特許第6839863号(P6839863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6839863
(24)【登録日】2021年2月18日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】手動掃除具
(51)【国際特許分類】
   A47L 11/32 20060101AFI20210301BHJP
   A47L 11/22 20060101ALI20210301BHJP
【FI】
   A47L11/32
   A47L11/22
【請求項の数】4
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-92564(P2019-92564)
(22)【出願日】2019年5月16日
(65)【公開番号】特開2020-185237(P2020-185237A)
(43)【公開日】2020年11月19日
【審査請求日】2020年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228822
【氏名又は名称】日本シール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(72)【発明者】
【氏名】小野 裕司
(72)【発明者】
【氏名】樋野 裕介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 努
(72)【発明者】
【氏名】大鶴 梨央
(72)【発明者】
【氏名】西村 恵子
(72)【発明者】
【氏名】入口 椋
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第00864972(GB,A)
【文献】 特開平06−070870(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/003047(WO,A1)
【文献】 特開昭51−015569(JP,A)
【文献】 米国特許第02689367(US,A)
【文献】 登録実用新案第3009211(JP,U)
【文献】 実開昭53−106902(JP,U)
【文献】 特開2009−207646(JP,A)
【文献】 特開昭51−127574(JP,A)
【文献】 特開平5−300865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 11/32
A47L 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向の右壁板及び左壁板、前後方向の前壁板及び後壁板で内部空間を区画する枠本体を有し、前記各壁板の上下方向の上端に排出口を形成したケーシング体と、
前記枠本体に回動自在に取付けられる一対のローラ車輪と、
前記ケーシング体内に配置されるローラブラシ体と、
前記枠本体に回動自在に取付けられ、前記排出口を開閉する蓋体と、
前記排出口を開いた開状態の前記蓋体を保持する蓋開き保持体と、を備え、
前記各ローラ車輪は、
車輪外周面を前記各壁板の上下方向の下端から突出して配置され、
前記枠本体の外側から前記右壁板及び前記左壁板の夫々に回動自在に軸支され、
前記ローラブラシ体は、
剛性軸と、
前記剛性軸の軸中心線と同心に配置され、前記剛性軸の各軸端側に取付けられる一対のガイドローラと、
基布、及び前記基布の布表面から起立したカットパイルで形成され、前記基布の布裏面から前記剛性軸の軸外周面に螺旋状に巻付けられ、前記カットパイルの先端を前記各ガイドローラの外周面から突出して、前記剛性軸に取付けられる清掃ブラシ布と、を備え、
前記剛性軸の軸中心線を左右方向に向け、前記清掃ブラシ布の前記カットパイルの一部及び前記各ガイドローラの一部を前記各壁板の下端から突出して、前記ケーシング体内に配置され、
前記剛性軸の弾性変形の状態で前記枠本体から取外自在とされて、前記剛性軸の各軸端側を前記枠本体に回動自在に軸支し、
前記蓋体は、
前記左右方向の右蓋板、及び左蓋板と、
前記右蓋板及び前記左蓋板の間に配置され、前記右蓋板及び前記左蓋板に一体にされる上蓋板と、
前記右蓋板から前記左右方向の左方に突出する第1蓋回動軸と、
前記左蓋板から前記左右方向の右方に突出する第2蓋回動軸と、を備え、
前記右蓋板を前記右壁板の外側に配置し、及び前記左蓋板を前記左壁板の外側に配置して、前記第1蓋回動軸を前記右壁板に回動自在に軸支し、及び前記第2蓋回動軸を前記左壁板に回動自在に軸支して、前記枠本体に取付けられ、
前記上蓋板は、
前記排出口を閉じた閉状態で、前記前壁板及び前記排出口を覆って、前記右壁板及び前記左壁板の上端に当接され、
前記右蓋板及び前記左蓋板は、
前記排出口を閉じた閉状態で、前記各ローラ車輪の外側に配置され、
前記排出口を開いた開状態で、前記右壁板及び前記左壁板の一部を覆って配置され、
前記蓋開き保持体は、
前後方向の前記ローラ車輪及び前記前壁板の間に配置されて、前記右壁板に形成される第1ガイド円弧溝と、
前後方向の前記ローラ車輪及び前記前壁板の間に配置されて、前記左壁板に形成される第2ガイド円弧溝と、
前記第1ガイド円弧溝に配置される第1止め突起と、
前記第2ガイド円弧溝に配置される第2止め突起と、
前記右蓋板に形成される第1ガイド突起と、
前記左蓋板に形成される第2ガイド突起と、を有し、
前記第1ガイド円弧溝は、
前記第1蓋回動軸と同心に配置され、前記後壁板側の前記右壁板の下端側及び前記前壁板側の前記右壁板の下端側で円弧状に形成され、
前記第2ガイド円弧溝は、
前記第2蓋回動軸と同心に配置され、前記後壁板側の前記左壁板の下端側及び前記前壁板側の前記左壁板の下端側で円弧状に形成され、
前記第1止め突起は、
前記第1ガイド円弧溝の前記前壁板側に配置されて、前記第1ガイド円弧溝の溝底面から前記右蓋板に向けて突出され、
前記第2止め突起は、
前記第2ガイド円弧溝の前記前壁板側に配置されて、前記第2ガイド円弧溝の溝底面から前記左蓋板に向けて突出され、
前記第1ガイド突起は、
前記右蓋板から突出され、前記第1ガイド円弧溝の溝底面に隙間を隔てて、前記第1ガイド円弧溝内に挿入され、
前記排出口の開いた開状態で、前記第1ガイド円弧溝の前方溝端及び前記第1止め突起の間に配置されと共に、前記第1止め突起に当接して、前記蓋体の開状体を保持し、
前記第2ガイド突起は、
前記左蓋板から突出され、前記第2ガイド円弧溝の溝底面に間隔を隔てて、前記第2ガイド円弧溝内に挿入され、
