【実施例】
【0058】
実施例1:(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−(benzyloxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物1)を製造した。
【0059】
ステップ1a、(3−クロロピラジン−2−イル)メタンアミン塩酸塩((3−chloropyrazin−2−yl)methanamine hydrochloride)(化合物102)の製造:3−クロロピラジン−2−カルボニトリル(化合物101)(6.00g、43.0mmol、1.0当量)の酢酸溶液(50mL)にラネーニッケル(4.00g)を加え、水素環境中、室温で1.5日間反応させた。反応液を濾過し、濾液をスピン乾燥し、残留物を順次、トルエン(40mL)、1N HCl(15mL)、トルエン(40mL)で回転させた。残留物をテトラヒドロフラン(30mL)で超音波によって溶解し、濾過し、フィルターケーキをスピン乾燥した後、黒い固体である(3−クロロピラジン−2−イル)メタンアミン塩酸塩(8.75g、収率:100%))を得た。LCMS(ESI):m/z 144 [M+1]
+。
【0060】
ステップ1b、ベンジル(S)−2−(((3−クロロピラジン−2−イル)メチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート(benzyl(S)−2−(((3−chloropyrazin−2−yl)methyl)carbamoyl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物104)の製造:0℃で、(3−クロロピラジン−2−イル)メタンアミン塩酸塩(化合物102)(2.48g、13.8mmol、1.0当量)のジクロロメタン溶液(80mL)に、トリエチルアミン(5.58g、55.2mmol、4.0当量)及び((ベンジルオキシ)カルボニル)−L−プロリン(化合物103)(3.43g、13.8mmol、1.0当量)を加え、0℃で15分間撹拌した。そして、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、5.50g、14.5mmol、1.05当量)を加え、反応液を0℃〜室温の温度で5分間反応させた。反応液をジクロロメタン(200mL)で希釈し、順に、塩化アンモニウム溶液(200mL×1)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200mL×1)、飽和食塩水(200mL×1)で洗った。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濾液をスピン乾燥した。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=80:1)で精製して、薄茶色油状物であるベンジル(S)−2−(((3−クロロピラジン−2−イル)メチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート(2.85g、収率:55.1%)を得た。LCMS(ESI):m/z 375 [M+1]
+。
【0061】
ステップ1c、ベンジル(S)−2−(8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(benzyl(S)−2−(8−chloroimidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物106)の製造:0℃で、ベンジル(S)−2−(((3−クロロピラジン−2−イル)メチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物104)(2.85g、7.6mmol、1.0当量)のアセトニトリル溶液(60mL)に1,3−ジメチルイミダゾリジノン(化合物105)(2.60g、22.8mmol、3.0当量)を加え、その後、オキシ塩化リン(4.66g、30.4mmol、4.0当量)をゆっくりと滴下し、反応液を0℃で5分間反応させた後、温度を室温まで回復させた。そして、窒素の保護下で、65℃まで加熱し、2日間還流させる。反応液をアンモニア−氷水(150mL−300mL)にゆっくりと入れ、15分間撹拌し、酢酸エチル(300mL×2)で抽出した後、有機相を合併してスピン乾燥した。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール= 500:6)で精製して、薄茶色油状物であるベンジル(S)−2−(8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(2.06g、収率:76.3%)を得た。LCMS(ESI):m/z 357 [M+1]
+。
【0062】
ステップ1d、ベンジル(S)−2−(1−ブロモ−8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(benzyl(S)−2−(1−bromo−8−chloroimidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物107)の製造:ベンジル(S)−2−(8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物106)(2.06g、5.8mmol、1.0当量)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(24mL)にN−ブロモスクシンイミド(1.03g、5.8mmol、1.0当量)を加え、反応液を室温で3時間反応させた。反応液を酢酸エチル(300mL)で希釈し、半飽和食塩水(300mL×3)で洗い、有機相をシリカゲルとミキシングしスピン乾燥した後、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、ピンク色の固体であるベンジル(S)−2−(1−ブロモ−8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.76g、収率:69.6%)を得た。LCMS(ESI):m/z 435 [M+1]
+。
【0063】
ステップ1e、ベンジル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(benzyl(S)−2−(8−amino−1−bromoimidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物108)の製造:密閉チューブに、ベンジル(S)−2−(1−ブロモ−8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物107)(1.76g、4.0mmol、1.0当量)と、イソプロパノール(30mL)と、アンモニア水(10mL)とを加え、窒素の保護下で、110℃まで加熱し、一晩反応させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をメタノールに溶解した後、スピン乾燥した。そして、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、白い泡状であるベンジル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.32g、収率:79.5%)を得た。LCMS(ESI):m/z 416 [M+1]
+。
【0064】
ステップ1f、(S)−1−ブロモ−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン臭化水素酸塩((S)−1−bromo−3−(pyrrolidin−2−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−8−amine hydrobromide)(化合物109)の製造:反応フラスコに、ベンジル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物108)(1.32g、3.2mmol、1.0当量)と、33%臭化水素酸の酢酸溶液(12mL)とを加え、超音波により溶解し、室温で20分間反応させた。反応液をジクロロメタン溶液(100mL)に入れ、固体を析出させ、濾過し、フィルターケーキをメタノールで3回回転させ、スピン乾燥した後、薄茶色の固体である(S)−1−ブロモ−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン臭化水素酸塩(1.16g、収率:〜100%)を得た。LCMS(ESI):m/z 282 [M+1]
+。
【0065】
ステップ1g、tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(tert−butyl(S)−2−(8−amino−1−bromoimidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物110)の製造:0℃で、(S)−1−ブロモ−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン臭化水素酸塩(化合物109)(1.16g、3.2mmol、1.0当量)のジクロロメタン溶液(30mL)にトリエチルアミン(0.81g、8.0mmol、2.5当量)を加え、更に、BOC無水物(0.72g、3.3mmol、1.05当量)のジクロロメタン溶液(5mL)をゆっくりと滴下し、反応液を0℃で25分間反応させた。反応液をジクロロメタン(150mL)で希釈し、食塩水(100mL×2)で洗い、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液をスピン乾燥した。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=80:1)で精製して、白い泡状のtert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.08g、収率:88.5%)を得た。LCMS(ESI):m/z 382 [M+1]
