(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術は、ブラックリストへの悪質顧客の登録と、事業者への単なるブラックリスト情報の提供にとどまっている。
【0007】
同一地域に出店する店舗や系列店などの競合関係にある事業者間では、事業者との取引金額が高額となる優良顧客の取り合いが発生している。同一経営母体による系列店間などでは、従来より、顧客に関するトラブルの回避のために悪質顧客に関する情報を共有することがあった。しかしその中で、虚偽の情報の共有によって他店を出し抜く事業者が存在し、悪質顧客に関して虚偽のない情報を共有する仕組みの構築が困難だった。
【0008】
例えば、事業者Aが優良顧客である顧客iについて、トラブルを起こした悪質顧客であるという虚偽の情報を系列店間で共有し、事業者Aの系列店である事業者B及び事業者Cが悪質顧客とされる顧客iの利用を敬遠するように誘導する。他事業者が顧客iの利用を敬遠することで顧客iの利用を受け入れる事業者が系列店内で事業者Aのみとなり、結果として事業者Aは優良顧客を囲い込むことができる。
【0009】
このような優良顧客の囲い込みに関する問題がある為、競合関係にある事業者間での悪質顧客に関する情報の共有の仕組みは構築が困難であった。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、競合関係にある事業者間で、悪質顧客に関する虚偽のない情報を共有するための仕組みを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の悪質顧客情報共有システムは、
事業者が顧客に関する情報を登録することができる悪質顧客情報共有システムであって、
前記事業者による前記顧客を照会するための照会キーを含む前記顧客に関する情報の登録を受け付ける顧客情報受付部と、
前記顧客情報受付部が受け付けた前記顧客に関する情報を保持する顧客情報保持部と、
前記事業者および前記事業者とは異なる事業者の操作によって、前記照会キーを用いて、ある顧客の前記顧客に関する情報の登録が前記顧客情報保持部にあるかの照会を行う顧客情報照会部と、
前記事業者の情報を保持する事業者情報保持部と、
前記事業者が前記悪質顧客情報共有システムに前記顧客に関する情報を登録した顧客宛てのメッセージを作成するメッセージ作成部と、
前記メッセージ作成部が作成した前記メッセージを前記顧客へ送信するメッセージ送信部とを備え、
前記メッセージ作成部が作成する前記メッセージは、前記メッセージを受信した前記顧客が悪質な顧客として前記悪質顧客情報共有システムに登録された旨および前記悪質顧客情報共有システムに前記顧客の登録を行った前記事業者の情報が含まれ、前記照会キーは前記顧客へのメッセージ送信先を兼ねることを特徴とする。
【0012】
この特徴によれば、事業者が顧客の顧客に関する情報を悪質顧客情報共有システムに登録したときに、該顧客に対して、該顧客が悪質顧客情報共有システムに登録された旨及び該顧客を悪質顧客として悪質顧客情報共有システムに登録した事業者の情報を通知するメッセージを送信することができる。事業者によって顧客が悪質顧客として悪質顧客情報共有システムに登録されたことをメッセージにて該顧客に明らかにすることで、事業者が本来悪質でない顧客を悪質顧客として虚偽の情報によって悪質顧客情報共有システムに登録し、他事業者に本来悪質でない顧客の利用を敬遠させることによる顧客の囲い込みの不正を防止する。
【0013】
本発明の悪質顧客情報共有システムは、
前記顧客に関する情報は、前記事業者による前記顧客を照会するための1つまたは2つ以上の照会キーを含み、
前記照会キーのすべては前記顧客へのメッセージ送信先を兼ねることを特徴とする。
【0014】
この特徴によれば、事業者が顧客の顧客に関する情報を悪質顧客情報共有システムに登録したときに、該顧客に対して、該顧客が悪質顧客情報共有システムに登録された旨及び該顧客を悪質顧客として悪質顧客情報共有システムに登録した事業者の情報を通知するメッセージを、該顧客の顧客に関する情報に照会キーとして登録されているすべての連絡先に送信することができる。事業者が顧客を悪質顧客として悪質顧客情報共有システムに登録する際、照会キーとしてメッセージを送信する宛先として機能しないものを登録することで、事業者が該顧客に通知せず該顧客を悪質顧客情報共有システムに登録する不正を防止する。
【0015】
本発明の悪質顧客情報共有システムは、
事業者が顧客に関する情報を登録することができる悪質顧客情報共有システムであって、
前記事業者による前記顧客を照会するための照会キーを含む前記顧客に関する情報の登録を受け付ける顧客情報受付部と、
前記顧客情報受付部が受け付けた前記顧客に関する情報を保持する顧客情報保持部と、
前記事業者および前記事業者とは異なる事業者の操作によって、前記照会キーを用いて、ある顧客の前記顧客に関する情報の登録が前記顧客情報保持部にあるかの照会を行う顧客情報照会部と、
前記事業者の情報を保持する事業者情報保持部と、
前記事業者が前記悪質顧客情報共有システムに前記顧客に関する情報を登録した顧客宛てのメッセージを作成するメッセージ作成部と、
前記照会キーから該顧客へのメッセージ送信手段を取得するメッセージ送信手段取得部と、
前記メッセージ作成部が作成した前記メッセージを前記メッセージ送信手段取得部が取得したメッセージ送信手段に基づいて前記顧客へ送信するメッセージ送信部とを備え、
前記メッセージ作成部が作成する前記メッセージは、前記メッセージを受信した前記顧客が悪質な顧客として前記悪質顧客情報共有システムに登録された旨および前記悪質顧客情報共有システムに前記顧客の登録を行った前記事業者の情報が含まれることを特徴とする。
【0016】
この特徴によれば、事業者が照会キーとして顧客への連絡先として機能しないものを登録した顧客に関する情報を悪質顧客情報共有システムに登録したときに、該顧客に対して、該顧客が悪質顧客情報共有システムに登録された旨及び該顧客を悪質顧客として悪質顧客情報共有システムに登録した事業者の情報を通知するメッセージを送信することができる。顧客IDなどの直接の連絡先として機能しない情報を顧客に関する情報の照会キーとして用いることができる。
【0017】
本発明の悪質顧客情報共有システムは、
前記顧客に関する情報に対して前記事業者が指定できる1または2以上の分類を保持する分類情報保持部と、
前記顧客に関する情報に対して前記事業者が指定した1または2以上の分類を保持する分類設定保持部と、
前記分類設定保持部に保持された前記顧客に関する情報の前記分類によって前記メッセージ送信部による該顧客へのメッセージ送信を行うか否かを判定する分類別メッセージ送信判定部とを備え、
前記顧客情報受付部は、前記事業者による前記顧客に関する情報の登録を受け付ける時に、前記顧客に関する情報に対して前記事業者が指定した1または2以上の分類を併せて受け付けることを特徴とする。
【0018】
この特徴によれば、事業者は顧客を悪質顧客情報共有システムに登録するときに、該顧客によって発生したトラブルの種類に基づく分類を指定できる。発生したトラブルの重大性によって該顧客への今後の対応を変更することができる。分類によって事業者が顧客の不正な登録を行う可能性が高い場合や、事業者が顧客の不正な登録を行ったときの影響が大きい場合がある。そのような場合のみメッセージを送信するとできる。
【0019】
本発明の悪質顧客情報共有システムは、
前記事業者を含む1または2以上の事業者が所属するグループを保持するグループ情報保持部と、
前記顧客に関する情報に対して前記事業者が指定したグループの識別子を保持するグループ設定保持部と、
ある顧客とグループについて、前記事業者が前記グループの識別子を指定して前記顧客を悪質な顧客として登録した否かの照会を行うグループ内顧客情報照会部と、
前記グループ設定保持部に保持された前記顧客に関する情報に対して指定されたグループの識別子によって前記メッセージ送信部による該顧客へのメッセージ送信を行うか否かを判定するグループ別メッセージ送信判定部とを備え、
