(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、駐車スペースでは、駐車契約を結んでいる正規のユーザの駐車と違法駐車とが混在している。この場合に、特許文献1に記載された方法では、正規のユーザの駐車と違法駐車とを判別することができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、駐車スペースの違法駐車を判別することができる管理装置、駐車監視システム、管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様による管理装置は、飛行装置を制御するための管理装置であって、複数の駐車スペースの駐車契約の有無をそれぞれ監視する監視部と、前記駐車契約の行われていない駐車スペースの位置を示す駐車情報に基づき前記飛行装置を飛行させるための経路情報を生成する生成部と、前記駐車情報と、前記経路情報と、前記駐車契約の行われていない前記駐車スペースに自動車が駐車中である場合に、前記自動車の撮影画像及び当該撮影画像の撮影時刻を前記飛行装置に取得させるための指示情報とを前記飛行装置に送信する通信部とを有し、前記通信部は、前記撮影画像及び前記撮影時刻を示す撮影時刻情報を前記飛行装置から受信する。
【0007】
前記生成部は、前記監視部において前記複数の駐車スペースがいずれも駐車契約が行われていると判定した場合に、経路情報を生成しなくてもよい。
【0008】
前記通信部は、前記駐車スペースの駐車契約のいずれかが終了したことに基づいて、前記飛行装置の飛行を開始させるための開始信号を前記飛行装置に送信してもよい。
【0009】
前記通信部は、複数の駐車スペースを含む被写体の広域撮影画像を前記飛行装置から受信し、前記広域撮影画像に基づいて、前記駐車契約の行われていない駐車スペースのうち、自動車が駐車中の駐車スペースを識別する識別部を更に有し、前記生成部は、前記識別部が識別した前記駐車スペースに駐車中の自動車の識別情報をそれぞれ撮影するように前記飛行装置を飛行させるための経路情報を再設定し、前記通信部は、前記生成部による再設定後の前記経路情報を前記飛行装置へ送信してもよい。
【0010】
本発明の第2の態様による駐車監視システムは、管理装置及び飛行装置を備える駐車監視システムであって、前記管理装置は、複数の駐車スペースの駐車契約の有無をそれぞれ監視する監視部と、前記駐車契約の行われていない駐車スペースの位置を示す駐車情報に基づき前記飛行装置を飛行させるための経路情報を生成する生成部と、前記駐車情報と、前記経路情報と、前記駐車契約の行われていない前記駐車スペースに自動車が駐車中である場合に、前記自動車の撮影画像及び当該撮影画像の撮影時刻を前記飛行装置に取得させるための指示情報とを前記飛行装置に送信する管理装置通信部と、を有し、前記飛行装置は、前記駐車情報と、前記経路情報と、前記指示情報とを前記管理装置から受信する飛行装置通信部と、前記飛行装置の飛行位置情報を取得する取得部と、前記飛行位置情報に基づいて、前記駐車契約の行われていない前記駐車スペースに駐車中の自動車の識別情報を撮影可能な位置に移動する飛行制御部と、前記駐車契約の行われていない前記駐車スペースに自動車が駐車中である場合に、前記自動車の撮影画像を取得する撮影部とを有し、前記取得部は、前記撮影画像の撮影時刻を取得し、前記飛行装置通信部は、前記撮影画像及び前記撮影時刻を示す撮影時刻情報を前記管理装置へ送信し、前記管理装置通信部は、前記撮影画像及び前記撮影時刻情報を受信する。
【0011】
前記管理装置は、前記駐車スペースに駐車中の自動車の識別情報を撮影可能な位置に前記飛行装置を移動させるための経路を指示するユーザの操作を受け付ける操作受付部と、前記ユーザの操作により指示された前記経路を示す指示経路情報を記憶する記憶部とを更に有し、前記管理装置通信部は、前記記憶部が記憶している前記指示経路情報を前記飛行装置に繰り返し送信し、前記飛行制御部は、前記飛行装置通信部が前記ユーザの操作により指示された前記指示経路情報を受信するたびに、当該指示経路情報に沿って移動してもよい。
【0012】
本発明の第3の態様による管理方法は、飛行装置を制御するための管理方法であって、複数の駐車スペースの駐車契約の有無をそれぞれ監視するステップと、前記駐車契約の行われていない駐車スペースの位置を示す駐車情報に基づき前記飛行装置を飛行させるための経路情報を生成するステップと、前記駐車情報と、前記経路情報と、前記駐車契約の行われていない前記駐車スペースに自動車が駐車中である場合に、前記自動車の撮影画像及び当該撮影画像の撮影時刻を前記飛行装置に取得させるための指示情報とを前記飛行装置に送信するステップと、前記撮影画像及び前記撮影時刻を示す撮影時刻情報を前記飛行装置から受信するステップとを有する。
