(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6839725
(24)【登録日】2021年2月17日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】光ファイバー接続器のための掃除機能を有する防塵器
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20210301BHJP
【FI】
G02B6/36
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-14336(P2019-14336)
(22)【出願日】2019年1月30日
(65)【公開番号】特開2019-200411(P2019-200411A)
(43)【公開日】2019年11月21日
【審査請求日】2019年1月30日
(31)【優先権主張番号】62/670,988
(32)【優先日】2018年5月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】107131748
(32)【優先日】2018年9月10日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511206618
【氏名又は名称】プロタイ フォトニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ジー−チャーン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ユ−カイ チェン
【審査官】
山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−262754(JP,A)
【文献】
国際公開第2017/051759(WO,A1)
【文献】
中国特許出願公開第106291829(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0349459(US,A1)
【文献】
国際公開第2015/017170(WO,A1)
【文献】
特開2002−219421(JP,A)
【文献】
特開2008−180799(JP,A)
【文献】
実開昭62−169314(JP,U)
【文献】
特開2008−176297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26,6/36,6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバー接続器の防塵器であって、前記防塵器は、
除塵蓋であって、
光ファイバー接続器の前端を覆うように構成される枠と、
前記枠に連結された被覆であって、前記被覆は、前記枠に向かってまたはそこから離れるように回すことができる、被覆と、
を備える、除塵蓋と、
前記光ファイバー接続器を掃除するべく前記枠上に配置された掃除用構成要素と、
前記枠に連結された円筒であって、前記円筒は円形の横断面を有し、前記掃除用構成要素は前記円筒の前端を覆う、円筒と、
前記掃除用構成要素を前記円筒に固定する保持環と、
を備え、
前記被覆は、前記掃除用構成要素を覆うべく閉じられ、かつ、前記掃除用構成要素を露出するべく捲って開けられるように構成される、防塵器。
【請求項2】
前記掃除用構成要素は、掃除用払拭具または粘着性布である、請求項1に記載の防塵器。
【請求項3】
前記除塵蓋は、
前記枠に連結された第1の係合部分と、
前記被覆に連結された第2の係合部分であって、前記第2の係合部分は、前記被覆が捲って開けられるのを防ぐべく前記第1の係合部分と係合するように構成される、第2の係合部分と、
をさらに備える、請求項1に記載の防塵器。
【請求項4】
前記光ファイバー接続器は、外れ止め具、および前記外れ止め具上に形成された2つの突出部を備え、前記除塵蓋は、
前記枠に配置された固定部分であって、前記固定部分は、前記枠が前記光ファイバー接続器の前端を覆うときに、前記光ファイバー接続器が前記枠から引き出されるのを防ぐべく、前記外れ止め具上に形成された突出部に当接するように構成される、固定部分
をさらに備える、請求項1に記載の防塵器。
【請求項5】
前記除塵蓋は一体的に形成される、請求項1に記載の防塵器。
【請求項6】
前記光ファイバー接続器は、LC型またはMPO型の光ファイバー接続器である、請求項1に記載の防塵器。
【請求項7】