前記顧客情報受付部は、前記事業者による前記顧客に関する情報の登録を受け付ける時に、前記顧客に関する情報に対して前記事業者が指定したグループの識別子を併せて受け付けることを特徴とする。
【0020】
この特徴によれば、事業者が顧客を悪質顧客情報共有システムに登録するときに、該顧客の顧客に関する情報については、系列店グループや友好店グループなど事業者の所属するグループのうち該事業者が指定したグループ内だけで共有を行うとすることができる。グループによって事業者が顧客の不正な登録を行う可能性が高い場合や、事業者が顧客の不正な登録を行ったときの影響が大きい場合がある。そのような場合のみメッセージを送信するとできる。
【0021】
本発明の悪質顧客情報共有システムは、
複数の事業者が顧客に関する情報を登録することができる悪質顧客情報共有システムであって、
前記事業者による前記顧客に関する情報の登録を受け付ける顧客情報受付部と、
前記顧客情報受付部が受け付けた前記顧客に関する情報
および前記顧客情報受付部に該前記顧客に関する情報を登録した事業者の情報を保持する顧客情報保持部と、
前記事業者および前記事業者とは異なる事業者の操作によって、ある顧客の前記顧客に関する情報の登録が前記顧客情報保持部にあるかの照会を行う顧客情報照会部と、
事業者が顧客にサービスを提供する日もしくは期間を管理する予約管理部と、
顧客へのサービスを提供する日もしくは期間について、前記事業者もしくは前記顧客の操作による前記予約管理部への登録を受け付ける予約受付部と
、
前記顧客情報受付部が前記事業者による前記顧客に関する情報の登録を受け付ける時に、前記顧客について前記顧客情報受付部に該顧客の顧客に関する情報を登録した事業者が前記事業者であるか否かによって、前記事業者が該顧客にサービスを提供する日もしくは期間の前記事業者もしくは前記顧客による前記予約管理部への登録を不可とするか否かを判定する予約登録制限判断部とを備えることを特徴とする。
【0022】
この特徴によれば、事業者及び顧客がネットワークを介して顧客による事業者の利用予約を登録できる予約機能を備えた悪質顧客情報共有システムであって、事業者によって悪質顧客情報共有システムに顧客に関する情報を登録された顧客は、登録を行った該事業者の利用予約を登録することができない。顧客の予約を独占するために、本来悪質でない顧客を悪質顧客として虚偽の情報で悪質顧客情報共有システムに登録し、他事業者に該顧客の利用を敬遠させる不正を防止する。
【0023】
本発明の悪質顧客情報共有システムは、
事業者が顧客に関する情報を登録することができる悪質顧客情報共有システムであって、
前記事業者による前記顧客に関する情報の登録を受け付ける顧客情報受付部と、
前記顧客情報受付部が受け付けた前記顧客に関する情報を保持する顧客情報保持部と、
前記事業者および前記事業者とは異なる事業者の操作によって、ある顧客の前記顧客に関する情報の登録が前記顧客情報保持部にあるかの照会を行う顧客情報照会部と、
事業者が顧客にサービスを提供する日もしくは期間を管理する予約管理部と、
顧客へのサービスを提供する日もしくは期間について、前記事業者もしくは前記顧客の操作による前記予約管理部への登録を受け付ける予約受付部と、
前記顧客に関する情報に対して前記事業者が指定できる1または2以上の分類を保持する分類情報保持部と、
前記顧客に関する情報に対して前記事業者が指定した1または2以上の分類を保持する分類設定保持部と、
前記顧客情報受付部が前記事業者による前記顧客に関する情報の登録を受け付ける時に、前記分類設定保持部に保持された前記顧客に関する情報の前記分類によって、前記事業者が該顧客にサービスを提供する日もしくは期間の前記事業者もしくは前記顧客による前記予約管理部への登録を不可とするか否かを判定する分類別予約登録制限判断部を備えることを特徴とする。
【0024】
この特徴によれば、悪質顧客情報共有システムは、事業者の利用予約を入力した顧客について、該顧客の顧客に関する情報に指定された分類によって予約を受け付けるか否かを判断することができる。悪質顧客情報共有システムは、顧客に関する情報に分類として設定されたトラブルの種類によって、該顧客からの利用予約を受け付けるか否かを判断することができる。
【0025】
本発明の悪質顧客情報共有システムは、
前記事業者を含む1または2以上の事業者が所属するグループを保持するグループ情報保持部と、
前記事業者が前記顧客に関する情報に対して指定したグループの識別子を保持するグループ設定保持部と、
ある顧客について、前記事業者が指定したあるグループ内で悪質な顧客として登録されているか否かの照会を行うグループ内顧客情報照会部と、
前記顧客情報受付部が前記事業者による前記顧客に関する情報の登録を受け付ける時に、前記グループ設定保持部に保持された前記顧客に関する情報が指定されているグループの識別子によって、該顧客にサービスを提供する日もしくは期間の前記事業者もしくは前記顧客による前記予約管理部への登録を不可とするか否かを判定するグループ別予約登録制限判断部を備えることを特徴とする。
【0026】
この特徴によれば、悪質顧客情報共有システムは、事業者の利用予約を入力した顧客について、該顧客の顧客に関する情報に指定されたグループの識別子によって予約を受け付けるか否かを判断することができる。悪質顧客情報共有システムは、顧客に関する情報が事業者が所属するグループ内で悪質顧客として共有されているか否かによって、該顧客からの利用予約を受け付けるか否かを判断することができる。
【0027】
本発明の悪質顧客情報共有システムは、
前記事業者を含む1または2以上の事業者が所属するグループを保持するグループ情報保持部と、
前記事業者が前記顧客に関する情報に対して指定したグループの識別子を保持するグループ設定保持部と、
ある顧客とグループについて、前記事業者が前記グループの識別子を指定して前記顧客を悪質な顧客として登録した否かの照会を行うグループ内顧客情報照会部と、
前記顧客に関する情報に対して前記事業者が指定できる1または2以上の分類を保持する分類情報保持部と、
前記顧客に関する情報に対して前記事業者が指定した1または2以上の分類を保持する分類設定保持部と、
前記顧客情報受付部が前記事業者による前記顧客に関する情報の入力を受け付ける時、前記顧客に関する情報に指定された分類によって前記顧客に関する情報に指定されるグループの識別子を定める分類別グループ識別子判定部を備えることを特徴とする。
【0028】
この特徴によれば、悪質顧客情報共有システムは、悪質顧客の顧客に関する情報の登録を受け付けるとき、該顧客に関する情報に指定された分類によって、その情報共有の範囲となるグループを定めることができる。
【0029】
本発明の悪質顧客情報共有システムは、
顧客からの電話着信を受け付ける着信受付部と、
顧客情報保持部に前記着信受付部で受け付けた電話着信の発信元電話番号を含む前記顧客に関する情報が存在するか否かを照会する電話番号照会部と、
顧客情報保持部に前記着信受付部で受け付けた電話着信の発信元電話番号を含む前記顧客に関する情報が存在する場合、その旨を事業者端末に表示する悪質顧客情報表示部とを備えることを特徴とする。
【0030】
この特徴によれば、事業者電話機への電話着信時に、その発信元電話番号を電話番号として顧客に関する情報に登録されている顧客が悪質顧客情報共有システムに登録されているか否かを調べ、該当する顧客に関する情報が存在する場合は事業者端末にその情報を表示することができる。事業者が顧客からの電話着信の段階で電話発信元の顧客が悪質顧客として悪質顧客情報共有システムに登録があるかを知ることができ、顧客に対して然るべき対応を取ることができる。
【0031】
本発明の悪質顧客情報共有プログラムは、
事業者が顧客に関する情報を登録することができる悪質顧客情報共有プログラムであって、
前記事業者による前記顧客を照会するための照会キーを含む前記顧客に関する情報の登録を受け付ける顧客情報受付処理と、
前記顧客情報受付処理が受け付けた前記顧客に関する情報を保持する顧客情報保持処理と、
前記事業者および前記事業者とは異なる事業者の操作によって、前記照会キーを用いて、ある顧客の前記顧客に関する情報の登録が前記顧客情報保持処理にあるかの照会を行う顧客情報照会処理と、