【0013】
本発明の第4の態様によるプログラムは、コンピュータに、複数の駐車スペースの駐車契約の有無をそれぞれ監視するステップと、前記駐車契約の行われていない駐車スペースの位置を示す駐車情報に基づき飛行装置を飛行させるための経路情報を生成するステップと、前記駐車情報と、前記経路情報と、前記駐車契約の行われていない前記駐車スペースに自動車が駐車中である場合に、前記自動車の撮影画像及び当該撮影画像の撮影時刻を前記飛行装置に取得させるための指示情報とを前記飛行装置に送信するステップと、前記撮影画像及び前記撮影時刻を示す撮影時刻情報を前記飛行装置から受信するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、駐車スペースの違法駐車を判別することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
[駐車監視システムSの概要]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る駐車監視システムSの概要について説明するための図である。駐車監視システムSは、飛行装置100及び管理装置200を備える。飛行装置100は、空中から被写体を撮影可能であり、例えば、ドローンである。管理装置200は、飛行装置100に駐車スペースを撮影させることにより、駐車スペースを監視する。駐車スペースは、例えば、パーキングメータが設置された時間制限駐車区間であってもよい。この駐車スペースは、駐車料金を先払いする方式であるものとする。管理装置200は、飛行装置100に駐車スペース又は駐車スペースの周囲を飛行させるための飛行経路を指定する。
【0017】
駐車スペースに駐車中の自動車は、駐車料金を支払い済みのユーザの自動車、又は、駐車料金を支払っていない違法駐車の自動車である。管理装置200は、図示しない外部サーバから複数の駐車スペースの位置及び駐車契約の有無、並びに駐車契約の有効期限を示す駐車情報を参照し、駐車契約を行っていない自動車又は駐車契約の有効期限の終了している自動車を駐車スペースにおいて特定した場合に、違法駐車と特定する。
【0018】
[管理装置200の構成]
図2は、管理装置200の構成を示す図である。管理装置200は、操作部21、通信部22、記憶部23及び制御部24を備える。操作部21は、ユーザが操作入力を行うための操作キー又はタッチパネルである。通信部22は、無線通信のための通信インターフェースである。例えば、通信部22は、LTE及びWi−Fi(登録商標)のいずれかにより通信する。記憶部23は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。記憶部23は、制御部24が実行するプログラムを記憶している。
【0019】
制御部24は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、操作受付部241、監視部242、生成部243及び通信制御部244として機能する。操作受付部241は、操作部21に対するユーザの操作を受け付ける。
【0020】
監視部242は、外部サーバから駐車情報を通信部22により取得し、複数のスペースの駐車契約の有無及び駐車契約の有効期限をそれぞれ監視する。本実施形態の例では、監視部242は、駐車情報を参照することにより、駐車スペースごとに駐車料金が支払い済みか否かを監視する。また、監視部242は、駐車料金が支払い済みの駐車スペースについて駐車契約の有効期限が経過していないかを監視する。
【0021】
図3を参照して監視部242の動作について説明する。
図3は、監視部242が外部サーバから取得した駐車情報の一例を示す。
図3の表では、駐車番号「A―1」〜「A−4」の駐車スペースの位置及び駐車契約状況、並びに駐車契約の有効期限を示す。例えば、駐車番号「A−1」の駐車スペースは、北緯35.670769度、東経139.745759度にあり、駐車料金が支払い済みであり、且つ駐車契約の有効期限は23時までである。
【0022】
