(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6840119
(24)【登録日】2021年2月18日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】隔離型ペーストディスペンサ
(51)【国際特許分類】
B41F 15/40 20060101AFI20210301BHJP
B41F 15/08 20060101ALI20210301BHJP
B41F 15/14 20060101ALI20210301BHJP
B41F 15/12 20060101ALI20210301BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20210301BHJP
【FI】
B41F15/40 B
B41F15/08 303E
B41F15/14 C
B41F15/12 A
H05K3/34 505D
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-211355(P2018-211355)
(22)【出願日】2018年11月9日
(65)【公開番号】特開2019-89327(P2019-89327A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2019年1月8日
(31)【優先権主張番号】1718674.3
(32)【優先日】2017年11月12日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514153171
【氏名又は名称】エーエスエム・アセンブリー・システムズ・シンガポール・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・バレハム
(72)【発明者】
【氏名】グラント・ライト
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・スチュアート・ペイプ
【審査官】
亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2018−118407(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0145014(US,A1)
【文献】
特開2010−194803(JP,A)
【文献】
特開2010−179628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/40
B41F 15/08
B41F 15/12
B41F 15/14
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース上に印刷媒体を印刷するための印刷機であって、
フレームと、
前記フレームによって支持された外部ハウジングと、
使用中に印刷スクリーンを受容するための受容部と、
少なくとも部分的に前記受容部を横切ってかつ前記受容部の上で延在するレールと、
前記レールに沿って移動するように取り付けられたシャトルと、
印刷媒体のための容器を保持するように構成されたクレードルであって、前記シャトルに取り付けられた、クレードルと、
を備え、
前記レールが、前記フレームに対して静止して固定されており、
前記クレードルが、前記シャトルに対して鉛直方向に運動可能である
ことを特徴とする印刷機。
【請求項2】
前記レールの一部分が、前記シャトルのための交換位置を備え、前記交換位置では、印刷媒体のための容器が、前記クレードル内に配置されるか、又は前記クレードルから取り除かれ得ることを特徴とする請求項1に記載の印刷機。
【請求項3】
前記受容部を備えるメイン容積部と、前記交換位置が配置される容器交換容積部と、に前記印刷機の内部を部分的に分離する内部仕切りを備えることを特徴とする請求項2に記載の印刷機。
【請求項4】
前記シャトルが、壁部セクションを備え、前記壁部セクションが、前記クレードルの側方側に設けられ、このため、前記シャトルが前記交換位置にあると、前記クレードルが前記容器交換容積部に配置され、かつ前記壁部セクションが前記内部仕切りと整列し、前記メイン容積部から前記容器交換容積部を隔離することを特徴とする請求項3に記載の印刷機。
【請求項5】
前記外部ハウジングが、前記シャトルが前記交換位置にあるときに前記クレードルへのアクセスを提供するために、前記容器交換容積部に近接して配置されたドアを備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷機。
【請求項6】
前記外部ハウジングが、ハッチを備えていることを特徴とする請求項2に記載の印刷機。
【請求項7】
前記シャトルが前記交換位置にあると、前記クレードルが、前記ハッチを通って前記外部ハウジングの外側に突出することを特徴とする請求項6に記載の印刷機。
【請求項8】