+。
【0066】
ステップ1h、tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(tert−butyl(S)−2−(8−amino−1−(4−(benzyloxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物301−1)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物110)(0.86g、2.3mmol、1.0当量)の1,4−ジオキサン溶液(36mL)に、4−ベンジルオキシベンゼンボロン酸(0.77g、3.4mmol、1.5当量)と、炭酸カリウム(0.95g、6.9mmol、3.0当量)の水(12mL)溶液と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(0.17g、0.23mmol、0.1当量)とを加えた。窒素の保護下で、反応液を100℃まで加熱し、一晩還流させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=60:1)で精製して、薄茶色で泡状のtert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.95g、収率:85.0%)を得た。LCMS(ESI):m/z 486 [M+1]
+。
【0067】
ステップ1i、(S)−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン((S)−1−(4−(benzyloxy)phenyl)−3−(pyrrolidin−2−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−8−amine)(化合物302−1)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物301−1)(0.95g、1.96mmol、1.0当量)のジクロロメタン溶液(20mL)にトリフルオロ酢酸(4.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を飽和炭酸ナトリウム溶液(100mL)に入れ、ジクロロメタン(100mL×4)で抽出した後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液をスピン乾燥した。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン=15:1:0.05)で精製して、淡黄色固体の(S)−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(0.57g、収率:75.4%)を得た。LCMS(ESI):m/z 386 [M+1]
+。
【0068】
ステップ1j、(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−(benzyloxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物1)の製造:0℃で、2−ブチン酸(0.14g、1.63mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(17mL)に、トリエチルアミン(0.22g、2.22mmol、1.5当量)と、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N、N、N’、N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、0.62g、1.63mmol、1.1当量)とを加え、更に、(S)−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(化合物302−1)(0.57g、1.48mmol、1.0当量)のジクロロメタン(20mL)溶液をゆっくりと滴下し、反応液を0℃で25分間反応させた。反応液をジクロロメタンで希釈し、カラムクロマトグラフィー法(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=60:1)で精製して、淡黄色固体の(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン(545mg、収率:81.3%)を得た。LCMS(ESI):m/z 452 [M+1]
+,
1HNMR(CDCl
3,500MHz):δ7.75−7.76(m,1H),7.53−7.57(m,2H),7.28−7.46(m,5H),7.05−7.10(m,3H),5.42−5.45(m,1H),5.12(s,2H),5.09−5.25(m,2H),3.82−3.91(m,2H),2.30−2.55(m,3H),2.01−2.04(m,1H),1.97(s,3H)。
【0069】
実施例2:(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−((4−(trifluoromethyl)benzyl)oxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物2)を製造した。
ステップ2a、1−ブロモ−4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ベンゼン(1−bromo−4−((4−(trifluoromethyl)benzyl)oxy)benzene)(化合物204−2)の製造:100mLのなす型フラスコに、p−トリフルオロメチルベンジルブロミド(化合物201−2)(1.20g、5mmol、1.0当量)と、p−ブロモフェノール(化合物203−2)(0.95g、5.5mmol、1.1当量)と、炭酸カリウム(1.38g、10mmol、2.0当量)と、アセトニトリル(50mL)とを加え、加熱し、3時間還流させた。反応液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=20:1)で精製して、無色固体の1−ブロモ−4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ベンゼン(1.60g、収率:97.0%)を得た。
【0070】
ステップ2b、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(4,4,5,5−tetramethyl−2−(4−((4−(trifluoromethyl)benzyl)oxy)phenyl)−1,3,2−dioxaborolane)(化合物206−2)の製造:1−ブロモ−4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)ベンゼン(204−2)(1.60g、4.80mmol、1.0当量)の1,4−ジオキサン溶液(500mL)に、ビス(ピナコラト)ジボロン(化合物205)(1.35g、5.30mmol、1.1当量)と、酢酸カリウム(0.98g、9.60mmol、2.0当量)と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(0.37g、0.50mmol、0.1当量)とを加え、窒素の保護下で、反応液を100℃まで加熱し、一晩還流させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=20:1)で精製して、無色固体の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(1.32g、収率:73%)を得た。
【0071】
ステップ2c、tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(tert−butyl(S)−2−(8−amino−1−(4−((4−(trifluoromethyl)benzyl)oxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物301−2)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物110)(0.08g、0.21mmol、1.0当量)の1,4−ジオキサン溶液(12mL)に、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(化合物206−2)(0.119g、0.31mmol、1.5当量)と、炭酸カリウム(0.087g、0.63mmol、3.0当量)の水溶液(3mL)と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(0.015g、0.02mmol、0.1当量)とを加えた。窒素の保護下で、反応液を100℃まで加熱し、一晩還流させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=40:1)で精製して、薄茶色泡状のtert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.100g、収率:86.0%)を得た。LCMS(ESI):m/z 554 [M+1]
+。
【0072】