駐車番号「A−4」の駐車スペースは、北緯35.670703度、東経139.746023度にあり、駐車料金が支払い済みであり、且つ駐車契約の有効期限は20時までである。一方、駐車番号「A−2」は、北緯35.670749度、東経139.745819度にあり、且つ駐車料金が支払われていない。
【0023】
監視部242は、例えば、21時の時点で駐車情報を参照したとすれば、駐車番号「A−2」及び「A−3」の駐車スペースは、駐車料金が支払われていないと判定する。また、監視部242は、駐車料金が支払い済みの駐車スペースのうち、駐車番号「A−1」の駐車スペースは、21時の時点で駐車契約の有効期限(23時まで)が終了していないと判定し、駐車番号「A−4」の駐車スペースは、21時の時点で駐車契約の有効期限(20時まで)が終了していると判定する。
【0024】
図2の説明に戻る。監視部242は、駐車料金の支払い済みの駐車スペースにおいて駐車契約の有効期限が終了したことに基づいて、飛行装置100の飛行を開始させるための開始信号を生成する。例えば、監視部242は、駐車スペースの駐車契約のいずれかが終了したときに、又は、駐車スペースの駐車契約のいずれかが終了してから所定時間A1内に、開始信号を生成する。所定時間A1は、例えば、通信制御部244が飛行装置100と通信することにより、飛行装置100が飛行可能な充電状態であるか等を確認するのに要する程度の時間である。
【0025】
また、例えば、駐車スペースが時間制限駐車区間である場合には、駐車契約のない駐車スペース又は駐車契約の有効期限の終了している駐車スペースにおいて一定時間以上自動車が移動していなければ、違法駐車であることの立証が容易になる。また、駐車スペースが私有地である場合には、駐車料金等の請求のために駐車時間を測定する必要があることがある。このため、監視部242は、駐車契約の行われていないスペース等において自動車が駐車されていると飛行装置100において判定した場合、自動車の駐車時間を飛行装置100により測定するために、飛行装置100に駐車スペース又は駐車スペースの周囲を繰り返し飛行させることが望ましい。そこで、監視部242は、所定時間A2ごとに開始信号を生成する。所定時間A2は、例えば、30分である。
【0026】
生成部243は、監視部242が取得した駐車情報に基づいて、飛行装置100を飛行させるための飛行経路を指定する。例えば、生成部243は、複数の駐車スペースのうち、駐車情報において駐車契約の行われていないことが示された駐車スペース又はこれらの駐車スペースの周囲をそれぞれ通るように飛行経路を指定する。生成部243は、指定した飛行経路を示す経路情報を生成し、生成した経路情報を通信制御部244へ出力する。一方、生成部243は、監視部242において複数の駐車スペースがいずれも駐車契約が行われていると判定した場合には、飛行経路を指定せず、この場合、生成部243は、経路情報を生成しない。
【0027】
また、生成部243は、自動車の撮影画像、当該撮影画像の撮影時刻及び撮影時の飛行位置情報を飛行装置100に取得させるための指示情報を生成する。本実施形態の例では、指示情報は、自動車の撮影画像、当該撮影画像の撮影時刻及び撮影時の飛行位置情報を取得することを条件付きで指示するものである。より詳しくは、指示情報は、駐車契約の行われていない駐車スペースに自動車が駐車中であると飛行装置100において判定した場合に、自動車の撮影画像、当該撮影画像の撮影時刻及び撮影時の飛行位置情報を取得することを指示し、駐車契約の行われていない駐車スペースに自動車が駐車中でないと飛行装置100において判定した場合に、自動車の撮影画像、当該撮影画像の撮影時刻及び撮影時の飛行位置情報を取得することを指示しない。
【0028】
なお、指示情報は、駐車契約の行われていない駐車スペースに自動車が駐車中でないと飛行装置100において判定した場合であっても、自動車の撮影画像、当該撮影画像の撮影時刻及び撮影時の飛行位置情報を取得することを指示するものであってもよい。また、生成部243が、駐車契約の行われていない駐車スペースに自動車が駐車中であることを条件として、指示情報を生成してもよい。
【0029】
この場合も、指示情報が、自動車の撮影画像、この撮影画像の撮影時刻及び撮影時の飛行位置方法を取得することを無条件に指示するものであってもよい。例えば、生成部243は、飛行装置100において生成部243が指定した飛行経路を飛行している状態において、駐車契約の行われていない駐車スペースに自動車が駐車中であるか否かを画像解析で判定し、画像解析により、駐車契約の行われていない駐車スペースに自動車が映っていると判定すれば、指示情報を生成する。一方、生成部243は、駐車契約の行われていない駐車スペースに自動車が映っていないと判定した場合に、指示情報を生成しなくてもよく、指示情報を生成してもよい。なお、駐車契約の行われていない駐車スペースには、駐車契約の有効期限の終了している駐車スペース、駐車や停車することが禁止されているスペースも含まれる。
