【文献】
Ericsson,"Details about CBR measurement",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #87 R1-1612933,[online],2016年11月 5日,pages 1-3,[検索日 2020.09.28],URL,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1612933.zip
【文献】
NEC,"Load balancing via dynamic resource sharing for multiple carriers and pools",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #87 R1-1611722,[online],2016年11月 4日,pages 1-4,[検索日 2020.09.28],URL,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1611722.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロードは、ビーム方向において測定される端末の数、送受信するトラフィック及び干渉度のうち少なくとも1つに対応する値を含むことを特徴とする、請求項1に記載の通信リンクを形成する方法。
前記CBRは、前記チャネルに含まれた全体のリソース中から測定される受信エネルギーが予め設定された第1の閾値以上のリソースの比率に対する値であることを特徴とする、請求項3に記載の通信リンクを形成する方法。
前記受信エネルギーは、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference signal received quality)及びRSRP(Reference signal received power)のうち少なくとも1つ以上で算出される値であることを特徴とする、請求項4に記載の通信リンクを形成する方法。
前記ビーム方向に対応するチャネルに含まれた参照信号(reference signal,RS)に対する受信エネルギーが予め設定された第2の閾値を越えた場合、
前記端末は、前記ビーム方向に対応して測定された前記CBRを有効値として考慮することを特徴とする、請求項3に記載の通信リンクを形成する方法。
前記端末は、前記ロードが予め設定された制限値以上のビーム方向に対応する通信装置と通信リンクを形成しないことを特徴とする、請求項1に記載の通信リンクを形成する方法。
前記予め設定された制限値は、前記端末が送信しようとするパケットの優先順位又はサービスの優先順位別に異なるように設定されることを特徴とする、請求項9に記載の通信リンクを形成する方法。
前記測定されたCBRに基づいて取得した前記ロード情報を含むディスカバリー信号を送信するステップ;をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の通信リンクを形成する方法。
前記少なくとも1つの通信装置が少なくとも1つの基地局である場合、前記ロード情報は、前記少なくとも1つの基地局が送信するPBCH(Physical Broadcast Channel)及びPDCCH(Physical Downlink Control Channel)によって取得されることを特徴とする、請求項1に記載の通信リンクを形成する方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別に明示しない限り、選択的なものとして考慮されてもよい。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されてもよく、また、一部の構成要素及び/又は特徴は結合されて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に代えてもよい。
【0026】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接に通信を行うネットワークの終端ノード(terminalnode)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(uppernode)により行われてもよい。
【0027】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードにより行われるということは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。また、以下の説明において、「基地局」とは、スケジューリング実行ノード、クラスターヘッダー(cluster header)などの装置を指す意味としても使用可能である。もし、基地局やリレーも、端末が送信する信号を送信すれば、一種の端末と見なすことができる。
【0028】
以下に記述されるセルの名称は、基地局(basestation,eNB)、セクタ(sector)、リモートラジオヘッド(remoteradiohead,RRH)、リレー(relay)などの送受信ポイントに適用され、また、特定送受信ポイントで構成搬送波(component carrier)を区分するための包括的な用語で使われてもよい。
【0029】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更されてもよい。
【0030】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すこともできる。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0031】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることができる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明していない段階又は部分は、上記の標準文書でサポートすることができる。なお、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書によって説明することができる。
【0032】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標)Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及びLTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
【0033】
LTE/LTE−Aリソース構造/チャネル
【0034】
図1を参照して無線フレームの構造について説明する。
【0035】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム(subframe)単位で行われ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
【0036】
図1(a)は、タイプ1無線フレームの構造を例示する図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは時間領域(time domain)において2個のスロット(slot)で構成される。1個のサブフレームを送信するためにかかる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msである。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTE/LTE−Aシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いているため、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)はリソース割り当て単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0037】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なってもよい。CPには、拡張CP(extended CP)及び一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1OFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合は、シンボル間干渉をより減らすために、拡張CPを用いることができる。
【0038】
一般CPが用いられる場合、1スロットは7個のOFDMシンボルを含み、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭2個又は3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0039】
