(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ベルト部材(30)は、前記ポーチ本体(2)から左右方向の反対側へ延びる一対の帯状のベルト部(32)を含み、これらベルト部(32)の先部(36)同士を締結することができるとともに、各ベルト部(32)の先部(36)側を、背負い袋本体(20)に設けられた締結部材(26)に締結することが可能に構成したことを特徴とする、請求項1に記載の背負い袋兼用ウエストポーチ。
前記ポーチ本体(2)の前壁部(4)と後壁部(8)との間の空間を2つに仕切るパーティション(16)を、これら前壁部(4)及び後壁部(8)の間に掛け渡して設け、
前記空間のうちのパーティション(16)の下側の部分を袋収納部(Q)に、また当該パーティションの上側の部分を物品収納部(R)にそれぞれ形成し、
この物品収納部(R)に対して物品を出し入れするための上側主開口部(A2)を前記ポーチ本体(2)の天蓋部(18)に設けたことを特徴とする、請求項3に記載の背負い袋兼用ウエストポーチ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のものでは、腰巻きベルトを備えたウエストポーチの本体と肩掛けベルトを備えた背負いバッグとを単に結合させ、後者を前者に内蔵させただけに過ぎず、次の点で使い勝手がよくなかった。
第1に、ウエストポーチに腰巻きベルトを、背負いバッグに肩掛けベルトをそれぞれ設けているから、全体として嵩張り、重量も大きくなる。
第2に、ウエストバッグ内から背負いバッグを外部に展開してその肩バンドを利用者の肩にかけて背負い袋として使用するときに、ウエストバッグから腰巻きベルトが垂れ下がっていると、腰巻きベルトが利用者の身体に当たったりして、都合が悪い。
この不都合は、例えば腰巻きベルトをウエストバッグの本体から一旦取り外して、本体内にしまうなどの工夫で或る程度解消できる。しかしながら、腰巻きベルトを取り外して本体内にしまう手間が生ずるので、面倒であり、使い勝手が悪いことに変わりがない。
【0005】
本発明の目的は、使い勝手の良い背負い袋兼用ウエストポーチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、袋収納部Qを有するポーチ本体2と、
前記袋収納部Q内に収納すること及び当該袋収納部Qから展開することが可能に、前記ポーチ本体2に取り付けられた背負い袋本体20と、
前記ポーチ本体2に取り付けられ、肩掛けベルト及び腰巻きベルトを兼ねるベルト部材30とを具備し、
前記ポーチ本体2は、前記背負い袋本体20を前記袋収納部Q内から展開された状態で、背負い袋本体20の上半部20bに配置されるように構成されている。
【0007】
本手段では、袋収納部Qを有するポーチ本体2と、このポーチ本体2に取り付けられた背負い袋本体20と、前記ポーチ本体2に取り付けられ、肩掛けベルト及び腰巻きベルトを兼ねるベルト部材30とからなる、背負い袋兼用のウエストポーチを提案している。
前記ベルト部材30が肩掛けベルト及び腰巻きベルトを兼ねるから、肩掛けベルトと腰巻きベルトとを別々に設ける場合に比べて嵩張らず、使い勝手がよい。
「袋収納部」は、図示例では、ポーチ本体の物品収納部と仕切っているが、両者を区別せずに、物品収納部と兼用してもよい。
「ベルト部材」は、図示例では、一対のベルト部で形成しているが、一本のベルトとして形成しても構わない。
【0008】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
前記ベルト部材30は、前記ポーチ本体2から左右方向の反対側へ延びる一対の帯状のベルト部32を含み、これらベルト部32の先部36同士を締結することができるとともに、各ベルト部32の先部36側を、背負い袋本体20に設けられた締結部材26に締結することが可能に構成した。
【0009】
本手段では、肩掛けベルト及び腰巻きベルトを兼ねるベルト部材30の好適な形態を提案している。当該ベルト部材は、前記ポーチ本体2から左右方向の反対側へ延びる一対の帯状のベルト部32を含み、腰巻ベルトとして使用するときには、これらベルト部32の先部36同士を締結し、また肩掛けベルトとして使用するときには、各ベルト部32の先部36側を、背負い袋本体20に設けられた締結部材26に締結することが可能に構成している。従って、腰巻ベルトとしても肩掛けベルトとしても使い勝手がよく、便利である。