【0030】
また、飛行時間を短縮するため、飛行装置100がホバリング場所に到達する前にカメラを起動してもよい。例えば、生成部243は、飛行経路上においてカメラ起動する位置を示す情報を含む経路情報を生成してもよい。また、生成部243は、飛行経路上において動画撮影を行うための動画撮影の開始位置及び終了位置を示す情報を含む経路情報を生成してもよい。
【0031】
通信制御部244は、通信部22により飛行装置100と通信する。通信制御部244は、監視部242が取得した駐車情報と、生成部243が生成した経路情報と、生成部243が生成した指示情報とを飛行装置100に送信する。また、通信制御部244は、飛行装置100が取得した撮影画像、この撮影画像の撮影時刻を示す撮影時刻情報及び撮影時の飛行位置情報を飛行装置100から受信する。また、通信制御部244は、監視部242が生成した開始信号を飛行装置100に送信する。
【0032】
[飛行装置100の構成]
図4は、飛行装置100の構成を示す図である。飛行装置100は、GPS受信部11、通信部12、撮影部13、記憶部14及び制御部15を備える。GPS受信部11は、複数のGPS衛星からの信号を受信する。通信部12は、無線通信のための通信インターフェースである。例えば、通信部12は、LTE及びWi−Fiのいずれかにより通信する。
【0033】
撮影部13は、光学素子により撮影画像を取得するためのカメラである。記憶部14は、ROM及びRAM等の記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶している。制御部15は、例えばCPUである。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部151、通信制御部152及び飛行制御部153として機能する。
【0034】
取得部151は、GPS受信部11が受信したGPS衛星からの信号により、飛行装置100の飛行位置を示す飛行位置情報を取得する。また、取得部151は、撮影部13を制御して撮影画像を取得させる。取得部151は、通信部12を介して指示情報及び駐車情報を取得した後に、取得した駐車情報を参照することにより、飛行経路上又は飛行経路の周囲において駐車契約の行われていない駐車スペースを特定し、特定した駐車スペースに自動車が駐車されているか否かを判定する。
【0035】
例えば、取得部151は、既知の画像認識ソフトを実装しており、駐車スペース内にアスファルト等の路面以外の物体が映っているか否かを判定することにより、駐車スペースに自動車が駐車されているか否かを判定してもよい。また、取得部151は、撮影画像を管理装置200へ送信し、管理装置200側で駐車スペースに自動車が駐車されているか否かを判定させてもよい。
【0036】
取得部151は、駐車契約の行われていない駐車スペースに自動車が駐車されていると判定した場合に、駐車中の自動車を違法駐車の自動車と特定し、自動車の撮影画像を取得する。自動車の撮影画像は、例えば、自動車の自動車登録番号標(軽自動車等の場合には、車両番号標。小型特殊自動車等の場合には、標識)等に記載された文字等の識別情報を被写体として含む撮影画像である。また、取得部151は、撮影画像の撮影時刻及び撮影時の飛行位置情報を取得する。取得部151は、撮影画像において自動車の識別情報が読み取れるか否かを判定してもよい。取得部151は、撮影画像において自動車の識別情報が読み取れないと判定した場合に、自動車の撮影画像を再度取得してもよい。
【0037】
通信制御部152は、通信部12により、管理装置200と通信する。通信制御部152は、取得部151が取得した撮影画像、この撮影画像の撮影時刻を示す撮影時刻情報及び撮影時の飛行位置情報を管理装置200へ送信する。また、通信制御部152は、管理装置200から経路情報を受信する。
【0038】
