特許第6840811号(P6840811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6840811アンケート入力装置、アンケート入力方法及びアンケート入力プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6840811
(24)【登録日】2021年2月19日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】アンケート入力装置、アンケート入力方法及びアンケート入力プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20210301BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-168221(P2019-168221)
(22)【出願日】2019年9月17日
【審査請求日】2019年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】394013002
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】溝井国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小出 高道
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 陽介
(72)【発明者】
【氏名】島 毅
【審査官】 菊池 伸郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−131280(JP,A)
【文献】 特開2018−136709(JP,A)
【文献】 特開2004−220314(JP,A)
【文献】 特開2014−094291(JP,A)
【文献】 特開2008−152575(JP,A)
【文献】 特開2005−085140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンケートに対する回答入力欄を入力台の上に投影表示する投影部と、
前記投影部によって投影表示された前記回答入力欄に手書きされた文字を認識するデータ認識部と、
前記データ認識部によって認識された文字からなる回答文字列が示す回答内容を特定する回答特定部と、
複数のタイミングのうちの、前記回答特定部によって特定された回答内容に応じたタイミングを、前記回答文字列を担当者に通知するタイミングとして決定するタイミング決定部と
を備えるアンケート入力装置。
【請求項2】
前記アンケート入力装置は、さらに、
前記回答入力欄に文字が手書きされた際の筆圧を特定する筆圧特定部
を備え、
前記タイミング決定部は、前記筆圧特定部によって特定された前記筆圧に応じて、前記タイミングを決定する
請求項1に記載のアンケート入力装置。
【請求項3】
前記筆圧特定部は、前記回答文字列を入力する際の前記筆圧の平均値と分布との少なくともいずれかを特定する
請求項2に記載のアンケート入力装置。
【請求項4】
前記アンケート入力装置は、さらに、
前記回答入力欄に文字が手書きされた際の入力速度を特定する速度特定部
を備え、
前記タイミング決定部は、前記速度特定部によって特定された前記入力速度に応じて、前記タイミングを決定する
請求項1から3までのいずれか1項に記載のアンケート入力装置。
【請求項5】
前記アンケート入力装置は、さらに、
前記回答入力欄に手書きされた文字の筆跡によって回答者を特定する筆跡特定部
を備え、
前記タイミング決定部は、前記筆跡特定部によって特定された前記回答者と同一の回答者によって過去に基準数よりも多く前記回答文字列が入力されたか否かに応じて、前記タイミングを決定する
請求項1から4までのいずれか1項に記載のアンケート入力装置。
【請求項6】
前記アンケート入力装置は、さらに、
前記回答入力欄に文字が手書きされた際の筆跡によって回答者を特定する筆跡特定部と、
前記回答特定部によって特定された前記回答文字列とともに、前記筆跡特定部によって特定された前記回答者と同一の回答者によって過去に入力された前記回答文字列に関する情報を、前記担当者に通知する通知部と
を備える請求項1から5までのいずれか1項に記載のアンケート入力装置。
【請求項7】
前記投影部は、前記アンケートのカテゴリーの選択欄を投影表示し、
前記データ認識部は、前記選択欄で選択された前記カテゴリーを認識し、
前記回答特定部は、前記データ認識部によって認識された前記カテゴリーに応じたキーワードが前記回答文字列に含まれるか否かを前記回答内容として特定する
請求項1から6までのいずれか1項に記載のアンケート入力装置。
【請求項8】
前記データ認識部は、前記回答入力欄に手書きされた後に消された削除文字を認識し、
前記回答特定部は、前記削除文字からなる削除文字列が示す内容を特定し、
前記タイミング決定部は、前記削除文字列が示す内容に応じて、前記タイミングを決定する
請求項1から7までのいずれか1項に記載のアンケート入力装置。
【請求項9】
投影部が、アンケートに対する回答入力欄を入力台の上に投影表示し、
データ認識部が、投影表示された前記回答入力欄に手書きされた文字を認識し、
回答特定部が、認識された文字からなる回答文字列が示す回答内容を特定し、
タイミング決定部が、複数のタイミングのうちの、特定された回答内容に応じたタイミングを、前記回答文字列を担当者に通知するタイミングとして決定するアンケート入力方法。
【請求項10】
アンケートに対する回答入力欄を入力台の上に投影表示する投影処理と、
前記投影処理によって投影表示された前記回答入力欄に手書きされた文字を認識するデータ認識処理と、
