(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1を示す。
【0010】
複合型樹脂成形装置1は、プレス部2と、射出部4と、を備える。第1実施形態のプレス部2は、ベース21、駆動部としてのボールネジ22、スライド23、駆動部としてのプレスモータ24及びボールネジナット25、並びに、位置検出部26を備える。
【0011】
ベース21は、プレス部2を地面に載置するための基台となる部材である。ボールネジ22は、ベース21に対して上下方向に移動可能な柱状の部材である。本実施形態のボールネジ22は4本あり、ベース21の4隅にそれぞれ移動可能に設置される。なお、ボールネジ22は4本に限らず、少なくとも2本以上の複数であって、ベース21に移動可能に支持されればよい。また、柱状のものに限らず、どのような形状でもよい。
【0012】
スライド23は、ボールネジ22の上方にジョイント等を介して傾斜可能に取り付けられる。本実施形態のスライド23は、4本のボールネジ22が4隅に位置するように配置される。プレスモータ24は、ベース21に支持され、ボールネジナット25を駆動する。ボールネジナット25は、プレスモータ24の駆動力によって駆動され、ボールネジ22を移動させる。なお、本実施形態では、プレスモータ24によってボールネジナット25を駆動させる方式としたが、直接ボールネジ22を駆動させるボールネジ駆動方式でもよい。
【0013】
本実施形態のプレスモータ24及びボールネジナット25は、スライド23の4隅に対応してそれぞれ4つ設置される。4つのプレスモータ24は、それぞれ独立して作動することができる。したがって、スライド23は、傾斜可能であり、任意の姿勢に制御することが可能である。なお、プレスモータ24は、それぞれ4つに限らず、少なくとも2つ以上あればよい。
【0014】
位置検出部26は、目盛柱を読み取り、スライド23がベース21に対して位置する実位置を測定するリニア・スケール等が好ましい。本実施形態の位置検出部26は、スライド23の4隅に対応して4つ設置される。なお、位置検出部26は、少なくとも2つ以上あればよい。
【0015】
プレス部2には、金型部3が取り付けられる。金型部3は、スライド23に取り付けられる上型部31と、ベース21に載置される下型部32と、を有する。上型部31は、スライド23によって移動する。下型部32は、ベース21に載せられている。
【0016】
射出部4は、基台41と、シリンダ42と、射出モータ43と、スクリュー44と、逆流防止弁45と、ホッパー46と、を有する。シリンダ42及び射出モータ43は、基台41に支持される。シリンダ42は、射出モータ43によって駆動されるスクリュー44を回転可能に内蔵する。スクリュー44の先端付近には逆流防止弁45が設置される。ホッパー46は、材料をシリンダ42内に注入する。
【0017】
ホッパー46に投入された材料は、シリンダ42内に注入される。シリンダ42内に注入された材料は、射出モータ43によって駆動されるスクリュー44の回転によってシリンダ42の先端側に運ばれる。さらに射出モータ43が回転すると、材料は逆流防止弁45を越えてシリンダ42の先端から射出される。シリンダ42から排出された材料は、金型部3内に射出される。なお、射出部4の先端は、金型部3の中心線Cに対して交差する方向に向かって配置される。中心線Cは、金型部3を上方から見た場合に、中心を通る線である。
【0018】
図2は、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1のシステム構成を示す図である。
【0019】
複合型樹脂成形装置1は、操作者によって操作される操作盤6と、操作盤6からの指令に応じて第1軸〜第4軸のプレスモータ24a〜24dを駆動制御する制御部7と、それぞれのプレスモータ24a〜24dに供給するスライド23の移動段階ごとの駆動エネルギーに関する情報を予め記憶する記憶部8と、を有する。なお、第1軸〜第4軸は、ボールネジ22の軸に対応する。また、記憶部8は、制御部7に含まれてもよい。
【0020】
また、複合型樹脂成形装置1は、各軸に対応して、制御部7から信号を受けてプレスモータ24a〜24dを駆動制御するサーボアンプ27a〜27dと、プレスモータ24a〜24dの回転数を検出するエンコーダ28a〜28dと、各軸にかかる荷重を検出する歪みゲージ又はモータの実荷重を検出する荷重センサ等の荷重検出部29a〜29dと、各軸に対応するスライド23の位置を検出する位置検出部26a〜26dと、を有する。なお、エンコーダ28a〜28dが位置検出部26a〜26dを兼ねてもよい。
