(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
位置を検出する位置検出部、物理量を検出する物理量検出部、画像を表示する表示部、及び、前記表示部を制御し画像を表示させる処理を実行可能である処理部を有する携帯機器を備え、
前記処理部は、
前記表示部を制御し、前記位置検出部によって検出された位置に応じて定まる前記携帯機器の移動ルートを表す移動ルート画像に、前記物理量検出部によって検出された物理量を表す物理量画像を重ねて表示させる重ね表示処理を実行可能であり、
前記重ね表示処理では、前記物理量画像が表す物理量に応じて当該物理量画像の大きさを可変とし、前記物理量画像が表す物理量が相対的に小さな値である場合、当該物理量の値の差に対する前記物理量画像の大きさの差を相対的に大きくし、前記物理量画像が表す物理量が相対的に大きな値である場合、当該物理量の値の差に対する前記物理量画像の大きさの差を相対的小さくすることを特徴とする、
表示システム。
前記処理部は、前記重ね表示処理では、前記併合表示範囲内の前記複数の特定箇所において前記物理量検出部によって検出された前記物理量を併合した前記1つの物理量画像を、前記移動ルート画像において、当該併合表示範囲内の最後の前記基準位置に応じた位置、又は、当該併合表示範囲内の前記複数の特定箇所の図心位置に応じた位置に重ねて表示させる、
請求項18に記載のウェアラブル機器。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0031】
[実施形態]
<表示システムの概要>
図1に示す本実施形態の表示システムSys1は、人物が携帯可能な携帯機器10を備える。本実施形態の表示システムSys1は、この携帯機器10の表示部25aに、当該携帯機器10を所持する人物(以下、「ユーザ」という場合がある。)の移動ルートと共に当該携帯機器10で検出した物理量を重ねあわせて表示させるシステムである。これにより、表示システムSys1は、表示部25aにおいて、携帯機器10で検出された物理量と、当該携帯機器10を携帯するユーザの活動とを関連付けた分かり易い表示を実現するものである。
【0032】
本実施形態の表示システムSys1は、一例として、複数の携帯機器10を備えるものとして説明する。ここでは、携帯機器10は、相互に通信可能である第1携帯機器20、及び、第2携帯機器30を含んで構成される。また、本実施形態の表示システムSys1は、携帯機器10(第1携帯機器20、第2携帯機器30)に加えて、さらに、携帯機器10と相互に通信可能なサーバ40を備えるものとして説明する。本実施形態の表示システムSys1は、第1携帯機器20、第2携帯機器30、及び、サーバ40が相互に通信し連携することで、上記のような分かり易い表示を実現する連携システムを構成する。また、本実施形態において、携帯機器10で検出される物理量は、一例として、第2携帯機器30において発電された電力の発電量であるものとして説明する。なおここでは、サーバ40は、表示システムSys1の一部を構成するものとして説明するがこれに限らず、例えば、他のシステムの一部を構成するものによって兼用されてもよい。以下、各図を参照して表示システムSys1の各構成について詳細に説明する。
【0033】
<携帯機器の基本構成>
携帯機器10は、ユーザが携帯可能に構成された電子端末機器である。典型的には、携帯機器10のうち第1携帯機器20は、ネットワークNを介してサーバ40と相互に通信を行う主たる通信端末を構成する。一方、携帯機器10のうち第2携帯機器30は、近距離無線通信を介して第1携帯機器20と相互に通信を行う従たる通信端末を構成する。ネットワークNは、Wi−Fi(登録商標)、4G、5G等を用いた無線通信、通信線を用いた有線通信を問わず任意の通信網によって構成され、サーバ40と第1携帯機器20とを通信可能に接続する。近距離無線通信の方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)、W−LAN、Wi−Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等である。ただし、第2携帯機器30は、近距離無線通信に限らずネットワークNを介してサーバ40、第1携帯機器20と相互に通信可能な構成であってもよい。
【0034】
携帯機器10は、例えば、スマートフォン、タブレット型PC、ノート型PC、PDA、携帯ゲーム機器、人体に装着可能なウェアラブル機器等によって構成することができる。ウェアラブル機器としては、例えば、リストバンド型、眼鏡型、指輪型、靴型、ペンダント型等の機器が挙げられる。本実施形態の第1携帯機器20は、一例として、スマートフォンであるものとして説明する。一方、本実施形態の第2携帯機器30は、一例として、腕に装着されるリストバンド型のウェアラブル機器であり、時刻を表示する電子時計(腕時計)であるものとして説明する。
【0035】
<第1携帯機器の基本構成>
第1携帯機器20は、サーバ40と相互に通信し連携することで当該サーバ40から様々なサービスを受けることができる電子端末機器である。ここでは、第1携帯機器20は、上述したようにスマートフォンである。
【0036】
具体的には、第1携帯機器20は、
図2に示すように、電源部21と、通信部22と、入力部23と、検出部24と、出力部25と、記憶部26と、処理部27とを有する。
【0037】
電源部21は、第1携帯機器20の電力源である。電源部21は、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池21a等を含んで構成され、第1携帯機器20内の各部に対して電力を供給する。
【0038】
通信部22は、第1携帯機器20の外部と通信可能な通信モジュールである。通信部22は、無線通信、有線通信を問わずネットワークNと通信可能に接続され、当該ネットワークNを介してサーバ40と通信を行う。また、通信部22は、近距離無線通信を介して第2携帯機器30との通信も行う。
【0039】
入力部23は、第1携帯機器20に対する種々の入力を受け付ける部分である。入力部23は、例えば、第1携帯機器20に対する操作入力を受け付けるタッチパネル23a、第1携帯機器20に対する音声入力を受け付ける音声入力装置23b等を含んで構成される。入力部23は、この他、操作ボタン、キーボード、マウスポインタ等の入力装置を含んで構成されてもよい。
【0040】
検出部24は、第1携帯機器20において種々の情報を検出する部分である。検出部24は、少なくとも第1携帯機器20において位置を検出する位置検出部24aを含んで構成される。位置検出部24aは、第1携帯機器20の現在位置を測定する測位器である。位置検出部24aは、例えば、GPS(Global Positioning System))衛星から送信される電波を受信するGPS受信器等を用いることができる。位置検出部24aは、GPS衛星から送信される電波を受信し第1携帯機器20の現在位置を表す情報(緯度経度座標等のGPS情報)を取得することで、第1携帯機器20において位置を検出することができる。検出部24は、この他、例えば、第1携帯機器20に作用する加速度を検出する加速度センサ、第1携帯機器20に照射される光の照度を検出する照度センサ、第1携帯機器20近傍の温度を検出する温度センサ、電源部21の電源電圧、電流等を検出する電圧/電流センサ等を含んで構成されてもよい。
【0041】
出力部25は、第1携帯機器20において種々の出力を行う部分である。出力部25は、少なくとも画像を表示する表示部25aを含んで構成される。表示部25aは、例えば、画像を表示する液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置等によって構成される。上述したタッチパネル23aは、この表示部25aの表面に重畳させて設けられている(
図4参照)。出力部25は、この他、例えば、表示灯、スピーカ/アラームブザー、バイブレータ等を含んで構成されてもよい。
【0042】
記憶部26は、第1携帯機器20に内蔵されるROM、RAM、半導体メモリ等の記憶装置である。記憶部26は、第1携帯機器20での各種処理に必要な条件や情報、第1携帯機器20で実行する各種アプリケーションプログラム、制御データ等が格納されている。また、記憶部26は、通信部22によって受信された各種情報、入力部23によって入力された各種情報、検出部24によって検出された各種情報(例えば、位置検出部24aによって検出された位置に関する検出位置情報等を含む)、出力部25によって出力される各種情報等を記憶することができる。記憶部26は、処理部27等によってこれらの情報が必要に応じて読み出される。
【0043】
処理部27は、第1携帯機器20の各部と電気的に接続され、第1携帯機器20の各部を統括的に制御するものである。処理部27は、CPU等の中央演算処理装置を含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。処理部27は、第1携帯機器20の各部と通信可能に接続され、各部との間で相互に各種信号を授受可能である。処理部27は、記憶部26に記憶されている各種アプリケーションプログラムを実行し、当該プログラムが動作することにより第1携帯機器20の各部を動作させ各種機能を実現するための種々の処理を実行する。処理部27は、少なくとも表示部25aを制御し画像を表示させる処理を実行可能である。また、処理部27は、例えば、第2携帯機器30、サーバ40等から通信部22を介して各種情報を取得し記憶部26に格納する処理を実行可能である。また、処理部27は、例えば、ユーザが入力部23(タッチパネル23a、音声入力装置23b)に対して行った操作内容に応じて各種処理を実行する。
【0044】
<第2携帯機器の基本構成>
第2携帯機器30は、第1携帯機器20と相互に通信し連携することで当該第1携帯機器20と共に様々なサービスを受けることができる電子端末機器である。ここでは、第2携帯機器30は、上述したように電子時計である。本実施形態の第2携帯機器30は、種々のペアリング操作に応じて、第1携帯機器20と通信可能にペアリングされる。
図1に示す第2携帯機器30は、物理的な指針3(秒針3a、分針3b、時針3c)によって文字板のインデックス(目盛)を指し示すことで時刻を表示するアナログ電子時計(アナログクオーツ時計)である。なお、第2携帯機器30は、これに限らず、時刻をデジタル表示するデジタル電子時計(デジタルクオーツ時計)、アナログ指針表示と共に一部にデジタル表示を含むコンビネーション電子時計(コンビネーションクオーツ時計)等であってもよい。