光ファイバー接続器の防塵器であって、前記防塵器は、
除塵蓋であって、
光ファイバー接続器の前端を覆うように構成される枠と、
前記枠に連結された2つの被覆であって、前記被覆は、前記枠に向かってまたはそこから離れるように回すことができる、被覆と、
を備える、除塵蓋と、
前記光ファイバー接続器を掃除するべく前記枠上に配置された掃除用構成要素と、
前記枠に連結された円筒であって、前記円筒は長方形の横断面を有し、前記掃除用構成要素は前記円筒の前端を覆う、円筒と、
前記掃除用構成要素を前記円筒に固定する保持環と、
を備え、
前記被覆は、前記掃除用構成要素を覆うべく共に連結され、かつ、前記掃除用構成要素を露出するべく捲って開けられるように構成される、防塵器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年5月14日に出願された米国仮出願整理番号62/670,988に、かつ、2018年9月10日に出願された台湾国出願番号107131748に対して優先権を主張しており、これにより、それらの開示は、全体として参照により本明細書中に組み込まれている。
【0002】
1.技術分野
本開示は、光ファイバー接続器の防塵器に、より具体的には、光ファイバー接続器のための掃除機能を有する防塵器に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の記載
光ファイバーは、世界中で通信に革命を起こしている。光ファイバーの増大した使用と共に、様々な源から光ファイバーケーブルを接続および切断することができることがますます重要になっている。光ファイバー接続器は、接続/切断性能が光通信システムにおいて要求されるところで用いることができる。光ファイバー接続器は、例えば、導波管(例えば、光ファイバー)、または光学送受信機等の、任意の種類の光学機器を接続するべく用いることができる。例えば、光ファイバー接続器は、光ファイバーを相互接続するか、または光ファイバーを光学送受信機に接続するべく用いることができる。光ファイバー接続器は、光学機器の一時的な相互接続のために設計することができる。しかしながら、光ファイバー接続器の接続面上における、塵粒子、汚染物質または同様のものを含むごみの存在により、ある光ファイバーから別のものへ行く光が部分的に閉塞され、接続帯域幅が著しく低減されることがある。
【0004】
光ファイバー接続器の防塵器は、光ファイバー接続器を汚染から保護するために設けられる。しかしながら、既存の光ファイバー接続器の防塵器のほとんどは、掃除機能を有していない。防塵器が取り外された後に光ファイバー接続器が掃除されることになるときには、接続器のファイバー端を掃除するべく別個の掃除用構成要素を用いることが必要である。
【発明の概要】
【0005】
防塵器が光ファイバー接続器を掃除する機能を提供していないという課題を解決するために、本開示は、除塵蓋および掃除用構成要素を含む光ファイバー接続器の防塵器を提供する。除塵蓋は、枠および被覆を含む。枠は、光ファイバー接続器の前端を覆うように構成される。被覆は枠に連結される。掃除用構成要素は、光ファイバー接続器を掃除するべく枠上に配置される。被覆は、掃除用構成要素を覆うべく閉じられ、かつ、掃除用構成要素を露出するべく捲って開けられるように構成される。
【0006】
本開示の防塵器は、円筒および保持環をさらに含む。円筒は枠に連結され、掃除用構成要素は円筒の前端を覆う。保持環は、掃除用構成要素を円筒に固定する。
【0007】
本開示の防塵器においては、光ファイバー接続器上に配置された案内ピンを収容するべく、円筒の2つの対向する側面のそれぞれの上に凹部が形成される。
【0008】
本開示の防塵器は、第1の係合部分および第2の係合部分をさらに含む。第1の係合部分は枠に連結される。第2の係合部分は、被覆に連結され、かつ、被覆が捲って開けられるのを防ぐべく第1の係合部分と係合するように構成される。
【0009】
本開示の防塵器においては、除塵蓋は、枠上に配置された固定部分をさらに含む。枠が光ファイバー接続器の前端を覆うときに、固定部分は、光ファイバー接続器が枠から引き出されるのを防ぐべく、光ファイバー接続器の外れ止め具上に形成された突出部に当接することができる。
【0010】
本開示の防塵器においては、掃除用構成要素は、掃除用払拭具または粘着性布である。
【0011】
本開示の防塵器においては、掃除用構成要素はゼリー状粘着物である。除塵蓋は、ゼリー状粘着物を収容するべく枠に連結された谷部をさらに含む。
