(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反応性基は、カルボキシル、ヒドロキシル、ハロアルキル、求核体、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化スルホニル、チオール、アミン、アルケン、エポキシド及びホスホロアミダイトから選択されており、前記反応性基は、保護基で保護される、請求項1に記載のクエンチャー。
前記蛍光団は、クマリン、シアニン、ボディピー、フルロセイン、ロダミン、ピレン、カルボピロニン、オキサジン、ザンテン、チオザンテン、アクリジン及び又はこの誘導体から選択される少なくとも1つである、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明をさらに容易に理解するために便宜上、特定の用語を本願に定義する。本願において別に定義しない限り、本発明に使われた科学用語及び技術用語は、該技術分野で通常の知識を有する者にとって通常理解される意味を有する。
【0033】
また、文脈上特に指定しない限り、単数形態の用語は、それの複数形態も含むものであり、複数形態の用語は、それの単数形態も含んでいてもよい。
【0034】
新規クエンチャー
本発明の一側面によれば、下記の化1又は化2で表されるクエンチャーが提供される。
【0037】
また、本発明の他の側面によれば、下記の化5又は化6で表されるクエンチャーが提供される。
【0040】
ここで、Qは、下記の化3又は化4で表され、
【0043】
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びRは、それぞれ独立して水素、重水素、電子供与性基(electron donating group)及び電子求引性基(electron withdrawing group)から選択される。 化2と化6は、pHに応じて相互に変換することができる共鳴構造である。
【0044】
ここで、電子供与性基(electron donating group)とは、誘発効果または共鳴効果によって電子を供与する傾向がある作用基を意味し、例えば、置換または非置換されたC
1−C
40アルキル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC
1−C
40ヘテロアルキル、置換または非置換されたC
2−C
40アルケニル、置換または非置換されたC
2−C
40アルキニル、置換または非置換されたC
1−C
40アルコキシ、置換または非置換されたアリールオキシ、置換または非置換されたチオール基、置換または非置換されたC
1−C
40アルキルチオ、置換または非置換されたアリールチオ、ヒドロキシ、置換または非置換されたアミノ、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリール及び置換または非置換されたアルアルキルなどがある。
【0045】
電子求引性基(electron withdrawing group)とは、誘発効果または共鳴効果によって電子を求引する傾向がある作用基を意味し、例えば、ハロゲン、シアノ、置換または非置換されたアマイド、カルバマート、スルフヒドリル、ニトロ、カルボキシル、カルボキシル酸塩、4次アンモニウム、リン酸、リン酸塩、ケトン、アルデヒド、エステル、アシルクロライド、スルホン酸及びスルホン酸塩などがある。
【0046】
一実施例において、R
1、R
2、R
3及びR
4のうち少なくとも1つは、アミノ、ヒドロキシル、ホスホリル、アルデヒド、カルボキシル及びスルフヒドリルから選択される作用基であるか、前記作用基と共有結合可能な反応性基である。
【0047】
ここで、反応性基としては、(a)カルボキシル基とこの誘導体:N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシベンズトリアゾールエステル、アシルハライド、アシルイミダゾール、チオエステル、p−ニトロフェニルエステル、アルキルエステル、アルケニルエステル、アルキニルエステル及び芳香族性エステル;(b)エステル、エーテル、アルデヒドに転換され得るヒドロキシル;(c)ハロゲンが例えば、アミン、カルボン酸塩アニオン、チオールアニオン、カルボアニオン又はアルコキシドイオンのような求核性作用基に置換されることによって、他の作用基に共有して付着し得るハロアルキル;(d)例えば、マレイミド基とディールス・アルダー反応できる求核体;(e)イミン、ヒドラゾン、セミカルバゾン又はオキシムのようなカルボニル誘導体を形成することができるアルデヒド又はケトン;(f)アミンと反応してスルホアマイドを形成するハロゲン化スルホニル;(g)ジスルフィドに転換されるか、アシルハライドと反応できるチオール;(h)アシル化、アルキル化又は酸化され得るアミン又はスルフヒドリル;(i)環化付加、アシル化、マイケル反応などのような反応を行えるアルケン;(j)アミン又はヒドロキシル化合物と反応できるエポキシド;(k)ホスホロアミダイト及び核酸反応に有用な他の標準作用基などが用いられてもよい。このような反応性基は、反応性クエンチャーを合成するに必要な反応に参加するか干渉しないように適宜選択されてもよい。
【0048】
他の実施例において、このような反応性基は、保護基で保護されることによって、反応性基が保護基の存在下で任意の反応に参加しないようにすることができる。例えば、反応性基がヒドロキシルである場合、保護基としては、トリアルキルシリル、4,4−ジメトキシトリチル又はその類似体が用いられてもよい。好ましい保護基の例としては、次の参考文献に記載されている内容を参考すればよい(Greene et al.,PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS,John Wiley&Sons,New York,1991)。
【0049】
本発明の様々な実施例によるクエンチャーは、上述した反応性基を介して標的生体分子(例えば、核酸)と結合して標識することが可能である。
【0050】
上述した反応性基は、標的生体分子のアミノ基、イミノ基、チオール基又はヒドロキシル基などのような作用基と反応できる官能基であって、クエンチャーと標的生体分子との間にアミド結合、イミド結合、ウレタン結合、エステル結合、ホスファイト結合、フォスフェート結合又はグアニジン結合のような共有結合を形成してもよい。
【0051】
m及びnは、それぞれ独立して0〜3の定数であり、これにより、R
5又はR
6は、0個〜3個であってもよい。
【0052】
Xは、O、S、CR
7R
8又はSiR
7R
8であり、Yは、O又はSで、R
7及びR
8は、それぞれ独立して置換または非置換されたC
