特許第6840822号(P6840822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メドトロニック・ピーエス・メディカル・インコーポレーテッドの特許一覧

特許6840822切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー
<>
  • 特許6840822-切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー 図000002
  • 特許6840822-切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー 図000003
  • 特許6840822-切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー 図000004
  • 特許6840822-切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー 図000005
  • 特許6840822-切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー 図000006
  • 特許6840822-切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー 図000007
  • 特許6840822-切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー 図000008
  • 特許6840822-切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー 図000009
  • 特許6840822-切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー 図000010
  • 特許6840822-切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6840822
(24)【登録日】2021年2月19日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】切り離したすくい面と、対応する軸方向及び半径方向すくい角とを有する外科用バー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20210301BHJP
   A61B 17/56 20060101ALN20210301BHJP
【FI】
   A61B17/16
   !A61B17/56
【請求項の数】28
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-211960(P2019-211960)
(22)【出願日】2019年11月25日
(62)【分割の表示】特願2016-562744(P2016-562744)の分割
【原出願日】2015年4月15日
(65)【公開番号】特開2020-36968(P2020-36968A)
(43)【公開日】2020年3月12日
【審査請求日】2019年12月24日
(31)【優先権主張番号】61/980,102
(32)【優先日】2014年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/664,258
(32)【優先日】2015年3月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516015233
【氏名又は名称】メドトロニック・ピーエス・メディカル・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】クラス,ジョン・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】スターンズ,ドナルド・イー
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/274779(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/037518(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用バー(surgical bur)において、
複数の縦溝(180、260)であって、該複数の縦溝(180、260)の各々は、複数の刃部(186、266)と、複数のすくい面(184、264;185、265)と、クリアランス面(188、189;268、270)とを備え、前記複数の縦溝(180、260)の1つの複数のすくい面(184、264;185、265)は、第1のすくい角を有する第1のすくい面(184、264)と、第2のすくい角を有する第2のすくい面(185、265)とを備え、前記第2のすくい角が前記第1のすくい角とは異なり、且つ前記第1のすくい面(184、264)及び第2のすくい面(185、265)が互いに切り離され且つ前記クリアランス面(188、189;268、270)と切り離される、前記複数の縦溝(180、260)と、
複数のランド部(178、258)であって、該複数のランド部(178、258)の各々は、1対の複数の縦溝(180、260)の間に配される前記複数のランド部(178、258)とを備え、
前記縦溝(180、260)の1つの前記第1のすくい面(184、264)は負の軸方向すくい角を有し、
前記縦溝(180、260)の一つの前記第2のすくい面(185、265)は正の半径方向すくい角を有する、外科用バー。
【請求項2】
請求項1に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝(180、260)の1つの前記第1のすくい面(184、264)と前記複数の刃部(186、266)の1つの第1の対応部分とは、前記外科用バーの長手方向軸線(182、262)に対して平行又は該長手方向軸線に沿った方向に穿孔する形態とされ、
前記複数の縦溝(180、260)の1つの前記第2のすくい面(185、265)と前記複数の刃部(186、266)の1つの第2の対応部分とは、前記外科用バーの長手方向軸線(182、262)に対して半径方向又は横方向に切断する形態とされる、外科用バー。
【請求項3】
請求項2に記載の外科用バーにおいて、
前記第1のすくい面(184、264)又は第2のすくい面(185、265)は、複数の半径方向すくい角を有する、外科用バー。
【請求項4】
請求項2に記載の外科用バーにおいて、
前記第1のすくい面(184、264)及び第2のすくい面(185、265)の各々は、複数の半径方向すくい角を有する、外科用バー。
【請求項5】
請求項2から4の何れか1項に記載の外科用バーにおいて、
前記第1のすくい面(184、264)又は第2のすくい面(185、265)は、負の半径方向すくい角、中立の半径方向すくい角及び正の半径方向すくい角の少なくとも一つを含む、外科用バー。
【請求項6】
請求項2から4の何れか1項に記載の外科用バーにおいて、
複数の半径方向すくい角が、前記長手方向軸線(182、262)と前記第1のすくい面(184、264)又は第2のすくい面(185、265)との間に存在し、
前記長手方向軸線(182、262)、第1のすくい面(184、264)及び第2のすくい面(185、265)は、前記複数の半径方向すくい角に対応する関連した点(191、196)を有する、外科用バー。
【請求項7】
請求項2に記載の外科用バーにおいて、
前記第1のすくい面(184、264)は、外科用バーの対応する刃部(186、266)に沿って第1の一定の半径方向すくい角を有し、
前記第2のすくい面(185、265)は、外科用バーの対応する刃部(186、266)に沿って第2の一定の半径方向すくい角を有する、外科用バー。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の外科用バーにおいて、
前記複数のランド部(178、258)の各々は、凸型の形状である、外科用バー。
【請求項9】
請求項1に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝(180、260)の1つは、
