特許第6840156号(P6840156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許6840156-巻取り機 図000002
  • 特許6840156-巻取り機 図000003
  • 特許6840156-巻取り機 図000004
  • 特許6840156-巻取り機 図000005
  • 特許6840156-巻取り機 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6840156
(24)【登録日】2021年2月18日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】巻取り機
(51)【国際特許分類】
   B65H 54/547 20060101AFI20210301BHJP
【FI】
   B65H54/547
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-539407(P2018-539407)
(86)(22)【出願日】2017年1月23日
(65)【公表番号】特表2019-503320(P2019-503320A)
(43)【公表日】2019年2月7日
(86)【国際出願番号】EP2017051292
(87)【国際公開番号】WO2017129512
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2019年10月31日
(31)【優先権主張番号】102016001014.2
(32)【優先日】2016年1月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】307031976
【氏名又は名称】エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ ヴァルターマン
【審査官】 西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−036006(JP,A)
【文献】 特開平11−198021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 54/00 − 54/553
B65H 67/00 − 67/08
B65H 19/00 − 19/30
B65H 21/00 − 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸を巻き取る巻取り機であって、少なくとも1つの巻取りスピンドル(3.1)と1つの巻取りタレット(2)とを備えており、前記巻取りスピンドル(3.1)は、中空円筒形に形成された軸(12)と該軸(12)の内部において軸受(14)によって支持された駆動軸(13)とを有しており、前記軸(12)の周囲には、前記駆動軸(13)の一端に結合されたチャック(15)が設けられており、前記巻取りタレット(2)は、機械フレーム(1)に回転可能に支持されており、かつ前記巻取りスピンドル(3.1)は、前記軸(12)でもって、固定手段(4.1)によって突出するように前記巻取りタレット(2)に保持されている、巻取り機において、
前記固定手段(4.1)は、ねじ結合されたクランプ結合装置(11)によって形成されていて、該クランプ結合装置(11)は、前記巻取りスピンドル(3.1)の前記軸(12)を取り囲んでいることを特徴とする、巻取り機。
【請求項2】
前記クランプ結合装置(11)は、前記巻取りタレット(2)に堅固に結合されたクランプブロック(16)と、該クランプブロック(16)にねじ結合されたクランプカバー(17)とを有しており、前記クランプブロック(16)における半割孔(20.1)と、前記クランプカバー(17)における半割孔(20.2)とが一緒に、クランプ孔(20)を形成している、請求項1記載の巻取り機。
【請求項3】
前記クランプ孔(20)は、前記巻取りスピンドル(3.1)の前記軸(12)のクランプ直径部(19)よりも幾分小さな内径を有している、請求項2記載の巻取り機。
【請求項4】
前記クランプカバー(17)は、前記クランプ孔(20)の両側に分配配置された複数のねじ(18)によって、前記クランプブロック(16)に結合されている、請求項2または3記載の巻取り機。
【請求項5】
前記軸(12)のランプ直径部(19)は、直径段部(21)によって形成されており、前記クランプ直径部(19)は、前記軸(12)の隣接した直径部分(22)よりも約1.1の係数だけ大きく形成されている、請求項3または4記載の巻取り機。
【請求項6】
前記クランプ結合装置(11)に、形状結合式の結合エレメント(30)が対応配置されており、該結合エレメント(30)によって前記巻取りスピンドル(3.1)は前記巻取りタレット(2)に位置決め可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の巻取り機。
【請求項7】
前記クランプ結合装置(11)に、形状結合式の結合エレメント(30)が対応配置されており、該結合エレメント(30)によって前記巻取りスピンドル(3.1)は前記巻取りタレット(2)に位置決め可能であり、前記結合エレメント(30)は、前記クランプ孔(20)における保持ウェブ(24)と、前記軸(12)の前記クランプ直径部(19)における環状の保持溝(23)とによって形成されている、請求項2から5までのいずれか1項記載の巻取り機。
