(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る手動掃除具について、
図1乃至
図18を参照して説明する。
【0020】
図1乃至
図18において、手動掃除具Xは、ケーシング体1、捕塵ブラシ体2、第1除塵ブラシ体3、第2除塵ブラシ体4、左右一対のローラ車輪5,6、ローラブラシ体7、蓋体8、操作ボタン9、蓋閉じ保持体10、及び蓋開き保持体11を備える。
【0021】
ケーシング体1は、
図1乃至
図5及び
図12乃至
図14に示すように、枠本体15、仕切壁16、及び左右一対のストッパ片17,18を有する。
ケーシング体1は、例えば、合成樹脂にて枠本体15、仕切壁16、各ストッパ片17,18を一体に形成する。
【0022】
枠本体15は、
図1乃至
図5及び
図12乃至
図14に示すように、左右方向LRの右壁板20(右壁)及び左壁板21(左壁)と、前後方向FRの前壁板22(前壁)及び後壁板23で内部空間IAを区画する。枠本体15(ケーシング体1)は、上下方向UDの各壁板20〜23の上端15Aに排出口24を形成する。
なお、前後方向FRは、左右方向LRと直交する方向、上下方向UDは、左右方向LR及び前後方向FRと直交する方向である。
【0023】
仕切壁16(仕切壁板)は、
図5、
図12及び
図13に示すように、右壁板20及び左壁板21の間に配置され、右壁板20及び左壁板21と一体に形成される。
これにより、仕切壁16は、内部空間IAを、後壁板23側の第1集塵室IB及び前壁板22側の第2集塵室ICに区画する。
【0024】
各ストッパ片17,18は、
図5、
図12及び
図13に示すように、枠本体15と一体に形成される。各ストッパ片17,18は、左右方向LRにおいて、右壁板20、左壁板21に隙間を隔てて配置される。各ストッパ片17,18は、上下方向URの下方に突出して、第1集塵室1Bに配置される。
【0025】
ケーシング体1は、
図3及び
図12乃至
図15に示すように、左右一対の車輪軸25,26を有する。
各車輪軸25,26は、例えば、円筒状に形成され、後壁板23側の右壁板20、後壁板23側の左壁板21の夫々と一体に形成される。車輪軸25は、右壁板20から外方(右方)に突出され、車輪軸26は、左壁板21から外方(左方)に突出される。
【0026】
ケーシング体1は、
図3、
図5、
図8及び
図12乃至
図15に示すように、底壁板27、左右一対のブラシ支持板28,29、一対の回動穴30,31、一対の蓋回動穴32,33、第2捕塵口CB及びハンドル34を有する。
【0027】
底壁板27は、
図3に示すように、上下方向UDの下方から第2集塵室ICを閉塞して、仕切壁16、右壁板20、左壁板21及び前壁板22と一体に形成される。
【0028】
各ブラシ支持板28,29は、
図5、
図8、
図12及び
図13に示すように、合成樹脂等であって、左右方向LRに弾性変形できる弾性体(弾性変形自在な弾性体)で形成され、第2集塵室ICに配置される。各ブラシ支持板28,29は、左右方向LRに間隔を隔てて並設される。
各ブラシ支持板28,29は、底壁板27と一体に形成され、上下方向UDにおいて、底壁板27から上方(排出口24側)に延在される。
【0029】
各回動穴30,31は、
図8に示すように、各ブラシ支持板28,29の夫々に並設して配置されて、左右方向LRにおいて、各ブラシ支持板28,29を貫通する。
【0030】
各蓋回動穴32,33は、
図8に示すように、前壁板22側の右壁板20及び左壁板21の夫々に並設して配置される。各蓋回動穴32,33は、左右方向LRにおいて、右壁板20、左壁板21の夫々を貫通して第2集塵室ICに開口される。
【0031】
第2捕塵口CBは、
図3に示すように、第2集塵室ICにおいて、底壁板27に形成される。第2捕塵口CBは、上下方向UDにおいて、底壁板27を貫通して第2集塵室ICに開口される。
