は、3つ〜7つの開口部を含む。
【0089】
有利なことには、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口とが、それぞれ単一の開口部を含む。単一の開口部を含む第一の空気出口を備えた第一の区画と、単一の開口部を含む第二の空気出口を備えた第二の区画とを提供することによって、有利なことに、カートリッジ本体の製造が簡略化されうる。
【0090】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと酸の比は、カートリッジ本体の第一の区画を通る空気流量を、カートリッジ本体の第二の区画を通る空気流量に対して変動させることにより制御されてバランスを取りうる。第一の区画を通る空気流量の、第二の区画を通る空気流量に対する比は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口を形成する開口部の数、寸法、および位置のうちの1つ以上を、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口を形成する開口部の数、寸法、および位置に対して変動させることにより制御されうる。
【0091】
第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積は、第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積と、同一であっても、または異なってもよい。
【0092】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積より大きくてもよい。
【0093】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積を、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積に対して増加させることで、有利なことに、第二の空気出口を通る空気流量が、第一の空気出口を通る空気流量に比べて増加しうる。
【0094】
酸供与源が乳酸を含む実施形態では、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積の比は、約3:4〜約1:2であることが好ましい。カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積と、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積の比は、約2:3〜約1:2であることがより好ましい。
【0095】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積が、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積よりも大きい実施形態では、第二の空気出口を形成する1つ以上の開口部のサイズを、第一の空気出口を形成する1つ以上の開口部のサイズに対して増加させること、および第二の空気出口を形成する開口部の数を、第一の空気出口を形成する開口部の数に対して増加させることのうちの一方または両方によって、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積が、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積に比べて増加しうる。
【0096】
有利なことには、第二の空気出口を形成する開口部の数を、第一の空気出口を形成する開口部の数に対して増加させることによって、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積が、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積に比べて増加する。
【0097】
カートリッジ本体の第一の区画にある、第一の空気吸込み口および第一の空気出口は、同一または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0098】
有利なことには、カートリッジ本体の第一の区画にある、第一の空気吸込み口および第一の空気出口は、同数の開口部を含む。同数の開口部を含む第一の空気吸込み口と第一の空気出口とを備えた第一の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジ本体の製造が簡略化されうる。
【0099】
カートリッジ本体の第二の区画にある、第二の空気吸込み口および第二の空気出口は、同一または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0100】
有利なことには、カートリッジ本体の第二の区画にある、第二の空気吸込み口および第二の空気出口は、同数の開口部を含む。同数の開口部を含む第二の空気吸込み口と第二の空気出口とを備えた第二の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジ本体の製造が簡略化されうる。
【0101】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積は、約0.1平方ミリメートル〜約5平方ミリメートルであることが有利である。
【0102】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積が第一の空気出口を形成する開口部間で不均等に分けられるように、異なる流れ面積を有しうる。