前記シャトルが、壁部セクションを備え、前記壁部セクションが、前記クレードルの側方側に設けられ、このため、前記シャトルが前記交換位置にあると、前記クレードルが前記外部ハウジングの外部に配置され、かつ前記壁部セクションが前記外部ハウジングと整列し、前記外部ハウジングの内部から前記クレードルを隔離することを特徴とする請求項7に記載の印刷機。
【請求項9】
前記レールに沿って前記シャトルを動かすためのアクチュエータを備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の印刷機。
【請求項10】
前記クレードルの鉛直運動を実行するために駆動部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の印刷機。
【請求項11】
前記駆動部が、空気駆動部を備えていることを特徴とする請求項10に記載の印刷機。
【請求項12】
前記駆動部が、前記レールに沿った前記シャトルの予め選択された移動ポイントにおい
て、前記クレードルを上昇又は下降させるようにプログラム可能であることを特徴とする
請求項10又は11に記載の印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体をワークピース上に印刷するための印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用スクリーン印刷機は、概して、角度付きブレード又はスクイージーを使用して印刷媒体(例えばはんだペースト)を(フォイル又はステンシルと称されることもある)スクリーンの開口部のパターンを通して塗布することによって、はんだペースト又は導電性インクなどの印刷媒体をウェーハ又は回路基板などの平面的ワークピース上に塗布する。印刷媒体は、従来、カートリッジ又はポット内に保管され、加圧空気源を用いて頂部に圧力を付与することによってこのカートリッジ又はポットの底部から分配される。カートリッジは、スクイージーも支持する印刷キャリッジに取り付けられている。印刷キャリッジが、従来ではY方向と称される、印刷機の長さに沿って(すなわち前方から後方へ)移動するので、カートリッジは、印刷機の前方又は後方レールのいずれかに分配することができる。また、カートリッジは、印刷キャリッジに対して、水平面においてY軸と垂直のX方向に沿って動くように取り付けられている。従って、動作中に、印刷キャリッジは、印刷機の一端に動かされ、カートリッジは、X方向に沿って移動しながら印刷媒体を分配させられ、このため、印刷媒体は、印刷スクリーン上に媒体のおよそ直線形のビードを形成するために分配される。印刷機内で利用可能なスペースがないことに起因して、カートリッジは、分配しないときの水平向きと、分配するための鉛直向きと、の間で回転可能である。
【0003】
カートリッジ内に存在する印刷媒体の量は、センサによって検出することができ、カートリッジが交換を必要とする場合にはオペレータに警告を出す。
【0004】
しかしながら、カートリッジの交換を実行するために、印刷機を開けてカートリッジへのアクセスを得る必要があるという問題がある。
図1は、公知の印刷機1を斜視図で概略的に示す。印刷機1は、略直方体であり、外部ハウジング2を有し、外部ハウジング2は、印刷機1の内部への無許可のアクセスを防止するために、印刷機1を覆っている。ハウジングは、(
図1では見ることができない)フレームに取り付けられ、フレームは、内部の機構及び部品も支持している。フード3が、許可されたアクセスを可能にするために設けられている。このフード3は、持ち上げられてハウジングの頂部に載せられることができるように、ヒンジ4を介してハウジング2の残りの部分に接続されている。印刷機1の安全性をさらに上げるために、フード3を開ける前に作動されなければならないインターロックシステム(図示せず)が設けられてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
安全性の理由のために、印刷動作は、カートリッジを交換する目的のために開かれるときを含む、印刷機1のフード3が開かれているときには必ずシャットダウンされている必要がある。これは、カートリッジが変えられるたびに印刷サイクルが中断させられ、印刷プロセスに時間がかかって印刷プロセスの効率を下げることを意味する。
【0006】
本発明は、この問題を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従って、この目的は、印刷プロセスを中断することなく開かれてアクセスされ得る隔離チャンバなどの、印刷媒体カートリッジのための隔離部を提供することによって達成される。このような構成を可能にするために、カートリッジは、印刷キャリッジからも分離され、印刷機のフレームに固定された静止したレール上に支持される。このような配置は、分配が所定の位置のみ、すなわち前方レール又は後方レールに近接する位置でのみ可能となるという欠点を有するが、この配置によって提供される利点は、従来の印刷機における印刷機の前方レール及び後方レール双方に近接して分配する能力に勝ることが理解される。
【0008】
本発明の第1の側面に従えば、ワークピース上に印刷媒体を印刷するための印刷機であって、
フレームと、