【0045】
具体的には、第2携帯機器30は、
図3に示すように、電源部31と、通信部32と、計時部33と、駆動部34と、操作部35と、検出部36と、出力部37と、記憶部38と、処理部39とを有する。
【0046】
電源部31は、第2携帯機器30の電力源である。電源部31は、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池31aや電力を発電可能な発電部31bを含んで構成され、第2携帯機器30内の各部に対して電力を供給する。発電部31bは、光起電力効果を利用し光エネルギを電気エネルギに変換することで電力を発電可能なソーラーセル等の発電素子によって構成される。なお、発電部31bは、その他、圧電素子、熱電変換素子、振動発電素子等によって構成されてもよい。
【0047】
通信部32は、第2携帯機器30の外部と通信可能な通信モジュールである。通信部32は、近距離無線通信を介して第1携帯機器20と通信を行う。なお、通信部22は、無線通信、有線通信を問わずネットワークNと通信可能に接続され、当該ネットワークNを介してサーバ40、第1携帯機器20と通信を行う構成であってもよい。
【0048】
計時部33は、指針3によって表示させる時刻(時計内部時刻)を計時する回路である。計時部33は、例えば、発振器、発振回路、補償回路、分周回路等を含んで構成され、第2携帯機器30の内部での計時の基準となる所定の周波数を有するクロック信号を生成し、当該クロック信号に含まれるパルスをカウントすることで計時する。
【0049】
駆動部34は、指針3を回転駆動する回路である。駆動部34は、電源部31から供給される電力によってモータ(例えば、ステッピングモータ)34aを動作させる。モータ34aが発生させた回転力は、輪列等を介して指針3に伝達され、当該指針3が回転駆動する。モータ34aは、複数の指針3(秒針3a、分針3b、時針3c)に対して個別に設けられてもよいし、いくつかの指針3で兼用されてもよい。
【0050】
操作部35は、第2携帯機器30に対する種々の入力として、外部操作を受け付ける部分である。操作部35は、外装ケースの外周面から突出して設けられるリューズ35a、プッシュボタン35b、35c等によって構成される(
図1も参照)。操作部35は、リューズ35aに対する引き出し・回転操作やプッシュボタン35b、35cに対する押下操作に応じて外装ケース内の各部が連動し種々の操作を受け付ける。操作部35は、この他、レジスタリング等を含んで構成されてもよい。
【0051】
検出部36は、第2携帯機器30において種々の情報を検出する部分である。検出部36は、少なくとも第2携帯機器30において種々の物理量を検出する物理量検出部36aを含んで構成される。本実施形態では、物理量検出部36aによって検出される物理量は、上述したように第2携帯機器30において発電された電力の発電量であるものとして説明する。ここでは、物理量検出部36aは、第2携帯機器30において検出可能な物理量として、二次電池31aの電源電圧、電流や発電部31bによる発電の有無、発電電圧、電流等を検出することで発電部31bの発電量を検出する電圧/電流センサ等によって構成される。検出部36は、この他、例えば、第2携帯機器30に作用する加速度を検出する加速度センサ、第2携帯機器30に照射される光の照度を検出する照度センサ、第2携帯機器30近傍の温度を検出する温度センサ、第2携帯機器30の現在位置を測定する測位器等を含んで構成されてもよい。
【0052】
出力部37は、第2携帯機器30において時刻以外の種々の出力を行う部分である。出力部37は、例えば、表示灯、スピーカ/アラームブザー、バイブレータ等を含んで構成されてもよい。なお、出力部37は、第2携帯機器30がデジタル電子時計、コンビネーション電子時計である場合には、物理的な指針3にかえて、デジタル式で時刻や機能選択を含む画像を表示するディスプレイを含んで構成されてもよい。
【0053】
記憶部38は、第2携帯機器30に内蔵されるROM、RAM、半導体メモリ等の記憶装置である。典型的には、記憶部38は、上述した第1携帯機器20の記憶部26と比較して記憶容量が相対的に小さい。記憶部38は、第2携帯機器30での各種処理に必要な条件や情報、第1携帯機器20で実行する各種アプリケーションプログラム、制御データ等が格納されている。また、記憶部38は、通信部32によって受信された各種情報、計時部33によって計時された計時情報、検出部36によって検出された各種情報(例えば、物理量検出部36aによって検出された物理量に関する検出物理量情報等を含む)、出力部37によって出力される各種情報等を記憶することができる。記憶部38は、処理部39等によってこれらの情報が必要に応じて読み出される。
【0054】
処理部39は、第2携帯機器30の各部と電気的に接続され、第2携帯機器30の各部を統括的に制御するものである。処理部39は、CPU等の中央演算処理装置を含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。処理部39は、第2携帯機器30の各部と通信可能に接続され、各部との間で相互に各種信号を授受可能である。処理部39は、記憶部38に記憶されている各種アプリケーションプログラムを実行し、当該プログラムが動作することにより第2携帯機器30の各部を動作させ各種機能を実現するための種々の処理を実行する。処理部39は、例えば、計時部33によって計時した時刻に基づいて駆動部34によってモータ34aを制御し、指針3を回転させ運針し、計時された時刻を、現在時刻として指針3に表示させる処理を実行する。また、処理部39は、例えば、ユーザが操作部35(リューズ35a、プッシュボタン35b、35c)に対して行った操作内容に応じて各種処理を実行する。
【0055】
<サーバの基本構成>
サーバ40は、ネットワークN上に実装されるクラウドサービス機器(クラウドサーバ)を構成するものである。サーバ40は、CPU等の中央演算処理装置を含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路、半導体メモリ等の各種記憶装置等を含んで構成される。サーバ40は、既知のPCやワークステーションなどのコンピュータシステムに種々の処理を実現させるプログラムをインストールすることで構成することもできる。また、サーバ40は、単体の機器によって構成されてもよいし、複数の機器を相互通信可能に組み合わせることで構成されてもよい。サーバ40は、携帯機器10(ここでは、第1携帯機器20)との間で送受信する情報を記憶し、管理する。また、サーバ40は、表示システムSys1における様々なサービスに必要な種々の情報も記憶し、管理する。サーバ40は、ネットワークN等を介して必要に応じてこれらの情報が読み出される。
【0056】
<重ね表示処理の概要>
上記のように構成される表示システムSys1において、第1携帯機器20の処理部27は、表示部25aを制御して重ね表示処理を実行可能である。重ね表示処理とは、
図4に示すように、表示部25aを制御し、移動ルート画像I1に、物理量画像I2を重ねて表示させる処理である。重ね表示処理で表示される移動ルート画像I1は、携帯機器10の位置検出部24aによって検出された携帯機器10の位置に応じて定まる当該携帯機器10の移動ルートを表す画像であり、例えば、地図画像等を含んで表示される。当該携帯機器10の移動ルートは、言い換えれば、携帯機器10を携帯するユーザの移動ルートに相当する。つまり、移動ルート画像I1は、携帯機器10を携帯するユーザの移動ルートを表す画像に相当する。一方、重ね表示処理で表示される物理量画像I2は、携帯機器10の物理量検出部36aによって検出された物理量を表す画像である。ここでは、物理量検出部36aによって検出される物理量は、上述したように第2携帯機器30において発電された電力の発電量である。つまり、物理量画像I2は、物理量検出部36aによって検出された物理量として、第2携帯機器30において発電された電力の発電量を表す画像に相当する。表示システムSys1は、処理部27がこの重ね表示処理を実行することで、携帯機器10で検出された物理量、ここでは、第2携帯機器30における発電量と、当該携帯機器10を携帯するユーザの活動とを関連付けた分かり易い表示を実現する。
【0057】
ここでは、上述したように、位置検出部24a、表示部25a、重ね表示処理を実行する処理部27は、携帯機器10のうち第1携帯機器20に設けられ、物理量検出部36aは、携帯機器10のうち第2携帯機器30に設けられる。第2携帯機器30は、物理量検出部36aによって検出された物理量(発電量)に関する検出物理量情報を第1携帯機器20に送信する。そして、第1携帯機器20は、処理部27が位置検出部24aによって検出された位置に関する検出位置情報、及び、第2携帯機器30から受信した検出物理量情報に基づいて、表示部25aを制御し上記重ね表示処理を実行する。また、本実施形態の第1携帯機器20の処理部27は、一例として、サーバ40と連携して重ね表示処理を実行する。ここでは、処理部27は、第2携帯機器30から受信した検出物理量情報を、一旦、サーバ40に記憶させた後、当該サーバ40から検出物理量情報と共に必要な情報を適宜読み出して重ね表示処理を実行する。
【0058】
<処理フローの一例>
本実施形態の表示システムSys1は、例えば、
図5に示すように、物理量検出処理(ステップS1)、情報送信処理(ステップS2)、情報蓄積処理(ステップS3)、情報読み出し処理(ステップS4)、移動ルート特定処理(ステップS5)、検出位置特定処理(ステップS6)、表示画像生成処理(ステップS7)、及び、重ね表示処理(ステップS8)を実行することで、
図4で例示したような表示を実現する。処理部27、39は、記憶部26、38に記憶されているプログラムを実行することで、上記各処理を実行する。当該プログラムは、処理部27、39によって実行されることで、コンピュータとしての携帯機器10(第1携帯機器20、第2携帯機器30)に、上記各処理を実行させる。
【0059】
<物理量検出処理>
まず、第2携帯機器30の処理部39は、物理量検出処理を実行する(ステップS1)。物理量検出処理とは、所定のサンプリング周期(例えば、5分)で、物理量検出部36aによって物理量を検出する処理である。ここでは、物理量検出部36aは、物理量として、第2携帯機器30の発電部31bにおいて発電された電力の発電量を検出する。
【0060】
<情報送信処理>