図1(b)は、タイプ2無線フレームの構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、2ハーフフレーム(half frame)で構成される。各ハーフフレームは、5サブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period;GP)、及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成され、ここで、1サブフレームは2スロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り送信同期を取るために用いられる。保護区間は、上りリンク及び下りリンク間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプにかかわらず、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
【0040】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0041】
図2は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。同図で、1下りリンクスロットは時間領域で7個のOFDMシンボルを含み、1リソースブロック(RB)は周波数領域で12個の副搬送波を含むとしたが、本発明はこれに制限されない。例えば、一般CP(normal−Cyclic Prefix)では1スロットが7OFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended−CP)では1スロットが6OFDMシンボルを含んでもよい。リソースグリッド上のそれぞれの要素をリソース要素(resource element)と呼ぶ。1リソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの個数N
DLは、下り送信帯域幅による。上りリンクスロットは下りリンクスロットと同一の構造を有することができる。
【0042】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で第1のスロットにおける先頭部の最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下り制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format IndicatorChannel;PCFICH)、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Chanel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上り送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下りリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割り当て及び送信フォーマット、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割り当て情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割り当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信されてもよく、端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組み合わせ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割り当て単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのために必要なCCEの個数は、DICのサイズとコーディングレートなどによって変更されてもよい。例えば、PDCCH送信にはCCEの個数1,2,4,8(それぞれPDCCHフォーマット0,1,2,3に対応)個のうちいずれか1つが用いられてもよく、DCIのサイズが大きい場合及び/又はチャネル状態が良くないため低いコーディングレートが必要な場合、相対的に多い個数のCCEが1つのPDCCH送信のために用いられてもよい。基地局は、端末に送信されるDCIのサイズ、セル帯域幅、下りリンクアンテナポートの個数、PHICHリソース量などを考慮してPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0043】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を含む物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理上りリンク共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して互いに異なった副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
【0044】
参照信号(Reference Signal;RS)
【0045】
無線通信システムにおいてパケットを送信するとき、送信されるパケットは無線チャネルを介して送信されるため、送信過程で信号の歪みが発生し得る。歪んだ信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号で歪みを補正しなければならない。チャネル情報を知るために、送信側と受信側の両方で知っている信号を送信し、前記信号がチャネルを介して受信されるときの歪みの程度によってチャネル情報を知る方法を主に用いる。前記信号をパイロット信号(Pilot Signal)又は参照信号(Reference Signal)という。
【0046】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合には、正しい信号を受信するためには、各送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネル状況を知らなければならない。したがって、各送信アンテナ別に、より詳細にはアンテナポート(port)別に別途の参照信号が存在しなければならない。
【0047】
参照信号は、上りリンク参照信号と下りリンク参照信号とに区分することができる。現在、LTEシステムには上りリンク参照信号として、
【0048】
i)PUSCH及びPUCCHを介して送信された情報のコヒーレント(coherent)な復調のためのチャネル推定のための復調参照信号(DeModulation−Reference Signal;DM−RS)、
【0049】
ii)基地局が、ネットワークが異なる周波数での上りリンクのチャネル品質を測定するためのサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal;SRS)がある。
【0051】
i)セル内の全ての端末が共有するセル−特定の参照信号(Cell−specific Reference Signal;CRS)、
【0052】
ii)特定の端末のみのための端末−特定の参照信号(UE−specific Reference Signal)、
【0053】
iii)PDSCHが送信される場合、コヒーレントな復調のために送信されるDM−RS(DeModulation−Reference Signal)、
【0054】
iv)下りリンクDMRSが送信される場合、チャネル状態情報(Channel State Information;CSI)を伝達するためのチャネル状態情報参照信号(Channel State Information− Reference Signal;CSI−RS)、
【0055】
v)MBSFN(Multimedia Broadcast Single Frequency Network)モードで送信される信号に対するコヒーレントな復調のために送信されるMBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)、
【0056】
vi)端末の地理的位置情報を推定するのに使用される位置参照信号(Positioning Reference Signal)がある。
【0057】
参照信号は、その目的によって2種類に大別することができる。チャネル情報の取得のための目的の参照信号、及びデータの復調のために使用される参照信号がある。前者は、UEが下りリンクへのチャネル情報を取得するのにその目的があるため、広帯域で送信されなければならず、特定のサブフレームで下りリンクデータを受信しない端末であってもその参照信号を受信しなければならない。また、これは、ハンドオーバーなどの状況でも用いられる。後者は、基地局が下りリンクデータを送るとき、当該リソースに共に送る参照信号であって、端末は、当該参照信号を受信することによってチャネル測定をして、データを復調することができるようになる。この参照信号は、データが送信される領域に送信されなければならない。
【0058】
多重アンテナ(MIMO)システムのモデリング
【0059】
図5は、多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
【0060】
図5(a)に示したように、送信アンテナの数をN
t個、受信アンテナの数をN
R個と増やすと、送信機又は受信機でのみ多数のアンテナを用いる場合とは異なり、アンテナの数に比例して理論的なチャネル送信容量が増加する。したがって、送信レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル送信容量が増加することによって、送信レートは、理論的に、単一のアンテナの利用時の最大送信レート(Ro)にレート増加率(Ri)を掛けた分だけ増加し得る。