第1の点(191)と、刃部(186)の1つの第1の部分(190)とを有する第1のすくい面(184、264)であって、該第1のすくい面(184)の深さ寸法は、第1の点(191)から前記刃部(186)の1つの第1の部分(190)の基端における第2の点(196)まで増大する前記第1のすくい面(184、264)と、
長手方向軸線(182)に関する第2の頂点(196)を有する第2のすくい面(185、265)であって、該第2のすくい面(185)の深さ寸法は、第2の頂点(196、201)から、(i)外科用バーの赤道(200)、(ii)第2のすくい面(185)の基端、(iii)外科用バーの基端(301)、又は(iv)複数の縦溝(180)の1つの基端(301)まで増大する前記第2のすくい面(185)とを備える、外科用バー。
【請求項10】
請求項9に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の第1のすくい面(184、264)の各々の頂点は、同一の点(191,280)にある、外科用バー。
【請求項11】
請求項9に記載の外科用バーにおいて、
複数の縦溝(180、260)の前記1つは、切り離し領域(198)を備え、
該切り離し領域(198)は、複数の縦溝(180、260)の1つの複数のすくい面(184、264;185、265)の2つの間に配置される、外科用バー。
【請求項12】
請求項1に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝(180、260)の各々は、それぞれの切り離し領域(198、198)を備え、
該切り離し領域(198、198)の各々は、複数の縦溝(180、260)の対応する1つの前記複数のすくい面(184、264;185、265)の2つの間に配置される、外科用バー。
【請求項13】
請求項1に記載の外科用バーにおいて、
複数の縦溝(180、260)の各々の複数のすくい面(184、264;185、265)は、第2の点(196、296)にて合わさる、外科用バー。
【請求項14】
請求項1に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝(180、260)の各々の複数のすくい面(184、264;185、265)は、
第1のすくい面(184、264)と、
第2の点(196)を有する第2のすくい面(185、265)と、を備え、
複数の縦溝(180、260)の各々に対して、第1のすくい面(184、264)の各々の基端点(195)又は端部は、対応する第2のすくい面(185、265)のそれぞれの第2の点(196)にある、外科用バー。
【請求項15】
請求項1に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝(180、260)の各々における複数のすくい面(184、264;185、265)は、それぞれの平面にあり、かつ外科用バーの長手方向軸線(182、262)に対して異なる角度にある、外科用バー。・
【請求項16】
請求項1に記載の外科用バーにおいて、
前記第1のすくい面(184、264)は、外科用バーの対応する刃部(186、266)に沿って第1の一定の軸方向すくい角を有し、
前記第2のすくい面(185、265)は、外科用バーの対応する刃部(186、266)に沿って第2の一定の軸方向すくい角を有する、外科用バー。
【請求項17】
請求項1に記載の外科用バーにおいて、
複数の軸方向逃がし面(194,282)を有する穿孔点(204)を更に備え、
前記複数の軸方向逃がし面(194,282)の各々は、(i)刃部(186、266)の各1つの末端部分と、(ii)ランド部(178、258)の各1つと、(iii)クリアランス面(188、189:268、270)の各1つと境を接する、外科用バー。
【請求項18】
請求項17に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の軸方向逃がし面(194,282)の各々は、平面状領域を有し、かつ前記ランド部(178、258)から区別される、外科用バー。
【請求項19】
外科用バーにおいて、
複数の縦溝(180、260)であって、該複数の縦溝(180、260)の各々は、刃部(186、266)と、複数のすくい面(184、264;185、265)と、クリアランス面(189,270)とを備え、縦溝(180、260)の1つの複数のすくい面(184、264;185、265)は、第1のすくい角を有する第1のすくい面(184、264)と、第2のすくい角を有する第2のすくい面(185、265)と、を備え、前記第2のすくい角は、前記第1のすくい角とは異なり、且つ前記第1のすくい面(184、264)及び前記第2のすくい面(185,265)は互いに切り離され且つ前記クリアランス面(188,189;268、270)と切り離される前記複数の縦溝(180、260)と、
複数のランド部(178、258)であって、該複数のランド部(178、258)の各々は、1対の複数の縦溝(180、260)の間に配設される前記複数のランド部(178、258)とを備え、
前記複数の縦溝(180、260)の1つの前記第1のすくい面(184、264)は負の半径方向すくい角を有し、
前記複数の縦溝(180、260)の一つの前記第2のすくい面(185、265)は正の半径方向すくい角を有する、外科用バー。
【請求項20】
請求項19に記載の外科用バーにおいて、
前記縦溝(180、260)の1つの第1のすくい面(184、264)及び刃部(186、266)の1つの第1の部分(190,284)は、外科用バーの長手方向軸線(182、262)に対して平行に又は該長手方向軸線(182、262)に沿った方向に穿孔する形態とされ、
前記縦溝(180、260)の1つの第2のすくい面(185、265)及び刃部(186、266)の1つの第2の部分(193、292)は、外科用バーの長手方向軸線(182、262)に対して半径方向又は横方向に切断する形態とされた、外科用バー。
【請求項21】
請求項19に記載の外科用バーにおいて、
前記刃部(186、266)の各々は、
前記第1のすくい面(184、264)の1つに第1の部分(190,284)を備え、該第1の部分は、外科用バーを側部から見たとき、外科用バーの長手方向軸線(182、262)の第1の側部にあり、
前記第2のすくい面(185、265)の1つに相応し、かつ第1の部分(190,284)の対応する1つから伸び、また、該第1の部分(190,284)の基端側にある第2の部分(193、292)を更に備え、
該第2の部分(193、292)は、外科用バーを側部から見たとき、長手方向軸線(182、262)を横断する、外科用バー。
【請求項22】
請求項19に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝(180、260)の前記1つの複数のすくい面(184、264;185、265)は、互いに切り離されている、外科用バー。
【請求項23】
請求項19に記載の外科用バーにおいて、
第1のすくい面(184)は、第1の点(191)と、刃部(186)の1つの第1の部分(190)とを有し、
該第1のすくい面(184)の深さ寸法は、該第1の点(191)から前記刃部(186)の1つの第1の部分(190)の基端の第2の点(196)まで増大し、
前記第2のすくい面(185)は、前記長手方向軸線(182)に関連した前記第2の点(196、201)を有し、
該第2のすくい面(185)の深さ寸法は、第2の点から、(i)外科用バーの赤道(200)、(ii)第2のすくい面(185)の基端(301)、(iii)外科用バーの基端(301)、又は(iv)複数の縦溝(180、260)の1つの基端(301)まで増大する、外科用バー。
【請求項24】
請求項19に記載の外科用バーにおいて、
前記第1のすくい面(184、264)の各々の頂点は、同一の点(191、280)にある、外科用バー。
【請求項25】
請求項19に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝(180、260)の1つは、切り離し領域(198)を備え、
該切り離し領域(198)は、第1のすくい面(184、264)と第2のすくい面(185、265)との間に配置される、外科用バー。
【請求項26】
請求項19に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝(180、260)の各々は、それぞれの切り離し領域(198)を備え、
