特許第6840045号(P6840045)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6840045N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6840045
(24)【登録日】2021年2月18日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 211/58 20060101AFI20210301BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20210301BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20210301BHJP
【FI】
   C07D211/58
   C07D401/14
   !C07B61/00 300
【請求項の数】12
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2017-133565(P2017-133565)
(22)【出願日】2017年7月7日
(65)【公開番号】特開2018-2723(P2018-2723A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2020年1月16日
(31)【優先権主張番号】10 2016 212 379.3
(32)【優先日】2016年7月7日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】カタリーナ ミンケ
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン ヴィリー
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス ニッセン
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート ノイマン
【審査官】 布川 莉奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−245588(JP,A)
【文献】 特開昭64−050858(JP,A)
【文献】 特開平01−190678(JP,A)
【文献】 特開平01−121265(JP,A)
【文献】 Nikitskaya, E. S. 他,Synthesis of N'-substituted 4-aminopiperidines with a shielded nitrogen atom,Chemistry of Heterocyclic Compounds,1971年,7(12),,1553-1559
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法であって、
少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、ホルムアルデヒドと反応させ、
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−A)、(I−B)、(I−C)、(I−D)、(I−E)、(I−F)、(I−G)、(I−H)
【化1】
[式中、
、nが、それぞれ独立して、1〜20の範囲からの整数であり、
、p、p、p、p、p、p、p、p、p10、p11、p12、p13、p14、p15、p16、p17、p18、p19、p20が、それぞれ独立して、0又は1であり、
が、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択され、
、Xが、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択され、かつ、X、Xはそれぞれ独立して選択されるが、ただし、X=X=水素ではなく、
、X、X、X、Xが、それぞれ独立して、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択され、
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10が、それぞれ独立して、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基、
6〜30個の炭素原子を有し、その内の少なくとも6個の炭素原子が芳香族系に存在し、他の炭素原子が存在する場合には飽和である、二価のヒドロカルビル基、
(i)、(ii)からなる群から選択される化学構造
【化2】
[式中、
、Qが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、及び−NR’−(R’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
aが、1〜50の範囲から選択される整数であり、
bが、0〜50の範囲から選択される整数である]
を有する架橋基
からなる群から選択され、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
11及びp12の少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
13及びp14の少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
、Z、Z、Zが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NR30−からなる群から選択され、
、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)からなる群から選択される化学構造
【化3】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’−(R’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
c、d、e、f、g、hが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
、Rの基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基
からなる群から選択され、
=1である場合、−NRが、化学構造(x)の基でもよく、
10=1である場合、−NR1112が、化学構造(x)の基でもよく、
−NR、−NR、−NR10の基が、それぞれ独立して、化学構造(x)の基でもよく、
化学構造(x)が、下記のように定義され、
【化4】
[式中、
が、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−からなる群から選択される]
21、R22、R23、R24、R25、R26の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(xi)
【化5】
を有する基
からなる群から選択され、
27、R28、R29、R31、R32、R33、R34の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(xii)、(xiii)、(xiv)、(xv)、(xvi)、(xvii)、(xviii)からなる群から選択される化学構造
【化6】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’’−(R’’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
j、k、m、q、r、sが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
10が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(xii)、(xiii)、(xiv)、(xv)、(xvi)、(xvii)、(xviii)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
ただし、p17=p18=p19=p20=0である場合、R21及びR26が、それぞれ独立して、化学構造(xix)
【化7】
[式中、
11が、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
の基でもよい]]
からなる群から選択され、
還元条件が、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立され、非担持触媒が、少なくとも1つの金属Mを含み、金属Mが、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cuからなる群から選択される、ことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
=p=p=p=p=p=p=p=p11=p12=p13=p14=0であり、p、p10、p15、p16、p17、p18、p19、p20が、それぞれ独立して、0又は1である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10が、それぞれ独立して、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基
からなる群から選択される、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化8】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
、Rの基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択され、
=1である場合、−NRが、化学構造(x)の基でもよく、
10=1である場合、−NR1112が、化学構造(x)の基でもよく、
−NR、−NR、−NR10の基が、それぞれ独立して、化学構造(x)の基でもよく、
化学構造(x)が、下記のように定義され、
【化9】
[式中、
が、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−からなる群から選択される]
21、R22、R23、R24、R25、R26の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(xi)
【化10】
を有する基
からなる群から選択され、
27、R28、R29、R31、R32、R33、R34の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基
化学構造(xviii)
【化11】
[式中、
10が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
ただし、p17=p18=p19=p20=0である場合、R21及びR26が、それぞれ独立して、化学構造(xix)
【化12】
[式中、
11が、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
の基でもよい、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
=X=X=X=X=X=X10=X11=水素である、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−A)、(I−B)、(I−C)、(I−D)、(I−E)からなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−A)、(I−B)、(I−D)からなる群から選択され、
が、−O−、−S−、−NR30−からなる群から選択され、
、R、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−A)、(I−B)、(I−D)からなる群から選択され、
が、−O−、−NR30−からなる群から選択され、
、R、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜12個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ホルムアルデヒドを、気体として、水溶液として、又は固体として使用する、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、少なくとも1つの溶媒中で、ホルムアルデヒドと反応させ、溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、20℃〜350℃の範囲の温度及び2bar〜500barの範囲の圧力で、ホルムアルデヒドと反応させる、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