【0062】
例えば、4個の送信アンテナ及び4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一のアンテナシステムに比べて、理論上、4倍の送信レートを取得することができる。多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ送信率の向上へと導くための様々な技術が現在まで盛んに研究されている。また、いくつかの技術は、既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0063】
現在までの多重アンテナ関連研究動向を見ると、様々なチャネル環境及び多重接続環境での多重アンテナ通信容量計算などに関連する情報理論面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出の研究、送信信頼度の向上及び送信率の向上のための時空間信号処理技術の研究など、様々な観点で盛んに研究が行われている。
【0064】
多重アンテナシステムでの通信方法を、数学的モデリングを用いてより具体的に説明する。前記システムには、N
t個の送信アンテナ及びN
t個の受信アンテナが存在すると仮定する。
【0065】
送信信号を説明すると、N
t個の送信アンテナがある場合、送信可能な最大情報はN
T個である。送信情報は、次のように表現することができる。
【0067】
それぞれの送信情報S
1,S
2,・・・,S
NTは、送信電力が異なってもよい。それぞれの送信電力をP
1,P
2,・・・,P
NTとすれば、送信電力が調整された送信情報は、次のように表現することができる。
【0069】
また、S(頭上にサーカムフレックス)は、送信電力の対角行列Pを用いて、次のように表現することができる。
【0071】
送信電力が調整された情報ベクトルS(頭上にサーカムフレックス)に重み行列W適用されて、実際に送信されるN
t個の送信信号x
1,x
2,・・・,x
NTが構成される場合を考慮してみよう。重み行列W、送信情報を送信チャネルの状況などに応じて各アンテナに適切に分配する役割を果たす。x
1,x
2,・・・,x
NTは、ベクトルXを用いて、次のように表現することができる。
【0073】
ここで、W
ijは、i番目の送信アンテナとj番目の情報との間の重み値を意味する。Wは、プリコーディング行列とも呼ばれる。
【0074】
受信信号は、N
r個の受信アンテナがある場合、各アンテナの受信信号y
1,y
2,・・・,y
NRはベクトルで次のように表現することができる。
【0076】
多重アンテナ無線通信システムにおいてチャネルをモデリングする場合、チャネルは、送受信アンテナインデックスによって区分することができる。送信アンテナjから受信アンテナiを経るチャネルをh
ijと表示することにする。h
ijにおいて、インデックスの順序は受信アンテナインデックスが先で、送信アンテナのインデックスが後であることに留意されたい。
【0077】
一方、
図5(b)は、N
R個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示した図である。前記チャネルをまとめてベクトル及び行列の形態で表示することができる。
図5(b)において、総N
T個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、次のように表すことができる。
【0079】
したがって、N
t個の送信アンテナからN
r個の受信アンテナに到着する全てのチャネルは、次のように表現することができる。
【0081】
実際のチャネルには、チャネル行列Hを経た後に白色雑音(AWGN;Additive White Gaussian Noise)が加えられる。N
R個の受信アンテナのそれぞれに加えられる白色雑音n
1,n
2,・・・,n
NRは、次のように表現することができる。
【0083】
上述した数式モデリングを通じて、受信信号は、次のように表現することができる。
【0085】
一方、チャネル状態を示すチャネル行列Hの行及び列の数は、送受信アンテナの数によって決定される。チャネル行列Hおいて、行の数は受信アンテナの数N
Rと同一であり、列の数は送信アンテナの数N
tと同一である。すなわち、チャネル行列Hは、行列がN
R×N
tとなる。
【0086】
行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行又は列の個数のうち最小の個数として定義される。したがって、行列のランクは、行又は列の個数よりも大きくなることはない。チャネル行列Hランク〔rank(H)〕は、次のように制限される。
【0088】
ランクの他の定義は、行列を固有値分解(Eigen value decomposition)したとき、0ではない固有値の個数として定義することができる。同様に、ランクの更に他の定義は、特異値分解(singular value decomposition)したとき、0ではない特異値の個数として定義することができる。したがって、チャネル行列におけるランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なる情報を送ることができる最大数といえる。
【0089】
本文書の説明において、MIMO送信に対する「ランク(Rank)」は、特定の時点及び特定の周波数リソースで独立して信号を送信できる経路の数を示し、「レイヤ(layer)の数」は、各経路を介して送信される信号ストリームの個数を示す。一般的に送信端は、信号送信に用いられるランク数に対応する個数のレイヤを送信するため、特に言及がない限り、ランクは、レイヤの個数と同じ意味を有する。
【0091】
以下では、上述した説明及び既存のLTE/LTE−Aシステムに基づいて、D2D通信において端末間の同期取得について説明する。OFDMシステムでは、時間/周波数同期が取られていない場合、セル間干渉(Inter−Cell Interference)により、OFDM信号において互いに異なる端末間にマルチプレクシングが不可能となり得る。同期を取るためにD2D端末が同期信号を直接送受信し、全ての端末が個別的に同期を取ることは非効率的である。したがって、D2Dのような分散ノードシステムでは、特定のノードが代表同期信号を送信し、残りのUEがこれに同期を取ることができる。言い換えると、D2D信号送受信のために、一部のノード(このとき、ノードは、eNB、UE、SRN(synchronization reference node又はsynchronization sourceと呼ぶこともできる)であってもよい。)がD2D同期信号(D2DSS、D2D Synchronization Signal)を送信し、残りの端末がこれに同期を取って信号を送受信する方式を用いることができる。
【0092】
D2D同期信号としては、プライマリ同期信号(PD2DSS(Primary D2DSS)又はPSSS(Primary Sidelink synchronization signal))、セカンダリ同期信号(SD2DSS(Secondary D2DSS)又はSSSS(Secondary Sidelink synchronization signal))があり得る。PD2DSSは、所定長さのザドフチューシーケンス(Zadoff−chu sequence)又はPSSと類似/変形/反復された構造などであってもよい。また、DL PSSとは異なり、他のザドフチュールートインデックス(例えば、26,37)を使用することができる。SD2DSSは、M−シーケンス又はSSSと類似/変形/反復された構造などであってもよい。もし、端末がeNBから同期を取る場合、SRNはeNBとなり、D2DSSはPSS/SSSとなる。DLのPSS/SSSとは異なり、PD2DSS/SD2DSSはULサブキャリアマッピング方式に従う。
図6には、D2D同期信号が送信されるサブフレームが示されている。PD2DSCH(Physical D2D synchronization channel)は、D2D信号送受信の前に端末が最も先に知らなければならない基本となる(システム)情報(例えば、D2DSSに関連する情報、デュプレックスモード(Duplex Mode,DM)、TDD UL/DL構成、リソースプール関連情報、D2DSSに関連するアプリケーションの種類、subframe offset、ブロードキャスト情報など)が送信される(放送)チャネルであってもよい。PD2DSCHは、D2DSSと同じサブフレーム上で又は後行するサブフレーム上で送信されてもよい。DMRSは、PD2DSCHの復調のために使用することができる。
【0093】
SRNは、D2DSS、PD2DSCH(Physical D2D synchronization channel)を送信するノードであってもよい。D2DSSは、特定のシーケンスの形態であってもよく、PD2DSCHは、特定の情報を示すシーケンスであるか、又は予め定められたチャネルコーディングを経た後のコードワードの形態であってもよい。ここで、SRNは、eNB又は特定のD2D端末であってもよい。部分ネットワークカバレッジ(partial network coverage)又はカバレッジ外(out of network coverage)の場合には、端末がSRNとなり得る。
【0094】