前記事業者の情報を保持する事業者情報保持処理と、
前記事業者が前記悪質顧客情報共有プログラムに前記顧客に関する情報を登録した顧客宛てのメッセージを作成するメッセージ作成処理と、
前記メッセージ作成処理が作成した前記メッセージを前記顧客へ送信するメッセージ送信処理とをコンピュータに実行させ、
前記メッセージ作成処理が作成する前記メッセージは、前記メッセージを受信した前記顧客が悪質な顧客として前記悪質顧客情報共有プログラムに登録された旨および前記悪質顧客情報共有プログラムに前記顧客の登録を行った前記事業者の情報が含まれ、
前記照会キーは前記顧客へのメッセージ送信先を兼ねることを特徴とする。
【0032】
本発明の悪質顧客情報共有プログラムは、
事業者が顧客に関する情報を登録することができる悪質顧客情報共有プログラムであって、
前記事業者による前記顧客を照会するための照会キーを含む前記顧客に関する情報の登録を受け付ける顧客情報受付処理と、
前記顧客情報受付処理が受け付けた前記顧客に関する情報を保持する顧客情報保持処理と、
前記事業者および前記事業者とは異なる事業者の操作によって、前記照会キーを用いて、ある顧客の前記顧客に関する情報の登録が前記顧客情報保持処理にあるかの照会を行う顧客情報照会処理と、
前記事業者の情報を保持する事業者情報保持処理と、
前記事業者が前記悪質顧客情報共有プログラムに前記顧客に関する情報を登録した顧客宛てのメッセージを作成するメッセージ作成処理と、
前記照会キーから該顧客へのメッセージ送信手段を取得するメッセージ送信手段取得処理と、
前記メッセージ作成処理が作成した前記メッセージを前記メッセージ送信手段取得処理が取得したメッセージ送信手段に基づいて前記顧客へ送信するメッセージ送信処理とをコンピュータに実行させ、
前記メッセージ作成処理が作成する前記メッセージは、前記メッセージを受信した前記顧客が悪質な顧客として前記悪質顧客情報共有プログラムに登録された旨および前記悪質顧客情報共有プログラムに前記顧客の登録を行った前記事業者の情報が含まれることを特徴とする。
【0033】
本発明の悪質顧客情報共有プログラムは、
複数の事業者が顧客に関する情報を登録することができる悪質顧客情報共有プログラムであって、
前記事業者による前記顧客に関する情報の登録を受け付ける顧客情報受付処理と、
前記顧客情報受付処理が受け付けた前記顧客に関する情報
および前記顧客情報受付処理に該前記顧客に関する情報を登録した事業者の情報を保持する顧客情報保持処理と、
前記事業者および前記事業者とは異なる事業者の操作によって、ある顧客の前記顧客に関する情報の登録が前記顧客情報保持処理にあるかの照会を行う顧客情報照会処理と、
事業者が顧客にサービスを提供する日もしくは期間を管理する予約管理処理と、
顧客へのサービスを提供する日もしくは期間について、前記事業者もしくは前記顧客の操作による前記予約管理処理への登録を受け付ける予約受付処理と
、
前記顧客情報受付処理が前記事業者による前記顧客に関する情報の登録を受け付ける時に、前記顧客について前記顧客情報受付処理に該顧客の顧客に関する情報を登録した事業者が前記事業者であるか否かによって、前記事業者が該顧客にサービスを提供する日もしくは期間の前記事業者もしくは前記顧客による前記予約管理処理への登録を不可とするか否かを判定する予約登録制限判断処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0034】
これらの特徴によれば、コンピュータを本発明の悪質顧客情報共有システムとして機能させる悪質顧客情報共有プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、悪質顧客に関する虚偽のない情報を複数の事業者間で共有する悪質顧客情報共有システム、及びコンピュータを本発明の悪質顧客情報共有システムとして機能させる悪質顧客情報共有プログラムが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の第1実施形態における実施例を説明する。
【0038】
(実施例:第1実施形態の概要)
第1実施形態においては、飲食店事業者(以下「事業者」)向けの「ブラックリストネットワーク」として悪質顧客情報共有システム1を提供する。
【0039】
悪質顧客情報共有システム1に登録された顧客の顧客に関する情報121は、顧客に関する情報121に指定されたグループの識別子によって、悪質顧客共有システム1を利用する事業者のうち顧客に関する情報121が共有される事業者が変わる。
【0040】
グループには悪質顧客情報共有システム1を利用する全事業者が所属する「全国グループ」と、系列や友好の関係にある事業者同士が所属する「特定事業者グループ」がある。悪質顧客情報共有システム1を利用する事業者は必ず全国グループに属し、その上で、同じく悪質顧客情報共有システム1を利用する事業者であって系列店や友好店など顧客に関する情報121を共有したい事業者がいる場合は、該当する事業者らで構成される特定事業者グループに所属する。
【0041】
事業者が悪質顧客情報共有システム1へ顧客を登録するとき、事業者は顧客に関する情報121に分類を指定する。ここで指定された分類によって、顧客に関する情報121を共有するグループ、すなわち顧客に関する情報121を共有される事業者が定まる。
【0042】
顧客に関する情報121に指定できる分類は、以下の4つである。各分類には、指定された顧客に関する情報121を共有するグループがそれぞれ定められている。事業者は、顧客を悪質顧客として指定する原因となったトラブルの種類によってそれぞれの分類を指定する。
(a)無断キャンセル(全国グループで情報を共有する)
(b)要注意(特定事業者グループ内で情報を共有する)
(c)出禁:迷惑行為(特定事業者グループ内で情報を共有する)
(d)出禁:犯罪行為(全国グループ内で情報を共有する)
【0043】
個人情報保護の観点から、全国グループで顧客の顧客に関する情報121を共有する場合は、該顧客の同意が必要となる。
【0044】
(実施例:第1実施形態)
図1は、第1実施形態における悪質顧客情報共有システム1の構成を示す図である。悪質顧客情報共有システム1は事業者端末3と通信ネットワークを介して接続している。
【0045】
悪質顧客情報共有システム1は、顧客情報受付部11、顧客情報保持部12、顧客情報照会部13、事業者情報保持部14、メッセージ作成部15、メッセージ送信部17、分類情報保持部18、グループ情報保持部19、グループ設定保持部110、グループ別メッセージ送信判定部111、グループ内顧客情報照会部112、分類別グループ識別子判定部113及び予約システム2を備えている。
【0046】
予約システム2は、予約受付部21、分類別予約登録制限判断部22及び予約管理部23を備えている。
【0047】
事業者端末3は事業者電話機4と接続され、CTIシステム31を備えている。
【0048】
事業者端末3に備わっているCTIシステム31は、着信受付部311、電話番号照会部312及び悪質顧客情報表示部313を備えている。
【0049】
通信ネットワークは、電話網、専用回線、LAN(Local Area Network)、インターネットなどであり、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0050】
図2は、顧客に関する情報121のデータ構造を示す図である。顧客に関する情報121は、顧客の氏名や連絡先、顧客による悪質行為の詳細情報で構成されており、顧客を特定するための照会キーを含む。本実施例では照会キーは顧客の電話番号である。
【0051】
分類は、事業者が顧客を悪質顧客として認定するに至った理由を、あらかじめ分類として定められた悪質行為の中から指定するものである。分類は1つの顧客に関する情報121に1つを指定してもよいし、2つ以上を指定してもよい。
【0052】
分類情報保持部18は、分類情報を保持する。分類情報とは、それぞれの分類についての分類の名称、顧客に関する情報121に該分類が指定された際にその情報を共有するグループの指定などである。