【請求項8】
前記保持ウェブ(24)は、クランプカバー(17)に形成されており、前記保持ウェブ(24)は、前記半割孔(20.2)の底部において、最大のウェブ高さを有しており、該ウェブ高さは、前記半割孔(20.2)の両縁部に向かってゼロとなっている、請求項7記載の巻取り機。
【請求項9】
前記クランプブロック(16)および前記巻取りタレット(2)は、成形鋳造品として形成されている、請求項2,3,4,5,7,8のいずれか1項記載の巻取り機。
【請求項10】
前記巻取りタレット(2)は、第2の巻取りスピンドル(3.2)を収容する第2のクランプ結合装置(11)を有しており、前記両クランプ結合装置(11)は、互いに180°ずらされて前記巻取りタレット(2)に配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の巻取り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の、糸を巻き取る巻取り機に関する。
【0002】
このような形式の巻取り機は、例えば国際公開第2005/115896号(WO 2005/115896 A1)に基づいて公知である。
【0003】
公知の巻取りスピンドルは、複数の糸をパッケージに並行に巻き取るために使用される。そのために巻取り機は、突出するように巻取りタレットに固定されている巻取りスピンドルを有している。このとき巻取りスピンドルの突出する部分は、パッケージが巻成される巻管を収容および固定するために働く。複数のパッケージを収容するためには、相応に長く突出する巻取りスピンドルが必要であるので、パッケージ重量に基づいて、巻取りタレットと巻取りスピンドルとの間における結合部においては十分な強度が保証されねばならない。公知の巻取り機では、巻取りスピンドルはフランジ結合装置を介して巻取りタレットに結合される。そのためにフランジは、チャック軸に直接形成されている。
【0004】
巻取りスピンドルと巻取りタレットとの間におけるこのようなフランジ結合装置は、しかしながら比較的大きなフランジと、相応に多数のねじとを必要とする。しかしながら特に、大面積のフランジを備えたこのような軸の製造は、特にコストが掛かる。さらに巻取りタレットにおける空間提供は、制限されている。さらにまた、例えば共働するパッケージによる過負荷の作用時に、フランジねじは、巻取りスピンドルの軸において誘起される捩りモーメントによって、剪断されるおそれがある。
【0005】
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の巻取り機を改良して、特に長く突出する巻取りスピンドルを、巻取りタレットにおいて確実に保持することができる巻取り機を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、巻取り機の巻取りタレットにおける巻取りスピンドルの固定形態を、可能な限りコンパクトに構成することにある。
【0007】
この課題は、本発明によれば、固定手段が、ねじ結合されたクランプ結合装置によって形成されていて、該クランプ結合装置が、巻取りスピンドルの軸を取り囲んでいることによって解決される。
【0008】
好適な発展形態は、従属請求項の特徴および特徴の組合せによって定義されている。
【0009】
本発明は、パッケージによって誘起された曲げモーメントをクランプ結合装置の全長を介して伝達することができるという特別な利点を有している。これによって、巻取りスピンドルの動的な荷重の作用時においても大きな強度を得ることができる。さらに僅かな製造コストしか掛からない嵌合部を実現することができる。
【0010】
可能な限り確定されたクランプ装置を得るために、好適に構成された本発明の発展形態では、クランプ結合装置は、巻取りタレットに堅固に結合されたクランプブロックと、該クランプブロックにねじ結合されたクランプカバーとを有しており、このときクランプブロックにおける半割孔と、クランプカバーにおける半割孔とが一緒に、クランプ孔を形成している。このように構成されていると、巻取りスピンドルをクランプする嵌合正確な結合部を、好適に実現することができる。さらに巻取りスピンドルの軸の周囲における単位面積当たりの接触圧の、比較的均一な分布を達成することができる。
【0011】
収縮嵌めにおけるものと似た状態を得るために、さらに、クランプ孔が、巻取りスピンドルの軸のクランプ直径部よりも幾分小さな内径を有していることが提案されている。このとき予めクランプ孔と軸のクランプ直径部とは、高い公差精度をもって製造することができる。
【0012】
クランプ力を加えるために、本発明の発展形態では、クランプカバーが、クランプ孔の両側に分配配置された複数のねじによって、クランプブロックに結合されていることが提案されている。このように構成されていると、面状のクランプ力をクランプ結合部の長さにわたって均一にもたらすことができる。
【0013】
クランプ結合装置の領域における嵌合腐食の発生を回避するために、さらに、軸のクランプ直径部が、直径段部によって形成されており、このときクランプ直径部は、軸の隣接した直径部分よりも約1.1の係数だけ大きく形成されていることが提案されている。
【0014】