次に、処理部39は、通信部32を介して情報送信処理を実行する(ステップS2)。情報送信処理とは、通信部32を介して、物理量検出処理で検出された物理量に関する検出物理量情報を第1携帯機器20に送信する処理である。処理部39は、例えば、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが通信部22、32を介して近距離無線通信が可能となったタイミングで、未送信の検出物理量情報について情報送信処理を実行する。
【0061】
<情報蓄積処理>
次に、第1携帯機器20の処理部27は、通信部22を介して第2携帯機器30から検出物理量情報を受信すると、通信部22を介して情報蓄積処理を実行する(ステップS3)。情報蓄積処理とは、第2携帯機器30から受信した検出物理量情報を、通信部22を介して、他の情報と共にサーバ40に送信する処理である。処理部27は、情報蓄積処理では、第2携帯機器30から受信した検出物理量情報を、位置検出部24aによって検出された位置に関する検出位置情報と共にサーバ40に送信する。この場合、処理部27は、検出物理量情報と、当該検出物理量情報の物理量が検出された時刻を表す検出時刻情報と、当該検出物理量情報の物理量が検出された位置を表す検出位置情報とを関連付け(紐付け)てサーバに格納し、蓄積させる。
【0062】
<情報読み出し処理>
次に、処理部27は、通信部22を介して、情報読み出し処理を実行する(ステップS4)。情報読み出し処理とは、通信部22を介して、相互に関連付けられた検出物理量情報と検出時刻情報と検出位置情報とを、サーバ40から読み出す処理である。この場合、処理部27は、例えば、重ね表示処理を行う対象期間内の検出物理量情報、検出時刻情報、検出位置情報の組み合わせをすべてサーバ40から読み出す。重ね表示処理を行う対象期間は、予め定められていてもよいし、入力部23等を介してユーザの任意で設定されてもよい。
【0063】
<移動ルート特定処理>
次に、処理部27は、移動ルート特定処理を実行する(ステップS5)。移動ルート特定処理とは、サーバ40から読み出した対象期間の検出時刻情報、検出位置情報に基づいて、携帯機器10(第1携帯機器20、第2携帯機器30)の移動ルート(移動軌跡)を特定する処理である。移動ルート特定処理で特定される携帯機器10の移動ルートは、言い換えれば、携帯機器10を携帯するユーザの移動ルートに相当する。
【0064】
<検出位置特定処理>
次に、処理部27は、検出位置特定処理を実行する(ステップS6)。検出位置特定処理とは、サーバ40から読み出した対象期間の検出物理量情報、検出時刻情報、検出位置情報に基づいて、移動ルート特定処理で特定した移動ルートにおいて、各検出物理量情報の物理量が検出された位置を特定する処理である。
【0065】
<表示画像生成処理>
次に、処理部27は、表示画像生成処理を実行する(ステップS7)。表示画像生成処理とは、移動ルート特定処理で特定した移動ルートと、検出位置特定処理で特定した各検出物理量情報の物理量が検出された位置とに基づいて、表示部25aに表示させる表示画像を生成する処理である。処理部27は、表示画像生成処理において、移動ルート特定処理で特定した移動ルートを表す移動ルート画像I1に、各検出物理量情報の物理量を表す物理量画像I2を重ね合わせた表示画像(
図4参照)を生成する。この場合、処理部27は、各検出物理量情報の物理量を表す物理量画像I2を、移動ルート画像I1において各物理量が検出された位置に相当する位置にそれぞれ重ね合わせる。つまり、処理部27は、移動ルートの特定箇所において物理量検出部36aによって検出された物理量を表す物理量画像I2を、移動ルート画像I1の当該特定箇所に応じた位置に重ね合わせた表示画像を生成する。
【0066】
<重ね表示処理>
そして、処理部27は、表示画像生成処理で生成された表示画像に基づいて表示部25aを制御し重ね表示処理を実行し(ステップS8)、一連の処理を終了する。処理部27は、重ね表示処理では、表示画像生成処理で生成された表示画像を表示部25aに表示させることで、
図4に示すように、移動ルート画像I1に各物理量画像I2を重ねて表示させる。より詳細には、処理部27は、重ね表示処理では、移動ルートの特定箇所において検出された物理量を表す物理量画像I2を、移動ルート画像I1の特定箇所に応じた位置に重ねて表示させる。
【0067】
<物理量画像のバリエーション>
上記のような重ね表示処理では、物理量画像I2を様々な表示態様で表示部25aに表示させることができる。典型的には、処理部27は、重ね表示処理では、物理量画像I2によって表現する物理量の大小に応じて当該物理量画像I2の表示態様を可変とすることができる。
【0068】
<バリエーション1;大小可変>
処理部27は、重ね表示処理では、例えば、
図4に示すように、物理量画像I2が表す物理量の大小に応じて当該物理量画像I2の大きさを可変とすることができる。処理部27は、例えば、
図4に示すように、物理量画像I2を円形状に表示する場合、当該円形の直径(言い換えれば面積)を変更することで、物理量画像I2の大きさを変更することができる。この場合、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に小さな値である場合、当該物理量画像I2の大きさを相対的に小さくして表示部25aに表示させる。一方、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に大きな値である場合、当該物理量画像I2の大きさを相対的に大きくして表示部25aに表示させる。つまりこの場合、表示システムSys1は、物理量画像I2の大きさを相対的に小さくして表示部25aに表示させることで、物理量画像I2が表示されている位置における第2携帯機器30の発電量(物理量)が相対的に小さかったことを表すことができる。一方、表示システムSys1は、物理量画像I2の大きさを相対的に大きくして表示部25aに表示させることで、物理量画像I2が表示されている位置における第2携帯機器30の発電量(物理量)が相対的に大きかったことを表すことができる。
【0069】
<大小可変に関する付加的事項1:大小の変化度合>
またこの場合、処理部27は、重ね表示処理では、物理量画像I2が表す物理量が相対的に小さな値である場合、当該物理量の値の差に対する物理量画像I2の大きさの差を相対的に大きくして表示部25aに表示させるようにしてもよい。そして、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に大きな値である場合、当該物理量の値の差に対する物理量画像I2の大きさの差を相対的小さくして表示部25aに表示させるようにしてもよい。これにより、表示システムSys1は、物理量画像I2が表す物理量の大小差を、当該物理量画像I2の大きさによって効果的に表すことが可能となる。
【0070】
<大小可変に関する付加的事項2:大きさ制限>
また、処理部27は、重ね表示処理では、物理量画像I2の最大大きさ、及び、最小大きさを、表示部25aの表示領域25at(
図4参照)の大きさを基準として所定割合内に制限するようにしてもよい。ここで、表示部25aの表示領域25atとは、表示部25aにおいて画像を表示することができる領域であり、
図4の例では略矩形状の領域である。処理部27は、物理量画像I2の最大大きさを表示領域25at内に収まる大きさ、例えば、直径が表示領域25atの短辺方向の長さL(
図4参照)の2分の1以下となる大きさに制限するようしにてもよい。この場合、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が最大大きさに相当する値よりも大きな値であっても、上記のように制限された最大大きさで物理量画像I2を表示することとなる。また、処理部27は、物理量画像I2の最小大きさをユーザが容易に目視可能な大きさ、例えば、直径が表示領域25atの短辺方向の長さL(
図4参照)の20分の1以上となる大きさに制限するようしにてもよい。この場合、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が最小大きさに相当する値よりも小さな値であっても、上記のように制限された最小大きさで物理量画像I2を表示することとなる。また、処理部27は、例えば、タッチパネル23aに対するユーザの拡大/縮小操作(ピンチアウト/ピンチイン操作)に伴って、物理量画像I2を含む表示画面全体を拡大/縮小する際にも、上記のように物理量画像I2の最大大きさ、最小大きさを制限するようにしてもよい。これにより、表示システムSys1は、重ね表示処理による表示部25aでの表示において、適正な見易さを確保することが可能となる。
【0071】
<バリエーション2;色パラメータ可変>
処理部27は、重ね表示処理では、物理量画像I2が表す物理量の大小に応じて当該物理量画像I2の表示色、又は、透過率を可変とすることができる。処理部27は、例えば、色の三属性である色相、彩度、明度を変えることで、当該物理量画像I2の表示色を変えることができる。ここで、色相とは、色の種類を表す属性であり、赤、黄、緑、青、紫といった色の様相の相違を表す。彩度とは、色の鮮やかさの度合いを表す。明度とは、色の明るさ度合いを表す。また、物理量画像I2の透過率とは、物理量画像I2の背後の画像を透過させる度合を表す指標であり、低い値であるほど物理量画像I2の背後の画像を透過させないことを表し、高い値であるほど物理量画像I2の背後の画像を透過させることを表す。
【0072】
処理部27は、例えば、
図6に例示するようなカラーパレットデータP(記憶部26に記憶)に基づいて、物理量画像I2が表す物理量の大小に応じて当該物理量画像I2の表示色を可変とすることができる。パレットデータPは、物理量画像I2の複数の表示色に関するデータであり、記憶部26に記憶されている。この場合、処理部27は、例えば、物理量画像I2が表す物理量が相対的に小さな値である場合、当該物理量画像I2を冷色系の表示色で表示部25aに表示させる。一方、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に大きな値である場合、当該物理量画像I2を暖色系の表示色で表示部25aに表示させる。つまりこの場合、表示システムSys1は、物理量画像I2を冷色系の表示色で表示部25aに表示させることで、物理量画像I2が表示されている位置における第2携帯機器30の発電量(物理量)が相対的に小さかったことを表すことができる。一方、表示システムSys1は、物理量画像I2を暖色系の表示色で表示部25aに表示させることで、物理量画像I2が表示されている位置における第2携帯機器30の発電量(物理量)が相対的に大きかったことを表すことができる。同様に、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に小さな値である場合、当該物理量画像I2の透過率を高い値として表示部25aに表示させるようにしてもよい。一方、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に大きな値である場合、当該物理量画像I2の透過率を低い値として表示部25aに表示させるようにしてもよい。