前記排出口を開いた開状態で、前記第2ガイド円弧溝の前方溝端及び前記第2止め突起の間に配置されると共に、前記第2止め突起に当接して、前記蓋体の開状態を保持する
ことを特徴とする手動掃除具。
【請求項2】
前記ケーシング体は、
ハンドルを有し、
前記ハンドルは、
前記剛性軸の軸中心線の方向の中心に配置されて、前記後壁板に形成され、
前記後壁板から前記前後方向の後方に延在される
ことを特徴とする請求項1に記載の手動掃除具。
【請求項3】
前記ハンドルに配置される操作ボタンと、
前記排出口を閉じた閉状態の前記蓋体を保持する蓋閉じ保持体と、を備え、
前記蓋閉じ保持体は、
前記操作ボタンの操作に伴って、前記蓋体を閉状態から前記排出口を開く方向に押出して、前記蓋体を回動自在にする
ことを特徴とする請求項に記載の手動掃除具。
【請求項4】
左右方向の右壁板及び左壁板、前後方向の前壁板及び後壁板で内部空間を区画する枠本体を有し、前記各壁板の上下方向の上端に排出口を形成したケーシング体と、
前記枠本体に回動自在に取付けられる一対のローラ車輪と、
前記ケーシング体内に配置されるローラブラシ体と、
前記枠本体に回動自在に取付けられ、前記排出口を開閉する蓋体と、
前記排出口を開いた開状態の前記蓋体を保持する蓋開き保持体と、を備え、
前記ローラブラシ体は、
ブラシ軸と、
基布、及び前記基布の布表面から起立したカットパイルで形成され、前記基布の布裏面から前記ブラシ軸の軸外周面に巻付けられ、前記ブラシ軸に取付けられる清掃ブラシ布と、を備え、
前記ブラシ軸の軸中心を左右方向に向け、前記清掃ブラシ布の前記カットパイルの一部を前記各壁板の下端から突出して、前記ケーシング体内に配置され、
前記ブラシ軸の各軸端側を前記枠本体に回転自在に軸支し、
前記蓋体は、
前記左右方向の右蓋板、及び左蓋板と、
前記右蓋板及び前記左蓋板の間に配置され、前記右蓋板及び前記左蓋板に一体にされる上蓋板と、を備え、
前記右蓋板を前記右壁板の外側に配置し、前記左蓋板を前記左壁板の外側に配置して、前記右蓋板を前記右壁板に回動自在に軸支し、及び前記左蓋板を前記左壁板に回動自在に軸支して、前記枠本体に取付けられ、
前記蓋開き保持体は、
前記右壁板から前記右蓋板に向けて突出される止め突起と、
前記右蓋板から突出されるガイド突起と、を有し、
前記ガイド突起は、
前記排出口を閉じた閉状態から前記排出口を開く方向の前記蓋体の回転に伴って、前記止め突起を乗り越えて前記前壁板側に配置されると共に、前記止め突起に当接して、前記蓋体の開状態を保持する
ことを特徴とする手動掃除具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絨毯、畳、フローリング、ソファ、椅子、自動車の車内等の掃除に使用される手動掃除具に関する。
【背景技術】
【0002】
絨毯等を掃除する技術として、特許文献1は手動清掃具を開示する。手動清掃具は、ケーシング内に支持されたローラブラシ体及び傾毛ブラシ体を備える。ローラブラシ体は、一対の支持部に取外自在及び回動自在に軸支される。ローラブラシ体は、針金の芯材に毛材を植設して構成されて、芯材の両端部に転動輪が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−329618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、芯材を針金で構成しているので、ローラブラシ体の針金を把持及び引上げて支持部から取外す際に、針金が曲がる等の塑性変形(永久変形)する虞がある。
【0005】
本発明は、ローラブラシ体を取外す際に、曲がる等の塑性変形(永久変形)を抑制できる手動掃除具を提供することにある。
本発明は、蓋体の閉状態を保持でき、蓋体の開状態を保持できる手動掃除具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る請求項1は、左右方向の右壁板及び左壁板、前後方向の前壁板及び後壁板で内部空間を区画する枠本体を有し、前記各壁板の上下方向の上端に排出口を形成したケーシング体と、前記枠本体に回動自在に取付けられる一対のローラ車輪と、前記ケーシング体内に配置されるローラブラシ体と、前記枠本体に回動自在に取付けられ、前記排出口を開閉する蓋体と、前記排出口を開いた開状態の前記蓋体を保持する蓋開き保持体と、を備え、前記各ローラ車輪は、車輪外周面を前記各壁板の上下方向の下端から突出して配置され、前記枠本体の外側から前記右壁板及び前記左壁板の夫々に回動自在に軸支され、前記ローラブラシ体は、剛性軸と、前記剛性軸の軸中心線と同心に配置され、前記剛性軸の各軸端側に取付けられる一対のガイドローラと、基布、及び前記基布の布表面から起立したカットパイルで形成され、前記基布の布裏面から前記剛性軸の軸外周面に螺旋状に巻付けられ、前記カットパイルの先端を前記各ガイドローラの外周面から突出して、前記剛性軸に取付けられる清掃ブラシ布と、を備え、前記剛性軸の軸中心線を左右方向に向け、前記清掃ブラシ布の前記カットパイルの一部及び前記各ガイドローラの一部を前記各壁板の下端から突出して、前記ケーシング体内に配置され、前記剛性軸の弾性変形の状態で前記枠本体から取外自在とされて、前記剛性軸の各軸端側を前記枠本体に回動自在に軸支し、前記蓋体は、前記左右方向の右蓋板、及び左蓋板と、前記右蓋板及び前記左蓋板の間に配置され、前記右蓋板及び前記左蓋板に一体にされる上蓋板と、前記右蓋板から前記左右方向の左方に突出する第1蓋回動軸と、前記左蓋板から前記左右方向の右方に突出する第2蓋回動軸と、を備え、前記右蓋板を前記右壁板の外側に配置し、及び前記左蓋板を前記左壁板の外側に配置して、前記第1蓋回動軸を前記右壁板に回動自在に軸支し、及び前記第2蓋回動軸を前記左壁板に回動自在に軸支して、前記枠本体に取付けられ、前記上蓋板は、前記排出口を閉じた閉状態で、前記前壁板及び前記排出口を覆って、前記右壁板及び前記左壁板の上端に当接され、前記右蓋板及び前記左蓋板は、前記排出口を閉じた閉状態で、前記各ローラ車輪の外側に配置され、前記排出口を開いた開状態で、前記右壁板及び前記左壁板の一部を覆って配置され、前記蓋開き保持体は、前後方向の前記ローラ車輪及び前記前壁板の間に配置されて、前記右壁板に形成される第1ガイド円弧溝と、前後方向の前記ローラ車輪及び前記前壁板の間に配置されて、前記左壁板に形成される第2ガイド円弧溝と、前記第1ガイド円弧溝に配置される第1止