なお、締結部材26は、背負い袋本体20の下半部20aに設けることが好適である。
【0010】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ前記袋収納部Qは、前記ポーチ本体2の内部に設けられており、
このポーチ本体2の下端寄りに、前記背負い袋本体20を外部へ展開するための補助開口部Bを、この補助開口部Bより高い位置に前記ポーチ本体2内の収納品を取り出すための主開口部Aをそれぞれ形成している。
【0011】
本手段では、
図5に示す如く、ポーチ本体2の下端寄りに、前記背負い袋本体20を外部へ展開するための補助開口部Bを設けている。このレイアウトによれば、肩掛けベルト及び腰巻きベルトをカバー部材で兼用することを無理なく実現することができる。
【0012】
第4の手段は、第3の手段を有し、かつ前記ポーチ本体2の前壁部4と後壁部8との間の空間を2つに仕切るパーティション16を、これら前壁部4及び後壁部8の間に掛け渡して設け、
前記空間のうちのパーティション16の下側の部分を袋収納部Qに、また当該パーティションの上側の部分を物品収納部Rにそれぞれ形成し、
この物品収納部Rに対して物品を出し入れするための上側主開口部A2を前記ポーチ本体2の天蓋部18に設けている。
【0013】
本手段では、
図3(A)に示す如く、前記ポーチ本体2の前壁部4と後壁部8との間の空間を2つに仕切るパーティション16を前記前壁部4及び後壁部8の間に設けることを提案している。そして前記パーティション16の下側に袋収納部Qに、また当該パーティションの上側の部分を物品収納部Rにそれぞれ形成している。
従ってポーチ本体2の天蓋部18の上側主開口部A2から物品を出し入れできるともに、また前記ポーチ本体2の下端寄りの補助開口部Bから背負い袋本体20を展開することができ、使い勝手が良い。
好適な一実施例として、前記パーティション16は、
図1に示すように、前記前壁部4の上端側と前記後壁部8の下端側との間に、或いは、図示はしていないが、前記前壁部4の下端側と前記後壁部8の上端側との間に設けることができる。
【0014】
第5の手段は、第1の手段から第4の手段のいずれかを有し、かつ前記一対のベルト部32は、前記ポーチ本体2の後面の左右方向の中間部に設置された取付部位Cから延びており、
この取付部位Cから左右側方に離間させて、一対のベルト通し10を設けて、各ベルト通し10と前記ポーチ本体2の後面との間に、前記ベルト部32を保持することが可能な左右方向のベルト保持孔Hを形成させるとともに、
前記ベルト通し10の一部に、前記ベルト部32の保持状態を解除できるように分離するとともに再び連結することが可能な分離部12を設けている。
【0015】
本手段では、一対のベルト部32が前記ポーチ本体2の後面の左右方向の中間部に設置された取付部位Cから延びており、
図2に示す如く、この取付部位Cから左右側方に離間させて、一対のベルト通し10を設けている。
また前記ベルト通し10の一部に、前記ベルト部32の保持状態を解除できるように分離するとともに再び連結することが可能な分離部12を設けている。従って
図7及び
図8に示す如く、前記ベルト通し10を外して、前記ベルト部32の上記保持状態を解除した後に、ベルト部32を肩掛けバンドとして長く用いることができ、使い勝手がよい。
【発明の効果】
【0016】
第1の手段に係る発明によれば、ポーチ本体2に取り付けられたベルト部材30が肩掛けベルト及び腰巻きベルトを兼ねるから、肩掛けベルトと腰巻きベルトとを別々に設ける場合に比べて嵩張らず、使い勝手がよい。
第2の手段に係る発明によれば、ポーチ本体2から左右方向の反対側へ延びる一対の帯状のベルト部32を腰巻ベルトとして使用するときには、これらベルト部32の先部36同士を締結し、また肩掛けベルトとして使用するときには、各ベルト部32の先部36側を、背負い袋本体20に設けられた締結部材26に締結することができるから、腰巻ベルトとしても肩掛けベルトとしても使い勝手がよい。
第3の手段に係る発明によれば、ポーチ本体2の下端寄りに、前記背負い袋本体20を外部へ展開するための補助開口部Bを設けたから、肩掛けベルト及び腰巻きベルトを兼ねるレイアウトを無理なく実現することができる。
第4の手段に係る発明によれば、前記ポーチ本体2の前壁部4と後壁部8との間の空間を2つに仕切るパーティション16の下側に袋収納部Qに、また当該パーティションの上側の部分を物品収納部Rにそれぞれ形成したから、ポーチ本体2の天蓋部18の上側主開口部A2から物品を出し入れできるともに、また前記ポーチ本体2の下端寄りの補助開口部Bから背負い袋本体20を展開することができ、使い勝手が良い。