飛行制御部153は、飛行を制御する。例えば、飛行制御部153は、図示しない複数のロータの回転数等をそれぞれ指定することにより、飛行装置100の移動方向及び移動速度を指定する。飛行制御部153は、通信制御部152が開始信号を受信した場合に、飛行を開始する。飛行制御部153は、通信制御部152が受信した経路情報と、取得部151が取得した飛行位置情報とを比較することにより飛行方向を決定し、経路情報が示す飛行経路に沿って、移動する。
【0039】
また、記憶部14には、駐車スペースごとに、駐車スペースを撮影するのに最適な飛行位置(ホバリング場所)、カメラの撮影方向と撮影距離(焦点距離)が予め対応付けられて記憶されている。飛行制御部153は、取得部151において駐車スペースに自動車が駐車されていると判定した場合に、この駐車スペースに記憶部14において対応付けられたホバリング場所を特定し、このホバリング場所に移動する。飛行制御部153は、取得部151が自動車の撮影画像を取得するまでホバリングする。
【0040】
識別情報が記載された自動車登録番号標等が取り付けられている位置は、自動車の正面又は背面であるが、自動車によって異なる。そこで、飛行制御部153は、自動車の前方又は後方において自動車登録番号標等までの距離が所定距離以内となり、且つ、撮影部13を自動車登録番号標等へ向けた状態の撮影部13の光軸の仰角又は俯角が所定角度以下となる飛行位置及び飛行高さへ自動車ごとに移動してもよい。所定距離は、例えば、10メートル以内である。所定角度は、例えば、45度以内である。
【0041】
図5は、駐車監視システムSの動作を示すシーケンス図である。この処理手順は、例えば、管理装置200の通信制御部244において駐車情報が更新されたことを示す通知を外部サーバから受信したときに開始する。まず、監視部242が、外部サーバから駐車情報を取得する(ステップS11)。次に、生成部243は、監視部242が取得した駐車情報に基づいて、飛行経路を示す経路情報を生成する(ステップS12)。管理装置200の通信制御部244は、生成部243が生成した経路情報と、監視部242が取得した駐車情報と、生成部243が生成した指示情報と、監視部242が生成した開始信号とを飛行装置100に送信する。
【0042】
飛行装置100の通信制御部152は、経路情報と、駐車情報と、指示情報と、開始信号とを管理装置200から受信する。飛行制御部153は、飛行を開始し(ステップS13)、経路情報が示す飛行経路に沿って移動する。取得部151は、通信制御部152が受信した駐車情報を参照することにより、飛行経路上又は飛行経路の周囲において駐車契約の行われていない駐車スペースを特定し、特定した駐車スペースに自動車が駐車されていると判定した場合に、違法駐車であると特定する(ステップS14)。
【0043】
飛行制御部153は、取得部151において違法駐車が行われていると特定した駐車スペースに記憶部14において対応付けられたホバリング場所を読み出し、読み出したホバリング場所へ移動し(ステップS15)、ホバリングする。取得部151は、ホバリング場所において違法駐車と特定した自動車の識別情報を被写体として含む撮影画像を取得する(ステップS16)。飛行装置100の通信制御部152は、撮影部13が取得した撮影画像、この撮影画像の撮影時刻を示す撮影時刻情報及び撮影時の飛行位置情報を管理装置200へ送信する。
【0044】
その後、管理装置200の通信制御部244は、生成部243が生成した経路情報と、監視部242が取得した駐車情報と、生成部243が生成した指示情報と、監視部242が生成した開始信号とを飛行装置100に再度送信する。飛行制御部153は、通信制御部152が開始信号を受信した場合に、飛行を開始し(ステップS17)、
図5の※印で示す処理を繰り返す。
【0045】
[駐車監視システムSによる効果]
本実施形態によれば、生成部243は、駐車契約の行われていない駐車スペースに自動車が駐車中である場合に、自動車の撮影画像、当該撮影画像の撮影時刻及び撮影時の飛行位置情報を飛行装置100に取得させるための指示情報を生成し、管理装置200の通信制御部244は、駐車契約の行われていない駐車スペースに自動車が駐車中である場合に、自動車の撮影画像、撮影画像の撮影時刻を示す撮影時刻情報を飛行装置100から受信する。このため、通信制御部244は、複数の駐車スペースに駐車契約を行ったユーザの自動車の駐車と、駐車契約を行っていない違法駐車とが混在している場合であっても、違法駐車の撮影画像及び撮影時刻情報を選択的に記憶部23に記憶させることができる。このため、違法駐車の所有者への警告や警察機関への通報を迅速に行うことができる。
【0046】