金属Mが、Ni、Co、Cu、Fe、Agからなる群から選択される、請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物(トリアセトンアミン=「TAA」)を製造する方法を記載する。本発明は、例えば、反応式<1>(式中、Rは、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アミン基、又はOH基である)に示されたように、環に存在する窒素をメチル化する方法を特に記載する。
【化1】
【背景技術】
【0002】
発明の背景
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのメチル化誘導体は、特に、「ヒンダードアミン光安定剤」として特に重要に利用されている。なお、メチル化により、酸性条件下での利用が可能となる。N−メチル化された2,2,6,6−テトラメチルピペリジン基を有する市販品は、例えば、Tinuvin(登録商標)292[1−(メチル)−8−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートとビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートとの混合物]又はCyasorb(登録商標)UV−3529(CAS No.193098−40−7)である。
【0003】
従来技術には、アミンをメチル化する種々の方法が開示されている。
【0004】
例えば、Kopka, I. E., et al., J. Org. Chem. 1980, 45, 4616〜4622及びMinatti, A., et al., J. Org. Chem. 2007, 72, 9253〜9258には、アミンとハロゲン化メチルとの反応が記載されている。これは、反応式<2>(式中、Rは、反応式<1>に関して定義されたのと同じ基である)に概略的な形式で示される。
【化2】
【0005】
反応式<2>に示された方法の欠点は、ハロゲン化メチルに加えて、生成物を放出させるために、少なくとも1つの当量の安定した塩基を使用する必要があることである。これにより、対応する塩の形成が更にもたらされる。ついで、同塩は、廃棄物として生じる。更なる問題は、三級アミンを生じさせる選択的なアルキル化が一般的には不可能であることである。対応する四級アンモニウム塩を生じさせる過剰なアルキル化が起こるおそれがあるためである。
【0006】
従来技術に記載された更なる方法は、Eschweiler−Clarke反応である(例えば、Lutz, W. B., et al., J. Org. Chem. 1962, 27, 1695〜1703;欧州特許出願公開第0729947号明細書(EP 0729947 A1);国際公開第2004/072035号(WO 2004/072035 A1);同第2005/123679号(WO 2005/123679 A2))。この方法では、アミンを、ギ酸の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させる。ギ酸は、還元剤として機能し、COに変換される。反応を進行させるために、一般的には、1当量の塩基が更に必要である。この反応は、下記反応式<3>(式中、Rは、反応式<1>に関して定義されたのと同じ基である)に概略的に例示される。
【化3】
【0007】
ここでの欠点は、ギ酸を使用する必要があることである。更に、塩基の使用により、再度、対応する廃棄物流の生成がもたらされる。
【0008】
従来技術に記載されたN−メチル化の更なる手段(例えば、国際公開第2004/089913号(WO2004/089913A1)、同第2008/101979号(WO2008/101979A1)は、ほう化水素(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)の存在下におけるホルムアルデヒドとの反応である。この反応は、下記反応式<4>(式中、Rは、反応式<1>に関して定義されたのと同じ基である)に概略的に例示される。
【化4】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0729947号明細書
【特許文献2】国際公開第2004/072035号
【特許文献3】国際公開第2005/123679号
【特許文献4】国際公開第2004/089913号
【特許文献5】国際公開第2008/101979号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Kopka, I. E., et al., J. Org. Chem. 1980, 45, 4616〜4622
【非特許文献2】Minatti, A., et al., J. Org. Chem. 2007, 72, 9253〜9258
【非特許文献3】Lutz, W. B., et al., J. Org. Chem. 1962, 27, 1695〜1703
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここでの欠点は、ほう化水素を使用する必要があることである。後処理により、廃棄物として、大量のホウ酸又はホウ酸誘導体が生じる。
【0012】
したがって、本発明により取り組まれる課題は、前述の欠点を有さない、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法を提供することであった。
【発明を実施するための形態】
【0013】
驚くべきことに、上記された課題を解決する方法が、現在見出されている。
【0014】
本発明の説明
第1の態様では、本発明は、下記ポイント1.1〜1.11に記載の方法に関する。
【0015】
1.1 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、ホルムアルデヒドと反応させ、
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−A)、(I−B)、(I−C)、(I−D)、(I−E)、(I−F)、(I−G)、(I−H)
【化5】
[式中、
、nが、それぞれ独立して、1〜20の範囲からの整数であり、
、p、p、p、p、p、p、p、p、p10、p11、p12、p13、p14、p15、p16、p17、p18、p19、p20が、それぞれ独立して、0又は1であり、
が、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択され、
、Xが、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択され、かつ、X、Xはそれぞれ独立して選択されるが、ただし、X=X=水素ではなく、
、X、X、X、Xが、それぞれ独立して、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択され、
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10が、それぞれ独立して、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基、
6〜30個の炭素原子を有し、その内の少なくとも6個の炭素原子が芳香族系に存在し、他の炭素原子が存在する場合には飽和である、二価のヒドロカルビル基、
(i)、(ii)からなる群から選択される化学構造
【化6】
[式中、
、Qが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、及び−NR’−(R’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
aが、1〜50の範囲から選択される整数であり、
bが、0〜50の範囲から選択される整数である]
を有する架橋基からなる群から選択され、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
11及びp12の少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
13及びp14の少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
、Z、Z、Zが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NR30−からなる群から選択され、
、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)からなる群から選択される化学構造
【化7】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’−(R’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
c、d、e、f、g、hが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
、Rの基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基
からなる群から選択され、
=1である場合、−NRが、化学構造(x)の基でもよく、
10=1である場合、−NR1112が、化学構造(x)の基でもよく、
−NR、−NR、−NR10の基が、それぞれ独立して、化学構造(x)の基でもよく、
化学構造(x)が、下記のように定義され、
【化8】
[式中、
が、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−からなる群から選択され、Kが、好ましくは、−O−である]
21、R22、R23、R24、R25、R26の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(xi)
【化9】
を有する基
からなる群から選択され、
27、R28、R29、R31、R32、R33、R34の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(xii)、(xiii)、(xiv)、(xv)、(xvi)、(xvii)、(xviii)からなる群から選択される化学構造
【化10】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’’−(R’’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
j、k、m、q、r、sが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
10が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(xii)、(xiii)、(xiv)、(xv)、(xvi)、(xvii)、(xviii)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
ただし、p17=p18=p19=p20=0である場合、R21及びR26が、それぞれ独立して、化学構造(xix)
【化11】
[式中、
11が、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
の基でもよい]]
からなる群から選択され、
還元条件が、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立され、非担持触媒が、少なくとも1つの金属Mを含み、金属Mが、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cu、特に、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、好ましくは、Ni、Co、より好ましくは、Niからなる群から選択される、ことを特徴とする、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法。
【0016】
1.2 p=p=p=p=p=p=p=p=p11=p12=p13=p14=0であり、p、p10、p15、p16、p17、p18、p19、p20が、それぞれ独立して、0又は1である、ポイント1.1記載の方法。
【0017】
1.3 Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10が、それぞれ独立して、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基