ステップ2d、(S)−3−(ピロリジン−2−イル)−1−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン((S)−3−(pyrrolidin−2−yl)−1−(4−((4−(trifluoromethyl)benzyl)oxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−8−amine)(化合物302−2)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(301−2)(0.10g、0.18mmol、1.0当量)のジクロロメタン溶液(10mL)にトリフルオロ酢酸(2.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を飽和炭酸ナトリウム溶液(100mL)に入れ、ジクロロメタン(100mL×4)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液をスピン乾燥した。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン=15:1:0.05)で精製して、淡黄色固体の(S)−3−(ピロリジン−2−イル)−1−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(0.065g、収率:80.0%)を得た。LCMS(ESI):m/z 454 [M+1]
+。
【0073】
ステップ2e、(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−((4−(trifluoromethyl)benzyl)oxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物2)の製造:0℃で、2−ブチン酸(0.013g、0.154mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(10mL)に、トリエチルアミン(0.021g、0.21mmol、1.5当量)と、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、0.059g、0.154mmol、1.1当量)とを加え、更に(S)−3−(ピロリジン−2−イル)−1−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(化合物302−2)(0.065g、0.14mmol、1.0当量)のジクロロメタン(5mL)溶液をゆっくりと滴下し、反応液を0℃で25分間反応させた。反応液をジクロロメタンで希釈し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、無色固体の(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−((4−(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン(50mg、収率:69.0%)を得た。LCMS(ESI):m/z 520 [M+1]
+,
1HNMR(CDCl
3,500MHz):δ7.78−7.77(d,1H),7.67−7.65(d,2H),7.58−7.54(t,4H),7.09−7.00(m,3H),5.42−5.39(m,1H),5.19(s,2H),5.09−5.25(m,2H),3.91−3.82(m,2H),2.55−2.31(m,3H),2.07−2.01(m,1H),2.00(s,3H)。
【0074】
実施例3:(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−((4−fluorobenzyl)oxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物3)を製造した。
【0075】
ステップ3a、1−ブロモ−4−((4−フルオロベンジル)オキシ)ベンゼン(1−bromo−4−((4−fluorobenzyl)oxy)benzene)(化合物204−3)の製造:反応フラスコに、p−ブロモフェノール(化合物203−2)(0.60g、3.47mmol、1.3当量)のアセトニトリル(12mL)溶液を加え、更に炭酸カリウム(0.74g、5.34mmol、2.0当量)と、4−フルオロベンジルブロミド(化合物201−3)(0.50g、2.67mmol、1.0当量)とを加え、窒素の保護下で、反応液を80℃まで加熱し、3.5時間還流させた。反応液をスピン乾燥し、残留物を酢酸エチル(100mL)で溶解し、水(100mL)で洗い、有機相をシリカゲルとミキシングしてスピン乾燥した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル)で精製して、白い固体の1−ブロモ−4−((4−フルオロベンジル)オキシ)ベンゼン(0.92g、収率:〜100%)を得た。
【0076】
ステップ3b、2−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2−(4−((4−fluorobenzyl)oxy)phenyl)−4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaborolane)(化合物206−3)の製造:1−ブロモ−4−((4−フルオロベンジル)オキシ)ベンゼン(化合物204−3)(0.92g、3.27mmol、1.0当量)の1,4−ジオキサン溶液(30mL)に、ビス(ピナコラト)ジボロン(化合物205)(1.00g、3.93mmol、1.2当量)と、酢酸カリウム(0.80g、8.18mmol、2.5当量)と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(0.24g、0.33mmol、0.1当量)とを加えた。窒素の保護下で、反応液を100℃まで加熱し、一晩還流させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=50:1)で精製して、淡黄色油状物の2−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.95g、収率:88.8%)を得た。
【0077】
ステップ3c、tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(tert−butyl(S)−2−(8−amino−1−(4−((4−fluorobenzyl)oxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物301−3)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物110)(0.15g、0.39mmol、1.0当量)の1,4−ジオキサン溶液(9mL)に、2−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(化合物206−3)(0.18g、0.55mmol、1.4当量)と、炭酸カリウム(0.16g、1.17mmol、3.0当量)の水(3mL)溶液と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(0.03g、0.04mmol、0.1当量)とを加えた。窒素の保護下で、反応液を100℃まで加熱し、5時間還流させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=80:1)で精製して、薄茶色固体のtert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.21g、収率:〜100%)を得た。LCMS(ESI):m/z 504 [M+1]
+。
【0078】
ステップ3d、(S)−1−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン((S)−1−(4−((4−fluorobenzyl)oxy)phenyl)−3−(pyrrolidin−2−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−8−amine)(化合物302−3)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物301−3)(0.21g、0.42mmol、1.0当量)のジクロロメタン溶液(10mL)にトリフルオロ酢酸(2.0mL)を加え、室温で50分間撹拌した。反応液を飽和炭酸ナトリウム水溶液(100mL)に入れ、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液をスピン乾燥した後、薄層クロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=5:1)で精製して、薄茶色固体の(S)−1−(4 −((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(0.12g、収率:70.6%)を得た。LCMS(ESI):m/z 404 [M+1]
+。
【0079】
ステップ3e、(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−((4−fluorobenzyl)oxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物3)の製造:0℃で、2−ブチン酸(0.03g、0.33mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(5mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.06g、0.45mmol、1.5当量)と、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、0.13g、0.33mmol、1.1当量)とを加え、更に、(S)−1−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(化合物302−3)(0.12g、0.30mmol、1.0当量)のジクロロメタン(10mL)溶液をゆっくりと滴下し、反応液を0℃で15分間反応させた。反応液をジクロロメタンで希釈し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=30:1)で精製して得た粗生成物を、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、淡黄色固体の(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン(75mg、収率:53.6%)を得た。LCMS(ESI):m/z 470 [M+1]