1−C
10アルキル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC
2−C
10ヘテロアルキル、置換または非置換されたアリール及び置換または非置換されたヘテロアリールから選択されるか、互いに結合して環を形成してもよい。
【0053】
また、R
1及びR
2は、互いに結合して置換または非置換された環を形成するか、R
1及び/又はR
2は、隣接したR
5と互いに結合して置換または非置換された環を形成してもよい。
【0054】
また、R
3及びR
4は、互いに結合して置換または非置換された環を形成するか、R
3及び/又はR
4は、隣接したR
6と互いに結合して置換または非置換された環を形成してもよい。
【0055】
相互隣接した作用基が互いに結合して置換された環を形成する場合、環内の任意の炭素は、重水素、置換または非置換されたC
1−C
40アルキル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC
1−C
40ヘテロアルキル、置換または非置換されたC
2−C
40アルケニル、置換または非置換されたC
2−C
40アルキニル、置換または非置換されたC
1−C
40アルコキシ、置換または非置換されたアリールオキシ、置換または非置換されたC
1−C
40ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換または非置換されたアミノ、置換または非置換されたアマイド、カルバマート、スルフヒドリル、ニトロ、カルボキシル、カルボキシル酸塩、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリール、置換または非置換されたアルアルキル、4次アンモニウム、リン酸、リン酸塩、ケトン、アルデヒド、エステル、アシルクロライド、スルホン酸及びスルホン酸塩、置換または非置換されたC
1−C
40アルキルチオ、置換または非置換されたアリールチオ、置換または非置換されたC
3−C
20シクロアルキル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC
1−C
20ヘテロシクロアルキル、置換または非置換されたC
3−C
20シクロアルケニル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC
2−C
20ヘテロシクロアルケニル、置換または非置換されたシリル、置換または非置換されたゲルマニウム、エーテル、ニトリル、ポリアルキレンオキシド、カルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、求核体、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化スルホニル、チオール、アミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシド及びホスホロアミダイトから選択される作用基であるか、前記作用基と共有結合可能な反応性基から選択される少なくとも1つに置換されてもよい。
【0056】
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8又はRが置換された場合、前記作用基内の任意の炭素は、重水素、置換または非置換されたC
1−C
40アルキル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC
1−C
40ヘテロアルキル、置換または非置換されたC
2−C
40アルケニル、置換または非置換されたC
2−C
40アルキニル、置換または非置換されたC
1−C
40アルコキシ、置換または非置換されたアリールオキシ、置換または非置換されたC
1−C
40ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換または非置換されたアミノ、置換または非置換されたアマイド、カルバマート、スルフヒドリル、ニトロ、カルボキシル、カルボキシル酸塩、置換または非置換されたアリール、置換または非置換されたヘテロアリール、置換または非置換されたアルアルキル、4次アンモニウム、リン酸、リン酸塩、ケトン、アルデヒド、エステル、アシルクロライド、スルホン酸及びスルホン酸塩、置換または非置換されたC
1−C
40アルキルチオ、置換または非置換されたアリールチオ、置換または非置換されたC
3−C
20シクロアルキル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC
1−C
20ヘテロシクロアルキル、置換または非置換されたC
3−C
20シクロアルケニル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC
2−C
20ヘテロシクロアルケニル、置換または非置換されたシリル、置換または非置換されたゲルマニウム、エーテル、ニトリル、ポリアルキレンオキシド、カルボキシル、カルボキシル誘導体、ヒドロキシル、ハロアルキル、求核体、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化スルホニル、チオール、アミン、スルフヒドリル、アルケン、エポキシド及びホスホロアミダイトから選択される作用基であるか、前記作用基と共有結合可能な反応性基から選択される少なくとも1つに置換されてもよい。
【0057】
本願において、R
aがアルケニル又はアルキニルであるとき、アルケニルのsp
2−混成炭素又はアルキニルのsp−混成炭素が直接に結合されるか、アルケニルのsp
2−混成炭素又はアルキニルのsp−混成炭素に結合されたアルキルのsp
3−混成炭素によって間接に結合された形態であってもよい。
【0058】
本願におけるC
a−C
b作用基は、a〜b個の炭素原子を有する作用基を意味する。例えば、C
a−C
bアルキルは、a〜b個の炭素原子を有する、直鎖アルキル及び分鎖アルキルなどを含む飽和脂肪族基を意味する。直鎖又は分鎖アルキルは、この主鎖に40個以下(例えば、C
1−C
10の直鎖、C
3−C
10の分鎖)であってもよい。
【0059】
具体的には、アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペント−1−イル、ペント−2−イル、ペント−3−イル、3−メチルブト−1−イル、3−メチルブト−2−イル、2−メチルブト−2−イル、2,2,2−トリメチル−1−エチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル及びn−オキチルであってもよい。
【0060】
