特許第6840190号(P6840190)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6840190
(24)【登録日】2021年2月18日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】カソードを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C25C 7/02 20060101AFI20210301BHJP
   C25C 1/12 20060101ALI20210301BHJP
【FI】
   C25C7/02 302F
   C25C1/12
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-100099(P2019-100099)
(22)【出願日】2019年5月29日
(62)【分割の表示】特願2015-532252(P2015-532252)の分割
【原出願日】2013年9月26日
(65)【公開番号】特開2019-163549(P2019-163549A)
(43)【公開日】2019年9月26日
【審査請求日】2019年5月29日
(31)【優先権主張番号】2012904201
(32)【優先日】2012年9月26日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519285145
【氏名又は名称】アイピーエイチケイ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IPHK Pty Ltd
(73)【特許権者】
【識別番号】515080401
【氏名又は名称】グレンコア テクノロジー プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLENCORE TECHNOLOGY PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】セレソ、ジェイソン ロバート
【審査官】 祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−537053(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0153435(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25C 7/02
C25C 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の導電棒と、導電部材と、プレートと、を含むカソードを製造する方法において、前記方法は、
前記中空の導電棒の内面に前記導電部材を取り付ける工程と、
前記中空の導電棒に前記プレートを取り付ける工程と、
を含み、
少なくとも前記中空の導電棒の頂部の一部は前記プレートの上面より下に延びている、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法は、前記導電棒の第1の部分及び第2の部分が軸方向に整列され、前記導電棒の第3の部分が前記第1の部分及び前記第2の部分から軸方向にオフセットされ、かつ前記導電棒の第4の部分が前記第2の部分及び前記第3の部分の間に配置されるように、前記中空の導電棒を形成する工程を更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法は、前記導電棒の第1の部分及び第2の部分が軸方向に整列され、前記導電棒の第3の傾斜部分及び第4の傾斜部分が前記第1の部分及び前記第2の部分の間に配置され、かつ前記第3の傾斜部分の軸及び前記第4の傾斜部分の軸が前記第1の部分の軸及び前記第2の部分の軸に対して角度をなすように同導電棒を形成する工程を更に含む、方法。
【請求項4】
前記第3の傾斜部分及び前記第4の傾斜部分は鈍角を形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の傾斜部分及び前記第4の傾斜部分は、直角又は鋭角を形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
中空の導電棒の内面に導電部材を取り付ける前記工程は、前記導電棒を形成する前に、同導電棒の内面に前記導電部材を溶接することを含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記中空の導電棒を形成する工程は、前記導電棒をロール成形することを含む、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解プロセスのための電極に関する。より詳細には、本発明は、電解プロセスのためのカソードに関するが、それに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
電解プロセスのためのカソードは、導電棒と、導電棒から懸装しているステンレス鋼製又はチタン製のプレートであって電解液に配置されるプレートとから構成されている。