【0021】
なお、荷重検出部29a〜29dは、総荷重を検出する1つのロードセル等でもよい。総荷重を検出する1つの荷重検出部29の場合、各軸の位置検出部26a〜26dと対応して各軸に異なる荷重を分割したり、軸の数に対応して等しく荷重を分割してもよい。なお、荷重検出部29としては、歪みゲージ、荷重センサー又はモータ自体の実トルクモニター等によって検出してもよい。
【0022】
さらに、複合型樹脂成形装置1の射出部4は、制御部7から信号を受けて射出モータ43を駆動制御するサーボアンプ47と、射出モータ43の回転数を検出するエンコーダ48と、を有する。なお、射出部4は、一般に市販され、用いられている射出機を用いてもよい。
【0023】
制御部7は、各軸に対応するサーボアンプ27a〜27d及び射出部4のサーボアンプ47に指令値を送る指令部7aと、位置検出部26a〜26dの検出値から指令値を演算する演算部7bと、を有する。記憶部8は、荷重補償を行う際に荷重を位置情報に変換するためのテーブル又は演算式等を記憶する。なお、操作盤6、制御部7又は記憶部8は、複合型樹脂成形装置1とは別体に設置してもよい。
【0024】
ここで、本実施形態の複合型樹脂成形装置1の制御方法について説明する。なお、ここでは、複合型樹脂成形装置1が4軸の場合について説明する。
【0025】
本実施形態の複合型樹脂成形装置1は、実際に成形品を作成する本番の射出成形期間で、被成形品を射出成形する動作を繰り返し自動的に行う。スライド23は、本番の射出成形期間で、当該射出成形動作中の段階ごとに、高精度で位置決めすることができる。また、射出部4は、本番の射出成形期間で、当該射出成形動作中の段階ごとに、高精度で射出圧を制御することができる。
【0026】
本実施形態の複合型樹脂成形装置1は、本番の射出成形期間に先立って、ティーチング期間を設けてもよい。ティーチング期間は、以下のように進められる。まず、射出成形の1回の射出における進行途中の段階ごとに、位置検出部26a〜26dの測定結果を取り込む。取り込んだ位置検出部26a〜26dの測定結果に対応して、スライド23を駆動する4つのプレスモータ24a〜24dに供給する駆動エネルギーを決定する。段階ごとにそれぞれのプレスモータ24a〜24dに供給する駆動エネルギーに関する情報を記憶部8に記憶させる。なお、ティーチング期間を設けず、過去のデータやシミュレーション結果を用いてもよい。
【0027】
本番の射出成形期間では、射出成形中の各1回の射出の進行途中の段階ごとで、記憶部8に記憶しておいた情報にもとづいて、それぞれのプレスモータ24a〜24dに駆動エネルギーを供給する。スライド23の位置は、位置検出部26a〜26dが測定する。位置検出部26a〜26dが測定した位置とティーチング成形期間に取り込んだ位置とが異なる場合には、演算部7bが修正する指令値を演算する。指令部7aは、各軸に対応するサーボアンプ27a〜27dに、演算部7bが修正した指令値を指令する。サーボアンプ27a〜27dは、エンコーダ28a〜28dの信号を確認しながら作動する。本実施形態では、このような制御が行われることから、1回ごとの射出成形動作の段階ごとにおいても、スライド23を高精度で制御することができ、高精度の成形をすることが可能となる。
【0028】
次に、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1の作動について説明する。
【0029】
図3は、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1の作動フローチャートを示す。
【0030】
まず、ステップ1で、制御部7は、予め設定された速度でスライド23を下降させる(ST1)。スライド23は、初期状態でほぼ上限位置にあり、予め設定された時間に予め設定された位置にあるような位置制御によって作動する。まず、操作盤6が操作され、指令部7aからサーボアンプ27a〜27dに速度指令が送られ、プレスモータ24a〜24dが駆動される。予め設定された速度、予め設定された時間及び予め設定された位置は、記憶部8に記憶されていればよい。プレスモータ24a〜24dは、エンコーダ28a〜28dの信号を確認しながら作動する。
【0031】