め突起と、前記第2ガイド円弧溝に配置される第2止め突起と、前記右蓋板に形成される第1ガイド突起と、前記左蓋板に形成される第2ガイド突起と、を有し、前記第1ガイド円弧溝は、前記第1蓋回動軸と同心に配置され、前記後壁板側の前記右壁板の下端側及び前記前壁板側の前記右壁板の下端側で円弧状に形成され、前記第2ガイド円弧溝は、前記第2蓋回動軸と同心に配置され、前記後壁板側の前記左壁板の下端側及び前記前壁板側の前記左壁板の下端側で円弧状に形成され、前記第1止め突起は、前記第1ガイド円弧溝の前記前壁板側に配置されて、前記第1ガイド円弧溝の溝底面から前記右蓋板に向けて突出され、前記第2止め突起は、前記第2ガイド円弧溝の前記前壁板側に配置されて、前記第2ガイド円弧溝の溝底面から前記左蓋板に向けて突出され、前記第1ガイド突起は、前記右蓋板から突出され、前記第1ガイド円弧溝の溝底面に隙間を隔てて、前記第1ガイド円弧溝内に挿入され、前記排出口の開いた開状態で、前記第1ガイド円弧溝の前方溝端及び前記第1止め突起の間に配置されると共に、前記第1止め突起に当接して、前記蓋体の開状体を保持し、前記第2ガイド突起は、前記左蓋板から突出され、前記第2ガイド円弧溝の溝底面に間隔を隔てて、前記第2ガイド円弧溝内に挿入され、前記排出口を開いた開状態で、前記第2ガイド円弧溝の前方溝端及び前記第2止め突起の間に配置されると共に、前記第2止め突起に当接して、前記蓋体の開状態を保持することを特徴とする手動掃除具である。
請求項1では、剛性軸は、ブラシ軸であり、ローラブラシ本体は、剛性軸(ブラシ軸)を弾性変形することにより枠本体から取外自在とされて、剛性軸(ブラシ軸)の各軸端側を枠本体に回動自在に軸支する構成も採用できる。
【0007】
本発明に係る請求項2は、前記ケーシング体は、ハンドルを有し、前記ハンドルは、前記剛性軸の軸中心線の方向の中心に配置されて、前記後壁板に形成され、前記後壁板から前記前後方向の後方に延在されることを特徴とする請求項1に記載の手動掃除具である。
【0009】
本発明に係る請求項は、前記ハンドルに配置される操作ボタンと、前記排出口を閉じた閉状態の前記蓋体を保持する蓋閉じ保持体と、を備え、前記蓋閉じ保持体は、前記操作ボタンの操作に伴って、前記蓋体を閉状態から前記排出口を開く方向に押出して、前記蓋体を回動自在にすることを特徴とする請求項に記載の手動掃除具である。
【0010】
本発明に係る請求項は、左右方向の右壁板及び左壁板、前後方向の前壁板及び後壁板で内部空間を区画する枠本体を有し、前記各壁板の上下方向の上端に排出口を形成したケーシング体と、前記枠本体に回動自在に取付けられる一対のローラ車輪と、前記ケーシング体内に配置されるローラブラシ体と、前記枠本体に回動自在に取付けられ、前記排出口を開閉する蓋体と、前記排出口を開いた開状態の前記蓋体を保持する蓋開き保持体と、を備え、前記ローラブラシ体は、ブラシ軸と、基布、及び前記基布の布表面から起立したカットパイルで形成され、前記基布の布裏面から前記ブラシ軸の軸外周面に巻付けられ、前記ブラシ軸に取付けられる清掃ブラシ布と、を備え、前記ブラシ軸の軸中心を左右方向に向け、前記清掃ブラシ布の前記カットパイルの一部を前記各壁板の下端から突出して、前記ケーシング体内に配置され、前記ブラシ軸の各軸端側を前記枠本体に回転自在に軸支し、前記蓋体は、前記左右方向の右蓋板、及び左蓋板と、前記右蓋板及び前記左蓋板の間に配置され、前記右蓋板及び前記左蓋板に一体にされる上蓋板と、を備え、前記右蓋板を前記右壁板の外側に配置し、前記左蓋板を前記左壁板の外側に配置して、前記右蓋板を前記右壁板に回動自在に軸支し、及び前記左蓋板を前記左壁板に回動自在に軸支して、前記枠本体に取付けられ、前記蓋開き保持体は、前記右壁板から前記右蓋板に向けて突出される止め突起と、前記右蓋板から突出されるガイド突起と、を有し、前記ガイド突起は、前記排出口を閉じた閉状態から前記排出口を開く方向の前記蓋体の回転に伴って、前記止め突起を乗り越えて前記前壁板側に配置されると共に、前記止め突起に当接して、前記蓋体の開状態を保持することを特徴とする手動掃除具である。
【0011】
本発明は前記ローラ車輪は、前記右壁板及び前記左壁板の夫々に回動自在に取付けられるローラ内輪と、前記ローラ内輪の外周面に一体に取付けられるローラ外輪と、を有し、前記ローラ外輪は、合成ゴムを含む弾性体で形成されることを特徴する手動掃除具である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る請求項1によれば、ローラブラシ体を枠本体から取外す際、剛性軸に曲げ等の塑性変形(永久変形)を生じることを抑制できる。
【0013】
本発明に係る請求項2によれば、各ローラ車輪及び各ガイドローラを絨毯、畳、フローリング等の被掃除対象体に接地し、及びハンドルを把持して、ケーシング体(枠本体)を前後方向に往復動することで、ローラブラシ体は正逆回転されて、剛性軸に取付けられた清掃ブラシ布(カットパイル)でゴミ、塵埃を枠本体の内部空間に集塵できる。
【0014】
本発明によれば、蓋体を回動することで、ケーシング体の排出口を開閉することができる。
【0015】
本発明に係る請求項によれば、清掃中に、ローラブラシ体(カットパイル)を被掃除対象物体に押付けることで、蓋体に閉状態から排出口を開く方向への力(回転力)が作用しても、蓋閉じ保持体によって蓋の閉状態を保持できる。
【0016】
本発明によれば、蓋開き保持体によって蓋体の開状態を保持することで、蓋体を閉じることなく、排出口を上下方向の下方に向けて、集塵したゴミ、塵埃を内部空間から排出できる。
【0017】
本発明によれば、各ローラ車輪の外周面を合成ゴム等の弾性体で形成しているので、被掃除対象体を各ローラ車輪で傷つけることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】手動掃除具を示す図であって、蓋体を閉じた状態の斜視図である。
図2】手動掃除具を示す図であって、蓋体を閉じた状態の上面図である。
図3】手動掃除具を示す図であって、蓋体を閉じた状態の下面図である。
図4】手動掃除具を示す図であって、蓋体を閉じた状態の右側面図である。
図5図2のA−A断面図である(突出片を第2除塵ブラシ体側に配置)。
図6図2のA−A断面図である(突出片を第1除塵ブラシ体側に配置)。
図7図2のB−B断面拡大図である。
図8図4のC−C部分断面拡大図である。
図9】ローラブラシ体を示す斜視図である。