なお、記憶部23には、駐車スペースごとに、異なる通知先が駐車スペースに対応付けて登録されていてもよい。この場合、管理装置200の通信制御部244は、違法駐車の行われた駐車スペースに対応付けられた通知先を記憶部23から読み出し、読み出した通知先へ違法駐車が行われていることを通知してもよい。
【0047】
また、本実施形態によれば、生成部243は、監視部242において複数の駐車スペースがいずれも駐車契約が行われていると判定した場合に、経路情報を生成しない。このため、飛行装置100の不要な飛行を抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、管理装置200の通信制御部244は、駐車スペースの駐車契約のいずれかが終了したことに基づいて、飛行装置100の飛行を開始させるための開始信号を飛行装置100に送信する。このため、通信制御部244は、駐車契約が終了したにもかかわらず、駐車し続けている自動車を迅速に特定することができる。
【0049】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、生成部243が駐車情報に基づいて、経路情報を生成する場合の例について説明した。これに対し、第2の実施形態では、飛行制御部153は、ユーザが教示した飛行経路に沿って、飛行する場合の例について説明する。
【0050】
取得部151が自動車の識別情報の撮影画像を取得するのに適した飛行位置及び飛行高さは、自動車によって異なる。このため、ユーザが、駐車スペースに駐車中の自動車の識別情報を撮影可能な位置に飛行装置100を移動させるための経路を指定してもよい。
【0051】
まず、操作受付部241は、駐車契約がされていない駐車スペースに駐車中の自動車の識別情報を撮影可能な位置に飛行装置100を移動させるための経路を指示するユーザの操作を受け付ける。操作受付部241は、ユーザの操作により指示された飛行経路を示す指示経路情報を記憶する。
【0052】
通信制御部244は、ユーザの操作により指示された飛行経路を示す指示経路情報を飛行装置100へ送信するとともに、この指示経路情報を記憶部23に記憶させる。飛行装置100の飛行制御部153は、飛行装置100の通信制御部152が受信した指示経路情報により指示された経路に沿って、識別情報を撮影可能な位置に移動する。取得部151は、自動車の識別情報の撮影画像を取得する。
【0053】
また、通信制御部244は、駐車契約が行われていない駐車スペースに駐車中の自動車の駐車時間を測定するため、飛行装置100を再度飛行させる。通信制御部244は、記憶部23が記憶している指示経路情報を読み出し、飛行装置100に繰り返し送信する。例えば、通信制御部244は、所定時間A3ごとに指示経路情報を飛行装置100へ送信する。所定時間A3は、例えば、30分である。飛行制御部153は、通信制御部152が指示経路情報を受信するたびに、受信した指示経路情報により指示された経路に沿って、識別情報を撮影可能な位置に移動する。さらに、取得部151は、識別情報を撮影可能な位置において自動車の識別情報の撮影画像を取得する。このような構成を採用することにより、ユーザは、飛行装置100の飛行経路を初回のみ指示するので、飛行経路を指示するユーザ操作を簡略化することができる。また、取得部151は、自動車の車種によらず、識別情報を精度よく取得することができる。
【0054】
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、飛行装置100の飛行中に飛行経路を再設定する場合の例について説明する。第3の実施形態の飛行装置100の取得部151は、複数の駐車スペースを被写体として含む広域撮影画像及び広域撮影画像の撮影方向及び撮影時の飛行位置を取得する。広域撮影画像は、少なくとも3つ以上の駐車スペースを被写体として含む。撮影方向は、例えば、方位角及び仰俯角である。
【0055】
図6は、第3の実施形態の管理装置200の構成を示す。管理装置200は、操作部21、通信部22、記憶部23及び制御部24を有する。制御部24は、操作受付部241、監視部242、生成部243、識別部401及び通信制御部244を備える。
図2と比較すれば、識別部401をさらに備える点が異なる。
図2と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
管理装置200の通信制御部244は、広域撮影画像を飛行装置100から受信する。また、通信制御部244は、広域撮影画像の撮影方向及び撮影時の飛行位置を示す飛行位置情報を受信する。