図7のような状況でカバレッジ外(out of coverage)の端末とのD2D通信のために、D2DSSはリレーされてもよい。また、D2DSSは、多重ホップを介してリレーされてもよい。以下の説明において、同期信号をリレーするということは、直接基地局の同期信号をAFリレーすることだけでなく、同期信号の受信時点に合わせて別途のフォーマットのD2D同期信号を送信することも含む概念である。このように、D2D同期信号がリレーされることによって、カバレッジ内の端末とカバレッジ外の端末とが直接通信を行うことができる。
【0096】
図8には、D2D通信を行うUE1、UE2、及びこれらが用いるD2Dリソースプールの例が示されている。
図8(a)において、UEは、端末又はD2D通信方式に従って信号を送受信する基地局などのネットワーク装備を意味する。端末は、一連のリソースの集合を意味するリソースプール内で特定のリソースに該当するリソースユニットを選択し、当該リソースユニットを用いてD2D信号を送信することができる。受信端末(UE2)は、UE1が信号を送信できるリソースプールの構成(configured)を受け、当該プール(pool)内でUE1の信号を検出することができる。ここで、リソースプールは、UE1が基地局の接続範囲にある場合には、基地局が知らせることができ、基地局の接続範囲外にある場合には、他の端末が知らせたり、又は予め定められたリソースで決定されてもよい。一般に、リソースプールは、複数のリソースユニットで構成され、各端末は、一つ又は複数のリソースユニットを選定して自身のD2D信号送信に用いることができる。リソースユニットは、
図8(b)に例示した通りであってもよい。
図8(b)を参照すると、全体の周波数リソースがN
F個に分割され、全体の時間リソースがN
T個に分割されて、総N
F*N
T個のリソースユニットが定義されることがわかる。ここでは、当該リソースプールがN
Tサブフレームを周期にして繰り返されるといえる。特に、一つのリソースユニットが、図示のように周期的に繰り返して現れてもよい。または、時間や周波数領域でのダイバーシティ効果を得るために、一つの論理的なリソースユニットがマッピングされる物理的リソースユニットのインデックスが、時間によって、予め定められたパターンで変化してもよい。このようなリソースユニットの構造において、リソースプールとは、D2D信号を送信しようとする端末が送信に使用できるリソースユニットの集合を意味し得る。
【0097】
リソースプールは、様々な種類に細分化することができる。まず、各リソースプールで送信されるD2D信号のコンテンツ(contents)によって区分することができる。例えば、D2D信号のコンテンツは区分されてもよく、それぞれに対して別途のリソースプールが構成されてもよい。D2D信号のコンテンツとして、SA(Scheduling assignment又はPhysical sidelink control channle(PSCCH))、D2Dデータチャネル、ディスカバリチャネル(Discovery channel)があり得る。SAは、送信端末が後行するD2Dデータチャネルの送信に使用するリソースの位置、その他のデータチャネルの復調のために必要なMCS(modulation and coding scheme)やMIMO送信方式、TA(timing advance)などの情報を含む信号であってもよい。この信号は、同一のリソースユニット上でD2Dデータと共にマルチプレクスされて送信されることも可能であり、この場合、SAリソースプールとは、SAがD2Dデータとマルチプレクスされて送信されるリソースのプールを意味し得る。他の名称として、D2D制御チャネル(control channel)又はPSCCH(physical sidelink control channel)と呼ぶこともできる。D2Dデータチャネル(又は、PSSCH(Physical sidelink shared channel))は、送信端末がユーザデータを送信するのに使用するリソースのプールであってもよい。同一のリソースユニット上でD2Dデータと共にSAがマルチプレクスされて送信される場合、D2Dデータチャネルのためのリソースプールでは、SA情報を除いた形態のD2Dデータチャネルのみが送信され得る。言い換えると、SAリソースプール内の個別リソースユニット上でSA情報を送信するのに使用されていたREsを、D2Dデータチャネルリソースプールでは、依然としてD2Dデータを送信するのに使用することができる。ディスカバリーチャネルは、送信端末が自身のIDなどの情報を送信して、隣接端末が自身を発見できるようにするメッセージのためのリソースプールであってもよい。
【0098】
D2D信号のコンテンツが同じ場合にも、D2D信号の送受信属性に応じて異なるリソースプールを使用することができる。例えば、同じD2Dデータチャネルやディスカバリメッセージであるとしても、D2D信号の送信タイミング決定方式(例えば、同期基準信号の受信時点で送信されるか、それとも一定のTAを適用して送信されるか)やリソース割り当て方式(例えば、個別信号の送信リソースをeNBが個別送信UEに指定するか、それとも個別送信UEがプール内で独自で個別信号送信リソースを選択するか)、信号フォーマット(例えば、各D2D信号が1サブフレームで占めるシンボルの個数や、一つのD2D信号の送信に使用されるサブフレームの個数)、eNBからの信号の強度、D2D UEの送信電力の強度などによって、再び互いに異なるリソースプールに区分されてもよい。説明の便宜上、D2DコミュニケーションにおいてeNBがD2D送信UEの送信リソースを直接指示する方法をMode1、送信リソース領域が予め設定されていたり、eNBが送信リソース領域を指定し、UEが送信リソースを直接選択したりする方法をMode2と呼ぶことにする。D2D discoveryの場合には、eNBがリソースを直接指示する場合にはType2、予め設定されたリソース領域又はeNBが指示したリソース領域でUEが送信リソースを直接選択する場合はType1と呼ぶことにする。
【0100】
モード1の端末は、基地局から構成されたリソースを介してSA(又は、D2D制御信号、SCI(Sidelink Control Information))を送信することができる。モード2の端末は、基地局からD2D送信に使用するリソースが構成される(configured)。そして、構成されたそのリソースから時間周波数リソースを選択してSAを送信することができる。
【0101】
SA周期は、
図9に示したように定義されたものであってもよい。
図9を参照すると、1番目のSA周期は、特定のシステムフレームから上位層シグナリングによって指示された所定のオフセット(SAOffsetIndicator)だけ離れたサブフレームから開始されてもよい。各SA周期は、SAリソースプール及びD2Dデータの送信のためのサブフレームプールを含むことができる。SAリソースプールは、SA周期の1番目のサブフレームから、サブフレームビットマップ(saSubframeBitmap)でSAが送信されるものと指示されたサブフレームのうち最後のサブフレームを含むことができる。D2Dデータの送信のためのリソースプールは、モード1の場合、T−RPT(Time−resource pattern for transmission又はTRP(Time−resource pattern))が適用されることによって、実際にデータの送信に使用されるサブフレームが決定され得る。図示のように、SAリソースプールを除いたSA周期に含まれたサブフレームの個数がT−RPTビットの個数よりも多い場合、T−RPTは、繰り返して適用され得、最後に適用されるT−RPTは、残りのサブフレームの個数だけトランケートされて(truncated)適用され得る。送信端末は、指示したT−RPTにおいてT−RPTビットマップが1である位置で送信を行い、1つのMAC PCUは、4回ずつ送信することになる。
【0102】
一方、車両間の通信では、periodic messageタイプのCAM(Cooperative Awareness Message)、event triggered messageタイプのDENM(Decentralized Environmental Notification Message)などが送信できる。CAMには、方向及び速度などの車両の動的状態情報、寸法などの車両の静的データ、外部照明状態、経路内訳などの車両の基本情報が含まれ得る。CAMのサイズは、50−300Byteである。CAMは、ブロードキャストされ、遅延(latency)は100msより小さい必要がある。DENMは、車両の故障、事故などの突発的な状況から生成されるメッセージであってもよい。DENMのサイズは、3000Byteより小さくてもよく、送信範囲内にある全ての車両がメッセージを受信することができる。このとき、DENMは、CAMより高い優先順位(priority)を有することができ、ここで、高い優先順位を有するとは、一UE観点からは、同時に送信する場合が発生したとき、優先順位の高いものを優先して送信することを意味してもよく、又は複数のメッセージのうち優先順位の高いメッセージを時間的に優先して送信することを意味してもよい。複数のUE観点からは、優先順位の高いメッセージは、優先順位の低いメッセージに比べて干渉を軽減させて、受信エラーの確率を下げることを意味してもよい。CAMにおいても、セキュリティーオーバーヘッドが含まれた場合は、それではない場合よりも大きいメッセージサイズを有する。
【0103】
図10は、TXRUとアンテナ要素との接続方式の一例を示す図である。