図10】(a)は、蓋体、第1及び第2爪を示す正面図、(b)は、蓋体、第1及び第2爪を示す上面図である。
図11】(a)は、蓋体、第1及び第2爪を示す右側面図、(b)は、図10(b)のD−D断面図、(c)は、図10(b)のE−E断面図である。
図12】手動掃除具を示す図であって、蓋体を開いた状態の斜視図である。
図13】手動掃除具を示す図であって、蓋体を開いた状態の上面図である。
図14】手動掃除具を示す図であって、蓋体を開いた状態の右側拡大面図である。
図15】手動掃除具を示す図であって、蓋体を開いた状態の左側拡大面図である。
図16図2のA−A一部断面図であって、押出し板、第2爪及び各ハンドル止め突起の動作を示す拡大断面図である。
図17図2のB−B断面拡大図であって、各第1爪、及び各ボタン止め突起の動作を示す拡大断面図である。
図18】蓋体の開閉動作を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る手動掃除具について、図1乃至図18を参照して説明する。
【0020】
図1乃至図18において、手動掃除具Xは、ケーシング体1、捕塵ブラシ体2、第1除塵ブラシ体3、第2除塵ブラシ体4、左右一対のローラ車輪5,6、ローラブラシ体7、蓋体8、操作ボタン9、蓋閉じ保持体10、及び蓋開き保持体11を備える。
【0021】
ケーシング体1は、図1乃至図5及び図12乃至図14に示すように、枠本体15、仕切壁16、及び左右一対のストッパ片17,18を有する。
ケーシング体1は、例えば、合成樹脂にて枠本体15、仕切壁16、各ストッパ片17,18を一体に形成する。
【0022】
枠本体15は、図1乃至図5及び図12乃至図14に示すように、左右方向LRの右壁板20(右壁)及び左壁板21(左壁)と、前後方向FRの前壁板22(前壁)及び後壁板23で内部空間IAを区画する。枠本体15(ケーシング体1)は、上下方向UDの各壁板20〜23の上端15Aに排出口24を形成する。
なお、前後方向FRは、左右方向LRと直交する方向、上下方向UDは、左右方向LR及び前後方向FRと直交する方向である。
【0023】
仕切壁16(仕切壁板)は、図5図12及び図13に示すように、右壁板20及び左壁板21の間に配置され、右壁板20及び左壁板21と一体に形成される。
これにより、仕切壁16は、内部空間IAを、後壁板23側の第1集塵室IB及び前壁板22側の第2集塵室ICに区画する。
【0024】
各ストッパ片17,18は、図5図12及び図13に示すように、枠本体15と一体に形成される。各ストッパ片17,18は、左右方向LRにおいて、右壁板20、左壁板21に隙間を隔てて配置される。各ストッパ片17,18は、上下方向URの下方に突出して、第1集塵室1Bに配置される。
【0025】
ケーシング体1は、図3及び図12乃至図15に示すように、左右一対の車輪軸25,26を有する。
各車輪軸25,26は、例えば、円筒状に形成され、後壁板23側の右壁板20、後壁板23側の左壁板21の夫々と一体に形成される。車輪軸25は、右壁板20から外方(右方)に突出され、車輪軸26は、左壁板21から外方(左方)に突出される。
【0026】
ケーシング体1は、図3図5図8及び図12乃至図15に示すように、底壁板27、左右一対のブラシ支持板28,29、一対の回動穴30,31、一対の蓋回動穴32,33、第2捕塵口CB及びハンドル34を有する。
【0027】
底壁板27は、図3に示すように、上下方向UDの下方から第2集塵室ICを閉塞して、仕切壁16、右壁板20、左壁板21及び前壁板22と一体に形成される。
【0028】
各ブラシ支持板28,29は、図5図8図12及び図13に示すように、合成樹脂等であって、左右方向LRに弾性変形できる弾性体(弾性変形自在な弾性体)で形成され、第2集塵室ICに配置される。各ブラシ支持板28,29は、左右方向LRに間隔を隔てて並設される。
各ブラシ支持板28,29は、底壁板27と一体に形成され、上下方向UDにおいて、底壁板27から上方(排出口24側)に延在される。
【0029】
各回動穴30,31は、図8に示すように、各ブラシ支持板28,29の夫々に並設して配置されて、左右方向LRにおいて、各ブラシ支持板28,29を貫通する。
【0030】
各蓋回動穴32,33は、図8に示すように、前壁板22側の右壁板20及び左壁板21の夫々に並設して配置される。各蓋回動穴32,33は、左右方向LRにおいて、右壁板20、左壁板21の夫々を貫通して第2集塵室ICに開口される。
【0031】
第2捕塵口CBは、図3に示すように、第2集塵室ICにおいて、底壁板27に形成される。第2捕塵口CBは、上下方向UDにおいて、底壁板27を貫通して第2集塵室ICに開口される。
【0032】
ハンドル34は、図1乃至図5に示すように、左右方向LRにおいて、各ブラシ支持板28,29の間の中心に配置される。ハンドル34は、後壁板23と一体に形成される。ハンドル34は、前後方向FRにおいて、後壁板23から後方に延在される。
ハンドル34は、図5に示すように、ボタン収納穴35、及びボタン止め壁板36(ボタン止め壁)を有する。
【0033】
ボタン収納穴35は、図5及び図12に示すように、排出口24に隣接して形成される。ボタン収納穴35は、前後方向FRにおいて、排出口24側(後壁板23側)から後方に延在し、及び上下方向UDにおいて、ハンドル34を貫通して、ハンドル34の上端34Aに開口される。
【0034】
ボタン止め壁板36は、図3及び図3に示すように、ボタン収納穴35に配置されて、ハンドル34と一体に形成される。ボタン止め壁板36は、前後方向UDにおいて、後壁板23(排出口24)に間隔を隔ててハンドル34内に配置される。ボタン止め壁板36は、上下方向UDの下方に突出する。
【0035】
捕塵ブラシ体2は、図3図5図12及び図13に示すように、第1集塵室IBに配置される。捕塵ブラシ体2は、ドラム本体37、突出片38、第1捕塵ブラシ39及び第2捕塵ブラシ40を有する。
【0036】
ドラム本体37は、図5図12及び図13に示すように、筒中心線Aの方向に集塵口41を形成した不完全円筒状に形成される。
【0037】
突出片38は、図3及び図5に示すように、弾性体であって、例えば、合成ゴムで形成される。突出片38は、ドラム本体37の周方向において、集塵口41の一方の口縁41A及び他方の口縁41Bの中心に配置されて、ドラム本体37に取付けられる。
突出片38は、ドラム本体37の外周面から径外方向に突出される。
【0038】