第5の手段に係る発明によれば、一対のベルト部32が前記ポーチ本体2の後面の左右方向の中間部に設置された取付部位Cから延びており、この取付部位Cから左右側方に離間させて、一対のベルト通し10を設けるとともに、ベルト通し10の一部に、前記ベルト部32の保持状態を解除できるように分離するとともに再び連結することが可能な分離部12を設けたから、上記保持状態の解除により、ベルト部32を肩掛けバンドとして長く用いることができ、使い勝手がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1から
図8は、背負い袋兼用のウエストポーチを示している。
この背負い袋兼用のウエストポーチは、ポーチ本体2と、背負い袋本体20と、ベルト部材30とで構成されている。これら各部材は、例えば布材或いは合成樹脂で形成することができる。
【0019】
ポーチ本体2は、品物を収納するための物品収納部Rと前記背負い袋本体20を収納するための袋収納部Qとを有する。図示例では、ポーチ本体2の内部を後述のパーティション16で上下二つに仕切って、上側の空間を物品収納部Rに、また下側の空間を袋収納部Qにそれぞれ形成している。
もっともこの構成は適宜変更することができ、例えば前記パーティションを省略して、前記袋収納部Qと前記袋収納部Rとを兼ねる同じ空間に背負い袋本体20と収納物品とを収納するようにしてもよい。また前記袋収納部Qは、ポーチ本体2の外側に付設した収納部(外袋)としても構わない。
【0020】
本実施形態のポーチ本体2は、
図1に示すように、左右方向に長い袋状であり、前壁部4と後壁部8とパーティション16と天蓋部18とで構成されている。
そして、ポーチ本体2の下縁に背負い袋本体20を外部へ展開するための補助開口部Bを、また、補助開口部Bより上側の箇所(図示例ではポーチ本体2の上端寄りの箇所)に収納物品を出し入れするための主開口部Aを、それぞれ形成している。
なお、本明細書では、便宜的に、
図1の左右方向を“左”及び“右”と、同図の手前側を“前”と、同図の奥側を“後”と称するものとする。
また“前壁部”及び“後壁部”とは、ポーチ本体2の内部空間(本実施形態では物品収納部R及び袋収納部Q)の前方、後方を区画する部位を言い、それぞれ布材や柔軟な合成樹脂材などで形成することができる。
【0021】
前記前壁部4は、前方から見て、下側が幅狭の逆台形に形成されている。この前壁部4は、
図3(A)に示す縫い目Sでそれぞれの上端同士及び下端同士を逢着させた第1表地4a及び第1裏地4bで形成されている。
図示例では、前記第1表地4aを、さらに左右方向中間に位置する前面部5と、左右方向の外側に位置する側面部6との2パーツで形成している。
前記前面部5は、側面部6に対して前方に張り出している。
前記側面部6は、
図1に示す如く、前記前面部5の左右両端から後方へ斜めに延びており、左右方向外側へ向かって上下に幅狭となる。
そして図示例では、前記前壁部4の左右両端部を前記側面部6の前端部と前記第1裏地4bとの間に縫い留めて、
図3(A)に示す如く、それら第1裏地4bと前面部5との間に第1ポケットP1を形成している。また前記前面部5の上端部には、左右方向に延びる前側主開口部A1が形成されている。
図示例では、この前側主開口部A1を、帯状のジッパーテープに配列した一連の努歯(ムシ)とスライダーとで構成されるジッパー機構Zとして形成している。もっとも、その構造は適宜変更することができる。
【0022】
前記後壁部8は、
図3(A)に示す縫い目Sで上端部同士を逢着させた第2表地8a及び第2裏地8bで形成されている。
前記第2表地8aの下端部は、前記ジッパー機構Zを介して前記前壁部4の下端部に固定された固定端e1である。
他方、前記第2裏地8bの下端は、後述のパーティション16の下端に縫い付けられているが、前記前壁部4及び前記第2表地8aに対しては、自由に動く自由端e2である。
前記第2表地8aの上部の左右方向には、
図2に示す如く、後述のベルト部材30を取り付けるための取付部位Cが形成されている。図示例では、この取付部位Cを、上下両端を前記第2表地8aに連結した取付片9で形成し、この取付片9の左右両端にベルト部材30を縫い付けるようにしている。
前記取付片9の外側には、ハンガーループLが付設されている。
