(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)下記一般式(A1)で表される非イオン界面活性剤〔以下、(A)成分という〕、(B)下記一般式(B1)で表される非イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕、(C)炭素数8以上16以下のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸又はその塩及び炭素数8以上10以下の脂肪酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物〔以下、(C)成分という〕、(D)炭素数6以上12以下のグリコールエーテル〔以下、(D)成分という〕、(E)プロピレングリコール〔以下、(E)成分という〕及び水を含有し、(A)成分と(B)成分の合計含有量が5質量%以上30質量%以下、(C)成分の含有量が0.5質量%以上4質量%以下、(D)成分の含有量が8質量%以上30質量%以下、(E)成分の含有量が8質量%以上20質量%以下である、機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物。
R1aO−[(EO)m・(AO)n]−H (A1)
〔式中、R1aは炭素数10以上16以下の第2級アルキル基であり、EOはエチレンオキシ基であり、AOは炭素数3又は4のアルキレンオキシ基であり、mはEOの平均付加モル数を示し、nはAOの平均付加モル数を示し、mは5以上9以下の数であり、nは3以上6以下の数であり、EOとAOはブロック又はランダムに結合している。〕
R1bO−[(EO)p・(AO)q]−H (B1)
〔式中、R1bは炭素数10以上16以下の第2級アルキル基であり、EOはエチレンオキシ基であり、AOは炭素数3又は4のアルキレンオキシ基であり、pはEOの平均付加モル数を示し、qはAOの平均付加モル数を示し、pは5以上9以下の数であり、qは6を超えて10以下の数であり、EOとAOはブロック又はランダムに結合している。〕
(A)成分と(B)成分の合計含有量と(C)成分の含有量の質量比[(A)+(B)]/(C)が30以下である、請求項1又は2記載の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物。
(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比(A)/(B)が、0.1以上10以下である、請求項1〜3の何れか1項記載の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者等は、特定の非イオン界面活性剤である(A)成分と(B)成分と、特定の溶剤である(D)成分、(E)成分、及び特定の酸である(C)成分を特定量用いることで、テンプン汚れ洗浄力や抑泡性に優れると共に、透明安定性を高めることができる機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を見出した。
【0010】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物で、食器を前洗浄した後、すすぎ工程を必ずしも必要とせずに、機械洗浄機を用いて該食器を洗浄することができる。
これにより、機械洗浄前の洗浄において、高い洗浄力およびその後のすすぎ工程の省略により、掛かる労力の低減および時間短縮を実現できる。また、すすぎ工程を有さないことで、本発明の組成物が洗浄機に持ち込まれて機械洗浄が行われるが、そのようにして持ち込まれた本発明の組成物も洗浄力の向上に貢献するため、十分な洗浄が可能となり、機械洗浄機用の洗浄剤の削減または削除ができ、さらには洗浄時間短縮も可能となる。つまりは、洗浄工程全体での労力、時間、ひいてはトータルコストの低減が実現できる。
【0011】
〔機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物〕
<(A)成分>
本発明の(A)成分は、下記一般式(A1)で表される非イオン界面活性剤である。(A)成分は、デンプン汚れ洗浄性、透明安定性、濡れ性の観点から好ましい成分である。
R
1aO−[(EO)
m・(AO)
n]−H (A1)
〔式中、R
1aは炭素数8以上20以下の第2級アルキル基であり、EOはエチレンオキシ基であり、AOは炭素数3又は4のアルキレンオキシ基であり、mはEOの平均付加モル数を示し、nはAOの平均付加モル数を示し、mは4以上10以下の数であり、nは1以上6以下の数であり、EOとAOはブロック又はランダムに結合している。〕
【0012】
一般式(A1)中のR
1aは、炭素数8以上20以下の第2級アルキル基である。ここで、第2級アルキル基とは、第2級アルコールから水酸基を除去した残基であり、一般式(A1)中のR
1aO-においてO-と結合するR
1aの炭素原子が第2級炭素原子となっている。
R
1aの炭素数は、デンプン汚れ洗浄性、抑泡性、濡れ性の観点から、8以上、好ましくは9以上、より好ましくは10以上、そして、透明安定性の観点から、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下である。
【0013】
一般式(A1)中のAOは炭素数3又は4のアルキレンオキシ基であり、好ましくは炭素数3のプロピレンオキシ基である。
【0014】
一般式(A1)中のEOとAOはブロック又はランダムに結合しており、好ましくはブロックに結合している。より好ましくは、R
1aO−に、EO、AOの順でブロックに結合している。具体的には、以下の一般式(A2)で表される非イオン界面活性剤が挙げられる。
R
1aO−(EO)
m−(AO)
n−H (A2)
〔式中、R
1a、EO、AO、m、nは前記と同じ意味を示し、EOとAOはこの順にブロック結合している。〕
【0015】
一般式(A1)中、EOの平均付加モル数mは、デンプン汚れ洗浄性、抑泡性、濡れ性の観点から、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、そして、10以下、好ましくは9以下、より好ましくは8以下である。
【0016】