前記切り離し領域(198)の各々は、前記複数の縦溝(180、260)の各1つの複数のすくい面の2つの間に配置される、外科用バー。
【請求項27】
請求項19に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝(180、260)は、それぞれの第1のすくい面(184、264)と、それぞれの第2のすくい面(185、265)とを備え、
前記複数の縦溝(180、260)の各々に対して、第1のすくい面(184、264)は、それぞれの点(196)にて第2のすくい面(185、265)と合わさり、
第2のすくい面(185、265)の各々は、それぞれの頂点(196)を備え、
前記複数の縦溝(180、260)の各々に対して、第1のすくい面(184、264)の各々の基端点又は基端(196)は、対応する第2のすくい面(185、265)のそれぞれの頂点(196)にある、外科用バー。
【請求項28】
請求項19に記載の外科用バーにおいて、
複数の軸方向逃がし面(194,282)を有する穿孔点(204)を更に備え、
前記複数の軸方向逃がし面(194,282)の各々は、(i)刃部(186、266)の各1つの末端部分と、(ii)ランド部(178、258)の各1つと、(iii)クリアランス面(188、189;268、270)の各1つと境を接する、外科用バー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2014年4月16日に出願された米国仮特許出願第61/980,102号及び2015年3月20日に出願された米国実用新案登録出願第14/664,258号の利益を主張するものである。上記の出願の開示内容は、参考として引用し、本明細書に含めてある。
【0002】
[0002] 本発明は、骨を切断し又は且つ整形する外科用システム、より特定には、外科用バー(surgical bur)に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] この文節は、必ずしも先行技術とはならない、本発明に関係した背景情報を提供する。
[0004] 外科用バーは、外科的術を行う間、骨を効率的に切開し、切断し且つ(または)整形するための鋭利でかつ耐久性のある刃部を必要とする。人間の解剖学的組織は、神経及び血管のような傷つき易い柔部組織構造体を保護するため骨の近くに位置するのが一般的である。これらの構造体は、硬膜を含む。硬膜は、患者の脳及び脊柱を取り囲む保護のための軟部組織の最外側層を意味する。脳及びの脊柱の術を行う間、バーの末端が硬膜と接触する可能性がある。「末端」という語は、回転するバーを有する外科用ツールを保持する医療従事者から最も遠方の箇所を意味する。「基端」という語は、医療従事者に向かい、かつ患者から離れる箇所を意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0005] 外科用バーは、軸方向に穿孔するとき、安定性を持たせると共に、半径方向に動かす間、効率的に切断し得ることが望ましい。軸方向とは、例えば、外科用バーの長手方向軸線に対して平行な方向、その軸線に沿った方向、及び(または)該軸線と直線状の方向とすることができる。半径方向とは、例えば、外科用バーの長手方向軸線から離れかつその軸線に対して平行でない方向とすることができる。半径方向とは、該長手方向軸線から離れかつ(または)その軸線に対して垂直な方向とすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0006] この文節は、本発明の全体的な概要を記述するものであり、その特徴の範囲の全部又はその全てを包括的に開示するものではない。
[0007] 縦溝と、ランド部とを含む、外科用バーが提供される。縦溝の各々は、刃部、すくい面、及びクリアランス面を含む。1つの縦溝のすくい面は、互いに切り離されている。縦溝の各々のすくい面は、互いに切り離すことができる。ランド部の各々は、1対の縦溝の間に配設されている。なお、本明細書中で使用する用語の「二つの面が切り離される(decouple)」とは、二つの面が所定の領域を介在してあたかも互いに切り離されるように隔てられることを意味する。
【0006】
[0008] その他の特徴において、縦溝と、ランド部とを含む、外科用バーが提供される。縦溝の各々は、刃部、すくい面、及びクリアランス面を含む。1つの縦溝のすくい面は、(i)第1のすくい角を有する第1のすくい面と、(ii)第2のすくい角を有する第2のすくい面と、を含む。縦溝の各々は、それぞれのすくい角を有する多数のすくい面を有することができる。第2のすくい角は、第1のすくい角から切り離されている。ランド部の各々は、1対の縦溝の間に配設されている。
【0007】
[0009] 更なる適用分野は、本明細書の記載から明らかになるであろう。本概要の記載及び既定の特定の例は、説明のみを目的とするものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[0010] 本明細書にて説明する図面は、選んだ実施の形態の単に説明の目的のためであり、可能な全ての実施例を示すものではなく、また、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1】切開用ツールの側面図である。
図2図1の切開用ツールの斜視図である。
図3】バーを組み込み、また、本発明の1つの実施の形態に従って患者にて使用される外科用切開カッター組立体の斜視図である。
図4図3の外科用切開カッター組立体の斜視図である。
図5】すくい角及び逃がし角を示す、外科用バーの一部分の斜視図である。
図6】本発明の1つの実施の形態に従った外科用バーを含む、切開用ツールの側面図である。
図7図6の切開ツールの斜視図である。
図8】本発明の1つの実施の形態に従い、かつ外科用バーの縦溝のクリアランス面に対向した、別の外科用バー含む、別の切開用ツールの側面図である。
図9図8に示した位置から時計方向に90°回転させ、かつ外科用バーの特定のすくい面に対向した、図8の外科用バーの別の側面図である。
図10図8の切開用ツールの外科用バーの末端図である。
【0009】
[0021] 対応する参照番号は、幾つかの図面の全体を通じて対応する部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0022] 図1及び図2には、外科用バー54を含む、合法的に販売された(predicate)切開用ツールの側面図及び斜視図が示されている。該外科用バー54は、3つの凸型ランド部55と、3つの縦溝56とを含む。縦溝56の各々は、ランド部55の間に配置されており、また、対応する削り空間57を有している。該ランド部55は、外科用バー54の長手方向軸線58の回りにて等しく隔てられている。該ランド部55の末端部分62は、凸型の形状をした、軸方向逃がし面と称する。該軸方向逃がし面62は、ランド部55から区別できず、それは、ラント部55及び軸方向逃がし面62は、共に、凸型の形状であり、(または、同一型式の表面を有する)、また、軸方向逃がし面62は、軸方向逃がし面62とランド部55との間に遷移面又は境界を有さずに、ランド部55と連続しているからである。
【0011】
[0023] 縦溝56は、また、長手方向軸線58の回りにて等しく隔てられている。縦溝56の各々は、刃部66を有する単一のすくい面64と、クリアランス面68とを備えている。クリアランス面68の各々は、末端部分(または表面)と、基端部分(または表面)とを含む。クリアランス面68の末端部分は、参照番号70にて識別されている。クリアランス面68の基端部分は、参照番号72にて識別されている。
【0012】
[0024] 外科用バー54の効率及び安定性は、縦溝の各々にて見られる単一のすくい面64により制約される。該すくい面64を配置することは、縦溝及び対応する刃部66の全体性に影響を及ぼす。上述したように、すくい面64は、長手方向軸線58に対して平行であり、また、中心点60(外科用バー54の末端から見たように、長手方向軸線の左側でかつ該長手方向軸線と整合していない)を通る。その結果、外科用バー54は、中立の軸方向すくい角と、正の半径方向すくい角とを有している。
【0013】