また、本願におけるアルコキシは、−O−(アルキル)基と−O−(非置換されたシクロアルキル)基両方を意味するものであって、1つ以上のエステル基及び1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分鎖炭化水素である。
【0061】
具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどを含むが、これに限定されるものではない。
【0062】
また、本願におけるハロゲンは、フルオロ(−F)、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)又はヨード(−I)を意味して、ハロアルキルは、上述したハロゲンに置換されたアルキルを意味する。例えば、ハロメチルは、メチルの水素のうち少なくとも1つがハロゲンに切り換えられたメチル(−CH
2X、−CHX
2又は−CX
3)を意味する。
【0063】
本願におけるアルアルキルは、アリールがアルキルの炭素に置換された形態の作用基であって、−(CH
2)
nArの総称である。アルアルキルの例として、ベンジル(−CH
2C
6H
5)又はフェネチル(−CH
2CH
2C
6H
5)などがある。
【0064】
本願におけるアリールは、別に定義されない限り、単一環または相互接合または共有結合で連結された多重環(好ましくは、1〜4個の環)を含む不飽和芳香族性環を意味する。アリールの非制限的な例としては、フェニル、ビフェニル、o−テルフェニル(terphenyl)、m−テルフェニル、p−テルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル(anthryl)、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントレニル(phenanthrenyl)、2−フェナントレニル、3−フェナントレニル、4−フェナントレニル、9−フェナントレニル、1−ピレニル、2−ピレニル及び4−ピレニルなどがある。
【0065】
本願におけるヘテロアリールは、上記で定義されたアリール内の1つ以上の炭素原子が窒素、酸素又は硫黄のような非−炭素原子に置換された作用基を意味する。ヘテロアリールの非制限的な例としては、フリル(furyl)、テトラヒドロフリル、ピロリル(phrrolyl)、ピロリジニル(pyrrolidinyl)、チエニル(thienyl)、テトラヒドロチエニル、オキサゾリル(oxazolyl)、イソオキサゾリル(isoxazolyl)、トリアゾリル(triazolyl)、チアゾリル(thiazolyl)、イソチアゾリル(isothiazolyl)、ピラゾリル(pyrazolyl)、ピラゾリジニル(pyrazolidinyl)、オキサジアゾリル(oxadiazolyl)、チアジアゾリル(thiadiazolyl)、イミダゾリル(imidazolyl)、イミダゾリニル(imidazolinyl)、ピリジル(pyridyl)、ピリダジイル(pyridaziyl)、トリアジニル(triazinyl)、ピペリジニル(piperidinyl)、モルホリニル(morpholinyl)、チオモルホリニル(thiomorpholinyl)、ピラジニル(pyrazinyl)、ピペライニル(piperainyl)、ピリミジニル(pyrimidinyl)、ナフチリジニル(naphthyridinyl)、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル(indolyl)、インドリニル、インドリジニル、インダゾリル(indazolyl)、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル(cinnolinyl)、フタラジニル(phthalazinyl)、キナゾリニル、キノキサリニル、プテリジニル(pteridinyl)、キヌクリジニル(quinuclidinyl)、カルバゾイル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチジニル(phenothizinyl)、フェノキサジニル、フリニル、ベンズイミダゾリル(benzimidazolyl)及びベンゾチアゾリルなどと、これらが接合した類似体がある。
【0066】
本願における炭化水素環(cycloalkyl)又はヘテロ原子を含む炭化水素環(heterocycloalkyl)は、別に定義されない限り、それぞれアルキル又はヘテロアルキルの環型構造に理解されてもよい。
【0067】
炭化水素環の非制限的な例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル及びシクロヘプチルなどがある。ヘテロ原子を含む炭化水素環の非制限的な例としては、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどがある。
【0068】
また、炭化水素環又はヘテロ原子を含む炭化水素環は、ここに炭化水素環、ヘテロ原子を含む炭化水素環、アリール又はヘテロアリールが接合されるか、共有結合で連結された形態を有していてもよい。
【0069】
ここで、ポリアルキレンオキシドは、水溶性ポリマー作用基であって、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(PEG−PPG)コポリマー及びN−置換されたメタクリルアマイド−含有ポリマー及びコポリマーを含む。
【0070】
ポリアルキレンオキシドは、ポリマーの特性を維持する限度内で、必要によって追加して置換されてもよい。例えば、前記置換は、ポリマーの化学的又は生物学的安全性を増加又は減少させるための化学的結合であってもよい。具体的な例として、ポリアルキレンオキシド内の任意の炭素又は末端炭素は、ヒドロキシ、アルキルエーテル(メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテルなど)、カルボキシルメチルエーテル、カルボキシエルエーテル、ベンジルエーテル、ジベンジルメチレンエーテル又はジメチルアミンに置換されてもよい。一実施例において、ポリアルキレンオキシドは、メチルエーテルに終結されるポリアルキレンオキシド(mPEG)であってもよく、ここで、mPEGは、−(CH
2CH
2O)
nCH
3の化学式で表され、エチレングリコール繰り返し単位数に相当するnの大きさによってmPEGの大きさが異なる。
【0071】
また、化1、化2、化5及び化6で表されるクエンチャーは、カウンターイオンをさらに含む構造を有してもよい。カウンターイオンは、有機又は無機アニオンであって、クエンチャーの溶解度及び安全性などを考慮して適宜選択されてもよい。