第1捕塵ブラシ39は、図5に示すように、ドラム本体37の周方向において、集塵口41の一方の口縁41A及び突出片38の間に配置されて、ドラム本体37の外周面に取付けられる。第1捕塵ブラシ39は、集塵口41の一方の口縁41Aに向けて傾斜した複数の傾斜パイル(傾斜カットパイル)で形成される。
【0039】
第2捕塵ブラシ40は、図5に示すように、ドラム本体37の周方向において、集塵口41の他方の口縁41B及び突出片38の間に配置されて、ドラム本体37の外周面に取付けられる。第2捕塵ブラシ40は、集塵口41の他方の口縁41Bに向けて傾斜した複数の傾斜パイル(傾斜カットパイル)で形成される。
【0040】
捕塵ブラシ体2は、図3図5及び図13に示すように、ドラム本体37の筒中心線Aを左右方向LRに向けて第1集塵室IBに配置される。ドラム本体37は、図5に示すように、ドラム本体37の外周面の一部(第1及び第2捕塵ブラシ39,40の一部)、及び突出片38を、上下方向UDの各壁板20〜23の下端15Bの第1捕塵口CAから突出して配置される。ドラム本体37は、右壁板20及び左壁板21(枠本体15)に回動自在に軸支される。
【0041】
各ストッパ片17,18は、図5及び図13に示すように、集塵口41からドラム本体37内に突出される。各ストッパ片17,18は、ドラム本体37の周方向において、集塵口41の各口縁41A,41Bに間隔を隔てて配置される。
【0042】
第1除塵ブラシ体3は、図3及び図5に示すように、第1ワイパー本体42及び第1除塵ブラシ43を有する。
第1除塵ブラシ43は、第1ワイパー本体42に取付けられる。第1除塵ブラシ43は、第1捕塵ブラシ39と同方向に傾斜した複数の傾斜パイル(傾斜カットパイル)で形成される。第1ワイパー本体42は、前後方向FRにおいて、ドラム本体37及び仕切壁16の間に配置され、第1除塵ブラシ43を第1捕塵ブラシ39に圧接して、第1集塵室IBに配置される。第1ワイパー本体42は、左右方向LRに延在して、枠本体15に揺動自在に軸支される。
【0043】
第2除塵ブラシ体4は、図3及び図5に示すように、第2ワイパー本体44及び第2除塵ブラシ45を有する。
第2除塵ブラシ45は、第2ワイパー本体44に取付けられる。第2除塵ブラシ45は、第2捕塵ブラシ40と同一方向に傾斜して複数の傾斜パイル(傾斜カットパイル)で形成される。第2ワイパー本体44は、前後方向FRにおいて、ドラム本体37(捕塵ブラシ体2)及び後壁板23の間に配置され、第2除塵ブラシ45を第2捕塵ブラシ40(捕塵ブラシ体2)に圧接して、第1集塵室1Bに配置される。第2ワイパー本体44は、左右方向LRに延在されて、枠本体15に揺動自在に軸支される。
【0044】
各ローラ車輪5,6は、図1乃至図4及び図12に示すように、ローラ内輪95及びローラ外輪96を有し、ローラ内輪95は、例えば、合成樹脂で形成される。
ローラ外輪96は、例えば、合成ゴムを含む弾性体で形成される。ローラ外輪96は、ローラ内輪95の外周面に一体に取付けられる。
【0045】
ローラ車輪5は、車輪軸25と同心に配置される。ローラ車輪5は、ローラ車輪5の車輪外周面(ローラ外輪96外周面)をドラム本体37の外周面及び突出片38の先端の間に位置して、右壁板20に取付けられる。ローラ車輪5は、右壁板20の外側からローラ内輪95を車輪軸25に外嵌して、右壁板20に回動自在に取付けられる。
ローラ車輪6は、車輪軸26と同心に配置される、ローラ車輪6は、ローラ車輪6の車輪外周面(ローラ外輪96の外周面)を、ドラム本体37の外周面及び突出片38の先端の間に位置して、左壁板21に取付けられる。ローラ車輪6は、左壁板21の外側からローラ内輪95を車輪軸26に外嵌して、枠本体15の左壁板21に回動自在に取付けられる。
【0046】
ローラブラシ体7は、図9に示すように、剛性軸46、左右一対のガイドローラ47,48、及び清掃ブラシ布49を有する。
【0047】
剛性軸46は、図9に示すように、ブラシ軸であって、例えば、剛性を有するアルミニウム合金等の金属で円筒状(又は断面円形)に形成される。
【0048】
各ガイドローラ47,48は、図9に示すように、ローラ回動軸50を有し、例えば、合成樹脂等で形成される。ローラ回動軸50は、ガイドローラ47,48と同心に配置されて、車輪表面47A,48Aから突出される。
各ガイドローラ47,48は、剛性軸46の軸中心線Gと同心に配置されて、車輪裏面47B,48Bから剛性軸46の各軸端46A,46B側に回動自在に取付けられる。
【0049】
清掃ブラシ布49は、図9に示すように、基布51、及び基布51の布表面51A(表面)から起立された複数のカットパイル52を有する。
基布51は、経方向Qに並んだ各緯糸(図示しない)の間に、緯方向Pに並んだ経糸(図示しない)を織込んで形成される。
複数のカットパイル52は、緯方向Pにおいて、各経糸の間に配置される。各カットパイル52は、経方向Qに沿って基布51にW織り、又はV織りされて、W型パイル又はV型パイルを構成する。
各カットパイル52は、例えば、緯方向Pにおいて、1列、連続して基布51に織込まれる。
【0050】
清掃ブラシ布49は、図9に示すように、各ガイドローラ47,48の間に配置される。清掃ブラシ布49の1枚又は複数枚は、基布51の布裏面51B(裏面)から剛性軸46の軸外周面46Cに螺旋状に巻付けられて、剛性軸46に接着剤等で取付けられる。
これにより、清掃ブラシ布49は、各カットパイル52を各ガイドローラ47,48の外周面から突出した円形状に形成される。
【0051】
ローラブラシ体7は、図3図8図12及び図13に示すように、剛性軸46の軸中心線Gを左右方向LRに向け、清掃ブラシ布49の各カットパイル52の一部及び各ガイドローラ47,48の一部を各壁板20〜23の下端15B(第2集塵口CB)から突出して、第2集塵室1C内(ケーシング体1内)に配置される。
ローラブラシ体7は、各ブラシ支持板28,29を左右方向LRに弾性変形しつつ剛性軸46及び各ガイドローラ47,48を各ブラシ支持板28,29の間に挿入し、及び剛性軸46を弾性変形の状態で上下方向UDの下方に押下げて、各ガイドローラ47,48の各回動軸50を各回動穴30,31に挿入する。これにより、ローラブラシ体7は、各ブラシ支持板28,29に回動自在に軸支される。
ローラブラシ体7は、一方のブラシ支持板28を左右方向LRに弾性変形して広げて、剛性軸46を弾性変形しつつ上下方向UDの上方に引上げて、各ガイドローラ47,48の各回動軸50を各回動穴30,31から抜いて、各ブラシ支持板28,29(枠本体15)から取出される