[0025] 外科用バーは、(i)正又は負の軸方向すくい角と、(ii)刃部に沿った位置に対して対応する縦溝の刃部に沿って変化する半径方向すくい角とを有するすくい面を備えることができる。すくい面の半径方向すくい角は、該すくい面が対応する外科用バーの長手方向軸線を貫通する平面を横断する点にて中立(すなわち、0°)とすることができる。各々が、多数の軸方向すくい角及び半径方向すくい角を含む縦溝を有する外科用バーの例について、以下に説明する。
【0014】
[0026] 以下の説明は、回転型外科用バー(以下、外科用バーと称する)を開示するものである。該外科用バーは、縦溝毎に切り離したすくい面(すくい面と称する)と、対応する軸方向すくい角及び半径方向すくい角とを含む。負の軸方向すくい角は、外科用バーの穿孔時の安定性を向上させることができる。正の半径方向すくい角は、外科用バーの切断効率を向上させることができる。
【0015】
[0027] 次に、添付図面を参照して、一例としての実施の形態に関してより詳細に説明する。以下の説明は、性質上、単に一例であり、本発明、適用例又は用途を限定することを意図するものではない。図面の全体を通じて、対応する参照番号は、同様の又は対応する部品及び特徴を示すものであることを理解すべきである。
【0016】
[0028] 図3には、患者102にて使用されている回転型外科用バーを組み込んだ外科用切開カッター組立体100が示されている。患者は、神経の手術を受けている。脳又はその他の神経学的構造体にアクセスするためには、骨及びその他の組織の慎重な切開を必要とすることが多い。図3は、例示の目的のためにのみ掲げたものであり、本明細書にて開示した外科用バーは、種々のツール及び(または)その他のカッター組立体にて使用することができ、また、その他の術及び(または)手術のために使用することができる。該切開カッター組立体100は、切開用ツールのドライバ104を含み、該ドライバは、外科的アクセス箇所106にて患者102の骨の一部分及び隣接する組織を切開するために利用されている。
【0017】
[0029] 図4は、外科用切開カッター組立体100の斜視図である。該切開用ツールのドライバ104は、ホース又はケーブル組立体110と接続されたモータハウジング組立体108を含む。該ホース組立体110は、外部電力及びモータハウジング108の制御機能を提供する。切開用ツールのドライバ104は、切開用ツール118と接続される取り付けハウジング112を更に含む。切開用ツール118の末端は、外科用バー120を含む。切開用ツール118に代えて使用することのできる切開用ツールの例は、図6から図10に示されており、かつこれらの図面に関して以下に説明する。
【0018】
[0030] 図5は、外科用バーの一部分130の斜視図である。該部分130は、刃部134を有するすくい面132と、逃がし面136とを含む。刃部134は、外科用バーの末端にあり、かつ逃がし面136に隣接するものとすることができる。図5は、一例として示したものであり、(i)第1のすくい面の刃部の軸方向すくい角、及び軸方向逃がし面、又は(ii)第2のすくい面の刃部の半径方向すくい角及び半径方向逃がし面を説明するために使用することができる。第1のすくい面は、第2のすくい面と同一又は異なるものとすることができる。外科用バーが軸方向穿孔又は半径方向側部切断のために使用されるかどうかに依存して、外科用バーは、切断面に対して異なる方向に向けることができる。第1の方向は、軸方向穿孔のため使用し、また、第2の方向は、半径方向側部切断のため使用することができる。
【0019】
[0031] 第1の方向、軸方向すくい角、及び軸方向逃がし面を説明するため図5が使用されるならば、すくい角138(第1の方向に対する軸方向すくい角と称することができる)は、(i)すくい面132における16、(または平面)140と、刃部134に対して垂直な平面と、(ii)外科用バーが切り込み、かつ線142に対して垂直な切断及び(または)線(水平面)146の方向に伸びる骨145の面144に対して垂直に伸びる線(水平面)142との間にあるものとすることができる。逃がし角148(第1の方向に対して軸方向に逃がし角と称することができる)は、逃がし面136(または、第1の方向に対して軸方向逃がし面136)における線(平面)150及び刃部134に対して垂直な平面と、(ii)線146との間にあるものとすることができる。刃部134は、第2の方向に対して線142に対して垂直な平面上にあるものとすることができる。外科用バーの回転可能な軸線は、第1の方向について線142に対して平行である。
【0020】
[0032] 第2の方向、半径方向すくい角及び半径方向逃がし面を示すために図5が使用されるならば、線142は、外科用バーの長手方向軸線に対して垂直となるものとすることができる。刃部134は、長手方向軸線を貫通する平面内にあるものとすることができる。第2の方向に対して、刃部134は、上記にて第1の方向について言及した刃部と同一の又は異なる刃部とすることができる。逃がし面136は、第2の方向に対して半径逃がし面と称することができる。すくい角138は、第2の方向に対する半径方向すくい角と称することができる。逃がし角148は、第2の方向に対して軸方向逃がし角と称することができる。
【0021】
[0033] 以下の外科用バーは、特定の数の縦溝、縦溝当たりのすくい面、縦溝当たりのすくい角、縦溝当たりのクリアランス面、ランド部、軸方向逃がし面、クリアランス面等を有するものとして図示されているが、該外科用バーは、これらの要素の各々について、その他の数を有するものとしてもよい。
【0022】
[0034] 図6−7には、切開用ツール170の側面図及び斜視図が示されている。該切開用ツール170は、図3の組立体100の一部として使用し、かつ図4の切開用ツールに置換することができる。該切開用ツール170は、シャフト172と、外科用バー174とを含む。該外科用バー174は、「マッチの頭」の設計であり、かつ本体176を含む。該外科用バー174は、「神経」又は「マッチ棒」バーと称することもできる。本体176は、2つの凸型ランド部178と、2つの縦溝180とを有している。縦溝180の各々は、ランド部178の間に配置されており、また、対応する削り空間181を有している。ランド部178は、凸型の形状及び(または)丸形の形状とし、また、切開用ツール170、シャフト172及び(または)外科用バー174の長手方向軸線の回りにてそれぞれ180°の位置にあるようにすることができる。該外科用バーは、長手方向軸線182の回りにて回転させる。縦溝180は、長手方向軸線182の回りにてそれぞれ180°の位置にあるようにしてもよい。縦溝180の各々は、刃部186を有する二つ又は複数のすくい面(縦溝180当たり2つのすくい面184、185図示されている)と、末端部分(または末端クリアランス面)188及び基端部分(又は基端クリアランス面)189と有する対応するクリアランス面187とを備えている。末端クリアランス面188は、縦溝180の末端部分上にある。基端クリアランス面189は、縦溝180の基端部分上にある。
【0023】
[0035] 図示した例において、刃部186の第1の部分190は、長手方向軸線182から半径方向に離れ、かつ刃部186の第2の部分193に向けて、外科用バー174の末端にて中心点191又はブリッジ192から伸びている。該ブリッジ192は、中心点191の上方を伸び、かつランド部178の各1つにて軸方向逃がし面194と接続する。
【0024】
[0036] 刃部186の第2の部分193は、長手方向軸線182に沿って、刃部186の第1の部分190の基端から軸方向に伸びている。刃部186の第1の部分190は、負の軸方向すくい角を有している。左側(または負の)軸方向角度αが示されており、この角度は、負の軸方向すくい角を作り出す。一例として、負の軸方向は、−5°又はその他の適当な負の軸方向すくい角αとすることができる。刃部186の第2の部分193は、点201から基端側の正の半径方向すくい角βを有している。一例としての右側(または正の)軸方向角度βが図示されており、この角度βは、点201の位置に対して明確化したとき、半径方向すくい角を作り出す。一例として、右側軸方向角度は、5°又はその他の適当な軸方向角度とすることができる。一例として、半径方向すくい角は、点196における−5°から第2の部分193の基端における5°まで変化させることができる。
【0025】