【0072】
本発明の一実施例によるクエンチャーのカウンターイオンの例として、リン酸6フッ化物イオン、ハロゲンイオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、過ヨード酸イオン、アンチモン6フッ化物イオン、酒石酸6フッ化物イオン、フルオロホウ酸イオン及び4フルオロイオンなどのような無機酸アニオンとチオシアン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、ベンゼンカルボキシル酸イオン、アルキルカルボキシル酸イオン、3ハロアルキルカルボキシル酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、トリハロアルキルスルホン酸イオン、及びニコチン酸イオンなどのような有機酸イオンがある。また、チオビスフェノールキレート又はビスジオル−α−ジケントンなどのような金属化合物イオン、ソジウム及びポタシウムなどのような金属イオンと4次アンモニウム塩もカウンターイオンとして選択されてもよい。
【0073】
化1、化2、化5及び化6で表されるクエンチャーの具体的な例は、次のとおりである。
【0098】
本願に開示されている化1、化2、化5及び化6で表されるクエンチャーの標的になる生体分子は、抗体、脂質、タンパク質、ペプチド、炭水化物、核酸(ヌクレオチドを含む)から選択される少なくとも1つであってもよい。
【0099】
脂質の具体的な例としては、脂肪酸(fatty acids)、燐脂質(phospholipids)、リポ多糖(lipopolysaccharides)などがあり、炭水化物の具体的な例としては、単糖類、二糖類、多糖類(例えば、デキストラン)を含む。
【0100】
このとき、生体分子は、化1、化2、化5及び化6で表されるクエンチャーの任意の作用基又は化1、化2、化5及び化6で表されるクエンチャーに結合された反応性基と反応するための作用基であって、アミノ、スルフヒドリル(sulphydryl)、カルボニル、ヒドロキシル、カルボキシル、リン酸及びチオリン酸から選択される少なくとも1つを含むか、この誘導体の形態を有していてもよい。
【0101】
また、生体分子は、アミノ、スルフヒドリル(sulphydryl)、カルボニル、ヒドロキシル、カルボキシル、リン酸及びチオリン酸から選択される少なくとも1つを含むか、この誘導体の形態を有するオキシ又はジオキシポリ核酸であってもよい。
【0102】
また、生体分子のほか、化1、化2、化5又は化6で表されるクエンチャーは、アミノ、スルフヒドリル(sulphydryl)、カルボニル、ヒドロキシル、カルボキシル、リン酸及びチオリン酸から選択される少なくとも1つを含む薬物、ホルモン(水溶体リガンドを含む)、水溶体、酵素又は酵素基質、細胞、細胞膜、毒素、微生物又はナノバイオ素材(ポリスチレンミクロスフェアなど)などを標識するために用いられてもよい。
【0103】
新規クエンチャーを含むオリゴヌクレオチド、核酸検出用組成物、核酸検出用支持体
本発明の他の側面によれば、化1、化2、化5及び化6で表されるクエンチャーから選択される少なくとも1つを含むオリゴヌクレオチドが提供される。
【0104】
オリゴヌクレオチドは、1〜数百個のヌクレオチドのポリマーを意味するものであって、DNA、RNA又はPNAを全て含む。また、これらの類似体例えば、前記ヌクレオチドに化学的変更を加えたもの、又は糖を結合したものなど、通常の技術者が容易に変形を加えられるものなどを全て含めており、単一筋又は二重筋からなったあらゆるものを含むことを意味する。
【0105】
オリゴヌクレオチドは、プローブを含むものが好ましい。このようなプローブは、標的となる核酸と相補的に結合できるプローブであるものがさらに好ましいが、これに限定されるものではない。ここで、プローブは、核酸、ペプチド、糖類、オリゴヌクレオチド、タンパク質、抗体又はこれらの組み合わせから選択されたものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0106】
一実施例において、オリゴヌクレオチドは、蛍光団を含んでいてもよい。例えば、オリゴヌクレオチドの5’末端には蛍光団が標識されており、3’末端には化1、化2、化5及び化6で表されるクエンチャーから選択される少なくとも1つが標識されていてもよい。5’末端と3’末端の間には、標的となる核酸と相補的に結合できるプローブが位置してもよい。
【0107】
蛍光団は、次の参考文献に公開されている蛍光団の種類を参考すればよい(Cardullo et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:8790−8794(1988);Dexter,D.L.,J.of Chemical Physics 21:836−850(1953);Hochstrasser et al.,Biophysical Chemistry45:133−141(1992);Selvin,P.,Methods in Enzymology246:300−334(1995);Steinberg,I.Ann.Rev.Biochem.,40:83−114(1971);Stryer,L.Ann.Rev.Biochem.,47:819−846(1978);Wang et al.,Tetrahedron Letters31:6493−6496(1990);Wang et al.,Anal.Chem.67:1197−1203(1995))。
【0108】
また、本願に使用できる蛍光団の非制限的な例としては、4−acetamido−4’−isothiocyanatostilbene−2,2’disulfonic acid、アクリジン及びこの誘導体、5−(2’−aminoethyl)aminonaphthalene−1−sulfonic acid(EDANS)、4−amino−N−[3−vinylsulfonyl)phenyl]naphthalimide−3,5disulfonate、N−(4−anilino−1−naphthyl)maleimide、anthranilamide、BODIPY、Brilliant Yellow、クマリン(7−amino−4−methylcoumarin(AMC、Coumarin120)、7−amino−4−trifluoromethylcouluarin(Coumaran151))及びこの誘導体、シアン染料、シアノシン、4’,6−diaminidino−2−phenylindole(DAPI)、5’,5”−dibromopyrogallol−sulfonaphthalein(Bromopyrogallol