【0032】
ハンドル34は、
図1乃至
図5に示すように、左右方向LRにおいて、各ブラシ支持板28,29の間の中心に配置される。ハンドル34は、後壁板23と一体に形成される。ハンドル34は、前後方向FRにおいて、後壁板23から後方に延在される。
ハンドル34は、
図5に示すように、ボタン収納穴35、及びボタン止め壁板36(ボタン止め壁)を有する。
【0033】
ボタン収納穴35は、
図5及び
図12に示すように、排出口24に隣接して形成される。ボタン収納穴35は、前後方向FRにおいて、排出口24側(後壁板23側)から後方に延在し、及び上下方向UDにおいて、ハンドル34を貫通して、ハンドル34の上端34Aに開口される。
【0034】
ボタン止め壁板36は、
図3及び
図3に示すように、ボタン収納穴35に配置されて、ハンドル34と一体に形成される。ボタン止め壁板36は、前後方向UDにおいて、後壁板23(排出口24)に間隔を隔ててハンドル34内に配置される。ボタン止め壁板36は、上下方向UDの下方に突出する。
【0035】
捕塵ブラシ体2は、
図3、
図5、
図12及び
図13に示すように、第1集塵室IBに配置される。捕塵ブラシ体2は、ドラム本体37、突出片38、第1捕塵ブラシ39及び第2捕塵ブラシ40を有する。
【0036】
ドラム本体37は、
図5、
図12及び
図13に示すように、筒中心線Aの方向に集塵口41を形成した不完全円筒状に形成される。
【0037】
突出片38は、
図3及び
図5に示すように、弾性体であって、例えば、合成ゴムで形成される。突出片38は、ドラム本体37の周方向において、集塵口41の一方の口縁41A及び他方の口縁41Bの中心に配置されて、ドラム本体37に取付けられる。
突出片38は、ドラム本体37の外周面から径外方向に突出される。
【0038】
第1捕塵ブラシ39は、
図5に示すように、ドラム本体37の周方向において、集塵口41の一方の口縁41A及び突出片38の間に配置されて、ドラム本体37の外周面に取付けられる。第1捕塵ブラシ39は、集塵口41の一方の口縁41Aに向けて傾斜した複数の傾斜パイル(傾斜カットパイル)で形成される。
【0039】
第2捕塵ブラシ40は、
図5に示すように、ドラム本体37の周方向において、集塵口41の他方の口縁41B及び突出片38の間に配置されて、ドラム本体37の外周面に取付けられる。第2捕塵ブラシ40は、集塵口41の他方の口縁41Bに向けて傾斜した複数の傾斜パイル(傾斜カットパイル)で形成される。
【0040】
捕塵ブラシ体2は、
図3、
図5及び
図13に示すように、ドラム本体37の筒中心線Aを左右方向LRに向けて第1集塵室IBに配置される。ドラム本体37は、
図5に示すように、ドラム本体37の外周面の一部(第1及び第2捕塵ブラシ39,40の一部)、及び突出片38を、上下方向UDの各壁板20〜23の下端15Bの第1捕塵口CAから突出して配置される。ドラム本体37は、右壁板20及び左壁板21(枠本体15)に回動自在に軸支される。
【0041】
各ストッパ片17,18は、
図5及び
図13に示すように、集塵口41からドラム本体37内に突出される。各ストッパ片17,18は、ドラム本体37の周方向において、集塵口41の各口縁41A,41Bに間隔を隔てて配置される。
【0042】
第1除塵ブラシ体3は、
図3及び
図5に示すように、第1ワイパー本体42及び第1除塵ブラシ43を有する。
第1除塵ブラシ43は、第1ワイパー本体42に取付けられる。第1除塵ブラシ43は、第1捕塵ブラシ39と同方向に傾斜した複数の傾斜パイル(傾斜カットパイル)で形成される。第1ワイパー本体42は、前後方向FRにおいて、ドラム本体37及び仕切壁16の間に配置され、第1除塵ブラシ43を第1捕塵ブラシ39に圧接して、第1集塵室IBに配置される。第1ワイパー本体42は、左右方向LRに延在して、枠本体15に揺動自在に軸支される。
【0043】