【0103】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部の各々は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積が第一の空気出口を形成する開口部間で等しく分けられるように、同一の流れ面積を有しうる。実質的に同一の流れ面積を有する複数の開口部を含む第一の空気出口を備えた第一の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジ本体の製造が簡略化されうる。
【0104】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口は、適切な任意の断面形状を有する1つ以上の開口部を含みうる。例えば、各開口部の断面形状は、円形、楕円形、正方形、または長方形でありうる。カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、有利なことに、各開口部は、実質的に円形の断面形状を有する。このような実施形態では、有利なことには、各開口部の直径は、約0.2ミリメートル〜約0.6ミリメートルである。
【0105】
カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法と同一であっても、または異なってもよい。
【0106】
有利なことには、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法と実質的に同一である。実質的に同一の寸法の1つ以上の開口部を含む、第一の空気吸込み口と第一の空気出口とを備えた第一の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジ本体の製造が簡略化されうる。
【0107】
有利なことには、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法より大きい。カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口を形成する開口部の寸法を、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する開口部の寸法に対して増加させることで、有利なことに、カートリッジ本体の第一の区画にある第一の空気出口が、例えばダストによって、塞がれるようになるリスクが減少しうる。
【0108】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積は、約0.1平方ミリメートル〜約5平方ミリメートルであることが有利である。
【0109】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部は、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口の全流れ面積が第二の空気出口を形成する開口部間で不均等に分けられるように、異なる流れ面積を有しうる。
【0110】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部の各々は、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口の全流れ面積が第二の空気出口を形成する開口部間で等しく分けられるように、同一の流れ面積を有しうる。実質的に同一の流れ面積を有する複数の開口部を含む第二の空気出口を備えた第二の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジ本体の製造が簡略化されうる。
【0111】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口は、適切な任意の断面形状を有する1つ以上の開口部を含みうる。例えば、各開口部の断面形状は、円形、楕円形、正方形、または長方形でありうる。カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、有利なことに、各開口部は、実質的に円形の断面形状を有する。このような実施形態では、有利なことには、各開口部の直径は、約0.2ミリメートル〜約0.6ミリメートルである。
【0112】
カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法と同一であっても、または異なってもよい。
【0113】
有利なことには、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法と実質的に同一である。実質的に同一の寸法の1つ以上の開口部を含む、第二の空気吸込み口と第二の空気出口とを備えた第二の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジ本体の製造が簡略化されうる。
【0114】
有利なことには、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法より大きい。カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口を形成する開口部の寸法を、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する開口部の寸法に対して増加させることで、有利なことに、カートリッジ本体の第二の区画にある第二の空気出口が、例えばダストによって、塞がれるようになるリスクが減少しうる。
【0115】
カートリッジ組立品が、第一の区画内に配置されるニコチン供与源および第二の区画内に配置される酸供与源を含む実施形態では、カートリッジの第一の区画におけるニコチン供与源から放出されたニコチン蒸気と、カートリッジの第二の区画における酸供与源から放出された酸蒸気とが、マウスピースにおける気相で相互に反応してニコチン塩粒子のエアロゾルを形成しうる。