【0012】
本開示の防塵器においては、除塵蓋は一体的に形成される。
【0013】
本開示の防塵器においては、枠は、LC型またはMPO型の光ファイバー接続器を覆うように構成される。
【0014】
本開示は、光ファイバー接続器の別の防塵器をさらに提供する。本開示の防塵器は、除塵蓋および掃除用構成要素を含む。除塵蓋は、枠および2つの被覆を含む。枠は、光ファイバー接続器の前端を覆うように構成される。2つの被覆は枠に連結される。掃除用構成要素は、光ファイバー接続器を掃除するべく枠上に配置される。2つの被覆は、掃除用構成要素を覆うべく共に連結され、かつ、掃除用構成要素を露出するべく捲って開けられるように構成される。
【0015】
光ファイバー接続器を汚染から保護するべく用いられることに加え、本開示の防塵器は、ファイバー端を掃除するべく別個の掃除用構成要素を用いる必要性を回避する追加の価値を提供する。
【0016】
本開示の先の特徴および利点は、追加の目的と同じく、添付の図面を参照して進む以下の詳細な記載からより容易に分かるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の第1の実施形態の光ファイバー接続器の防塵器の分解図である。
【
図2a】本開示の第1の実施形態の防塵器の除塵蓋の異なる立面斜視図である。
【
図2b】本開示の第1の実施形態の防塵器の除塵蓋の異なる立面斜視図である。
【
図2c】本開示の第1の実施形態の防塵器の除塵蓋の異なる立面斜視図である。
【
図2d】本開示の第1の実施形態の防塵器の除塵蓋の異なる立面斜視図である。
【
図3】本開示の第1の実施形態の防塵器の保持環の立面斜視図である。
【
図4a】被覆が開いている、本開示の第1の実施形態の防塵器の立面斜視図である。
【
図4b】被覆が開いている、本開示の第1の実施形態の防塵器の横断面図である。
【
図5】被覆が閉じられている、本開示の第1の実施形態の防塵器の立面斜視図である。
【
図6】従来のLC型光ファイバー接続器の立面斜視図である。
【
図7】本開示の第1の実施形態の防塵器が、
図6の光ファイバー接続器の全体にわたり据えられることを例解している。
【
図8】本開示の第2の実施形態の防塵器の立面斜視図である。
【
図9】本開示の第3の実施形態の光ファイバー接続器の防塵器の分解図である。
【
図10a】本開示の第3の実施形態の防塵器の除塵蓋の異なる立面斜視図である。
【
図10b】本開示の第3の実施形態の防塵器の除塵蓋の異なる立面斜視図である。
【
図10c】本開示の第3の実施形態の防塵器の除塵蓋の異なる立面斜視図である。
【
図11a】本開示の第3の実施形態の防塵器の立面斜視図である。
【
図11b】本開示の第3の実施形態の防塵器の横断面図である。
【
図12】2つの被覆が共に連結される、本開示の第3の実施形態の防塵器の立面斜視図である。
【
図13】従来のMPO雄型光ファイバー接続器の立面斜視図である。
【
図14】本開示の第3の実施形態の防塵器が、
図13の光ファイバー接続器の全体にわたり据えられることを例解している。
【
図15】本開示の第3の実施形態の防塵器が、光ファイバー適合器と接合された光ファイバー接続器を掃除するべく用いられることを例解している。
【
図16】本開示の第4の実施形態の防塵器の立面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適な実施形態の詳細な記載
参照が
図1に対して行われ、本開示の第1の実施形態による光ファイバー接続器の防塵器100は、除塵蓋190、保持環180および掃除用構成要素195を含む。
図2a乃至2dを参照すると、除塵蓋190は、射出成型工程によりプラスチックで構築され得、上壁111、右壁112、下壁113および左壁114を含む4つの接続された壁により画定された室120を有し、そこで、上壁111は下壁113に面し、かつ右壁112および左壁114と接続する。板130は、枠110の前端上に形成される。板130は、壁111、112、113、114に連結され、それにより、枠110の前端が実質的に閉じられる。板130は、右突縁142および左突縁144をそれぞれ形成するべく、右壁112および左壁114を超えて左右に延在する。係合部分145および146は、右突縁142および左突縁144の上にそれぞれ形成される。2つの係合部分145、146は、上壁111および下壁113に垂直で、かつ右壁112および左壁114に平行な方向に延在する細長い開口であり得る。