【0053】
予約システム2は、ある顧客について、該顧客の顧客に関する情報121に指定された分類及び、該顧客の顧客に関する情報121に分類の指定を行った事業者によって、顧客の利用予約を受け付けるか否かが異なる。
【0054】
グループは、顧客に関する情報121を共有する対象の事業者を指定するものである。ひとつの事業者はひとつのグループのみに所属してもよいし、複数のグループに所属してもよい。
【0055】
グループ情報保持部は、グループ情報を保持する。グループ情報とは、それぞれのグループについて、グループの名称、該グループに所属する事業者のリストなどである。
【0056】
グループ設定保持部は、各顧客に関する情報121に指定されたグループの識別子を保持する。
【0057】
顧客に関する情報121は、該顧客に関する情報121に指定された分類によって共有されるグループが異なる。
【0058】
着信受付部311は、顧客端末5から事業者電話機4へ発信された顧客からの電話着信を受け付ける。
【0059】
顧客端末5は例えば、スマートフォンを含む携帯電話機や固定電話機などであり、通話機能やSMS(ショートメッセージサービス)機能を有する。
【0060】
電話番号照会部312は、着信受付部311が受け付けた着信電話番号を含む顧客に関する情報121が顧客情報保持部12に存在するか否かを照会する。
【0061】
電話番号照会部312による照会の結果、着信受付部311が受け付けた着信電話番号と一致する電話番号を含む顧客に関する情報121が顧客情報保持部12に存在した場合は、悪質顧客情報表示部313が顧客情報保持部12から該顧客に関する情報121を受信し、事業者端末3に受信した顧客に関する情報121を表示する。
【0062】
事業者が悪質顧客の顧客に関する情報121を悪質顧客情報共有システム1に登録するとき、顧客情報受付部11は事業者端末3からの顧客に関する情報121の入力を受け付ける。このとき、顧客情報受付部11は、該顧客に関する情報121に分類の指定があればその指定も同時に受け付ける。
【0063】
分類別グループ識別子判定部113は、顧客情報受付部11が受け付けた顧客に関する情報121に分類が指定されている場合、指定されている分類に基づいて顧客に関する情報121にグループの識別子を指定する。
【0064】
顧客情報受付部11が顧客に関する情報121を顧客情報保持部12に登録するとき、グループ別メッセージ送信判定部111は、該顧客に関する情報121に指定されているグループの識別子によって該顧客に関する情報121の顧客にメッセージを送信するか否かを判定する。
【0065】
グループ別メッセージ送信判定部111がメッセージを送信しないと判定した場合は、該顧客にメッセージを送信しない。
【0066】
グループ別メッセージ送信判定部111がメッセージを送信すると判定した場合は、グループ別メッセージ送信判定部111は顧客情報保持部12から該顧客の連絡先を受信し、メッセージ作成部15に送信する。メッセージ作成部15はグループ別メッセージ送信判定部111の判定に基づいて該顧客に送信するメッセージを作成する。
【0067】
メッセージ作成部15は、該顧客が悪質顧客共有システム1に悪質顧客として登録されたことを明示的もしくは暗黙的に示す文言及び、事業者情報保持部14から取得した事業者情報を記載したメッセージ文章を作成する。
【0068】
メッセージ作成部15は、作成したメッセージ文章をメッセージ送信部17に送信する。
【0069】
図3は、メッセージ送信部17が送信するメッセージを示す図である。メッセージ送信部17は、メッセージ作成部15から受信したメッセージ文章を、該顧客の連絡先宛に送信する。
【0070】
顧客情報照会部13は、事業者端末3から照会キーによる顧客に関する情報121の照会の指示を受け付ける。
【0071】
顧客情報照会部13は、事業者端末3から受け付けた照会キーを含む顧客に関する情報121が顧客情報保持部12に存在するか否か照会する。
【0072】
顧客情報照会部13による照会の条件に該当する顧客に関する情報121が顧客情報保持部12に存在した場合は、顧客情報照会部13は顧客情報保持部12から該顧客に関する情報121を受信し、悪質顧客情報表示部313に送信する。
【0073】
図4は、悪質顧客情報表示部313による顧客に関する情報121の表示の例を示す図である。悪質顧客情報表示部313は、顧客情報照会部13から受信した顧客に関する情報121を事業者端末3に表示する。
【0074】
以上、第1実施形態における悪質顧客システムの構成について説明した。以下、本発明の第1実施形態に係る実際の処理について具体的に説明する。
【0075】
(第1実施形態:顧客からの予約受付)
図5は、第1実施形態における悪質顧客情報共有システム1への顧客の予約の登録処理を示すフローチャートである。以下、事業者が悪質顧客共有システム1を用いて顧客からの事業者の利用予約を受け付ける処理の一例を示す。
【0076】
事業者Aは、電話にて顧客iから、事業者Aが提供するサービスの利用予約を受け付ける。
【0077】
事業者電話機4は、顧客端末5からの電話着信を受け付ける。事業者電話機4と接続している事業者端末3ではCTIシステム31が動作していて、顧客iからの電話着信時に事業者端末3上には着信元の電話番号などの情報が表示される。
【0078】
事業者Aは顧客iから電話にて利用予約の申し込みが入ると、事業者端末3を用いて予約受付部21に予約情報を入力する。予約情報とは、利用予約の申し込む顧客の氏名、予約当日に利用を予定するサービスの名称などである。
【0079】
個人情報保護法の遵守のため、事業者Aは電話にて顧客iからの利用予約を受け付ける際、顧客iに対して「予約の無断キャンセルをした場合は、第三者が運営する悪質顧客情報共有システム1に顧客iの顧客に関する情報121が登録される」という旨を伝え、顧客iの了承を得る。
【0080】
事業者Aは、無断キャンセル時の顧客に関する情報121の取り扱いについて顧客iから了承を得た後、予約受付部21への予約情報の入力を完了する。
【0081】
予約受付部21は、事業者Aによって入力された予約情報を分類別予約登録制限判断部22に送信する。
【0082】
分類別予約登録制限判断部22は、顧客iの顧客に関する情報121について、「(c)出禁:迷惑行為」または「(d)出禁:犯罪行為」のいずれかまたは両方の分類を指定された状態で顧客情報保持部12に保持されていて、かつそれらの分類を指定した事業者が事業者Aであるか否かを照会する。
【0083】
顧客iの顧客に関する情報121について、事業者Aにより「(c)出禁:迷惑行為」または「(d)出禁:犯罪行為」のいずれかまたは両方の分類を指定されていない状態で顧客情報保持部12に保持されている、または顧客情報保持部12に該当の顧客に関する情報121が保持されていない、のいずれかの場合、分類別予約登録制限判断部22は、予約管理部23に予約情報を登録する。
【0084】
顧客iの顧客に関する情報121について、「(c)出禁:迷惑行為」または「(d)出禁:犯罪行為」のいずれかまたは両方の分類を指定されている状態で顧客情報保持部12に保持されていて、かつそれらの分類を指定した事業者が事業者Aである場合、分類別予約登録制限判断部22は、予約管理部23への予約情報の登録を拒否する。
【0085】
これにより、事業者が顧客の囲い込みを目的として、重大なトラブルを起こした悪質顧客であるなどの虚偽の情報にて悪質顧客情報共有システム1に該顧客の顧客に関する情報121を登録し、悪質顧客情報共有システム1を利用する他事業者が該顧客の利用を拒否するように誘導する不正を防止する。
【0086】
(第1実施形態:悪質顧客の登録)
図6は、第1実施形態における悪質顧客情報共有システム1への顧客に関する情報121の登録処理を示すフローチャートである。以下、新たに悪質顧客を悪質顧客情報共有システム1に登録する処理の一例を示す。
【0087】