【0073】
<物理量画像の重ね表示>
処理部27は、重ね表示処理では、予め定められた単位時間ごとの複数の物理量画像I2を重ねて区別して表示可能である(
図4、
図7の物理量画像I2A参照)。ここで、予め定められた単位時間は、物理量検出部36aによる物理量のサンプリング周期等に応じて予め定められてもよいし、入力部23等を介してユーザの任意で設定されてもよい。処理部27は、複数の物理量画像I2を重ねて表示する場合、例えば、複数の物理量画像I2の相互間で表示色や透過率を変えることで、当該複数の物理量画像I2を区別して表示部25aに表示させるようにしてもよい。この場合、処理部27は、例えば、
図7に例示するように、直近の物理量画像I2を相対的に濃い色で表示部25aに表示させ、現時点からさかのぼるほど物理量画像I2を相対的に薄い色で表示部25aに表示させるようにしてもよい。また、処理部27は、例えば、
図7に例示するように、重ね表示処理では、重なり合う複数の物理量画像I2に対する入力部23等を介した選択操作(タップ操作)に応じて、吹き出し表示により当該複数の物理量画像I2が表す物理量の詳細を表示部25aに表示させるようにしてもよい。また、処理部27は、例えば、重ね表示処理では、重なり合う複数の物理量画像I2に対する入力部23等を介した選択操作(タップ操作)に応じて、当該複数の物理量画像I2がそれぞれ表す物理量を順次、表示部25aに表示させるようにしてもよい。
【0074】
<物理量の集計方法>
処理部27は、例えば、上述した検出位置特定処理(ステップS6)において、携帯機器10の移動速度に基づいて、後段の重ね表示処理(ステップS8)で表示させる物理量の集計方法を可変とすることができる。これにより、表示システムSys1は、状況に応じたより適正な物理量集計を実現することが可能となる。ここでは、処理部27は、例えば、携帯機器10の移動速度に基づいて、下記で説明する第1の集計方法と、第2の集計方法とを使い分けて各地点(上述した移動ルートの各特定箇所に相当)での物理量集計を行うことができる。
【0075】
<第1の集計方法>
第1の集計方法は、携帯機器10の移動距離に基づく集計方法である。処理部27は、第1の集計方法では、携帯機器10の移動距離に応じて物理量の集計を行う。第1の集計方法では、処理部27は、例えば、位置検出部24aによって検出された位置に基づいて所定の移動距離(例えば、300m)毎に移動地点(上述した移動ルートの各特定箇所に相当)を特定する。この処理は、言い換えれば、移動ルートの各特定箇所を所定距離(例えば、300m)毎に区切ることに相当する。そして、処理部27は、各移動地点への移動を行っている期間に物理量検出部36aによって検出された物理量(発電量)を集計、積算しこれをそれぞれの移動地点での物理量とする。例えば、処理部27は、携帯機器10を携帯するユーザが地点Aから300m離れた位置まで移動した場合に地点Aから地点Bに移動したものと特定する。そして、処理部27は、地点Aから地点Bに移動する間に、物理量検出部36aによって検出された発電量(物理量)を集計、積算し、積算結果を地点Aにおける発電量とする。次に、処理部27は、携帯機器10を携帯するユーザが地点Bから300m離れた位置まで移動した場合に地点Bから地点Cに移動したものと特定する。そして、処理部27は、地点Bから地点Cに移動する間に、物理量検出部36aによって検出された発電量(物理量)を集計、積算し、積算結果を地点Bにおける発電量とする。以下同様である。
【0076】
図8は、物理量のサンプリング周期を5分とした場合の第1の集計方法の一例を表しており、ここでは、発電量をポイント化した値として表している。例えば、処理部27は、携帯機器10を携帯するユーザが時刻10:00〜10:15の間に地点Aから300m離れた地点Bまで移動した場合、地点Aから地点Bに移動した時刻10:00〜10:15の間に検出された発電量の積算値を算出する。そして、処理部27は、時刻10:00〜10:15の間に検出された発電量の積算値=15を、地点Aの発電量とする。処理部27は、ユーザが時刻10:15から次のサンプリング周期(10:20)になる前に地点Bから300m離れた地点Cまで移動した場合、地点Bから地点Cに移動した期間に発電量の検出がなかったため、地点Bの発電量を0とする。処理部27は、その後、ユーザが時刻10:25となる前にさらに地点Cから300m離れた地点Dまで移動した場合、地点Cから地点Dに移動した時刻10:25となる前までの間に検出された発電量の積算値を算出する。そして、処理部27は、時刻10:25となる前までの間に検出された発電量の積算値=64を、地点Cの発電量の発電量とする。この結果、重ね表示処理で表示部25aに表示される物理量画像I2は、例えば、
図9に例示したような大小関係となる。この場合、地点Cにおける物理量画像I2は、地点Aにおける物理量画像I2より大きく表示され、発電量が0とされた地点Bには、物理量画像I2は表示されない。
【0077】
<第2の集計方法>
第2の集計方法は、経過時間に基づく集計方法である。処理部27は、第2の集計方法では、経過時間に応じて物理量の集計を行う。第2の集計方法では、処理部27は、例えば、所定の経過時間毎に物理量の集計を行う。この場合、処理部27は、例えば、位置検出部24aによって検出された位置に基づいて、所定の経過時間が経過した点での地点を、物理量の集計を行う地点(上述した移動ルートの各特定箇所に相当)として特定する。この処理は、言い換えれば、移動ルートの各特定箇所を所定の経過時間毎に区切ることに相当する。そして、処理部27は、当該所定の経過時間内に物理量検出部36aによって検出された物理量(発電量)を集計、積算しこれをそれぞれの地点での物理量とする。
【0078】
<集計方法の使い分けの一例>
処理部27は、集計方法の使い分けの一例として、例えば、携帯機器10の移動速度が相対的に遅い場合、第1の集計方法で物理量の集計を行い、携帯機器10の移動速度が相対的に速い場合、第2の集計方法で物理量の集計を行うようにしてもよい。つまり、処理部27は、携帯機器10の移動速度が相対的に遅い場合、携帯機器10の移動距離に応じて物理量の集計を行い、携帯機器10の移動速度が相対的に速い場合、経過時間に応じて物理量の集計を行うようにしてもよい。この場合、表示システムSys1は、携帯機器10の移動速度が遅い場合に第1の集計方法を適用することで、例えば、ユーザがほぼ同じ地点に滞在している際に当該ほぼ同じ地点で集計地点の特定、及び、物理量の集計が連続的に行われてしまうことを抑制することができる。一方、表示システムSys1は、携帯機器10の移動速度が速い場合に第2の集計方法を適用することで、例えば、ユーザが高速で移動している際に集計地点の特定、及び、物理量の集計が短時間で連続的に行われてしまうことを抑制することができる。
【0079】
<持ち忘れ対応処理>
処理部27は、重ね表示処理では、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動したことを検出した場合、持ち忘れ対応処理を実行することができる。持ち忘れ対応処理とは、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動した期間における物理量画像I2の表示を、当該期間外におけるに物理量画像I2の表示と異ならせる処理である。表示システムSys1は、例えば、第1携帯機器20、又は、第2携帯機器30の一方の所持を忘れて他方のみを携帯してユーザが移動した場合、物理量の集計地点と、ユーザの移動ルートとの整合性がとれないおそれがある。このような場合に、処理部27は、持ち忘れ対応処理を行うことで、物理量の集計地点と、ユーザの移動ルートとの整合性がとれていないまま物理量画像I2の表示が行われることを抑制することができる。
【0080】
処理部27は、例えば、検出部24による種々の検出結果や第2携帯機器30から受信する検出部36による種々の検出結果に基づいて、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動したことを検出することができる。
【0081】
<第2携帯機器30の持ち忘れの例>
例えば、処理部39は、情報送信処理(ステップS2)で検出物理量情報と共に検出部36によって検出した他の情報も第1携帯機器20に送信し、処理部27は、受信したこれらの情報に基づいて第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出する。処理部27は、例えば、検出部36を構成する加速度センサの信号が検出されない場合に、当該第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出することができる。また、処理部27は、例えば、検出部36がさらに傾斜センサを含んで構成される場合には、傾斜センサがON(作動)でかつ加速度センサがOFF(非作動)である場合に、当該第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出することができる。また、処理部27は、例えば、検出部36が温度センサを含んで構成される場合には、事前に第2携帯機器30の装着時と非装着時との温度差に基づいて温度閾値を設定し、実際に検出された温度が当該温度閾値以下である場合に、当該第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出することができる。また、処理部27は、例えば、検出部36が心拍センサを含んで構成される場合には、心拍が測定されていない場合に、当該第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出することができる。処理部27は、その他、第2携帯機器30に検出部36として搭載される種々の活動計に基づいて、第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出することができる。また、処理部39は、第2携帯機器30側で上記と同様の判定を行い、装着の有無の検出結果を表す情報を第1携帯機器20に送信するようにしてもよい。