室120と連通する開口122は、枠110の後端に設けられる。上延在部119は、上壁111の前端から水平に延在する。固定部分160は、枠110の後端に形成される。固定部分160は、右支持壁162、左支持壁164および遮断壁165を含む。右支持壁162は右壁112から上方に延在し、その頂部は上壁111よりも高い。左支持壁164は左壁114から上方に延在し、その頂部は上壁111よりも高い。右支持壁162は、左支持壁164に平行である。遮断壁165は、右支持壁162と左支持壁164との間に位置し、かつそれらに垂直に接続される。間隙166は、遮断壁165と上壁111の後端との間に形成される。さらに、遮断壁165の下部分内に長方形の切り欠き167が形成される。
【0019】
円筒150は、板130の前表面上に形成される。円筒150は、実質的に円筒形であり、かつ、実質的に平坦な前端面152を有する。円筒150の前部分は、突縁154をもって形成される。除塵蓋190は、被覆170をさらに含む。被覆170は、長方形の頂壁171を含む。頂壁171の1つの側面は、上延在部119に接続され、3つの側壁172は、頂壁171の他の3つの側面からそれぞれ垂直に延在する。加えて、3つの側壁172のうち2つは係合部分174をそれぞれ設けられ、そこで、2つの係合部分174は鉤であり得る。
【0020】
参照が
図3に対して行われ、環状突出部182は、保持環180の内表面の後縁上に形成される。
図4aおよび4bを参照すると、本開示の防塵器100は、掃除用払拭具または粘着性布等の掃除用構成要素195が、円筒150の前端面152および側方表面の上に据えられることを特徴とする。保持環180は、円筒150の全体にわたり据えられるように成形され、環状突出部182は、円筒150の突縁154の後端と係合し、それにより、保持環180が円筒150から外れることはない。保持環180は、掃除用構成要素195を円筒150に固定し、掃除用構成要素195は、保持環180の開口から露出する。
【0021】
本開示の防塵器100においては、上延在部119に接続された被覆170は、枠110に向かってまたはそこから離れるように回すことができる。
図5を参照すると、被覆170は押し下げられ、それにより、係合部分174が、それぞれ右突縁142および左突縁144の上にある係合部分145および146に貫入する。このように、被覆170は、掃除用構成要素195を汚染から保護するべく、円筒150上の掃除用構成要素195を覆う。
【0022】
図6を参照すると、従来のLC光ファイバー接続器200は、正方形の横断面を有する概して長方形の形状を有する。光ファイバー接続器200は、上壁211、下壁213、右壁212および左壁214から成る長方形で中空の筐体210を含み、そこで、上壁211は下壁213に面し、かつ右壁212および左壁214と接続する。外れ止め具220は、上壁211内に成型され、かつ、光ファイバー接続器200の中心軸に垂直な方向にツマミ226を上下に動かすことを可能にする一体丁番225を含む。外れ止め具220は、ツマミ226の対向する側面上にそれぞれ位置付けられる一対の突出部221をさらに含む。加えて、フェルール240は、筐体210の前端上の円形の開口216から突出する。一対の突出部260は、右壁212および左壁214の上にそれぞれ位置付けられる。
【0023】
図7を参照すると、本開示の防塵器100が、従来の光ファイバー接続器200を保護するべく用いられるときに、光ファイバー接続器200の前端は、開口122から枠110内に挿入され、外れ止め具220上の突出部221は、遮断壁165内の切り欠き167を通じて動かされる。この時に、除塵蓋190の枠110は、フェルール240を汚染から保護するべく、光ファイバー接続器200の前端でフェルール240を覆う。光ファイバー接続器200上の突出部221は、光ファイバー接続器200が枠110から不注意に引き出されるのを防ぐべく、除塵蓋190の遮断壁165に当接するように用いられる。これは、枠110が光ファイバー接続器200から外れるのを防ぐことができる。
【0024】
本開示の防塵器100が、光ファイバー接続器200のフェルール240を掃除するべく用いられるときに、除塵蓋190は、光ファイバー接続器200から取り外される。後に、除塵蓋190は180度回転され、被覆170は、掃除用構成要素195を露出するべく捲って開けられる。その後、掃除用構成要素195は、フェルール240上のごみおよび塵を払拭するべくフェルール240と接触させられる。