フレームによって支持された外部ハウジングと、
使用中に印刷スクリーンを収容するための受容部と、
少なくとも部分的に受容部を横切ってかつ受容部の上で延在するレールと、
レールに沿って移動するように取り付けられたシャトルと、
印刷媒体のための容器を保持するように構成されたクレードルであって、シャトルに取り付けられた、クレードルと、
を備え、
レールが、フレームに対して静止して固定されている印刷機が提供される。
【0009】
本発明の他の態様及び特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0010】
本発明は、(縮尺通りではない)添付の図面を参照してこれから説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】閉じられた公知の印刷機の斜視図を概略的に示す。
【
図2】本発明の一実施形態に従った、閉じられた印刷機の斜視図を概略的に示す。
【
図3】フード及びドアが取り除かれた
図2の印刷機を概略的に示す。
【
図4】シャトルがホーム位置にある
図2の印刷機の一部分を概略的に示す。
【
図5】シャトルが分配位置に動いている、
図4と同様の図である。
【
図6】シャトルが分配位置にある、
図5と同様の図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に従った、閉じられた印刷機の斜視図を概略的に示す。
【
図8】
図7の印刷機の内部構成の一部を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態が、
図2に概略的に示されている。この図は、外部ハウジング11がフレーム(符号15、
図3参照)上で支持された、閉じられた印刷機10の斜視図を示す。フード12が、印刷機10の内部へのアクセスを提供する。さらに、独立したドア13が設けられており、ドア13は、ドア13をハウジング11に接続するヒンジ14周りでドア13を持ち上げることによって開かれる。
【0013】
図3は、フード12及びドア13が明確にするために取り除かれた、
図1の印刷機10を同じ視点から、縮尺通りでなく概略的に示す。さらに、再び明確にするために、印刷機構の大部分、特に印刷キャリッジが省略されている。ハウジング11と、印刷機構及び部品と、は、フレーム15によって支持されている。印刷機10の内部容積部は、内部仕切り16によって2つの異なるサブ容積部、すなわちメイン容積部17と、メイン容積部17よりも小さい容器交換容積部18と、に部分的に分離されている。メイン容積部17は、スクイージーを有する印刷キャリッジを含む印刷機構を収容している。チェース22A,22Bが、メイン容積部17内に示され、これらチェース22A,22Bは、使用中に印刷スクリーンSのための受容部を提供する。一般的に当技術分野で公知なように、このようなチェースは、それらチェースの間の距離を調節するためにアクチュエータ(図示せず)によって運動可能であり、このため、さまざまな異なるサイズの印刷スクリーンが、使用中にチェース22A,22Bによって保持され得る。印刷プロセス中に、スクイージーを含む印刷キャリッジ(図示せず)は、内部に保持されたステンシルSに作用するために受容部の上で移動し、移動方向は、チェース22A,22Bの軸と平行であり、この方向は、従来、「Y方向」と称されている。
【0014】
メイン容積部17と容器交換容積部18との間の分離は、仕切り16が、2つのサブ容積部の間の連通を可能にする開口部21を含むので、部分的にだけである。レール19が、開口部21の上縁部に近接して開口部21を通過している。レール19は、従来では「X方向」と称される方向に、少なくとも部分的に受容部を横切ってかつ受容部の上で、この実施形態では印刷機10の幅を実質的に横切って延在している。レール19は、フレーム15に対して静止して固定されている。
【0015】
以下で詳細に説明されるように、レール19には、レール19に沿って移動するように取り付けられたシャトル23が設けられている。容器交換容積部18内に配置されかつレール19の端部に近接するレール19の一部分は、シャトル23のための「ホーム」位置20と「交換」位置との双方として作用し、ホーム位置20では、分配動作の間にシャトル23が位置し、交換位置では、印刷媒体容器(符号25、
図4参照)が、以下でより詳細に説明されるように交換され得る。クレードル24が、シャトル23とともに移動するためにシャトル23に取り付けられている。クレードル24は、印刷媒体のための容器(図示せず)を保持するように構成されている。この容器は、例えば、カートリッジ又はペーストポットを備えている。シャトル23及びクレードル24は、メイン容積部17内にレール19の長さに沿って移動することができるように、開口部21を通り抜けるようなサイズとされていることが分かる。
【0016】
図4は、シャトル23がホーム位置にある、
図2の印刷機10の一部分を概略的に斜視図で示す。より具体的に、