また、一般式(A1)中、AOの平均付加モル数nは、抑泡性の観点から、1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、そして、6以下、好ましくは5以下である。
【0017】
一般式(A1)の非イオン界面活性剤の具体例としては、入手性の観点から、好ましくはポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(4.5)−sec−ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(4.5)−sec−トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(4.5)−sec−テトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(2.5)−sec−ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(2.5)−sec−トリデシルエーテル、及びポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(2.5)−sec−テトラデシルエーテルから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。ここで、( )内はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの平均付加モル数である。
【0018】
一般式(A1)の非イオン界面活性剤の重量平均分子量は、デンプン汚れ洗浄性、抑泡性、濡れ性の観点から、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、そして、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下である。
【0019】
一般式(A1)の非イオン界面活性剤は、例えば「ソフタノール」の商品名で(株)日本触媒から入手可能である。
【0020】
<(B)成分>
本発明の(B)成分は、下記一般式(B1)で表される非イオン界面活性剤である。(B)成分は、デンプン汚れ洗浄性、抑泡性、濡れ性の観点から好ましい成分である。
R
1bO−[(EO)
p・(AO)
q]−H (B1)
〔式中、R
1bは炭素数8以上20以下の第2級アルキル基であり、EOはエチレンオキシ基であり、AOは炭素数3又は4のアルキレンオキシ基であり、pはEOの平均付加モル数を示し、qはAOの平均付加モル数を示し、pは4以上10以下の数であり、qは6を超えて10以下の数であり、EOとAOはブロック又はランダムに結合している。〕
【0021】
一般式(B1)中のR
1bは、炭素数8以上20以下の第2級アルキル基である。ここで、第2級アルキル基とは、第2級アルコールから水酸基を除去した残基であり、一般式(B1)中のR
1bOにおいてOと結合するR
1bの炭素原子が第2級炭素原子となっている。
R
1bの炭素数は、抑泡性、濡れ性の観点から、8以上、好ましくは9以上、より好ましくは10以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下である。
【0022】
一般式(B1)中のAOは炭素数3又は4のアルキレンオキシ基であり、好ましくは炭素数3のプロピレンオキシ基である。
【0023】
一般式(B1)中のEOとAOはブロック又はランダムに結合しており、好ましくはブロックに結合している。より好ましくは、R
1bO−に、EO、AOの順でブロックに結合している。具体的には、以下の一般式(B2)で表される非イオン界面活性剤が挙げられる。
R
1bO−(EO)
p−(AO)
q−H (B2)
〔式中、R
1b、EO、AO、p、qは、前記と同じ意味を示し、EOとAOはこの順にブロック結合している。〕
【0024】
一般式(B1)中、EOの平均付加モル数pは、デンプン汚れ洗浄性、抑泡性、濡れ性の観点から、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、そして、10以下、好ましくは9以下、より好ましくは8以下である。
【0025】
また、一般式(B1)中、AOの平均付加モル数qは、抑泡性の観点から、6を超え、好ましくは7以上、そして、10以下、好ましくは9以下である。
【0026】
さらに、一般式(B1)中、AOの平均付加モル数qと、一般式(A1)中、AOの平均付加モル数nとの差(q−n)は、デンプン汚れ洗浄性、濡れ性の観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、より更に好ましくは3以上であり、そして、抑泡性、透明安定性の観点から、好ましくは8以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下、より更に好ましくは5以下である。
【0027】
一般式(B1)の非イオン界面活性剤の具体例としては、入手性の観点から、好ましくはポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(8.5)−sec−ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(8.5)−sec−トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(8.5)−sec−テトラデシルエーテルから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。ここで、( )内はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの平均付加モル数である。
【0028】
一般式(B1)の非イオン界面活性剤の重量平均分子量は、デンプン汚れ洗浄性の観点から、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、そして、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下である。
【0029】
一般式(B1)の非イオン界面活性剤は、例えば「ソフタノール」の商品名で(株)日本触媒から入手可能である。
【0030】
<(C)成分>