第2除塵ブラシ体4は、
図3及び
図5に示すよう
に、第2ワイパー本体44及び第2除塵ブラシ45を有する。
第2除塵ブラシ45は、第2ワイパー本体44に取付けられる。第2除塵ブラシ45は、第2捕塵ブラシ40と同一方向に傾斜して複数の傾斜パイル(傾斜カットパイル)で形成される。第2ワイパー本体44は、前後方向FRにおいて、ドラム本体37(捕塵ブラシ体2)及び後壁板23の間に配置され、第2除塵ブラシ45を第2捕塵ブラシ40(捕塵ブラシ体2)に圧接して、第1集塵室1Bに配置される。第2ワイパー本体44は、左右方向LRに延在されて、枠本体15に揺動自在に軸支される。
【0044】
各ローラ車輪5,6は、
図1乃至
図4及び
図12に示すように、ローラ内輪95及びローラ外輪96を有し、ローラ内輪95は、例えば、合成樹脂で形成される。
ローラ外輪96は、例えば、合成ゴムを含む弾性体で形成される。ローラ外輪96は、ローラ内輪95の外周面に一体に取付けられる。
【0045】
ローラ車輪5は、車輪軸25と同心に配置される。ローラ車輪5は、ローラ車輪5の車輪外周面(ローラ外輪96外周面)をドラム本体37の外周面及び突出片38の先端の間に位置して、右壁板20に取付けられる。ローラ車輪5は、右壁板20の外側からローラ内輪95を車輪軸25に外嵌して、右壁板20に回動自在に取付けられる。
ローラ車輪6は、車輪軸26と同心に配置される、ローラ車輪6は、ローラ車輪6の車輪外周面(ローラ外輪96の外周面)を、ドラム本体37の外周面及び突出片38の先端の間に位置して、左壁板21に取付けられる。ローラ車輪6は、左壁板21の外側からローラ内輪95を車輪軸26に外嵌して、枠本体15の左壁板21に回動自在に取付けられる。
【0046】
ローラブラシ体7は、
図9に示すように、剛性軸46、左右一対のガイドローラ47,48、及び清掃ブラシ布49を有する。
【0047】
剛性軸46は、
図9に示すように、ブラシ軸であって、例えば、剛性を有するアルミニウム合金等の金属で円筒状(又は断面円形)に形成される。
【0048】
各ガイドローラ47,48は、
図9に示すように、ローラ回動軸50を有し、例えば、合成樹脂等で形成される。ローラ回動軸50は、ガイドローラ47,48と同心に配置されて、車輪表面47A,48Aから突出される。
各ガイドローラ47,48は、剛性軸46の軸中心線Gと同心に配置されて、車輪裏面47B,48Bから剛性軸46の各軸端46A,46B側に回動自在に取付けられる。
【0049】
清掃ブラシ布49は、
図9に示すように、基布51、及び基布51の布表面51A(表面)から起立された複数のカットパイル52を有する。
基布51は、経方向Qに並んだ各緯糸(図示しない)の間に、緯方向Pに並んだ経糸(図示しない)を織込んで形成される。
複数のカットパイル52は、緯方向Pにおいて、各経糸の間に配置される。各カットパイル52は、経方向Qに沿って基布51にW織り、又はV織りされて、W型パイル又はV型パイルを構成する。
各カットパイル52は、例えば、緯方向Pにおいて、1列、連続して基布51に織込まれる。
【0050】
清掃ブラシ布49は、
図9に示すように、各ガイドローラ47,48の間に配置される。清掃ブラシ布49の1枚又は複数枚は、基布51の布裏面51B(裏面)から剛性軸46の軸外周面46Cに螺旋状に巻付けられて、剛性軸46に接着剤等で取付けられる。
これにより、清掃ブラシ布49は、各カットパイル52を各ガイドローラ47,48の外周面から突出した円形状に形成される。
【0051】
ローラブラシ体7は、
図3、
図8、
図12及び
図13に示すように、剛性軸46の軸中心線Gを左右方向LRに向け、清掃ブラシ布49の各カットパイル52の一部及び各ガイドローラ47,48の一部を各壁板20〜23の下端15B(第2集塵口CB)から突出して、第2集塵室1C内(ケーシング体1内)に配置される。
