【文献】
中山 秀夫,日米インターネットビジネス最前線 書籍流通揺るがす仮想書店の実力,日経情報ストラテジー,日本,日経BP社,1998年 2月24日,第7巻 第2号,PP.44-55
【文献】
林 隆春,簡易注文端末を利用した新共同購入システム,情報処理学会研究報告,日本,社団法人情報処理学会,1994年 5月20日,Vol.94 No.42,PP.51-58
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記注文実行部は、前記購入要求保持部に蓄積された前記購入要求を集約し、いずれかの商品の購入数が前記商品について設定された条件を満たすか否かを判定し、前記商品の購入数が前記条件を満たす場合に、前記商品の購入数に基づき前記商品を注文すること、を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の商品購入システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[1.商品購入システムの構成]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る商品購入システム100の構成を示す図である。商品購入システム100は、注文管理サーバ20を含む。注文管理サーバ20は、居住者Rが使用する居住者端末12、および、商品を販売する事業者が使用する事業者サーバ40と、通信ネットワーク102を通じて通信可能に接続されている。
【0014】
居住者Rは、住居10に居住する人物である。住居10は、例えば、注文管理サーバ20を運営する運営事業者が管理する対象の不動産である。運営事業者の管理とは、例えば、建物のメンテナンス等の管理業務をいう。注文管理サーバ20は、後述するように、居住者Rに関する情報を、居住者情報DB232(
図2)に記憶している。
【0015】
住居10は、一戸建ておよび集合住宅のいずれであってもよく、賃貸住宅であってもよいし、居住者Rが所有する不動産であってもよい。注文管理サーバ20は複数の住居10を管理対象とすることができ、
図1には、注文管理サーバ20の管理対象として、複数の住居10a、10bを示す。管理対象の住居10の数、および、注文管理サーバ20に接続される居住者端末12の数に制限はなく、
図1に示した構成は一例である。住居10a、10bは、例えば、同じ建物の異なる居室であってもよいし、異なる建物であってもよい。居住者端末12aは住居10aの居住者Rが使用する装置であり、居住者端末12bは住居10bの居住者Rが使用する装置である。住居10a、10bを区別しない場合は住居10と表記する。同様に、居住者端末12a、12bを区別しない場合は居住者端末12と表記する。居住者端末12は、居住者Rの操作によるデータの入力を受け付けて、通信ネットワーク102を通じて通信を実行し、各種の画面を表示できればよい。居住者端末12は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯型電話機等の電子機器である。
【0016】
通信ネットワーク102は、各種の機器を相互に通信可能に接続する。通信ネットワーク102の具体的態様は限定されず、例えば、専用回線、公衆回線、あるいはインターネット等の通信ネットワークを含んで構成される。通信ネットワーク102は、基地局を経由する移動体無線通信網を含んでもよい。また、通信ネットワーク102は、複数の通信ネットワークを含む広域ネットワークであってもよい。また、通信ネットワーク102は、回線交換装置やサーバ等の各種装置を含んでいてもよい。
【0017】
事業者サーバ40は、商品の通信販売を行う事業者が使用する装置であり、通信ネットワーク102を経由して注文情報131を受信した場合に、注文情報131に基づき商品の注文を受け付ける。注文情報131は、例えば、商品、購入数、配達先、および支払い方法を指定する情報を含む。事業者サーバ40は、注文情報131により指定された商品を、指定された数だけ販売する処理を行い、注文情報131により指定された方法で商品の代金を決済する。事業者サーバ40は、注文情報131により指定される商品配送事業者に対して配送を依頼する。注文管理サーバ20が通信する事業者サーバ40の数に制限はなく、
図1には、一例として、事業者が使用する装置として事業者サーバ40a、40bを示す。事業者サーバ40a、40bを区別しない場合は事業者サーバ40と表記する。
【0018】