システム提供者はあらかじめ、トラブルの内容を分類として以下の4種類に定め、それぞれについて顧客に関する情報121を共有するグループ、SMSによるメッセージ送信の有無及び予約管理部23への予約入力の可否を定めて分類情報保持部18に保存する。
(a)無断キャンセル:全国グループで共有、SMS送信有り、予約管理部23への予約入力可
(b)要注意:特定事業者グループで共有、SMS送信無し、予約管理部23への予約入力可
(c)出禁:迷惑行為:特定事業者グループで共有、SMS送信無し、予約管理部23への予約入力不可
(d)出禁:犯罪行為:全国グループで共有、SMS送信有り、予約管理部23への予約入力不可
【0088】
グループには、悪質顧客共有システム1を利用するすべての事業者が所属する「全国グループ」と、悪質顧客共有システム1を利用するすべての事業者のうち系列店や友好関係にあるなど特定の関係にある事業者のみが所属する「特定事業者グループ」の2種類が存在する。事業者Aは、悪質顧客共有システム1を利用するすべての事業者が所属する「全国グループ」に所属する。また、系列店事業者B、系列店事業者Cとの特定事業者グループ「グループG」を作成し、グループGに所属する。
【0089】
予約後に来店せず連絡も取れないなど「(a)無断キャンセル」にあたる顧客トラブルが発生した場合、事業者Aは、悪質顧客Wの顧客に関する情報121を、分類に「(a)無断キャンセル」を指定して顧客情報受付部11に入力する。
【0090】
分類別グループ識別子判定部113は、顧客に関する情報121に指定された分類「(a)無断キャンセル」に基づいて、顧客に関する情報121に「全国グループ」の識別子を指定する。
【0091】
グループ別メッセージ送信判定部111は、顧客に関する情報121に指定されたグループ「全国グループ」に基づいて、悪質顧客Wにメッセージを送信するものと判定する。
【0092】
メッセージ作成部15は、グループ別メッセージ送信判定部111の判定に基づき、悪質顧客Wに送信するメッセージ文章を作成する。
【0093】
「事業者Aにより、お客様の電話番号が「全国ブラックリストネットワーク」に登録されました。異議申立連絡先:03−xxxx−xxxx」のように、メッセージ作成部15は、悪質顧客Wが悪質顧客として悪質顧客情報共有システム1に登録された旨及び、悪質顧客Wを悪質顧客共有システム1に登録した事業者Aの情報をメッセージに記載する。メッセージ文章に悪質顧客共有システム1への顧客の登録を行った事業者の情報を記載することで、顧客の囲い込みを目的として、本来悪質でない顧客についてトラブルを捏造し、悪質顧客として悪質顧客共有システム1に登録する不正を防止する。また、悪質顧客共有システム1への顧客の登録を行った事業者の連絡先を記載することで、事業者が該顧客からの悪質顧客共有システム1への登録に関する異議申し立てを受け付けるようにすることが望ましい。
【0094】
メッセージ送信部17は、メッセージ作成部15からメッセージ文章を受信し、顧客情報保持部12に保持されている悪質顧客Wの連絡先電話番号宛にSMSによるメッセージを送信する。
【0095】
グループ内顧客情報照会部112は、分類に「(a)無断キャンセル」を指定して悪質顧客情報共有システム1に登録された悪質顧客Wの顧客に関する情報121について、分類と同時に指定されたグループの識別子「全国グループ」の情報共有範囲に従って、悪質顧客情報共有システム1の全利用者からの顧客に関する情報121の情報照会を受け付けるようになる。
【0096】
度を越したクレームなど「(b)要注意」にあたる顧客トラブルが発生した場合、事業者Aは、悪質顧客Xの顧客に関する情報121を、分類に「(b)要注意」を指定して顧客情報受付部11に入力する。顧客情報受付部11は、入力された悪質顧客Xの顧客に関する情報121を顧客情報保持部12に登録する。
【0097】
分類別グループ識別子判定部113は、悪質顧客Xの顧客に関する情報121について、該顧客に関する情報121に指定された分類「(b)要注意」に基づいて、該顧客に関する情報121に事業者Aが所属する特定事業者グループ「グループG」の識別子を指定する。
【0098】
グループ別メッセージ送信判定部111は、悪質顧客Xの顧客に関する情報121に指定されたグループの識別子「グループG」に基づいて、悪質顧客Xにメッセージを送信しないものと判定する。
【0099】
グループ内顧客情報照会部112は、分類に「(b)要注意」を指定して悪質顧客情報共有システム1に登録された悪質顧客Xの顧客に関する情報121について、分類と同時に指定されたグループの識別子「グループG」の情報共有範囲に従って、特定事業者グループ「グループG」に所属する事業者からのみ顧客に関する情報121の情報照会を受け付けるようになる。
【0100】
従業員に暴言を吐くなど「(c)出禁:迷惑行為」にあたる顧客トラブルが発生した場合、事業者Aは、悪質顧客Yの顧客に関する情報121を、分類に「(c)出禁:迷惑行為」を指定して顧客情報受付部11に入力する。顧客情報受付部11は、入力された悪質顧客Yの顧客に関する情報121を顧客情報保持部12に登録する。
【0101】
分類別グループ識別子判定部113は、悪質顧客Yの顧客に関する情報121に指定された分類「(c)出禁:迷惑行為」に基づいて、顧客に関する情報121に事業者Aが所属する「グループG」の識別子を指定する。
【0102】
グループ別メッセージ送信判定部111は、悪質顧客Yの顧客に関する情報121に指定されたグループの識別子「グループG」に基づいて、悪質顧客Yにメッセージを送信しないものと判定する。
【0103】
グループ内顧客情報照会部112は、分類に「(c)出禁:迷惑行為」を指定して悪質顧客情報共有システム1に登録された悪質顧客Yの顧客に関する情報121について、分類と同時に指定されたグループの識別子「グループG」の情報共有範囲に従って、特定事業者グループ「グループG」に所属する事業者からのみ顧客に関する情報121の情報照会を受け付けるようになる。
【0104】
分類別予約登録制限判断部22は、悪質顧客Yの顧客に関する情報121に指定された分類「(c)出禁:迷惑行為」に基づいて、悪質顧客Yの顧客に関する情報121の悪質顧客情報共有システム1への登録完了以降、悪質顧客Yによる事業者Aの利用の予約について、予約受付部21から予約管理部23への予約情報の登録を拒否する。
【0105】
経営母体の異なる事業者同士だけでなく、同一経営母体の系列店や友好店など、複数の事業者から構成される店舗グループ内の事業者同士でも業績を競っていることがある。事業者は優良顧客の囲い込みのため、優良顧客を悪質顧客として虚偽の情報で悪質顧客情報共有システム1に登録し、この情報を受けた他事業者が該顧客の利用を拒否することで顧客が自店舗のみを利用せざるを得なくなるように誘導する不正を行う可能性がある。これを防止する。
【0106】
無銭飲食などの「(d)出禁:犯罪行為」にあたるトラブルが発生した場合、事業者Aは顧客の同意を得て、悪質顧客Zの顧客に関する情報を、分類に「(d)出禁:犯罪行為」を指定して顧客情報受付部11に入力する。顧客情報受付部11は、入力された悪質顧客Zの顧客に関する情報121を顧客情報保持部12に登録する。
【0107】
顧客による犯罪行為が発覚した場合、事業者は犯罪行為をした顧客に反省文や損害賠償の同意書などの文書を書かせることが多く、その際に顧客に関する情報121の情報共有の同意を得やすい。
【0108】
分類別グループ識別子判定部113は、悪質顧客Zの顧客に関する情報121に指定された分類「(d)出禁:犯罪行為」に基づいて、顧客に関する情報121に「全国グループ」の識別子を指定する。
【0109】
グループ別メッセージ送信判定部111は、悪質顧客Zの顧客に関する情報121に指定されたグループの識別子「全国グループ」に基づいて、悪質顧客Xにメッセージを送信するものと判定する。
【0110】
悪質顧客情報共有システム1は「(a)無断キャンセル」の場合と同様の処理で悪質顧客Zにメッセージを送信する。
【0111】
グループ内顧客情報照会部112は、分類に「(d)出禁:犯罪行為」を指定して悪質顧客情報共有システム1に登録された悪質顧客Zの顧客に関する情報121について、分類と同時に指定されたグループの識別子「全国グループ」の情報共有範囲に従って、悪質顧客情報共有システム1の全利用者からの顧客に関する情報121の情報照会を受け付けるようになる。