Red)、7−diethylamino−3−(4’−isothiocyanatophenyl)−4−methylcoumarin、diethylenetriaminepentaacetate、4,4’−diisothiocyanatodihydro−stilbene−2,2’−disulfonic acid、4,4’−diisothiocyanatostilbene−2,2’−disulfonic acid、5−[dimethylamino]naphthalene−1−sulfonyl chloride(DNS、dansylchloride)、4−(4’−dimethylaminophenylazo)benzoic acid(DABCYL)、4−dimethylaminophenylazophenyl−4’−isothiocyanate(DABITC)、エオシン及びこの誘導体(エオシンイソシアネート)、エリスロシン及びこの誘導体(エリスロシンB、エリスロシンイソシアネート)、イチジウム、フルロセイン及びこの誘導体(5−カルボキシフルロセイン(FAM))、5−(4,6−dichlorotriazin−2−yl)aminofluorescein(DTAF)、2’,7’−dimethoxy−4’5’−dichloro−6−carboxyfluorescein(JOE)、QFITC(XRITC)、fluorescamine、IR144、IR1446、Malachite Green isothiocyanate、4−methylumbelliferone、ortho cresolphthalein、nitrotyrosine、pararosaniline、フェノルレッド、B−phycoerythrin、o−フタルジアルデヒド、ピレン及びこの誘導体(ピレンブチレート、スクシンイミジル1−ピレンブチレート)、量子ドット、Reactive Red4(Cibacron
TMBrilliant Red3B−A)、ロダミン及びこの誘導体(6−カルボキシ−X−ロダミン、6−カルボキシロダミン、ロダミンB、ロダミン123、ロダミンXイソシアネート、スルホロダミンB、スルホロダミン101、テトラメジルロダミン、テトラメチルロダミンイソシアネート)、リボフラビン、rosolic acid、ピレン、カルボピロニン、オキサジン、ザンテン、チオザンテン及びterbium chelate derivativesなどがある。
【0109】
また、本発明によるオリゴヌクレオチドは、核酸との結合力を向上させるためにマイナーグルーブバインダー(MGB;minor groove binder)をさらに含んでいてもよい。
【0110】
このようなオリゴヌクレオチドは、化学的、生物学的領域で多様に活用することができる。特に、リアルタイム重合酵素連鎖反応又はマイクロアッセイ(microassay)などに有用に用いられるが、これに限定されるものではない。
【0111】
また、本発明の他の側面によれば、前記オリゴヌクレオチドを含む核酸検出用組成物が提供される。
【0112】
本発明の一実施例による核酸検出用組成物は、化1、化2、化5又は化6で表されるクエンチャーとマイナーグルーブバインダー及び蛍光団を共に含むオリゴヌクレオチドとともに、標的生体分子との反応のための酵素、溶媒(緩衝液など)及びその他試薬などをさらに含んでいてもよい。
【0113】
ここで溶媒としては、リン酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液及びトリス緩衝液で構成された群から選択される緩衝液、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、エタノール及びアセトニトリルから選択される有機溶媒又は水などを用いてもよく、溶媒の種類によってクエンチャーに様々な作用基を導入することによって溶解度を調節することが可能である。
【0114】
また、本発明のさらに他の側面によれば、化1、化2、化5又は化6で表されるクエンチャー、支持体及び前記クエンチャーと前記支持体を連結するリンカーを含む核酸検出用支持体が提供される。
【0115】
これにより、サンプル内の生体分子は、支持体上に固着化したクエンチャーとの相互作用によって支持マトリックス上に固定されてもよい。
【0116】
前記支持マトリックスは、ガラス、セルロース、ナイロン、アクリルアマイドゲル、デキストラン、ポリスチレン、アルジネート、コラゲン、ペプチド、ピブリン、ヒアルロン酸、アガロース、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレングライコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングライコールジアクリレート、ゼラチン、マトリゲル(matrigel)、ポリ乳酸、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、キトサン、ラクテックス及びセファロースから選択される少なくとも1つで製造されてもよいし、ビーズまたはメンブレンの形態であってもよい。
【0117】
ここで、リンカーは、クエンチャーと支持体を連結する部分であって、クエンチャーと支持体を連結できる任意の物質は、いずれも本願で意図したリンカーとして用いることができる。
【0118】
例えば、リンカーは、置換または非置換されたC
1−C
30アルキル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換または非置換されたC
2−C
30ヘテロアルキル、置換または非置換されたC
6−C
30アリール及び置換または非置換されたC
3−C
30ヘテロアリールから選択されてもよいし、より具体的には、1〜6個のエチレングリコールが連結された鎖であってもよい。
【0119】
このようなリンカーは、クエンチャーと支持体を連結するだけであり、クエンチャー又は蛍光団の他の反応または蛍光及び消光作用に影響を及ぼさない。
【0120】
核酸検出方法
本発明の一実施例によれば、標的核酸にクエンチャーで標識されたプローブを反応させて標識する方法を具現することができる。また、標的生体分子の種類によってクエンチャーに適宜な反応性基を導入することで、標的−特異的相互作用を利用した生体分子の標識方法を具現することもできる。また、クエンチャーで標識した生体分子を電気泳動によって同定する方法を具現することもできる。
【0121】
DNAマイクロアレイ法
DNAマイクロアレイ法は、標識すべきである標的核酸に染料を反応させて標識する一方、標的核酸に対して相補的塩基序列を有する単一鎖のプローブ核酸を準備し、単一鎖に変性させた標的核酸とプローブ核酸を基板上で混成化して、標的核酸の蛍光を測定する。