+,
1HNMR(CDCl
3,500MHz):δ7.75−7.77(m,1H),7.54−7.58(m,2H),7.41−7.44(m,2H),7.03−7.11(m,5H),5.41−5.44(m,1H),5.08(s,2H),3.78−3.94(m,2H),2.50−2.55(m,1H),2.29−2.35(m,1H),1.98−2.07(m,2H),1.93(s,3H)。
【0080】
実施例4:(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−(pyridin−2−ylmethoxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物5)を製造した。
【0081】
ステップ4a、2−((4−ブロモフェノキシ)メチル)ピリジン(2−((4−bromophenoxy)methyl)pyridine)(化合物204−5)の製造:0℃で、p−ブロモフェノール(化合物203−2)(1.00g、5.78mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)に、2−ピリジンメタノール(化合物202−5)(0.63g、5.78mmol、1.0当量)と、トリフェニルホスフィン(1.67g、6.36mmol、1.1当量)とを加え、窒素の保護下で、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD、1.29g、6.36mmol、1.1当量)を更に滴下し、反応液を室温で2時間反応させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製して、無色固体の2−((4−ブロモフェノキシ)メチル)ピリジン(1.87g、収率:〜100%)を得た。LCMS(ESI):m/z 264 [M+1]
+。
【0082】
ステップ4b、2−((4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)メチル)ピリジン(2−((4−(4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaborolan−2−yl)phenoxy)methyl)pyridine)(化合物206−5)の製造:2−((4−ブロモフェノキシ)メチル)ピリジン(204−5)(1.87g、7.08mmol、1.0当量)の1,4−ジオキサン溶液(60mL)に、ビス(ピナコラト)ジボロン(化合物205)(2.16g、8.50mmol、1.2当量)と、酢酸カリウム(1.74g、17.70mmol、2.5当量)と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(0.52g、0.71mmol、0.1当量)とを加え、窒素の保護下で、反応液を100℃まで加熱し、一晩還流させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製して、淡黄色油状物の2−((4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)メチル)ピリジン(1.88g、収率:85.5%)を得た。
【0083】
ステップ4c、tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(tert−butyl(S)−2−(8−amino−1−(4−(pyridin−2−ylmethoxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物301−5)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物110)(0.25g、0.65mmol、1.0当量)の1,4−ジオキサン溶液(9mL)に、2−((4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)メチル)ピリジン(化合物206−5)(0.28g、0.92mmol、1.4当量)と、炭酸カリウム(0.27g、1.95mmol、3.0当量)の水(3mL)溶液と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(0.05g、0.07mmol、0.1当量)とを加え、窒素の保護下で、反応液を100℃まで加熱し、一晩還流させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=30:1)で精製して、薄茶色泡状のtert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.28g、収率:87.5%)を得た。LCMS(ESI):m/z 487 [M+1]
+。
【0084】
ステップ4d、(S)−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン((S)−1−(4−(pyridin−2−ylmethoxy)phenyl)−3−(pyrrolidin−2−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−8−amine)(化合物302−5)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物301−5)(0.28g、0.58mmol、1.0当量)のジクロロメタン溶液(10mL)にトリフルオロ酢酸(3.0mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を飽和炭酸ナトリウム水溶液(100mL)に入れ、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液をスピン乾燥した。そして、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン=15:1:0.1)で精製して、薄茶色泡状の(S)−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(0.21g、収率:95.1%)を得た。LCMS(ESI):m/z 387 [M+1]
+。
【0085】
ステップ4e、(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−(pyridin−2−ylmethoxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物5)の製造:0℃で、2−ブチン酸(0.05g、0.60mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(6mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.10g、0.81mmol、1.5当量)と、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、0.23g、0.60mmol、1.1当量)とを加え、(S)−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(化合物302−5)(0.21g、0.54mmol、1.0当量)のジクロロメタン(10mL)溶液を更にゆっくりと滴下し、反応液を0℃で15分間反応させた。反応液をジクロロメタンで希釈し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=30:1)で精製して、薄茶色泡状の(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン(223mg、収率:92.6%)を得た。LCMS(ESI):m/z 453 [M+1]
+,
1HNMR(CDCl
3,500MHz):δ8.61−8.62(m,1H),7.71−7.75(m,2H),7.52−7.57(m,3H),7.23−7.30(m,1H),7.04−7.12(m,3H),5.42−5.45(m,1H),5.27(s,2H),3.68−3.89(m,2H),2.51−2.54(m,2H),2.31−2.32(m,1H),2.03−2.05(m,1H),1.97(s,3H)。
【0086】
実施例5:(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1)−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−((4−fluoropyridin−2−yl)methoxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物6)を製造した。
【0087】
ステップ5a、2−(ブロモメチル)−4−フルオロピリジン(2−(bromomethyl)−4−fluoropyridine)(化合物201−6)の製造:反応フラスコに、2−メチル−4−フルオロピリジン(0.4g、3.60mmol、1.0当量)と、NBS(0.64g、3.60mmol、1.0当量)と、AIBN(59mg、0.36mmol、0.1当量)と、四塩化炭素(8mL)とを加え、80℃まで加熱し、一晩反応させた。反応液をスピン乾燥した後、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=20:1)で精製して、淡黄色油状液体の2−(ブロモメチル)−4−フルオロピリジン(0.152g、収率:22%)を得た。LCMS(ESI):m/z 190 [M+1]