本発明の(C)成分は、アルケニルコハク酸又はその塩及び炭素数8以上10以下の脂肪酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物である。(C)成分は、透明安定性の観点から好ましい成分である。(C)成分は、透明安定性の観点から、好ましくはアルケニルコハク酸又はその塩である。
【0031】
アルケニルコハク酸又はその塩は、炭素数が好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下のアルケニル基を有する。アルケニルコハク酸塩の塩は、カリウム塩、ナトリウム塩が挙げられ、組成物中の溶解性、溶液安定性の観点から、カリウム塩が好ましい。またアルケニルコハク酸塩の塩は、モノ塩、ジ塩でもよく、ジ塩がより好ましい。
アルケニルコハク酸又はその塩としては、透明安定性の観点から、炭素数12以上14以下のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸ジカリウム塩が好ましい。
【0032】
炭素数8以上10以下の脂肪酸又はその塩としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、及びそれらの塩から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはカプリル酸又はその塩である。脂肪酸塩の塩は、カリウム塩、ナトリウム塩が挙げられ、組成物中の溶解性、溶液安定性の観点から、カリウム塩が好ましい。
【0033】
<(D)成分>
本発明の(D)成分は、炭素数6以上12以下のグリコールエーテルである。(D)成分は、透明安定性の観点から、溶剤として好ましい成分である。
炭素数6以上12以下のグリコールエーテルの炭素数は、透明安定性の観点から好ましくは炭素数8以上であり、また、好ましくは10以下である。尚、炭素数は、グリコールエーテルの総炭素数である。
【0034】
炭素数6以上12以下のグリコールエーテルは、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数2又は3のグリコールのポリエーテル、あるいは前記グリコール若しくは前記ポリエーテルに、アルキル基が1つ、エーテル結合したモノアルキルエーテル化合物が好ましい。
モノアルキルエーテルのアルキル基としては、好ましくは炭素数1以上4以下であり、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基である。各種とは、ノルマル、イソ、ターシャリーを含む。
【0035】
炭素数6以上12以下のグリコールエーテルの具体例としては、3−メチル−3−メトキシブタノール(炭素数6)、エチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数6)、ジプロピレングリコール(炭素数6)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数8)、ジブチレンジグリコール(炭素数8)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(炭素数10)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数10)等が挙げられ、透明安定性の観点から、好ましくはジエチレングリコールモノブチルエーテル、及びトリエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはジエチレングリコールモノブチルエーテルである。
【0036】
<(E)成分>
本発明の(E)成分は、炭素数2以上3以下のアルコールである。(E)成分は、透明安定性の観点から、溶剤として、好ましい成分である。
(E)成分としては、プロピレングリコール、エタノール、及び炭素数2以上3以下のアルコールから選ばれる1種以上が挙げられ、透明安定性の観点から、プロピレングリコールとエタノールの併用が好ましい。
【0037】
<水>
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、水を含有する。水は、組成物の残部となる量で用いられる。水は、イオン交換水又は蒸留水を用いることが出来る。また、水を殺菌又は滅菌する目的から少量の塩素を含有してもよい。本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、液体が好ましい。
【0038】
<その他の成分>
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、分散剤、pH調整剤、増粘剤、粘度調整剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、抑泡剤、漂白剤、漂白活性化剤、酵素などの成分(ただし、(A)〜(E)成分を除く)を配合することができる。
【0039】
<組成等>
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(A)成分〜(E)成分、及び水を、所定の比率で配合してなることが好ましい。
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(A)成分を、デンプン汚れ洗浄性、透明安定性、濡れ性の観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは6質量%以上、そして、抑泡性及び原料コスト低減の観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは18質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは12質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下、含有する。
【0040】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(B)成分を、デンプン汚れ洗浄性及び抑泡性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは6質量%以上、そして、透明安定性及び原料コスト低減の観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは18質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは12質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下含有する。