[0037] 軸方向すくい角αは、末端方向に穿孔するとき、切断性能に影響を与える。刃部186の第1の部分190は、主として、末端方向に穿孔するとき、使用される。末端方向に穿孔するとき、問題となる軸方向すくい角は、長手方向軸線182に対して垂直な平面と、図6に示したように、外科用バーの側部から見たとき、末端すくい面184上の平面との間にて測定する。半径方向すくい角は、横方向への切断性能に影響を与える。部分190の一部分及び(または)刃部186の第2の部分193の一部分は、横方向に切断するとき、使用することができる。横方向とは、長手方向軸線182から離れる方向を意味する。横方向は、必ずしも、長手方向軸線に対して垂直な方向でなくともよい。半径方向すくい角βは、長手方向軸線182と、刃部186のそれぞれの部分190、193との間にて測定する。半径方向すくい角βは、外科用バー174のそれぞれの側部から且つ長手方向軸線182に対して垂直で、刃部186の一点を貫通する方向に向けて測定することができる。半径方向すくい角βは、外科用バー174の末端から及び(または)外科用バーの横方向横断平面から測定してもよい。外科用バー174の横方向横断平面は、長手方向軸線182及び刃部186に沿った点にある。外科用バーの末端から測定した半径方向すくい角βの一例が図10に示されている。
【0026】
[0038] 刃部186上の一点における半径方向すくい角βは、その点が図6に示したように、長手方向軸線182の前方に(または右側)にあるとき、負であると説明することができる。半径方向すくい角βは、第2の部分193が長手方向軸線182を横断する点201にて中立である。刃部186上の一点における半径方向すくい角βは、その点が図6に示したように、長手方向軸線182の後方(または左側)にあるとき、正であると説明することができる。刃部186の第1の部分190及び第2の部分193は、各々、それぞれの平面内にある。
【0027】
[0039] 縦溝180のすくい面184、185の軸方向すくい角α及び半径方向すくい角βは、切り離されている。その理由は、縦溝180の各々のすくい面184、185の軸方向すくい角は、相違し、かつ異なる頂点を有するからであること、及び(または)縦溝180の各々のすくい面184、185の半径方向すくい角は、相違し、かつ異なる頂点を有するからである。縦溝180の各々のすくい面184、185の半径方向すくい角は、対応する刃部に沿って一定でなくともよい。1つの実施例において、すくい面184,185の各々は、1つ又はより多数の(又は一組の)半径方向すくい角を有することができる。一例として、刃部186の第2の部分193に相応し、かつ外科用バー174の基端と第2の点196との間に配置された基端側すくい面185は、点201の末端側の負の半径方向すくい角、点201における中立の半径方向すくい角及び点201の基端側の正の半径方向すくい角の少なくとも一つを含む、多数の半径方向すくい角を有している。
【0028】
[0040] 刃部186の第1の部分190は、中心点191付近にて開始し、第1の点195の先端である第2の点196にて終わる。第1の195は、切り離し領域198の基端と遷移端縁197とが合わさる箇所を意味する。図示しかつ上述したように、外科用バー174を側部から見たとき、第1の195の各々は、長手方向軸線182の第1の対応する側部上にある。第2の点196は、刃部186の第1の部分190が刃部186の第2の部分193に合わさる位置を意味する。図示しかつ上述したように、外科用バー174を側部から見たとき、刃部186の第2の部分193の各々は、長手方向軸線182のそれぞれ第1の側部における第2の点196の各1つにて開始し、長手方向軸線182を横断して長手方向軸線182上のそれぞれ第2の側部まで伸びている。
【0029】
[0041] 刃部186は、長手方向軸線182に対して右側軸方向アスペクトと左側軸方向アスペクトとの組み合わせを提供する。刃部186の第1の部分190は、左側軸方向アスペクトを提供するものとして図示されている。この理由のため、縦溝180の末端部分は、左側部分と称する。刃部186の第2の部分193は、右側軸方向アスペクトを提供するものとして図示されている。この理由のため、縦溝180の基端部分は、右側部分と称する。左側及び右側軸方向アスペクトは、外科用バーの基端から見たとき、穿孔及び(または)切断のため、長手方向軸線の回りにて時計方向に回転し得る設計とされた、外科用バーに対して提供される。外科用バーの基端から見たとき、穿孔及び(または)切断のため、長手方向軸線の回りにて反時計方向に回転し得る設計とされた外科用バーの場合、(i)第1の部分190は、図示したものと反対のものとし、また、(ii)第2の部分193は、図示したものと反対のものとし、左側軸方向アスペクトを提供するものとするものとすることができる。
【0030】
[0042] クリアランス面188、189の各々は、図示するように平坦(又は平面状)とし、または湾曲させることができる。遷移端縁197は、縦溝180の各々のクリアランス面188、189の間にて横方向に伸びて、第2のすくい面185の対応する1つから離れることができる。クリアランス面188、189は、長手方向軸線182に対して異なる角度であり、また、遷移端縁197にて互いに接触している。遷移端縁197の各々は、隣接し、かつ対応するクリアランス面188、189の間の遷移部を提供する。
【0031】
[0043] 縦溝180の各々に対して、すくい面184、185は、切り離されており、その結果、互いに連続していない。縦溝180の各々のすくい面184、185は、区別できる平面状面として、かつ互いに平行でないにようにしてもよい。すくい面184、185が切り離されているため、基端クリアランス面189の各々は、対応する2つのすくい面184、185の間に配置された切り離し領域198を含む。該切り離し領域198は、軸方向に、かつ(または)全体して長手方向軸線182に沿って第2の点196から基端クリアランス面189の末端まで伸びている。該切り離し領域198の基端は、横方向に、遷移端縁197と整合している。切り離し領域198は、その基端にて第2のすくい面185と合わさる。該切り離し領域198は、第1のすくい面184の基端を第2のすくい面185の末端から分離させる。
【0032】
[0044] 第1のすくい面184の深さ(すなわち、刃部の第1の部分190の間にて末端クリアランス面188までの距離)は、第1のすくい面184の末端191から対応する第2の点196まで増大することができる。第1のすくい面184の深さは、第2の点196から第1の点195まで減少することができる。第2のすくい面185の深さ(すなわち、刃部の第2の部分193間にて基端クリアランス面189までの距離)は、第2のすくい面185の末端及び(または)第2の点196から赤道(破線200で示した外科用バー174の平面)及び(または)第2のすくい面185の基端まで増大することができる。
【0033】
[0045] 赤道200は、長手方向軸線182に対して垂直であり、かつ外科用バー174の直径が最大となる箇所となるようにすることができる、外科用バー174の平面状部分を意味する。図示した例におけるように、外科用バーが該外科用バーの伸長した部分に対して一定の直径を有する場合、赤道は、最大の直径を有する、外科用バーの最末端部分にあるようにすることができる。赤道200は、(i)刃部186の第2の部分193が長手方向軸線182を横断する点201の末端側とし、また、(ii)第1の点195の基端側とすることができる。
【0034】
[0046] 刃部186のすくい面184、185及びそれぞれの部分190、193は、部分190、193のすくい角を切り離し、また、それぞれの機能を有する。刃部186の第1の部分190は、縦溝180の末端にあり、穿孔するときの安定性を提供する。すくい面184、185が切り離されているため、刃部186の第2の部分193を使用するとき、刃部186の第1の部分190は、側部切断または研削に与える影響が最小であり、又は、何らの悪影響も与えない。刃部186の第2の部分193は、本体176の側部に沿ってかつ赤道200から離れて末端方向にかつ基端方向に伸びている。刃部186の第2の部分193は、効率的な側部切断又は研削作用を提供する。すくい面184、185が切り離されているため、刃部186の第1の部分190を使用するとき、刃部186の第2の部分193が穿孔に与える影響は最小であり、又は何らの悪影響も与えない。
【0035】