これにより、ローラブラシ体7は、剛性軸46の弾性変形の状態で各ブラシ支持板28,29(枠本体15)から取外自在にされて、及び剛性軸46の各軸端46A,46B側を各ブラシ支持板28,29(枠本体15)に回動自在に軸支する。
また、ハンドル34は、剛性軸46の軸中心線Gの方向の中心に配置される。
【0052】
蓋体8は、枠本体15に回動自在に取付けられ、排出口24を開閉する。蓋体8は、図1図5図10及び図11に示すように、左右方向の右蓋板53及び左蓋板54、上蓋板55、第1蓋回動軸56、第2蓋回動軸57及び蓋仕切板58を有する。
【0053】
上蓋板55は、右蓋板53及び左蓋板54の間に配置されて、右蓋板53及び左蓋板54と一体に形成される。上蓋板55は、例えば、上下方向UDの上方に突出する円孤状に形成される。
【0054】
第1蓋回動軸56は、前後方向FRにおいて、右蓋板53の前方側に配置されて、右蓋板53に一体に形成される。第1蓋回動軸56は、右蓋板53の内板面(裏板面)から左右方向LRの左方に突出する。
第2蓋回動軸57は、前後方向FRにおいて、左蓋板54の前方側に配置されて、左蓋板54と一体に形成される。第2蓋回動軸57は、第1蓋回動軸56と同心に配置されて、左蓋板54の内板面(裏板面)から左右方向LRの右方に突出する。
【0055】
蓋仕切板58は、上蓋板55と一体に形成される。蓋仕切板58は、上下方向UDにおいて、上蓋板55の内板面55A(裏板面)から下方に突出される。
【0056】
蓋体8は、図1乃至図3に示すように、右蓋板53を右壁板20の外側に配置する。右蓋板53は、左右方向LRにおいて、右壁板20に間隔を隔てて配置される。
蓋体8は、左蓋板54を左壁板21の外側に配置する。左蓋板54は、左右方向LRにおいて、左壁板21に間隔を隔てて配置される。
蓋体8は、図8に示すように、第1蓋回動軸56を右壁板20の外側から蓋回動穴32に挿入して、右壁板20に回動自在に軸支する。蓋体8は、第2蓋回動軸57を左壁板21の外側から蓋回動穴33に挿入して、左壁板21に回動自在に軸支する。
【0057】
蓋体8は、図1及び図12に示すように、第1及び第2蓋回動軸56,57を回動中心として回動(揺動)して、排出口24を閉じた閉状態(以下、「閉状態」という)、又は排出口24を開いた開状態(以下、「開状態」という)にされる。
【0058】
上蓋板55は、図5に示すように、閉状態で、前壁板22及び排出口24を覆って、右壁板20の上端、左壁板21の上端及び各ブラシ支持板28,29の上端に当接される。上蓋板55は、閉状態で、前壁板22の前方に配置されて、前壁板22の下端側に延在される。
蓋仕切板58は、閉状態で、上下方向UDの上方から仕切壁16に当接されて、蓋仕切板58とで第1集塵室IB及び第2集塵室ICを完全に遮断(閉塞)する。
【0059】
右蓋板53及び左蓋板54は、図1乃至図4に示すように、閉状態で、各ローラ車輪5,6の外側に配置されて、各ローラ車輪5,6の一部を覆う。右蓋板53及び左蓋板54は、図12乃至図15に示すように、開状態で、右壁板20の一部、及び左壁板21の一部を覆う。
【0060】
操作ボタン9は、図2及び図13に示すように、ボタン本体60、及び左右一対のボタン回動軸61,62を有する。
【0061】
各ボタン回動軸61,62は、前後方向FRにおいて、ボタン本体60の前方側に配置されて、ボタン本体60と一体に形成される。ボタン回動軸61は、左右方向LRにおいて、ボタン本体60から右方に突出される。ボタン回動軸62は、左右方向LRにおいて、ボタン本体60から左方に突出される。
【0062】
ボタン本体60は、図12及び図13に示すように、前後方向FRの前方に爪挿入間隔δを隔ててボタン収納穴35に配置される。ボタン本体60は、各ボタン回動軸61,62を左右方向LRに向けて、ボタン収納穴35に配置される。ボタン本体60は、各ボタン回動軸61,62をハンドル34に軸支して、ハンドル34に回動自在に軸支される。
【0063】
蓋閉じ保持体10は、排出口24を閉じた閉状態の蓋体8を保持し、操作ボタン9の操作に伴って、蓋体8を閉状態から排出口24を開く方向に押出して、蓋体8を回動自在にする。
蓋閉じ保持体10は、図5図7及び図10乃至図12に示すように、左右一対のボタン止め突起63,64、左右一対のハンドル止め突起65,66、押出し板67、左右一対の第1爪68,69、及び第2爪70を有する。
【0064】
各ボタン止め突起63,64は、図7及び図12に示すように、前後方向FRにおいて、ボタン本体60の前端60A及び各ボタン回動軸61,62の間に配置される。各ボタン止め突起63,64は、左右方向LRに間隔を隔てて、ボタン本体60に形成される。
各ボタン止め突起63,64は、上下方向UDにおいて、各ボタン止め突起63,64の下端に突起止め傾斜面71を有する。突起止め傾斜面71は、各ボタン回動軸61,62から上下方向UDの下方及び前後方向FRの前方に延在しつつ傾斜される。
【0065】
各ハンドル止め突起65,66は、図5及び図12に示すように、ボタン収納穴35に位置してハンドル34に形成される。各ハンドル止め突起65,66は、前後方向UDの前方に爪挿入間隔δを隔てて、排出口24側に突出される。各ハンドル止め突起65,66は、上下方向UDにおいて、各ボタン止め突起63,64の下方に配置される。各ハンドル止め突起65,66は、左右方向LRに間隔を隔てて配置される。
各ハンドル止め突起65,66は、上下方向UDにおいて、各ハンドル止め突起65,66の下端に突起止め平面72を有する。突起止め平面72は、左右方向LR及び前後方向FRに平行する平面である。
【0066】
押出し板67は、ボタン収納穴35に配置されてボタン本体60に一体に形成される。押出し板67は、ボタン本体60(操作ボタン9)の回動に伴って、ボタン収納穴35からハンドル34に当接され、及びボタン止め壁板36に当接される。
押出し板67は、図5及び図12に示すように、各ボタン止め突起63,64及び各ハンドル止め突起65,66に間隔を隔てて、各ボタン止め突起63,64の間及び各ハンドル止め突起65,66の間に配置される。
押出し板67は、上下方向UDにおいて、ボタン本体60から各ハンドル止め突起65,66まで延在される。
【0067】
