(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6840160
(24)【登録日】2021年2月18日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】軌道工事作業を行う軌道工事車両
(51)【国際特許分類】
E01B 29/16 20060101AFI20210301BHJP
【FI】
E01B29/16
【請求項の数】7
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-542706(P2018-542706)
(86)(22)【出願日】2017年1月18日
(65)【公表番号】特表2019-504952(P2019-504952A)
(43)【公表日】2019年2月21日
(86)【国際出願番号】EP2017000051
(87)【国際公開番号】WO2017140405
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2019年10月4日
(31)【優先権主張番号】A73/2016
(32)【優先日】2016年2月15日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ヴァイタースベアガー
【審査官】
彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】
仏国特許発明第01013191(FR,A)
【文献】
特公昭26−003583(JP,B1)
【文献】
特開2009−046873(JP,A)
【文献】
特開昭58−044102(JP,A)
【文献】
特開平07−071002(JP,A)
【文献】
特表2008−514835(JP,A)
【文献】
特開2002−347626(JP,A)
【文献】
米国特許第05520497(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 29/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械長手方向(3)で互いに離間した複数のレール走行装置(4)を有する機械フレーム(2)を備え、該機械フレーム(2)は、機械横方向(9)に関して、互いに離間した2つの側梁(10)によって画定されている、軌道工事作業を行う軌道工事車両であって、
少なくとも一方の前記側梁(10)は、反対側の前記側梁(10)から背離した梁外面(11)において、レール(12)を収容すべく設けられたレール輸送装置(13)に結合されており、前記レール輸送装置(13)は、スライド駆動装置(20)により機械横方向(9)で前記機械フレーム(2)に対して相対的に、輸送位置と積み卸し位置とによって区切られるスライド範囲内でスライド自在であることを特徴とする、軌道工事車両。
【請求項2】
前記レール輸送装置(13)は、鉛直方向に関して前記側梁(10)の上端(17)と下端(18)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の車両。
【請求項3】
前記レール輸送装置(13)は、キャリッジガイド(14)に沿って機械横方向(9)でスライド自在に支持される、レール支持面(15)を有する可動キャリッジ(16)として形成されていることを特徴とする、請求項2記載の車両。
【請求項4】
前記側梁(10)は、横断面で見てI字形の梁として形成されており、前記上端(17)および前記下端(18)に、水平方向で延びる梁フランジ(19)を1つずつ有し、前記レール支持面(15)と前記梁フランジ(19)とによって区切られる距離(d)は、少なくとも、輸送したいレール(12)の高さに合わせて形成されていることを特徴とする、請求項3記載の車両。
【請求項5】
前記キャリッジガイド(14)は、前記側梁(10)に結合される第1のガイドレール(21)と、前記第1のガイドレール(21)にヒンジ(22)により結合される第2のガイドレール(23)とから構成されており、前記スライド範囲に相当する長さを有することを特徴とする、請求項3記載の車両。
【請求項6】
両前記側梁(10)の各々は、機械長手方向(3)で互いに離間した3つの輸送装置(13)に結合されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の車両。
【請求項7】
各可動キャリッジ(16)は、3つのセンタリングリブ(25)を有し、該センタリングリブ(25)は、前記レール支持面(15)から突出し、機械長手方向で延び、レール底部(24)を収容すべく機械横方向(9)で互いに離間していることを特徴とする、請求項3記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械長手方向で互いに離間した複数のレール走行装置を有する機械フレームを備え、機械フレームは、機械横方向に関して、互いに離間した2つの側梁によって画定されている、軌道工事作業を行う軌道工事車両に関する。
【背景技術】
【0002】