【0112】
分類別予約登録制限判断部22は、悪質顧客Zの顧客に関する情報121に指定された分類「(d)出禁:犯罪行為」に基づいて、悪質顧客Zの顧客に関する情報121の悪質顧客情報共有システム1への登録完了以降、悪質顧客Zによる事業者Aの利用の予約について、予約受付部21から予約管理部23への予約情報の登録を拒否する。
【0113】
本実施例を変更し、「全国グループ」に情報共有されるが、顧客にメッセージは送信されないという分類を追加してもよい。例えば、分類「(d)出禁:犯罪行為」をそのようにする。この場合は、分類によってメッセージが送信されるかどうかが決定される。
【0114】
この実施例において、悪質顧客情報共有システム1は、グループ設定保持部110の代わりに分類設定保持部114(非図示)を、グループ別メッセージ送信判定部111の代わりに分類別メッセージ送信判定部115(非図示)を備える。
【0115】
分類設定保持部114は、各顧客に関する情報121に指定された分類を保持する。
【0116】
分類別メッセージ送信判定部115は、顧客に関する情報121に指定された分類によって該顧客にメッセージを送信するか否かを判断する。
【0117】
顧客情報受付部11が悪質顧客Zの顧客に関する情報121を顧客情報保持部12に登録するとき、分類別メッセージ送信判定部115は、悪質顧客Zの顧客に関する情報121に指定された分類「(d)出禁:犯罪行為」に基づいて、悪質顧客Zにメッセージを送信しないものと判定する。なお、顧客に関する情報121がメッセージを送信する分類を指定されているなど、分類別メッセージ送信判定部115がメッセージを送信すると判定した場合は、メッセージ作成部15は判定に基づいてメッセージ文章を作成する。
【0118】
また、本実施例を変更し、特定のグループの識別子が指定された顧客に関する情報121について、予約管理部23への予約の登録を拒否するとしてもよい。
【0119】
この実施例において、悪質顧客情報共有システム1は、分類別予約登録制限判断部22の代わりにグループ別予約登録制限判断部116(非図示)を備える。
【0120】
例えば、顧客に関する情報121にグループ「全国グループ」の識別子を指定された顧客の場合に予約管理部23への予約の登録を拒否するとする。この場合、グループ別予約登録制限判断部116は該顧客の顧客に関する情報121に指定されたグループの識別子「全国グループ」に基づいて、予約受付部21から予約管理部23への該顧客の予約情報の登録を拒否する。
【0121】
悪質顧客情報共有システム1が顧客に送信するメッセージは、電話による音声通話などの音声メッセージとしてもよい。この場合、上記実施例における悪質顧客へのメッセージの送信は、該悪質顧客に電話による音声通話を行うことに相当する。
【0122】
1つの顧客に関する情報121が保持する照会キーは2つ以上あるとしてもよい。例えば、悪質顧客Zの顧客に関する情報121に電話番号「090−0000−0000」及び「080−1111−1111」の2番号を登録するとしてもよい。この場合、上記実施例における悪質顧客Zへのメッセージの送信は、「090−0000−0000」及び「080−1111−1111」の2番号すべてに対して行われる。事業者が顧客を悪質顧客情報共有システム1に登録するとき、該顧客の連絡先として不正な情報を登録し、該顧客への通知なく該顧客を悪質顧客情報共有システム1に登録する不正を防止する。
【0123】
(第1実施形態:悪質顧客の照会)
以下、悪質顧客情報共有システム1に登録された悪質顧客情報を照会する処理の一例を示す。
【0124】
顧客iから事業者Aに電話着信があった場合、事業者Aの事業者電話機4が顧客の顧客端末5からの着信を受け付ける。
【0125】
事業者電話機4と接続している事業者端末3ではCTIシステム31が動作している。
【0126】
着信受付部311は、顧客端末5から事業者電話機4に着信した電話着信の発信元電話番号「090−1234−5678」を取得する。
【0127】
電話番号照会部312は、顧客情報保持部12に登録されている顧客に関する情報121のうち、着信受付部311が取得した発信元電話番号「090−1234−5678」が連絡先電話番号として登録されており、かつ指定されているグループの識別子が「全国グループ」または事業者Aが所属する特定事業者グループ「グループG」のいずれかであるものが存在するか否かを照会する。
【0128】
顧客の照会時に使用する照会キーとして連絡先電話番号を用いることで、事業者が不正な電話番号を顧客の電話番号として登録すると、その顧客は正しい電話番号では検索できなくなる。これにより、顧客の囲い込みなどを目的として、事業者が不正な電話番号を顧客の電話番号として登録し、顧客にSMSによるメッセージを送信せずに該顧客を悪質顧客として悪質顧客情報共有システム1に登録する不正を防止する。
【0129】
電話番号照会部312による照会の結果、該当の顧客に関する情報121が顧客情報保持部12に存在しない場合は、処理を終了する。
【0130】
電話番号照会部312による照会の結果、該当の顧客に関する情報121が顧客情報保持部12に存在する場合は、電話番号照会部312は該当の顧客に関する情報121を顧客情報保持部12から取得する。
【0131】
悪質顧客情報表示部313は、電話番号照会部312が取得した顧客に関する情報121を受信し、事業者端末3に表示する。
【0132】
顧客iの顧客に関する情報121が、分類に「(c)出禁:迷惑行為」または「(d)出禁:犯罪行為」のいずれかを指定されて顧客情報保持部12に登録されており、かつ「(c)出禁:迷惑行為」または「(d)出禁:犯罪行為」のいずれかの分類を顧客iの顧客に関する情報121に指定した事業者が事業者Aである場合、分類別予約登録制限判断部22は予約受付部21から予約管理部23への事業者Aに対する顧客iの予約情報の登録を拒否する。事業者Aが虚偽の情報を悪質顧客情報共有システム1に登録することで顧客の予約の囲い込みを行う不正を防止する。
【0133】
なお、顧客iの顧客に関する情報121が、分類に「(c)出禁:迷惑行為」または「(d)出禁:犯罪行為」のいずれかを指定されて顧客情報保持部に登録されており、かつ「(c)出禁:迷惑行為」または「(d)出禁:犯罪行為」のいずれかの分類を顧客iの顧客に関する情報121に指定した事業者が事業者A以外の事業者である場合、予約受付部21から予約管理部23への事業者Aに対する顧客iの予約情報の登録は分類別予約登録制限判断部22によって拒否されない。この場合事業者Aは、顧客iの予約について、店舗の事業管理者などと相談するなどして顧客iの予約を受け付けるか否か慎重に判断する。
【0134】
顧客iの顧客に関する情報121が顧客情報保持部12に登録されており、その分類が「(a)無断キャンセル」または「(b)要注意」の場合、事業者Aは顧客iに予約についての料金の前払いを要求するなど、適切な対応をする。
【0135】
電話番号照会部312による照会の結果、顧客情報保持部12に登録されている顧客に関する情報121のうち、着信受付部311が取得した発信元電話番号が連絡先電話番号として登録されており、かつ指定されているグループの識別子が「全国グループ」または事業者が所属する特定事業者グループのいずれかであるものが存在しない場合、悪質顧客情報表示部313は、事業者端末3に該当の情報が存在しなかった旨の表示を行うとしてもよいし、何も表示しないとしてもよい。
【0136】
悪質顧客情報表示部313による顧客に関する情報121の表示の際に、トラブルの内容について、それを登録した事業者の地域や業態を表示するようにしてもよい。情報を共有された事業者が悪質顧客対応時の参考とすることができる。
【0137】
悪質顧客情報表示部313による顧客に関する情報121の表示の際に、トラブルの内容について、トラブルの内容が複数表示されるようにしてもよい。悪質顧客が複数のトラブルを起こした際にそれらの情報をすべて共有することができる。