【0116】
カートリッジ組立品は、マウスピース内に配置される1つ以上のエアロゾル修飾剤を含みうる。例えば、マウスピースは、1つ以上の吸収材、1つ以上の風味剤、1つ以上の化学感覚剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0117】
第一の区画および第二の区画は、カートリッジ本体内で互いに対して対称的に配置されうる。
【0118】
有利なことには、カートリッジは、細長いカートリッジである。カートリッジが細長いカートリッジである実施形態では、カートリッジ本体の第一の区画と第二の区画とが、カートリッジの長手方向軸の周りに対称的に配置されうる。
【0119】
カートリッジは、適切な任意の形状の横断断面を持ちうる。例えば、カートリッジの横断断面形状は、円形、半円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、または台形でありうる。カートリッジの横断断面形状は、正方形または長方形であることが好ましい。
【0120】
カートリッジは、適切な任意のサイズを持ちうる。
【0121】
例えば、カートリッジは、約5ミリメートル〜約50ミリメートルの長さを有しうる。有利なことには、カートリッジは、約10ミリメートル〜約20ミリメートルの長さを有しうる。
【0122】
例えば、カートリッジは、約4ミリメートル〜約10ミリメートルの幅と、約4ミリメートル〜約10ミリメートルの高さとを有しうる。有利なことには、カートリッジは、約6ミリメートル〜約8ミリメートルの幅と、約6ミリメートル〜約8ミリメートルの高さとを有しうる。
【0123】
カートリッジ本体、エンクロージャおよびマウスピースは、任意の適切な材料または材料の組み合わせで形成されうる。適切な材料には、アルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、液晶ポリマー(LCP)、および修飾LCP(黒鉛またはガラス繊維を含むLCPなど)が含まれるがこれらに限定されない。
【0124】
カートリッジ本体、エンクロージャおよびマウスピースは、同一の材料または異なる材料から形成されてもよい。
【0125】
カートリッジ本体は、耐ニコチン性および耐酸性である1つ以上の材料で形成されうる。
【0126】
カートリッジ本体の第一の区画は1つ以上の耐ニコチン性材料で被覆されてもよく、カートリッジ本体の第二の区画は1つ以上の耐酸性材料で被覆されてもよい。
【0127】
好適な耐ニコチン性材料および耐酸性材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0128】
1つ以上の耐ニコチン性材料を使用してカートリッジ本体を形成すること、およびカートリッジ本体の第一の区画の内部を被覆することのうちの一方または両方により、有利なことに、カートリッジの貯蔵寿命が延長しうる。
【0129】
1つ以上の耐酸性材料を使用してカートリッジ本体を形成すること、およびカートリッジ本体の第二の区画の内部を被覆することのうちの一方または両方により、有利なことに、カートリッジの貯蔵寿命が延長しうる。
【0130】
カートリッジ組立品は、第一の区画と第二の区画とを加熱するように構成されたヒーターを含みうる。こうした実施形態では、ヒーターは第一の区画と第二の区画との間に位置するのが有利である。すなわち、第一の区画と第二の区画とが、ヒーターの両側に配置される。
【0131】
ヒーターは電気ヒーターとしうる。ヒーターは抵抗ヒーターとしうる。
【0132】
有利なことには、ヒーターは、カートリッジ本体の第一の区画と第二の区画とを、摂氏約250度未満の温度に加熱するように構成される。好ましくは、ヒーターは、カートリッジ本体の第一の区画と第二の区画とを、摂氏約80度〜摂氏約150度の温度に加熱するように構成される。
【0133】
有利なことには、ヒーターは、カートリッジ本体の第一の区画と第二の区画とを、実質的に同一の温度に加熱するように構成される。
【0134】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「実質的に同一の温度」とは、ヒーターに関して対応する場所で測定したカートリッジ本体の第一の区画と第二の区画との間の温度の差異が約3℃未満であることを意味する。
【0135】
カートリッジ本体は、エアロゾル発生装置の発熱体を受けるための第三の区画を含みうる。第三の区画は、第一の区画と第二の区画との間に配置されることが好ましい。すなわち、第一の区画と第二の区画とが、第三の区画の両側に配置される。エンクロージャは、カートリッジ本体が第二の位置にある時に、第三の区画と整列される開口部を含むことが好ましい。使用時に、エアロゾル発生装置の発熱体は、第三の区画内に受けられて、第一の区画および第二の区画を加熱する。
【0136】
カートリッジは、第一の区画と第二の区画とを誘導的に加熱するためのサセプタを含みうる。こうした実施形態では、サセプタは第一の区画と第二の区画との間に位置するのが有利である。すなわち、第一の区画と第二の区画とが、サセプタの両側に配置される。
【0137】
使用時に、カートリッジ本体の第一の区画と第二の区画とを、周囲温度を超える温度に加熱することによって、有利なことに、第一および第二の区画内に格納された揮発性化合物の蒸気濃度の制御を可能にする。例えば、カートリッジ組立品が、第一の区画内に配置されるニコチン供与源および第二の区画内に配置される酸供与源を含む実施形態では、第一および第二の区画を加熱することは、第一の区画内のニコチンの蒸気圧および第二の区画内の酸の蒸気圧を比例的に制御し、かつそのバランスを取って、ニコチンと酸との間の効率的な反応化学量論を得ることを可能にする。有利なことに、これはニコチン塩粒子の形成効率、およびユーザーへの送達の一貫性を改善しうる。また有利なことに、未反応のニコチンおよび未反応の酸のユーザーへの送達が低減されうる。