【0122】
本標識方法において、基板に固定するプローブ核酸としては、遺伝子の発現を調査する場合、cDNAなどのcDNAのライブラリ、ゲノムのライブラリ又はあらゆるゲノムを鋳型にしてPCR法によって増幅して調剤したものを用いてもよい。
【0123】
また、遺伝子変異などを調査する場合、標準となる既に知られた序列に基づいて、変異などに対応する様々なオリゴヌクレオチドを合成したものを用いてもよい。
【0124】
プローブ核酸を基板上に固定することは、核酸の種類や基板の種類によって適宜な方法を選択してもよい。例えば、DNAの電荷を用いてポリリジンなどのカチオンで表面処理した基板に静電結合させる方法を用いてもよい。
【0125】
単一鎖に変性させた標的核酸を基板上に固定して、オリゴヌクレオチドと混成化する。ここで、オリゴヌクレオチドの5’末端には蛍光団が標識されて、3’末端には化1、化2、化5及び化6で表されるクエンチャーから選択される少なくとも1つが標識される。5’末端と 3’末端の間には、標的となる核酸と相補的結合できるプローブが位置してもよい。
【0126】
混成化は、室温〜70℃、そして、2〜48時間の範囲で行うことが好ましい。混成化によってプローブ核酸と相補的塩基序列を有する標的核酸が選択的にプローブ核酸と結合する。その後、基板を洗浄して室温で乾燥する。
【0127】
このとき、オリゴヌクレオチドは、プローブによって標的核酸に混成化されるが、5’末端の蛍光団は、3’末端のクエンチャーによって消光された状態で存在する。
【0128】
次いで、標的核酸に混成化されたオリゴヌクレオチドは、重合酵素によって伸長されるが、オリゴヌクレオチドは、重合酵素のエクソヌクレアーゼ活性によって標的核酸から分離及び分解され、オリゴヌクレオチドの5’末端の蛍光団と3’末端のクエンチャーは、互いに分離されて、これにより蛍光団は、蛍光を発するようになる。
【0129】
このとき、発生する蛍光強度を測定して、標的核酸の増幅量を測定することができるようになる。
【0130】
以下では、本発明の具体的な実施例を提示する。但し、下記に記載されている実施例は、本発明を具体的に例示するか説明するためのものに過ぎないし、これによって本発明が制限されてはならない。
【0132】
intermediate1の合成
250mLの1口反応器にStarting material(10g、20.31mmol)、Amine(32.5g、101.56mmol)、ジメチルスルホキシド(100mL)を入れて60℃で48時間撹拌する。冷却後、反応器に水(100mL)を入れて強撹拌した後、酢酸エチル(100mL×2)で抽出する。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹拌した後、固体をろ過する。余液は、濃縮してカラム精製する。(1.8g、3.309mmol、11%)
【0133】
intermediate2の合成
100mLの1口反応器にintermediate1(1.8g、3.309mmol)、イミダゾール(0.68g、9.929mmol)、tert−ブチル−di−メチルクロロシラン(0.75g、4.964mmol)、ジメチルホルムアマイド(20mL)を入れて、常温で1時間撹拌する。反応器に酢酸エチル(80mL)を入れて塩水(200mL×2)で洗う。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹拌した後、固体をろ過する。余液は、濃縮してカラム精製する。(1.37g、2.081mmol、63%)
【0134】
intermediate3の合成
250mLの3口反応器にReagent(1.2g、4.163mmol)、テトラヒドロフラン(15mL)を入れて、窒素気流下において−78℃で5分間撹拌する。反応器に1.6Mのn−ブチリチウム(2mL、3.121mmol)を徐々に滴下した後、−78℃で1時間撹拌する。intermediate2(1.37g、2.081mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶かして反応器に滴下した後、常温で12時間撹拌する。反応器に2Mの塩酸(10mL)を入れて30分間強撹拌する。濃縮後、カラム精製する。(0.76g、1.5mmol、72%)
【0135】
化合物4の合成
250mLの1口反応器にintermediate3(190mg、0.375mmol)、4,4’−Dimethoxytrityl Chloride(130mg、0.375mmol)、4−(Dimethylamino)pyridine(45mg、0.375mmol)、ジメチルホルムアミド(2mL)を入れて常温で12時間撹拌する。濃縮後、カラム精製する。(20mg、0.0247mmol、7%)
1H−NMR(300MHz、CDCl
3)δ7.36−7.33(m、2H)、7.26−7.11(m、10H)、6.72(d、4H、J=8.7Hz)、4.65−6.62(m、3H)、6.48−6.40(m、2H)、3.99−3.97(m、2H)、3.90−3.49(m、14H)、3.22(m、3H)、3.09(m、3H)
【0137】
intermediate1の合成
250mLの1口反応器にStarting material(10g、20.31mmol)、Amine(32.5g、101.56mmol)、ジメチルスルホキシド(100mL)を入れて60℃で48時間撹拌する。冷却後、反応器に水(100mL)を入れて強撹拌した後、酢酸エチル(100mL×2)で抽出する。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹拌した後、固体をろ過する。余液は、濃縮してカラム精製する。(10.11g、14.9mmol、73%)
【0138】
intermediate2の合成
250mLの1口反応器にintermediate1(8.2g、14.9mmol)、Amine(10mL、149mmol)、ジメチルスルホキシド(80mL)を入れて0℃で1時間撹拌する。冷却後、反応器に水(100mL)を入れて強撹拌した後、酢酸エチル(100mL×2)で抽出する。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹拌した後、固体をろ過する。余液は、濃縮してカラム精製する。(5.17g、8.46mmol、57%)
【0139】
intermediate3の合成