[0047] 外科用バー174は、該外科用バー174の末端に穿孔点204を含む。該穿孔点204は、中心点191と、軸方向逃がし面194とを含むことができる。長手方向軸線182は中心点191を貫通する。軸方向逃がし面194は、縦溝180の末端にあり、かつランド部178と連続するか又は図示したように、ランド部178から分離するようにしてもよい。軸方向逃がし面194は、図示したように、ランド部178から分離している。その理由は、軸方向逃がし面194は、ランド部と異なる型式の面である(例えば、ランド部178は、凸型とし、軸方向逃がし面194は、平面状の形状であるようにすることができる)からであり、また、軸方向逃がし面194とランド部178との間にて遷移面又は端縁(境界と称する)があるからである。別の実施の形態において、軸方向逃がし面194は、凸型の形状とし、かつ(または)ランド部178に対する非遷移面(または連続面)を提供するようにしてもよい。
【0036】
[0048] 軸方向逃がし面194の各々と境を接するのは、(i)刃部186の1つの第1の部分190の1つと、(ii)ランド部178の1つの末端部分202と、(iii)クリアランス面188の1つである。軸方向逃がし面194は、図示するように、平坦面とし又は(平面状)面とすることができる。軸方向逃がし面194の各々は、2つの名目的な直線状端縁(クリアランス面188の第1の部分190及び末端端縁)を有し、これらの部分は、それぞれの円形の端縁により接続されている(湾曲した端縁の1つは、参照番号206で識別されている)。軸方向逃がし面194の湾曲した端縁206は、それぞれのランド部178と境を接している。
【0037】
[0049] 末端クリアランス(または末端)面188は、対応するみぞ角(gash angle)を有している。みぞ角の各々は、(i)1つの末端面188に対して平行に、かつ該末端面上にて中心点191及び(または)長手方向軸線182から離れるように伸びる線(または平面)と、(ii)長手方向軸線182に対して垂直に伸びる線(または平面)との間の角度を意味する。
【0038】
[0050] 図8図10には、切開用ツール250の側面図及び斜視図が示されている。図8には、図10にて見たとき、左側から得た切開用ツール250の横側面図が示されている。図9には、図10にて見たとき、切開用ツールの上方から得た切開用ツール250の横側面図(または頂面図)が示されている。切開用ツール250は、図3の組立体100の一部として使用することができ、また、図4の切開用ツール108に置換することができる。切開用ツール250は、シャフト252と、球形の形状をした、外科用バー254とを含む。該外科用バー254は、本体256を含む。該本体256は、3つの凸型形状のランド部258と、3つの縦溝260とを有している。縦溝260の各々は、1対のランド部258の間に配置され、また、対応する削り空間261を有している。ランド部258は、凸型の形状であり且つ(または)丸形の形状であり、また、切開用ツール250、シャフト252及び(または)外科用バー254の長手方向軸線262の回りにてそれぞれ120°の位置にあるようにしてもよい。外科用バーは、長手方向軸線262の回りにて回転させる。縦溝260は、長手方向軸線262の回りにてそれぞれ120°の位置にあるようにしてもよい。縦溝260の各々は、刃部266を有する末端及び基端のすくい面(または、表面)264、265と、クリアランス面267とを備えている。クリアランス面267は、末端部分(または、末端クリアランス面)268と、基端部分(または基端側コリアランス面)269とを含む。該クリアランス面268は、縦溝260の末端部分上にある。クリアランス面269は、縦溝260の基端部分上にある。
【0039】
[0051] 外科用バー254は、該外科用バー254の末端274に穿孔点274を含む。該穿孔点274は、中心点280と、3つの軸方向逃がし面282とを含むことができる。長手方向軸線262は、中心点280を貫通する。軸方向逃がし面282は、縦溝260の端部にあり、また、ランド部258から区別できるものとすることができる。軸方向逃がし面282は、ランド部258から区別できるものとすることができる。その理由は、軸方向逃がし面282は、ランド部の表面と異なる型式である(例えば、ランド部258は、凸型の形状とし、また、軸方向逃がし面282は平面状の形状としてもよい)からであり、また、軸方向逃がし面282とランド部258との間に遷移面(または境界)があるからである。別の実施の形態において、軸方向逃がし面282は、凸型の形状とし、かつ(または)ランド部258に対して遷移面(または連続面)を提供するようにしてもよい。
【0040】
[0052] 逃がし面282の各々の境を接するのは、(i)刃部266の1つのそれぞれの末端(又は第1の)部分284と、(ii)ランド部258の1つの末端部分286と、(iii)末端クリアランス面268の1つの末端とである。軸方向逃がし面282は、図示するように、平坦面(平面状面)とすることができる。軸方向逃がし面282の各々は、2つの名目的に直線状端縁(名目的な直線状端縁の二つは、参照番号288で識別されている)と、湾曲した端縁(湾曲した端縁の1つは、参照番号290で識別されている)とを有する三角形の形状をしている。軸方向逃がし面282の湾曲した端縁290は、それぞれのランド部258と境を接している。
【0041】
[0053] 図示した例において、刃部266の第1の部分284は、外科用バー254の末端における中心点280から、長手方向軸線262から半径方向に伸びて、刃部266の第2の部分292に向かう。刃部266の第2の部分292は、第1の部分の基端からかつ長手方向軸線262に沿って軸方向に伸びている。刃部266の第1の部分284は、負の軸方向すくい角を有する。一例としての左側軸方向角が図示されており、かつ負の軸方向すくい角を作り出す。一例として、負の軸方向すくい角は、−5°又はその他の適当な負の軸方向すくい角とすることができる。刃部266の第2の部分292は、第3の点306から基端側にて正の半径方向すくい角を有している。一例としての軸方向角度が示されており、かつ第3の点306の位置に対して明確化したとき、半径方向すくい角を作り出す。一例して、右側軸方向角度は、5°又はその他の適当な軸方向角度とすることができる。一例として、半径方向すくい角は、第2の点296の近くの−2°から第2の部分292の基端における5°まで変化させることができる。
【0042】
[0054] 軸方向すくい角は、長手方向軸線262対して垂直な平面と、末端側すくい面における平面との間にて測定する。半径方向すくい角は、刃部266の長手方向軸線262と、それぞれの刃の第1及び第2の部分284、292との間にて測定する。これらの測定値は、外科用バー254のそれぞれの側部からかつ長手方向軸線262に対して垂直な方向に向けて、また、刃部266における一点を貫通する方向に得たものである。刃部266の第1の部分284及び第2の部分292は、各々、それぞれの平面内にあるものとすることができる。
【0043】
[0055] 縦溝260の各々のすくい角は、切り離されており、その理由は、すくい角は異なり、かつ異なる頂点を有し、また、異なるすくい面かと関係付けられているからである。軸方向すくい角の頂点は、同一の点(例えば、中心点280)にあるようにしてもよい。複数の半径方向すくい角の頂点は、異なり、また、刃部266の第2の部分292が長手方向軸線262を横断する点(例えば、第3の点306)を意味する。
【0044】
[0056] 刃部266の第1の部分284は、中心点280の近くにて開始し、第2の296の基端側の第1の部分294にて終わる。第1の294は、第1のすくい面264の末端とクリアランス面268の末端とが合わさる点を意味する。外科用バー254を図示しかつ上述したように、側部から見たとき、第1の点294の各々は、長手方向軸線262の第1の対応する側部上にある。第2の点296は、刃部266の第1の部分284が刃部266の第2の部分292と合わさる位置を意味する。外科用バー254を図示し、かつ上述したように、側部から見たとき、刃部266の第2の部分292の各々は、長手方向軸線262のそれぞれ第1の側部上における第2の点296の各1つにて開始し、長手方向軸線262を横断して、長手方向軸線262のそれぞれの第2の側部まで伸びている。
【0045】