商品配送事業者は、例えば車両18により、指定された配達場所16に商品を配達する事業者であり、事業者サーバ40を使用または運営する事業者と同一であってもよい。また、商品を配達する手段は車両18に限らず、鉄道や自動二輪車が利用されてもよく、車両18は一例である。
【0019】
商品購入システム100では、後述するように、事業者サーバ40が、住居10とは異なる場所の配達場所16を指定する注文情報131を生成する。配達場所16は、商品が居住者Rの手元に届く前に一時的に保管または貯蔵される場所であり、住居10とは異なる場所である。従って、事業者サーバ40が受信する注文情報131には、住居10の住所または所在地は含まれず、配達場所16の住所や場所を指定する情報が配達先として含まれる。配達場所16は、コンビニエンスストアや郵便局等の店舗であってもよいし、公共の施設であってもよいし、倉庫であってもよいし、宅配ロッカーやコインロッカー等の設備であってもよい。また、配達場所16は、住居10に付属して設置されてもよい。また、配達場所16が車両で構成され、この車両が、商品を注文した居住者Rの住居10を巡回して、商品の受け取りを可能としてもよい。
【0020】
商品購入システム100は、住居10に居住する居住者Rが、商品を購入するサービスを提供する。居住者Rは、商品の購入を希望する場合に、居住者端末12を操作し、購入を希望する商品および数を指定する。これにより、居住者端末12は、購入要求119を注文管理サーバ20に送信する。注文管理サーバ20は、居住者端末12から購入要求119を受信し、購入要求119をいったん蓄積して、購入する商品毎に数をとりまとめる。注文管理サーバ20は、蓄積している購入要求119について所定の条件が成立した場合に、購入要求119を集約して注文情報131を生成し、事業者サーバ40に送信する。注文情報131が示す注文は、居住者Rが注文した内容を示す購入要求119を集約したものであるため、1つの注文情報131により注文された商品は、車両18等によって一括して配達場所16に配達される。このため、商品の配送を集約化し、効率化を図ることができる。
【0021】
注文情報131は、上述したように、例えば、商品、購入数、配達先、および支払い方法を指定する情報を含むが、住居10の場所を含む居住者Rの個人情報を含まない。注文情報131は、事業者サーバ40に対する商品の注文であり、注文の主体、すなわち注文者は注文管理サーバ20を使用する事業者である。このため、事業者サーバ40を使用する事業者には、注文情報131が居住者Rによる注文に関する情報であることは伝わらず、各々の居住者Rが注文した数も伝わらない。また、商品の配達先である配達場所16は住居10とは異なる場所であるため、商品の配達のために居住者Rの個人情報を提供する必要もない。従って、居住者Rは、事業者サーバ40に個人情報を提供することなく商品を購入できる。
【0022】
[2.注文管理サーバの構成]
図2は、注文管理サーバ20の機能的構成を示すブロック図である。
注文管理サーバ20は、通信部201、処理部210、および、記憶部230を有する。
通信部201は、無線通信及び又は有線通信を行う送受信機であり、通信ネットワーク102を介して通信を実行する。通信部201は、処理部210の制御に従って、居住者端末12との間で通信を実行し、購入要求119を受信する。通信部201は、処理部210の制御に従って、注文情報131を生成し、事業者サーバ40aまたは事業者サーバ40bに送信する。
【0023】
処理部210は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理部210には、記憶部230が接続される。記憶部230は、処理部210が実行するコンピュータ・プログラム、および、処理部210によって処理される各種データを、処理部210によって読み取り可能に記憶する。記憶部230は、制御用プログラム231、居住者情報DB232、購入要求保持部233、購入条件234、および、注文履歴DB235を格納する。DBはデータベースの略である。
【0024】
処理部210および記憶部230を構成するハードウェアは特定の態様に限定されない。例えば、処理部210は、単一のプロセッサで構成されてもよい。また、処理部210は、プロセッサと、ROM、RAM等を統合したデバイスであってもよい。記憶部230は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶装置で構成されてもよく、具体的には、ハードディスク等の磁気的記憶装置や、フラッシュROM等の半導体記憶デバイスを備えてもよい。また、記憶部230は、処理部210が実行するプログラムやデータ等を一時的に記憶する揮発性記憶装置を備えてもよい。また、処理部210と記憶部230とは統合された1つのデバイスであってもよい。