からなる群から選択される、ポイント1.1又は1.2記載の方法。
【0018】
1.4 R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化12】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
、Rの基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択され、
=1である場合、−NRが、化学構造(x)の基でもよく、
10=1である場合、−NR1112が、化学構造(x)の基でもよく、
−NR、−NR、−NR10の基が、それぞれ独立して、化学構造(x)の基でもよく、
化学構造(x)が、下記のように定義され、
【化13】
[式中、
が、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−からなる群から選択され、好ましくは、Kが、−O−である]
21、R22、R23、R24、R25、R26の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(xi)
【化14】
を有する基
からなる群から選択され、
27、R28、R29、R31、R32、R33、R34の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基
化学構造(xviii)
【化15】
[式中、
10が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
ただし、p17=p18=p19=p20=0である場合、R21及びR26が、それぞれ独立して、化学構造(xix)
【化16】
[式中、
11が、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
の基でもよい、ポイント1.1〜1.3のいずれか一つに記載の方法。
【0019】
1.5 X=X=X=X=X=X=X10=X11=水素である、ポイント1.1〜1.4のいずれか一つに記載の方法。
【0020】
1.6 トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−A)、(I−B)、(I−C)、(I−D)、(I−E)からなる群から選択される、ポイント1.1〜1.5のいずれか一つに記載の方法。
【0021】
1.7 トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−A)、(I−B)、(I−D)からなる群から選択され、
が、−O−、−S−、−NR30−からなる群から選択され、
、R、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択される、ポイント1.1〜1.6のいずれか一つに記載の方法。
【0022】
1.8 トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−A)、(I−B)、(I−D)からなる群から選択され、
が、−O−、−NR30−からなる群から選択され、
、R、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜12個の炭素原子、好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択される、ポイント1.1〜1.7のいずれか一つに記載の方法。
【0023】
1.9 ホルムアルデヒドを、気体として、水溶液として、又は固体として、好ましくは、水溶液として又は固体として、より好ましくは、水溶液として使用する、ポイント1.1〜1.8のいずれか一つに記載の方法。
【0024】
1.10 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、少なくとも1つの溶媒中で、ホルムアルデヒドと反応させ、溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される、ポイント1.1〜1.9のいずれか一つに記載の方法。
【0025】
1.11 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、20℃〜350℃の範囲の温度及び2bar〜500barの範囲の圧力で、ホルムアルデヒドと反応させる、ポイント1.1〜1.10のいずれか一つに記載の方法。
【0026】
第2の態様では、本発明は、下記ポイント2.1〜2.4に記載の方法に関する。
2.1 トリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、ホルムアルデヒドと反応させ、
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−A)
【化17】
を有し、
還元条件が、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立され、非担持触媒が、少なくとも1つの金属Mを含み、金属Mが、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cu、特に、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、好ましくは、Ni、Co、より好ましくは、Niからなる群から選択される、ことを特徴とする、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法。
【0027】
2.2 ホルムアルデヒドを、気体として、水溶液として、又は固体として、好ましくは、水溶液として又は固体として、より好ましくは、水溶液として使用する、ポイント2.1記載の方法。
【0028】
2.3 トリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、少なくとも1つの溶媒中で、ホルムアルデヒドと反応させ、溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される、ポイント2.1又は2.2記載の方法。
【0029】
2.4 トリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、20℃〜350℃の範囲の温度及び2bar〜500barの範囲の圧力で、ホルムアルデヒドと反応させる、ポイント2.1〜2.3のいずれか一つに記載の方法。
【0030】
第3の態様では、本発明は、下記ポイント3.1〜3.8に記載の方法に関する。
【0031】
3.1 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、ホルムアルデヒドと反応させ、
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−B)
【化18】
[式中、
が、−O−、−S−、−NR30−からなる群から選択され、
、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)からなる群から選択される化学構造
【化19】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’−(R’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
c、d、e、f、g、hが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
還元条件が、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立され、非担持触媒が、少なくとも1つの金属Mを含み、金属Mが、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cu、特に、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、好ましくは、Ni、Co、より好ましくは、Niからなる群から選択される、ことを特徴とする、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法。
【0032】
3.2 R、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化20】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択される、ポイント3.1記載の方法。
【0033】
3.3 X=水素である、ポイント3.1又は3.2記載の方法。
【0034】
3.4 R、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択される、ポイント3.1〜3.3のいずれか1つに記載の方法。
【0035】
3.5 Zが、−O−、−NR30−からなる群から選択され、
、R30の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜12個、及び好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択される、ポイント3.1〜3.4のいずれか一つに記載の方法。
【0036】
3.6 ホルムアルデヒドを、気体として、水溶液として、又は固体として、好ましくは、水溶液として又は固体として、より好ましくは、水溶液として使用する、ポイント3.1〜3.5のいずれか一つに記載の方法。
【0037】
3.7 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、少なくとも1つの溶媒中で、ホルムアルデヒドと反応させ、溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される、ポイント3.1〜3.6のいずれか一つに記載の方法。
【0038】
3.8 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、20℃〜350℃の範囲の温度及び2bar〜500barの範囲の圧力で、ホルムアルデヒドと反応させる、ポイント3.1〜3.7のいずれか一つに記載の方法。
【0039】
第4の態様では、本発明は、下記ポイント4.1〜4.10に記載の方法に関する。
【0040】
4.1 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、ホルムアルデヒドと反応させ、
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−C)
【化21】
[式中、
、pが、それぞれ独立して、0又は1であり、
が、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基、
6〜30個の炭素原子を有し、その内の少なくとも6個の炭素原子が芳香族系に存在し、他の炭素原子が存在する場合には飽和である、二価のヒドロカルビル基、
(i)、(ii)からなる群から選択される化学構造
【化22】
[式中、
、Qが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、及び−NR’−(R’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
aが、1〜50の範囲から選択される整数であり、
bが、0〜50の範囲から選択される整数である]
を有する架橋基
からなる群から選択され、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
、Zが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NR30−からなる群から選択され、
30基が、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)からなる群から選択される化学構造
【化23】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’−(R’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
c、d、e、f、g、hが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