前記データ認識処理によって認識された文字からなる回答文字列が示す回答内容を特定する回答特定処理と、
複数のタイミングのうちの、前記回答特定処理によって特定された回答内容に応じたタイミングを、前記回答文字列を担当者に通知するタイミングとして決定するタイミング決定処理と
を行うアンケート入力装置としてコンピュータを機能させるアンケート入力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アンケートに対する回答を受け付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングモールといった場所では、アンケート用紙が設置されており、利用者が施設に対して気が付いたことを記入して、提出できるようになっている。施設の管理者は、提出されたアンケート用紙に記入された内容を参照することにより、施設の改善を図り、利用者の満足度を向上させること等ができる。
【0003】
特許文献1には、ウェブを利用してアンケート調査を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−085140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紙を利用したアンケートの場合には、アンケートの回答を分析するまでに時間がかかってしまう。そのため、アンケートの回答で指摘された内容に基づく対応をとるまでに時間がかかってしまう。
【0006】
特許文献1に記載されたように、ウェブを利用してアンケート調査を行う場合には、ユーザがアンケートに回答するためには、URL(Uniform Resource Locator)を入力する等してアンケートのウェブサイトにアクセスする必要がある。そのため、ユーザがアンケートに回答する前に手間がかかってしまい、アンケートの回答が十分に得られない可能性がある。アンケートの回答が十分に得られないと、施設の改善が滞ってしまう恐れがある。
【0007】
この発明は、紙を利用したアンケートの場合のようにアンケートの回答が得られる状態を維持しつつ、アンケートの回答で指摘された内容に適切に対応可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るアンケート入力装置は、
アンケートに対する回答入力欄を入力台の上に投影表示する投影部と、
前記投影部によって投影表示された前記回答入力欄に手書きされた文字を認識するデータ認識部と、
前記データ認識部によって認識された文字からなる回答文字列が示す回答内容を特定する回答特定部と、
前記回答特定部によって特定された回答内容に応じて、前記回答文字列を担当者に通知するタイミングを決定するタイミング決定部と
を備える。
【0009】
前記アンケート入力装置は、さらに、
前記回答入力欄に文字が手書きされた際の筆圧を特定する筆圧特定部
を備え、
前記タイミング決定部は、前記筆圧特定部によって特定された前記筆圧に応じて、前記タイミングを決定する。
【0010】
前記筆圧特定部は、前記回答文字列を入力する際の前記筆圧の平均値と分布との少なくともいずれかを特定する。
【0011】
前記アンケート入力装置は、さらに、
前記回答入力欄に文字が手書きされた際の入力速度を特定する速度特定部
を備え、
前記タイミング決定部は、前記速度特定部によって特定された前記入力速度に応じて、前記タイミングを決定する。
【0012】
前記アンケート入力装置は、さらに、
前記回答入力欄に手書きされた文字の筆跡によって回答者を特定する筆跡特定部
を備え、
前記タイミング決定部は、前記筆跡特定部によって特定された前記回答者と同一の回答者によって過去に基準数よりも多く前記回答文字列が入力されたか否かに応じて、前記タイミングを決定する。
【0013】
前記アンケート入力装置は、さらに、
前記回答入力欄に文字が手書きされた際の筆跡によって回答者を特定する筆跡特定部と、
前記回答特定部によって特定された前記回答文字列とともに、前記筆跡特定部によって特定された前記回答者と同一の回答者によって過去に入力された前記回答文字列に関する情報を、前記担当者に通知する通知部と。
【0014】
前記投影部は、前記アンケートのカテゴリーの選択欄を投影表示し、
前記データ認識部は、前記選択欄で選択された前記カテゴリーを認識し、
前記回答特定部は、前記データ認識部によって認識された前記カテゴリーに応じたキーワードが前記回答文字列に含まれるか否かを前記回答内容として特定する。
【0015】
この発明に係るアンケート入力方法は、
投影部が、アンケートに対する回答入力欄を入力台の上に投影表示し、
データ認識部が、投影表示された前記回答入力欄に手書きされた文字を認識し、
回答特定部が、認識された文字からなる回答文字列が示す回答内容を特定し、
タイミング決定部が、特定された回答内容に応じて、前記回答文字列を担当者に通知するタイミングを決定する。
【0016】
この発明に係るアンケート入力プログラムは、
アンケートに対する回答入力欄を入力台の上に投影表示する投影処理と、
前記投影処理によって投影表示された前記回答入力欄に手書きされた文字を認識するデータ認識処理と、
前記データ認識処理によって認識された文字からなる回答文字列が示す回答内容を特定する回答特定処理と、
前記回答特定処理によって特定された回答内容に応じて、前記回答文字列を担当者に通知するタイミングを決定するタイミング決定処理と
を行うアンケート入力装置としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0017】