【0057】
識別部401は、広域撮影画像と、広域撮影画像の撮影方向と、撮影時の飛行位置情報とを通信制御部244から取得する。識別部401は、既知の画像識別技術により駐車中の自動車を認識し、広域撮影画像と、広域撮影画像の撮影方向と、撮影時の飛行位置情報とにより駐車中の自動車の位置を特定する。さらに、識別部401は、監視部242が外部サーバから取得した駐車情報を参照することにより、駐車契約の行われていない駐車スペースに駐車中の自動車を識別する。
【0058】
生成部243は、識別部401が識別した駐車スペースに駐車中の自動車の識別情報をそれぞれ撮影するように飛行装置100の飛行経路を再設定する。管理装置200の通信制御部244は、生成部243が再設定した飛行経路を示す経路情報を飛行装置100へ送信する。飛行制御部153は、生成部243が再設定した飛行経路に沿って飛行する。このような構成を採用することにより、識別部401は、駐車スペースに近づいた段階で駐車スペースにおける自動車の駐車の有無を識別し、生成部243は、識別部401の識別結果に基づいて、飛行経路を再設定する。このため、飛行装置100の飛行経路を短縮することができるので、飛行装置100の飛行時間及び消費電力を低減させることができる。
【0059】
なお、第3の実施形態では、識別部401は、駐車契約の行われていない駐車スペースに駐車中の自動車を識別する場合の例について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されない。例えば、識別部401は、駐車契約が行われているか否かにかかわらず、駐車スペースに駐車中の全ての自動車を識別してもよい。この場合、生成部243は、識別部401が識別した駐車スペースに駐車中の自動車の識別情報をそれぞれ撮影するように飛行装置100の飛行経路を再設定する。
【0060】
この場合、取得部151は、駐車契約が行われているか否かにかかわらず、駐車スペースに駐車中の全ての自動車の識別情報を被写体として含む撮影画像と、これらの撮影画像の撮影時刻と、撮影画像の撮影時の飛行位置情報とをそれぞれ取得する。飛行装置100の通信制御部152は、取得部151が取得した撮影画像と、これらの撮影画像の撮影時刻を示す撮影時刻情報と、撮影画像の撮影時の飛行位置情報とを管理装置200に送信する。
【0061】
このとき、監視部242は、取得した駐車情報を参照して、駐車契約の行われていない駐車スペースに駐車中の自動車の撮影画像等を特定する。また、記憶部23は、駐車契約の行われている駐車スペースの正規のユーザの自動車の識別情報をそれぞれ記憶しているものとする。
【0062】
監視部242は、駐車契約の行われている駐車スペースの正規のユーザの自動車の識別情報を記憶部23から読み出し、対応する駐車スペースの撮影画像の識別情報と比較することにより、駐車契約が行われている駐車スペースに、正規のユーザの自動車が駐車中であるか否かを判定する。監視部242は、記憶部23が記憶している自動車の識別情報と、撮影画像の識別情報とが一致する場合に、正規のユーザの自動車が駐車中であると判定する。一方、監視部242は、記憶部23が記憶している自動車の識別情報と、撮影画像の識別情報とが一致しない場合に、駐車中の自動車を違法駐車であると判定する。このような構成を採用することにより、監視部242は、駐車契約が行われている駐車スペースにおける違法駐車を特定することができる。
【0063】
<第4の実施形態>
第1及び第2の実施形態では、通信制御部244が、生成部243において生成した経路情報を飛行装置100の飛行開始前に飛行装置100へ送信する場合の例について説明した。これに対し、第4の実施形態では、通信制御部244が、飛行装置100の飛行中に生成部243において生成した経路情報を飛行装置100へ送信する場合の例について説明する。
【0064】
図7は、第4の実施形態の駐車監視システムSの動作を示すシーケンス図である。この処理手順は、例えば、管理装置200の通信制御部244において駐車情報が更新されたことを示す通知を外部サーバから受信したときに開始する。まず、監視部242が、外部サーバから駐車情報を取得する(ステップS21)。
【0065】