次に、ステップ2で、制御部7は、スライド23が停止位置に到達したか否かを判定する(ST2)。停止位置は、記憶部8に記憶されていればよい。そして、制御部7は、位置検出部26a〜26dが検出した値と、記憶部8に記憶された停止位置と、を比較することで、スライド23が停止位置に到達したか否かを判定すればよい。
【0032】
ステップ2において、停止位置に到達していない場合、ステップ1に戻る。ステップ2において、停止位置に到達した場合、ステップ3で、制御部7は、スライド23を停止させる(ST3)。第1実施形態の複合型樹脂成形装置1のプレス部2は、上型部31と下型部32の間にわずかな隙間が空くようにスライド23を位置決めする。したがって、スライド23と上型部31は、傾斜可能となって、軸ごとに上方に逃げ動作することが可能である。
【0033】
続いて、ステップ4で、サブルーチンとして射出制御を行う(ST4)。射出制御については、後述する。
【0034】
次に、ステップ5で、制御部7は、射出制御終了後、予め設定された速度でスライド23及び上型部31を上昇させる(ST5)。スライド23は、予め設定された時間に予め設定された位置にあるような位置制御によって作動する。上昇時、指令部7aからサーボアンプ27a〜27dに速度指令が送られ、プレスモータ24a〜24dが駆動される。予め設定された速度、予め設定された時間及び予め設定された位置は、記憶部8に記憶されていればよい。プレスモータ24a〜24dは、エンコーダ28a〜28dの信号を確認しながら作動する。
【0035】
次に、ステップ6で、制御部7は、スライド23が上限位置に到達したか否かを判定する(ST6)。スライド上限位置は予め設定され、記憶部8に記憶されていればよい。そして、制御部7は、位置検出部26a〜26dが検出した値と、記憶部8に記憶された上限位置と、を比較することで、スライド23が上限位置に到達したか否かを判定すればよい。
【0036】
ステップ6において、スライド23が上限位置に到達していない場合、ステップ6に戻る。ステップ6において、スライド23が上限位置に到達している場合、ステップ7で、制御部7は、スライド23の上昇を停止する(ST7)。なお、上限位置に限らず、予め定めた所定位置で停止させてもよい。
【0037】
ここで、複合型樹脂成形装置1の射出制御について説明する。まず、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1の射出制御の第1実施例について説明する。
【0038】
図4は、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1の射出制御の第1実施例のフローチャートを示す。
図5は、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1の射出制御前半の作動状態を示す。
図6は、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1の射出制御後半の作動状態を示す。なお、
図5及び
図6は、射出部4を簡略化して示している。
【0039】
まず、ステップ11で、制御部7は、
図5(a)に示した状態で、射出部4の射出モータ43を駆動させ、予め定めた第1所定圧で材料を射出する(ST11)。第1所定圧は、予め記憶部8に記憶されており、後述する第2所定圧よりも高圧に設定される。また、第1所定圧は、プレスモータ24に対して設定された予め定めた閾値よりも高い。したがって、材料によって下方からスライド23にかかる荷重が、プレスモータ24によってスライド23に負荷される荷重よりも大きい部分がある場合、
図5(b)のように、前記部分に対応するスライド23の一部は上方に浮き上がるような逃げ動作をする。
【0040】
続いて、ステップ12で、制御部7は、第1所定時間経過したか否かを判定する(ST12)。第1所定時間は、予め操作盤6で任意に設定し、記憶部8に記憶すればよい。ステップ12において、制御部7が第1所定時間経過していないと判定した場合、ステップ11に戻る。
【0041】
ステップ12において、制御部7が第1所定時間経過したと判定した場合、ステップ13で、制御部7は、射出モータ43を制御し、圧を下げながら射出部4から材料を射出させる(ST13)。射出部4が射出圧を下げながら射出すると、
図5(b)で持ち上がった上型部31及びスライド23の射出側が下がり、
図6(a)に示すように、その反動で波打つように上型部31及びスライド23のうち射出側の反対側が持ち上がる。なお、射出圧の降下は、連続的に降下させても、段階的に降下させてもよい。