この発明では、入力台の上に投影表示された回答入力欄に手書きで回答文字列が入力される。そのため、紙を利用したアンケートの場合のようにアンケートの回答が得られる状態を維持可能である。また、回答文字列が示す回答内容に応じて、回答文字列を担当者に通知するタイミングが決定される。これにより、アンケートの回答で指摘された内容に適切に対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態1に係るアンケート入力システム1の構成図。
図2】実施の形態1に係るアンケート入力装置10の構成図。
図3】実施の形態1に係るアンケート入力システム1の全体的な動作を示すフローチャート。
図4】実施の形態1に係る投影処理のフローチャート。
図5】実施の形態1に係るカテゴリー選択欄71の説明図。
図6】実施の形態1に係る表示内容記憶部51に記憶される情報を示す図。
図7】実施の形態1に係る表示内容72の説明図。
図8】実施の形態1に係るデータ認識処理のフローチャート。
図9】実施の形態1に係るアンケートの回答の説明図。
図10】実施の形態1に係るキーワード記憶部53に記憶される情報を示す図。
図11】変形例2に係るアンケート入力装置10の構成図。
図12】実施の形態2に係るアンケート入力装置10の構成図。
図13】、実施の形態2に係るアンケート入力システム1の全体的な動作を示すフローチャート。
図14】実施の形態2に係る分析処理のフローチャート。
図15】実施の形態3に係るアンケート入力装置10の構成図。
図16】実施の形態3に係るアンケート入力システム1の全体的な動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係るアンケート入力システム1の構成を説明する。
アンケート入力システム1は、アンケート入力装置10と、プロジェクタ20と、電子ペン30と、入力台40と、データベースサーバ50とを備える。アンケート入力装置10と、プロジェクタ20及びデータベースサーバ50とは、伝送路60を介して接続されている。
【0020】
アンケート入力装置10は、PC(Personal Computer)といったコンピュータである。プロジェクタ20は、アンケート入力装置10の制御に従い、入力フォーマットといったデータを入力台40の上に投影表示する装置である。電子ペン30は、入力台40に投影表示された入力フォーマットに対して入力する装置であり、文字を手書きし、ボタンをクリックするといった操作をするための装置である。なお、電子ペン30は、文字に限らず、数字、図形、記号及びチェックマーク等を手書きすることも可能である。入力台40は、プロジェクタ20によってデータが投影表示される台である。データベースサーバ50は、入力フォーマットといったデータを記憶するコンピュータである。
【0021】
図2を参照して、実施の形態1に係るアンケート入力装置10の構成を説明する。
アンケート入力装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0022】
プロセッサ11は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ11は、具体例としては、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0023】
メモリ12は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12は、具体例としては、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
【0024】
ストレージ13は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13は、具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)である。また、ストレージ13は、SD(登録商標,Secure Digital)メモリカード、CF(CompactFlash)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile
Disk)といった可搬記憶媒体であってもよい。
【0025】
通信インタフェース14は、プロジェクタ20及びデータベースサーバ50といった外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14は、具体例としては、Ethernet(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標,High−Definition Multimedia Interface)のポートである。
【0026】
アンケート入力装置10は、機能構成要素として、投影部111と、データ認識部112と、回答特定部113と、タイミング決定部114と、通知部115とを備える。機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、機能構成要素の機能を実現するプログラムが記憶されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、機能構成要素の機能が実現される。
【0027】
図2では、プロセッサ11は、1つだけ示されている。しかし、アンケート入力装置10は、プロセッサ11を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、機能構成要素の機能を実現するプログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ11と同じように、プロセッシングを行うICである。
【0028】
データベースサーバ50は、表示内容記憶部51と、回答記憶部52と、キーワード記憶部53との機能を実現する。
【0029】