【0104】
図10(a)は、TXRUがサブアレイ(sub−array)に接続された方式を示している。この場合、アンテナ要素は1つのTXRUにのみ接続される。これとは異なり、
図10(b)は、 TXRUが全てのアンテナ要素に接続された方式を示している。この場合、アンテナ要素は全てのTXRUに接続される。
図10において、Wはアナログ位相シフターにより乗じられる位相ベクトルを示す。即ち、Wによってアナログビームフォーミングの方向が決定される。ここで、CSI−RSアンテナポートとTXRUとのマッピングは1−to−1又は1−to−多である。
【0105】
より多い通信機器がより大きい通信容量を要求することにより、既存のRAT(radio access technology)に比べて向上した無線広帯域通信に対する必要性が台頭しつつある。また、複数の機器及びモノを連結していつでもどこでも様々なサービスを提供する大規模(massive)MTC(Machine Type Communications)が次世代通信において考慮される主なイシューの1つである。のみならず、信頼度(reliability)及びレイテンシ(latency)に敏感なサービス/UEを考慮した通信システムデザインが提示されている。これを考慮した次世代RATの導入が論議されており、本発明では、便宜のために、New RATと称する。
【0106】
TDDシステムにおいてデータ送信レイテンシを最小化するために5世代NewRATでは、
図11のような自己完備型サーブフレームの構造を考慮している。
図11は、自己完備型サーブフレームの構造の一例を示す図である。
【0107】
図11において、斜線領域は下りリンク制御領域を示し、黒塗り領域は上りリンク制御領域を示す。表示のない領域は、下りリンクデータ送信のために用いられてよく、上りリンクデータ送信のために用いられてもよい。この構造の特徴は、1つのサーブフレームにおいて下りリンク送信と上りリンク送信とが順次に行われ、サーブフレーム内で下りリンクデータを送信したり、上りリンクACK/NACKを受信したりすることもできる。結果として、データ送信エラーが発生したとき、データの再送信までかかる時間を減らすことになり、これによって最終データ伝達のレイテンシを最小化することができる。
【0108】
このような自己完備型スロット構造において、基地局とUEが送信モードから受信モードに切り替えられる過程、又は受信モードから送信モードに切り替えられる過程のためには、時間間隙(time gap)が必要である。そのために、自己完備型サブフレームスロット構造において、下りリンクから上りリンクに切り替えられる時点の一部のOFDMシンボル(OFDMシンボル;OS)がGP(guard period)として設定される。
【0109】
NewRATをベースとして動作するシステムにおいて、構成/設定が可能な上述した自己完備型サーブフレームタイプの一例として、少なくとも以下のような4つのサーブフレームタイプが考えられる。
【0110】
− 下りリンク制御区間+下りリンクデータ区間+GP+上りリンク制御区間
【0111】
− 下りリンク制御区間+下りリンクデータ区間
【0112】
− 下りリンク制御区間+GP+上りリンクデータ区間+上りリンク制御区間
【0113】
− 下りリンク制御区間+GP+上りリンクデータ区間
【0114】
5世代NewRATでは、サービス又は要求事項に応じて、信号を送信する方式が異なってもよい。例えば、eMBB(enhanced Mobile BroadBand)の場合は、相対的に送信時間単位が長く、URLLC(Ultra−Reliable and Low Latency Communications)の場合は、相対的に送信時間単位が短い。
【0115】
また、URLLCは、サービスの種類に応じて、特に、緊急サービスを提供する場合は、eMBBが送信中であっても、該当リソース上でULRRC信号が送信されることができ、よって、ネットワーク観点又は端末観点から、URLLC送信は、eMBBの一部の送信リソースを先占(preemption)することを考慮してもよい。
【0116】
このとき、この先占によって、相対的に送信時間単位の長いeMBBの送信リソースの一部がパックチャリングされることもあり、URLLCのような、他の信号と重なり(super−imposed)、信号が変形されることもある。
【0117】
URLLC送信がeMBB送信の一部のリソースを先占する場合、eMBB送信の特定コードブロック(code block;CB)に対するUEのデコーディングが失敗する可能性が高い。特に、この状況は、チャネルの状態が良い場合でも、特定のコードブロックに対するデコーディング失敗を発生させる可能性がある。ここで、5世代NewRATでは、再送信を行うとき、送信ブロック(transport block;TB)単位で行うことの代わりに、コードブロック単位で行うことが考えられる。
【0119】
Millimeter Wave(mmW)では波長が短くなるため、同一面積に多数のアンテナ要素の設置が可能である。具体的には、30GHz帯域において波長は1cmであって、4 by 4cmのパネル(panel)に0.5lambda(波長)間隔で2D(dimension)配列である全68(8×8)のアンテナ要素を設けることができる。これにより、mmW分野における最近の動向では、多数のアンテナ要素を使用してBF(beamforming)利得を上げてカバレッジを増加させたり、或いはスループット(throughput)を増加させたりすることを試みている。
【0120】
このとき、アンテナ要素別に送信パワー及び位相の調節ができるように、TXRU(Transceiver Unit)を備える場合、周波数リソース別に独立したビームフォーミングが可能である。しかし、100余個の全てのアンテナ要素にTXRUを設けることは費用面で実効性に乏しいという問題がある。従って、1つのTXRUに多数のアンテナ要素をマッピングし、アナログ位相シフター(analog phase shifter)でビーム方向を調節する方式が考えられている。かかるアナログビームフォーミング方式では全帯域において1つのビーム方向のみが形成できるので、周波数選択的なビームフォーミングができないというデメリットがある。
【0121】
デジタルBFとアナログBFの中間形態として、Q個のアンテナ要素より少ない数のB個のTXRUを有するハイブリッドBFが考えられる。この場合、B個のTXRUとQ個のアンテナ要素の連結方式によって差はあるが、同時に送信可能なビームの方向はB個以下に制限される。
【0122】
Directional load based access control for mmWave communications
【0123】
mmWaveでは、方向別に端末の数、送受信するトラフィック(traffic)の量、干渉の量(又は、方向別の混雑度)が異なり得る。例えば、複数の方向のうち、特定の方向に多くの端末がデータの送受信を要請する場合、この特定の方向に更なる通信リンクが形成できないことが発生する可能性がある。この場合、該当地域の端末が、この特定の方向に更なるアクセス(access)を要請する場合、不要なアクセス(access)、不要なリソース割り当て及びビームスキャン(beam scanning)過程が発生する可能性がある。この点から、mmWaveでは、「方向別のロード(load)」を考慮したアクセス制御(access control)を行うことが好ましい。これによって、不要なビームスキャン(beam scanning)過程及びRACH送信、不要なハンドオーバー(hand over)動作が軽減又は防止できる。
【0124】
方向別のロード(load)を考慮したアクセス制御(access control)を行うことで、方向別のロード(load)を考慮して、初期アクセス制御(initial access control)及びターゲットセル(target cell)、ターゲット端末(target UE)の発見及びリレー(relay)ノードを選択する方法を提案する。
【0125】
このために、基地局(gNB)、通信を行おうとする機器(リレー又は端末)又はリンクセットアップ(link setup)を行おうとする機器(リレー/端末/gNB/eNB)は、トラフィックロード情報を隣接端末にブロードキャスト(broadcast)して、該当方向にある端末がアクセス(access)を行うとき、正しいアクセス(access)ができるようにする。ここで、gNBは、new generation eNBを意味して、LTE eNBも1つのgNBである。
【0126】
方向別のロード情報をブロードキャスト(broadcast)する方式として、PBCH(Physical Broadcast Channel)のようなブロードキャストチャネル(broadcast channel)を介するか、SIB(system information block)のフィールドのうち1つでシグナリングされる方式、端末共通下りリンク制御チャネル(UE common downlink control channel,UE common PDCCH)を介してシグナリングされる方式、及び端末を発見するのに送信する信号(e.g.ディスカバリー信号)を介してシグナリングされる方式のうち、少なくとも1つの方式を用いることができる。
【0127】