図4は、シャトル23が取り付けられたレール19を示し、シャトル23にはクレードル24が取り付けられている。ペーストカートリッジ25は、クレードル24内に配置されて固定して保持されている。クレードル24の頂部は、空気ライン(図示せず)がペーストカートリッジ25の頂部で空気コネクタ26に取り付けられるように、開いている。空気ライン及びコネクタ26を通じて加圧空気を供給することは、ペーストをペーストカートリッジ25の下端部から分配させる。印刷媒体センサ27が、ペーストカートリッジ25がクレードル24内に存在するとき及びシャトル23がホーム位置20にあるときにペーストカートリッジ25の下端部に近接するように、容器交換容積部18内に設けられている。印刷媒体センサ27は、ペーストカートリッジ25の下端部においてペーストの存在を検出するように動作可能であり、ペーストの存在の決定に応じてシンプルなYES/NO信号を出力する。
【0017】
シャトル23は、ホーム位置20から最も遠いクレードル24の側方側に壁部セクション28を備えている。壁部セクション28は、シャトル23から印刷機10の前方に向かって突出し、開口部21と一致するような寸法とされ、さらには仕切り16と整列するように配置されている。このようにして、シャトル23がホーム位置20にあると、クレードル24は容器交換容積部18内に配置され、壁部セクション28は仕切り16と整列し、これにより、容器交換容積部18をメイン容積部17から隔離する。
【0018】
レール19には、レール19に沿ってシャトル23を動かすためのプログラム可能なアクチュエータ29が設けられている。この実施形態では、レール19は、アクチュエータ29によって選択的に回転させられるリニアウォーム(図示せず)を備え、アクチュエータ29は、当業者には十分に理解されるようにレールに沿ってシャトル23を駆動する。空気ライン(図示せず)に接続する空気入力部30が、レール19に設けられており、空気ラインは、レール19に沿って延び、シャトル23に接続している。この空気駆動部は、以下でより詳細に説明されるようにクレードル24の鉛直運動を実行するために使用され、この鉛直方向は、従来、「Z方向」と称される。
【0019】
シャトル23が示されるようにホーム位置20にあり、このため、シャトル23が容器交換容積部18にあると、容器交換容積部18はメイン容積部17から隔離される。オペレータは、フード12を開ける必要なく、容器交換容積部18にアクセスするためにドア13を開けることと、クレードル24からカートリッジ25を取り除くことと、クレードル24内に配置することができる新たなカートリッジとカートリッジ25を交換することと、が可能である。このようにして、カートリッジは、オペレータにとって完全に安全に、印刷サイクルを中断することなく交換することができる。カートリッジを交換する必要性は、印刷媒体センサ27からの出力によって決定される。
【0020】
図5は、
図4と同様の図であるが、この図では、シャトル23は、分配位置に動いて示されている。アクチュエータ29は、リニアウォームを駆動させ、これにより、容器交換容積部18外にかつメイン容積部17内に、レール19に沿って開口部21を通ってシャトル23を動かす。壁部セクション28は、シャトル23とともに移動することが分かる。この構成でのクレードル24により、シャトル23、クレードル24及びカートリッジ25は、印刷スクリーンの上の位置に到達するために、チェース22A(及び、実際には、移動がレール19に沿って継続する場合、チェース22B)の頂部の上を通ることができることに留意されたい。しかしながら、印刷媒体を適切に分配するために、カートリッジ25は、印刷スクリーンに、より近くなければならない。これを達成するために、クレードル24は、分配位置まで下降させられるように、シャトル23に対して鉛直方向に運動可能なように構成される。クレードル24の鉛直位置は、空気入力部30により、空気圧で制御される。
【0021】
図6は、クレードル24がその下降分配位置にある、
図5と同様の図である。クレードル24は、鉛直動作をガイドする直線形トラック31を介してシャトル23に取り付けられている。明確にするために記すと、クレードル24が、満足な分配を達成するためにこの下降位置にあると、衝突なくチェース22A、22Bのいずれかを越えて移動することはできない。この下降位置において分配動作が始まると、この分配動作の間、シャトル23、従ってクレードル24及びカートリッジ25は、アクチュエータ29を駆動することによってレール19に沿って動かされるとともに、空気圧が空気コネクタ26に付与されて、印刷スクリーンS(
図3参照)上に分配されるペーストのビード又はラインを生じさせる。分配の完了後に、空気コネクタ26への空気圧は、オフに切り替えられ、クレードル24は上昇させられ、シャトル23はアクチュエータ29によってホーム位置20へ戻るように動かされる。シャトルがホーム位置20に到達すると、印刷スクリーンSを通してのワークピースの印刷が、当技術分野で周知なように実行され得る。
【0022】