還元条件が、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立され、非担持触媒が、少なくとも1つの金属Mを含み、金属Mが、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cu、特に、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、好ましくは、Ni、Co、より好ましくは、Niからなる群から選択される、ことを特徴とする、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法。
【0041】
4.2 p=p=0である、ポイント4.1記載の方法。
【0042】
4.3 Yが、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基
からなる群から選択される、ポイント4.1又は4.2記載の方法。
【0043】
4.4 R30基が、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化24】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択される、ポイント4.1〜4.3のいずれか1つに記載の方法。
【0044】
4.5 X=水素である、ポイント4.1〜4.4のいずれか1つに記載の方法。
【0045】
4.6 R30基が、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択される、ポイント4.1〜4.5のいずれか1つに記載の方法。
【0046】
4.7 R30基が、
水素、
1〜12個、及び好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択される、ポイント4.1〜4.6のいずれか1つに記載の方法。
【0047】
4.8 ホルムアルデヒドを、気体として、水溶液として、又は固体として、好ましくは、水溶液として又は固体として、より好ましくは、水溶液として使用する、ポイント4.1〜4.7のいずれか1つに記載の方法。
【0048】
4.9 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、少なくとも1つの溶媒中で、ホルムアルデヒドと反応させ、溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される、ポイント4.1〜4.8のいずれか1つに記載の方法。
【0049】
4.10 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、20℃〜350℃の範囲の温度及び2bar〜500barの範囲の圧力で、ホルムアルデヒドと反応させる、ポイント4.1〜4.9のいずれか1つに記載の方法。
【0050】
第5の態様では、本発明は、下記ポイント5.1〜5.8に記載の方法に関する。
【0051】
5.1 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、ホルムアルデヒドと反応させ、
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−D)
【化25】
[式中、
が、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択され、
基が、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)からなる群から選択される化学構造
【化26】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’−(R’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
c、d、e、f、g、hが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
還元条件が、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立され、非担持触媒が、少なくとも1つの金属Mを含み、金属Mが、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cu、特に、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、好ましくは、Ni、Co、より好ましくは、Niからなる群から選択される、ことを特徴とする、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法。
【0052】
5.2 R基が、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化27】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択される、ポイント5.1記載の方法。
【0053】
5.3 X=水素である、ポイント5.1又は5.2記載の方法。
【0054】
5.4 R基が、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択される、ポイント5.1〜5.3のいずれか1つに記載の方法。
【0055】
5.5 R基が、
水素、
1〜12個、及び好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択される、ポイント5.1〜5.4のいずれか1つに記載の方法。
【0056】
5.6 ホルムアルデヒドを、気体として、水溶液として、又は固体として、好ましくは、水溶液として又は固体として、より好ましくは、水溶液として使用する、ポイント5.1〜5.5のいずれか一つに記載の方法。
【0057】
5.7 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、少なくとも1つの溶媒中で、ホルムアルデヒドと反応させ、溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される、ポイント5.1〜5.6のいずれか一つに記載の方法。
【0058】
5.8 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、20℃〜350℃の範囲の温度及び2bar〜500barの範囲の圧力で、ホルムアルデヒドと反応させる、ポイント5.1〜5.7のいずれか一つに記載の方法。
【0059】
第6の態様では、本発明は、下記ポイント6.1〜6.10に記載の方法に関する。
【0060】
6.1 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、ホルムアルデヒドと反応させ、
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−E)
【化28】
[式中、
、pが、それぞれ独立して、0又は1であり、
、Xが、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択され、かつ、X、Xはそれぞれ独立して選択されるが、ただし、X=X=水素ではなく、
が、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基、
6〜30個の炭素原子を有し、その内の少なくとも6個の炭素原子が芳香族系に存在し、他の炭素原子が存在する場合には飽和である、二価のヒドロカルビル基、
(i)、(ii)からなる群から選択される化学構造
【化29】
[式中、
、Qが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、及び−NR’−(R’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
aが、1〜50の範囲から選択される整数であり、
bが、0〜50の範囲から選択される整数である]
を有する架橋基からなる群から選択され、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
が、−O−、−S−、−NR30−からなる群から選択され、
30基が、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)からなる群から選択される化学構造
【化30】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’−(R’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
c、d、e、f、g、hが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
還元条件が、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立され、非担持触媒が、少なくとも1つの金属Mを含み、金属Mが、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cu、特に、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、好ましくは、Ni、Co、より好ましくは、Niからなる群から選択される、ことを特徴とする、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法。
【0061】
6.2 p=p=0である、ポイント6.1記載の方法。
【0062】
6.3 Yが、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基
からなる群から選択される、ポイント6.1又は6.2記載の方法。
【0063】
6.4 R30基が、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化31】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択される、ポイント6.1〜6.3のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
6.5 R30基が、
水素、
1〜12個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化32】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択される、ポイント6.1〜6.4のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
6.6 R30基が、水素、1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基からなる群から選択される、ポイント6.1〜6.5のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
6.7 X=水素である、ポイント6.1〜6.6のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
6.8 ホルムアルデヒドを、気体として、水溶液として、又は固体として、好ましくは、水溶液として又は固体として、より好ましくは、水溶液として使用する、ポイント6.1〜6.7のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
6.9 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、少なくとも1つの溶媒中で、ホルムアルデヒドと反応させ、溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される、ポイント6.1〜6.8のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
6.10 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、20℃〜350℃の範囲の温度及び2bar〜500barの範囲の圧力で、ホルムアルデヒドと反応させる、ポイント6.1〜6.9のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
第7の態様では、本発明は、下記ポイント7.1〜7.9に記載の方法に関する。
【0071】
7.1 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、ホルムアルデヒドと反応させ、
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−F)
【化33】
[式中、
が、1〜20の範囲からの整数であり、
、p、p、p、p、p10が、それぞれ独立して、0又は1であり、