【0042】
このように、上型部31及びスライド23が波打つように動くため、材料が流動し、材料内のガスが効率良く抜ける。
【0043】
次に、ステップ14で、制御部7は、材料の充填が完了したか否かを判定する(ST14)。ステップ14において、制御部7が材料の充填が完了していないと判定した場合、ステップ13に戻る。
【0044】
ステップ14において、制御部7が材料の充填が完了したと判定した場合、ステップ15で、制御部7は、射出モータ43を制御し、
図6(b)に示すように、充填圧力を第2所定圧で保持する(ST15)。
【0045】
次に、ステップ16で、制御部7は、第2所定時間経過したか否かを判定する(ST16)。第2所定時間は、予め記憶部8に記憶されていればよい。ステップ16において、制御部7が第2所定時間経過していないと判定した場合、ステップ16に戻る。
【0046】
ステップ16において、制御部7が第2所定時間経過したと判定した場合、ステップ17で、制御部7は、射出モータ43を制御し、射出を停止させる(ST17)。
【0047】
このように、初期の射出圧で、上型部31及びスライド23が波打つように動くため、材料が流動し、材料内のガスが効率良く抜ける。したがって、小型で低い射出圧によって材料内のガス抜きを促進することが可能となる。
【0048】
図7は、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1の射出制御の第2実施例のフローチャートを示す。第2実施例の射出部4は一定の射出圧で射出する。
【0049】
まず、ステップ21で、制御部7は、
図5(a)に示した状態で、射出部4の射出モータ43を駆動させ、所定圧で材料を射出する(ST21)。所定圧は、予め記憶部8に記憶されている。
【0050】
続いて、ステップ22で、制御部7は、プレスモータ24が制限モータ荷重以上であるか否かを判定する(ST22)。ステップ22において、制御部7がプレスモータ24の荷重は制限荷重より小さいと判定した場合、ステップ24に進む。
【0051】
ステップ22において、制御部7がプレスモータ24の荷重は制限荷重以上と判定した部分がある場合、ステップ23で、前記部分に対応するスライド23の一部は上方に逃げ動作が発生する(ST23)。逃げ動作では、
図5(b)と同じように、上型部31及びスライド23の一部が持ち上がる。その後、
図6(a)と同じように、その反動で波打つように上型部31及びスライド23のうち射出側の反対側が持ち上がる。
【0052】
次に、ステップ24で、制御部7は、材料の充填が完了したか否かを判定する(ST24)。ステップ24において、制御部7が材料の充填が完了していないと判定した場合、ステップ21に戻る。
【0053】
ステップ24において、制御部7が材料の充填が完了したと判定した場合、ステップ25で、制御部7は、所定時間経過したか否かを判定する(ST25)。所定時間は、予め記憶部8に記憶されていればよい。ステップ25において、制御部7が所定時間経過していないと判定した場合、ステップ25に戻る。
【0054】
ステップ25において、制御部7が所定時間経過したと判定した場合、ステップ26で、制御部7は、射出モータ43を制御し、射出を停止させる(ST26)。
【0055】
このように、上型部31及びスライド23が波打つように動くため、材料が流動し、材料内のガスが効率良く抜ける。したがって、小型で低い射出圧によって材料内のガス抜きを促進することが可能となる。
【0056】
図8は、第2実施形態の複合型樹脂成形装置1を示す。
【0057】
第2実施形態の複合型樹脂成形装置1は、射出部4をプレス部2の上方に配置し、上方から下方に向かって材料を射出する。また、射出部4の先端は、金型部3の中心線Cに対して交差する方向に向かって配置される。中心線Cは、金型部3を上方から見た場合に、中心を通る線である。第2実施形態の複合型樹脂成形装置1の他の構成は、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1と同じである。
【0058】
第2実施形態の複合型樹脂成形装置1は、射出部4の先端が金型部3の中心線Cに対して偏心交差する方向に向かって配置され、上方から下方に向かって材料を射出するので、射出初期に、
図5(b)と同じように、上型部31及びスライド23の一部が持ち上がる。その後、
図6(a)と同じように、その反動で波打つように上型部31及びスライド23のうち射出側の反対側が持ち上がる。