+。
【0088】
ステップ5b、2−(4−ブロモフェノキシメチル)−4−フルオロピリジン(2−((4−bromophenoxy)methyl)−4−fluoropyridine)(化合物204−6)の製造:反応フラスコに、p−ブロモフェノール(化合物203−2)(0.138g、0.8mmol、1.0当量)と、2−(ブロモメチル)−4−フルオロピリジン(化合物201−6)(0.152g、0.8mmol、1.0当量)と、炭酸カリウム(0.166g、1.2mmol、1.2当量)と、アセトニトリル(8mL)とを加え、80℃まで加熱し、1.5時間反応させた。反応液をスピン乾燥した後、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製して、淡黄色固体の2−(4−ブロモフェノキシメチル)−4−フルオロピリジン(0.224g、収率:99%)を得た。LCMS(ESI):m/z 282 [M+1]
+。
【0089】
ステップ5c、4−(4−フルオロピリジン−2−メトキシ)ベンゼンボロン酸ピナコールエステル(
4−(4−fluoropyridine−2−methoxy)benzyl boronic acid pinacol ester)(化合物206−6)の調製:2−(4−ブロモフェノキシメチル)−4−フルオロピリジン(化合物204−6)(0.224g、0.794mmol、1.0当量)と、ビス(ピナコラト)ジボロン(化合物205)(0.222g、0.874mmol、1.1当量)とを、ジオキサン(6mL)に溶解した後、酢酸カリウム(0.234g、2.38mmol、3.0当量)と、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(0.058g、0.079mmol、0.1当量)とを加えた。窒素で3回置換した後、100℃で一晩反応させた。反応が完了した後、濃縮して粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製して、淡黄色固体の4−(4−フルオロピリジン−2−メトキシ)ベンゼンボロン酸ピナコールエステル(0.20g、収率:77%)を得た。LCMS(ESI):m/z 330 [M+1]
+。
【0090】
ステップ5d、tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(tert−butyl(S)−2−(8−amino−1−(4−((4−fluoropyridin−2−yl)methoxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物301−6)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモ)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物110)(0.095g、0.248mmol、1.0当量)と、4−(4−フルオロピリジン−2−メトキシ)ベンゼンボロン酸ピナコールエステル(化合物206−6)(0.098g、0.298mmol、1.2当量)とを、ジオキサン(6mL)及び水(2mL)に溶解した後、炭酸カリウム(0.103g、0.744mmol、3.0当量)と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(18mg、0.025mmol、0.1当量)とを加えた。窒素で3回置換した後、100℃で10時間反応させた。反応が完了した後、濃縮して粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=30:1)で精製して、淡黄色固体のtert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.12g、収率:96%)を得た。LCMS(ESI):m/z 505[M+1]
+。
【0091】
ステップ5e、(S)−1−(4−((4−フルオロピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン((S)−1−(4−((4−fluoropyridin−2−yl)methoxy)phenyl)−3−(pyrrolidin−2−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−8−amine)(化合物302−6)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物301−6)(0.12g、0.238mmol、1.0当量)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加えた後、室温で0.5時間反応させた。反応混合液をジクロロメタン(50mL)で希釈し、順に飽和炭酸ナトリウム溶液(30mL×2)及び飽和食塩水(20mL)で洗い、次いで有機相をシリカゲルとミキシングしスピン乾燥した後、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン=100:10:1)で精製して、淡黄色固体の(S)−1−(4−((4−フルオロピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(95mg、収率:99%)を得た。LCMS(ESI):m/z 405[M+1]
+。
【0092】
ステップ5f、(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−((4−fluoropyridin−2−yl)methoxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物6)の製造:(S)−1−(4−((4−フルオロピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(化合物302−6)(95mg、0.235mmol、1.0当量)と、2−ブチン酸(22mg、0.258mmol、1.1当量)と、HATU(98mg、0.258mmol、1.1当量)と、炭酸カリウム(49mg、0.353mmol、1.5当量)とを、N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解した後、0℃で0.5時間反応させた。反応液を水(20mL)で希釈し、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、灰色固体の(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−((4−フルオロピリジン−2−イル)メトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン(18mg、収率:16%)を得た。融点:162.3−165.1℃。LCMS(ESI):m/z 471[M+1]
+,
1HNMR(DMSO−d
6,500MHz):δ8.66−8.62(m,1H),7.79−7.72(m,1H),7.54−7.44(m,3H),7.34−7.30(m,1H),7.18(d,J=9.0Hz,2H),7.08−7.03(m,1H),6.03−5.97(m,2H),5.69−5.43(m,1H),5.27(s,2H),3.82−3.79(m,1H),3.58−3.55(m,1H),2.40−2.08(m,3H),2.03−1.94(m,4H)。
【0093】
実施例6:(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(6−(benzyloxy)pyridin−3−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物9)を製造した。
【0094】
ステップ6a、2−(ベンジルオキシ)−5−ブロモピリジン(2−(benzyloxy)−5−bromopyridine)(化合物204−9)の製造:0℃で、水素化ナトリウム(1.04g、26.0mmol、1.3当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)溶液にベンジルアルコール(2.59g、24.0mmol、1.2当量)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した後、2,5−ジブロモピリジン(4.74g、20mmol、1.0当量)を加え、反応液を室温で一晩反応させた。反応液を酢酸エチル(300mL)で希釈し、半飽和食塩水(300mL×4)で洗い、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を石油エーテルで3回回転させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=200:1)で精製して、無色油状物である2−(ベンジルオキシ)−5−ブロモピリジン(3.76g、収率:71.2%)を得た。LCMS(ESI):m/z 264 [M+1]
+。
【0095】
ステップ6b、2−(ベンジルオキシ)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2−(benzyloxy)−5−(4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaborolan−2−yl)pyridine)(化合物206−9)の製造:2−(ベンジルオキシ)−5−ブロモピリジン(204−9)(3.76g、14.2mmol、1.0当量)の1,4−ジオキサン溶液(50mL)に、ビス(ピナコラト)ジボロン(化合物205)(4.34g、17.1mmol、1.2当量)と、酢酸カリウム(3.48g、35.5mmol、2.5当量)と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(1.16g、1.4mmol、0.1当量)とを加え、窒素の保護下で、反応液を100℃まで加熱し、一晩還流させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:ジクロロメタン=2:1)で精製して、白い固体の2−(ベンジルオキシ)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2.63g、収率:59.5%)を得た。LCMS(ESI):m/z 312 [M+1]