[0057] 刃部266は、長手方向軸線262に対して右側軸方向アスペクトと左側軸方向アスペクトとの組み合わせを提供する。側部から見たとき(図8に示したように)、刃部266は、長手方向軸線262に沿ってかつ外科用バー254の基端における長手方向軸線262の上方から長手方向軸線262の下方の位置における第2の点296まで伸び、かつ全体として、中心点280における長手方向軸線262まで戻る。刃部266の第1の部分284は、左側軸方向アスペクトを提供するものとして図示されている。この理由のため、縦溝260の末端部分は、左側部分と称する。刃部266の第2の部分292は、右側軸方向アスペクトを提供するものとして図示されている。この理由のため、縦溝260の基端部分は、右側部分と称する。穿孔及び(または)切断のため、外科用バーの基端から見たとき、長手方向軸線の回りにて時計方向に回転する設計とされた外科用バーに対して左側及び右側軸方向アスペクトが提供される。穿孔及び(または)切断のため、外科用バーの基端から見たとき、長手方向軸線の回りにて反時計方向に回転する設計とされた外科用バーに対して、(i)第1の部分284は、図示したものと対向したものとし、かつ右側軸方向アスペクトを提供し、また、(ii)第2の部分292は、図示したものと対向したものとし、かつ左側軸方向アスペクトを提供するものとすることができる。
【0046】
[0058] クリアランス面268、269の各々は、図示するように、平坦(または平面状)とし、又は、湾曲させることができる。遷移端縁300は、縦溝180の各々のクリアランス面268、269の間を横方向に伸び、かつ第2の基端すくい面265の対応する1つの面から離れるようにすることができる。クリアランス面268、269は、長手向軸線262に対して異なる角度とし、かつ切り離し端縁300にて互いに接触している。この遷移端縁300の各々は、対応するクリアランス面268、269と境を接し、かつこれらのクリアランス面268,270の間の遷移部を提供する。
【0047】
[0059] 縦溝260の各々に対して、すくい面264、265は、切り離されており、その結果、互いに連続的ではない。縦溝260の各々のすくい面264、265は、区別できる平面状面とすることができ、また、互いに平行ではない。すくい面264、265が切り離されているため、クリアランス面268、269の各々は、対応する2つのすくい面264、265の間に配置された切り離し領域198を含むことができる。切り離し領域198は、第2の点296からクリアランス面269の末端まで軸方向にかつ(または)、全体として長手方向軸線262に沿って伸びている。切り離し領域198の末端は、遷移端縁300と横方向に整合している。第1のすくい面264は、第2の点296にて第2のすくい面265と合わさる。切り離し領域198は、第1のすくい面264の基端を第2のすくい面265の末端から分離する。
【0048】
[0060] 第1のすくい面264の深さ(すなわち、刃部266の第1の部分284の間からクリアランス面268までの距離)は、第1のすくい面264の末端から対応する第2の点296まで増大することができる。第1のすくい面264の深さは、第2の点296から第1の点294まで減少することができる。第2のすくい面265の深さ(すなわち、刃部266の第2の部分292の間からクリアランス面269までの距離)は、第2のすくい面265の末端及び(または)点296から赤道(破線304で示した外科用バー254の中間線又は平面状部分)及び(または)第2のすくい面265の基端まで増大することができる。
【0049】
[0061] 赤道304は、外科用バー254の平面状所部分を意味し、該平面状部分は、長手方向軸線262に対して垂直であり、かつ外科用バー254の直径が最大である箇所にあるようにすることができる。赤道304は、(i)刃部266の第2の部分292が長手方向軸線262を横断する第3の点306の基端側で、かつ(ii)第1の点294の基端側にある。
【0050】
[0062] 刃部266のすくい面264、265及びそれぞれの部分284、292は、部分85284、292のすくい角を切り離しかつそれぞれの機能を有している。刃部266の第1の部分284は、縦溝260の末端にあり、穿孔するときの安定性を提供する。すくい面264、265が切り離されているため、刃部266の第2の部分292を使用するとき、刃部266の第1の部分284が側部切断又は研削に与える影響が最小であり、又は何ら有害な影響を与えない。刃部266の第2の部分292は、本体256の側部に沿ってかつ赤道304から離れて末端方向にかつ基端方向に伸びている。刃部266の第2の部分292は、効率的な側部切断又は研削を行う。すくい面264、265が切り離されているため、刃部266の第1の部分284を使用するとき、刃部266の第2の部分292が穿孔に与える影響は最小であり、又は何ら有害な影響を与えない。
【0051】
[0063]クリアランス(または末端)面268は、対応するみぞ角を有している。みぞ角の各々は、(i)1つの末端面268に対して平行に伸びかつ該末端面上にあり、中心点280から及び長手方向軸線262から離れる線(または、平面)と、(ii)長手方向軸線262に対して垂直に伸びる線(または平面)との間の角度を意味する。
【0052】
[0064] すくい面264の各々は、対応する半径方向すくい角350を有している。半径方向すくい角350は、(i)1つのすくい面264に対して平行な線(または平面)352と、(ii)刃部266の第2の部分292及び長手方向軸線262を貫通する線(または平面)354との間の角度を意味する。すくい面264の半径方向すくい角250は、すくい面264の左側軸方向アスペクトに対応する長手方向軸線262に対して左側へリックスと関係付けることができる。
【0053】
[0065] 上記にて開示した実施例は、傷付き易い軟部組織構造体を切り裂くことなく、該軟部組織構造体(例えば、神経、血管、薄膜等)との接触を許容しつつ、骨を効率的に穿孔し、切断し、又は整形する設計とされた外科用バーの形態を含む。この形態は、硬膜がバーの末端部分に露呈される神経学的及び脊柱術に特に適用可能である。
【0054】
[0066] 特定の実施例において、外科用バーのすくい角は、所定の範囲内にあるものとし、かつ用途に基づくものとすることができる。
[0067] この開示が完全であり、かつ当業者に対して本発明の範囲を完全に伝えることができるように、一例としての実施例について説明した。本発明の実施の形態を完全に理解し得るように、特定の構成要素、装置及び方法の例のような、多数の特定の詳細を記載した。特定の詳細は、採用する必要はなく、また、当業者には、一例としての実施例は、多数の異なる形態にて具体化することができ、また、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでないことが当業者には、明らかであろう。一部の実施の形態において、周知の方法、周知の装置構造体、及び周知の技術について、詳細には説明していない。
【0055】
[0068] 本明細書にて使用した技術用語は、特定の実施例を説明するためのものであり、限定的であることを意図するものではない。文脈上、明確にその他のものを意味することを示さない限り、本発明にて使用した単数の表現は、複数の形態をも含むことを意図するものである。
【0056】
[0069] 実施例の上記の説明は、図示しかつ説明の目的のために記載したものであり、本発明を限定し又は制限することを意図するものではない。特定の実施例の個別の要素又は特徴は、全体として、その特定の実施の形態を限定するものではなく、適用可能な場合、互換可能であり、また、特定的に図示し又は説明しない場合でさえ、選んだ実施の形態にて使用することができる。この説明は、多数の態様にて変更可能である。かかる変更は、本発明から逸脱するものとみなすべきではなく、かかるすべての改変例は、本発明の範囲に包含することを意図するものである。以下は、本願の出願当初の本発明の各種形態である。
(形態1)外科用バーにおいて、
複数の縦溝を備え、該複数の縦溝の各々は、刃部と、複数のすくい面と、クリアランス面とを備え、
複数の縦溝の1つの複数のすくい面は、互いに切り離されており、
複数のランド部を備え、該複数のランド部の各々は、1対の複数の縦溝の間に配される、外科用バー。
(形態2)形態1に記載の外科用バーにおいて、
複数の縦溝の1つの複数のすくい面は、
第1のすくい面と、
該第1のすくい面と異なるすくい角を有する第2のすくい面とを備える、外科用バー。
(形態3)形態2に記載の外科用バーにおいて、
第1のすくい面又は第2のすくい面は、複数の半径方向すくい角を有する、外科用バー。
(形態4)形態2に記載の外科用バーにおいて、