図12を参照すると、セルA(cell A)が特定の方向に密集している端末(UE)にサービスを提供することができる。第4の端末(UE 4)が新しいアクセス(access)を試みるとき、第4の端末がセルA(cell A)が近いという単純な理由(RSRP及び/又はRSRQが高いという理由)からアクセスを行う場合、第4の端末(UE 4)は、正常的なサービスが受けられない可能性(データを所望の速度で受信できない可能性)が高い。このとき、セルB(cell B)が、たとえセルA(cell A)に比べて遠く離れているといっても、第4の端末(UE 4)に向かう方向におけるロード(load)が高くない場合、第4の端末(UE 4)は、セルB(cell B)にアクセス(access)を試みて、通信リンク(link)をセットアップ(setup)した方がさらに有利であり得る。
【0128】
上述のように、方向別のロード(load)情報は、端末が送信しようとするパケット(packet)の優先順位(priority)又はサービス(service)のクラス(class) 及び優先順位(priority)に応じて異ならせて適用されてもよい。例えば、パケット(packet)の優先順位(priority)の高いパケット又はサービスである場合、端末は、特定の方向に対するロード(load)が所定のロード値(X)以上であっても、アクセス(access)を行うことができる。これとは異なり、優先順位(priority)の低いパケット又はサービス(packet/service)の場合、端末は、特定の方向に対するロードが所定値以上であれば、アクセス(access)を行うことができない。このようなロードによるアクセス優先順位(access priority)は、パケット又はサービスに応じて異ならせて設定されてもよい。アクセス可能なロードのレベルに関する情報は、ネットワークによって物理層又は上位層信号でシグナリングされるか、予め定めれてもよい。
【0129】
具体的に、セル(Cell)は、ビーム方向別にロード情報を送信してもよいが、ロード状態に基づいて、追加のアクセス(access)が許容できるか否かに関するバーリング(barring)情報を物理層又は上位層信号で端末にシグナリングしてもよい。例えば、SIB、PDCCH又はPBCHを介してビーム方向別のバーリング情報(又は、制限情報)を端末にシグナリングしてもよい。この場合、ビーム方向別のバーリング情報(又は、制限情報)は、アクセスクラス(access class)に応じて異なり得る。例えば、緊急サービス(emergency service)に対しては、バーリング情報(又は、制限情報)の制限なく、いつでもアクセスが許容できる。公共安全サービス(public safety service)に対しては、緊急サービス(emergency service)のクラスよりは低いクラスが与えられ、緊急サービス(emergency service)より低いアクセス(access)の頻度を有する。このために、各セル(cell)は、ビーム方向別にロード情報を把握して、ビーム方向別に異なるバーリング情報(又は、制限情報)をシグナリングすることができる。例えば、Aビーム方向に対しては、第1のアクセスクラス(即ち、access class x)までアクセスが制限(barring)され、Bビーム方向に対しては、第2のアクセスクラス(access class y)まで制限(barring)される。これによって、セル(cell)は、方向別に独立したアクセス制御(access control)を行うことができる。端末は、自身が送受信するサービス(service)のクラス(class)とバーリング情報(又は、制限情報)を比較して、セルに対して特定の方向にアクセスできるか否かを判断することができ、判断結果に基づいて、セルへのアクセスを試みるか、他のセル又は他のビーム方向を選択することができる。
【0130】
一方、基地局、AP(access point)、リレー(relay)又は特定の端末のうち少なくとも1つが、方向別のロード(load)に対するロード情報をブロードキャスト(broadcast)してもよいが、アクセスを行おうとする端末が、方向別のロードを直接に測定して、アクセス可否の決定に反映してもよい。
【0131】
例えば、端末は、一定時間の間に、特定のセル(cell)の特定のビーム(beam)に対して、チャネル占有比率(channel occupancy ratio or channel busy ratio;CBR or COR)を測定することができる。この場合、CBR(又は、COR)は、一定時間の間にチャネルが占有された比率であり、このとき、チャネル(channel)は、時間単位で定義されるか、一定の時間周波数リソース単位で定義されてもよい。例えば、一定時間の間、各サブフレーム(subframe)別にRSSIを測定して、測定されたRSSIが一定の閾値を超える比率をCBRで定義してもよい。或いは、特定の時間周波数リソース単位(例えば、サブフレーム当たりx RB)を1つのチャネル(channel又はsubchannel)で定義して、このチャネル(channel又はsubchannel)で測定される(特定)信号の受信エネルギー(RSSI、RSRP又はRSRQ)が一定の閾値を超えるリソースの比率でCBRを定義してもよい。
【0132】
一方、特定のビームは、全く信号が到達せず(例えば、ビームの方向が対象端末の反対方向である場合など)、特定のビームに対するCBRが低く測定されることもある。この場合、端末が単にCBRを測定してロードを判断すると、端末は、全く違う方向のビームにアクセス(access)を試みる可能性がある。よって、CBRを測定するとき、有効な測定(measurement)になるように、RSRP及びRSRQのうち少なくとも1つが一定の閾値以上の場合(即ち、特定のRS信号が一定の閾値以上で受信されるとき)に限って、ロードが正しく測定された情報であると判断することができる。よって、アクセス(access)を試みるとき、端末は、RSRP及びRSRQのうち少なくとも1つが閾値以上であり、ロードが一定値未満である場合に限られてもよい。或いは、CBRを定義するとき、RSRP及び/又はRSRQが一定の閾値未満である場合、CBRにオフセット(offset)やスケーリング(又は、重み値)の形態のパナルティー(penalty)を与え、該当ロードを変形させて、アクセス(access)制御を行うことができる。
【0133】
図13は、端末が方向別にロードを測定する例示を示す。
図13を参照すると、各端末は、周期的に特定のリソース領域において、特定の形態の信号(例えば、ディスカバリー信号)を全方向(omni−directional)に送信することができる。この場合、第1の端末(UE 1)は、ビーム方向別にCBRを測定することができる。この場合、端末は、CBRの高い方向に対しては、送信機会を低く設定して、CBRの低い方向に対しては、送信機会を高く設定することができる。これとは異なり、端末が自身の発見される確立を高める必要がある場合、端末は、CBRの高い方向に対しては、送信機会を高く設定して、CBRの低い方向に対しては、送信機会を低く設定することができる。これは、CBRが高いほど該当方向に端末が多く存在すると仮定できるためである。
【0134】
mmWaveにおいて、ディスカバリー(discovery)信号の送受信は、上述したこととは異なる形態で動作してもよい。例えば、ビームフォーミング(beamforming)を行う主体が逆に動作することもある。上述では、受信端末が方向別にロードを直接に測定する方式を用いたが、他の方式として、送信端末がディスカバリー信号を方向別に送信して、受信端末が全方向(omni−directional)受信ビームを用いて受信ビームフォーミング(beamforming)を行ってもよい。これらの方式はいずれも、ディスカバリー信号を送信する端末は、ビームの方向を変更したり、単純繰り返し(omni−directional)したりして、数回の送信を行う必要がある。
【0135】
一方、アクセス(又は、D2Dリンク)を行おうとする端末が測定したロード情報でも、アクセスの対象となる機器(eNB、gNB、relay node、UE)がブロードキャスト(broadcast)したロード情報でも、このようなロード情報は、アクセス(access)を行おうとする主なメトリック(例えば、RSRP及び/又はRSRQ)にオフセット(offset)又はスケーリング(又は、重み値)の関数の形態として適用できる。例えば、特定のセルのRSRP及び/又はRSRQを基準としてアクセス(access)を試みるとき、ロード情報を用いて対応するロードが一定の閾値より高い場合、RSRP及び/又はRSRQに一定のオフセット(offset)が適用できる。この場合、判定のためのRSRP及び/又はRSRQメトリック(metric)が低くなり、端末のアクセス(access)が起こりにくくする。これを数式で表現すれば、セルaのi番目のビームから受信した信号の強度をP(a,i)というとき、端末にお
いてアクセス可否の判定に用いるメトリック(metric)は、P(a,i)−c*L
(a,i)*1(L(a,i)>T)と表現できる。ここで、cは、ロード情報を受信信
号強度に適用するオフセット(offset)に換算するための係数であり、ネットワークによって設定されるか、予め定められてもよい。1(L(a,i)>T)は、ロードが
一定の閾値(T)を超える場合に限ってこのバイアス(bias)を適用するための条件関数(条件を満たすときに限って、1又は0)を意味する。最後に、L(a,i)は、セ
ルaのi番目のビームに対するロードを意味して、基地局が測定したり端末が自分で測定