【0082】
処理部27は、上記のように第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出し、言い換えれば、第2携帯機器30を持ち忘れて第1携帯機器20のみを携帯してユーザが移動したことを検出した場合、持ち忘れ対応処理として、例えば、
図10のような表示画面を表示させてもよい。すなわちこの場合、処理部27は、
図10に例示するように、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動した期間に検出された全物理量を、当該第2携帯機器30を持ち忘れた場所で検出された物理量であるものとして物理量画像I2を表示させる。この場合、処理部27は、さらに、物理量画像I2を、ユーザが第1携帯機器20と第2携帯機器30との双方を携帯して移動した正常期間での物理量画像I2に対して、表示色や形状を変えて表示させるようにしてもよい。またこの場合、変形例として、処理部27は、重ね表示処理を中止し、移動ルート画像I1を表示させず、物理量画像I2のみを表示させることもできる。
【0083】
また、処理部27は、ユーザが第1携帯機器20と第2携帯機器30との双方を携帯して移動した状態から、いずれかの地点で第2携帯機器30を置き忘れて第1携帯機器20のみを携帯してユーザが移動したことを検出した場合、持ち忘れ対応処理として、例えば、
図11のような表示画面を表示させてもよい。すなわちこの場合、処理部27は、
図11に例示するように、ユーザが第1携帯機器20と第2携帯機器30との双方を携帯して移動した正常期間では、通常通り物理量画像I2を表示させる(
図11の物理量画像I2B参照)。その状態から、処理部27は、第2携帯機器30を持ち忘れて第1携帯機器20のみを携帯してユーザが移動したことを検出すると、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動した期間に検出された全物理量を、当該第2携帯機器30を持ち忘れた場所で検出された物理量であるものとして物理量画像I2を表示させる(
図11の物理量画像I2C参照)。この場合、処理部27は、物理量画像I2Cを物理量画像I2Bに対して表示色や形状を変えて表示させる。例えば、
図12に示すような例の場合、時刻10:00〜10:15の期間で検出された物理量の積算値は、物理量画像I2Bとして表示され、時刻10:20〜12:00の期間で検出された物理量の積算値は、全て物理量画像I2Cとして表示される。これにより、表示システムSys1は、第2携帯機器30を置き忘れた地点を強調して表示することができる。なおこの場合も、変形例として、処理部27は、重ね表示処理を中止し、移動ルート画像I1を表示させず、物理量画像I2(物理量画像I2B、物理量画像I2C)のみを表示させるようにすることもできる。
【0084】
<第1携帯機器20の持ち忘れの例>
処理部27は、例えば、検出部24を構成する位置検出部24aによって検出された位置に基づいて、当該第1携帯機器20がユーザに携帯されていないことを検出することができる。処理部27は、例えば、第1携帯機器20が移動せず、かつ、第2携帯機器30がユーザに装着されていることを検出している期間を、第1携帯機器20を持ち忘れて第2携帯機器30のみを携帯してユーザが移動した期間であるものと検出する。処理部27は、第1携帯機器20を持ち忘れて第2携帯機器30のみを携帯してユーザが移動した期間であるものと検出した場合、持ち忘れ対応処理として、例えば、
図13のような表示画面を表示させてもよい。すなわちこの場合、処理部27は、
図13に例示するように、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動した期間に検出された全物理量を、当該第1携帯機器20を持ち忘れた場所で検出された物理量であるものとして物理量画像I2を表示させる。この場合、処理部27は、
図10に例示した場合と同様に、物理量画像I2を、ユーザが第1携帯機器20と第2携帯機器30との双方を携帯して移動した正常期間での物理量画像I2に対して表示色や形状を変えて表示させるようにしてもよい。またこの場合、変形例として、処理部27は、重ね表示処理を中止し、物理量画像I2自体を表示させないようにしてもよい。
【0085】
また、処理部27は、ユーザが第1携帯機器20と第2携帯機器30との双方を携帯して移動した状態から、いずれかの地点で第1携帯機器20を置き忘れて第2携帯機器30のみを携帯してユーザが移動したことを検出した場合、持ち忘れ対応処理として、例えば、
図14のような表示画面を表示させてもよい。すなわちこの場合、処理部27は、
図14に例示するように、ユーザが第1携帯機器20と第2携帯機器30との双方を携帯して移動した正常期間では、通常通り物理量画像I2を表示させる(
図14の物理量画像I2D参照)。その状態から、処理部27は、第1携帯機器20を持ち忘れて第2携帯機器30のみを携帯してユーザが移動したことを検出すると、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動した期間に検出された全物理量を、当該第1携帯機器20を持ち忘れた場所で検出された物理量であるものとして物理量画像I2を表示させる(
図14の物理量画像I2E参照)。この場合、処理部27は、
図11に例示した場合と同様に、物理量画像I2Eを物理量画像I2Dに対して表示色や形状を変えて表示させる。これにより、表示システムSys1は、第1携帯機器20を置き忘れた地点を強調して表示することができる。なおこの場合も、変形例として、処理部27は、重ね表示処理を中止し、移動ルート画像I1を表示させず、物理量画像I2(物理量画像I2D、物理量画像I2E)のみを表示させるようにすることもできる。
【0086】
<実施形態の作用効果>
以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、位置検出部24a、物理量検出部36a、表示部25a、及び、処理部27を有する携帯機器10の当該処理部27によって、重ね表示処理を実行することができる。これにより、表示システムSys1、及び、プログラムは、携帯機器10の表示部25aにおいて、当該携帯機器10の移動ルートを表す移動ルート画像I1に、携帯機器10で検出された物理量を表す物理量画像I2を重ねて表示させることができる。したがって、表示システムSys1、及び、プログラムは、携帯機器10で検出した物理量を、当該携帯機器10を携帯するユーザの活動と関連付けて分かり易く表示することができる。これにより、表示システムSys1、及び、プログラムは、例えば、検出された物理量とユーザの行動範囲との因果関係を把握させ易くすることができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、検出した物理量を適正に表示することができる。
【0087】
より詳細には、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、重ね表示処理では、移動ルートの特定箇所において検出された物理量を表す物理量画像I2を、移動ルート画像I1の特定箇所に応じた位置に重ねて表示させることができる。したがって、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、移動ルートの特定箇所において検出された物理量を当該物理量画像I2によって適正に表現することができ、特定箇所での物理量を把握させ易くすることができる。
【0088】
また、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、第1携帯機器20の表示部25aにおいて、第2携帯機器30の物理量検出部36aによって検出された物理量を表す物理量画像I2を、移動ルート画像I1に重ねて表示させることができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、携帯機器10を構成する第1携帯機器20と第2携帯機器30とを連携させて、検出した物理量を適正に表示することができる。
【0089】
ここでは、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、携帯機器10のうち、物理量を検出する第2携帯機器30が人体に装着可能なウェアラブル機器である。したがって、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、ユーザに装着され、ユーザにより近接した状況下で検出された物理量を適正に表示することができる。
【0090】
一例として、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、物理量検出部36aによって検出される物理量として、電子時計である第2携帯機器30において発電された電力の発電量を表す物理量画像I2を、移動ルート画像I1に重ねて表示させることができる。これにより、表示システムSys1、及び、プログラムは、例えば、第2携帯機器30において発電された発電量と、ユーザの行動範囲との因果関係を把握させ易くすることができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、例えば、ユーザに対して、移動ルートのどこの場所で発電量が多いかを把握させ易くすることができる。これにより、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、例えば、ユーザに対して、発電し易い場所を意識した移動ルートの選択や滞在時間の長い場所での効率的な発電の工夫等を促すことができ、ユーザに発電を意識させて積極的に発電させるように促すことができる。
【0091】
また、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、重ね表示処理では、物理量画像I2が表す物理量に応じて当該物理量画像I2の大きさを可変とすることができる。この場合、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、物理量画像I2の大きさの大小で物理量(発電量)の大小を認識させることができる。
【0092】