【0025】
参照が
図8に対して行われ、本開示の第2の実施形態による光ファイバー接続器の防塵器300は、除塵蓋390および粘着性ゼリー395を含む。第2の実施形態における防塵器300の除塵蓋390は、第1の実施形態における防塵器100の除塵蓋190と実質的に同じである。以下の図では、同一の参照番号が、当該図に共通する実質的に同一の要素を指定するときに用いられることになる。第1の実施形態における除塵蓋190とは異なり、この実施形態における除塵蓋390は、除塵蓋190の円筒150に取って代わる谷部350を設けられる。谷部350は板130の前表面上に配置され、掃除機能を有する粘着性ゼリー395は谷部350内に充填される。
【0026】
同様に、光ファイバー接続器200も、光ファイバー接続器200を汚染から保護するべく、除塵蓋390の枠110内に挿入することができる。光ファイバー接続器200上の突出部221も、枠110が光ファイバー接続器200から外れるのを防ぐべく、除塵蓋390の遮断壁165に当接することができる。
【0027】
本開示の防塵器300が、光ファイバー接続器200のフェルール240を掃除するべく用いられるときに、除塵蓋390は、光ファイバー接続器200から取り外される。後に、除塵蓋390は180度回転され、被覆170は、粘着性ゼリー395を露出するべく捲って開けられる。その後、フェルール240は、その上のごみおよび塵を除去するべく、粘着性ゼリー395に接触するように動かされる。
【0028】
参照が
図9に対して行われ、本開示の第3の実施形態による光ファイバー接続器の防塵器400は、除塵蓋490、保持環480および掃除用構成要素495を含む。
【0029】
図10a乃至10cを参照すると、除塵蓋490は、射出成型工程によりプラスチックで構築され得、上壁411、右壁412、下壁413および左壁414を含む4つの接続された壁により画定された室420を有し、そこで、上壁411は下壁413に面し、かつ右壁412および左壁414と接続する。板430は、枠410の前端上に形成される。板430は、壁411、412、413、414に連結され、それにより、枠410の前端が実質的に閉じられる。右突縁442は右壁412から右方に延在し、左突縁444は左壁414から左方に延在する。室420と連通する開口422は、枠410の後端に設けられる。係合部分445および446は、右壁412および左壁414の外表面上にそれぞれ形成される。1つの実施形態においては、係合部分445、446は蟻溝であり得る。
【0030】
細長い円筒450は、板430の前表面上に形成される。円筒450は、実質的に長方形の横断面を有し、かつ平坦な前端面452を有する。半円形の凹部454は、円筒450の2つの対向する側面のそれぞれの中に形成される。2つの凹部454は、前端面452から板430へ縦に延在する。
【0031】
除塵蓋490は、2つの被覆471、472をさらに含み、そこで、被覆471の1つの側面は右突縁442に連結され、被覆472の1つの側面は左突縁444に連結される。さらに、被覆471および472は、互いと係合するように構成される係合部分473および474をそれぞれ設けられる。1つの実施形態においては、係合部分473および474は、それぞれ鉤または尾錠である。係合部分475および476は、それぞれ被覆471および472の外表面上に形成され、それらは、それぞれ係合部分445および446と係合することができる。1つの実施形態においては、係合部分475、476は突出部であり得る。
【0032】
図9に戻って参照すると、掃除用構成要素495は、一片の掃除用払拭具または粘着性布であり得る。保持環480は、円筒450の全体にわたり据えられるように成形される。
【0033】
図11aおよび11bを参照すると、本開示の防塵器400は、掃除用構成要素495が円筒450の前端面452上に据えられるが、凹部454を覆わないことを特徴とする。保持環480は円筒450の全体にわたり据えられ、それにより、保持環480が掃除用構成要素495を円筒450に固定する。掃除用構成要素495は保持環480から露出する。
【0034】
本開示の防塵器400においては、枠410に接続された被覆471、472は、枠410に向かってまたはそこから離れるように回すことができる。