したものであってもよい。端末が自分で測定した場合は、i indexの代わりに、端
末が観測したビームの方向indexに取り替えられることができる。
【0136】
このロード情報は、アクセス(access)の制御に用いることもできるが、ハンドオーバー(hand over)又はパケット(packet)の送信周期の設定、送信電力の設定、MCS設定、繰り返し送信回数の設定にも用いられる。或いは、ディスカバリー(discovery)信号のように、他の端末を発見しようとする信号の送信にも用いられる。例えば、端末が特定のセルにアクセス(access)を行ったものの、場合によって、該当セルから離れて新しいセルにハンドオーバー(handover)を行うことがある。この場合、バックホール(Back haul)を介してセルのロード情報、セルのビーム方向別のロード情報が基地局間に共有されてもよく、端末が移動するセル、移動する方向に応じて、ビーム別にロードが異なってもよい。基地局は、端末が移動しようとする方向に位置したビームのロード(load)を考慮して、ハンドオーバー(handover)を行うセルの情報をセルのビーム情報と共に端末又は該当基地局(バックホールインターフェース)に物理層又は上位層信号でシグナリングすることができる。
【0137】
一方、セルのロードによるロード制御(load control)方式は、D2D又はサイドリンクリソースプール(sidelink resource pool)の使用を決定するときに用いることもできる。例えば、各セルごとにリソースプール(resource pool)を設定した場合、端末が実際に用いるリソースプール(resource pool)は、各セルのロード(load)を反映して決定する。例えば、セルA(cell A)のリソースプール(resource pool)のロード(load)が過度に高い場合、端末は、セルA(cell A)のカバレッジ(coverage)にあるといっても、セルB(cell B)のリソースプール(resource pool)を用いることである。
【0138】
具体的に、基地局は端末から各リソースプール(resource pool)ごとにCBR値及び/又は該当端末の位置情報の報告(report)を受け、CBR値の平均値、又は端末位置ごとにCBR値を物理層又は上位層信号によって端末にシグナリング(signaling)又はブロードキャストすることができる。端末は、自身が属する位置又は自身が属するセル(cell)において混雑(congestion)が生じた場合、他のセルのリソース領域を用いることができる。即ち、従来では、端末がキャンプ(camping)したセル(cell)のリソース領域を用いるが、提案する方式では、キャンプセル(camping cell)ではないセルのリソース領域を用いることができる。この動作のために、リソースプール(resource pool)を決定するためのメトリック(metric)は、m(i)=P(i)−c*L(i)の数式で表現で
きる。ここで、P(i)は、i番目のセルからの受信信号の強度、L(i)は、i番目の
セルのロード測定値、cは、ロード値を信号強度に換算する定数と定義できる。m(a)がm(b)よりも大きい場合、端末がセルB(cell B)にキャンプ(camping)していても、セルAのリソースプール(resource pool)を用いることができる。
【0139】
基地局は、互いのロード情報をバックホール(backhaul)を用いて共有することができ、各セルは、隣接セルのロード情報を物理層又は上位層信号で端末にシグナリングすることができる。
【0140】
或いは、上述した方式は、分散アンテナシステムにも適用できる。ここで、ビーム方向別にロードを考慮したアクセス(access)を制御する方式は、分散アンテナ別にロードを考慮してアクセス(access)を制御する方式に変更して適用できる。例えば、セル(cell)が複数の分散アンテナを有しているか、複数のAP(access point)又はRRH(remote radio head)が理想的なバックホール(backhaul)で連結されている場合、端末が特定のAP(又は、RRH)にアクセスを行うとき、APごとにロードが別々に測定され、その値が端末に物理層又は上位層信号でシグナリングされることができる。端末は、自身に近いAP又は受信信号品質の良いAPに単にアクセス(access)を行うのではなく、APごとにロードを考慮して、最適なAPを選択することができる。このために、基地局又は端末は、APごとに別々のロードを測定することができる。基地局が送受信するロードは、基地局が自然に測定することができるが、端末がAPごとにロードを測定するためには、APごとにチャネル(channel)がどのくらいビジー(busy)なのか、CBRを測定することができる。このために、APごとに別々にRSを送信するか、APごとにチャネルがどのくらいビジーなのかを判断するための信号をAPごとに異ならせて送信することができる。
【0141】
一方、端末の場合も、分散アンテナシステムを取り付けることができる。例えば、車両は、車両間通信のために、分散アンテナを取り付けてもよい。この場合、車両は、分散アンテナごとに、別々にロードを測定して、ロードによるアクセス制御(access control)、信号送信周期の設定、送信確立の設定などを行うことができる。
【0142】
一方、本発明の内容が端末間の直接通信に限られるのではなく、上りリンク、又は下りリンクにおいても用いられることができ、このとき、基地局又はリレーノード(relay node)などが上述した方法を用いることができる。一方、上述した方式は、mmWaveといった高い周波数帯域に限られるのではなく、低い周波数帯域にも拡張適用することができる。例えば、mmWaveにおいて、ビームは、低い周波数でPMI indexに置き換えられて適用されてもよい。
【0143】
上述した方式に関する一例も本発明の具現方法のうち1つとして含まれてもよく、一種の提案方式として見なされるのは明白な事実である。また、上述した方式は、独立して具現されてもよいが、一部の方式の組み合わせ(又は、併合)の形態で具現されてもよい。上述した方式の適否情報(又は、上述した方式の規則に関する情報)は、基地局が端末に予め定義したシグナル(e.g.,物理層シグナル又は上位層シグナル)によって知らせるように規則が定義されてもよい。
【0144】
図14は、本発明の一実施例にD2D端末が通信装置と通信リンクを形成する方法を説明するためのフローチャートである。
【0145】
図14を参照すると、端末は、ビーム方向別に測定されたロードに関するロード情報を取得することができる。ここで、ビーム方向は、他の通信装置が送信する信号のビームフォーミング(beamforming)方向に対する方向であってもよい。また、ロードは、ビーム方向に対する端末の数、送受信するトラフィック及び干渉度のうち少なくとも1つに関する情報(又は、これに対応する値)を含んでいる。上述したビーム方向別にロードを測定する主体は、上述した端末であってもよく、他の端末又は基地局であってもよい。端末は、直接にビーム方向別にロードを測定してロード情報を取得したり、他の通信装置が測定したロード情報を受信して取得することができる(S901)。
【0146】
一例によれば、端末は、ロード情報を取得するために、ビーム方向別にロードを直接に測定することができる。端末は、ビーム方向ごとに受信されたチャネル(サブフレーム又は一定時間周波数リソース単位)のCBRを測定することができる。CBRは、一定時間の間にチャネルが占有された比率である。例えば、端末は、一定時間の間にビーム方向別に各サブフレームごとに信号の強度を測定して、予め設定された第1の閾値以上のリソースの比率であるCBRを測定することができる。ここで、信号の強度は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference signal received quality)及びRSRP(Reference signal received power)のうち少なくとも1つによって算出される値であってもよい。端末は、受信された信号のビーム方向別に一定時間の間のCBRを測定して、ビーム方向別に測定されたCBRに基づいて、各ビーム方向別にロードを測定することができ、これに基づいて、ロード情報を取得することができる。
【0147】
或いは、端末は、CBRの測定において、一定の制限を加えてもよい。具体的に、通信装置が端末との反対方向に送信するビーム方向などによって、CBRが低く測定された場合をロードの測定に反映しなくてもよい。端末は、各ビーム方向別にCBRを測定するものの、ビーム方向に対応するチャネルに含まれた参照信号に対する受信エネルギーに基づいて測定されたCBRが有効であるかを判断することができる。具体的に、端末は、特定のビーム方向に受信されたチャネルに含まれた参照信号に対するエネルギーが、予め設定された第2の閾値未満である場合、特定のビーム方向に対応して測定されたCBRを有効ではない値と判定することができる。即ち、端末は、参照信号に対するエネルギーが、予め設定された第2の閾値以上であるビーム方向に対して測定されたCBRのみを有効な値として判定して、ロードへ反映することができる。
【0148】