各第1爪68,69は、図7図10及び図11に示すように、前後方向LRの上蓋板55の後端側に位置して、上蓋板55に形成される。各第1爪68,69は、左右方向LRに間隔を隔てて配置される。各第1爪68,69は、図10に示すように、左右方向LRにおいて、上蓋板55の中心から右方及び左方の夫々に等間隔を隔てて並設される。第1爪68,69は、合成樹脂等の弾性体で形成される。
各第1爪68,69は、第1爪支持部73(第1爪支持板)、及び第1爪突起74を有する。
【0068】
第1爪支持部73は、図7図10及び図11に示すように、上蓋板55に片持ち支持されて、上蓋板55に一体に形成される。第1爪支持部73は、上蓋板55から上下方向UDの下方に突出される。
【0069】
第1爪突起74は、図7図10及び図11に示すように、第1爪支持部73の下端側から前後方向UDの後方に突出される。第1爪突起74は、上下方向UDの上端に各ボタン止め突起63,64の突起止め傾斜面71に当接自在な突起傾斜面75を有する。突起傾斜面75は、第1爪支持部73から前後方向FRの後方及び上下方向UDの上方に延在しつつ傾斜される。
【0070】
第2爪70は、図5図10及び図11に示すように、前後方向FRの上蓋板55の後端側に位置して、上蓋板55に形成される。第2爪70は、各第1爪68,68の間に配置される。第2爪70は、左右方向LRにおいて、上蓋板55の中心に配置される。第2爪70は、合成樹脂等の弾性体で形成される。
第2爪70は、第2爪支持部76(第2爪支持板)、及び第2爪突起77を有する。
【0071】
第2爪支持部76は、図5図10及び図11に示すように、上蓋板55に片持ち支持されて、上蓋板55と一体に形成される。第2爪支持部76は、上下方向UDにおいて、上蓋板55から各第1爪68,68(第1爪突起74)の下方に突出(延在)される。
【0072】
第2爪突起77は、図5図10及び図11に示すように、第2爪支持部76の上下方向UDの下端側か前後方向UDの後方に突出される。
第2爪突起77は、上下方向UDの上端に各ハンドル止め突起65,66の突起止め平面72に当接自在な突起平面78を有する。突起平面78は、左右方向LR及び前後方向FRに平行する平面である。
【0073】
蓋閉じ保持体10において、蓋体8を開状態から回転すると、各第1爪68,69は、図16(b)に示すように、挿入間隔δに挿入されて、第1爪突起74を各ボタン止め突起63,64に当接し、第2爪70は、図17(b)に示すように、爪挿入間隔δに挿入され、第2爪突起77を各ハンドル止め突起65,66及び押出し板67に当接する。
【0074】
蓋体8の閉状態への回転に伴って、各第1爪68,69は、図7に示すように、各ボタン止め突起63,64の当接によって、前後方向FRの前方に弾性変形して、上下方向UDの下方から突起傾斜面75を各ボタン止め突起63,64の突起止め傾斜面71に当接し、第2爪70は、図5に示すように、各ハンドル止め突起65,66の当接によって、前後方向FRの前方に弾性変形して、上下方向UDの下方から各ハンドル止め突起65,66の突起止め平面72に当接する。
これにより、蓋閉じ保持体10は、開状態の蓋体8が開く方向へ回転するのを不能として、閉状態の蓋体8を保持する。
【0075】
蓋体8の開状態への回転に伴って、第2爪70は、第2爪突起77を押出し板67に当接し、前後方向FRの後方に押出して、ボタン本体60を回転する。押出し板67は、ボタン本体60と共に回転して、ハンドル34に当接される。
これにより、ボタン本体60は、回転が止められ、ハンドル34の上端34A(上表面)に面一となるボタン閉位置P1にされる(ハンドル34の上端34A側のボタン閉位置P1)。
【0076】
ボタン閉位置P1のボタン本体60を上下方向UDの下方に押して、ボタン本体60を上下方向UD下方に回転する。
押出し板67は、図16(a)に示すように、ボタン本体60の下方の回転(一方の回転)に伴って、第2爪70の第2爪突起77に押付けられ、閉状態から排出口24を開く方向に蓋体8を押し、第2爪70(第2爪支持部76、第2爪突起77)を前後方向UDの前方及び上下方向UDの下方に弾性変形する。
これにより、押出し板67は、図16(b)に示すように、第2爪70の突起平面78を、各ハンドル止め突起65,66の突起止め平面72から離間して、第2爪70を第2爪挿入間隔δ2に移動(離間)する。
【0077】
各ボタン止め突起63,64は、図17(a)に示すように、ボタン本体60の一方の回転に伴って、上下方向UDの上方に旋回されて、突起止め傾斜面71を各第1爪68,69の突起傾斜面75から離間する。押出し板67は、第2爪70の前方への押出しに伴って、各第1爪68,69(蓋体8)を排出口24を開く方向に移動する。これにより、第1爪68,69は、図17(b)に示すように、ボタン本体60の一方の回転及び押出し板67による第2爪70の押出しによって、突起傾斜面75を各ボタン止め突起63,64の第1突起止め傾斜面71から離間して、挿入間隔δに配置(移動)される。このように、蓋閉じ保持体10は、操作ボタン9(ボタン本体60)の操作に伴って、蓋体8を回動自在にする。
【0078】
蓋開き保持体11は、排出口24を開いた開状態の蓋体8を保持し、開状態から排出口24を閉じる方向の一定の回転力であって、蓋体8への作用に伴って、蓋体8を回動自在にする。
【0079】
蓋開き保持体11は、図8図10乃至図15に示すように、第1及び第2ガイド円弧溝80,81、第1及び第2止め突起82,83、第1及び第2ガイド突起84,85を有する。
【0080】
第1ガイド円弧溝80は、図14に示すように、前後方向UDのローラ車輪5及び前壁板22の間に配置され、右壁板20に形成される。第1ガイド円弧溝80は、第1蓋回動軸56と同心に配置され、後壁板23側の右壁板20の下端15B側、及び前壁板22側の右壁板20の下端15B側で円弧状に形成される。第1ガイド円弧溝80は、右蓋板53に向けて開口される。
【0081】
第2ガイド円弧溝81は、図15に示すように、前後方向UDのローラ車輪6及び前壁板22の間に配置され、左壁板21に形成される。第2ガイド円弧溝81は、第2蓋回動軸57と同心に配置され、後壁板23側の左壁板21の下端15B側、及び前壁板22側の左壁板21の下端15B側で円弧状に形成される。第2ガイド円弧溝81は、左蓋板54に向けて開口される。第2ガイド円弧溝81は、第1ガイド円弧溝80と同一円弧状に形成される。
【0082】