図12を参照すると、被覆471および472上にそれぞれ形成された係合部分473および474は互いと係合され、それにより、2つの被覆471、472が掃除用構成要素495を覆うべく共に連結される。このように、円筒450上の掃除用構成要素495は汚染から保護される。第1の実施形態の防塵器100に示されているように、防塵器400は1つのみの被覆を含むように設計され得、掃除用構成要素495は1つのみの被覆をもって保護され得ることに留意されたい。
【0035】
図13、従来のMPO雄型光ファイバー接続器500は、フェルール510、および、フェルール510の前端面512上で露出される複数の光ファイバー520を含む。さらに、2つの案内ピン530は、フェルール510の前端面512から縦に延在する。
【0036】
図14を参照すると、本開示の防塵器400が、従来の光ファイバー接続器500を保護するべく用いられるときに、光ファイバー接続器500は、開口422から枠410内に挿入される。この時に、除塵蓋490の枠410は、光ファイバー接続器500を汚染から保護するべく、光ファイバー接続器500のフェルール510を覆う。
【0037】
本開示の防塵器400が、光ファイバー接続器500のフェルール510を掃除するべく用いられるときに、除塵蓋490は、光ファイバー接続器500から取り外される。後に、除塵蓋490は180度回転され、被覆471、472は、掃除用構成要素495を露出するべく捲って開けられる。光ファイバー接続器500の2つの案内ピン530は、防塵器400の円筒450の2つの側面上に位置する凹部454内にそれぞれ据えられ、フェルール510は、フェルール510の前端面512上のごみおよび塵を除去するべく掃除用構成要素495と接触させられる。光ファイバー接続器を掃除するときに防塵器400を保持するのを容易にするために、被覆471、472は、右および左の壁412、414にそれぞれ近くあるように回すことができ、それにより、係合部分475、476が係合部分445、446とそれぞれ係合される。
【0038】
加えて、本開示の防塵器400は、光ファイバー適合器と接合されている光ファイバー接続器500を掃除するべく用いることもできる。
図15を参照すると、光ファイバー接続器500がMPO型光ファイバー適合器600と接合されている。本開示の防塵器400は、掃除用構成要素495をフェルール510の前端面512と接触させ、それによりフェルール510を掃除するべく、他端から光ファイバー適合器600内に挿入される。防塵器400の円筒450は、円筒450上の掃除用構成要素495がフェルール510と接触することを可能にするのに十分に長い必要があることを理解されたい。
【0039】
参照が
図16に対して行われ、本開示の第4の実施形態による光ファイバー接続器の防塵器700は、除塵蓋790および粘着性ゼリー795を含む。第4の実施形態における防塵器700の除塵蓋790は、第3の実施形態における防塵器400の除塵蓋490と実質的に同じである。以下の図では、同一の参照番号が、当該図に共通する実質的に同一の要素を指定するときに用いられることになる。第3の実施形態における除塵蓋490とは異なり、この実施形態における除塵蓋790は、除塵蓋490の円筒450に取って代わる谷部750を設けられる。谷部750は板430の前表面上に配置され、掃除機能を有する粘着性ゼリー795は谷部750内に充填される。
【0040】
本開示の防塵器700が、光ファイバー接続器500のフェルール510を掃除するべく用いられるときに、除塵蓋790は、光ファイバー接続器500から取り外される。後に、除塵蓋790は180度回転され、被覆471、472は、粘着性ゼリー795を露出するべく捲って開けられる。その後、フェルール510は、その上のごみおよび塵を除去するべく、粘着性ゼリー795に接触するように動かされる。同様に、谷部750も、その中に充填された粘着性ゼリー795が、光ファイバー適合器600と接合されている光ファイバー接続器500のフェルール510と接触し、それによりフェルール510を掃除することを可能にするのに十分な高さを有するように設計することができる。
【0041】
光ファイバー接続器を汚染から保護するべく用いられることに加え、本開示の防塵器は、光ファイバー接続器のファイバー端を掃除するべく別個の掃除用構成要素を用いる必要性を回避する追加の価値を提供する。
【0042】
本開示の好適な実施形態が例解目的のために開示されているが、当業者は、添付の請求の範囲内に開示されているとおりの本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な修正、付加および置換が可能であることを認識するだろう。