ローラブラシ体7は、各ブラシ支持板28,29を左右方向LRに弾性変形しつつ剛性軸46及び各ガイドローラ47,48を各ブラシ支持板28,29の間に挿入し、及び剛性軸46を弾性変形の状態で上下方向UDの下方に押下げて、各ガイドローラ47,48の各回動軸50を各回動穴30,31に挿入する。これにより、ローラブラシ体7は、各ブラシ支持板28,29に回動自在に軸支される。
ローラブラシ体7は、一方のブラシ支持板28を左右方向LRに弾性変形して広げて、剛性軸46を弾性変形しつつ上下方向UDの上方に引上げて、各ガイドローラ47,48の各回動軸50を各回動穴30,31から抜いて、各ブラシ支持板28,29(枠本体15)から取出される
これにより、ローラブラシ体7は、剛性軸46の弾性変形の状態で各ブラシ支持板28,29(枠本体15)から取外自在にされて、及び剛性軸46の各軸端46A,46B側を各ブラシ支持板28,29(枠本体15)に回動自在に軸支する。
また、ハンドル34は、剛性軸46の軸中心線Gの方向の中心に配置される。
【0052】
蓋体8は、枠本体15に回動自在に取付けられ、排出口24を開閉する。蓋体8は、
図1、
図5、
図10及び
図11に示すように、左右方向の右蓋板53及び左蓋板54、上蓋板55、第1蓋回動軸56、第2蓋回動軸57及び蓋仕切板58を有する。
【0053】
上蓋板55は、右蓋板53及び左蓋板54の間に配置されて、右蓋板53及び左蓋板54と一体に形成される。上蓋板55は、例えば、上下方向UDの上方に突出する円孤状に形成される。
【0054】
第1蓋回動軸56は、前後方向FRにおいて、右蓋板53の前方側に配置されて、右蓋板53に一体に形成される。第1蓋回動軸56は、右蓋板53の内板面(裏板面)から左右方向LRの左方に突出する。
第2蓋回動軸57は、前後方向FRにおいて、左蓋板54の前方側に配置されて、左蓋板54と一体に形成される。第2蓋回動軸57は、第1蓋回動軸56と同心に配置されて、左蓋板54の内板面(裏板面)から左右方向LRの右方に突出する。
【0055】
蓋仕切板58は、上蓋板55と一体に形成される。蓋仕切板58は、上下方向UDにおいて、上蓋板55の内板面55A(裏板面)から下方に突出される。
【0056】
蓋体8は、
図1乃至
図3に示すように、右蓋板53を右壁板20の外側に配置する。右蓋板53は、左右方向LRにおいて、右壁板20に間隔を隔てて配置される。
蓋体8は、左蓋板54を左壁板21の外側に配置する。左蓋板54は、左右方向LRにおいて、左壁板21に間隔を隔てて配置される。
蓋体8は、
図8に示すように、第1蓋回動軸56を右壁板20の外側から蓋回動穴32に挿入して、右壁板20に回動自在に軸支する。蓋体8は、第2蓋回動軸57を左壁板21の外側から蓋回動穴33に挿入して、左壁板21に回動自在に軸支する。
【0057】
蓋体8は、
図1及び
図12に示すように、第1及び第2蓋回動軸56,57を回動中心として回動(揺動)して、排出口24を閉じた閉状態(以下、「閉状態」という)、又は排出口24を開いた開状態(以下、「開状態」という)にされる。
【0058】
上蓋板55は、
図5に示すように、閉状態で、前壁板22及び排出口24を覆って、右壁板20の上端、左壁板21の上端及び各ブラシ支持板28,29の上端に当接される。上蓋板55は、閉状態で、前壁板22の前方に配置されて、前壁板22の下端側に延在される。
蓋仕切板58は、閉状態で、上下方向UDの上方から仕切壁16に当接されて、蓋仕切板58とで第1集塵室IB及び第2集塵室ICを完全に遮断(閉塞)する。
【0059】
右蓋板53及び左蓋板54は、
図1乃至
図4に示すように、閉状態で、各ローラ車輪5,6の外側に配置されて、各ローラ車輪5,6の一部を覆う。右蓋板53及び左蓋板54は、
図12乃至
図15に示すように、開状態で、右壁板20の一部、及び左壁板21の一部を覆う。
【0060】
操作ボタン9は、
図2及び
図13に示すように、ボタン本体60、及び左右一対のボタン回動軸61,62を有する。