またこの場合、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、重ね表示処理では、物理量画像I2が表す物理量が小さな値である場合、当該物理量の値の差に対する物理量画像I2の大きさの差を相対的に大きくし、大きな値である場合、当該物理量の値の差に対する物理量画像I2の大きさの差を相対的小さくすることができる。これにより、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、物理量画像I2が表す物理量の大小差を、当該物理量画像I2の大きさによって効果的に表すことができる。すなわち、表示システムSys1は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に小さい段階では小さな差でも当該物理量の差を認識させ易くすることができる。一方、表示システムSys1は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に大きい段階では大きな差が生じてはじめて当該物理量の差が認識できるようにすることができる。
【0093】
また、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、重ね表示処理では、物理量画像I2が表す物理量に応じて当該物理量画像I2の表示色、又は、透過率を可変とすることができる。この場合、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、物理量画像I2の表示色、又は、透過率で物理量(発電量)の大小を認識させることができる。
【0094】
また、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、重ね表示処理では、物理量画像I2の最大大きさ、及び、最小大きさを、表示部25aの表示領域25atの大きさを基準として所定割合内に制限することができる。これにより、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、重ね表示処理による表示部25aでの表示において、適正な見易さを確保することができる。すなわち、表示システムSys1、及び、プログラムは、例えば、物理量画像I2の最大大きさを表示領域25at内に収まる大きさにし、物理量画像I2が見切れないようにすることができる。また、表示システムSys1、及び、プログラムは、例えば、物理量画像I2の最小大きさをユーザが容易に目視可能な大きさにすることができる。
【0095】
また、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、重ね表示処理では、予め定められた単位時間ごとの複数の物理量画像I2を重ねて区別して表示可能である。これにより、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、検出した物理量に関し、より多様な表示を実現することができる。
【0096】
また、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、重ね表示処理では、なり合う複数の物理量画像I2に対する操作に応じて当該複数の物理量画像2像がそれぞれ表す物理量を順次表示させることができる。この点でも、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、検出した物理量に関し、より多様な表示を実現することができる。
【0097】
また、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、携帯機器10の移動速度に基づいて、重ね表示処理で表示させる物理量の集計方法を可変とすることができる。これにより、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、状況に応じたより適正な物理量集計を実現することができ、検出した物理量に関し、ユーザの移動パターンに応じたより適正な表示を実現することができる。
【0098】
例えば、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、携帯機器10の移動速度が相対的に遅い場合、携帯機器10の移動距離に応じて物理量の集計を行い、携帯機器10の移動速度が相対的に速い場合、経過時間に応じて物理量の集計を行う。この場合、表示システムSys1、及び、プログラムは、集計地点の特定、及び、物理量の集計が不必要に連続的に行われてしまうことを抑制することができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、例えば、表示される物理量画像I2が多すぎて視認性が悪化することを抑制することができ、また、演算量を抑制し消費電力の抑制を実現することができる。
【0099】
また、以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、重ね表示処理では、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動したことを検出した場合、当該期間における物理量画像の表示を、当該期間外におけるに物理量画像の表示と異ならせる持ち忘れ対応処理を実行する。これにより、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、第1携帯機器20、又は、第2携帯機器30の一方の所持を忘れて他方のみを携帯してユーザが移動した場合、物理量の集計地点と、ユーザの移動ルートとの整合性がとれないまま物理量画像I2の表示が行われることを抑制することができる。またこの場合、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、例えば、第1携帯機器20や第2携帯機器30を置き忘れた地点を強調して表示することができるので、ユーザに対して、第1携帯機器20や第2携帯機器30を置き忘れた位置を確認し易くすることができる。
【0100】
また、以上で説明した表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、第1携帯機器20、第2携帯機器30、及び、サーバ40が相互に通信し連携することで、上記のような分かり易い表示を実現する連携システムを構成することができる。
【0101】
なお、上述した本発明の実施形態に係る表示システム、プログラム、携帯機器、及び、ウェアラブル機器は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係る表示システム、プログラム、携帯機器、及び、ウェアラブル機器は、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【0102】
以上の説明では、第1携帯機器20は、スマートフォンであり、第2携帯機器30は、電子時計(リストバンド型のウェアラブル機器)であるものとして説明したがこれに限らない。第1携帯機器20、第2携帯機器30は、ユーザが携帯可能な電子機器であればなんでもよい。
【0103】
以上の説明では、表示システムSys1は、一例として、複数の携帯機器10として、第1携帯機器20、第2携帯機器30を備えるものとして説明したがこれに限らない。また、以上の説明では、携帯機器10に加えて、さらに、サーバ40を備えるものとして説明したがこれに限らない。表示システムSys1は、例えば、1つの携帯機器で重ね表示処理を含む各処理が完結するものであってもよい。この場合、携帯機器は、位置検出部、物理量検出部、表示部、及び、重ね表示処理を実行する処理部は、1つの携帯機器にすべてが設けられることとなる。また、表示システムSys1は、携帯機器10として、3つ以上の携帯機器を含んで構成されてもよい。
【0104】
以上の説明では、携帯機器10で検出され重ね表示処理において表示される物理量は、第2携帯機器30において発電された電力の発電量であるものとして説明したがこれに限らない。当該物理量は、例えば、物理量検出部によって検出される温度や紫外線量等であってもよいし、その他の検出量であってもよい。また、当該物理量は、例えば、物理量検出部によって検出される物理量に基づく消費カロリー基礎代謝量等であってもよい。この場合、例えば、第1携帯機器20、又は、第2携帯機器30は、ユーザ情報(身長、体重等)を予め記憶しており、物量検出部によって検出される加速度等の物理量と当該ユーザ情報とに基づいて消費カロリーや基礎代謝量を算出するようにしてもよい。また、携帯機器10は、重ね表示処理においては、複数種類の物理量をそれぞれ表す複数種類の物理量画像を重ねて表示させるようにしてもよい。
【0105】
以上で説明した携帯機器10は、上記の重ね表示処理による表示に加えて、別の表示画面において、時間単位、日単位の時系列の物理量(発電量)表示を行ってもよい。
【0106】
以上の説明では、処理部27は、例えば、携帯機器10の移動速度に基づいて重ね表示処理で表示させる物理量の集計方法を可変とするものとして説明したがこれに限らない。物理量の集計方法は、状況にかかわらず単一の方法であってもよい。
【0107】
以上の説明では、処理部27は、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動したことを検出した場合、持ち忘れ対応処理を実行するものとして説明したがこれに限らない。
【0108】
以上の説明では、携帯機器10、サーバ40は、単体の機器として構成されるものとして説明したがこれに限らない。携帯機器10、サーバ40の機能分散の形態は、上記に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。また、以上で説明したプログラム、各種データ等は、適宜、更新されてもよいし、携帯機器10、サーバ40に対して任意のネットワークNを介して接続された他のサーバに記憶されていてもよい。以上で説明したプログラム、各種データ等は、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。また、例えば、処理部27、39やサーバ40が備える各処理機能については、その全部又は任意の一部を、例えば、CPU等及び当該CPU等にて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジック等によるハードウェアとして実現してもよい。
【0109】
<集計方法の変形例>