、Yが、それぞれ独立して、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基、
6〜30個の炭素原子を有し、その内の少なくとも6個の炭素原子が芳香族系に存在し、他の炭素原子が存在する場合には飽和である、二価のヒドロカルビル基、
(i)、(ii)からなる群から選択される化学構造
【化34】
[式中、
、Qが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、及び−NR’−(R’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
aが、1〜50の範囲から選択される整数であり、
bが、0〜50の範囲から選択される整数である]
を有する架橋基
からなる群から選択され、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
及びpの少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
、R、R、R、R、R10、R11、R12の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)からなる群から選択される化学構造
【化35】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’−(R’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
c、d、e、f、g、hが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
、Rの基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基
からなる群から選択され、
=1である場合、−NRが、化学構造(x)の基でもよく、
10=1である場合、−NR1112が、化学構造(x)の基でもよく、
−NR、−NR、−NR10の基が、それぞれ独立して、化学構造(x)の基でもよく、
化学構造(x)が、下記のように定義され、
【化36】
[式中、
が、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−からなる群から選択され、好ましくは、Kが、−O−である]
還元条件が、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立され、非担持触媒が、少なくとも1つの金属Mを含み、金属Mが、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cu、特に、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、好ましくは、Ni、Co、より好ましくは、Niからなる群から選択される、ことを特徴とする、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法。
【0072】
7.2 p=p=p=p=0であり、p、p10が、それぞれ独立して、0又は1であり、好ましくは、p=p=p=p=0であり、p、p10の少なくとも一方が、1であり(理論的には、p、p10の一方のみ=1である場合、p、p10の他方=0であり)、更により好ましくは、p=p=p=p=0であり、p=p10=1である、ポイント7.1記載の方法。
【0073】
7.3 Y、Yが、それぞれ独立して、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基からなる群から選択される、ポイント7.1又は7.2記載の方法。
【0074】
7.4 R、R、R、R、R、R10、R11、R12の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化37】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
、Rの基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択され、
=1である場合、−NRが、化学構造(x)の基でもよく、p10=1である場合、−NR1112が、化学構造(x)の基でもよく、−NR、−NR、−NR10の基が、それぞれ独立して、化学構造(x)の基でもよく、
化学構造(x)が、下記のように定義される
【化38】
[式中、
が、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−からなる群から選択され、好ましくは、Kが、−O−である]、ポイント7.1〜7.3のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
7.5 R、R、R、R、R、R10、R11、R12の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜12個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化39】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
、Rの基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜12個、及び好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基
からなる群から選択され、
−NR基が、化学構造(x)
【化40】
[式中、K=−O−である]
の基でもよい、ポイント7.1〜7.4のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
7.6 X=水素である、ポイント7.1〜7.5のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
7.7 ホルムアルデヒドを、気体として、水溶液として、又は固体として、好ましくは、水溶液として又は固体として、より好ましくは、水溶液として使用する、ポイント7.1〜7.6のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
7.8 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、少なくとも1つの溶媒中で、ホルムアルデヒドと反応させ、溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される、ポイント7.1〜7.7のいずれか一つに記載の方法。
【0079】
7.9 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、20℃〜350℃の範囲の温度及び2bar〜500barの範囲の圧力で、ホルムアルデヒドと反応させる、ポイント7.1〜7.8のいずれか一つに記載の方法。
【0080】
第8の態様では、本発明は、下記ポイント8.1〜8.9に記載の方法に関する。
【0081】
8.1 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、ホルムアルデヒドと反応させ、
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−G)
【化41】
[式中、
が、1〜20の範囲からの整数であり、
11、p12、p13、p14、p15、p16が、それぞれ独立して、0又は1であり、
、X、X、X、Xが、それぞれ独立して、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択され、
、Yが、それぞれ独立して、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基、
6〜30個の炭素原子を有し、その内の少なくとも6個の炭素原子が芳香族系に存在し、他の炭素原子が存在する場合には飽和である、二価のヒドロカルビル基、
(i)、(ii)からなる群から選択される化学構造
【化42】
[式中、
、Qが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、及び−NR’−(R’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
aが、1〜50の範囲から選択される整数であり、
bが、0〜50の範囲から選択される整数である]
を有する架橋基
からなる群から選択され、
11及びp12の少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
13及びp14の少なくとも一方が1の値を有する場合、Yが、直接結合でもよく、
13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)からなる群から選択される化学構造
【化43】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’−(R’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
c、d、e、f、g、hが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
還元条件が、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立され、非担持触媒が、少なくとも1つの金属Mを含み、金属Mが、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cu、特に、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、好ましくは、Ni、Co、より好ましくは、Niからなる群から選択される、ことを特徴とする、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法。
【0082】
8.2 p11=p12=p13=p14=0であり、p15、p16が、それぞれ独立して、0又は1である、ポイント8.1記載の方法。
【0083】
8.3 Y、Yが、それぞれ独立して、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基
からなる群から選択される、ポイント8.1又は8.2記載の方法。
【0084】
8.4 R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化44】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択される、ポイント8.1〜8.3のいずれか1つに記載の方法。
【0085】
8.5 R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜12個、及び好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(ix)
【化45】
[式中、
が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択される、ポイント8.1〜8.4のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
8.6 X=X=X=X=X=X=水素である、ポイント8.1〜8.5のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
8.7 ホルムアルデヒドを、気体として、水溶液として、又は固体として、好ましくは、水溶液として又は固体として、より好ましくは、水溶液として使用する、ポイント8.1〜8.6のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
8.8 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、少なくとも1つの溶媒中で、ホルムアルデヒドと反応させ、溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される、ポイント8.1〜8.7のいずれか一つに記載の方法。
【0089】
8.9 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、20℃〜350℃の範囲の温度及び2bar〜500barの範囲の圧力で、ホルムアルデヒドと反応させる、ポイント8.1〜8.8のいずれか一つに記載の方法。
【0090】
第9の態様では、本発明は、下記ポイント9.1〜9.8に記載の方法に関する。
【0091】