アクチュエータ29及び空気駆動部は、X方向において異なる位置にセットされるチェース22A,22Bに適合するように、特に、レール19に沿ったシャトル23の予め選択された移動ポイントにおいてクレードル24を上昇又は下降させるようにプログラム可能である。制御プロセッサ(図示せず)が、必要により、アクチュエータ29と、クレードル24のための空気供給と、カートリッジ25のための空気供給と、を制御するために提供される。
【0023】
図7は、本発明の第2実施形態に従った、閉じられた印刷機40の斜視図を概略的に示す。印刷機40の外部形状は、
図2に示される印刷機10の外部形状と類似しており、特に、ハウジング41が、ハウジング11と非常に類似している。しかしながら、この実施形態では、フード42と、その接続ヒンジ44と、が、印刷機40の前方幅の全体を横切って延在している。フード42の側方側には、ハッチ43が設けられており、ハッチ43は、外側に開くように、ヒンジ45によってフード42に取り付けられている。
【0024】
図8は、
図7の印刷機の内部構成の一部を斜視図で概略的に示す。特に、
図8は、印刷媒体分配システムの所定の大部分の部品を示す。実質的に印刷機40の内部幅全体を横切って延在する、静止して固定されたレール49が設けられている。シャトル46が、使用中に印刷スクリーン(図示せず)を横断するためにレール49に沿って移動するように取り付けられている。第1実施形態のように、シャトル46は、印刷媒体容器(図示せず)を保持するためのクレードル47と、レール49に対して垂直に突出する壁部セクション48と、を支持している。しかしながら、この第2実施形態では、クレードル47は、シャトル46の突出部50に取り付けられ、突出部50は、シャトル46がレール49の端部に近接する交換位置51にあるときに、レール49の当該端部を越えて延在する。シャトル46がレール49に沿ってホーム位置51へ動かされると、突出部50が、ハッチ43に当接して印刷機40の内側からハッチ43を開くように押し、かつ印刷機40の外側へ通るように、レール49及びハッチ43は、整列させられている。従って、クレードル47は、ハッチ43を通ってかつ外部ハウジング41の外側へ突出する。その後、壁部セクション48は、外部ハウジング41の外部側面と整列し、外部ハウジング41の内部とクレードル47との間の少なくとも部分的な隔離を提供する。この位置では、オペレータは、印刷プロセスを中断することなく、ペースト媒体容器を交換するためにクレードルに安全にアクセスすることができる。空気ライン(図示せず)が、クレードル47内の印刷媒体容器の頂部にそれでも取り付けられ、印刷機40の内部に通ることは、当業者には明らかである。この空気ラインに合わせるために、壁部セクション48は、壁部セクション48とフード45との間に間隙を残すような寸法とされ、この間隙は、空気ラインを受容することに適している。示されるように、壁部セクション48は、ハッチ43よりもZ方向に沿ってより短い寸法を有し、このため、間隙が、壁部セクション48の上方に形成される。
【0025】
この第2実施形態では、内部仕切りが必要とされないことが分かる。当業者は、ハッチ43を不必要に開くことを回避するために、分配動作の間、シャトル46は、通常、交換位置51と、使用中に印刷スクリーンと重なるレール49の部分と、の間に配置されたホーム位置52に戻るべきであることも理解する。交換位置へのシャトル46の運動は、ペーストセンサ(図示せず)が、印刷媒体容器が空であることを決定したときにのみ、行われる。
【0026】
上述した実施形態は、単に例示的であり、本発明の範囲内での他の可能性及び代替案が、当業者には明らかである。例えば、上述した実施形態では、レール19,49は、アクチュエータ29によって駆動されるリニアウォームを備えている。当然ながら、他の駆動システムが可能である。同様に、上述したクレードル24,47の鉛直運動は、空気システムを使用しているが、他の駆動システム、例えば電気機械駆動システムが代わりに使用されてもよい。上述した実施形態は、ペーストカートリッジの使用を示しているが、ペーストポットなどの他の容器と、実際には導電性インクなどの他の印刷媒体と、が等しく分配されてもよい。
【0027】
図7及び
図8に示される第2実施形態に関して、ハッチ43は、さまざまな方式で、例えば専用のアクチュエータにより開かれるか、又はオペレータによって手動で開かれ得る。
【0028】
他の器具、例えばカメラ又は他の検査器具が、シャトルと協働して又はシャトルから独立して、静止して固定されたレール上で移動するように取り付けられ得る。
【符号の説明】
【0029】
1 印刷機、2 ハウジング、3 フード、4 ヒンジ、10,40 印刷機、11,41 ハウジング、12,42 フード、13 ドア、14,44 ヒンジ、15 フレーム、16 仕切り、17 メイン容積部、18 容器交換容積部、19,49 レール、20,52 ホーム位置、21 開口部、22A,22B チェース、23,46 シャトル、24,47 クレードル、25 ペーストカートリッジ、26 空気コネクタ、27 印刷媒体センサ、28,48 壁部セクション、29 アクチュエータ、30 空気入力部、31 直線形トラック、43 ハッチ、45 ハッチヒンジ、50 突出部、51 交換位置、S スクリーン