(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明に係るコンクリート施工装置の実施形態について説明する。以下に説明する各実施形態のコンクリート施工装置は、打設後のコンクリートに振動体を挿入してコンクリートの締固めを実行するバイブレータ装置である。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のバイブレータ装置1のシステム構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、バイブレータ装置1は、コンクリートに挿入され振動する振動体3と、振動体3に電力を供給する電源装置9(電力供給部)と、上記の電力を電源装置9から振動体3に伝達する電力コード15とを備えている。
【0014】
振動体3は、モータ5と当該モータにより回転する偏心重り7とを有している。モータ5は、交流電流で動作するACモータである。偏心重り7は、当該モータ5の回転軸に偏心して取付けられている。モータ5及び偏心重り7は、振動体3の筐体19(
図3参照)に収納されている。筐体19内でモータ5が回転し、偏心重り7が回転することで、振動体3が振動する。
【0015】
モータ5に電力を供給する電源装置9は、複数(本実施形態では2つ)のバッテリー11(電池)と、インバータ13とを有している。バッテリー11はモータ5に供給される電力を蓄え保持している。バッテリー11としては、例えば、リチウムイオンバッテリーや燃料電池を採用することができる。
【0016】
インバータ13は、DC入力可能なインバータであって、バッテリー11から出力される直流電流を適切な周波数の交流電流(高周波電流)に変換して、モータ5に出力する。バッテリー11が複数存在することにより、バッテリー11からインバータ13への電流の供給系統を複数にすることができ、系統バックアップ機能が実現される。インバータ13から出力される交流電流は、電力コード15を通じてモータ5に伝達される。なお、インバータ13は完全な正弦波インバータに限定されず、モータ5が対応可能であれば、疑似正弦波インバータや矩形波インバータであってもよい。
【0017】
続いて、
図2〜
図4を参照しながらバイブレータ装置1の物理的な構成について説明する。
図2はバイブレータ装置1の使用形態の一例を示す図である。
図3は、バイブレータ装置1の物理的な構成を示す斜視図である。
図4(a)は、電源装置9及び後述のフレームザック21を示す正面図であり、
図4(b)は、その背面図であり、
図4(c)及び
図4(d)は、その側面図である。
【0018】
バイブレータ装置1は、例えば
図2に示されるような形態で使用される。すなわち、締固めの作業者Z(施工作業者)は、後述のフレームザック21を介して電源装置9を背負う。そして作業者Zは、電源装置9から引き出された電力コード15を把持して、当該電力コード15の先端に設けられた振動体3を移動させたり打設後のコンクリートに挿入したりする等の操作を行う。以下の説明において、「右」、「左」等の語は、上記の使用態様における作業者Zから見た左右に対応させるものとする。
【0019】
図3及び
図4に示される通り、バイブレータ装置1は、振動体3と、電源装置9と、振動体3と電源装置9とを繋ぐ可撓性の電力コード15と、を備えている。また、バイブレータ装置1は、電源装置9を保持すると共に、作業者Zが装着可能であるフレームザック21(保持装着具)を備えている。
【0020】
前述の通り、振動体3は、筐体19と、筐体19に収納されたモータ5及び偏心重り7と、を有している。振動体3は断面円形の形状をなしている。例えば、バイブレータ装置1は、土木構造物のRC躯体の構築に用いられるものであり、振動体3の直径は、例えば約40〜50mmである。振動体3は、コンクリートの締固めに適した周波数(例えば、約240Hz)で振動する。
【0021】
電源装置9は、左右対称に配置される2つのL字状のバッテリー11と、バッテリー11の上部同士の間に挟まれて配置されるインバータ13とを有しており、全体として正面視矩形を呈している。電源装置9の重量は、例えば約10kgである。
【0022】