【0025】
制御用プログラム231は、処理部210のプロセッサが実行するプログラムである。居住者情報DB232、および、注文履歴DB235は、記憶部230の記憶領域を利用して構成されるデータベースである。
【0026】
居住者情報DB232は、住居10に居住する居住者Rに関する居住者情報241を記憶するデータベースである。居住者情報241はデータベースのレコードに相当し、例えば、1人の居住者Rに対し1つの居住者情報241が居住者情報DB232に格納される。
【0027】
図3は、居住者情報241の構成例を示す図である。
居住者情報241は、例えば、居住者ID241a、氏名241b、住居情報241c、配達場所241d、および、決済情報241eを含む。居住者ID241aは、1人の居住者Rに割り当てられる固有の識別情報である。氏名241bは居住者Rの氏名である。住居情報241cは、住居10を特定可能な情報である。
【0028】
住居情報241cは、住所241f、および、住居管理情報241gを含む。住所241fは住居10の所在地を指定する情報であり、住居10が集合住宅である場合は居室を特定する情報を含む。住居管理情報241gは、注文管理サーバ20を使用する事業者が住居10の管理のために住居10に付与する情報であり、例えば、管理契約に基づき住居10に付与される固有の識別情報である。
【0029】
配達場所241dは、居住者Rが注文した商品を配達する配達場所16を特定する情報である。上述したように、居住者Rが購入要求119により注文した商品は住居10に直接配達されず、いったん配達場所16に配達される。商品購入システム100では、例えば複数の配達場所16を利用可能であり、注文管理サーバ20を使用する事業者または居住者Rが、配達場所16を予め指定する。例えば、居住者Rは、自身の住居10に近い配達場所16や、通勤経路に近い配達場所16や、商品の受け取りに便利な配達場所16を指定する。配達場所241dにより、居住者Rに対応づけて、特定の配達場所16が配達場所として指定される。
【0030】
決済情報241eは、居住者Rが注文した商品の代金を居住者Rから回収するための手段を特定する情報である。例えば、注文管理サーバ20を使用する事業者が住居10の管理業務を受託している場合、決済情報241eは、商品の代金を住居10の管理費用と合わせて請求することを示す情報である。商品購入システム100で利用可能な決済方法は、クレジットカード決済、銀行口座からの引き落とし、請求書を居住者R宛てに発送する請求方法など、各種の決済手段が挙げられ、これらを指定する情報が決済情報241eに含まれる。
【0031】
図3には、1人の居住者Rに対し1つの居住者情報241が生成され、居住者情報DB232に格納される例を示したが、例えば、1つの住居10に居住する複数の居住者Rに対し、1つの居住者情報241が生成され、居住者情報DB232に格納されてもよい。この場合、居住者情報241は、1世帯を構成する1人または複数の居住者Rに関する情報となり、氏名241bは世帯を代表する居住者Rの氏名とすればよい。
【0032】
図2に戻り、購入要求保持部233は、注文管理サーバ20が居住者端末12から受信した購入要求119を蓄積し、記憶する。購入要求保持部233には、購入要求119が、例えば、検索可能な状態で記憶される。
【0033】
図4は、購入要求119の構成例を示す図である。
購入要求119は、例えば、居住者ID119a、商品名119b、商品コード119c、購入数119d、配達場所119e、および、配達フラグ119fを含む。
居住者ID119aは、居住者端末12を操作して商品を注文した居住者Rの居住者ID119aであり、居住者情報241に含まれる居住者ID241aに相当する。
商品名119bは、居住者Rが注文した商品の名前であり、商品コード119cは、居住者Rが注文した商品を特定可能な情報である。購入要求119は、商品名119bおよび商品コード119cのうちいずれか一方のみを含む構成であってもよい。
【0034】
購入数119dは、居住者Rが注文した商品の数を示す情報である。購入数119dは、商品の販売単位の数であり、個数に限定されない。例えば、商品が、1リットルを単位として販売される液体や、長さを単位として販売されるシート形状の商品である場合には、購入数119dは商品の数量を示す。配達場所119eは、居住者Rが注文した商品の配達場所16を指定する情報である。