***動作の説明***
図3から図10を参照して、実施の形態1に係るアンケート入力システム1の動作を説明する。
実施の形態1に係るアンケート入力システム1の動作手順は、実施の形態1に係るアンケート入力方法に相当する。また、実施の形態1に係るアンケート入力システム1の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係るアンケート入力プログラムに相当する。
【0030】
図3を参照して、実施の形態1に係るアンケート入力システム1の全体的な動作を説明する。
図3のステップS1:投影処理)
投影部111は、プロジェクタ20により、回答者によって選択されたカテゴリーについて、アンケートに対する回答入力欄74等を入力台40の上に投影表示する。
【0031】
図4から図7を参照して、実施の形態1に係る投影処理を説明する。
図4のステップS11:カテゴリー選択処理)
図5に示すように、投影部111は、プロジェクタ20により、アンケートのカテゴリー選択欄71を入力台40の上に表示する。カテゴリー選択欄71には、選択可能なカテゴリーのボタンが示されている。図5では、カテゴリーのボタンとして、テナントと、スタッフと、トイレと、駐車場といった項目が示されている。カテゴリー選択欄71は、入力台40の上におけるプロジェクタ20の投影可能な投影面21の一部に表示される。
すると、回答者によって、回答したいカテゴリーのボタンが電子ペン30によりタッチされ、選択される。
【0032】
図4のステップS12:表示内容読込処理)
投影部111は、ステップS11で選択されたカテゴリーについての表示内容72を、データベースサーバ50の表示内容記憶部51から読み出す。
図6に示すように、表示内容記憶部51には、カテゴリー毎に、表示内容72が記憶されている。表示内容72は、対象のカテゴリーについてのアンケートにおける質問の流れを示すフロー73と、各質問についての回答入力欄74とを含む。また、表示内容72には、必要に応じて、回答入力欄74に入力する際のガイダンスとなる説明文75が含まれる。
【0033】
図4のステップS13:表示内容投影処理)
投影部111は、プロジェクタ20により、ステップS12で読み出された表示内容72を、入力台40の上に投影表示する。
図7に示すように、投影部111は、ステップS11でテナントが選択された場合、フロー73と、初めの質問についての回答入力欄74と、初めの質問についての説明文75とを投影表示する。
【0034】
図3のステップS2:データ認識処理)
データ認識部112は、ステップS1で投影部111によって投影表示された回答入力欄74に手書きされた文字を認識する。
【0035】
図8を参照して、実施の形態1に係るデータ認識処理を説明する。
図8のステップS21:認識処理)
回答者によって、回答入力欄74に回答が電子ペン30により手書きされる。データ認識部112は、回答入力欄74に1文字手書きされる度に、手書きされた文字を認識する。具体的には、データ認識部112は、回答入力欄74に1文字入力され、次の文字の入力が開始されると、入力が終わった文字を認識する。
この際、まず、データ認識部112は、電子ペン30の位置の軌跡を特定する。位置の軌跡を特定する方法はどのような方法でもよい。例えば、データ認識部112が電子ペン30と通信することにより、位置の軌跡を特定してもよいし、プロジェクタ20により入力台40の上に赤外線を張り巡らし、電子ペン30の位置の軌跡を特定してもよい。
次に、データ認識部112は、特定された軌跡に基づきOCR(Optical Character Reader)処理を行い、手書きされた文字を認識して文字コードに変換する。OCR処理とは、手書きや印刷された文字を光学的に読み取り、コンピュータが利用できる文字コードに変換する処理である。データ認識部112は、どのようなOCRソフトウェアを使用してもよい。例えば、データ認識部112は、書かれた文字の形状と、書き順と等を考慮して、文字を認識するOCRソフトウェアを使用する。
【0036】
図8のステップS22:画像化処理)
データ認識部112は、ステップS21で特定された軌跡を画像化する。
【0037】
図8のステップS23:書込終了判定処理)
データ認識部112は、回答入力欄74への書込みが終了したか否かを判定する。ここでは、データ認識部112は、回答入力欄74への書込みが終了したことを示すボタンにタッチされた場合に、回答入力欄74への書込みが終了したと判定する。図7では、データ認識部112は、回答入力欄74の右下の矢印ボタンにタッチされた場合に、回答入力欄74への書込みが終了したと判定する。
データ認識部112は、回答入力欄74への書込みが終了したと判定された場合には、処理をステップS24に進める。一方、データ認識部112は、回答入力欄74への書込みが終了していないと判定された場合には、処理をステップS21に戻して、次の文字を認識する。
データ認識部112は、入力欄への書込みが終了した時点で、認識された文字をデジタルデータとしてメモリ12に書き込むとともに、特定された軌跡を画像化し証跡データとしてメモリ12に書き込む。
【0038】
図8のステップS24:アンケート終了判定処理)
データ認識部112は、全ての質問についての書込みが終了したか否かを判定する。ここでは、データ認識部112は、最後の質問についての回答入力欄74への書込みが終了した場合に、全ての質問についての書込みが終了したと判定する。
データ認識部112は、全ての質問についての書込みが終了したと判定された場合には、ステップS25に進める。一方、データ認識部112は、全ての質問についての書込みが終了していない場合には、処理を図4のステップS13に戻して、次の回答入力欄74等を表示させる。
【0039】