既存のカソードの問題点は、(かなり導電性の高い金属である)銅から形成される導電棒がステンレス鋼製又はチタン製のプレートに溶接される点にある。当該問題点は、そのような溶接を行うことが難しく、生成される酸性霧に対する抵抗性が不十分で、溶接部がすぐに腐食して、プレートが離脱してしまう結果となる可能性がある点にある。
【0003】
銅を別の金属に置き換える場合の問題点は、著しい電圧降下が起こりうる点にあり、これは使用時における電極の数によって乗算され、大電流は作業コストを実質的に増大する。これを回避する一つの方法は、ステンレス鋼製の導電棒を銅でコーティングすることであるが、この銅のコーティングは、電解操作時の酸性霧により生成される腐食によって、しばらくすればステンレス鋼から分離されることとなり、より大きな電圧降下につながる。
【0004】
従来技術の別の解決策は、ステンレスを3部分プロセスで銅に溶接することであり、当該プロセスでは、最初のゾーンは銅−ニッケル合金から形成され、中間ゾーンは大部分がニッケル合金から形成され、そして第二のゾーンはステンレス鋼−ニッケルから形成される。これは満足のゆく解決策となるが、ニッケル電極を使用する特殊な溶接プロセスが必要となる。
【0005】
本明細書に含められた文献、法令、材料、装置、論文等の任意の説明は、本発明ための内容を提供する目的のためのものである。これらの事項の任意のもの、若しくは全ては、従来技術の基礎の一部を形成するか、又は本出願の各請求項についての優先日以前に存在していた本発明に関連する分野において一般的な常識であったことを認めているものとして受け取られるべきものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記した問題点の一つ若しくは複数を解決するか、若しくは少なくとも軽減するか、及び/又は購入者に有用な選択若しくは商業上の選択を提供することにある。
【0007】
本発明のその他の好ましい目的は、以下の記載から明らかにあるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一形態において、最も広い形態のみであるか、又は実際に最も広い形態である必要はないが、本発明は、電解プロセスのための電極に属し、同電極は、
導電棒と、
導電棒に取り付けられるプレートと、を含み、
導電棒は、同導電棒の導電率を増大させるために当該導電棒に取り付けられる導電部材を備える。
【0009】
好ましくは、電極はカソードである。より好ましくは、カソードは、銅の生産の電解プロセスのために使用され得る。
好ましくは、電解プロセスは銅の生産の電解プロセス、例えば、銅の電解精製又は銅の電解採取である。
【0010】
好ましくは、導電棒はステンレス鋼から形成される。代替的に、導電棒は例えば、チタンのような別の適切な金属又は合金から形成されてもよい。導電棒は、懸吊棒として参照され得ることが理解されるであろう。好ましくは、導電部材は、溶接によって導電棒に取り付けられる。導電棒は、好ましくは内面を有する。好ましくは、導電棒は中空である。より好ましくは、導電棒はロール成形によって形成される管の形状を有する。
【0011】
ロール成形は、典型的には連続した曲げ加工操作であり、同操作において金属の長いシート状ストリップを、連続したスタンドに取り付けられた複数のローラ対の間を通過させ、所望の断面プロファイルが得られるまで各対が曲げ加工の漸進的な(incremental)部分のみを実施する。ロール成形操作において使用されるロールの設計は、典型的にはフラワー形成(flower formation)から始められ、それは、各スタンドのロールが一つのプロファイルであるプロファイル断面の連続体(sequence)である。
【0012】
好ましくは、導電部材は銅又は銅合金から形成される。代替的に、導電部材は、低抵抗率を有する別の適切な金属又は合金から形成されていてもよい。典型的には、導電部材は導電棒の内面に溶接される。好ましくは、導電部材は、導電棒が形成される前に同導電棒の内面に溶接される。例えば、導電部材は、シート又はプレートに溶接され、その後、ロール成形されて導電棒となる。
【0013】
好ましくは、プレートはステンレス鋼から形成される。代替的に、プレートはチタンのような別の適切な金属又は合金から形成されていてもよい。
好ましくは、導電棒はプレートと同じ材料から形成される。より好ましくは、導電棒及びプレートは、ステンレス鋼から形成される。典型的には、プレートは導電棒に溶接される。代替的に、プレートは導電棒と一体的に形成され得る。
【0014】
一実施形態において、導電棒は、軸方向にほぼ整列されている第1及び第2の部分と、同第1及び第2の部分から軸方向にオフセットされた第3の部分と、第1及び第3の部分の間に配置された第4の部分と、第2及び第3の部分の間に配置された第5の部分と、を有していてもよい。典型的には、プレートは第3の部分に取り付けられる。好ましくは、第3の部分の軸は、第1及び第2の部分の軸の基準位置(level)の下側にある。このような構成の利点は、プレートのより多くの部分が、電解液と接触可能となる点にある。好ましくは、導電棒はそのような形状にロール成形される。
【0015】