通信制御部244は、監視部242が取得した駐車情報と、監視部242が生成した開始信号を飛行装置100に送信する。飛行装置100の通信制御部152は、駐車情報と、開始信号とを管理装置200から受信する。さらに、飛行制御部153は、飛行を開始する(ステップS22)。飛行装置100の通信制御部152は、取得部151が取得した飛行位置情報を管理装置200へ継続的に送信する。
【0066】
生成部243は、通信制御部244が受信した飛行位置情報と、監視部242が取得した駐車情報とを比較することにより、複数の駐車スペースのうち、駐車情報において駐車契約の行われていないことが示された駐車スペース又はこれらの駐車スペースの周囲へ向けて飛行装置100を飛行させるための飛行経路を指定する。生成部243は、指定した飛行経路を示す経路情報を生成する。通信制御部244は、生成部243が生成した経路情報を飛行装置100へ送信する。飛行装置100が飛行している間、飛行装置100の通信制御部152による飛行位置情報の送信と、管理装置200の通信制御部244による経路情報の送信とが繰り返される。
【0067】
取得部151は、駐車情報を参照することにより、飛行経路上又は飛行経路の周囲において駐車契約の行われていない駐車スペースを特定し、特定した駐車スペースに自動車が駐車されていると判定した場合に、違法駐車であると特定する(ステップS23)。取得部151は、違法駐車を特定したことを示す違反特定通知を生成し、通信制御部152は、取得部151が生成した違反特定通知を管理装置200へ送信する。
【0068】
生成部243は、通信制御部244が違反特定通知を受信した場合に、指示情報を生成する。本実施形態の例では、指示情報は、自動車の撮影画像、当該撮影画像の撮影時刻及び撮影時の飛行位置情報を取得することを無条件に指示する。通信制御部244は、生成部243が生成した指示情報を飛行装置100へ送信する。
【0069】
飛行制御部153は、通信制御部152が指示情報を受信した場合に、違法駐車の行われている駐車スペースに記憶部14において対応付けられているホバリング場所を読み出してこのホバリング場所に移動し(ステップS24)、ホバリングする。取得部151は、ホバリング場所において違法駐車の自動車の識別情報の撮影画像を取得する(ステップS25)。飛行装置100の通信制御部152は、撮影部13が取得した撮影画像、この撮影画像の撮影時刻を示す撮影時刻情報及び撮影時の飛行位置情報を管理装置200へ送信する。
【0070】
その後、通信制御部244は、監視部242が取得した駐車情報と、監視部242が生成した開始信号を飛行装置100に再度送信し、
図7の※印で示した処理を繰り返す。このような構成を採用することにより、生成部243は、飛行装置100の飛行位置に応じて経路情報を生成するので、飛行経路を短縮することができる。
【0071】
なお、第1〜第4の実施形態では、駐車監視システムSは、自動車の駐車を監視する例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、駐車監視システムSは、自動車、原動機付自転車又は自転車等を含む車両の駐車を監視してもよい。
【0072】
また、ユーザが遠隔地から駐車場まで車で移動しようとしている場合に、到着前に、スマホにより管理装置200に接続して、スマホに対応する駐車スペースに違法駐車がいるか否かを調査するように指示すると、飛行装置100がその場所に飛行し、画像撮影し、その画像をスマホに送信してもよく、その後、飛行装置100が定期的に飛行して駐車スペースの駐車の有無を監視してもよい。
【0073】
また、本実施の形態では、飛行制御部153は、取得部151において駐車スペースに自動車が駐車されていると判定した場合に、この駐車スペースに記憶部14において対応付けられたホバリング場所に移動する場合の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、飛行制御部153は、駐車スペースに自動車が駐車されているか否かにかかわらず、ホバリング場所を通ってもよい。
【0074】
例えば、記憶部23には、駐車スペースごとに、ホバリング場所、カメラの撮影方向と焦点距離が予め対応付けられて記憶されている。生成部243は、生成部243は、複数の駐車スペースのうち、駐車情報において駐車契約の行われていないことが示された駐車スペースに記憶部23において対応付けられたホバリング場所をそれぞれ読み出し、読み出したホバリング場所をそれぞれ通るように、飛行経路を指定してもよい。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。