【0138】
悪質顧客情報表示部313による顧客に関する情報121の表示の際に、トラブルの内容について、トラブルの内容を登録した事業者が、事業者Aと同一事業者もしくは事業者Aが所属する特定事業者グループ「グループG」に属する場合とそうでない場合によって、表示を変えてもよい。情報登録を行った事業スタッフについて、特定事業者グループ内では氏名を共有し、それ以外には氏名を共有しないなどの運用をすることができる。
【0139】
悪質顧客情報表示部313による顧客に関する情報121の表示の際に、トラブルの内容について、一定期間以前に登録されたトラブルの内容は表示されないとしてもよい。また、顧客に関する情報121の分類によって、トラブルの内容が表示される期間が異なるとしてもよい。比較的発生頻度の高いトラブルである分類「(a)無断キャンセル」の場合は直近3ヶ月に登録されたトラブルの内容を表示し、発生頻度が低く重大なトラブルである分類「(d)出禁:犯罪行為」の場合はトラブルの内容を登録日時に関わらず無期限に表示するといった運用で、トラブルの重大性によって共有する情報量を変更することができる。
【0140】
事業者Aが、グループの識別子が「全国グループ」に指定された顧客に関する情報121の登録を悪質顧客共有システム1へ一定期間行わなかった場合、事業者Aの事業者端末3でグループ「全国グループ」の顧客に関する情報121の照会結果が表示されなくなるとしてもよい。事業者による「全国グループ」への顧客情報共有を促進し、悪質顧客情報共有システム1に登録される顧客に関する情報121を充実させることで、悪質顧客情報共有システム1の利用価値を高めることができる。
【0141】
事業者Aが悪質顧客共有システム1の利用契約を終了した場合、利用契約終了前の一定期間前以降に事業者Aが登録したトラブルの内容が自動的に削除される機能があってもよい。事業者Aが現在の事業を廃業して新規の事業を新たに開業する場合に、現在の事業の廃業間際に現在の事業の顧客を悪質顧客として虚偽の情報にて悪質顧客共有システム1へ登録を行い、現在の事業の開業後に新規の事業で現在の事業の顧客を囲い込むという不正を防止する。
【0142】
以下、第2実施形態における本発明の実施例を説明する。
【0143】
(実施例:第2実施形態の概要)
第2実施形態においては、ヘアサロンなどの美容所の事業者(以下「事業者」)向けの「無断キャンセル情報共有機能を備える利用予約システム」として、悪質顧客共有システム1を提供する。
【0144】
事業者が顧客を悪質顧客共有システム1に登録する際、該顧客の顧客に関する情報121には、分類及びグループの識別子が指定される。
【0145】
グループには悪質顧客情報共有システム1を利用する全事業者が所属する「全国グループ」がある。
【0146】
顧客に関する情報121に指定できる分類及びその分類が指定された顧客に関する情報121の共有範囲は、以下の通りである。
無断キャンセル(全国グループで情報を共有する)
【0147】
(実施例:第2実施形態)
図7は、第2実施形態における悪質顧客情報共有システム1の構成を示す図である。悪質顧客情報共有システム1は、事業者端末3及び顧客端末5とネットワークを介して接続している。
【0148】
悪質顧客情報共有システム1は、顧客情報受付部11、顧客情報保持部12、事業者情報保持部14、メッセージ作成部15、メッセージ送信手段取得部16、メッセージ送信部17、分類別グループ識別子判定部113及び予約システム2を備える。
【0149】
予約システム2は、予約受付部21、分類別予約登録制限判断部22、予約管理部23、顧客アカウント登録受付部24、顧客アカウント管理部25、予約受付通知部26、予約顧客情報照会部27及び予約承認部28を備える。
【0150】
顧客が事業者の利用を予約するとき、該顧客は顧客端末5を用いて該事業者の利用の予約を受け付ける予約システム2にアクセスする。予約システム2を利用する際は顧客アカウントが必要となり、該顧客がこれを所持していない場合は顧客アカウントを新規に作成する。
【0151】
顧客アカウント登録受付部24は、顧客端末5から新規に作成する顧客アカウントの情報の入力を受け付ける。顧客アカウントの情報は該顧客の連絡先メールアドレスを含む。
【0152】
顧客アカウント登録受付部24は、顧客端末5による入力が完了した顧客アカウントの情報を、顧客アカウント管理部25に登録する。このとき、顧客アカウント管理部25は、登録される顧客アカウントの照会キーとして顧客IDを生成し、顧客アカウントに付与する。
【0153】
ここで、顧客アカウント管理部25の情報は事業者が設定するものではない。事業者が設定するとした場合、顧客の連絡先として不正なメールアドレスを登録し、顧客が悪質顧客として悪質顧客情報共有システム1に登録された際に該顧客の実際の連絡先へメッセージを送信しないという不正が可能となる。これを防止する。
【0154】
顧客は顧客アカウント管理部25に保持されているアカウントを用いて予約システム2にログインする。
【0155】
分類別予約登録制限判断部22は、顧客によるログインに利用された顧客アカウントと同一の照会キーを保持し、かつ該顧客が予約を申し込む先となる事業者によって分類「無断キャンセル」を指定された顧客に関する情報121が顧客情報保持部12に存在するか照会し、その結果によって該顧客からの予約を受け付けるか否かを判断する。
【0156】
予約受付部21は、顧客端末5からの予約情報の入力を受け付ける。予約情報の入力は予約を申し込む顧客自身が顧客端末5を用いて入力しても、電話などで顧客からの連絡を受けた事業者が事業者端末3を用いて代わりに入力してもよい。
【0157】
予約受付通知部26は、予約受付部21から受け付けた予約情報を受信し、顧客から予約があった旨の通知を事業者端末3に送信する。
【0158】
予約顧客情報照会部27は、予約受付部21が受け付けた予約情報を入力した顧客の顧客に関する情報121が顧客情報保持部に存在するか照会する。該当の顧客に関する情報121が存在した場合は、その情報を取得して事業者端末3に送信する。
【0159】
予約承認部28は、予約受付通知部26が事業者端末3に通知した予約情報の受付について、承認または却下の判断を事業者端末3から受信する。
【0160】
承認の判断を受信した場合、予約承認部28は予約受付通知部26が通知した予約情報を予約管理部23に登録する。
【0161】
却下の判断を受信した場合、予約承認部28は予約受付通知部26が通知した予約情報を予約管理部23に登録しない。
【0162】
(第2実施形態:顧客からの予約受付)
図9は、第2実施形態における悪質顧客情報共有システム1への顧客の予約の登録処理を示すフローチャートである。以下、事業者が悪質顧客共有システム1を用いて顧客からの事業者の利用予約を受け付ける処理の一例を示す。
【0163】
分類情報保持部18に保持されている分類は「無断キャンセル」である。
【0164】
グループ情報保持部19に保持されているグループは「全国グループ」である。
【0165】
顧客情報保持部12への顧客に関する情報121の登録時、分類別グループ識別子判定部113は、分類に「無断キャンセル」を指定された顧客に関する情報121に対して、グループの識別子「全国グループ」を指定する。
【0166】
事業者Aは顧客iから、ネットワークを通して接続できる予約システム2によって予約を受け付ける。顧客iは顧客端末5から予約システム2にアクセスする。
【0167】
顧客iがすでに予約システム2を利用するための顧客アカウントを登録、所持している場合は、顧客iはその顧客アカウントを用いて予約システム2にログインする。
【0168】
顧客iが予約システム2を利用するための顧客アカウントの登録、所持をしていない場合は、顧客アカウントを新規に作成する。顧客iは顧客端末5を用いて顧客アカウント登録受付部24にアカウント情報を入力する。
【0169】
アカウント情報は、アカウントを作成する顧客iの氏名等であり、連絡先情報として顧客iのメールアドレスを含む。
【0170】
顧客アカウント登録受付部24は、顧客iによる入力が完了したアカウント情報を顧客アカウント管理部25に登録する。