別の形態において、本発明は、電極を製造する方法に属し、同方法は:
導電棒の内面に導電部材を取り付ける工程と、
プレートを導電棒に取り付ける工程と、を含む。
【0016】
好ましくは、導電棒の内面に導電部材を取り付ける工程は、導電棒に導電部材を溶接することを含む。
好ましくは、プレートを導電棒に取り付ける工程は、導電棒にプレートを溶接することを含む。
【0017】
好ましくは、方法は、導電棒を中空の形状及び/又は管状の形状に形成することを含む。好ましくは、導電棒を中空の形状及び/又は管状の形状に形成することは、導電棒をロール成形することを含む。
【0018】
好ましくは、方法は、第1及び第2の部分が軸方向にほぼ整列し、第3の部分が同第1及び第2の部分から軸方向にオフセットされており、第4の部分が第1及び第3の部分の間に配置され、第5の部分が第2及び第3の部分の間に配置されるように導電棒を形成することを含む。好ましくは、導電棒をそのような形態に形成する工程は、導電棒をロール成形することを含む。より好ましくは、方法は、第1及び第2の部分が軸方向にほぼ整列し、第3の傾斜部分と第4の傾斜部分とが第1及び第2の部分の間に配置されるように導電棒を形成することを含み、この構成では第3の傾斜部分の軸及び第4の傾斜部分との軸が第1の部分の軸及び第2の部分の軸に対して角度をなしている。好ましくは、第3の傾斜部分と第4の傾斜部分とは鈍角を形成する。代替的に、第3の傾斜部分と第4の傾斜部分とは直角又は鋭角を形成する。好ましくは、第3の傾斜部分は第4の傾斜部分に隣接している。
【0019】
更なる形態において、本発明は、電解プロセスのための電極に属し、同電極は:
導電棒と、
導電棒に取り付けられるプレートと、を含み、導電棒の少なくとも一部はプレートの上縁より下に延びている(dip)。
【0020】
好ましくは、少なくとも導電棒の頂部はプレートの上縁より下に延びている。好ましくは、導電棒は、軸方向にほぼ整列している第1及び第2の部分と、第1の部分及び第2の部分の間に配置される第3の傾斜部分と第4の傾斜部分と、を有し、第3の傾斜部分の軸及び第4の傾斜部分の軸が第1の部分の軸及び第2の部分の軸に対して角度をなしている。好ましくは、第3の傾斜部分と第4の傾斜部分とは鈍角を形成する。代替的に、第3の傾斜部分と第4の傾斜部分とは直角又は鋭角を形成する。好ましくは、第3の傾斜部分は第4の傾斜部分に隣接している。好ましくは、第3の傾斜部分と第4の傾斜部分とは、プレートの上縁に対して内向きに延びている。
【0021】
好ましくは、プレートは少なくとも一つの切り欠き部を含む。好ましくは、少なくとも一つの切り欠き部は、プレートの上縁によって画定された面と、導電棒の最下部によって画定された面と、の間に配置される。
【0022】
好ましくは、導電棒は、本明細書に開示されているような導電棒である。代替的に、導電棒は銅及び/又は銅合金から形成されてもよい。
別の形態において、本発明は電極のための中空の導電棒に属し、同導電棒は導電棒の内面に取り付けられた導電部材を有する。
【0023】
好ましくは、導電棒はステンレス鋼から形成される。代替的に、導電棒は例えば、チタンのような別の適切な金属又は合金から形成されてもよい。好ましくは、導電部材は、溶接によって導電棒に取り付けられる。
【0024】
好ましくは、導電部材は、銅又は銅合金から形成される。代替的に、導電部材は、低抵抗率を有する別の適切な金属又は合金から形成されていてもよい。好ましくは、導電部材は、導電棒が形成される前に同導電棒の内面に溶接される。例えば、導電部材は、シート又はプレートに溶接され、その後、ロール成形されて導電棒となる。
【0025】
好ましくは、導電棒は、軸方向にほぼ整列されている第1及び第2の部分と、同第1及び第2の部分から軸方向にオフセットされた第3の部分と、第1及び第3の部分の間に配置された第4の部分と、第2及び第3の部分の間に配置された第5の部分と、を有していてもよい。
【0026】
より好ましくは、導電棒は、軸方向にほぼ整列されている第1及び第2の部分と、第1の部分及び第2の部分の間に配置される第3の傾斜部分と第4の傾斜部分とを有し、第3の傾斜部分の軸及び第4の傾斜部分の軸が第1の部分の軸及び第2の部分の軸に対して角度をなしている。好ましくは、第3の傾斜部分と第4の傾斜部分とは鈍角を形成する。代替的に、第3の傾斜部分と第4の傾斜部分とは直角又は鋭角を形成する。好ましくは、第3の傾斜部分は第4の傾斜部分に隣接している。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、カソードを製造する方法が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来技術のカソードの断面を示す。
図2】本発明の一実施形態に従う概略斜視図を示す。
図3】本発明の一実施形態に従う導電棒及び導電部材の概略断面図を示す。
図4図3の導電棒及び導電部材が共に溶接されている状態の概略断面図を示す。
図5】中空形状に形成された図4の導電棒の概略断面図を示す。
図6図5の導電棒が溶接されている状態の概略断面図を示す。
図7図6の導電棒とプレートとの概略断面図を示す。