【0059】
このように、上型部31及びスライド23が波打つように動くため、材料が流動し、材料内のガスが効率良く抜ける。したがって、小型で低い射出圧によって材料内のガス抜きを促進することが可能となる。
【0060】
なお、射出部4の先端が中心線Cに対して角度を有し、材料が中心線に対して交差する方向に射出される場合、又は、金型部3が中心線Cに対して非対称な場合には、射出部4の先端を金型部3の中心線C上に配置してもよい。
【0061】
図9は、第3実施形態の複合型樹脂成形装置1を示す。
【0062】
第3実施形態の複合型樹脂成形装置1は、駆動部として油圧シリンダ124及び支柱122を使用する。支柱122は、スライド23を支持する。したがって、油圧シリンダ124が駆動すると、支柱122が上下移動し、スライド23が移動する。第3実施形態の複合型樹脂成形装置1の他の構成は、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1と同じである。油圧シリンダ124を使用する場合、各軸に図示しないリリーフ弁を設ける。リリーフ弁は、予め荷重制限が設定され、それを上回る射出材料の反力がかかる部分があると、その部分に対応するスライド23の一部は上方に逃げ動作をする。逃げ動作では、
図5(b)と同じように、スライド23の一部が持ち上がる。その後、
図6(a)と同じように、その反動で波打つように上型部31及びスライド23のうち射出側の反対側が持ち上がる。なお、油圧シリンダ124の代わりに空圧シリンダを用いてもよい。
【0063】
このように、上型部31及びスライド23が波打つように動くため、材料が流動し、材料内のガスが効率良く抜ける。したがって、小型で低い射出圧によって材料内のガス抜きを促進することが可能となる。
【0064】
以上、本実施形態の複合型樹脂成形装置1は、ベース21と、ベース21に設置される複数のプレスモータ24又は油圧シリンダ124と、複数のプレスモータ24又は油圧シリンダ124によって駆動されるスライド23と、スライド23に支持される上型部31及びベース21に支持される下型部32を有する金型部3と、スライド23の位置を検出する位置検出部26と、を有するプレス部2と、金型部3内に材料を射出する射出部4と、複数のプレスモータ24又は油圧シリンダ124によってスライド23を下降させ、位置検出部26が予め定めた停止位置を検出した時、複数のプレスモータ24又は油圧シリンダ124の作動を停止してスライド23を停止させる制御部7と、を備え、射出部4が金型部3内に材料を射出した際、材料によって下方からスライド23にかかる荷重が、プレスモータ24又は油圧シリンダ124によってスライド23に負荷される荷重よりも大きい部分がある場合、前記部分に対応するスライド23の一部は上方に逃げ動作をする。したがって、第1実施形態の複合型樹脂成形装置1によれば、小型で低い射出圧によって材料内のガス抜きを促進し、高精度の成形をすることが可能となる。
【0065】
また、本実施形態の複合型樹脂成形装置1は、射出部4は、上型部31の中心に対して偏心した位置に上方から下方に向かって材料を射出する。したがって、小型で低い射出圧によって材料内のガス抜きを促進することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態の複合型樹脂成形装置1は、制御部7は、射出部4から材料を予め定めた第1所定圧で射出させ、予め定めた第1所定時間経過後、圧をさげながら射出部4から材料を射出させ、充填が完了した後、射出部4からの材料の射出を予め定めた第2所定圧で予め定めた第2所定時間保持させる。したがって、小型で低い射出圧によって材料内のガス抜きを促進することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態の複合型樹脂成形装置1は、複数のプレスモータ24又は油圧シリンダ124のそれぞれの駆動荷重は、予め定めた制限荷重までに制限され、射出部4から射出された材料によってスライド23が押圧されてプレスモータ24又は油圧シリンダ124に制限荷重以上が負荷される部分がある場合、前記部分に対応するスライド23の一部は上方に逃げ動作をする。したがって、小型で低い射出圧によって材料内のガス抜きを促進することが可能となる。
【0068】
以上、いくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の組み合わせ又は変形が可能である。