また前記第2表地8aの上部の左右両側部には、左右一対のベルト通し10を形成している。このベルト通し10は、縦方向に長い帯片の上下両端を前記第2表地8aに連結してなり、
図3(B)に示す如く、この第2表地8aとの間にベルト保持孔Hを形成している。このベルト保持孔Hは、ベルト部材30の挿通箇所を保持する機能を有する。
また本実施形態では、各ベルト通し10の長さ方向の一部(図示例ではベルト通しの下端と第2表地との連結箇所)に、再連結可能に分離できる分離部12が形成されている。図示例では、前記分離部12に、ベルト通し10の下端に付設した係合凸部13bと、前記第2表地8aの対応箇所に付設した係合凹部13aとからなる留め具13を設けることで、前記分離部12の再連結を可能としている。
前記分離部12を分離させ、前記ベルト保持孔Hのベルト保持機能を解除することにより、
図8に示す如く、前記取付部位Cからベルト部材30を延ばすことができる余地(延び代という)を大きくすることができ、背負い袋として使用するときに使い勝手が良い。
前記第2裏地8bの上端部には、
図3(A)に示すように、左右方向に延びる口部14aを形成するとともに、この口部14aの周囲に中袋14の上端部を逢着させている。この中袋14は、前記第2表地8aと前記第2裏地8bとの間に吊り下げられている。
前記中袋14の内部には、第2ポケットP2が形成されている。
【0023】
前記パーティション16は、柔軟な部材で前記前壁部4及び側壁部6と後壁部8との間に架け渡されている。そして前記ポーチ本体2の内部空間のうちで前記パーティション16より上側の部分を物品収納部Rに、また前記パーティション16より下側の部分を袋収納部Qにそれぞれ形成している。
図示例では、前記パーティション16を、
図3(A)に示す如く、前記前壁部4及び側壁部6の上端部と前記後壁部8の第2裏地8bの下端部との間に架け渡している。この構成によれば、前記袋収納部Qを上下方向に長くすることができるので、背負い袋を収納することが容易となる。
もっとも、この構成は適宜変更することができる。例えば前記パーティションを、前記前壁部4及び側壁部6の下端部と前記後壁部8の上端部との間に架け渡してもよい。
【0024】
前記天蓋部18は、
図3(A)に示す如く、前記前壁部4及び前記側壁部6の上端部と前記後壁部8の上端部との間に張設されている。
この天蓋部18の前部には、左右方向に延びる上側主開口部A2が形成されている。
【0025】
背負い袋本体20は、
図6に示す周壁22とこの周壁の下端部を閉塞する底部24とで形成されており、柔軟で折り畳み可能な材料で形成されている。
図示例の背負い袋本体20の下半部20aは、
図7に示す如く、上半部20bに比べて左右に幅広に設けられている。
なお、本明細書において、“上半部”及び“下半部”とは、前記背負い袋本体20を均等に二分したものである必要はなく、例えば前記背負い袋本体の上部及び上下方向の中間部を上半部、背負い袋本体の下部を下半部としてもよい。
前記周壁22の上端部は、前記補助開口部Bの近傍のポーチ本体2の内側に縫い付けなどの方法で固定されている。そして
図3(A)に示すように、折畳み状態で前記袋収納部Q内に収納することができる。
前記周壁22の適所(図示例では前壁部分Wf)には、物品を出し入れするための口部23が設けられている。図示例の口部は、ジッパー機構Zを備えているが、その構造は適宜変更することができる。
また前記周壁22の左右両側には、
図7に示す如く、左右一対の締結部材26が付設されている。各締結部材26は、前記周壁から突出する連結バンド27と、この連結バンド27の先端に取り付けられた袋側締結具28とで形成されている。記袋側締結具28の役割は、後述の左右一対のベルト部32に取り付けられたベルト側締結具40と締結させることである。
図示の袋側締結具28は、相互に結合可能な雄型締結具M及び雌型締結具Fとしている。こうした締結具の構造は従来公知である。
前記連結バンド27の基端部は、前記周壁22の適所(図示例では側壁部分Ws及び後壁部分Wbとの間)に縫い付けるとよい。
なお、本明細書において、“背負い袋”とは、ナップサック及びリュックサックを含む広い概念である。
【0026】
ベルト部材30は、腰巻ベルトと肩掛けベルトを兼ねる部材であり、ポーチ本体2からほぼ横方向に延びる腰巻ベルトとしての使用態様と、背負い袋の上部側からほぼ縦方向へ延びる肩掛けベルトとしての使用態様との双方に適した構成とすることが好適である。
本実施形態では、