9.1 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、ホルムアルデヒドと反応させ、
トリアセトンアミン化合物(I)が、化学構造(I−H)
【化46】
[式中、
17、p18、p19、p20が、それぞれ独立して、0又は1であり、
、Y、Y、Y10が、それぞれ独立して、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基、
6〜30個の炭素原子を有し、その内の少なくとも6個の炭素原子が芳香族系に存在し、他の炭素原子が存在する場合には飽和である、二価のヒドロカルビル基、
(i)、(ii)からなる群から選択される化学構造
【化47】
[式中、
、Qが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、及び−NR’−(R’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
aが、1〜50の範囲から選択される整数であり、
bが、0〜50の範囲から選択される整数である]
を有する架橋基
からなる群から選択され、
21、R22、R23、R24、R25、R26の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(xi)
【化48】
を有する基
からなる群から選択され、
27、R28、R29、R31、R32、R33、R34の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アシル基、
(xii)、(xiii)、(xiv)、(xv)、(xvi)、(xvii)、(xviii)からなる群から選択される化学構造
【化49】
[式中、
、Jが、それぞれ独立して、CH、Nからなる群から選択され、
、Kが、それぞれ独立して、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−S−、−CH−からなる群から選択され、
、V、Vが、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR’’’−(R’’’=1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基)からなる群から選択され、
、W、Wが、それぞれ独立して、H、メチル、エチルからなる群から選択され、
j、k、m、q、r、sが、それぞれ独立して、0〜50の範囲からの整数であり、
10が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
化学構造(xii)、(xiii)、(xiv)、(xv)、(xvi)、(xvii)、(xviii)中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよく、
ただし、p17=p18=p19=p20=0である場合、R21及びR26が、それぞれ独立して、化学構造(xix)
【化50】
[式中、
11が、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
の基でもよく、
還元条件が、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立され、非担持触媒が、少なくとも1つの金属Mを含み、金属Mが、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cu、特に、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、好ましくは、Ni、Co、より好ましくは、Niからなる群から選択される、ことを特徴とする、N−メチル置換されたトリアセトンアミン化合物を製造する方法。
【0092】
9.2 Y、Y、Y、Y10が、それぞれ独立して、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基、
3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基
からなる群から選択される、ポイント9.1記載の方法。
【0093】
9.3 R21、R22、R23、R24、R25、R26の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(xi)
【化51】
を有する基
からなる群から選択され、
27、R28、R29、R31、R32、R33、R34の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜30個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい、非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(xvii)
【化52】
[式中、
10が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
ただし、p17=p18=p19=p20=0である場合、R21及びR26が、それぞれ独立して、化学構造(xix)
【化53】
[式中、
11が、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
の基でもよい、ポイント9.1又は9.2記載の方法。
【0094】
9.4 R21、R22、R23、R24、R25、R26の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜12個、及び好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(xi)
【化54】
を有する基
からなる群から選択され、
27、R28、R29、R31、R32、R33、R34の基が、それぞれ独立して、
水素、
1〜12個、及び好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、
化学構造(xviii)
【化55】
[式中、
10が、水素、−OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
を有する基
からなる群から選択され、
ただし、p17=p18=p19=p20=0である場合、R21及びR26が、それぞれ独立して、化学構造(xix)
【化56】
[式中、
11が、水素、OH、−O・、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基からなる群から選択される]
の基でもよい、ポイント9.1〜9.3のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
9.5 X=X10=X11=水素である、ポイント9.1〜9.4のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
9.6 ホルムアルデヒドを、気体として、水溶液として、又は固体として、好ましくは、水溶液として又は固体として、より好ましくは、水溶液として使用する、ポイント9.1〜9.5のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
9.7 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、少なくとも1つの溶媒中で、ホルムアルデヒドと反応させ、溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される、ポイント9.1〜9.6のいずれか1つに記載の方法。
【0098】
9.8 少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、還元条件下において、20℃〜350℃の範囲の温度及び2bar〜500barの範囲の圧力で、ホルムアルデヒドと反応させる、ポイント9.1〜9.7のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
全体的な用語
本発明の文脈において、「非分岐又は分岐アルキル基」は、一般化学構造(a)
【化57】
の一価の飽和ヒドロカルビル基である。
【0100】
炭素原子鎖「−C2w+1」は、直鎖でもよく、この場合には、この基は、非分岐アルキル基である。あるいは、炭素原子鎖「−C2w+1」は、分岐を有してもよく、この場合には、この基は、分岐アルキル基である。
【0101】
化学構造(a)中のwは、整数である。1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基中のwは、1〜30の範囲から選択される。1〜29個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基中のwは、1〜29の範囲から選択される。1〜12個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基中のwは、1〜12の範囲から選択される。1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基中のwは、1〜10の範囲から選択される。1〜8個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基中のwは、1〜8の範囲から選択される。1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基中のwは、1〜6の範囲から選択される。
【0102】
本発明の文脈において、「1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基」は、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、n−ヘンエイコシル、n−ドコシル、n−トリコシル、n−テトラコシル、n−ペンタコシル、n−ヘキサコシル、n−ヘプタコシル、n−オクタコシル、n−ノナコシル、n−トリアコンチルから選択される。
【0103】
本発明の文脈において、「1〜12個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基」は、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルからなる群から選択される。
【0104】
本発明の文脈において、「1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基」は、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルからなる群から選択される。
【0105】
本発明の文脈において、「1〜8個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基」は、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、n−オクチルからなる群から選択される。
【0106】
本発明の文脈において、「1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基」は、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピルからなる群から選択される。
【0107】
本発明の文脈において、「非分岐又は分岐アルキレン基」という用語は、一般化学構造
【化58】
により記載することができる、二価の飽和ヒドロカルビル基である。
【0108】
炭素原子鎖「−C2x」は、直鎖でもよく、この場合には、この基は、非分岐アルキレン基である。あるいは、炭素原子鎖「−C2x」は、分岐を有してもよく、この場合には、この基は、分岐アルキレン基である。化学構造(b)中のxは、整数である。
【0109】
1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基中のxは、1〜30の範囲から選択される。
【0110】
1〜12個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基中のxは、1〜12の範囲から選択される。
【0111】
1〜6個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキレン基中のxは、1〜6の範囲から選択される。
【0112】
本発明の文脈において、「3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基」は、特に、化学構造(c)
【化59】
[式中、