+。
【0096】
ステップ6c、tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(tert−butyl(S)−2−(8−amino−1−(6−(benzyloxy)pyridin−3−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物301−9)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物110)(0.25g、0.65mmol、1.0当量)の1,4−ジオキサン溶液(9mL)に、2−(ベンジルオキシ)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(化合物206−9)(0.41g、1.31mmol、2.0当量)と、炭酸カリウム(0.27g、1.95mmol、3.0当量)の水(3mL)溶液と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(0.05g、0.07mmol、0.1当量)とを加え、窒素の保護下で、反応液を100℃まで加熱し、4時間還流させた。反応液をスピン乾燥し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製して、薄茶色泡状のtert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.25g、収率:79.1%)を得た。LCMS(ESI): m/z 487 [M+1]
+。
【0097】
ステップ6d、(S)−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン((S)−1−(6−(benzyloxy)pyridin−3−yl)−3−(pyrrolidin−2−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−8−amine)(化合物302−9)の製造:tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物301−9)(0.25g、0.51mmol、1.0当量)のジクロロメタン溶液(10mL)にトリフルオロ酢酸(3.0 mL)を加え、室温で50分間撹拌した。反応液を飽和炭酸ナトリウム水溶液(100mL)に入れ、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液をスピン乾燥した。そして、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン=15:1:0.05)で精製して粗生成物(0.15g)を得て、分取クロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=5:1)で精製して、白い固体の(S)−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(0.14g、収率:71.1%)を得た。LCMS(ESI):m/z 387 [M+1]
+。
【0098】
ステップ6e、(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(6−(benzyloxy)pyridin−3−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物9)の製造:0℃で、2−ブチン酸(0.034g、0.40mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(4mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.07g、0.54mmol、1.5当量)と、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.15g、0.40mmol、1.1当量)とを加え、(S)−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(化合物302−9)(0.14g、0.36mmol、1.0当量)のジクロロメタン(11mL)溶液を更にゆっくりと滴下し、反応液を0℃で15分間反応させた。反応液をジクロロメタンで希釈し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=30:1)で精製して、白い固体の(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン(140mg、収率:85.9%)を得た。LCMS(ESI):m/z 453 [M+1]
+;
1HNMR(CDCl
3,500MHz):δ8.42−8.43(m,1H),7.77−7.89(m,2H),7.33−7.49(m,5H),6.91−7.13(m,2H),5.42−5.46(m,3H),3.68−3.90(m,2H),2.01−2.53(m,4H),1.97(s,3H)。
【0099】
実施例7:(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−フェネトキシフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−phenethoxyphenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物17)を製造した。
【0100】
ステップ7a、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−フェネトキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(4,4,5,5−tetramethyl−2−(4−phenethoxyphenyl)−1,3,2−dioxaborolane)(化合物206−17)の製造:反応フラスコに、4−ヒドロキシフェニルボロン酸ピナコールエステル(1.1g、5.0mmol、1.0当量)と、フェネチルアルコール(化合物202−17)(0.6g、5.0mmol、1.0当量)と、トリフェニルホスフィン(3.93g、15.0mmol、3.0当量)と、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.87g、16.5mol、3.5当量)とを加え、室温で4時間反応させた。反応液をジクロロメタン(50mL)で希釈し、半飽和食塩水(50mL×3)で洗い、有機相をシリカゲルとミキシングしてスピン乾燥した後、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:n−ヘキサン=1:2)で精製して、ピンク色固体の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−フェネトキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(0.9g、収率56.2%)を得た。LCMS(ESI):m/z 326[M+1]
+。
【0101】
ステップ7b、(S)−tert−ブチル−2−(8−アミノ−1−(4−フェネトキシフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート((S)−tert−butyl−2−(8−amino−1−(4−phenethoxyphenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidine−1−carboxylate)(化合物301−17)の製造:反応フラスコに、tert−ブチル(S)−2−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物110)(0.58g、1.5mmol、1.0当量)と、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−フェネトキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(化合物206−17)(0.58g、1.8mmol、1.2当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.17g、0.15mmol、0.1当量)と、炭酸ナトリウム(0.32g、3mol、2.0当量)と、1,4−ジオキサン(10mL)と、水(3mL)とを加え、油浴で80℃にし一晩反応させた。反応液をジクロロメタン(100mL)で希釈し、飽和食塩水(50mL×3)で洗い、有機相をスピン乾燥した後、カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル:シクロヘキサン=2:1)で精製して、黄色固体の(S)−tert−ブチル−2−(8−アミノ−1−(4−フェネトキシフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.6g、収率:80.0%)を得た。LCMS(ESI):m/z 500[M+1]
+。
【0102】
ステップ7c、(S)−1−(3−(4−フェネトキシフェニル)−ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン((S)−1−