【0041】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(A)成分と(B)成分の合計含有量が、デンプン汚れ洗浄性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、そして、抑泡性及び透明安定性の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
【0042】
機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比(A)/(B)が、デンプン汚れ洗浄性、濡れ性及び透明安定性の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.5以上、そして、濡れ性、抑泡性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは6以下、より更に好ましくは3以下、より更に好ましくは2以下である。
【0043】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(C)成分を、透明安定性の観点から、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、そして、抑泡性及びデンプン汚れ洗浄性の観点から、4質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下含有する。
【0044】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(A)成分と(B)成分の合計含有量と(C)成分の含有量の質量比[(A)+(B)]/(C)が、抑泡性及びデンプン汚れ洗浄性の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは7以上、より更に好ましくは9以上、そして、透明安定性の観点から、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは15以下、より更に好ましくは12以下である。
【0045】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(D)成分を、透明安定性の観点から、8質量%以上、好ましくは9質量%以上、より好ましくは10質量%以上、そして、原料コストの観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下含有する。
【0046】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(E)成分を、透明安定性の観点から、2質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、そして、透明安定性及び原料コストの観点から、20質量%以下、好ましくは18質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは13質量%以下含有する。
(E)成分として、プロピレングリコールとエタノールを併用する場合、本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、プロピレングリコールを、透明安定性の観点から、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは8質量%以上、そして、透明安定性及び原料コストの観点から、好ましくは19質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは15質量%以下含有し、エタノールを、透明安定性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、原料コストの観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下含有する。
【0047】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(D)成分と(E)成分の合計含有量が、透明安定性の観点から、好ましくは15質量%以上、より好ましくは18質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、そして、原料コストの観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
【0048】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(A)成分と(B)成分の合計含有量と(D)成分と(E)成分の合計含有量の質量比[(A)+(B)]/[(D)+(E)]が、透明安定性の観点から、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0.8以下、そして、原料コストの観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは0.6以上である。
【0049】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、水を、原料コスト低減の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上、そして、他の成分を配合する観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、より更に好ましくは65質量%以下含有する。
【0050】
<pH>
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、安全性の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは6以上であり、安全性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である。pHは、JIS K 3362:2008 8.3の記載に準じて測定することができる。