図8図7の導電棒とプレートとが溶接されている状態の概略断面図を示す。
図9】本発明の一実施形態に従う導電棒の概略断面図を示す。
図10】本発明の一実施形態に従う電極の概略図を示す。
図11】本発明の一実施形態に従う電極の概略図を示す。
図12】本発明の一実施形態に従う電極の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の理解を支援し、かつ当業者が本発明を実施することを可能にするために、本発明の好ましい実施形態を、添付された図面を参照にして例示のみの目的にて以下に記載する。
【0030】
図1は、銅製の導電棒101とステンレス鋼プレート103とを備える従来技術のカソード100を示す。ステンレス鋼プレート103は、溶接部105によって導電棒101に溶接されている。ステンレス鋼/銅溶接部105の問題点は、それらが腐食を受けやすく、高い構造強度の溶接部を提供することができない点にある。
【0031】
図2を参照すると、カソード10の形態の電極が示されている。カソード10は溶接部32によってプレート30に取り付けられている導電棒20を含む。導電部材26が溶接部28によって導電棒20に取り付けられている。
【0032】
導電棒20及びプレート30はステンレス鋼から形成されており、従って、溶接部32は、腐食に対して抵抗性を有する高い構造強度であるステンレス鋼溶接部である。導電棒20は、内面22を備えた中空である。導電棒20は、溶接部24によって溶接され、管状の導電棒20となる。
【0033】
導電部材26は銅から形成され、溶接部28は、溶接部32ほど強度を備える必要はない。というのも、溶接部28には最小構造負荷がかかるのみだからである。
溶接部28は、ステンレス鋼導電棒20の導電率が銅製の導電部材26によって増強されるように、主として導電性の目的のためのものである。導電棒20の内面22に溶接される導電部材26を有する利点は、導電部材26及び溶接部28が腐食を受けにくいという点にある。導電部材26を導電棒20に溶接させることの利点は、導電部材26が導電棒20に対して構造的な強度を提供する必要がない点にあり、従って、銅製の材料の使用が少なくすみ、費用を低減することができる点にある。
【0034】
図3、4、5、6、7及び8を参照すると、種々の製造段階にあるカソード10が示されている。図3において、導電部材26は導電棒20(即ち、このプレート材料又はシート材料が導電棒となるであろう)の内面22(即ち、この面が内面となるであろう)に配置される。図4において、導電部材26は溶接部によって導電棒20に取り付けられる。図5において、導電棒20は、中空の形状となるようにロール成形される。図6において、導電棒20はその全長に沿って、溶接部24によってシールされる。図7において、プレート30は、導電棒20に隣接して配置される。図8において、プレート30は溶接部32によって導電棒に取り付けられる。
【0035】
図9を参照すると、本発明の一実施形態に従う導電棒20の断面図が示されている。導電棒20は、ステンレス鋼から形成され、導電棒20の内面22に溶接部28によって取り付けられる銅から形成された導電部材26を有する。図9に示されるように、導電部材26は、「U」型の断面を有する。この構成の利点は、導電部材26が、シート材料又はプレート材料から曲げ加工、又はロール成形によって形成できる点にある。
【0036】
図10を参照すると、本発明に従うカソード10が示されており、同カソード10は「直線」形状の導電棒20と、電解液50中に配置されているプレート30とを備える。
図11を参照すると、本発明に従うカソード10が示されており、同カソード10は、軸方向にほぼ整列されている第1の部分70及び第2の部分72とを有する導電棒20を備えており、第3の部分74が第1の部分70及び第2の部分72から軸方向にオフセットされており、第4の部分76が第1の部分70と第3の部分74との間に配置され、第5の部分78が第2の部分72と第3の部分74との間に配置されている。プレート30は導電棒20の第3の部分74に取り付けられている。プレート30は電解液50中に配置されている。
【0037】
図10及び11を比較して参照すると、図11のカソード10は、プレート30のより多くの部分が電解液中にあり、これにより、導電棒20と、電解液50中にあるプレート30の一部との間の電圧低下を低くすることができる。
【0038】
図12を参照すると、本発明に従うカソード10が示されており、同カソード10は、軸方向にほぼ整列されている第1の部分80及び第2の部分82とを有する導電棒20を備えており、第3の傾斜部分84と第4の傾斜部分86とが第1の部分80及び第2の部分82の間に配置されている。第3の傾斜部分84及び第4の傾斜部分86は第1の部分80及び第2の部分82に対して角度をなしている。プレート30は導電棒20に取り付けられており、電解液内に配置されている。図12から明らかなように、導電棒20の第3の傾斜部分84及び第4の傾斜部分86の一部は、プレート30の上縁90よりも下に延びている(dip)。導電棒20とプレート30の上縁90に隣接して切り欠き部60が配置されている。
【0039】