【0061】
各ボタン回動軸61,62は、前後方向FRにおいて、ボタン本体60の前方側に配置されて、ボタン本体60と一体に形成される。ボタン回動軸61は、左右方向LRにおいて、ボタン本体60から右方に突出される。ボタン回動軸62は、左右方向LRにおいて、ボタン本体60から左方に突出される。
【0062】
ボタン本体60は、
図12及び
図13に示すように、前後方向FRの前方に爪挿入間隔δを隔ててボタン収納穴35に配置される。ボタン本体60は、各ボタン回動軸61,62を左右方向LRに向けて、ボタン収納穴35に配置される。ボタン本体60は、各ボタン回動軸61,62をハンドル34に軸支して、ハンドル34に回動自在に軸支される。
【0063】
蓋閉じ保持体10は、排出口24を閉じた閉状態の蓋体8を保持し、操作ボタン9の操作に伴って、蓋体8を閉状態から排出口24を開く方向に押出して、蓋体8を回動自在にする。
蓋閉じ保持体10は、
図5、
図7及び
図10乃至
図12に示すように、左右一対のボタン止め突起63,64、左右一対のハンドル止め突起65,66、押出し板67、左右一対の第1爪68,69、及び第2爪70を有する。
【0064】
各ボタン止め突起63,64は、
図7及び
図12に示すように、前後方向FRにおいて、ボタン本体60の前端60A及び各ボタン回動軸61,62の間に配置される。各ボタン止め突起63,64は、左右方向LRに間隔を隔てて、ボタン本体60に形成される。
各ボタン止め突起63,64は、上下方向UDにおいて、各ボタン止め突起63,64の下端に突起止め傾斜面71を有する。突起止め傾斜面71は、各ボタン回動軸61,62から上下方向UDの下方及び前後方向FRの前方に延在しつつ傾斜される。
【0065】
各ハンドル止め突起65,66は、
図5及び
図12に示すように、ボタン収納穴35に位置してハンドル34に形成される。各ハンドル止め突起65,66は、前後方向UDの前方に爪挿入間隔δを隔てて、排出口24側に突出される。各ハンドル止め突起65,66は、上下方向UDにおいて、各ボタン止め突起63,64の下方に配置される。各ハンドル止め突起65,66は、左右方向LRに間隔を隔てて配置される。
各ハンドル止め突起65,66は、上下方向UDにおいて、各ハンドル止め突起65,66の下端に突起止め平面72を有する。突起止め平面72は、左右方向LR及び前後方向FRに平行する平面である。
【0066】
押出し板67は、ボタン収納穴35に配置されてボタン本体60に一体に形成される。押出し板67は、ボタン本体60(操作ボタン9)の回動に伴って、ボタン収納穴35からハンドル34に当接され、及びボタン止め壁板36に当接される。
押出し板67は、
図5及び
図12に示すように、各ボタン止め突起63,64及び各ハンドル止め突起65,66に間隔を隔てて、各ボタン止め突起63,64の間及び各ハンドル止め突起65,66の間に配置される。
押出し板67は、上下方向UDにおいて、ボタン本体60から各ハンドル止め突起65,66まで延在される。
【0067】
各第1爪68,69は、
図7、
図10及び
図11に示すように、前後方向LRの上蓋板55の後端側に位置して、上蓋板55に形成される。各第1爪68,69は、左右方向LRに間隔を隔てて配置される。各第1爪68,69は、
図10に示すように、左右方向LRにおいて、上蓋板55の中心から右方及び左方の夫々に等間隔を隔てて並設される。第1爪68,69は、合成樹脂等の弾性体で形成される。
各第1爪68,69は、第1爪支持部73(第1爪支持板)、及び第1爪突起74を有する。
【0068】
第1爪支持部73は、
図7、
図10及び
図11に示すように、上蓋板55に片持ち支持されて、上蓋板55に一体に形成される。第1爪支持部73は、上蓋板55から上下方向UDの下方に突出される。
【0069】
第1爪突起74は、
図7、
図10及び