以上の説明では、処理部27は、物理量の集計方法として、携帯機器10の移動距離に基づく第1の集計方法、経過時間に基づく第2の集計方法、あるいは、携帯機器10の移動速度に基づいてこれらを使い分ける方法等を例として説明したがこれに限らない。処理部27は、例えば、携帯機器10の移動距離、及び、経過時間の双方が予め定められた閾値を満たすことを条件として各地点(上述した移動ルートの各特定箇所に相当)での物理量集計を行うようにしてもよい。
【0110】
具体的には、処理部27は、例えば、前回特定した特定箇所からの携帯機器10の移動距離が予め設定される判定距離を超え、かつ、前回の特定箇所を特定してからの経過時間が予め設定される判定期間を超えたことを条件として今回の特定箇所を特定する。ここで、上記判定距離は、前回特定した特定箇所からの携帯機器10の移動距離に対して予め設定される閾値であり、任意に設定されればよい。同様に、上記判定期間は、前回の特定箇所を特定してからの経過時間に対して予め設定される閾値であり、任意に設定されればよい。つまり、処理部27は、携帯機器10の移動距離、及び、経過時間の双方が上記の条件を満たす毎に移動地点(上述した移動ルートの各特定箇所に相当)を特定する。そして、処理部27は、前回特定された特定箇所から今回特定された特定箇所までに物理量検出部36aによって検出された物理量の積算値を、今回特定された当該特定箇所における物理量とする。
【0111】
逆に言えば、処理部27は、前回特定した特定箇所からの携帯機器10の移動距離が予め設定される判定距離を超えていない場合、又は、前回の特定箇所を特定してからの経過時間が予め設定される判定期間を超えていない場合には、今回の特定箇所を特定せず積算を継続し、次の特定箇所における集計には移行しない。つまり、処理部27は、前回特定した特定箇所からの携帯機器10の移動距離が予め設定される判定距離を超えた場合であっても前回の特定箇所を特定してからの経過時間が予め設定される判定期間を超えていない場合には、今回の特定箇所を特定せず積算を継続し、次の集計には移行しない。同様に、処理部27は、前回の特定箇所を特定してからの経過時間が予め設定される判定期間を超えた場合であっても前回特定した特定箇所からの携帯機器10の移動距離が予め設定される判定距離を超えていない場合には、今回の特定箇所を特定せず積算を継続し、次の集計には移行しない。
【0112】
図15、
図16を参照して変形例に係る物理量の集計方法の一例を説明する。
図15、
図16は、予め設定される判定距離を300mとし、予め設定される判定期間をサンプリング周期として5分とした場合を例として表している。なお、
図15、
図16は、各地点で検出された物理量を円形のモチーフによって模式的に表している。
【0113】
図15の例では、処理部27は、前回の特定箇所である地点Aを特定してからの経過時間が5分(判定期間)を経過しても、携帯機器10を携帯するユーザの移動距離が条件を満たすまでは、今回の特定箇所を特定せず、地点Aから30m離れた地点b1、地点b1から50m離れた地点b2等で検出された物理量をそれぞれ積算していく。そして、処理部27は、携帯機器10を携帯するユーザが地点Aから300m(判定距離)離れた地点Bを超えて移動したことをもって今回の特定箇所を特定し、次の特定箇所における物理量の積算に移行する。この場合、処理部27は、上記のように、地点b1、地点b2等で検出された物理量を積算し今回の特定箇所である地点Bにおける物理量であるものとして集計する。
【0114】
一方、
図16の例では、処理部27は、携帯機器10を携帯するユーザが前回の特定箇所である地点Aから300m(判定距離)離れた地点b1を超えて移動しても、経過時間が条件を満たすまでは、今回の特定箇所を特定せず、地点b1等で検出された物理量を積算していく。そして、処理部27は、前回の特定箇所である地点Aを特定してからの経過時間が5分(判定期間)を経過する地点Bにおいて今回の特定箇所を特定し、次の特定箇所における物理量の積算に移行する。この場合、処理部27は、上記のように、地点b1等で検出された物理量を積算し今回の特定箇所である地点Bにおける物理量であるものとして集計する。
【0115】
表示システムSys1は、上記のように物理量を集計することで、例えば、経過時間のみを条件として特定箇所を特定する場合と比較して、携帯機器10の移動速度が遅い場合、例えば、会社で業務している場合等、ユーザの単位時間当たりの行動範囲が相対的に狭い場合に、略同じ場所で繰り返して特定箇所が特定されてしまうことを抑制することができる。一方、表示システムSys1は、例えば、移動距離のみを条件として特定箇所を特定する場合と比較して、携帯機器10の移動速度が速い場合、例えば、ユーザが電車等に沿って高速移動している場合に、物理量を検出できていない箇所を無駄に特定箇所として特定してしまうことを抑制することができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、及び、携帯機器10は、無駄な特定箇所の特定や無駄な演算等を抑制し、無駄な電力消費を抑制することができる。その上で、表示システムSys1、プログラム、及び、携帯機器10は、状況に応じたより適正な物理量集計を実現することができ、検出した物理量に関し、ユーザの移動パターンに応じたより適正な表示を実現することができる。
【0116】
<物理量画像の併合表示(マージ表示)>
以上で説明した処理部27は、複数の特定箇所で検出された物理量を併合(マージ)して1つの物理量画像I2として表示することができる。具体的には、処理部27は、重ね表示処理では、予め設定される併合表示基準距離に応じて定まる併合表示範囲内の複数の特定箇所において物理量検出部36aによって検出された物理量を併合して1つの物理量画像I2として表示部25aに表示することができる。ここで、併合表示範囲とは、複数の特定箇所において検出された物理量を併合して1つの物理量画像I2として表示する範囲を規定するものであり、併合表示基準距離に応じて定まる。併合表示基準距離は、予め任意に設定される距離であり、検出された物理量を併合して1つの物理量画像I2として表示したい範囲に応じて設定される。
【0117】
<併合表示のバリエーション1>
図17を参照して物理量画像I2の併合表示の一例を説明する。
図17は、予め設定される併合表示基準距離THDを900mとした場合を例として表している。
図17に示す例では、処理部27は、特定された特定箇所の位置に応じて順次更新される基準位置を基に併合表示範囲を定める。なお、
図17は、携帯機器10を携帯するユーザの移動に伴って特定された特定箇所間の実際の移動軌跡を点線で図示する一方、基準位置を通る仮想的な移動軌跡を実線で図示している。
【0118】
まず、処理部27は、例えば、
図17に示すように、第1の併合表示範囲R1内の起点となる第1の特定箇所P1と、当該第1の特定箇所P1に続く第2の特定箇所P2との中間位置を初期の基準位置C1とする。そして、処理部27は、第2の特定箇所P2に続く第3の特定箇所P3を今回の特定箇所とした場合、基準位置C1と当該今回の特定箇所P3との距離が併合表示基準距離THD以上離れているか否かを判定する判定処理を行う。
【0119】
処理部27は、判定処理によって基準位置C1と今回の特定箇所P3との距離が併合表示基準距離THD以上離れていないと判定した場合、今回の特定箇所P3を併合表示範囲R1内の特定箇所とした上で、基準位置C1と今回の特定箇所P3との中間位置を次回の判定処理における基準位置C2として更新し判定処理を繰り返し行う。
図17の例では、処理部27は、特定箇所が第3の特定箇所P3に続いて特定箇所P4、特定箇所P5、特定箇所P6、特定箇所P7と移動していくに伴い、基準位置を基準位置C3、基準位置C4、基準位置C5、基準位置C6に更新して判定処理を繰り返し行う。
【0120】
そして、処理部27は、判定処理によって基準位置C6と特定箇所P7に続く今回の特定箇所P8との距離が併合表示基準距離THD以上離れていると判定した場合、当該今回の特定箇所P8を次の併合表示範囲R2内の起点となる第1の特定箇所とする。
【0121】
つまり、
図17の例では、処理部27は、特定箇所P1〜P7を第1の併合表示範囲R1内の特定箇所として処理し、特定箇所P8を併合表示範囲R1とは区切って第2の併合表示範囲R2内の特定箇所として処理していく。
【0122】
そして、処理部27は、重ね表示処理では、上記のように特定された併合表示範囲R1内の複数の特定箇所P1〜P7において物理量検出部36aによって検出された物理量を併合(マージ)した1つの物理量画像I2を移動ルート画像I1に重ねて表示部25aに表示させる(
図4等参照)。この場合、処理部27は、併合表示範囲R1内の複数の特定箇所P1〜P7において検出された物理量を積算し、当該積算した物理量に応じた1つの物理量画像I2を表示部25aに表示させる。
【0123】
またこの場合、処理部27は、例えば、移動ルート画像I1において、当該併合表示範囲R1内の最後の基準位置C6に応じた位置、又は、当該併合表示範囲R1内の複数の特定箇所P1〜P7の図心位置PCに応じた位置に、当該物理量画像I2を重ねて表示部25aに表示させる。ここで、併合表示範囲R1内の複数の特定箇所P1〜P7の図心位置PCとは、典型的には、併合表示範囲R1内のすべての特定箇所P1〜P7間の移動軌跡を図形化した場合の図心の位置(重心位置)に相当する。
【0124】
表示システムSys1、プログラム、及び、携帯機器10は、上記のように複数の特定箇所の物理量を併合して1つの物理量画像I2として表示することで、重ね表示処理による表示部25aでの表示において、適正な見易さを確保することができる。
【0125】
この場合に、表示システムSys1は、特定された特定箇所の位置に応じて順次更新される基準位置を基に併合表示範囲を定めることで、併合表示範囲を定める際に要するデータの記憶量や演算量を抑制することができきる。この結果、表示システムSys1、プログラム、及び、携帯機器10は、電力消費を抑制することができる。
【0126】
また、表示システムSys1は、移動ルート画像I1において、当該併合表示範囲内の最後の基準位置に応じた位置、又は、当該併合表示範囲内の複数の特定箇所の図心位置に応じた位置に、併合した物理量画像I2を重ねて表示させることで、上記のように適正な見易さを確保した上で、ユーザの移動パターンに則した適正な表示を実現することができる。
【0127】
<併合表示のバリエーション2>
図18を参照して物理量画像I2の併合表示の他の一例を説明する。
図18も、
図17と同様に、予め設定される併合表示基準距離THDを900mとした場合を例として表している。
図18に示す例では、処理部27は、基準位置を用いずに、併合表示範囲内の起点となる特定箇所を基に併合表示範囲を定める。なお、