【0035】
配達フラグ119fは、居住者Rが、配達場所16から住居10までの商品の配達を希望するか否かを示すフラグである。配達場所16は、住居10とは異なる場所であるから、商品が配達場所16に配達された後、配達場所16から住居10へ商品を移動する必要がある。商品を移動する手法としては、居住者Rが配達場所16に出向いて商品を受け取る態様が挙げられるが、配達場所16から住居10へ、宅配事業者等により商品を配達してもよい。この宅配事業者は注文管理サーバ20を使用する事業者と同一であってもよい。配達フラグ119fは、購入要求119により注文された商品を、配達場所16から住居10まで、事業者により配達することを居住者Rが希望するか否かを示す。
【0036】
購入要求119は、複数の商品の注文に関する情報を含んでもよい。例えば、1つの購入要求119が、商品名119b、商品コード119cとして複数の商品の商品名や商品コードを含んでもよい。この場合、購入数119dは、1組の商品名119b及び商品コード119cに対応する1つの購入数の値を含む。好ましくは、商品名119bまたは商品コード119c毎に1つの購入要求119が生成される。
【0037】
購入要求保持部233に記憶された購入要求119は、各種の情報をキーとして集約が可能である。具体的には、商品名119bの値、及び/または商品コード119cの値が共通する購入要求119を購入要求保持部233から抽出することができる。また、配達場所119eが特定の値である購入要求119を購入要求保持部233から抽出できる。従って、1つの配達場所16に一括して配達可能な同一の商品を注文する購入要求119を集約し、まとめて1つの注文として処理することが可能となる。
【0038】
処理部210は、機能要素又は機能ユニットとして、居住者認識部211、購入要求受付部212、注文実行部213、配分処理部214、配送発注部215、および、決済処理部216を備える。処理部210が備えるこれらの機能要素は、コンピュータである処理部210が制御用プログラム231を実行することにより実現される。なお、制御用プログラム231は、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理部210が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0039】
処理部210は、通信部201により、居住者端末12との間、および、事業者サーバ40との間で情報を送受信する。
居住者認識部211は、居住者端末12から受信する情報に基づき、居住者端末12を操作する居住者Rを認識する。例えば、居住者Rが居住者端末12を操作して注文管理サーバ20にアクセスした場合、居住者認識部211は、アクセスした居住者Rを特定する。
購入要求受付部212は、居住者端末12から購入要求119を受信した場合に、購入要求保持部233に記憶させる。
【0040】
注文実行部213は、購入要求保持部233に記憶された購入要求119を集約して、注文情報131を生成し、事業者サーバ40に送信する。例えば、注文実行部213は、購入要求保持部233に記憶された購入要求119を、商品名119b及び/または商品コード119cをキーとして集約することにより、同一の商品に関する購入要求119を抽出する。さらに、注文実行部213は、抽出した購入要求119のうち、配達場所119eが共通する購入要求119を抽出し、このようにして抽出された購入要求119を集約して注文情報131を生成する。生成される注文情報131は、抽出された購入要求119の商品名119bまたは商品コード119cと、抽出された購入要求119の購入数119dを合計した数とを含み、配達先として配達場所119eを含む。また、注文情報131の注文を実行する主体、すなわち注文者は、注文管理サーバ20を使用する事業者である。注文実行部213は、生成した注文情報131を、該当する商品を販売する事業者サーバ40aまたは事業者サーバ40bに送信し、商品の注文を実行する。このため、事業者サーバ40に伝達される注文者は居住者Rとは異なっており、居住者Rの個人情報は事業者サーバ40には伝達されない。
【0041】
ここで、事業者サーバ40は、注文情報131を受信すると、1つの注文情報131を1回の注文として処理し、注文情報131により指定された数の商品を、配達場所16に発送する。また、注文情報131に係る商品の代金を、注文者である事業者に請求する。請求を受けた事業者は商品の代金を決済する。代金の請求および決済を、事業者サーバ40と、注文管理サーバ20と、クレジットカード会社や銀行等の金融事業者が運営するサーバ装置との間のデータ処理により、実行してもよい。