z’が、0〜27の整数であり、z’’が、0〜27の整数であり、z’’’が、1〜28の整数であり、同時に、z’+z’’+z’’’≦28である]
である。
【0113】
とりわけ、「3〜30個の炭素原子を有し、3〜30個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基」は、「3〜12個の炭素原子を有し、3〜12個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基」、より好ましくは、「3〜6個の炭素原子を有し、3〜6個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基」である。
【0114】
本発明の文脈において、「3〜12個の炭素原子を有し、3〜12個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基」は、化学構造(c)[式中、z’が、0〜9の整数であり、z’’が、0〜9の整数であり、z’’’が、1〜10の整数であり、同時に、z’+z’’+z’’’≦10である]を有する。
【0115】
好ましくは、「3〜12個の炭素原子を有し、3〜12個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基」は、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロへキシレン、シクロへプチレン、シクロオクチレン、シクロノニレン、シクロデシレン、シクロウンデシレン、シクロドデシレンからなる群から選択される。
【0116】
本発明の文脈において、「3〜6個の炭素原子を有し、3〜6個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基」は、化学構造(c)[式中、z’が、0〜3の整数であり、z’’が、0〜3の整数であり、z’’’が、1〜4の整数であり、同時に、z’+z’’+z’’’≦4である]を有する。
【0117】
好ましくは、「3〜6個の炭素原子を有し、3〜6個の炭素原子から構成される少なくとも1つの飽和環を有する二価の飽和ヒドロカルビル基」は、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロへキシレンからなる群から選択される。
【0118】
本発明の文脈において、「6〜30個の炭素原子を有し、その内の少なくとも6個の炭素原子が芳香族系に存在し、他の炭素原子が存在する場合には飽和である、二価のヒドロカルビル基」は、特に、「6〜30個の炭素原子を有し、その内の6、10、又は14個の炭素原子が芳香族系に存在し、他の炭素原子が存在する場合には飽和である、二価のヒドロカルビル基」であり、より好ましくは、ナフチレン、アントリレン、フェナントリレン、及び下記化学構造(d)
【化60】
[式中、
y’が、0〜24の整数であり、y’’が、0〜24の整数であり、同時に、y’+y’’≦24である]
からなる群から選択される。
【0119】
更により好ましくは、このヒドロカルビル基は、「6〜30個の炭素原子を有し、その内の6又は10個の炭素原子が芳香族系に存在し、他の炭素原子が存在する場合には飽和である、二価のヒドロカルビル基」であり、この基は、例えば、最も好ましくは、ナフチレン及び下記化学構造(d)
【化61】
[式中、
y’が、0〜24の整数であり、y’’が、0〜24の整数であり、同時に、y’+y’’≦24である]
からなる群から選択される。
【0120】
本発明の文脈において、「非分岐又は分岐アルコキシ基」は、化学構造
【化62】
[式中、R**が、非分岐又は分岐アルキル基である]の有機基である。「1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基」において、R**は、1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基である。
【0121】
「1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基」において、R**は、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基である。
【0122】
本発明の文脈において、「1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルコキシ基」は、特に、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、1,1−ジメチルプロポキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポキシ、n−ヘキソキシ、1−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、4−メチルペントキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、2,3−ジメチルブトキシ、3,3−ジメチルブトキシ、1−エチルブトキシ、2−エチルブトキシ、1,1,2−トリメチルプロポキシ、1,2,2−トリメチルプロポキシ、1−エチル−1−メチルプロポキシ、1−エチル−2−メチルプロポキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、n−ノノキシ、n−デコキシからなる群から選択される。
【0123】
本発明の文脈において、「1〜30個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アシル基」は、化学構造
【化63】
[式中、
が、1〜29個の炭素原子を有する非分岐又は分岐アルキル基である]
の有機基である。
【0124】
とりわけ、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、n−ヘンエイコシル、n−ドコシル、n−トリコシル、n−テトラコシル、n−ペンタコシル、n−ヘキサコシル、n−ヘプタコシル、n−オクタコシル、n−ノナコシルからなる群から選択される。
【0125】
本発明の文脈において、「−O・」は、酸素中心フリーラジカルを意味する。
【0126】
本発明の文脈において、「少なくとも1つの水素基が−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられていてもよい」という語は、当該基が置換されていない状態にあるか、又は当該基中において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素基、好ましくは、同じか又は異なる炭素原子に結合している、1〜5個、より好ましくは1〜3個、及び最も好ましくは、1〜2個の水素基が、−OH、−NH、−OCH、−OCHCH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−N(CH)(CHCH)からなる群から選択される基により置き換えられている。
【0127】
本発明の方法
ホルムアルデヒドは、本発明の方法において、特に、気体として、水溶液として、又は固体として使用される。本発明の方法において、ホルムアルデヒドを、水溶液として又は固体として(例えば、パラホルムアルデヒドとして)使用するのが好ましい。
【0128】
ホルムアルデヒドが水溶液として使用される更により好ましい実施形態では、溶液中のホルムアルデヒド濃度は、1.0質量%〜37質量%(w/w、「%」は、水溶液の総質量に基づくホルムアルデヒドの質量に関する)である。37質量%のホルムアルデヒドの場合には、例えば、100gの水溶液は、37gのホルムアルデヒドを含有する。
【0129】
本発明の方法は、還元条件下において行われる。「還元条件」は、反応スキーム<1>に示されたイミンが水素の付加により対応するアミンに変換される条件を意味すると理解される。
【0130】
本発明の方法において、還元条件は、少なくとも1つのトリアセトンアミン化合物(I)を、水素の存在下及び非担持触媒の存在下において、ホルムアルデヒドと反応させることにより確立される。この場合、非担持触媒は、少なくとも1つの金属Mを含む。この場合、金属Mは、Ag、V、Cr、Mo、Mn、Ni、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Cuからなる群から選択され、特に、Ag、Fe、Cr、Mo、Mn、Ni、Co、Cu、Pd、Pt、Ru、Rhからなる群から選択され、好ましくは、Ag、Fe、Cr、Ni、Co、Cu、Pd、Ptからなる群から選択され、より好ましくは、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、Pd、Ptからなる群から選択され、更により好ましくは、Ag、Fe、Ni、Co、Cuからなる群から選択され、更により好ましくは、Co、Ni、最も好ましくは、Niからなる群から選択される。
【0131】
少なくとも1つの金属Mを含む非担持触媒の使用は、本発明の方法に必須である。
【0132】
「非担持触媒」は、当業者に公知であり、触媒材料が完全に通過する成形体である。このため、非担持触媒は、触媒活性成分が触媒活性成分以外の支持体に添加されている「担持触媒」とは異なる。
【0133】
非担持触媒中の少なくとも1つの金属Mは、特に、金属Mの元素状態又は金属Mの化合物、例えば、酸化物若しくは硫化物の状態にあるが、好ましくは、元素状態にある。
【0134】
好ましくは、少なくとも1つの金属Mを含む非担持触媒は、Ag、Fe、Ni、Co、Cu、特に、Ni、Co、好ましくは、Niから選択される金属Mを含む非担持触媒である。
【0135】
非担持触媒は、金属Mの合金でもよい(この場合には、金属Mは、合金中に、合金の総質量に基づいて、少なくとも50質量%超の度合いで存在する)。例えば、M以外に、Al、Si、Mg、Zn、Mo、Cr、特に、Alから選択される、少なくとも1つの金属又は半金属を含んでもよい。
【0136】
更により好ましくは、少なくとも1つの金属Mを含む非担持触媒は、ラネーコバルト、ラネー銅、ラネー銀、ラネー鉄、ラネーニッケルからなる群から選択され、特に、ラネーニッケル、ラネーコバルトから選択され、最も好ましくは、ラネーニッケルから選択される。
【0137】
ラネーニッケル中において、ラネーニッケルの総含量に基づくニッケルの割合は、特に、少なくとも50質量%超、好ましくは、少なくとも60質量%、より好ましくは、少なくとも70質量%、更により好ましくは、少なくとも80質量%、更により好ましくは、少なくとも85質量%、更により好ましくは、少なくとも90質量%である。この場合、特に、ラネーニッケルは、ニッケルと他の金属及び半金属との質量の合計が100質量%となるような量で、ニッケル以外の更なる金属及び又は半金属(例えば、Al、Mo、Si、Mg、Zn、Mo、Cr)を更に含む。ラネーニッケルは、特に、触媒性を改善するために、Zn、Mo、Cr、好ましくは、Moでドーピングされていてもよい。
【0138】
ラネーコバルト中において、ラネーコバルトの総含量に基づくコバルトの割合は、特に、少なくとも50質量%超、好ましくは、少なくとも60質量%、より好ましくは、少なくとも70質量%、更により好ましくは、少なくとも80質量%、更により好ましくは、少なくとも85質量%、更により好ましくは、少なくとも90質量%である。この場合、特に、ラネーコバルトは、コバルトと他の金属及び半金属との質量の合計が100質量%となるような量で、コバルト以外の更なる金属及び又は半金属(例えば、Al、Mo、Si、Mg、Zn、Mo、Cr)を更に含む。ラネーコバルトは、特に、触媒性を改善するために、Zn、Mo、Cr、好ましくは、Moでドーピングされていてもよい。
【0139】
ラネー銅中において、ラネー銅の総含量に基づく銅の割合は、特に、少なくとも50質量%超、好ましくは、少なくとも60質量%、より好ましくは、少なくとも70質量%、更により好ましくは、少なくとも80質量%、更により好ましくは、少なくとも85質量%、更により好ましくは、少なくとも90質量%である。この場合、特に、ラネー銅は、銅と他の金属及び半金属との質量の合計が100質量%となるような量で、銅以外の更なる金属及び又は半金属(例えば、Al、Mo、Si、Mg、Zn、Mo、Cr)を更に含む。ラネー銅は、特に、触媒性を改善するために、Zn、Mo、Cr、好ましくは、Moでドーピングされていてもよい。
【0140】
ラネー銀中において、ラネー銀の総含量に基づく銀の割合は、特に、少なくとも50質量%超、好ましくは、少なくとも60質量%、より好ましくは、少なくとも70質量%、更により好ましくは、少なくとも80質量%、更により好ましくは、少なくとも85質量%、更により好ましくは、少なくとも90質量%である。この場合、特に、ラネー銀は、銀と他の金属及び半金属との質量の合計が100質量%となるような量で、銀以外の更なる金属及び又は半金属(例えば、Al、Mo、Si、Mg、Zn、Mo、Cr)を更に含む。ラネー銀は、特に、触媒性を改善するために、Zn、Mo、Cr、好ましくは、Moでドーピングされていてもよい。