電力コード15は、電源装置9と振動体3とを繋いでいる。電力コード15は、例えば、インバータ13からの交流電流を搬送する導線(図示せず)と、当該導線を被覆する被覆材(図示せず)と、とを有する構造をなす。電力コード15は、電源装置9の右側面から引き出されているが、例えば、電源装置9の左側面側にも電力コード15用のコネクタを設け、任意に引き出せるようにしてもよい。電力コード15のうち、電源装置9に接続される根元の部分は、他の部分15bよりも曲がり易い低剛性部15aである。低剛性部15aは、例えば、カールコード構造をなしており、他の部分15bよりも可撓性が高く容易に曲がるようになっている。
【0023】
なお、このような低剛性部15aは、電源装置9に接続される根元の部分に限定されず、電力コード15の途中の部分に設けられてもよい。また、低剛性部15aとしてはカールコード構造のものに限定されず、電力コード15の他の部分よりも低剛性であれば種々の形態を採用することができる。例えば、低剛性部15aとしては、他の部分15bよりも被覆材を薄くして低剛性とした電力コードを採用してもよい。特に、低剛性部15aが電源装置9に近い側にある場合には、低剛性部15aがコンクリート内に挿入される可能性が低いので、低剛性部15aの被覆材が薄い場合にも問題が発生し難い。
【0024】
電力コード15は、電源装置9内で引き回される配線(図示せず)を介してインバータ13に電気的に接続されている。電源装置9から引き出された電力コード15の長さを自在に変更可能にすべく、例えば、電源装置9に電力コード15の巻取装置29(巻取機構)が設けられてもよい。これにより、電源装置9から引き出された電力コード15の長さを、作業に適した長さに調整することができる。また、
図2及び
図3の例では、電源装置9からの電力コード15は作業者Zの右方向に引き出されているが、これには限定されない。すなわち、電源装置9の左右両側に電力コード15のコネクタ(図示せず)を設け、作業者Zの利き手に応じて電力コード15の引き出し方向を選択できるようにしてもよい。
【0025】
電源装置9には操作パネル35が設けられている。操作パネル35には、例えば、振動体3の振動をON/OFFするためのON/OFFスイッチが含まれている。また、操作パネル35には、インバータ13から振動体3に送られる交流電流の周波数を変更するための周波数調整スイッチが含まれてもよい。この構成によれば、作業者Zが振動のON/OFFや振動周波数の調整の操作を行うことができる。
図3の例では操作パネル35が電源装置9の右側面に固定されているが、操作パネル35は、例えばカールコード構造のコードを介して電源装置9に接続され、電源装置9から取り外し可能であってもよい。この場合、作業者Zがフレームザック21を背負ったまま手元で操作パネル35を操作することができる。また、操作パネル35は、後述の肩ストラップ27に装着できるようにしてもよい。また、操作パネル35をコードレスのリモコン式としてもよく、この場合、コードによる支障なく操作することが可能になる。
【0026】
例えば、特許文献1の装置などにおいては、作業者から離れた位置にON/OFFスイッチがある場合が多く、作業者以外の者がスイッチ操作することで、ON/OFFのタイミングが遅くなる場合がある。これに対しバイブレータ装置1では、作業者Zが電源装置9の操作パネル35を操作し易く、締固めのON/OFFのタイミングを作業者Z自身でコントロールすることができる。従って、適切なタイミングでON/OFF操作を行うことで、例えば、コンクリートが過剰に締固められるといったことを回避することができ、適正な締固め時間でコンクリートの締固めを行うことができる。
【0027】
なお、2つのバッテリー11、インバータ13、電力コード15、及び操作パネル35等の電気的な構成要素を互いに電気的に接続する配線は、電源装置9内に適宜構築されている。
【0028】
図4に示されるように、フレームザック21は、電源装置9を搭載し保持するフレーム23と、フレーム23に取付けられた2つの肩ストラップ27と、を有している。フレーム23は、例えば、金属パイプで構成されている。作業者Zは、両肩に肩ストラップ27を掛けるようにしてフレームザック21及び電源装置9を背負い、前述のとおり、
図2に示されるようなバイブレータ装置1の使用形態が可能になる。
【0029】