【0042】
注文実行部213は、購入要求保持部233に記憶された購入要求119から注文情報131を生成する処理を、所定のトリガーに基づき実行する。例えば、注文実行部213は、購入要求保持部233に記憶された購入要求119のうち、商品名119bまたは商品コード119c、および、配達場所119eが共通する購入要求119を抽出する。注文実行部213は、抽出した購入要求119に含まれる購入数119dの合計が、所定の数に達した場合に、注文情報131を生成する。或いは、注文実行部213は、抽出した購入要求119に含まれる購入数119dの合計が、所定の数の倍数である場合に、注文情報131を生成してもよい。或いは、注文実行部213は、抽出した購入要求119のうち最も古い購入要求119が購入要求保持部233に記憶された日時から起算して、予め設定された所定期間が経過した後、抽出した購入要求119に基づき注文情報131を生成してもよい。
【0043】
配分処理部214は、注文実行部213が生成した注文情報131に対応する商品の数および商品代金を、居住者Rごとに配分する。配分処理部214は、注文情報131で注文された商品の合計代金を、購入数119dの数に基づいて按分することにより、各々の居住者Rに請求する商品代金を算出する。また、注文情報131により注文された商品の数を、各々の居住者Rに按分して割り当てる。
【0044】
配送発注部215は、注文情報131に集約された購入要求119の配達フラグ119fを参照し、配達場所16から住居10への配達を希望する居住者Rに対し、配分処理部214が割り当てた数の商品を配達するための処理を行う。すなわち、配送発注部215は、配達を希望する居住者Rを特定し、特定した居住者Rに割り当てられた数の商品を、特定した居住者Rの住居10に配達するように、宅配事業者に対し要求する。特定した居住者Rに対しては、配分処理部214が割り当てた商品代金に加え、配達場所16から住居10への配達の費用が加算して割り当てられる。
【0045】
決済処理部216は、配分処理部214により居住者Rに割り当てられた商品代金を、決済情報241eに基づいて請求または決済する。決済処理部216は、クレジットカード会社や銀行等の金融事業者が運営するサーバ装置との間でデータ処理を実行し、決済を行ってもよい。
【0046】
[3.商品購入システムの動作]
図5は、商品購入システムの動作を示すフローチャートであり、購入要求119が生成され蓄積される過程の動作を示す。
図5において、符号Aは居住者端末12の動作を示し、符号Bは注文管理サーバ20の動作を示し、符号Cは事業者サーバ40の動作を示す。注文管理サーバ20は処理部210によって
図5の動作を実行する。ステップS111は居住者認識部211の動作に相当し、ステップS112−S118は購入要求受付部212の動作に相当する。
【0047】
居住者Rは、居住者端末12を操作し、居住者Rを特定するための情報を入力する(ステップS101)。ステップS101で入力された情報は居住者端末12から注文管理サーバ20に送信され、注文管理サーバ20は、居住者端末12を操作して注文を行う居住者Rを特定する(ステップS111)。ステップS111で、居住者端末12から情報を受信して居住者情報DB232と照合し、特定した居住者Rに対応する居住者情報241を取得する。
【0048】
居住者Rは、注文する商品を選び、注文を確定させるため、商品選択の要求を入力し、これに応じて居住者端末12が注文管理サーバ20に対し、商品選択要求を送信する(ステップS102)。ステップS102で送信される商品選択要求は、例えば、商品のカテゴリー、商品名、商品を販売している事業者サーバ40等を指定する情報を含む。注文管理サーバ20は、商品選択要求を受信し(ステップS112)、事業者サーバ40に対して商品選択UI(ユーザインターフェイス)を要求する(ステップS113)。ステップS113で、注文管理サーバ20は、例えば、商品選択要求で指定された商品を注文可能な事業者サーバ40を選択し、商品の価格等の情報を含むデータをステップS114で要求する。事業者サーバ40は、注文管理サーバ20が送信する商品選択UIの要求を受信し(ステップS121)、要求された商品選択UIのデータを注文管理サーバ20に送信する(ステップS122)。
【0049】