(3−(4−phenethoxyphenyl)
−pyrrolidin−2−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−8−amine)(化合物302−17)の調製:反応フラスコに、(S)−tert−ブチル−2−(8−アミノ−1−(4−フェネトキシフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(301−17)(0.6g、1.2mmol、1.0当量)と、トリフルオロ酢酸(15mL)と、ジクロロメタン(20mL)とを加え、室温で1時間反応させた。反応液をジクロロメタン(100mL)で希釈し、pHを飽和炭酸水素ナトリウムで中性或いは弱アルカリ性に調整し、有機相をスピン乾燥した後、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、黄色固体である(S)−1−(3−(4−フェネトキシフェニル)−ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(0.4g、収率:83.3%)を得た。LCMS(ESI):m/z 500[M+1]
+。
【0103】
ステップ7d、(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−フェネトキシフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−phenethoxyphenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)but−2−yn−1−one)(化合物17)の製造:反応フラスコに、(S)−1−(3−(4−フェネトキシフェニル)−ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(化合物302−17)(0.40g、1.0mmol、1.0当量)と、プロピオール酸(0.084g、1.0mmol、1.0当量)と、HATU(0.46g、1.2mol、1.2当量)と、DIEA(0.26g、2.0mmol、2.0当量)と、ジクロロメタン(10mL)とを加え、氷水浴で15分間反応させた。反応液をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して、類白色の固体の(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−フェネトキシフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン(200mg、収率:43%)を得た。融点:91−93℃。LCMS(ESI):m/z 466[M+1]
+,
1HNMR(DMSO−d6,600MHz):δ7.76(d,J=5Hz,1H),δ7.71(d,J=5Hz,1H),δ7.46(m,5H),7.33(m,10H),7.22(t,J=7Hz,2H),7.05(m,6H),7.02(d,J=5Hz,1H),5.90(m,5H),5.65(s,1H),5.42(s,1H),4.25(m,5H),3.77(m,3H),3.06(m,5H),2.00(s,5H),1.62(s,3H)。
【0104】
実施例8:(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−(benzyloxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)prop−2−en−1−one)(化合物21)を製造した。
【0105】
(S)−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(化合物302−1)(161mg、0.418mmol、1.0当量)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、氷水浴で0℃まで冷却した。塩化アクリロイル(35mg、0.418mmol、1.0当量)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解した後、一滴ずつ加えた。滴下が完了した後、0℃で10分間反応させた。反応が完了した後、濃縮して粗生成物を得て、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=30:1)で精製して、白い固体の(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(35mg、収率:19%)を得た。融点:100.2−103.1℃。LCMS(ESI):m/z 440[M+1]
+,
1HNMR(CDCl
3,500MHz):δ7.79(d,J=6.5Hz,1H),7.55−7.52(m,2H),7.46−7.26(m,5H),7.08−7.06(m,3H),6.49−6.43(m,1H),6.35−6.31(m,1H),5.69−5.66(m,1H),5.49−5.33(m,2H),5.12(s,2H),3.92−3.87(m,1H),3.76−3.70(m,1H),2.69−2.61(m,1H),2.50−2.43(m,1H),2.35−1.98(m,3H)。
【0106】
実施例9:(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(6−(benzyloxy)pyridin−3−yl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)prop−2−en−1−one)(化合物25)を製造した。
【0107】
0℃で、アクリル酸(0.04g、0.59mmol、1.1当量)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5mL)に、4−ジメチルアミノピリジン(0.18g、1.47mmol、3.0当量)と、1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.14g、0.74mmol、1.5当量)とを加え、それに、(S)−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(化合物302−9)(0.19g、0.49mmol、1.0当量)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(7mL)をゆっくりと滴下し、反応液を0℃で15分間反応させた後、N,N−ジメチルホルムアミド溶液(8mL)を加え、反応液を室温で7時間反応させた。反応液を酢酸エチル(200mL)で希釈し、半飽和食塩水(200mL×3)で洗った。有機相をそれぞれ2%酢酸溶液(100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗った。水相のpHを約7に調整して、得た有機相を酢酸エチル(100mL)で抽出して飽和食塩水(100mL)で洗った。有機相を合併、スピン乾燥し、メタノールで再結晶させた。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して粗生成物(30mg)を得て、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、白い固体の(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(23mg、収率:10.7%)を得た。LCMS(ESI):m/z 441 [M+1]
+,
1HNMR(CDCl
3,500MHz):δ8.42−8.43(m,1H),7.81−7.88(m,2H),7.33−7.49(m,5H),7.11−7.12(m,1H),6.91−6.93(m,1H),6.31−6.50(m,2H),5.67−5.70(dd,1H),5.47−5.50(m,1H),5.10−5.43(m,4H),3.88−3.92(m,1H),3.73−3.75(m,1H),2.42−2.45(m,1H),2.29−2.34(m,1H),1.99−2.14(m,2H)。
【0108】
実施例10:(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン((S)−1−(2−(8−amino−1−(4−(pyridin−2−ylmethoxy)phenyl)imidazo[1,5−a]pyrazin−3−yl)pyrrolidin−1−yl)prop−2−en−1−one)(化合物29)を製造した。
【0109】
0℃で、アクリル酸(0.03g、0.48mmol、1.1当量)のジクロロメタン溶液(10mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.11g、0.66mmol、1.5当量)と、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.18g、0.48mmol、1.1当量)とを加えた。そして、(S)−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−3−(ピロリジン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(化合物302−5)(0.17g、0.44mmol、1.0当量)のジクロロメタン(20mL)及びテトラヒドロフラン(10mL)の混合溶液をゆっくりと滴下し、反応液を0℃で15分間反応させた。反応液をジクロロメタンで希釈し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製して粗生成物(90mg)を得て、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=8:1)で精製して、淡黄色固体の(S)−1−(2−(8−アミノ−1−(4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(60mg、収率:30.9%)を得た。LCMS(ESI):m/z 441 [M+1]