【0138】
カートリッジ本体は、1つ以上の熱伝導性材料から形成されうる。
【0139】
カートリッジ本体の第一の区画およびカートリッジ本体の第二の区画は、1つ以上の熱伝導性材料で被覆されうる。
【0140】
1つ以上の熱伝導性材料を使用してカートリッジ本体を形成すること、ならびにカートリッジ本体の第一の区画および第二の区画の内部を被覆することのうちの一方または両方により、有利なことに、ヒーターまたはサセプタからニコチン供与源および酸供与源への熱伝達が増大しうる。
【0141】
適切な熱伝導性材料には、例えば、アルミニウム、クロミウム、銅、金、鉄、ニッケルおよび銀などの金属、黄銅および鋼などの合金、およびその組み合わせが含まれるがこれに限定されない。
【0142】
カートリッジ本体は、第一の区画および第二の区画が、熱伝導または誘導のどちらによって加熱されるかに応じて、低い抵抗率または高い抵抗率を有する1つ以上の材料で形成されうる。
【0143】
カートリッジ本体の第一の区画およびカートリッジ本体の第二の区画は、第一の区画および第二の区画が、熱伝導または誘導のどちらによって加熱されるかに応じて、低い抵抗率または高い抵抗率を有する1つ以上の材料で被覆されうる。
【0144】
カートリッジ本体は適切な任意の方法により形成されうる。適切な方法には、深絞り図面、射出成形、ブリスタリング、吹込み成形および押し出しが含まれるがこれに限定されない。
【0145】
カートリッジは、第一の区画のニコチンと第二の区画の酸とが涸渇すると、廃棄されるように設計されうる。
【0146】
カートリッジは、再充填可能になるように設計されうる。
【0147】
マウスピースは、第一の区画におけるニコチンと、第二の区画における酸とが涸渇すると、廃棄されるように設計されうる。
【0148】
マウスピースは、再利用可能であるように設計されうる。マウスピースが再利用可能であるように設計された実施形態では、カートリッジは、有利なことに、マウスピースくぼみから取り外し可能なように構成される。
【0149】
カートリッジ組立品は、紙巻たばこ、葉巻、または細い葉巻などの可燃性喫煙物品の形状や寸法をまねてもよい。有利なことには、そのような実施形態では、カートリッジ組立品は、紙巻たばこの形状および寸法をまねうる。
【0150】
カートリッジ組立品は、エアロゾル発生装置のハウジングと係合するように構成されうる。カートリッジおよびマウスピースのうちの少なくとも1つは、エアロゾル発生装置のハウジングと係合するように構成されることが好ましい。
【0151】
本発明の第二の態様によれば、上述の任意の実施形態に従って、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生装置と、カートリッジ組立品と、を含むエアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生装置は、カートリッジ組立品の上流端、ならびにカートリッジ本体の第一の区画および第二の区画を加熱するためのヒーターを受けるように構成される装置くぼみを含む。
【0152】
カートリッジ本体が発熱体を受けるための第三の区画を含むそれらの実施形態では、エアロゾル発生装置のヒーターは、有利には、装置くぼみ内に配置され、またカートリッジ組立品の上流端が装置くぼみ内に受けられた時に、カートリッジ本体の第三の区画内に受けられるように構成される、発熱体を含む。発熱体は抵抗発熱体であってもよい。使用時に、発熱体は、第三の区画内に受けられて、第一の区画および第二の区画を加熱する。
【0153】
カートリッジ本体が、第一の区画と第二の区画との間に配置されるサセプタを含むそれらの実施形態では、エアロゾル発生装置のヒーターは、有利には、装置くぼみの少なくとも一部分を囲む誘導ヒーターを含む。使用時に、誘導ヒーターは、サセプタを誘導加熱し、そのサセプタは、第一の区画および第二の区画を加熱する。
【0154】
有利なことには、エアロゾル発生装置のヒーターは、カートリッジ本体の第一の区画と第二の区画とを、摂氏約250度未満の温度に加熱するように構成される。好ましくは、エアロゾル発生装置のヒーターは、カートリッジ本体の第一の区画および第二の区画を、摂氏約80度〜摂氏約150度の温度に加熱するように構成される。
【0155】
有利なことには、エアロゾル発生装置のヒーターは、カートリッジ本体の第一の区画と第二の区画とを、実質的に同一の温度に加熱するように構成される。
【0156】
エアロゾル発生装置は、ヒーターへ電力を供給するための電源と、電源からヒーターへの電力供給を制御するよう構成されたコントローラとをさらに含みうる。
【0157】
エアロゾル発生装置は、ヒーター、第一の区画および第二の区画のうちの少なくとも1つの温度を検出するように構成された1つ以上の温度センサーを含みうる。こうした実施形態では、コントローラは、検出した温度に基づいてヒーターへの電力供給を制御するように構成されうる。
【0158】
誤解を避けるために、本発明の1つの態様に関する上述の特徴は、本発明の他の態様に適用されてもよい。特に、本発明によるカートリッジ組立品に対する上述の特徴はまた、本発明によるエアロゾル発生システムに、適切な場合、関連しうるとともに、逆もまた同じである。
ここで本発明の実施形態を、以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるが説明する。