商品選択UIは、例えば、事業者サーバ40がインターネットで通信販売サイトを公開している場合、この通信販売サイトで商品購入を受け付けるインターフェイスであり、インターネットブラウザで表示される商品購入用の画面等である。
ステップS113で、例えば、注文管理サーバ20は、通信販売サイトを利用する顧客として商品購入用の画面のデータを要求する。注文管理サーバ20は、ステップS122で、商品購入用の画面のデータを送信する。
【0050】
注文管理サーバ20は、事業者サーバ40が送信した商品選択UIのデータをもとに、居住者端末12が購入要求を行うための購入要求UIを生成し(ステップS115)、注文管理サーバ20に送信する(ステップS116)。
【0051】
居住者端末12は、注文管理サーバ20から送信される購入要求UIを受信して、ディスプレイに表示する(ステップS103)。
【0052】
図6は、購入要求UIの例を示す図である。
図6には、居住者端末12が搭載するインターネットブラウザの機能により表示される購入要求UI300を例示する。購入要求UI300は、商品選択画面310を有する。商品選択画面310には、商品を販売する事業者を示す事業者名表示部311が配置される。購入要求UI300は、事業者サーバ40が送信する商品選択UIに基づき生成されており、例えば、事業者サーバ40がステップS122で送信する商品選択UIをほぼそのまま利用する。事業者名表示部311には、商品選択UIを送信した事業者サーバ40に係る事業者の名称が表示される。
【0053】
購入要求UI300は、商品名や商品コードが表示される商品名表示部312、および、商品の画像が表示される商品画像表示部313が配置される。また、商品の販売価格が表示される価格表示部314が配置される。
図6の例では、価格表示部314に、商品を1個購入する場合の価格と、指定された数の商品をまとめて購入する場合の価格とが表示されている。購入要求UI300には、居住者Rが居住者端末12によって商品の購入数を入力するための数入力部315、および、注文を確定するボタン316が配置されている。
【0054】
このように、実際に商品を販売する事業者サーバ40が提供する商品選択UIをもとに、購入用の画面である購入要求UI300を居住者端末12が表示することにより、居住者Rは、商品の画像等を参照しながら注文を行うことができる。注文管理サーバ20は、商品に関する詳細な情報を自ら保持していなくても、居住者Rが望む商品について情報を居住者Rに提示することができ、購入要求を受け付けることができる。
【0055】
図6の価格表示部314には、単価である1ケースの価格に加え、6ケースをまとめて購入する場合の価格が表示される。この価格は、まとめ買いによりディスカウントされた価格であり、単価を6ケース分乗じた価格よりも安価である。商品価格が安価であることは居住者Rにとって好ましいことであるが、まとめ買いの単位は、1人の居住者Rが消費できる量を超えることがある。商品購入システム100では、複数の住居10の居住者Rが行った注文を、注文管理サーバ20が1つの注文情報131にとりまとめるので、まとめ買いによるディスカウントが適用される可能性が高まるという利点がある。
【0056】
図5に戻り、居住者端末12では、購入要求UIに基づき居住者Rが商品の購入数等を入力する(ステップS104)。居住者端末12は、居住者Rが入力した情報と、購入要求UIに含まれる情報とに基づき、購入要求119を生成して、注文管理サーバ20に送信する(ステップS105)。
【0057】
注文管理サーバ20は、購入要求119を受信し(ステップS117)、購入要求保持部233に購入要求119を蓄積する(ステップS118)。
【0058】
図7は、注文管理サーバ20の動作を示すフローチャートである。
注文管理サーバ20は処理部210によって
図7に示す動作を実行する。ステップS141−S145は注文実行部213の動作に相当し、ステップS146は配分処理部214の動作に相当し、ステップS147−S148は配送発注部215の動作に相当する。ステップS149の動作は決済処理部216の動作に相当する。
【0059】
注文管理サーバ20は、購入要求保持部233に蓄積された購入要求119を、商品名119bおよび商品コード119cに基づき検索して、注文された商品毎の購入要求119を抽出し、購入数119dの値を集約する(ステップS141)。注文管理サーバ20は、集約した購入数119dの合計値が、予め設定された購入数に達したか否かを判定する(ステップS142)。購入数は、商品毎、および、商品を販売する事業者サーバ40毎に設定され、例えば、商品選択UIのデータに含まれる。