過負荷の作用時に巻取りタレットにおいて巻取りスピンドルが軸方向においてずれないようにするために、本発明の特に好適な発展形態では、クランプ結合装置に、形状結合式の結合エレメントが対応配置されており、該結合エレメントによって巻取りスピンドルが巻取りタレットに位置決め可能である。このように構成されていると、クランプ力の喪失時においても、クランプ結合装置における、ひいては巻取りタレットにおける巻取りスピンドルの位置が保証される。
【0015】
本発明の単純でかつ効果的な発展形態では、結合エレメントが、クランプ孔における保持ウェブと、軸のクランプ直径部における環状の保持溝とによって形成されていることが提案されている。
【0016】
このとき組立てのために特に好ましくは、保持ウェブは、クランプカバーに形成されており、このとき保持ウェブは、半割孔の底部において、半割孔の両縁部に向かって終わっているウェブ高さを有している。組立て可能性およびクランプ結合装置の内部におけるクランプ作用が、これによって影響を受けることはない。
【0017】
安定性を高めるために、さらに、クランプブロックおよび巻取りタレットが、成形鋳造品として形成されていることが提案されている。
【0018】
冒頭に述べた形式の巻取り機は、好ましくは複数の糸を連続的に巻成するために使用されるので、本発明の好適な発展形態では、巻取りタレットは、第2の巻取りスピンドルを収容する第2のクランプ結合装置を有しており、このとき両クランプ結合装置は、互いに180°ずらされて巻取りタレットに配置されている。
【0019】
次に添付の図面を参照しながら、本発明に係る巻取り機を1実施形態について詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る巻取り機の1実施形態を概略的に示す側面図である。
図2図1に示された実施形態の巻取りタレットと巻取りスピンドルとの間におけるクランプ結合装置の一部を概略的に示す縦断面図である。
図3図2に示された実施形態を概略的に示す横断面図である。
図4】クランプカバーを概略的に示す平面図である。
図5図2に示されたクランプ結合装置を概略的に示す横断面図である。
【0021】
図1には、本発明に係る巻取り機の1実施形態が側面図で概略的に示されている。巻取り機は、機械フレーム1に回転可能に支持された巻取りタレット2を有している。巻取りタレット2には巻取りスピンドル3.1が突出するように保持されている。巻取りスピンドル3.1は、固定手段4.1によって回動不能に巻取りタレット2に結合されている。固定手段4.1は、巻取りタレット2の背側に形成されており、固定手段4.1については、以下においてさらに詳しく述べる。
【0022】
巻取りタレット2には、約180°ずらされて配置された第2の巻取りスピンドル3.2が保持されており、この第2の巻取りスピンドル3.2も同様に、固定手段4.2を介して巻取りタレットに結合されている。固定手段4.1,4.2は、同一の構成を有しているので、以下の記載は、固定手段4.2に対しても言えることである。
【0023】
巻取りスピンドル3.1,3.2には、その駆動端部にそれぞれ複数のスピンドル駆動装置6.1,6.2が対応配置されている。巻取りタレット2は、回転駆動装置5に連結されており、このとき機械フレーム1の内部において巻取りタレット2を移動させる駆動手段は、ここには詳しく示されていない。
【0024】
巻取りスピンドル3.1,3.2の片持ち式に突出する部分には、複数の巻管8が、パッケージを収容するために相前後して緊締されている。図1に示された状況では、巻取りスピンドル3.1は、複数の糸をパッケージ7に巻成するための運転領域に位置している。巻取り機は運転状態において示されているので、巻取りスピンドル3.1には複数のパッケージ7が保持されている。
【0025】
運転領域において巻取りスピンドル3.1は、回転可能に支持された圧着ローラ9と共働し、この圧着ローラ9は、糸の巻成中にパッケージ7の周囲に接触している。
【0026】
糸走路において圧着ローラ9の上流側には、綾振り装置10が配置されており、この綾振り装置10によって糸は、綾巻きパッケージを形成するためにそれぞれ往復案内される。糸は、走入部を形成する複数のヘッド糸ガイド32によって案内される。
【0027】
図1に示された巻取り機では、全部で4つの巻成箇所が示されているので、突出する巻取りスピンドル3.1には、全部で4つのパッケージが保持されている。巻成箇所の数およびパッケージの数は、一例である。長く突出する巻取りスピンドルでは、10、12またはそれどころか16のパッケージを同時に巻成することが可能である。
【0028】
例えば1800mmもの突出長さを有することができる、このように長く突出する巻取りスピンドルを、巻取りタレットにおいて確実に保持するために、固定手段4.1はクランプ結合装置11によって構成されている。図2および図3には、巻取りタレット2におけるクランプ結合装置が複数の断面図で示されている。図2には、巻取りスピンドルの軸方向における縦断面図が示されており、かつ図3には、巻取りスピンドル3.1を横方向に断面した横断面図が示されている。以下の記載は、両方の図のうちの一方の図を特に参照しない限り、両方の図に対するものである。
【0029】