一般的に、人が重量物を背負う場合の負担は、人に対する当該重量物の高さ位置によって変化する。例えば、人が背負う重量物が人に対して適切な高さ位置にあれば、重量物の重心位置が人に近くなり、人の負担が軽減すると考えられる。このような知見に基づき、フレームザック21は、作業者Zに対するバッテリー11及びインバータ13の高さ位置を変更可能とする仕組みを備えている。
【0030】
具体的には、例えば、電源装置9は所定の取付金具(図示せず)等を介してフレームザック21に固定される。この取付金具の上下位置を変更することにより、フレームザック21に対する電源装置9の取付け高さを変更することができる。例えば、取付金具をフレームザック21に対してボルト止めする場合において、フレームザック21側に上下方向に複数段のボルト孔を準備しておく等の構成によって電源装置9の取付け高さの変更が可能になる。なお、フレームザック21に対する取付け高さの変更は、各バッテリー11やインバータ13といった電源装置9の構成装置ごとに可能であってもよい。
【0031】
上記のように、フレームザック21に対する電源装置9等の取り付け位置の高さを変更可能にすることにより、作業者Zが背負う重量物の重心高さを調整することができる。すなわち、電源装置9やその構成装置(バッテリー11、インバータ13)の重心高さを、作業者Zにとって最も負担が軽減されるように設定することができる。
【0032】
フレームザック21及び電源装置9は、作業者Zが牽引して移動させることも可能である。このため、フレームザック21は、フレーム23の下部に設けられた折畳み式の搬送走行部31を有している。搬送走行部31はフレーム23の下端部を軸とするヒンジ結合により当該フレーム23に取付けられている。また、フレーム23の下部には、上端のヒンジ33aによりフレーム23に取付けられた折畳み式の支柱33が設けられている。搬送走行部31及び支柱33は、それぞれ、フレーム23の下部に左右一対で設けられている。搬送走行部31としては、無限軌道(クローラーなどとも呼ばれる)が採用されている。
【0033】
図4(d)に示されるように、上記の搬送走行部31を前方に引き出すと共に、支柱33を引き出して当該支柱33の下端を搬送走行部31の前部に接合することで、搬送走行部31はフレームザック21のスタンドとして機能する。すなわち、搬送走行部31を接地させて、フレームザック21及び電源装置9を略水平の載置面上に自立させることができる。また、この状態からフレームザック21の上端のハンドル21aを持ってフレームザック21及び電源装置9を引っ張るなどすると、搬送走行部31が載置面上を転動し、フレームザック21及び電源装置9を載置面上で円滑に移動させることができる。従って、フレームザック21及び電源装置9を作業者Zの近傍の載置面上に自立させ移動させながら締固め作業を行うといった使用形態も可能である。
【0034】
ここで、例えば床スラブの鉄筋コンクリートを構築するコンクリート打設現場にあっては、床面に沿って鉄筋が格子状に配置されている場合がある。仮に、搬送走行部31として単なる車輪を採用した場合を考えると、上記のようなコンクリート打設現場においては、車輪が鉄筋の格子目に嵌まり込み円滑に移動させることができない。これに対し、本実施形態のように無限軌道を搬送走行部31として採用することにより、格子状の鉄筋の上を円滑に移動させることができる。なお、搬送走行部31が折り畳み式であるので、
図2に示されるような使用形態においては、搬送走行部31が邪魔にならない。
【0035】
続いて、以上説明したバイブレータ装置1による作用効果について説明する。
【0036】
バイブレータ装置1は、電源装置9のバッテリー11を電力源としているので、施工現場内において単独で動作可能である。従って、バイブレータ装置1に電力を供給するための電力コードを施工現場に引き回す必要がなく、電力コードを捌く人員も必要ない。すなわち、作業者Zは電源装置9を持ち運びながら1人で締固め作業を行うことができ、その結果、作業人員を削減することができる。
【0037】
また、特許文献1に示されるような方式では、モータ5に供給する電流の周波数を調整するために、交流の商用電源を一旦直流電流に変換し、更に交流電流に変換して、振動体の交流モータに供給する必要がある。これに対し、バッテリー11を電力源とするバイブレータ装置1では、バッテリー11からの直流電流をインバータ13で交流電流に変換してモータ5に供給すればよい。すなわち、バイブレータ装置1では、特許文献1の方式に比較してインバータ13における電流の変換がシンプルであるので、電力のロスが抑えられ効率が向上する。