第1のすくい面及び第2のすくい面の各々は、複数の半径方向すくい角を有する、外科用バー。
(形態5)形態2から4の何れか1項に記載の外科用バーにおいて、
第1のすくい面又は第2のすくい面は、負の半径方向すくい角、中立の半径方向すくい角及び正の半径方向すくい角を含む、外科用バー。
(形態6)形態2から4の何れか1項に記載の外科用バーにおいて、
第1のすくい面又は第2のすくい面は、複数の半径方向すくい角を備え、
該複数の半径方向すくい角は、異なる頂点を有する、外科用バー。
(形態7)形態2に記載の外科用バーにおいて、
第1のすくい面は、外科用バーの対応する刃部に沿って第1の一定の半径方向すくい角を有し、
第2のすくい面は、外科用バーの対応する刃部に沿って第2の一定の半径方向すくい角を有する、外科用バー。
(形態8)上記形態の何れか1項に記載の外科用バーにおいて、
前記複数のランド部の各々は、凸型の形状である、外科用バー。
(形態9)形態1に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝の1つは、
第1の頂点と、刃部の1つの第1の対応する部分とを有する第1のすくい面を備え、
該第1のすくい面の深さ寸法は、第1の頂点から刃部の1つの第1の対応する部分の基端における点まで増大し、
第2の頂点を有する第2のすくい面を備え、
該第2のすくい面の深さ寸法は、第2の頂点から、(i)外科用バーの赤道、(ii)第2のすくい面の基端、(iii)外科用バーの基端、又は(iv)複数の縦溝の1つの基端まで増大する、外科用バー。
(形態10)形態9に記載の外科用バーにおいて、
第1のすくい面の頂点は、同一の点にある、外科用バー。
(形態11)形態9に記載の外科用バーにおいて、
複数の縦溝の前記1つは、切り離し領域を備え、
該切り離し領域は、複数の縦溝の前記1つの複数のすくい面の2つの間に配置される、外科用バー。
(形態12)形態1に記載の外科用バーにおいて、
複数の縦溝の各々の複数のすくい面は、互いに切り離されており、
前記複数の縦溝の各々は、それぞれの切り離し領域を備え、
該切り離し領域の各々は、複数の縦溝の1つの対応する複数のすくい面の2つの間に配置される、外科用バー。
(形態13)形態1に記載の外科用バーにおいて、
複数の縦溝の各々の複数のすくい面は、それぞれの点にて合わさる、外科用バー。
(形態14)形態1に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝の各々の複数のすくい面は、
第1のすくい面と、
頂点を有する第2のすくい面と、を備え、
複数の縦溝の各々に対して、第1のすくい面の各々の基端点又は端部は、対応する第2のすくい面のそれぞれの頂点にある、外科用バー。
(形態15)形態1に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝の各々における複数のすくい面は、それぞれの平面にあり、かつ外科用バーの長手方向軸線に対して異なる角度にある、外科用バー。・
(形態16)形態1に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝の1つは、
第1の軸方向角度を有する第1のすくい面と、
第2の軸方向角度を有する第2のすくい面と、を備え、
前記第1の軸方向角度及び第2の軸方向角度の1つは、外科用バーの長手方向軸線に対して正の軸方向角度であり、前記第1の軸方向角度及び第2の軸方向角度の他方は、該長手方向軸線に対して負の軸方向角度である、外科用バー。
(形態17)形態16に記載の外科用バーにおいて、
前記第1の軸方向角度は、負の軸方向すくい角であり、
前記第2の軸方向角度は、正の軸方向すくい角であり、
前記第2のすくい角は、前記第1のすくい面の基端側にある、外科用バー。
(形態18)形態16又は17に記載の外科用バーにおいて、
前記第1のすくい面は、外科用バーの対応する刃部に沿って第1の一定の軸方向すくい角を有し、
前記第2のすくい面は、外科用バーの対応する刃部に沿って第2の一定の軸方向すくい角を有する、外科用バー。
(形態19)形態1に記載の外科用バーにおいて、
複数の軸方向逃がし面を有する穿孔点を更に備え、
前記複数の軸方向逃がし面の各々は、(i)刃部の各1つの末端部分と、(ii)ランド部の各1つと、(iii)クリアランス面の各1つと境を接する、外科用バー。
(形態20)形態19に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の軸方向逃がし面の各々は、平面状領域を有し、かつ前記ランド部から区別される、外科用バー。
(形態21)外科用バーにおいて、
複数の縦溝を備え、該複数の縦溝の各々は、刃部と、複数のすくい面と、クリアランス面とを備え、縦溝の1つの複数のすくい面は、
第1のすくい角を有する第1のすくい面と、
第2のすくい角を有する第2のすくい面と、を備え、前記第2のすくい角は、前記第1の角掬い角から切り離されており、
複数のランド部を更に備え、該複数のランド部の各々は、1対の複数の縦溝の間に配設される、外科用バー。
(形態22)形態21に記載の外科用バーにおいて、
前記縦溝の1つの第1のすくい面は、負の軸方向すくい角を有し、
前記縦溝の1つの第2のすくい面は、正の半径方向すくい角を有する、
(形態23)形態21に記載の外科用バーにおいて、
前記縦溝の1つの第1のすくい面及び刃部の1つの第1の対応する部分は、外科用バーの長手方向軸線に対して平行に又は該長手方向軸線に沿った方向に穿孔する形態とされ、
前記縦溝の1つの第2のすくい面及び刃部の1つの第2の対応する部分は、外科用バーの長手方向軸線に対して半径方向又は横方向に切断する形態とされた、外科用バー。
(形態24)形態21に記載の外科用バーにおいて、
前記刃部の各々は、
前記第1のすくい面の1つに第1の対応する部分を備え、該第1の部分は、外科用バーを側部から見たとき、外科用バーの長手方向軸線の第1の側部にあり、
前記第2のすくい面の1つに相応し、かつする第1の部分の対応する1つから伸び、また、該対応する部分の基端側にある第2の部分を更に備え、
該第2の部分は、外科用バーを側部から見たとき、長手方向軸線を横断する、外科用バー。
(形態25)形態21に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝の前記1つの複数のすくい面は、互いに切り離されている、外科用バー。
(形態26)形態21に記載の外科用バーにおいて、
第1のすくい面は、第1の頂点と、刃部の1つの第1の対応する部分とを有し、
該第1のすくい面の深さ寸法は、該頂点から前記刃部の1つの第1の対応する部分の基端の点まで増大し、
前記第2のすくい面は、第2の頂点を有し、
該第2のすくい面の深さ寸法は、第2の頂点から、(i)外科用バーの赤道、(ii)第2のすくい面の基端、(iii)外科用バーの基端、又は(iv)複数の縦溝の1つの基端まで増大する、外科用バー。
(形態27)形態21に記載の外科用バーにおいて、
前記第1のすくい面の頂点は、同一の点にある、外科用バー。
(形態28)形態21に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝の前記1つは、切り離し領域を備え、
該切り離し領域は、第1のすくい面と第2のすくい面との間に配置される、外科用バー。
(形態29)形態21に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝の各々は、それぞれの切り離し領域を備え、
前記切り離し領域の各々は、前記複数の縦溝の各1つの複数のすくい面の2つの間に配置される、外科用バー。
(形態30)形態21に記載の外科用バーにおいて、
前記複数の縦溝は、それぞれの第1のすくい面と、それぞれの第2のすくい面とを備え、
前記複数の縦溝の各々に対して、第1のすくい面は、それぞれの点にて第2のすくい面と合わさり、
第2のすくい面の各々は、それぞれの頂点を備え、
前記複数の縦溝の各々に対して、第1のすくい面の各々の基端点又は基端は、対応する第2のすくい面のそれぞれの頂点にある、外科用バー。
(形態31)形態21に記載の外科用バーにおいて、
複数の軸方向の逃がし面を有する穿孔点を更に備え、
前記複数の軸方向逃がし面の各々は、(i)刃部186の各1つの末端部分と、(ii)ランド部の各1つと、(iii)クリアランス面の各1つと境を接する、外科用バー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10