第1止め突起82は、図14に示すように、第1ガイド円弧溝80に配置される。第1止め突起82は、第1ガイド円弧溝80の前壁板22側に配置されて、第1ガイド円弧溝80の溝底面80Aから右蓋板53に向けて突出される。第1止め突起82は、前後方向UDの後方に第1ガイド斜面86を有する。
【0083】
第2止め突起83は、図15に示すように、第2ガイド円弧溝81に形成される。第2止め突起83は、第2ガイド円弧溝81の前壁板22側に配置されて、第2ガイド円弧溝81の溝底面81Aから左蓋板54に向けて突出される。第2止め突起83は、第1止め突起82と同一位置に形成されて、前後方向UDの後方に第2ガイド斜面87を有する。
【0084】
第1ガイド突起84は、図10図11及び図14に示すように、蓋体8の右蓋板53に形成される。第1ガイド突起84は、右蓋板53から突出されて、第1ガイド円弧溝80の溝底面80Aに隙間を隔てて、第1ガイド円弧溝80内に挿入される。
【0085】
第2ガイド突起85は、図10図11及び図15に示すように、蓋体8の左蓋板54に形成される。第2ガイド突起85は、左蓋板54から突出して、第2ガイド円弧溝81の溝底面81Aに隙間を隔てて、第2ガイド円弧溝81内に挿入される。第2ガイド突起85は、第1ガイド突起84と同一位置に形成される。
【0086】
蓋開き保持体11において、第1及び第2ガイド突起84,85は、図18(a)に示すように、閉状態で、後壁板23側の第1及び第2ガイド円弧溝80,81に配置される。第1及び第2ガイド突起84,85は、閉状態で、第1及び第2ガイド円弧溝80,81の後方溝端80B,81Bに当接される。
【0087】
第1及び第2ガイド突起84,85は、図18(b)に示すように、閉状態から排出口24を開く方向の蓋体8の回転に伴って、第1及び第2ガイド斜面86,87に当接され、第1及び第2止め突起82,83の夫々を乗越えて、前壁板22側の第1及び第2ガイド円弧溝80,81の夫々に配置される。蓋体8は、開状態で、上蓋板55の前端を底壁板27(下端15B)に当接される。
【0088】
第1及び第2ガイド突起84,85は、図18(c)に示すように、開状態で、第1及び第2ガイド円弧溝80,81の前方溝端と、第1及び第2止め突起82,83の間に配置される。
第1及び第2ガイド突起84,85は、開状態から閉じる方向の一定の回転力未満(一定の力未満)であって、蓋体8への作用に伴って、第1及び第2止め突起82,83の夫々に当接して、蓋開き保持体11は蓋体8の開状態を保持する。
これにより、排出口24を上下方向UDの下方に向けることで、蓋体8を閉じることなく、第1及び第2集塵室1B,1C(内部空間1A)から集めたゴミ、塵埃を排出できる。
【0089】
第1及び第2ガイド突起84,85は、開状態から排出口24を閉じる方向の一定の回転力以上(一定の力以上)であって、蓋体8への作用に伴って、第1及び第2止め突起82,83の夫々を乗越えて、後壁板23側の左右壁板20,21の下端の第1及び第2ガイド円弧溝80,81に配置される。第1及び第2ガイド突起84,85は、第1及び第2ガイド円弧溝80,81の後方溝端80B,81Bの夫々に当接される。
これにより、蓋体8は、閉状態とされ、排出口24を閉じる。
【0090】
次に、手動掃除具Xを使用した掃除について、図5乃至図7を参照して説明する。
なお、説明の便宜上、突出片38は、図6に示すように、第1捕塵ブラシ39側に位置し、ドラム本体37は、前後方向UDの前方からストッパ片17,18に当接しているものとする。
【0091】
手動掃除具Xは、各ローラ車輪5,6を絨毯、畳、フローリング等の被掃除対象体(以下、「被掃除対象体」という)に接地して、ローラブラシ体7(カットパイル52)、第2捕塵ブラシ40(傾斜パイル)、及び突出片38を被掃除対象体に当接して配置される。
【0092】
続いて、ハンドル34を把持して、ケーシング体1を前後方向FRの前方に移動すると、ローラブラシ体7及び捕塵ブラシ体2のドラム本体37は、一方に回転される。
これにより、ローラブラシ体7は、図5に示すように、カットパイル52にてゴミ、塵埃を第2集塵室IC内(内部空間IA内)に集塵し、捕塵ブラシ体2は、第2捕塵ブラシ40にて塵埃を第1集塵室IB内に集塵する。このとき、第1捕塵ブラシ39に付着する塵埃は、第1除塵ブラシ体3の第1除塵ブラシ43で取除かれて、第1集塵室IB内に集塵される。ドラム本体37は、前後方向FRbの後方から各ストッパ片17,18に当接される。
【0093】
続いて、ケーシング体1を前後方向FRの後方に移動すると、ローラブラシ体7及び捕塵ブラシ体2のドラム本体37は、他方に回転される。
これにより、ローラブラシ体7は、図6に示すように、カットパイル52にてゴミ、塵埃を第2集塵室IC内(内部空間IA内)に集塵し、捕塵ブラシ体2は、第1捕塵ブラシ39にて塵埃を第1集塵室IB内に集塵する。このとき、第2捕塵ブラシ40に付着する塵埃は、第2除塵ブラシ体4の第2除塵ブラシ45で取除かれて、第1集塵室IB内に集塵される。ドラム本体37は、前後方向UDの前方から各ストッパ片17,18に当接される。
このように、手動掃除具Xは、ケーシング体1を前後方向UDに往復動することで、ゴミ、塵埃を第1及び第2集塵室IB,IC内(内部空間IA内)に集塵する。
【0094】
ケーシング体1の前方の移動に伴って、ローラブラシ体7(カットパイル52)、捕塵ブラシ体2を被掃除対象体に押付けると、蓋体8には閉状態から排出口を開く方向の回転力を受ける。
このとき、各第1爪68,69は、図7に示すように、閉状態で、突起傾斜面75を上下方向UDの下方から各ボタン止め突起65,66の突起止め傾斜面71に押付け、第2爪70は、閉状態で、突起平面78を上下方向UDの下方から各ハンドル止め突起65,66の突起止め平面72に押付けることから、蓋体8が閉状態から排出口24を開く方向へ回転することを規制する。これにより、掃除中に、蓋体8は開かない。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、絨毯、畳、フォローリング、自動車の車内を掃除するのに最適である。
【符号の説明】
【0096】
X 手動掃除具
1 ケーシング体
5,6 ローラ車輪
7 ローラブラシ体
8 蓋体
15 枠本体
46 剛性軸
47,48 ガイドローラ
49 清掃ブラシ布
51 基布
52 カットパイル
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