【0038】
また、一般的に、特許文献2に示されるようなエンジンに比較してバッテリーの方が軽量であるので、作業者Zの負担が軽減される。また、振動の駆動源として振動体3に内蔵されたモータ5が使用されるので、電源装置9と振動体3とを繋ぐコードは、電力を供給するための電力コード15である。このような電力コード15は、特許文献2に示されるような回転シャフトが内蔵されたホースに比較して、軽く、曲がり易く、振動も小さい。従って、作業者Zにおいては、電力コード15及び振動体3を取扱う負担が小さく、細かな作業も容易になり、作業性が向上する。
【0039】
また、バイブレータ装置1では、エンジンを用いる場合に比較して、排煙の発生がなく、騒音や排熱も小さく抑えられるので、より作業性がよい。また、排煙の発生がないことから、バイブレータ装置1は坑内等での使用も可能である。また、電力コード15は、ホース内で回転するシャフトに比較して故障も少ないので、装置の長寿命化が図られる。
【0040】
また、電力コード15にはカールコード構造などの低剛性部15aが設けられているので、例えば、作業者Zが振動体3を移動させる際に、電源装置9と接続されていることに起因する動きの制約が小さい。従って、電力コード15及び振動体3の操作性が良く、作業性がより向上する。
【0041】
なお、本発明者らの実験によれば、重量10kg、充電時間4時間のバッテリーによって直径50mmの振動体を駆動したところ、1.5時間の連続運転が可能であった。また、同じバッテリーによって直径40mmの振動体を駆動したところ、2.2時間の連続運転が可能であった。上記のようなバッテリーの重量、充電時間、及び連続運転時間に鑑みれば、土木構造物のRC躯体の構築に用いる場合を想定した場合に、バイブレータ装置1は十分に運用可能であると考えられる。
【0042】
(第2実施形態)
続いて、
図5を参照しながら、本発明に係るバイブレータ装置(コンクリート施工装置)の第2実施形態について説明する。本実施形態のバイブレータ装置201において、前述のバイブレータ装置1と同一又は同等な構成部分には同一符号を付し重複する説明を省略する。
図5(a)は、バイブレータ装置201を正面側から見た斜視図であり、
図5(b)は、バイブレータ装置201を背面側から見た斜視図である。
【0043】
図に示されるように、本実施形態のバイブレータ装置201は、フレームザック21(
図4等参照)に代えて、電源装置9を保持すると共に作業者Zが着用可能な胴型ザック51を備えている。胴型ザック51は、作業者Zの胸部を覆う前面部55と、作業者Zの背部を覆う背面部57と、前面部55と背面部57とを接続すると共に作業者Zの両肩に掛けられる2本の肩パッド部59と、を有している。
【0044】
前面部55及び背面部57の本体素材は、バッテリー11及びインバータ13等の重量物を保持するための剛性と強度を有し、施工現場等での使用に耐えうる程度に丈夫であり、かつ作業者Zの体に馴染むような素材が採用される。例えば、背面部57の本体は、剛性を確保するための芯材(図示せず)と、当該芯材を被覆する合成樹脂繊維製の被覆材(図示せず)と、で構成されてもよい。また、着用時に前面部55と背面部57とで作業者Zの体を前後に適度に締め付けるために、肩パッド部59には、スプリング性を有する素材が採用されてもよい。また、前面部55と背面部57との下部同士は、作業者Zの側腹部に対応する位置において、固定紐61で連結される。
【0045】
胴型ザック51は、電源装置9のバッテリー11及びインバータ13を収納するポケット63を複数備えている。例えば本実施形態では、前面部55に1つのポケット63が配置され、背面部57に2つのポケット63が配置されている。背面部57で左右方向に配列された2個のポケット63には、それぞれ1個ずつのバッテリー11が収容される。前面部55の左胸部に配置されたポケット63にはインバータ13が収容される。
【0046】