図11に示すように、第1爪支持部73の下端側から前後方向UDの後方に突出される。第1爪突起74は、上下方向UDの上端に各ボタン止め突起63,64の突起止め傾斜面71に当接自在な突起傾斜面75を有する。突起傾斜面75は、第1爪支持部73から前後方向FRの後方及び上下方向UDの上方に延在しつつ傾斜される。
【0070】
第2爪70は、
図5、
図10及び
図11に示すように、前後方向FRの上蓋板55の後端側に位置して、上蓋板55に形成される。第2爪70は、各第1爪68,68の間に配置される。第2爪70は、左右方向LRにおいて、上蓋板55の中心に配置される。第2爪70は、合成樹脂等の弾性体で形成される。
第2爪70は、第2爪支持部76(第2爪支持板)、及び第2爪突起77を有する。
【0071】
第2爪支持部76は、
図5、
図10及び
図11に示すように、上蓋板55に片持ち支持されて、上蓋板55と一体に形成される。第2爪支持部76は、上下方向UDにおいて、上蓋板55から各第1爪68,68(第1爪突起74)の下方に突出(延在)される。
【0072】
第2爪突起77は、
図5、
図10及び
図11に示すように、第2爪支持部76の上下方向UDの下端側か前後方向UDの後方に突出される。
第2爪突起77は、上下方向UDの上端に各ハンドル止め突起65,66の突起止め平面72に当接自在な突起平面78を有する。突起平面78は、左右方向LR及び前後方向FRに平行する平面である。
【0073】
蓋閉じ保持体10において、蓋体8を開状態から回転すると、各第1爪68,69は、
図16(b)に示すように、挿入間隔δに挿入されて、第1爪突起74を各ボタン止め突起63,64に当接し、第2爪70は、
図17(b)に示すように、爪挿入間隔δに挿入され、第2爪突起77を各ハンドル止め突起65,66及び押出し板67に当接する。
【0074】
蓋体8の閉状態への回転に伴って、各第1爪68,69は、
図7に示すように、各ボタン止め突起63,64の当接によって、前後方向FRの前方に弾性変形して、上下方向UDの下方から突起傾斜面75を各ボタン止め突起63,64の突起止め傾斜面71に当接し、第2爪70は、
図5に示すように、各ハンドル止め突起65,66の当接によって、前後方向FRの前方に弾性変形して、上下方向UDの下方から各ハンドル止め突起65,66の突起止め平面72に当接する。
これにより、蓋閉じ保持体10は、開状態の蓋体8が開く方向へ回転するのを不能として、閉状態の蓋体8を保持する。
【0075】
蓋体8の開状態への回転に伴って、第2爪70は、第2爪突起77を押出し板67に当接し、前後方向FRの後方に押出して、ボタン本体60を回転する。押出し板67は、ボタン本体60と共に回転して、ハンドル34に当接される。
これにより、ボタン本体60は、回転が止められ、ハンドル34の上端34A(上表面)に面一となるボタン閉位置P1にされる(ハンドル34の上端34A側のボタン閉位置P1)。
【0076】
ボタン閉位置P1のボタン本体60を上下方向UDの下方に押して、ボタン本体60を上下方向UD下方に回転する。
押出し板67は、
図16(a)に示すように、ボタン本体60の下方の回転(一方の回転)に伴って、第2爪70の第2爪突起77に押付けられ、閉状態から排出口24を開く方向に蓋体8を押し、第2爪70(第2爪支持部76、第2爪突起77)を前後方向UDの前方及び上下方向UDの下方に弾性変形する。
これにより、押出し板67は、
図16(b)に示すように、第2爪70の突起平面78を、各ハンドル止め突起65,66の突起止め平面72から離間して、第2爪70を第2爪挿入間隔δ2に移動(離間)する。
【0077】
各ボタン止め突起63,64は、
図17(a)に示すように、ボタン本体60の一方の回転に伴って、上下方向UDの上方に旋回されて、突起止め傾斜面71を各第1爪68,69の突起傾斜面75から離間する。押出し板67は、第2爪70の前方への押出しに伴って、各第1爪68,69(蓋体8)を排出口24を開く方向に移動する。これにより、第1爪68,69は、