図8のステップS25:回答生成処理)
データ認識部112は、図9に示すように、各質問について、回答入力欄74に入力され認識された文字からなる回答文字列のデジタルデータと、回答文字列の軌跡を画像化した証跡データとをアンケートの回答として生成する。データ認識部112は、アンケートの回答を、ステップS11で選択されたカテゴリーとともに回答記憶部52に書き込む。
【0040】
図3のステップS3:回答特定処理)
回答特定部113は、ステップS2でデータ認識部112によって認識された文字からなる回答文字列が示す回答内容を特定する。
具体的には、図10に示すように、キーワード記憶部53には、カテゴリー毎にキーワードが記憶されている。そして、回答特定部113は、ステップS11で選択されたカテゴリーに応じたキーワードを、回答文字列から検索することにより、回答文字列が示す回答内容を特定する。例えば、回答特定部113は、回答特定部113どのキーワードがヒットしたかを回答内容として特定する。回答特定部113は、特定された回答内容を、アンケートの回答と対応付けて回答記憶部52に書き込む。
実施の形態1では、キーワード記憶部53には、キーワードとして、対応が悪い、汚い、汚れている、壊れているといったネガティブワードが記憶されている。そして、回答特定部113は、カテゴリーに応じたキーワードが回答文字列に含まれるか否かを回答内容として特定する。
【0041】
図3のステップS4:タイミング決定処理)
タイミング決定部114は、ステップS3で回答特定部113によって特定された回答内容に応じて、回答文字列を担当者に通知するタイミングを決定する。
具体的には、タイミング決定部114は、回答内容が特定の内容を示す場合には、通知するタイミングを即時とする。一方、タイミング決定部114は、回答内容がその他の内容を示す場合には、通知するタイミングを既定時とする。既定時とは、事前に定められたタイミングであり、例えば毎日12:00、毎週月曜の12:00といったタイミングである。タイミング決定部114は、通知するタイミングが即時の場合には、処理をステップS5に進める。一方、タイミング決定部114は、通知するタイミングが既定時の場合には、処理をステップS6に進める。
実施の形態1では、タイミング決定部114は、キーワードが回答文字列に含まれる場合には、通知するタイミングを即時とする。一方、タイミング決定部114は、キーワードが回答文字列に含まれない場合には、通知するタイミングを既定時とする。
【0042】
図3のステップS5:即時通知処理)
通知部115は、ステップS25で生成されたアンケートの回答を回答記憶部52から読み出す。通知部115は、読み出されたアンケートの回答を伝送路60を介して、担当者の端末に送信する。ここで、通知部115は、ステップS11で選択されたカテゴリーに応じた担当者の端末にアンケートの回答を送信する。
【0043】
図3のステップS6:既定時通知処理)
通知部115は、既定時になると、未だ送信されていないアンケートの回答を回答記憶部52から読み出す。通知部115は、読み出されたアンケートの回答を伝送路60を介して、担当者の端末に送信する。ここで、通知部115は、ステップS5と同様に、ステップS11で選択されたカテゴリーに応じた担当者の端末にアンケートの回答を送信する。
【0044】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係るアンケート入力システム1では、入力台40の上に投影表示された回答入力欄74に手書きで回答文字列が入力される。そのため、紙を利用したアンケートの場合のようにアンケートの回答が得られる状態を維持可能である。また、実施の形態1に係るアンケート入力システム1では、回答文字列が示す回答内容に応じて、回答文字列を担当者に通知するタイミングが決定される。これにより、アンケートの回答で指摘された内容に適切に対応可能にすることができる。
【0045】
例えば、図4のステップS11で、カテゴリーとしてトイレが選択され、回答入力欄74に「トイレが汚れている」と入力されたとする。ここで、キーワード記憶部53には、カテゴリーがトイレの場合のキーワードとして、「汚れ」が記憶されていたとする。この場合には、図4のステップS4で、キーワードが回答文字列に含まれるため、通知するタイミングが即時となる。その結果、「トイレが汚れている」との回答が即時に担当者に通知される。これにより、担当者は、トイレを掃除するといった対応をすぐにとることが可能である。
従来のように紙を利用したアンケートの場合には、定期的にアンケート用紙が回収され、人手で回答内容を確認して、対応内容が決定された。そのため、アンケート用紙に回答が記入されてから、ある程度の時間が経たないと対応がとられなかった。例えば、上記のトイレの例であれば、ある程度の時間、トイレが汚れた状態のままになる可能性があった。
【0046】
***他の構成***
<変形例1>
実施の形態1では、回答文字列が示す回答内容に応じて、タイミングが決定された。ここで、回答者は、一旦書いた文字列を消して書き直す場合がある。そこで、タイミング決定部114は、最終的に書かれた回答文字列が示す回答内容だけでなく、一旦書かれ消されてしまった文字列が示す内容も考慮して、タイミングを決定してもよい。
この場合には、基準文字数以上の文字列が一度に消された場合には、データ認識部112は消された削除文字からなる削除文字列を認識し、回答特定部113は削除文字列が示す内容を特定する。そして、タイミング決定部114は、回答文字列が示す回答内容と、削除文字列が示す内容とに基づき、タイミングを決定する。具体的には、タイミング決定部114は、回答文字列が示す回答内容と、削除文字列が示す内容との少なくともいずれかが特定の内容を示す場合には、通知するタイミングを即時とする。一方、タイミング決定部114は、回答文字列が示す回答内容と、削除文字列が示す内容とのいずれもがその他の内容を示す場合には、通知するタイミングを既定時とする。