【0051】
<粘度>
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の25℃における粘度は、使用時の取り扱いの観点から、好ましくは200mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下であり、そして、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上である。粘度は、JIS Z 8803:2011の記載に準じて測定することができ、具体的には、TOKIMEC社製B型粘度計を用いて、ローター:No.1、回転数:30rpmの条件で測定することができる。
【0052】
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物は、(A)成分,(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び水を配合して得ることが好ましい。
【0053】
<機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の製造方法>
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分と、(E)成分と、水とを混合する機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の製造方法であって、組成物中の(C)成分の混合量が0.5質量%以上4質量%以下、(D)成分の混合量が8質量%以上、(E)成分の混合量が2質量%以上20質量%以下となるように混合する機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の製造方法を提供する。この製造方法により、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び水を含有し、(C)成分の含有量が0.5質量%以上4質量%以下、(D)成分の含有量が8質量%以上、(E)成分の含有量が2質量%以上20質量%以下である、機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物が製造される。
【0054】
これら本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の製造方法に用いられる(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物で述べたものと同じである。
また本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物で述べた(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び水の含有量、(A)成分と(B)成分の合計含有量、並びに(D)成分と(E)成分の合計含有量は、含有量を混合量と読み替えて、本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の製造方法に適用することができる。
また本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物で述べた(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比(A)/(B)、(A)成分と(B)成分の合計含有量と(C)成分の含有量の質量比[(A)+(B)]/(C)、及び(A)成分と(B)成分の合計含有量と(D)成分と(E)成分の合計含有量の質量比[(A)+(B)]/[(D)+(E)]は、各成分の含有量を混合量と読み替えて、本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の製造方法に適用することができる。
【0055】
〔食器の洗浄方法〕
本発明の洗浄剤組成物は、機械式洗浄機、即ち、自動食器洗浄機による洗浄の前の処理剤組成物として用いるものである。
本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を用いる前処理の洗浄方法としては、例えば、(1)該組成物を含む可撓性材料、例えば、該組成物と水とを含むスポンジ等の可撓性道具で、硬質表面を洗浄する手洗い洗浄法、(2)該組成物を含む浸漬洗浄剤中に、硬質表面を有する物品、例えば、食器を浸漬させる浸漬洗浄法、(3)該組成物を、食器、例えばスプレー等で、噴霧又は塗布して接触させる洗浄法などが挙げられる。これらを組み合わせて用いてもよい。
(1)の食器を手洗い洗浄する場合は、スポンジに含まれる水で希釈された後の該洗浄剤組成物の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
(2)の浸漬洗浄する場合は、浸漬洗浄剤中、該洗浄剤組成物の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
(3)のスプレー等で噴霧洗浄する場合は、噴霧洗浄剤中、該洗浄剤組成物の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
【0056】
本発明の好ましい洗浄方法は、本発明の洗浄剤組成物で、スポンジ等の可撓性道具で、食器を手洗い洗浄する工程と、該食器を機械により洗浄する工程とを有する。以下、より具体的な洗浄方法について説明する。
【0057】
本発明は、下記工程1の終了後、下記工程2を行う、食器の洗浄方法に関する。
工程1:本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を水で希釈した処理液で、食器を手洗い又は浸漬洗浄又は噴霧洗浄する工程
工程2:機械洗浄機を用いて、工程1で洗浄した食器を洗浄する工程
【0058】
<工程1>
手洗い、浸漬洗浄、噴霧洗浄のいずれの場合も、工程1での処理液の温度は、洗浄力及び安全性の観点から、好ましくは70℃未満、より好ましくは60℃以下、さらに好ましくは50℃以下、そして、好ましくは5℃以上である。