【0171】
顧客アカウント管理部25への顧客アカウント登録時、顧客アカウント管理部25は登録される顧客アカウントに照会キーとして顧客IDを生成し、顧客アカウントに付与する。
【0172】
顧客による予約システム2へのログイン時、分類別予約登録制限判断部22はログインに使用された顧客アカウントと同一の顧客IDを保持し、かつ事業者Aによって分類「無断キャンセル」を指定された顧客に関する情報121が顧客情報保持部12に存在するか否かを照会する。
【0173】
分類別予約登録制限判断部22による照会の結果、該当の顧客に関する情報121が存在する場合、予約受付部21は予約の入力を拒否する。
【0174】
分類別予約登録制限判断部22による照会の結果、該当の顧客に関する情報121が存在しない場合、予約受付部21は顧客iによる予約情報の入力を受け付ける。
【0175】
顧客iは、予約受付部21に予約情報を入力する。予約情報とは、顧客iによる事業者Aの利用予約日、施術内容、利用を予約するサービス名などである。
【0176】
予約受付通知部26は、予約受付部21が受け付けた予約情報を受信し、顧客iからの予約があった旨の予約受付通知とともに事業者端末3に送信する。
【0177】
予約顧客情報照会部27は、顧客iのアカウントと同一の顧客IDを保持し、分類に「無断キャンセル」が指定されている顧客に関する情報121が顧客情報保持部に存在するか否かを照会し、存在する場合は該当の顧客に関する情報121を予約受付通知部26の予約受付通知及び予約情報とともに事業者端末3に送信する。
【0178】
事業者Aは、事業者端末3が予約受付通知部26から受信した予約受付通知を受けて、事業者端末3にて予約受付通知部26から受信した予約情報を確認する。予約顧客情報照会部27から顧客に関する情報121を受信した場合は、併せて確認する。
【0179】
これにより、事業者Aは顧客iが過去に悪質顧客情報共有システム1を利用する他店舗にて無断キャンセルを行った経歴があるか否かを確認することができる。
【0180】
顧客iが悪質顧客情報共有システム1を利用する他店舗にて無断キャンセルを行った経歴を持つ悪質顧客だった場合、事業者Aは顧客iに対して予約があったサービスの料金の前払いを要求するなど然るべき対応を行う。
【0181】
事業者Aは顧客iからの予約について承認するか拒否するかの判断を行い、事業者端末3から予約承認部28に承認または拒否の判断を入力する。
【0182】
予約承認部28が顧客iからの予約について承認と受信した場合、予約承認部28は予約受付部21による該当の予約情報の登録を受け付けるように予約管理部23に指示する。
【0183】
予約承認部28から予約情報の登録受付の指示を受けた予約管理部23は、顧客iからの予約の登録を受け付ける。
【0184】
予約承認部28が顧客iからの予約について拒否と受信した場合、予約承認部28は予約受付部21による該当の予約情報の登録を拒否するように予約管理部23に指示する。
【0185】
予約承認部28から予約情報の登録拒否の指示を受けた予約管理部23は、顧客iからの予約の登録を拒否する。
【0186】
予約顧客情報照会部27による照会で該当の顧客に関する情報121が存在しなかった顧客からの予約である場合は、予約承認部28による承認作業を省略して予約を承認するとしてもよい。
【0187】
(第2実施形態:悪質顧客の登録)
以下、新たに悪質顧客を悪質顧客情報共有システム1に登録する処理の一例を示す。
【0188】
「無断キャンセル」にあたるトラブルが発生した場合、事業者Aは、悪質顧客Xの顧客に関する情報を、分類に「無断キャンセル」を指定して顧客情報受付部11に入力する。
【0189】
顧客情報受付部11は、事業者端末3からの顧客に関する情報121の入力を受け付ける。顧客に関する情報121は、顧客アカウントを特定する照会キーとなる顧客IDを含む。
【0190】
分類別グループ識別子判定部113は、顧客に関する情報121に指定された分類「無断キャンセル」に基づいて、顧客に関する情報121にグループ「全国グループ」の識別子を指定する。
【0191】
顧客情報受付部11は、顧客に関する情報121を顧客情報保持部12に登録するとき、メッセージ作成部15に悪質顧客Xに送信するメッセージ文章を作成するように指示する。
【0192】
メッセージ作成部15は、事業者情報保持部14から事業者Aの情報を受信し、顧客情報受付部11の指示に基づき、悪質顧客Xに送信するメッセージ文章を作成する。「事業者Aにより、お客様が「全国無断キャンセル被害防止ネットワーク」に登録されました。異議申立連絡先:03−xxxx−xxxx」のように、メッセージ作成部15は、悪質顧客Xが悪質顧客として悪質顧客情報共有システム1に登録された旨および悪質顧客情報共有システム1に悪質顧客Xの登録を行った事業者Aの情報をメッセージ文章に記載する。
【0193】
メッセージ送信手段取得部16は、顧客情報受付部11の指示に基づき、顧客情報保持部12から悪質顧客Xの顧客IDを取得し、取得した顧客IDと同一の顧客IDを持つ顧客アカウントを顧客アカウント管理部25に照会する。
【0194】
メッセージ送信手段取得部16は、照会条件に該当した顧客アカウントから連絡先メールアドレスを取得する。
【0195】
メッセージ送信部17は、メッセージ作成部15からメッセージ文章を受信し、メッセージ送信手段取得部16から受信した連絡先メールアドレス宛に電子メールによるメッセージを送信する。
【0196】
これにより、顧客を悪質顧客情報共有システム1に登録した事業者を該顧客に通知することで、顧客の囲い込みを目的として優良顧客を悪質顧客として虚偽の情報にて悪質顧客情報共有システム1に登録する不正を防止する。
【0197】
分類に「無断キャンセル」を指定して悪質顧客情報共有システム1に登録された悪質顧客Xの顧客に関する情報121は、分類と同時に指定されたグループの識別子「全国グループ」の情報共有範囲に従って、悪質顧客情報共有システム1の全利用者からの顧客に関する情報121の情報照会を受け付ける。
【0198】
事業者Aによって顧客に関する情報121に分類「無断キャンセル」を指定された悪質顧客Xからのログインが予約システム2にあった場合、分類別予約登録制限判断部22は、顧客に関する情報121に指定された分類「無断キャンセル」に基づいて、予約管理部23への悪質顧客Xによる事業者Aの利用予約の登録を受け付けないものと判断する。
【0199】
予約受付部21は、分類別予約登録制限判断部22の判断に基づいて、悪質顧客Xによる予約情報の入力を拒否する。
【0200】
これにより、顧客の囲い込みを目的として優良顧客を悪質顧客として虚偽の情報にて悪質顧客情報共有システム1に登録することで、悪質顧客情報共有システム1を利用する他事業者に顧客の利用を敬遠させる不正を防止する。。
【0201】
以上、本発明の第2実施形態における悪質顧客情報共有システムの構成及び処理について説明した。同等の処理を他の構成でも実現可能であり、かかる構成も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0202】
例えば、予約システム2は、悪質顧客情報共有システム1とは別の場所にて運用するとしてもよい。また、悪質顧客情報共有システム1内の各構成部は、物理的・地理的に異なる複数の機器で構成されていてもよい。
【解決手段】悪質顧客情報共有システム1は、事業者による顧客を照会するための照会キーを含む顧客に関する情報の登録を受け付ける顧客情報受付部11と、顧客情報受付部11が受け付けた顧客に関する情報を保持する顧客情報保持部12と、事業者および事業者とは異なる事業者の操作によって、照会キーを用いて、ある顧客の顧客に関する情報の登録が顧客情報保持部12にあるかの照会を行う顧客情報照会部13と、事業者の情報を保持する事業者情報保持部14と、事業者が悪質顧客情報共有システムに顧客に関する情報を登録した顧客宛てのメッセージを作成するメッセージ作成部15と、メッセージ作成部15が作成したメッセージを顧客へ送信するメッセージ送信部17と、を備える。