<変形例2>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例2として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例2について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0047】
図11を参照して、変形例2に係るアンケート入力装置10の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、アンケート入力装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路15を備える。電子回路15は、各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
【0048】
電子回路15としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)が想定される。
各機能構成要素を1つの電子回路15で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路15に分散させて実現してもよい。
【0049】
<変形例3>
変形例3として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0050】
プロセッサ11とメモリ12とストレージ13と電子回路15とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0051】
実施の形態2.
実施の形態2は、回答入力欄74に文字が手書きされた際の筆圧と入力速度との少なくともいずれかを考慮して、通知するタイミングを決定する点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
【0052】
***構成の説明***
図12を参照して、実施の形態2に係るアンケート入力装置10の構成を説明する。
アンケート入力装置10は、機能構成要素として、分析部116を備える点が図2に示すアンケート入力装置10と異なる。分析部116は、筆圧特定部117と、速度特定部118と、感情特定部119とを備える。なお、分析部116は、他の機能構成要素と同様に、ソフトウェア又はハードウェアによって実現される。
【0053】
***動作の説明***
図13及び図14を参照して、実施の形態2に係るアンケート入力システム1の動作を説明する。
実施の形態2に係るアンケート入力システム1の動作手順は、実施の形態2に係るアンケート入力方法に相当する。また、実施の形態2に係るアンケート入力システム1の動作を実現するプログラムは、実施の形態2に係るアンケート入力プログラムに相当する。
【0054】
図13を参照して、実施の形態2に係るアンケート入力システム1の全体的な動作を説明する。
ステップS1からステップS3の処理と、ステップS5からステップS6の処理とは、実施の形態1と同じである。
【0055】
図13のステップS7:分析処理)
分析部116は、図8のステップS21で回答入力欄74に手書きされた情報に基づき、回答を記入した回答者の感情分析を行う。
【0056】
図14を参照して、実施の形態2に係る分析処理を説明する。
(ステップS71:筆圧特定処理)
筆圧特定部117は、図8のステップS21で回答入力欄74に文字が手書きされた際の筆圧を特定する。
具体的には、電子ペン30によって手書きされた際の筆圧が計測される。筆圧特定部117は、電子ペン30によって計測された筆圧を取得する。筆圧特定部117は、取得された筆圧から、回答文字列を入力する際の筆圧の平均値と分布との少なくともいずれかを特定する。
【0057】
(ステップS72:速度特定処理)
速度特定部118は、図8のステップS21で回答入力欄74に文字が手書きされた際の入力速度を特定する。
具体的には、速度特定部118は、電子ペン30のペン先の移動速度を計測する。そして、速度特定部118は、計測された移動速度から、回答文字列を入力する際の平均移動速度を入力速度として特定する。
【0058】
(ステップS73:感情特定処理)
感情特定部119は、ステップS71で筆圧特定部117によって特定された筆圧と、ステップS72で速度特定部118によって特定された入力速度とから、回答者の感情を分析する。
具体的には、感情特定部119は、筆圧及び入力速度から、回答者の感情の昂り度合いを特定する。例えば、感情が昂っているほど、筆圧が強くなる傾向がある。また、感情が昂っているほど、入力速度が速くなる傾向がある。そこで、例えば、感情特定部119は、筆圧の平均値と、入力速度とにそれぞれ重み付けした上で、加算して、感情の高ぶり度合いを特定する。
また、回答文字列を入力する際の筆圧の分布が特定されている場合には、筆圧の分布を考慮して感情の高ぶり度合いを特定してもよい。例えば、徐々に筆圧が高くなってきている場合には、回答文字列を入力ながら徐々に感情が昂ってきている可能性がある。そのため、感情特定部119は、筆圧の平均値等から特定された感情の高ぶり度合いが少し高くなるように補正を加える。一方、徐々に筆圧が低くなってきている場合には、回答文字列を入力ながら徐々に感情が落ち着いてきている可能性がある。そのため、感情特定部119は、筆圧の平均値等から特定された感情の高ぶり度合いが少し低くなるように補正を加える。
【0059】