250mLの3口反応器にReagent(8.78g、30.46mmol)、テトラヒドロフラン(90mL)を入れて窒素気流下において−78℃で5分間撹拌する。反応器に1.6Mのn−ブチリチウム(15.8mL、25.38mmol)を徐々に滴下した後、−78℃で1時間撹拌する。intermediate2(5.17g、8.46mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶かして反応器に滴下した後、常温で12時間撹拌する。反応器に2Mの塩酸(20mL)を入れて30分間強撹拌する。濃縮後、カラム精製する。(4.5g、7.37mmol、87%)
【0140】
化合物7の合成
250mLの1口反応器にintermediate3(1.8g、2.949mmol)、4,4’−Dimethoxytrityl Chloride(1g、2.949mmol)、4−(Dimethylamino)pyridine(0.36g、2.949mmol)、Pyridine(20mL)を入れて常温で12時間撹拌する。濃縮後、カラム精製する。(1.8g、1.972mmol、67%)
1H−NMR(300MHz、CDCl
3)δ7.60(m、2H)、7.54−7.51(m、2H)、7.41−7.14(m、9H)、6.97−6.86(m、4H)、6.76(d、4H、8.4Hz)、4.96(bs、1H)、3.91−3.60(m、20H)、3.46(m、2H)、3.16−3.12(m、4H)、1.77(m、6H)
【0142】
intermediate1の合成
250mLの1口反応器にStarting material(10g、20.31mmol)、Amine(10mL、101.56mmol)、ジメチルスルホキシド(100mL)を入れて常温で2時間撹拌する。冷却後、反応器に水(100mL)を入れて強撹拌した後、ジクロロメタン(100mL×2)で抽出する。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹拌した後、固体をろ過する。余液は、濃縮してカラム精製する。(5.82g、13.62mmol、67%)
【0143】
intermediate2の合成
250mLの1口反応器にintermeidate1(2.3g、5.381mmol)、Amine(5g、26.9mmol)、ジメチルスルホキシド(20mL)を入れて90℃で6時間撹拌する。冷却後、反応器に水(300mL)を入れて強撹拌した後、酢酸エチル(100mL×2)で抽出する。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹拌した後、固体をろ過する。余液は、濃縮して再結晶する。(2.08g、4.486mmol、83%)
【0144】
intermediate3の合成
250mLの3口反応器にReagent1(6.5g、22.52mmol)、テトラヒドロフラン(70mL)を入れて窒素気流下において−78℃で5分間撹拌する。反応器に1.6Mのn−ブチリチウム(11.73mL、18.77mmol)を徐々に滴下した後、−78℃で1時間撹拌する。intermediate2(2.9g、6.26mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶かして反応器に滴下した後、常温で12時間撹拌する。反応器に2Mの塩酸(20mL)を入れて30分間強撹拌する。濃縮後、精製なしに次の反応を行う。
【0145】
intermediate4の合成
250mLの1口反応器にintermediate3(2.8g)、Reagent2(0.82g、4.46mmol)、O−(Benzotriazol−1yl)−N,N,N’,N’−tetramethyluronium Tetrafluoroborate(1.72g、5.35mmol)、トリエチルアミン(1.9mL、13.38mmol)、ジメチルホルムアマイド(30mL)を入れて常温で3時間撹拌する。濃縮してカラム精製する。ジクロロメタン(10mL)、4Mの塩酸(4mL)を入れて常温で2時間撹拌する。濃縮してカラム精製する。(130mg、0.191mmol)
【0146】
化合物12の合成
50mLの1口反応器にintermediate4(130mg、0.191mmol)、4,4’−Dimethoxytrityl Chloride(100mg、0.287mmol)、4−(Dimethylamino)pyridine(23mg、0.191mmol)、Pyridine(1mL)を入れて常温で72時間撹拌する。濃縮後、カラム精製する。(65mg、0.0662mmol、35%)
1H−NMR(300MHz、CDCl
3)δ7.64−7.59(m、2H)、7.41(d、2H、8.4Hz)、7.31−7.01(m、11H)、6.88(s、2H)、6.82−6.78(m、4H)、4.63−6.61(m、1H)、4.21−4.18(m、1H)、4.05−3.24(m、23H)、3.16−3.13(m、4H)、1.80−1.74(m、6H)
【0148】
intermediate1の合成
250mLの1口反応器にStarting material(2g、4.062mmol)、Amine(9.32g、40.62mmol)、ジメチルスルホキシド(20mL)を入れて60℃で12時間撹拌する。冷却後、反応器に水(100mL)を入れて強撹拌した後、酢酸エチル(100mL×2)で抽出する。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹拌した後、固体をろ過する。余液は、濃縮してカラム精製する。(0.8g、1.228mmol、30%)
【0149】
intermediate2の合成
100mLの3口反応器にReagent(0.93g、3.225mmol)、テトラヒドロフラン(10mL)を入れて窒素気流下において−78℃で5分間撹拌する。反応器に1.6Mのn−ブチルリチウム(3mL、4.838mmol)を徐々に滴下した後、−78℃で1時間撹拌する。intermediate1(0.7g、1.075mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶かして反応器に滴下した後、常温で12時間撹拌する。反応器に2Mの塩酸(10mL)を入れて30分間強撹拌する。濃縮後、カラム精製する。(0.28g、0.430mmol、40%)
【0150】
化合物18の合成
50mLの1口反応器にintermeidate2(280mg、0.430mmol)、4,4’−Dimethoxytrityl Chloride(145mg、0.430mmol)、Pyridine(5mL)を入れて常温で48時間撹拌する。濃縮後、カラム精製する。(37mg、0.0388mmol、9%)
1H−NMR(300MHz、CDCl