図6の例では、価格表示部314に、1ケースの価格、すなわち単価とは別に、6ケースまとめて購入する場合の価格が表示される。
図6の例では、注文管理サーバ20は、商品選択UIから購入要求UIを生成する際に、商品の購入数の設定値として、単価とは別の値である「6ケース」の値を取得し、商品名に対応する予め設定された購入数とする。
【0060】
購入数119dの合計値が、予め設定された購入数に達していないと判定した場合(ステップS142;NO)、注文管理サーバ20は、集約した商品の購入要求119を受け付ける受付期間が終了したか否かを判定する(ステップS143)。受付期間は、商品毎に設定された期間、または、ステップS141で抽出された購入要求119のうち最も古い購入要求119が購入要求保持部233に格納されてからの経過時間の基準である。例えば、注文管理サーバ20は、ステップS143で、購入要求119を受け付ける期間として設定された日時と、現在の日時とを比較する。
【0061】
受付期間が終了していないと判定した場合(ステップS143;NO)、注文管理サーバ20は、所定の待機期間が経過してからステップS141に戻る。
購入数119dの合計値が購入数に達したと判定した場合(ステップS142;YES)、および、受付期間が終了したと判定した場合(ステップS143;YES)、注文管理サーバ20は、注文情報131を生成する(ステップS144)。
【0062】
注文管理サーバ20は、生成した注文情報131を事業者サーバ40に送信して注文を実行する(ステップS145)。注文管理サーバ20は、ステップS141で集約した購入要求119と注文情報131とに基づき、各々の居住者Rについて、商品の購入数おおび代金を配分する(ステップS146)。ステップS146では、注文情報131に対応する商品価格を、商品の購入数によって按分する。例えば、
図6に示した例のように、購入要求119を集約したことにより購入数が多くなるため、商品価格が単価より割安となることがある。この場合、居住者Rには、単価を購入数だけ乗じた金額より低い代金が配分されるので、居住者Rは、割安で商品を購入できる。
【0063】
注文管理サーバ20は、ステップS141で集約した購入要求119の配達フラグ119fを参照し、配達場所16から住居10までの商品の配達を希望する居住者Rがいるか否かを判定する(ステップS147)。該当する居住者Rがいる場合(ステップS147;YES)、注文管理サーバ20は、該当する居住者Rに配分された数の商品を配達場所16から住居10へ配達するための発注を行い(ステップS148)、ステップS149に移行する。配達場所16から住居10までの商品の配達を希望する居住者Rがいない場合(ステップS147;NO)、注文管理サーバ20はステップS149に移行する。
【0064】
ステップS149で、注文管理サーバ20は、ステップS146で配分した金額を居住者Rに請求する決済処理を実行する。
【0065】
[4.まとめ]
以上説明したように、本発明を適用した実施形態の商品購入システム100を構成する注文管理サーバ20は、複数の住居10から商品の購入要求119を受け付け可能な購入要求受付部212と、購入要求受付部212が受け付けた購入要求119を蓄積する購入要求保持部233と、購入要求保持部233に蓄積された購入要求119を商品毎に集約し、複数の住居10のいずれとも異なる配達場所16を配達先として指定し、集約された購入要求119に基づき商品を注文する注文実行部213と、注文実行部213が注文した商品の数および商品の代金を、各々の住居10に配分する配分処理部214と、を備える。
【0066】
本発明によれば、商品を販売する事業者に対し、商品の購入要求を集約して注文を行い、商品の配達先として住居10とは異なる配達場所16を利用するので、商品の注文および配達を集約化できる。このため、商品の配送を効率化できる。また、商品を販売する事業者に対して、配達先として居住者Rの個人情報を提供する必要がないため、個人情報の開示に関する居住者Rの心理的な抵抗を軽減できる。
【0067】
また、配達場所16は配達場所として機能することが必要とされる場所であることから、個人の住居10に商品を配達する場合のように不在による未達や再配達の負担が発生せず、商品の配送を大幅に効率化できる。
【0068】
また、複数の居住者Rの注文を集約した場合、居住者Rが必要とする量の商品だけを個人的に注文する場合に比べ、注文する量が多くなる。このため、商品の販売条件によっては、まとめ買いによって購入価格を安価にすることが可能となる。