なお、ここでは、筆圧及び入力速度から、回答者の感情の昂り度合いが特定された。しかし、筆圧と入力速度とのいずれか一方だけから、回答者の感情の昂り度合いが特定されてもよい。
【0060】
図13のステップS4:タイミング決定処理)
タイミング決定部114は、ステップS3で回答特定部113によって特定された回答内容と、ステップS7で特定された感情の高ぶり度合いとに応じて、回答文字列を担当者に通知するタイミングを決定する。
具体的には、タイミング決定部114は、回答内容が特定の内容を示す場合と、感情の高ぶり度合いが閾値より高い場合との少なくともいずれかの場合には、通知するタイミングを即時とする。タイミング決定部114は、いずれでもない場合には、通知するタイミングを既定時とする。
【0061】
なお、感情の高ぶり度合いは、筆圧と入力速度とのいずれかから特定される。したがって、感情の高ぶり度合いに応じて、回答文字列を担当者に通知するタイミングが決定されるということは、筆圧と入力速度との少なくともいずれかに応じて回答文字列を担当者に通知するタイミングが決定されるということを意味する。
【0062】
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2に係るアンケート入力システム1では、筆圧と入力速度との少なくともいずれかに基づき、回答者の感情の高ぶり度合いが特定される。そして、回答内容が特定の内容を示すか否かに関わらず、回答者の感情の高ぶり度合いが閾値よりも高い場合には、通知するタイミングを即時とする。
これにより、感情が昂った回答者によって指摘された内容に対して、すぐに対応可能となる。
【0063】
実施の形態3.
実施の形態3は、筆跡の重複を考慮して、通知するタイミングを決定する点が実施の形態1,2と異なる。実施の形態3では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態3では、実施の形態2に機能を追加した場合を説明する。しかし、実施の形態1に機能を追加することも可能である。
【0064】
***構成の説明***
図15を参照して、実施の形態3に係るアンケート入力装置10の構成を説明する。
アンケート入力装置10は、機能構成要素として、筆跡特定部120を備える点が図12に示すアンケート入力装置10と異なる。なお、筆跡特定部120は、他の機能構成要素と同様に、ソフトウェア又はハードウェアによって実現される。
【0065】
***動作の説明***
図16を参照して、実施の形態3に係るアンケート入力システム1の動作を説明する。
実施の形態3に係るアンケート入力システム1の動作手順は、実施の形態3に係るアンケート入力方法に相当する。また、実施の形態3に係るアンケート入力システム1の動作を実現するプログラムは、実施の形態3に係るアンケート入力プログラムに相当する。
【0066】
図16を参照して、実施の形態3に係るアンケート入力システム1の全体的な動作を説明する。
ステップS1からステップS3の処理と、ステップS5からステップS7の処理とは、実施の形態2と同じである。
【0067】
図16のステップS8:筆跡特定処理)
筆跡特定部120は、図8のステップS21で回答入力欄74に手書きされた文字の筆跡によって回答者を特定する。
具体的には、筆跡特定部120は、回答入力欄74に手書きされた文字の筆跡を表す識別情報を回答者の識別情報として割り当てる。この際、筆跡特定部120は、筆跡の類似度が基準よりも高い筆跡については同じ識別情報が割り当てられるようにする。つまり、類似する筆跡の回答者に対しては、同じ識別情報が割り当てられる。筆跡特定部120は、割り当てられた識別情報を、アンケートの回答と対応付けて、回答記憶部52に書き込む。
【0068】
図16のステップS4:タイミング決定処理)
タイミング決定部114は、ステップS3で回答特定部113によって特定された回答内容と、ステップS7で特定された感情の高ぶり度合いと、ステップS8で特定された回答者とに応じて、回答文字列を担当者に通知するタイミングを決定する。
具体的には、タイミング決定部114は、回答内容が特定の内容を示す場合と、感情の高ぶり度合いが閾値より高い場合との少なくともいずれかの場合には、通知するタイミングを即時とする。タイミング決定部114は、いずれでもない場合には、通知するタイミングを既定時とする。
【0069】
但し、タイミング決定部114は、ステップS8で筆跡特定部120によって特定された回答者と同一の回答者によって過去に基準数よりも多く回答文字列が入力された場合には、通知するタイミングを既定時とする。つまり、タイミング決定部114は、回答内容が特定の内容を示す場合と、感情の高ぶり度合いが閾値より高い場合との少なくともいずれかの場合であっても、同一の回答者によって過去に基準数よりも多く回答文字列が入力された場合には、通知するタイミングを既定時とする。ステップS8で筆跡特定部120によって特定された回答者と同一の回答者とは、ステップS8で筆跡特定部120によって特定された識別情報と同じ識別情報が割り当てられた回答者である。
なお、タイミング決定部114は、同一の回答者によって過去の一定期間に基準数よりも多く回答文字列が入力された場合には、通知するタイミングを既定時としてもよい。過去の一定期間とは、例えば、1日、1週間といった期間である。
【0070】
***実施の形態3の効果***
以上のように、実施の形態3に係るアンケート入力システム1では、同一の回答者によって過去に基準数よりも多く回答文字列が入力された場合には、他の条件に関わらず、通知するタイミングを既定時とする。
これにより、いたずら等により同じ回答者が多数の回答を入力した場合には、その度に担当者に通知されることを防止できる。これにより、不要に担当者に負担をかけることを防止可能である。
【0071】
実施の形態4.