インバータ13からの交流電流を出力するための配線14は、左胸部のポケット63から前面部55の右部の位置まで引き回され、電力コード15の根元部分(低剛性部15a)に接続される。これにより、電力コード15が胴型ザック51の右側部分から引き出され、右利きの作業者Zにとって使用し易い。なお、作業者Zの利き手に応じて、インバータ13用のポケット63を右胸部に配置し、配線を前面部55の左部の位置まで引き回すなど、前面部55における左右の位置関係を入れ替えることも可能である。なお、その他の電気的な配線は、胴型ザック51内に適宜構築されている。例えば、背面部57に配置されるバッテリー11と前面部55に配置されるインバータ13とは、肩パッド部59に設けられた配線コード59aを介して電気的に接続される。
【0047】
また、各ポケット63は、前面部55や背面部57に対して着脱可能であり、その取付け位置を自在に変更できるようにしてもよい。例えば、前面部55及び背面部57に複数のポケット取付部(図示せず)を上下方向に配列して設け、当該ポケット取付部の何れかを選択してポケット63を取付けるようにしてもよい。これにより、バッテリー11やインバータ13の重心高さを、作業者Zにとって最も負担が軽減されるように選択して設定することができる。
【0048】
以上のような胴型ザック51を備えるバイブレータ装置201によっても、前述のバイブレータ装置1と同様の作用効果が奏される。また、電源装置9の構成装置である2つのバッテリー11と1つのインバータ13とが分割されているので、電源装置9の重量を各ポケット63に分散して配置することができ、作業者Zの負担を軽減することができる。
【0049】
(第3実施形態)
続いて、
図6を参照しながら、本発明に係るバイブレータ装置(コンクリート施工装置)の第3実施形態について説明する。本実施形態のバイブレータ装置301において、前述のバイブレータ装置1,201と同一又は同等な構成部分には同一符号を付し重複する説明を省略する。
【0050】
図に示されるように、本実施形態のバイブレータ装置301は、前述の胴型ザック51(
図5参照)に代えて、着用具71を備えている。着用具71は、作業者Zの胸部及び背部に亘って延びる帯状の本体部73を備えている。本体部73の所定の部位同士がベルト75で適宜連結されることにより、着用具71全体が作業者Zの上半身に着用可能なベスト型に形成されている。
【0051】
バッテリー11及びインバータ13が薄型化されることにより、本体部73に内蔵するようにして電源装置9のバッテリー11及びインバータ13を着用具71に保持させることができる。本実施形態では、本体部73のうち作業者Zの両肩背部に対応する部分に、それぞれ1個ずつの縦長形状のバッテリー11が内蔵される。また、本体部73のうちバッテリー11同士の間の位置において、横長形状のインバータ13が内蔵される。バッテリー11及びインバータ13の軽量化・薄型化により、着用具71に要求される剛性及び強度をある程度小さくすることができる。従ってこの場合、着用具71としては、工事用のトラチョッキ等を採用してもよい。なお、2つのバッテリー11、インバータ13、及び電力コード15等の電気的な構成要素を互いに電気的に接続する配線は、着用具71内に適宜構築されている。
【0052】
以上のような着用具71を備えるバイブレータ装置301によっても、前述のバイブレータ装置1,201と同様の作用効果が奏される。
【0053】
本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。また、上述した実施形態に記載されている技術的事項を利用して変形例を構成することも可能である。各実施形態の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。例えば、実施形態では、電源装置9の電力源を2つのバッテリー11に分割しているが、3つ以上のバッテリー11に分割してもよい。また、電力源を複数のバッテリー11に分割することは必須ではなく、バッテリー11は1つであってもよい。
【0054】
また、実施形態では、振動体3のモータ5としてACモータを採用する例を説明しているが、モータ5は直流電流で駆動可能なDCモータ(直流モータ)であってもよい。この場合、バッテリー11からの直流電流をモータ5に直接供給することも可能になり、インバータ13を省略することが可能になる。