図17(b)に示すように、ボタン本体60の一方の回転及び押出し板67による第2爪70の押出しによって、突起傾斜面75を各ボタン止め突起63,64の第1突起止め傾斜面71から離間して、挿入間隔δに配置(移動)される。このように、蓋閉じ保持体10は、操作ボタン9(ボタン本体60)の操作に伴って、蓋体8を回動自在にする。
【0078】
蓋開き保持体11は、排出口24を開いた開状態の蓋体8を保持し、開状態から排出口24を閉じる方向の一定の回転力であって、蓋体8への作用に伴って、蓋体8を回動自在にする。
【0079】
蓋開き保持体11は、
図8、
図10乃至
図15に示すように、第1及び第2ガイド円弧溝80,81、第1及び第2止め突起82,83、第1及び第2ガイド突起84,85を有する。
【0080】
第1ガイド円弧溝80は、
図14に示すように、前後方向UDのローラ車輪5及び前壁板22の間に配置され、右壁板20に形成される。第1ガイド円弧溝80は、第1蓋回動軸56と同心に配置され、後壁板23側の右壁板20の下端15B側、及び前壁板22側の右壁板20の下端15B側で円弧状に形成される。第1ガイド円弧溝80は、右蓋板53に向けて開口される。
【0081】
第2ガイド円弧溝81は、
図15に示すように、前後方向UDのローラ車輪6及び前壁板22の間に配置され、左壁板21に形成される。第2ガイド円弧溝81は、第2蓋回動軸57と同心に配置され、後壁板23側の左壁板21の下端15B側、及び前壁板22側の左壁板21の下端15B側で円弧状に形成される。第2ガイド円弧溝81は、左蓋板54に向けて開口される。第2ガイド円弧溝81は、第1ガイド円弧溝80と同一円弧状に形成される。
【0082】
第1止め突起82は、
図14に示すように、第1ガイド円弧溝80に配置される。第1止め突起82は、第1ガイド円弧溝80の前壁板22側に配置されて、第1ガイド円弧溝80の溝底面80Aから右蓋板53に向けて突出される。第1止め突起82は、前後方向UDの後方に第1ガイド斜面86を有する。
【0083】
第2止め突起83は、
図15に示すように、第2ガイド円弧溝81に形成される。第2止め突起83は、第2ガイド円弧溝81の前壁板22側に配置されて、第2ガイド円弧溝81の溝底面81Aから左蓋板54に向けて突出される。第2止め突起83は、第1止め突起82と同一位置に形成されて、前後方向UDの後方に第2ガイド斜面87を有する。
【0084】
第1ガイド突起84は、
図10、
図11及び
図14に示すように、蓋体8の
右蓋板53に形成される。第1ガイド突起84は、
右蓋板53から突出されて、第1ガイド円弧溝80の溝底面80Aに隙間を隔てて、第1ガイド円弧溝80内に挿入される。
【0085】
第2ガイド突起85は、
図10、
図11及び
図15に示すように、蓋体8の
左蓋板54に形成される。第2ガイド突起85は、
左蓋板54から突出して、第2ガイド円弧溝81の溝底面81Aに隙間を隔てて、第2ガイド円弧溝81内に挿入される。第2ガイド突起85は、第1ガイド突起84と同一位置に形成される。
【0086】
蓋開き保持体11において、第1及び第2ガイド突起84,85は、
図18(a)に示すように、閉状態で、後壁板23側の第1及び第2ガイド円弧溝80,81に配置される。第1及び第2ガイド突起84,85は、閉状態で、第1及び第2ガイド円弧溝80,81の後方溝端80B,81Bに当接される。
【0087】
第1及び第2ガイド突起84,85は、
図18(b)に示すように、閉状態から排出口24を開く方向の蓋体8の回転に伴って、第1及び第2ガイド斜面86,87に当接され、第1及び第2止め突起82,83の夫々を乗越えて、前壁板22側の第1及び第2ガイド円弧溝80,81の夫々に配置される。蓋体8は、開状態で、上蓋板55の前端を底壁板27(下端15B)に当接される。