このような軌道工事車両は、多種多様なものが公知となっており、軌道における様々な保線作業を行うべく、クレーンを装備しているものが多い。短距離の軌道区間でレールを更新することが必要な場合もある。このために経済面で有利であるのは、新品のレールを軌道工事車両によって工事現場へ輸送することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、簡単化されたレール輸送が可能な、冒頭で述べた形態の軌道工事車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明によると、この種の軌道工事車両において、少なくとも一方の側梁が、反対側の側梁から背離した梁外面において、レールを収容すべく設けられたレール輸送装置に結合されており、レール輸送装置は、スライド駆動装置により機械横方向で機械フレームに対して相対的に、輸送位置と積み卸し位置とによって区切られるスライド範囲内でスライド自在であることによって解決される。
【0005】
このように形成したレール輸送装置は、20メートルまでの長さのレールを必要に応じて輸送したとしても、他の軌道工事作業のための軌道工事車両の多面的な使用可能性を損ねないという特別な利点を有している。レールの積み卸しは、この機械自身のクレーンによって問題なく実施可能である。レール輸送装置は、機械フレームの側梁の側面に配置するものであるため、既に使用されている機械に後付けすることも可能である。
【0006】
本発明のさらなる利点は、従属請求項および図面の説明から看取可能である。
【0007】
以下に、本発明について、図面に示した一実施例を基に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】様々な軌道工事作業を行うように形成した、レール輸送装置を備える軌道工事車両を簡略化して示す側面図である。
【
図2】レール輸送装置を機械長手方向で見た図である。
【
図3】レール輸送装置を機械長手方向で見た図である。
【
図4】レール輸送装置を機械横方向で見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に看取可能な、軌道工事作業を行う軌道工事車両1は、機械長手方向3で互いに離間した複数のレール走行装置4を有する機械フレーム2を備え、軌道5上を走行可能である。端に配置される運転室6に加え、軌道工事従事者用の保安室7と、駆動装置により旋回調節可能かつ高さ調節可能なクレーン8も設けられている。
【0010】
図2に看取可能であるように、機械フレーム2は、機械横方向9に関して、互いに離間した2つの側梁10によって画定されている。側梁10は、それぞれ、反対側の側梁10から背離した梁外面11において、レール12を収容すべく設けられた、機械長手方向3で相前後して配置される計3つのレール輸送装置13に結合されている(
図1参照)。簡略化のため、反対側の側梁10に配置される輸送装置13は、
図2では図示を省略した。
【0011】
図2ないし4に看取可能であるように、レール輸送装置13は、キャリッジガイド14に沿って機械横方向9でスライド自在に支持される、レール支持面15を有する可動キャリッジ16として形成されている。側梁10は、横断面で見てI字形の梁として形成されており、上端17および下端18に、水平方向で延びる梁フランジ19を1つずつ有している。レール支持面15と上側の梁フランジ19とによって区切られる距離dは、輸送したいレール12の高さに合わせて形成されている。
【0012】
レール輸送装置13は、鉛直方向に関して側梁10の上端17と下端18との間に配置されている。可動キャリッジ16は、スライド駆動装置20により機械横方向9で機械フレーム2に対して相対的に、輸送位置(
図2参照)と積み卸し位置(
図3参照)とによって区切られるスライド範囲内でスライド自在である。
【0013】
特に
図4との関連からも看取可能であるように、可動キャリッジ16の両側に設けられたキャリッジガイド14は、それぞれ、側梁10に結合される第1のガイドレール21と、第1のガイドレール21にヒンジ22により結合される第2のガイドレール23とから構成されている。キャリッジガイド14は、可動キャリッジ16のスライド範囲に相当する長さを有している。各可動キャリッジ16は、ガイドレール21,23内で支持されるガイドローラ26に結合されている。レール支持面15は、複数のセンタリングリブ25を有し、これらのセンタリングリブ25は、レール支持面15から突出し、機械長手方向3で延び、レール底部24を収容すべく機械横方向9で互いに離間している。
【0014】
レール12の積み卸しを行うには、第2のガイドレール23を、第1のガイドレール21と一直線になる使用位置へ外方旋回させ、ロックする。続いて、可動キャリッジ16を、スライド駆動装置20の作動により、
図3に看取可能な積み卸し位置へスライドさせる。クレーン8を用いて両レール12(必要に応じて片方のみでもよい)をレール支持面15上に下ろし、輸送ロック装置27によりそれぞれの可動キャリッジ16に結合する。
【0015】
スライド駆動装置20を作動させて、可動キャリッジ16を両レール12共々輸送位置(
図2参照)へスライドさせる。固定装置28(
図4参照)を用いて、可動キャリッジ16の輸送ロックを行う。最後に、第2のガイドレール23を、
図2および4に看取可能な輸送位置へ旋回させ、固定する。工事現場に到着したら、可動キャリッジ16を積み卸し位置へスライドさせ、再びクレーン8を用いて両レール12を軌道5上に下ろす。