明細書全体にわたって、その目的は、任意の一実施形態又は特定の特徴の集合体に制限することなく本発明を記載することにある。当業者は、特定の実施形態からその変形例を認識することができ、とはいえ、その変形例も本発明の範囲内にある。例えば、ある実施形態の個々の特徴を別の実施形態と組み合わせてもよい。
【0040】
当然のことながら、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、記載された実施形態に対して種々のその他の変更及び修正を行うことができる。
明細書全体にわたって用語“comprise(含む)”又は“comprises”或いは“comprising”といったその変化形は、記載された要素、整数、若しくは工程、又は一群の要素、整数、若しくは工程を含んではいるが、任意のその他の要素、整数、若しくは工程、又は一群の要素、整数、若しくは工程を排除するものではない、ということは理解されるであろう。
【0041】
以下に、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記1]
電解プロセスのためのカソードであって、前記カソードは、
導電棒と、
前記導電棒に取り付けられるプレートと、を含み、
少なくとも前記導電棒の頂部の一部は、前記プレートの上面より下に延びている、カソード。
[付記2]
電解プロセスのためのカソードであって、前記カソードは、
導電棒と、
前記導電棒に取り付けられるプレートと、を含み、
前記導電棒は、同導電棒の導電率を増大するために同導電棒に取り付けられる導電部材を備え、
少なくとも前記導電棒の頂部の一部は前記プレートの上面より下に延びている、カソード。
[付記3]
前記プレートは前記導電棒と一体的に形成されている、付記2に記載のカソード。
[付記4]
前記導電棒は、軸方向に整列されている第1の部分及び第2の部分と、前記第1の部分及び前記第2の部分から軸方向にオフセットされている第3の部分と、前記第1の部分と前記第3の部分との間に配置される第4の部分と、前記第2の部分と前記第3の部分との間に配置される第5の部分と、を有する、付記2又は付記3に記載のカソード。
[付記5]
前記第3の部分の軸は、前記第1の部分及び前記第2の部分の軸の基準位置の下側にある、付記4に記載のカソード。
[付記6]
前記プレートは前記第3の部分に取り付けられる、付記4又は付記5に記載のカソード。
[付記7]
前記導電棒は管状の形状を有し、かつ前記導電部材は、前記導電棒の内面に溶接されている、付記2〜6のいずれか一項に記載のカソード。
[付記8]
前記カソードは、銅の生産の電解プロセスのために使用される、付記1〜7のいずれか一項に記載のカソード。
[付記9]
前記導電棒はステンレス鋼から形成されている、付記1〜8のいずれか一項に記載のカソード。
[付記10]
カソード用の中空の導電棒であって、前記中空の導電棒は、
軸方向に整列されている第1の部分及び第2の部分と
前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置される第3の傾斜部分及び第4の傾斜部分と、
を備え、
前記第3の傾斜部分の軸及び前記第4の傾斜部分の軸は、前記第1の部分の軸及び前記第2の部分の軸に対して角度をなしており、かつ前記導電棒の内面には、導電部材が取り付けられており、
前記導電棒にはプレートが取り付けられており、かつ
少なくとも前記導電棒の頂部の一部は前記プレートの上面より下に延びている、中空の導電棒。
[付記11]
カソードを製造する方法において、前記方法は、
導電棒の内面に導電部材を取り付ける工程と、
前記導電棒にプレートを取り付ける工程と、
を含み、
少なくとも前記導電棒の頂部の一部は前記プレートの上面より下に延びている、方法。
[付記12]
付記11に記載の方法は、前記導電棒の第1の部分及び第2の部分が軸方向に整列され、前記導電棒の第3の部分が前記第1の部分及び前記第2の部分から軸方向にオフセットされ、かつ前記導電棒の第4の部分が前記第2の部分及び前記第3の部分の間に配置されるように、前記導電棒を形成する工程を更に含む、方法。
[付記13]
付記11に記載の方法は、前記導電棒の第1の部分及び第2の部分が軸方向に整列され、前記導電棒の第3の傾斜部分及び第4の傾斜部分が前記第1の部分及び前記第2の部分の間に配置され、かつ前記第3の傾斜部分の軸及び前記第4の傾斜部分の軸が前記第1の部分の軸及び前記第2の部分の軸に対して角度をなすように同導電棒を形成する工程を更に含む、方法。
[付記14]
前記第3の傾斜部分及び前記第4の傾斜部分は鈍角を形成する、付記13に記載の方法。
[付記15]
前記第3の傾斜部分及び前記第4の傾斜部分は、直角又は鋭角を形成する、付記13に記載の方法。
[付記16]
導電棒の内面に導電部材を取り付ける前記工程は、前記導電棒を形成する前に、同導電棒の内面に前記導電部材を溶接することを含む、付記12〜15のいずれか一項に記載の方法。
[付記17]
前記導電棒を形成する工程は、前記導電棒をロール成形することを含む、付記12〜16のいずれか一項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12