【0069】
注文管理サーバ20において、各々の住居10は配達場所16に対応付けられ、注文実行部213は、購入要求保持部233に蓄積された購入要求119のうち、1つの配達場所16に対応する複数の住居10から受け付けた購入要求119を集約する。このため、購入要求119をまとめた注文情報131を利用して商品の注文を行うことにより、商品の配達を確実に集約化できる。
【0070】
購入要求保持部233は、住居10の居住者Rの個人情報を含む購入要求119を蓄積し、注文実行部213は、住居10の居住者Rの個人情報とは異なる注文者の情報を用いて、商品の注文を実行する。このため、商品を販売する事業者に対して、注文者として居住者Rの個人情報を提供する必要がないため、個人情報の開示に関する居住者Rの心理的な抵抗を、より一層軽減できる。
【0071】
注文実行部213は、購入要求保持部233に蓄積された購入要求119を集約し、いずれかの商品の購入数が商品について設定された条件を満たすか否かを判定し、商品の購入数が条件を満たす場合に、商品の購入数に基づき商品を注文する。例えば、商品の数に関する条件を設定することにより、例えば、商品を販売する事業者が注文の処理および配達を効率化しやすい数で商品を注文したり、まとめ買いにより商品価格を抑制したりすることが可能となる。従って、商品の販売および配達に関して、より一層の効率化を図ることができる。
【0072】
注文管理サーバ20は、配分処理部214により配分された商品の数に基づき、配達場所16から住居10への商品の輸送を発注する配送発注部215を備える。このため、居住者Rの希望に応じて、商品を住居10に配達することが可能となる。
【0073】
[5.他の実施態様]
本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0074】
例えば、本実施形態では、注文管理サーバ20が居住者端末12および事業者サーバ40との間でデータ通信を実行する構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、購入要求受付部212、購入要求保持部233、注文実行部213、配分処理部214、および配送発注部215を、複数の装置に分散して配置してもよい。また、物理的構成が制限されないクラウド型サーバによって注文管理サーバ20を実現してもよい。
【0075】
また、注文情報131に、商品を小分け包装する数量を指定する情報を含んでもよい。この態様は、例えば、注文実行部213が、複数の購入要求119を集約する際に、購入数119dの値を小分け単位として注文情報131に含ませれば実現可能である。この場合、事業者サーバ40を使用する事業者は、注文情報131により注文された商品を、注文情報131により指定された量に小分けして梱包し、一括して配達場所16に配達する。この場合も、配達を集約することによる物流の効率化を図ることができる。また、配達場所16に到着した後に、商品を居住者Rに分配する作業の手間を省くことができる。
【0076】
図2に示した各機能ブロックのうち少なくとも一部は、ハードウェアで実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアの協働により実現される構成としてもよく、図に示した通りに独立したハードウェア資源を配置する構成に限定されない。
【0077】
また、
図5及び
図7の各々に示すフローチャートの処理単位は、商品購入システム100の動作を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、各フローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって実施形態が制限されることはない。また、商品購入システム100における各処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【解決手段】商品購入システム100は、複数の住居10から商品の購入要求119を受け付け可能な購入要求受付部と、購入要求受付部が受け付けた購入要求119を蓄積する購入要求保持部と、購入要求保持部に蓄積された購入要求119を商品毎に集約し、複数の住居10のいずれとも異なる配達場所16を配達先として指定し、集約された購入要求119に基づき商品を注文する注文実行部と、注文実行部が注文した商品の数および商品の代金を、各々の住居10に配分する配分処理部と、を備える。