図18は、携帯機器10を携帯するユーザの移動に伴って特定された特定箇所間の実際の移動軌跡を実線で図示している。
【0128】
この場合、処理部27は、第1の併合表示範囲R1内の起点となる特定箇所と今回の特定箇所との距離が併合表示基準距離THD以上離れているか否かを判定する判定処理を行う。そして、処理部27は、判定処理によって、起点となる特定箇所と今回の特定箇所との距離が併合表示基準距離THD以上離れていないと判定した場合、今回の特定箇所を第1の併合表示範囲R1内の特定箇所とした上で、次回の特定箇所についての判定処理を繰り返し行う。一方、処理部27は、判定処理によって、起点となる特定箇所と今回の特定箇所との距離が併合表示基準距離THD以上離れていると判定した場合、当該今回の特定箇所を次の併合表示範囲R2内の起点となる特定箇所とする。
【0129】
例えば、
図18の例では、処理部27は、第1の併合表示範囲R1内の起点となる第1の特定箇所P1と、当該第1の特定箇所P1に続く第2の特定箇所P2との距離が併合表示基準距離THD以上離れているか否かを判定する判定処理を行う。
【0130】
処理部27は、判定処理によって、起点となる特定箇所P1と今回の特定箇所P2との距離が併合表示基準距離THD以上離れていないと判定した場合、今回の特定箇所P2を併合表示範囲R1内の特定箇所とした上で、次に特定される特定箇所P3以降の判定処理を繰り返し行う。
図18の例では、処理部27は、特定箇所が第3の特定箇所P3に続いて特定箇所P4、特定箇所P5、特定箇所P6、特定箇所P7、特定箇所P8、特定箇所P9、特定箇所P10、特定箇所P11、特定箇所P12と移動していくに伴い当該判定処理を繰り返し行う。
【0131】
そして、処理部27は、判定処理によって、起点となる特定箇所P1と特定箇所P12に続く今回の特定箇所P13との距離が併合表示基準距離THD以上離れていると判定した場合、当該今回の特定箇所P13を次の併合表示範囲R2内の起点となる第1の特定箇所とする。
【0132】
つまり、
図18の例では、処理部27は、特定箇所P1〜P12を第1の併合表示範囲R1内の特定箇所として処理し、特定箇所P13を併合表示範囲R1とは区切って第2の併合表示範囲R2内の特定箇所として処理していく。
【0133】
そして、処理部27は、重ね表示処理では、上記のように特定された併合表示範囲R1内の複数の特定箇所P1〜P12において物理量検出部36aによって検出された物理量を併合(マージ)した1つの物理量画像I2を移動ルート画像I1に重ねて表示部25aに表示させる(
図4等参照)。この場合、処理部27は、併合表示範囲R1内の複数の特定箇所P1〜P12において検出された物理量を積算し、当該積算した物理量に応じた1つの物理量画像I2を表示部25aに表示させる。
【0134】
またこの場合、処理部27は、例えば、移動ルート画像I1において、当該併合表示範囲R1内の最後の特定箇所P12に応じた位置、又は、当該併合表示範囲R1内の複数の特定箇所P1〜P12の図心位置PCに応じた位置に、当該物理量画像I2を重ねて表示部25aに表示させる。
【0135】
この場合であっても、表示システムSys1、プログラム、及び、携帯機器10は、上記のように複数の特定箇所の物理量を併合して1つの物理量画像I2として表示することで、重ね表示処理による表示部25aでの表示において、適正な見易さを確保することができる。
【0136】
<表示倍率に応じた併合表示>
なお、処理部27は、重ね表示処理では、表示部25aの表示領域25atの表示倍率に応じて併合表示基準距離、及び、これに応じて定まる併合表示範囲の大きさを変えてもよい。処理部27は、例えば、表示部25aの表示領域25atの表示倍率が相対的に高いほど(すなわち、拡大表示であるほど)、併合表示基準距離を相対的に短く設定し、併合表示範囲を相対的に小さくする。一方、処理部27は、例えば、表示部25aの表示領域25atの表示倍率が相対的に低いほど(すなわち、縮小表示であるほど)、併合表示基準距離を相対的に長く設定し、併合表示範囲を相対的に大きくする。これにより、表示システムSys1、プログラム、及び、携帯機器10は、重ね表示処理による表示部25aでの表示において、表示倍率にあわせてより適正な見易さを確保することができる。
【0137】
<物理量画像のバリエーションの変形例:複数の携帯機器で検出された物理量の表示>
以上で説明した重ね表示処理では、物理量画像I2を様々な表示態様で表示部25aに表示させることができるものとして説明したが、上述した<バリエーション1;大小可変>、<バリエーション2;色パラメータ可変>等に限らない。処理部27は、重ね表示処理では、例えば、1人のユーザが複数の第2携帯機器30を所有している場合等、それぞれに物理量を検出した異なる複数の第2携帯機器30に応じて物理量画像I2の表示態様を変更することもできる。
【0138】
例えば、処理部27は、重ね表示処理では、
図19に示すように、物理量を検出した第2携帯機器30に応じて当該物理量画像I2の表示態様を可変とすることができる。この場合、処理部27は、複数の異なる第2携帯機器30ごとに物理量画像I2の色やハッチ等を区別して表示する。処理部27は、
図19に例では、例えば、第1の第2携帯機器30で検出された物理量を物理量画像I2Fによって表示する一方、第2の第2携帯機器30で検出された物理量を物理量画像I2Fとは異なる物理量画像I2Gによって表示する。これにより、表示システムSys1は、1人のユーザが複数の第2携帯機器30を所有している場合等に、複数の第2携帯機器30ごとに物理量画像I2の表示態様を変えて表示させることで、各第2携帯機器30で検出された物理量を区別して表すことができる。
【0139】
<重ね表示処理における選択的な表示>
また、処理部27は、重ね表示処理では、表示部25aに表示させる物理量画像I2をユーザの任意で選択することもできる。
【0140】
例えば、処理部27は、重ね表示処理では、携帯機器10を携帯するユーザの活動量が多い日を選択して、当該活動量が多い日に検出された物理量を、物理量画像I2として表示部25aに表示させるようにすることができる。この場合、処理部27は、例えば、第2携帯機器30に検出部36として搭載された種々の活動計によって検出された活動量が予め設定された閾値を超えた日を「活動量が多い日」として抽出する。そして、処理部27は、抽出された「活動量が多い日」を羅列して選択画面として表示部25aに表示させる。そして、処理部27は、当該選択画面において、例えば、タッチパネル23aに対するユーザの選択操作に伴って、ユーザの任意で所望の「活動量が多い日」を選択させ、当該選択された「活動量が多い日」に検出された物理量を物理量画像I2として表示部25aに表示させる。
【0141】
また、処理部27は、重ね表示処理では、例えば、ユーザが任意に選択した同一の日に検出された物理量(例えば、1月1日に検出された物理量)を、各年分で切り替えて物理量画像I2として表示部25aに表示させることもできる。
【0142】
表示システムSys1、プログラム、及び、携帯機器10は、上記のように、重ね表示処理では、ユーザの任意で選択された物理量を選択的に物理量画像I2として表示部25aに表示させることで、よりユーザのニーズに則した分かり易い表示とすることができる。
【0143】
<検出物理量情報の共有>
以上で説明した表示システムSys1は、第1携帯機器20からサーバ40に送信し、当該サーバ40に格納、蓄積させた検出物理量情報を、他のユーザと共有させることもできる。この場合、表示システムSys1は、例えば、第1携帯機器20のタッチパネル23a等を介して、検出物理量情報を提示する側のユーザによって、共有可能とする対象ユーザ、対象期間、対象エリア、対象物理量等を規定するフィルタ情報を設定させる。そして、表示システムSys1は、設定されたフィルタ情報に基づいて、他のユーザの第1携帯機器20等に共有する検出物理量情報を制限し、制限された内容の範囲内で物理量画像I2を表示部25a等に表示させることができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、及び、携帯機器10は、検出した物理量をより有効に活用にすることができる。
【0144】
<定期通信間隔の可変>
上述した表示システムSys1は、状況に応じて第1携帯機器20と第2携帯機器30との定期的な相互通信の間隔を可変とすることができる。
【0145】
例えば、第2携帯機器30は、記憶部38の記憶容量が相対的に小さい傾向にあるため、第1携帯機器20と通信せずに、検出物理量情報等をそのまま記憶部38に蓄積し続けていると比較的に早期に記憶部38の記憶容量が不足するおそれがある。この場合、第2携帯機器30は、第1携帯機器20と通信し、検出物理量情報等のデータを第1携帯機器20側に送信し、当該送信したデータを記憶部38から削除することで、記憶部38において、当該送信したデータ分の記憶容量をあけることができる。
【0146】
また、第2携帯機器30は、1日において、定期的に行う第1携帯機器20との自動相互通信(例えば、時刻修正等を伴う自動アドバタイズ)に際し、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが通信可能な位置関係になかった場合、当該自動通信が行われず、結果として、第1携帯機器20側へのデータの掃き出しが未完となり、記憶部38の記憶容量を十分にあけることができない場合がある。
【0147】
そこで、第2携帯機器30は、記憶部38の記憶量が予め設定された所定量を超えたら、1日における第1携帯機器20との定期的な自動相互通信の試行回数を増加させるようにしてもよい。第2携帯機器30は、例えば、記憶部38の記憶量が予め設定された所定量未満の通常状態では、1日において、午前3時に1回、第1携帯機器20との定期的な自動相互通信を試行する仕様の場合、記憶部38の記憶量が予め設定された所定量を超えた容量不足状態では、その回数を増加させる(例えば、3時、6時、9時、12時、15時、18時、21時、24時等の8回)。
【0148】
これにより、第2携帯機器30は、記憶部38の記憶容量が相対的に少なくなると、積極的に第1携帯機器20との自動相互通信を図り、第1携帯機器20側にデータを掃き出することができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、第2携帯機器30において一度取得した検出物理量情報が上書きされてしまうようなことを抑制することができ、検出した物理量を最大限有効に活用することができる。