【0059】
工程1で、手洗い洗浄する場合は、水を含んだスポンジ等の可撓性材料で食器を洗浄することが好ましい。
工程1で手洗い洗浄する場合は、処理液中の本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。この含有量となるように、本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を水で希釈する。
【0060】
工程1で、浸漬洗浄する場合は、処理液中の本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。この含有量となるように、本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を水で希釈する。
工程1で、浸漬洗浄する場合、洗浄力の観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上、そして、同様の観点から、好ましくは120分以下、より好ましくは90分以下、更に好ましくは60分以下、より更に好ましくは30分以下、食器を処理液中に浸漬する。また浸漬の際、食器類をスポンジ等で手洗いしても良い。すなわち、工程1は、前記処理液で食器を手洗い洗浄及び浸漬洗浄する工程であってもよい。この場合、手洗い洗浄と浸漬洗浄の順序や回数は問わない。
食器の浸漬は、処理液を収容した浸漬槽を用いて行うことができる。浸漬槽は、一般的にシンクと表現されているものを使用することができる。業務用で使用されるシンクの容積は、厨房に於ける洗浄室の広さにより異なるが、例えば、0.1m
3以上3m
3以下のものが挙げられる。食器は、処理液に完全に浸漬することが好ましい。食器を完全に浸漬する容積を有する浸漬槽と処理液の量を組み合わせることが好適である。
【0061】
工程1で、噴霧洗浄する場合は、処理液中の本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。この含有量となるように、本発明の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を水で希釈する。
工程1で、噴霧洗浄する場合、洗浄力の観点から機械洗浄機を用いた予備洗浄を行う事ができる。噴霧洗浄時間は、好ましくは1秒以上、より好ましくは2秒以上、更に好ましくは3秒以上、そして、同様の観点から、好ましくは120秒以下、より好ましくは90秒以下、更に好ましくは60秒以下、食器の噴霧洗浄を行う。すなわち、工程1は、前記処理液で食器を手洗い洗浄及び浸漬洗浄及び噴霧洗浄する工程であってもよい。食器の噴霧洗浄は、一般的な業務用機械洗浄機を用いて行うことができる。機械洗浄機は、アンダーカウンター型、ドアー型、コンベアー型と表現されているものを使用することができる。特には、浸漬槽を有するコンベアー型の使用が好ましく、食器表面に噴霧液を接触させる事が出来る、噴霧圧力の高い機械洗浄機を組み合わせることが好適である。
【0062】
<工程2>
工程2では、機械洗浄機を用いて、工程1で洗浄した食器を洗浄する。
工程2で抑泡性に優れる観点から、工程1で洗浄した食器は水ですすぐ必要がない。
工程2で用いる機械洗浄機は、例えば自動食器洗浄機として知られている装置が挙げられる。自動食器洗浄機は、一般に市場で入手可能な自動食器洗浄機であればよく、家庭用自動食器洗浄機を用いることも可能であるが、好ましくは業務用自動食器洗浄機である。
また、工程2での洗浄条件は特に限定されず、洗浄剤の種類、洗浄温度、洗浄時間などは、自動食器洗浄機による公知の洗浄条件に準じて行うことができる。工程2で用いる洗浄液は、工程1で用いる処理液とは異なる組成であることが好ましい。
工程2では洗浄を40℃以上で行うことが好ましい。具体的には、工程2で用いる洗浄水の温度は、抑泡性の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上、そして、好ましくは90℃以下である。
【実施例】
【0063】
<機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の調製方法>
下記の成分を用いて、表1記載の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を、下記のように調製した。
【0064】
各成分の合計量が500gになる様に配合量を計算した。下記の順に500mLビーカーに各成分を投入し、攪拌機(TOKYO DRIKAKIKAI社製、TypeZ−2200)及び撹拌羽(3枚羽:直径4cm)を用い、回転数200(rpm/min)にて混合した。尚、調製温度は25℃から35℃の範囲にて調整した。
調製手順は、水に(C)成分、(D)成分及び(E)成分を添加、撹拌し、均一になったところで、(A)成分及び(B)成分を添加し均一に撹拌した。撹拌し、均一になったところで、pHの調整を行った。pH調整は、水酸化ナトリウム又はクエン酸を添加することにより調整した。
【0065】
機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物(原液)のpHは、安定性確保のために、25℃で7とした。pHは、「JIS Z 8802 7.2」のpH測定法により測定した。pHの測定には、堀場製作所製のpHメーター F−52を用いた。
【0066】
ここで、用いた成分は以下のものである。
・(A)成分
A−1:一般式(A1)中のR
1aが炭素数12〜14の第2級アルキル基、AOがプロピレンオキシ基、m=7.0、n=4.5の非イオン界面活性剤、商品名「ソフタノールEP7045」(株式会社日本触媒製)、EOとAOはこの順にブロック結合している。
・(B)成分
B−1:一般式(B1)中のR
1bが炭素数12〜14の第2級アルキル基、AOがプロピレンオキシ基、p=7.0、q=8.5の非イオン界面活性剤、商品名「ソフタノールEP7085」(株式会社日本触媒製)、EOとAOはこの順にブロック結合している。
・(C)成分
C−1:ドデシルアルケニルコハク酸(商品名「ASA12」、花王株式会社製)
C−2:カプリル酸(商品名「ルナック8−98」、花王株式会社製)
【0067】
・(D)成分