クランプ結合装置11は、巻取りタレット2の背側に配置されている。巻取りタレット2はそのために背側にクランプブロック16を有している。クランプブロック16は、巻取りタレット2に一体成形されていて、かつ例えば成形鋳造品として形成されていてよい。クランプブロック16は、半シェル形に形成されていて、かつ半割孔20.1を有している。半割孔20.1の軸方向延長部において、巻取りタレット2にはクランプ開口25が形成されている。クランプ開口25は、巻取りスピンドル3.1の軸12によって貫通され、この軸12は、クランプ部分26がクランプブロック16内に進入している。
【0030】
巻取りスピンドル3.1は、複数部分から形成されていて、かつ中空円筒形に形成された軸12の他に駆動軸13を有しており、この駆動軸13は、軸12の内部において軸受14によって支持されていて、かつここには詳しく示されていない駆動端部27で、スピンドル駆動装置6.1に連結されている。
【0031】
巻取りスピンドルの突出する部分において、軸12の周囲には、チャック15が形成されており、このチャック15は、駆動軸13の一端に結合されている。このような巻取りスピンドルは、以前から公知であるので、巻取りスピンドル3.1の突出する部分の図示および説明は、ここでは省略する。
【0032】
クランプ結合装置11は、さらにクランプカバー17を有しており、このクランプカバー17は同様に半シェル形に形成されていて、かつクランプブロック16と一緒に、軸12の両側において延びているクランプ接合部28を形成している。クランプカバー17は、半割孔20.2を有しているので、組み立てられた状態において、クランプブロック16の半割孔20.1とクランプカバー17の半割孔20.2とは、1つのクランプ孔20を形成する。クランプ孔20の内部において、軸12は、クランプ部分26およびクランプ直径部19によって保持されている。軸12のクランプ直径部19は、クランプブロック16とクランプカバー17との間におけるクランプ孔20よりも寸法的に幾分大きく形成されている。これによって、クランプ結合装置11による嵌合正確なクランプを実現することができる。
【0033】
クランプ力を生ぜしめるために、クランプカバー17とクランプブロック16とは、複数のねじ18によって互いに結合されている。特に図3における図示から分かるように、ねじ18は軸12の両側に分配配置されていて、かつクランプブロック16とクランプカバー17との間におけるクランプ接合部28を貫通している。このときねじ18は、好ましくはクランプブロック16の雌ねじ山29にねじ込まれている。
【0034】
図2における図示から分かるように、軸12はクランプ直径部19を形成するために、直径段部21を有している。直径段部21は、クランプ結合装置11の直ぐそばに形成されており、このときクランプ直径部19は、軸12の隣接した直径部分22よりも所定の係数だけ大きい。嵌合腐食を回避するために、クランプ直径部19は、好ましくは隣接した直径部分22よりも係数1.1だけ、つまり約10%大きく選択されている。移行部は丸く面取りされており、このとき曲率半径は、好ましくは直径段部21の直径差の2倍の大きさを有している。
【0035】
さらに図2から分かるように、クランプ結合装置11には、形状結合式の結合エレメント30が対応配置されており、この結合エレメント30によって巻取りスピンドル3.1は、巻取りタレット2に位置決めされている。本実施形態では結合エレメント30は、クランプカバー17に形成された保持ウェブ24と、軸12のクランプ直径部19における環状の保持溝23とによって形成されている。保持ウェブ24は、保持溝23内に進入しているので、軸12は軸方向において固定されている。このように構成されていると、クランプ力が弛緩した場合でも、巻取りタレット2における巻取りスピンドル3.1の軸方向移動は不可能である。極端な場合には、巻取りスピンドル3.1はクランプ結合装置11の内部において回転することができる。
【0036】
結合エレメント30を形成するためおよびさらに説明するために、追加的に図4および図5を参照する。図4には、クランプカバー17が平面図で概略的に示されており、かつ図5には、結合エレメント30の位置におけるクランプ結合装置11の横断面図が示されている。以下における記載は、両方の図に対するものである。
【0037】
保持ウェブ24は、クランプカバー17の半割孔20.2に形成されている。図4における図示から分かるように、半割孔20.2はクランプカバー17において、クランプカバー17の全幅にわたって延びている。半割孔20.2の両側には、複数のねじ孔31が形成されている。これらのねじ孔31は、クランプブロック16と一緒に分割接合部28を生ぜしめる分割面32に、均一に分配されて形成されている。
【0038】
図5における図示から分かるように、保持ウェブ24はクランプカバー17において異なったウェブ高さを備えて形成されている。これによって保持ウェブ24は、半割孔20.2の底部において最大のウェブ高さを有しており、このウェブ高さは、半割孔20.2の縁部に向かって連続的に減じられていて、該縁部においてゼロとなっている。
【0039】
巻取りスピンドルの、上に記載した実施形態において示された構造は、一例である。本発明における主要な思想は、クランプ結合装置を用いて巻取りスピンドルが巻取りタレットに保持されていることにある。これによって、簡単化された組立て可能性のみならず、特に、極めて長く突出する巻取りスピンドルにおいて発生する、大きな曲げモーメントを受け止めることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5