図8に示す展開状態での背負い袋本体20の上半部に前記ポーチ本体2が配置されるように設けるとともに、このポーチ本体2の後面の幅方向の中間位置に設置された取付け部位Cに前記ベルト部材30を取り付けている。
そして、このベルト部材30を横方向へ延出させるときには、前記ベルト通し10を挿通させることができ、またベルト部材30をほぼ縦方向に延出させるときには、
図8の右半部に示すように、ベルト通し10から前記ベルト部材30を外すことができるようにしている。
もっとも、この構成は適宜変更することができ、図示はしないが、例えば前記ベルト部材30の基部を前記ポーチ本体2の適所(例えば後面左右両部又は左右方向中間部)に対して縦方向と横方向との間で回転可能に形成してもよい。
また図示はしないが、前記ポーチ本体2の裏面に、前記ベルト本体30が縦向きの状態及び横向きの状態で当該ベルト本体の基部を取り付け可能な2種類の取付部位を形成し、それぞれに着脱可能としても構わない。
この場合、前記ベルト部材30は、一本のベルトで形成することができる。ポーチ本体2から延出するベルトの先部側に後述の締結具を取り付けるとともに、腰巻きベルトの使用態様で当該締結具を固定できる締結部位を前記ポーチ本体2の適所に、また肩掛けベルトの使用態様で当該締結具を固定できる締結部位を前記背負い袋本体20の適所にそれぞれ設けるとよい。
【0027】
本実施形態においては、前記ベルト本体20は、左右一対の帯状のベルト部32からなり、これらベルト部32は、
図2に示す如く、前記ポーチ本体2の取付部位Cから左右方向に延びている。図示例では、各ベルト部32の基部34を前記取付片9の内側に縫い付けている。
もっともこれらの構造は、適宜変更することができる。例えば、一本のベルトを前記取付片9とポーチ本体2の後壁部8との間に挿通させ、ベルトの長手方向の中間部を前記取付部位に縫い付けても構わない。
前記一対のベルト部32は、相互に同一構造に形成することが望ましい。
各ベルト部32の先部36側には、ベルト側締結具40が取り付けられている。
このベルト側締結具40は、これら袋側締結具28と同タイプの雄型、雌型の締結具とする。そして、左のベルト側締結具40及び左の袋側締結具28同士、並びに、右のベルト側締結具40及び右の袋側締結具28同士がそれぞれ締結できるように雌雄の選択をするものとする。
本実施形態では、各ベルト部32の先端部に従来公知の長さ調整用バックル38を取り付けるとともに、この長さ調整用バックル38に、前記ベルト部32の取付部位C寄りの部分を挿通させてベルト部32の先部36をループに形成し、このループに前記ベルト側締結具40を取り付けている。
【0028】
前記構成において、ウエストポーチとして用いるときには、
図1の状態から一対のベルト部32を利用者の腰に巻き、そして一対のベルト側締結具40を相互に結合すればよい。
前記ベルト部32の長さが短すぎるとき又は長すぎるときには、前記長さ調整用バックル38を移動することにより、適宜調節することができる。
そして上側主開口部A2を開いて、物品収納部Rに物品を収納することができる。このとき物品収納部Rはパーティション16により袋収納部Qに対して仕切られているので、物品と背負い袋本体20とが一緒に収納され、背負い袋本体20に汚れが付着することを防止できる。
必要により、第1ポケットP1及び第2ポケットP2内にも物品を収納することができる。
次に背負い袋として使用するときには、
図5に示すように、補助開口部Bを開いて、袋収納部Qから背負い袋本体20を展開する。
次に
図7及び
図8に示すように、左右一対のベルト通し10の分離部12を順次分離させて、各ベルト部32をベルト通し10から外す。こうして、前記ポーチ本体2の取付部位Cからのベルト部32の延び代を大きくする。こうすることにより、前記取付部位Cから利用者の肩に対してベルト部32をスムーズに掛けることが可能となる。
次に左のベルト側締結具40及び左の袋側締結具28同士、並びに、右のベルト側締結具40及び右の袋側締結具28同士をそれぞれ締結する。こうして、左右一対のベルト部32を肩に掛けるとよい。
前記背負い袋本体20内には、前記口部14aから物品を出し入れすることができるが、背負い袋として使用している状態で、前記ポーチ本体2の物品収納部R、第1ポケットP1、及び第2ポケットP2にも物品を収納することができる。
前記構成によれば、ベルト部32を、腰巻ベルトとしても肩掛けベルトとしても兼用することができる。従って、例えば背負い袋して使用するときに、ウエストポーチの腰巻ベルトをポーチ本体に収納するなどの手間を必要とせず、使い勝手がよい。