D−1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数8、商品名「BDG−NS」、日本乳化剤株式会社製)
D−2:トリエチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数10、商品名「BTG」、日本乳化剤株式会社製)
D−3:ジプロピレングリコール(炭素数6、商品名「DPG−RF」、株式会社ADEKA製)
・(E)成分
E−1:プロピレングリコール(炭素数3、商品名「プロピレングリコール」、旭硝子株式会社製)
E−2:エタノール(炭素数2、特級試薬、和光純薬製)
【0068】
<デンプン汚れ洗浄性の評価>
(1)直径12cm、高さ4.5cmで、側面からの形状が半円形状のメラミン製茶碗の内側に、炊飯器で炊いた米飯を、平面から見た茶碗の直径と重なるように幅3cm、長さ16cmの帯状で、米粒が残らない様に擦りつけた。米飯の温度は40±10℃であった。
(2)米飯を擦りつけたメラミン製茶碗を、25℃±5℃に調整された部屋で2時間放置し、擦りつけた米飯が乾燥、固化している事を触手で確認した。
(3)45℃の温水800mLを、縦18.7cm、横12.8cm、高さ6.0cmのポリプロピレン製バットに入れ、表記載の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を0.8g投入し、処理液を調製した。処理液中の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物の濃度は0.1質量%であった。
(4)茶碗を、米飯を擦りつけた面積の半分が浸かるように、処理液に5分間浸漬(工程1)後、取り出した。
(5)取り出した茶碗は1分以内に、1ドアタイプの業務用食器洗浄機(三洋電機株式会社製 SANYO DR53)にセットし、洗浄温度50℃、洗浄時間40秒、濯ぎ温度80℃、濯ぎ時間10秒の条件で洗浄した(工程2)。尚、洗浄機の洗浄液槽(38L)を、業務用自動食器洗浄剤(アクシャルニュースターAN:花王株式会社製)にて、濃度が0.15質量%になる様に予め洗浄液を調整している。又、この食器洗浄機では、洗浄中、洗浄液槽に収容された洗浄液の濃度は一定となるように制御されている。
(6)洗浄終了後、取り出した茶碗内側の米飯汚れの洗浄性確認の為、ヨウ素化デンプン反応を用いた着色度合にて確認した。
(7)ヨウ素溶液(試薬:0.01N)を、茶碗内側全体に噴霧した後、40℃±5℃の温水で10秒間すすぎ、浸漬部分の着色度合を目視にて判定した。デンプン汚れ除去性の評価は、下記に示す5段階の評価基準に従って評価した。結果を表1に示した。
5:浸漬部分に、極僅かに着色が認められる(極僅かに、デンプン汚れが残存。)。
4:浸漬部分に、僅かに着色が認められる。
3:浸漬部分に、着色が認められる。
2:浸漬部分に、多く着色が認められる。
1:浸漬部分に、非常に多く着色が認められる(機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を使用しないで洗浄した結果と同等である。)。
【0069】
<透明安定性の評価>
表記載の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を、100mlのガラス製容器(マルエム社製No8、40mm×120mm)に50ml入れ、緩やかに混合しながら昇温させた。昇温により外観が白濁状態になった後、冷却を行い透明になった温度を、アルコール温度計(0〜100℃)にて測定し、結果を表1に示した。透明になった温度が高いほど、透明安定性に優れる。尚、透明安定性に優れる組成物は、保存時の安定性にも優れる。
【0070】
<抑泡性の評価>
表記載の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を、イオン交換水にて0.2質量%に希釈した後、100mlのガラス製容器(マルエム社製No8、40mm×120mm)に50ml入れ密閉。40℃迄昇温した後、縦方向に20回振とうさせた。10秒間静置した後、泡の高さを測定した。
評価は、下記に示す5段階の評価基準に従って評価した。結果を表1に示した。
5:1mm未満
4:1mm以上3mm未満
3:3mm以上5mm未満
2:5mm以上10mm未満
1:10mm以上。
前洗い用食器洗浄剤組成物の泡立ちが少なければ、前洗いを行った後に、前洗い用食器洗浄剤組成物が付着した食器を機械洗浄する際の泡立ちを抑制できるため好ましい。更には、噴霧洗浄に於いて直接機械洗浄機に投入して使用する事が出来る為、本評価は数字が大きい方が好ましい。
【0071】
<濡れ性の評価>
(1)表記載の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物を、1ml計りとり1000mlのビーカーに投入した後、0.1質量%の希釈濃度になる様にトータルで1000mlの25℃の水道水を側壁に伝わらせながら注いだ。注ぎ終わった後、直径0.5cm/長さ20cmのガラス棒で表面に泡が立たない様に緩やかに混合した。5分間静置し表面の泡が無くなった事を確認した。
(2)綿ニット未精練布を2cm×2cmサイズに裁断した。用いる綿ニット未精練布は、天然由来の有機物汚れ及び無機物汚れが付着しているものを使用した。有機物汚れは、未精練布をジエチルエーテールにて抽出後、ガスクロマトグラフィー法での分析により、脂肪酸及びその塩が約33質量%、アルコール類(炭素数28〜30のアルコール化合物)約38質量%、エステル類が約21質量%、その他約8質量%が付着した物であった。無機物汚れはケルダール法での分析により、Caが1400〜1800ppm及びMgが500〜1100ppmが付着した物であった。
(3)表記載の機械洗浄前洗い用食器洗浄剤組成物0.1質量%希釈溶液に、2cm×2cmに裁断した前記綿ニット未精練布を静かに浮かべ、ビーカーの底に沈む迄の時間を計測した。これを、3回繰り返した平均時間を、下記に示す5段階の評価基準に従って評価した。結果を表1に示した。
5:30秒未満
4:30秒以上60秒未満
3:60秒以上90秒未満
2:90秒以上120秒未満
1:120秒以上
綿ニット未精練布がビーカーの底に沈む迄の平均時間が短いほど、濡れ性が高いことを示す。濡れ性が高いほど、洗浄力が高くなる傾向があり、本評価は、数字が大きい方が好ましい。
【0072】
【表1】