或いは、端末は、特定のビーム方向に受信されたチャネルに含まれた参照信号に対するエネルギーが、予め設定された第2の閾値未満である場合、特定のビーム方向に対応して測定されたCBRに予め設定されたオフセット又はスケーリングを適用して、特定のビーム方向に対応するCBR値を変形してもよい。一方、上述した予め設定された第1の閾値及び予め設定された第2の閾値は、ネットワークによって物理層又は上位層信号でシグナリングされるか、予め定められる。
【0149】
次に、端末は、取得したロード情報に基づいて、ビーム方向別に対応する少なくとも1つの通信装置のうちいずれか1つを通信リンクを形成するための通信装置として選択(又は、決定)することができる。ここで、通信装置は、基地局(eNB又はgNB)、リレーノード(relay node)又は他の端末(UE)を含むことができる。端末は、ロード情報に基づいて、ロードの低いビーム方向の通信装置を優先して選択することができる(S903)。
【0150】
例えば、通信装置が基地局である場合、端末は複数の基地局のそれぞれに対応するビーム方向に対するロードをロード情報から取得することができる。端末はアクセスの実行において、ビーム方向に対するロードが予め設定された制限値未満である基地局を優先して選択することができる。また、端末は、ロードが予め設定された制限値以上のビーム方向に位置する基地局を選択しない(即ち、アクセスを試みない)。
【0151】
端末は、ロードが予め設定された制限値未満である基地局が複数存在する場合には、各基地局から受信した信号の強度や品質に基づいて、いずれか1つの基地局とのアクセスを試みることができる。或いは、端末は、ロードに対する値を信号の強度や品質で測定された値にオフセット又は重み値(scaling)として適用することができる。具体的に、端末は、ロードに対する値を信号の強度や品質で測定された値を下げるペナルティー(penalty)値として適用することができる。この場合、端末は、各方向に対して、ロードによるペナルティー(penalty)が適用された信号の強度や品質に基づいて、アクセスを試みるいずれか1つの基地局を選択することができる。
【0152】
また、予め設定された制限値は、端末が送信しようとするパケットの優先順位又はサービスの優先順位に応じて異なるように設定されてもよい。パケットの優先順位又はサービスの優先順位に応じて予め設定された制限値は、ネットワークによって物理層又は上位層信号でシグナリングされるか、予め定められてもよい。端末は、送信しようとするパケット及びサービスの種類に対応する予め設定された制限値を基準として、少なくとも1つの通信装置のうち予め設定された制限値未満のロードを有するビーム方向に位置する通信装置を選択することができる。或いは、予め設定された制限値は、ビーム方向に応じて、許容されるパケットの優先順位及びサービスの優先順位が異なるように設定されてもよい。
【0153】
また、少なくとも1つの通信装置が基地局である場合、端末は、基地局が送信する放送チャネル(PBCH)又は物理層の制御チャネル(PDCCH)から基地局が直接に測定したビーム方向別に測定されたロードに関するロード情報を取得することができる。ここで、物理層の制御チャネルは、端末共通下りリンク制御チャネル(UE common downlink control channel,UE common PDCCH)であってもよい。この場合、端末は、ロード情報に基づいて、少なくとも1つの基地局のうちいずれか1つの基地局を選択してアクセスを試みることができる。
【0154】
また、少なくとも1つの通信装置が他のD2D端末である場合、端末は、他のD2D端末が送信したディスカバリー信号から他のD2D端末が測定したロード情報を取得することができる。この場合、端末は、ディスカバリー信号から取得したロード情報に基づいて、D2Dリンクを形成するD2D端末を選択することができる。
【0155】
一方、端末は、直接にCBRを測定して取得したロード情報をディスカバリー信号に含ませて他の端末に送信することができる。
【0156】
次に、端末は、少なくとも1つの端末のうち選択されたいずれか1つの通信装置と通信リンクを形成するための過程を行うことができる。端末は、この過程を行うことで、いずれか1つの通信装置とリンクを形成することができる(S905)。
【0157】
一実施例によれば、端末は、選択された通信装置と通信リンクが形成された後、D2D通信を行うとき、D2D通信のための複数のリソースプールのうちいずれか1つのリソースプールを選択することができる。このために、端末は、リソースプールごとにロードであるリソースロードを測定することができる。この場合、端末は、各リソースプールごとにCBRを測定して、ロード情報を取得したり、基地局又は他の端末からロード情報を取得することができる。端末は、各リソースプールごとにロード情報に基づいて、複数のリソースプールのうちロードの低いリソースプールをD2D通信のためのリソースプールとして選択することができる。
【0158】
図15は、本発明によるD2D通信を行う端末を簡単に示した図である。
【0159】
図15を参照すると、本発明による端末装置20は、受信装置21、送信装置22、プロセッサ23、メモリ24及び複数のアンテナ25を含むことができる。複数のアンテナ25は、MIMO送受信を支援する端末装置を意味する。送受信器は、受信装置21及び送信装置22を含む。受信装置21は、基地局からの下りリンク上の各種の信号、データ及び情報を受信することができる。或いは、受信装置21は、他の端末からのD2D信号(sidelink信号)を受信することができる。送信装置22は、基地局への上りリンク上の各種の信号、データ及び情報を送信することができる。或いは、送信装置22は、他の端末にD2D信号(sidelink信号)を送信することができる。プロセッサ23は、端末装置20の動作全般を制御することができる。
【0160】
本発明の一実施例による端末装置20のプロセッサ23は、上述した各実施例において必要な事項を処理することができる。
【0161】
端末装置20のプロセッサ23は、その他にも、端末装置20が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を行い、メモリ24は、演算処理された情報などを所定時間格納することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素で代替されてもよい。
【0162】
以上のような送信ポイント装置及び端末装置の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり、又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現することができ、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
【0163】
また、
図13に対する説明において、送信ポイント装置10についての説明は、下りリンク送信主体又は上りリンク受信主体としての中継機装置に対しても同一に適用することができ、端末装置20についての説明は、下りリンク受信主体又は上りリンク送信主体としての中継機装置に対しても同一に適用することができる。
【0164】
上述した本発明の実施例は、様々な手段によって具現することができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウエア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現されてもよい。
【0165】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、1つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現されてもよい。
【0166】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明した機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに格納され、プロセッサによって駆動されてもよい。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によって前記プロセッサとデータを交換することができる。
【0167】
上述したように開示された本発明の好適な実施例に関する詳細な説明は、当業者が本発明を具現し、実施できるように提供されている。以上では、本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更可能であることを理解できるであろう。例えば、当業者は、上述した実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明は、ここに開示された実施形態に制限されるものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するためのものである。
【0168】
本発明は、本発明の精神及び必須の特徴から逸脱しない範囲で、他の特定の形態に具体化することができる。よって、上記の詳細な説明はいずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって定められなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するためのものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新たな請求項として含むことができる。