【0141】
ラネー鉄中において、ラネー鉄の総含量に基づく鉄の割合は、特に、少なくとも50質量%超、好ましくは、少なくとも60質量%、より好ましくは、少なくとも70質量%、更により好ましくは、少なくとも80質量%、更により好ましくは、少なくとも85質量%、更により好ましくは、少なくとも90質量%である。この場合、特に、ラネー鉄は、鉄と他の金属及び半金属との質量の合計が100質量%となるような量で、鉄以外の更なる金属及び又は半金属(例えば、Al、Mo、Si、Mg、Zn、Mo、Cr)を更に含む。ラネー鉄は、特に、触媒性を改善するために、Zn、Mo、Cr、好ましくは、Moでドーピングされていてもよい。
【0142】
本発明に基づく非担持触媒の調製は、当業者に公知である。ラネーニッケルの調製は、例えば、米国特許第1,629,190号明細書(US 1,629,190)、ドイツ国実用新案第202010007837号明細書(DE 20 2010 007837 U1)に記載されている。この目的で、Niは、Al、Si、Mg、又はZnと(特に、Alと、好ましくは、1:1の比で)合金化され、機械的粉砕後に、触媒不活性金属(Al)は、アルカリ(特に、NaOH)により、合金から少なくとも部分的に滲出される。
【0143】
ラネー銅、ラネーコバルト、ラネー銀、又はラネー鉄も、(例えば、ドイツ国実用新案第202010007837号明細書(DE 20 2010 007837 U1)に記載された)対応する方法で調製される。
【0144】
このような非担持触媒なしには、望ましくない生成物が得られるだけであろう。C.Harriesは、例えば、Justus Liebigs Annalen der Chemie, volume 417, 1918, pages 107 to 191における、同著者の論文「Untersuchungen ueber die cyclischen Acetonbasen」[Studies of the Cyclic Acetone Bases]の第220〜222頁において、非担持触媒(又は担持触媒)によらない、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルアミノピペリジンと無水酢酸との反応により、ここでは望ましくない対応するアミド化合物が、高い収率でもたらされることを記載している。
【0145】
本発明の方法は、溶媒なしに、又は少なくとも1つの溶媒中において、好ましくは、少なくとも1つの溶媒中において行うことができる。適切な溶媒は、反応物質が良好な溶解性を有し、本発明の方法における破壊的影響を何ら有さない、全ての溶媒である。とりわけ、溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、アミド、チオ化合物、カルボン酸、アルコール、水からなる群から選択される。好ましくは、溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、アルコール、水からなる群から選択される。より好ましくは、溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、アルコール、水からなる群から選択される。更により好ましくは、溶媒は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、アルコール、水からなる群から選択される。最も好ましくは、溶媒は、芳香族溶媒(特に、トルエン)、アルコール(特に、メタノール)から選択される。
【0146】
脂肪族溶媒は、特に、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油エーテルからなる群から選択される。
【0147】
芳香族溶媒は、特に、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、フラン、好ましくは、トルエンからなる群から選択される。
【0148】
エーテルは、特に、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチル tert−ブチルエーテル、エチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、エチレングルコールジメチルエーテル、エチレングルコールジエチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングルコールジメチルエーテル、ジエチレングルコールジエチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノエチルエーテル、トリエチレングルコールジメチルエーテル、トリエチレングルコールジエチルエーテル、ポリエチレングルコールモノメチルエーテル、ポリエチレングルコールモノエチルエーテル、ポリエチレングルコールジメチルエーテル、ポリエチレングルコールジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフランからなる群から選択される。
【0149】
ハロゲン化溶媒は、特に、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタンからなる群から選択される。
【0150】
アミドは、特に、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドからなる群から選択される。
【0151】
チオ化合物は、特に、ジメチルスルホキシド、スルホランからなる群から選択される。
【0152】
カルボン酸は、特に、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸からなる群から選択される。
【0153】
アルコールは、特に、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、グリセロール、ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1−オール、ペンタン−2−オール、ペンタン−3−オール、tert−アミルアルコール、ペンタン−1,2−ジオール、ペンタン−1,3−ジオール、ペンタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、シクロペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、フェノールからなる群から選択され、好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、好ましくは、メタノールから選択される。
【0154】
本発明の方法は、連続的又は非連続的、すなわち、バッチ式で行うことができる。
【0155】
反応時間は、反応の進行及び所望の変換により決まる。その目的は、典型的には、最大可能変換であり、本発明の方法は、反応物質の更なる変換を観察することができなくなるまで継続される。
【0156】
本発明の方法中の温度は制限されず、好ましくは、20℃〜350℃の範囲、より好ましくは、50℃〜300℃の範囲、更により好ましくは、50℃〜250℃の範囲、最も好ましくは、70℃〜200℃の範囲、更により好ましくは、80℃〜140℃である。
【0157】
本発明の方法中の圧力は制限されず、好ましくは、2bar〜500barの範囲、より好ましくは、5bar〜350barの範囲、更により好ましくは、15bar〜300barの範囲、更により好ましくは、20〜42barである。
【0158】
上記温度範囲及び圧力範囲は、当然、組み合わせで存在してもよい。このため、本方法は、好ましくは、20℃〜350℃の範囲(より好ましくは、50℃〜300℃の範囲、更により好ましくは、50℃〜250℃の範囲、最も好ましくは、70℃〜200℃の範囲、更により好ましくは、80℃〜140℃)の温度及び2bar〜500barの範囲(好ましくは、2bar〜500barの範囲、より好ましくは、5bar〜350barの範囲、更により好ましくは、15bar〜300barの範囲、更により好ましくは、20〜42bar)の圧力で行うことができる。
【0159】
本方法は、本発明により取り組まれる課題を解決する。反応において生じる副生成物が水のみであることが、特に有利である。加えて、少し過剰のホルムアルデヒドは、水素添加によりメタノールに変換されるか、又は蒸留により除去され、場合により、再循環されるかのいずれかであり得る。
【0160】
したがって、粗生成物の後処理は、非常にシンプルである。触媒を、ろ過により除去する(ろ過は、固定されたベッド触媒を使用する技術条件においても考えられるであろう。これにより、この工程も必要ないであろう)。ついで、粗生成物を、蒸留により精製する。この蒸留により、(再循環可能な)メタノール、水、生成物、及び場合により(同様に再循環可能な)ホルムアルデヒドのみが得られる。
【0161】
従来技術の方法とは対照的に、例えば、形成された塩からの分離を何ら必要としない(一般的には、更なる溶媒による抽出により達成される)。加えて、言及された塩(又はその水溶液)は、廃棄物として得られない。
【0162】
なお、ピペリジン窒素(N)へのメチル基の導入に加えて、他のアミノ基を同時にメチル化することも可能であることは、本発明の方法において更に有利である。例えば、N−アルキル−4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンは、N,N−ジメチル−N−アルキル−4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに選択的に変換することができる。この場合、例えば、2つ以上のメチル基が、同時に導入される。
【0163】
更なる利点は、四級アンモニウム塩へのその変換なしに、三級アミノ基の存在が許容されることでもある。
【0164】
下記実施例は、本発明を詳細に例示することを意図しており、本発明をこれらの実施形態に限定することを何ら意図していない。
【実施例】
【0165】
37質量%のホルマリン溶液を、Sigma Aldrichから入手する。
【0166】
n−ブチルトリアセトンジアミンを、Evonik Industries AGから入手する。
【0167】
ラネーニッケル及び更なる非担持触媒Ru、Pt、Rh、Pd、Ir、及びCoを、Sigma−Aldrich又はStremから入手する。
【0168】
本発明による実施例I1〜I7
100mlの圧力オートクレーブに、53gのn−ブチルトリアセトンジアミン(0.25mol)、25mlのトルエン、及び0.5mmolのラネーニッケル(I1)、Ru(I2)、Pt(I3)、Rh(I4)、Pd(I5)、Ir(I6)、又はCo(I7)を充填する。その後、0.25molのホルムアルデヒド(37質量%のホルムアルデヒド、パーセントは、溶液の総質量に基づく。すなわち、100gの溶液は、37gのホルムアルデヒドを含有する)を含む水溶液を加え、反応器を閉じる。
【0169】
水素を、攪拌しながら注入する(10bar H)。内部オートクレーブ温度を、60℃から90℃に1時間以内に上昇させ、ついで、90℃で3時間維持する。これに続けて、120℃で更に1時間変換させる。
【0170】
ついで、反応器を冷却し、減圧する。粗生成物を取り出し、ろ過する。ついでまず、溶媒を除去する(80〜120℃、400mbar)。続けて、残留物を、ランダム充填を有する0.5mのカラムを使用する真空蒸留により精製する。
【0171】
ついで、生成物の収率、必要に応じて、得られた粗生成物中の副生成物の収率を、ガスクロマトグラフィー(=GC、例えば、Agilent5890又は7890、FID検出器)により決定する。
【0172】
結果は、以下の通りである。
【表1】
【0173】
結果から、驚くべきことに、N窒素原子における選択的なメチル化が、新規な方法により、高収率で可能である。
【0174】
n−ブチルトリアセトンジアミンの場合におけるNは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン環内の窒素原子を意味する。
【0175】
n−ブチルトリアセトンジアミンの場合におけるNは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン環の外側の窒素原子を意味する。
【0176】
また驚くべきことに、Rh(I4)及びNi(I1)の場合には、選択性が、特に良好である。