実施の形態4は、同一の回答者によって入力された回答文字列に関する情報を担当者に通知する点が実施の形態1〜3と異なる。実施の形態4では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態4では、実施の形態3に機能を追加した場合を説明する。しかし、実施の形態1,2に機能を追加することも可能である。
【0072】
***動作の説明***
図16を参照して、実施の形態4に係るアンケート入力システム1の動作を説明する。
実施の形態4に係るアンケート入力システム1の動作手順は、実施の形態4に係るアンケート入力方法に相当する。また、実施の形態4に係るアンケート入力システム1の動作を実現するプログラムは、実施の形態4に係るアンケート入力プログラムに相当する。
【0073】
図16を参照して、実施の形態4に係るアンケート入力システム1の全体的な動作を説明する。
ステップS1からステップS4の処理と、ステップS7からステップS8の処理とは、実施の形態3と同じである。
【0074】
図16のステップS5:即時通知処理)
通知部115は、ステップS25で生成されたアンケートの回答を回答記憶部52から読み出す。また、通知部115は、読み出された回答を対象として、対象の回答の回答者によって入力された他の回答を回答記憶部52から読み出す。通知部115は、対象の回答とともに、対象の回答の回答者によって入力された他の回答を、担当者の端末に送信する。
【0075】
図16のステップS6:既定時通知処理)
通知部115は、未だ送信されていないアンケートの回答を回答記憶部52から読み出す。また、通知部115は、読み出された各回答を対象として、対象の回答の回答者によって入力された他の回答を回答記憶部52から読み出す。そして、通知部115は、対象の回答とともに、対象の回答の回答者によって入力された他の回答を、担当者の端末に送信する。
【0076】
***実施の形態4の効果***
以上のように、実施の形態4に係るアンケート入力システム1では、筆跡に基づき回答者の同一性を判定した上で、同一の回答者によって過去に入力された回答を、新たに入力された回答とともに担当者に通知する。
これにより、担当者は、回答者がどのような回答をする傾向があるかを考慮した上で、対応を検討することが可能である。
【0077】
以上、この発明の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、この発明は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 アンケート入力システム、10 アンケート入力装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、15 電子回路、111 投影部、112 データ認識部、113 回答特定部、114 タイミング決定部、115 通知部、116 分析部、117 筆圧特定部、118 速度特定部、119 感情特定部、120 筆跡特定部、20 プロジェクタ、21 投影面、30 電子ペン、40 入力台、50 データベースサーバ、51 表示内容記憶部、52 回答記憶部、53 キーワード記憶部、60 伝送路、71 カテゴリー選択欄、72 表示内容、73 フロー、74 回答入力欄、75 説明文。
【要約】
【課題】紙を利用したアンケートの場合のようにアンケートの回答が得られる状態を維持しつつ、アンケートの回答で指摘された内容に適切に対応可能にする。
【解決手段】投影部111は、アンケートに対する回答入力欄を入力台の上に投影表示する。データ認識部112は、投影部111によって投影表示された回答入力欄に手書きされた文字を認識する。回答特定部113は、データ認識部112によって認識された文字からなる回答文字列が示す回答内容を特定する。タイミング決定部114は、回答特定部113によって特定された回答内容に応じて、回答文字列を担当者に通知するタイミングを決定する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16