【0088】
第1及び第2ガイド突起84,85は、
図18(c)に示すように、開状態で、第1及び第2ガイド円弧溝80,81の前方溝端と、第1及び第2止め突起82,83の間に配置される。
第1及び第2ガイド突起84,85は、開状態から閉じる方向の一定の回転力未満(一定の力未満)であって、蓋体8への作用に伴って、第1及び第2止め突起82,83の夫々に当接して、蓋開き保持体11は蓋体8の開状態を保持する。
これにより、排出口24を上下方向UDの下方に向けることで、蓋体8を閉じることなく、第1及び第2集塵室1B,1C(内部空間1A)から集めたゴミ、塵埃を排出できる。
【0089】
第1及び第2ガイド突起84,85は、開状態から排出口24を閉じる方向の一定の回転力以上(一定の力以上)であって、蓋体8への作用に伴って、第1及び第2止め突起82,83の夫々を乗越えて、後壁板23側の左右壁板20,21の下端の第1及び第2ガイド円弧溝80,81に配置される。第1及び第2ガイド突起84,85は、第1及び第2ガイド円弧溝80,81の後方溝端80B,81Bの夫々に当接される。
これにより、蓋体8は、閉状態とされ、排出口24を閉じる。
【0090】
次に、手動掃除具Xを使用した掃除について、
図5乃至
図7を参照して説明する。
なお、説明の便宜上、突出片38は、
図6に示すように、第1捕塵ブラシ39側に位置し、ドラム本体37は、前後方向UDの前方からストッパ片17,18に当接しているものとする。
【0091】
手動掃除具Xは、各ローラ車輪5,6を絨毯、畳、フローリング等の被掃除対象体(以下、「被掃除対象体」という)に接地して、ローラブラシ体7(カットパイル52)、第2捕塵ブラシ40(傾斜パイル)、及び突出片38を被掃除対象体に当接して配置される。
【0092】
続いて、ハンドル34を把持して、ケーシング体1を前後方向FRの前方に移動すると、ローラブラシ体7及び捕塵ブラシ体2のドラム本体37は、一方に回転される。
これにより、ローラブラシ体7は、
図5に示すように、カットパイル52にてゴミ、塵埃を第2集塵室IC内(内部空間IA内)に集塵し、捕塵ブラシ体2は、第2捕塵ブラシ40にて塵埃を第1集塵室IB内に集塵する。このとき、第1捕塵ブラシ39に付着する塵埃は、第1除塵ブラシ体3の第1除塵ブラシ43で取除かれて、第1集塵室IB内に集塵される。ドラム本体37は、前後方向FRbの後方から各ストッパ片17,18に当接される。
【0093】
続いて、ケーシング体1を前後方向FRの後方に移動すると、ローラブラシ体7及び捕塵ブラシ体2のドラム本体37は、他方に回転される。
これにより、ローラブラシ体7は、
図6に示すように、カットパイル52にてゴミ、塵埃を第2集塵室IC内(内部空間IA内)に集塵し、捕塵ブラシ体2は、第1捕塵ブラシ39にて塵埃を第1集塵室IB内に集塵する。このとき、第2捕塵ブラシ40に付着する塵埃は、第2除塵ブラシ体4の第2除塵ブラシ45で取除かれて、第1集塵室IB内に集塵される。ドラム本体37は、前後方向UDの前方から各ストッパ片17,18に当接される。
このように、手動掃除具Xは、ケーシング体1を前後方向UDに往復動することで、ゴミ、塵埃を第1及び第2集塵室IB,IC内(内部空間IA内)に集塵する。
【0094】
ケーシング体1の前方の移動に伴って、ローラブラシ体7(カットパイル52)、捕塵ブラシ体2を被掃除対象体に押付けると、蓋体8には閉状態から排出口を開く方向の回転力を受ける。
このとき、各第1爪68,69は、
図7に示すように、閉状態で、突起傾斜面75を上下方向UDの下方から各ボタン止め突起65,66の突起止め傾斜面71に押付け、第2爪70は、閉状態で、突起平面78を上下方向UDの下方から各ハンドル止め突起65,66の突起止め平面72に押付けることから、蓋体8が閉状態から排出口24を開く方向へ回転することを規制する。これにより、掃除中に、蓋体8は開かない。