3)δ7.58−7.53(m、2H)、7.43−7.40(m、2H)、7.31−7.20(m、7H)、7.07−7.04(m、2H)、6.89−6.81(m、8H)、4.23−4.18(m、4)、3.78(m、10H)、3.57(m、2H)、3.34−3.22(m、4H)、3.16−3.13(m、4H)、3.00−2.98(m、2H)、2.05−2.02(m、6H)、1.47−1.34(m、4H)
【0152】
intermediate1の合成
100mLの1口反応器にStarting material2(2g、3.858mmol)、Amine(6.43g、19.29mmol)、ジメチルスルホキシド(20mL)を入れて60℃で48時間撹拌する。冷却後、反応器に水(100mL)を入れて強撹拌した後、酢酸エチル(100mL×2)で抽出する。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹拌した後、固体をろ過する。余液は、濃縮してカラム精製する。(0.87g、1.239mmol、32%)
【0153】
intermediate2の合成
50mLの1口反応器にintermediate1(0.87g、1.239mmol)、Amine(1.2mL、12.39mmol)、ジメチルスルホキシド(10mL)を入れて90℃で2時間撹拌する。冷却後、反応器に水(100mL)を入れて強撹拌した後、酢酸エチル(100mL×2)で抽出する。有機層に無水硫酸マグネシウムを入れて5分間撹拌した後、固体をろ過する。余液は、濃縮してカラム精製する。(500mg、0.785mmol、63%)
【0154】
intermediate3の合成
50mLの3口反応器にReagent(0.68g、2.354mmol)、テトラヒドロフラン(5mL)を入れて窒素気流下において−78℃で5分間撹拌する。反応器に1.4Mのsec−ブチルリチウム(1.7mL、2.354mmol)を徐々に滴下した後、−78℃で1時間撹拌する。intermediate2(500mg、0.785mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶かして反応器に滴下した後、常温で12時間撹拌する。反応器に2Mの塩酸(3mL)を入れて30分間強撹拌する。濃縮後、カラム精製する。(380mg、0.597mmol、76%)
【0155】
化合物20の合成
100mLの1口反応器にintermediate3(380mg、0.97mmol)、4,4’−Dimethoxytrityl Chloride(200mg、0.597mmol)、4−(Dimethylamino)pyridine(73mg、0.597mmol)、Pyridine(5mL)を入れて常温で12時間撹拌する。濃縮後、カラム精製する。
【0156】
製造例6.クエンチャー−CPGの合成
【0157】
10mLのvialに化合物7(100mg、0.11mmol)、succinic anhydride(9.9mg、0.099mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(12.1mg、0.099mmol)、ジクロロメタン(5ml)を入れて常温で1.5時間ローリングする。濃縮し切れて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(52.7mg、0.275mmol)、トリエチルアミン(28ul)、ピリジン(5ml)、CPG−NH2(1g)を入れて常温で2時間ローリングする。powderをろ過してアセトニトリル、メタノール、ジクロロメタンでそれぞれ3回ずつ洗う。乾燥後、CapA/CapB=1ml/1mlを入れて常温で2時間ローリングして、アセトニトリル、ジクロロメタンでそれぞれ3回ずつ洗ってから乾燥する。(1g、Molecular loading:37umol/g)
【0158】
下記の表1は、化合物4、化合物12、化合物18を用いて前記に記載した製造例6と同じ方法でクエンチャー−CPGを合成したとき、各化合物に対するmolecular loadingを表したものである。
【0160】
製造例7.オリゴヌクレオチドの合成
化合物7を利用して10−Column Polygen DNA Synthesizerを用いてOligonucleotideを合成した。合成されたオリゴヌクレオチドのUVスペクトラムは、
図1に示した。
【0161】
実験例.クエンチャーの消光特性測定
実験例1
製造例1〜5によって製造された化合物4、化合物7、化合物12、化合物18、化合物20のλ
Max(nm)、Absorption coefficient(e)を確認した。その結果は、
図2及び表2で表した。
【0163】
図2及び表2の結果を参考すれば、本発明の様々な実施例によるクエンチャーは、450nm以上の波長帯における吸収特性を示すことができ、これにより、様々な蛍光団との組み合わせによって二重標識プローブを設計することが可能である。
【0164】
実験例2
下記の表3のように、二重標識プローブを設計した後、それぞれの二重標識プローブに対する消光特性を測定した。
【0166】
図3〜
図5における黒い線は、それぞれの蛍光団とBHQ1がprobe状態で表す蛍光値を示し、赤い線は、それぞれの蛍光団と化合物7がprobe状態で表す蛍光値を示して、灰色線は、probeを分解したときの蛍光団の蛍光値を示す。
【0167】
蛍光団とクエンチャーがそれぞれFAMとBHQ1で構成された二重標識プローブ(Probe1)と蛍光団とクエンチャーがそれぞれFAMと化合物7で構成された二重標識プローブ(Probe2)の消光効率を示した
図3を参照すれば、Probe1のBHQ1とProbe2の化合物7の消光特性が類似することを確認することができる。
【0168】
一方、蛍光団とクエンチャーがそれぞれTETとBHQ1で構成された二重標識プローブ(Probe3)と蛍光団とクエンチャーがそれぞれTETと化合物7で構成された二重標識プローブ(Probe4)の消光効率を示した
図4と、蛍光団とクエンチャーがそれぞれHEXとBHQ1で構成された二重標識プローブ(Probe5)と蛍光団とクエンチャーがそれぞれHEXと化合物7で構成された二重標識プローブ(Probe6)の消光効率を示した
図5を参照すれば、BHQ1より化合物7の消光特性が44%(TET)、18%(HEX)高いことを確認することができる。
【0169】
以上のように、本発明の一実施例について説明したが、該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載されている本発明の思想から脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除又は追加などによって本発明を多様に修正及び変更させることができ、これも本発明の権利範囲内に含まれる。