+,
1HNMR(CDCl
3,500MHz):δ8.61−8.62(m,1H),7.71−7.79(m,2H),7.47−7.55(m,3H),7.23−7.25(m,1H),7.05−7.11(m,3H),6.31−6.50(m,2H),5.66−5.69(dd,1H),5.46−5.49(m,1H),5.30(s,4H),3.88−3.91(m,1H),3.70−3.76(m,1H),2.61−2.66(m,1H),2.44−2.48(m,1H),2.05−2.14(m,2H)。
【0110】
実施例1−10の製造方法により、本発明は、下記の化合物を更に合成した。
【化20】
【化21】
【0111】
実施例11 生物活性試験
一、BTK酵素活性阻害試験
1、実験方法
キャリパー移動度シフトアッセイ (Caliper mobility shift assay)を用いて、BTKプロテインキナーゼの活性を測定した(J Biomol Screen 14:31,2009参照)。本発明の化合物をDMSOで溶解した後、キナーゼ緩衝液(50mM HEPES−pH7.5、0.0015% Brij−35、10mM MgCl
2、2mM DTT)で10倍希釈した。384ウェルプレートに、10%のDMSOで溶解され終濃度の5倍の化合物を5μl入れ、化合物無しのコントロールウェル及び酵素活性無しのコントロールウェルには、それぞれ10%のDMSOを5μl入れた。終濃度の2.5倍のBTK酵素溶液(BTK,Cat.No.08−080,Carna)を10μl加えて、化合物と混合させた後、室温で10分間インキュベートした。うち、酵素活性無しのコントロールウェルには、キナーゼ緩衝液を10μl入れた。そして、2.5倍終濃度の基質FAM−labeled SRCtide peptide (Biochem, Cat.No.112394)及びATP(90μM)の基質溶液を10μl加えた後、反応を開始させた。その後、室温で10分間インキュベートした。28℃で1時間インキュベートした後、25μlの停止液(100mM HEPES、pH7.5、0.015% Brij−35、0.2% Coating Reagent #3、50mM EDTA)を加えて反応を停止させた。Caliper EZ Reader (Caliper Life Sciences)でコンバージョン率データを読み出し、阻害率を計算した。計算式は、阻害率%=(max−コンバージョン率)/(max−min)×100%とする。
【0112】
2、実験結果
本発明による化合物は、BTK活性を強く阻害することができる。BTKアッセイにおける、本発明の代表的な化合物の活性は表1に示されている。これらのアッセイにおいて、下記のレベルが適用されている:IC
50に対して、I>750nM、750nM
>II>300nM、300nM
>III>100nM、IV
<100nM。
【表1】
【0113】
二、非特異的なキナーゼEGFR、Tec、Txk、ITK阻害試験
1、実験方法
(1)EGFR活性阻害試験
キャリパー移動度シフトアッセイ (Caliper mobility shift assay)を用いて、Km ATPで、EGFR T790M/L858Rプロテインキナーゼ活性を測定した(J Biomol Screen 14:31,2009参照)。
実験方法:試験対象化合物をDMSOで溶解した後、キナーゼ緩衝液(50mM HEPES−pH7.5、0.0015% Brij−35、10mM MgCl
2、2mM DTT)で希釈した。384ウェルプレートに、10%のDMSOで溶解され終濃度の5倍となった化合物を5μl入れ、化合物無しのコントロールウェルに10%のDMSOを5μl入れ、酵素活性無しのコントロールウェルにキナーゼ緩衝液を5μl入れた。2.5倍希釈されたEGFR(Cama,Cat.No 08−115,Lot.13−CBS−0005M)酵素溶液を10μl加えた後、室温で10分間インキュベートした。その後、2.5倍希釈された基質溶液Peptide FAM−P22(GL Biochem,Cat.No.112393,Lot.No.P130408−ZB112393)を10μl加えた。28℃で60分間インキュベートした後、停止液(100mM HEPES、pH7.5、0.015% Brij−35、0.2% Coating Reagent #3、50m MEDTA)を25μl加えて反応を停止させた。Caliper EZ Reader (Caliper Life Sciences)でコンバージョン率データを読み出した。コンバージョン率を阻害率データに変換した。
【0114】
化合物濃度と阻害率をそれぞれ横、縦座標として、曲線を描いた。XLFit excel add−in version 4.3.1というソフトウェアを用いて曲線をフィッティングし、C
50を計算した。阻害率%=(max−コンバージョン率)/(max−min)×100%とする。ここで、maxは、化合物無しのDMSOコントロールウェルでのコンバージョン率を指し、minは、酵素活性無しのコントロールウェルでのコンバージョン率を指す。
【0115】
(2)Tec、Txk、ITK活性阻害試験
ヒトTec、Txk、ITKに対する化合物の阻害活性試験は、Eurofins Pharma Discovery Services UK Limited(UK)によって行われた。Km ATPで、放射性プロテインキナーゼの方法によって測定された。反応前に、キナーゼを緩衝液(20mM MOPS、1mM EDTA、0.01%Brij−35、5%Glycerol、0.1% 6−mercaptoethanol、1mg/mL BSA)で希釈した。化合物を、終濃度の50倍となるように、100%のDMSOで溶解した。
【0116】
ITK反応液は8mMのMOPS(pH7.0)、0.2mMのEDTA、0.33mg/mLのミエリン塩基性蛋白(myelin basic protein)、10mMの酢酸マグネシウム、及び[−−
33P]−ATP(約500cpm/pmol)を含むが、ATPマグネシウムを200μM加えて混合した後、反応を開始させ、室温で40分間インキュベートした。その後、3%リン酸溶液を加えて反応を停止させた。10μlの反応液をP30濾過膜に載置し、75mMのリン酸で5分間洗い、メタノールで一回乾燥した後、シンチレーション・カウンターで計数した。
【0117】
活性化型Tec反応液は8mMのMOPS(pH7.0)、0.2mMのEDTA、1mMのNa
3VO
4、5mMのNa−6−グリセロリン酸と、400μMのEFPIYDFLPAKKK、10mMの酢酸マグネシウム、及び[−−
33P]−ATP(約500cpm/pmol)を含むが、120μMのATPマグネシウムを加えて混合した後、反応を開始させ、室温で40分間インキュベートした。その後、3%リン酸溶液を加えて反応を停止させた。10μlの反応液をP30濾過膜に載置し、75mMのリン酸で5分間洗い、メタノールで一回乾燥した後、シンチレーション・カウンターで計数した。
【0118】
TxK反応液は8mMのMOPS(pH7.0)、0.2mMのEDTA、250μMのGEEPLYWSFPAKKK、10mM酢酸マグネシウム、及び[−−
33P]−ATP(約500cpm/pmol)を含むが、200μMのATPマグネシウムを加えて混合した後、反応を開始させ、室温で40分間インキュベートした。その後、3%リン酸溶液を加えて反応を停止させた。10μlの反応液をP30濾過膜に載置し、75mMのリン酸で5分間洗い、メタノールで一回乾燥した後、シンチレーション・カウンターで計数した。
【0119】
2、実験結果
EGFRに対する化合物の阻害活性は表2に示されている。第一世代のBTK阻害剤であるイブルチニブは、活性が極めて高いEGFR阻害剤であり、非選択的に野生型EGFRを阻害する。それゆえ、該薬物はヒトの消化管副作用及び皮膚の丘疹などを引き起こすことになり得る。第二世代のEGFR阻害剤であるACP−196は、Y1068及びY1173部位でのEGFRのリン酸化を影響しないため、高濃度の場合、EGFRに対する阻害は明らかでない。ACP−196と同様に、化合物1は、EGFRを阻害せず、EGFR阻害に関連する毒性副作用を引き起こす可能性が低い。
【表2】
【0120】
Itk、Tec及びTxkに対する化合物1及びACP−196の阻害活性は表3に示される。第一世代のBTK阻害剤であるイブルチニブは、BTKに対する阻害は非特異的であり、EGFRを阻害することに加えて、ITK、Tec及びTxkなどのキナーゼの活性をも強く阻害する(Byrd J.C. et al. N Engl J Med 374:323,2016)。第二世代のBTK阻害剤であるACP−196は、ITK、Tec及びTxkに対する阻害が明らかでないため、血小板と免疫機能を維持する他の肝心な分子経路を乱すことなく、BTK経路を選択的に遮断することができるから、がん治療に伴ういくつかの有害反応を回避又は減少することができる。ACP−196と同様に、化合物1は、ITK、Tec及びTxKに対する阻害活性が低い。
【表3】
【0121】
三、腫脹細胞増殖抑制実験
1、実験方法
CellTiter−Glo発光細胞生存率アッセイキット(Promega,#G7572,Madison,WI)を用いてアデノシン三リン酸(ATP)の含有量を測定することにより、細胞の活力を評価した。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞株TMD−8とHCC827 NSCL細胞株は、中国上海復旦BS細胞資源中心とアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection,ATCC)から購入されたものである。細胞を細胞培養プレートからパンクレアチンで剥離させ、DPBS培地で再懸濁させた後、Scepter自動セルカウンター(Millipore,#PHCC00000)を用いて細胞密度を測定した。細胞を44,000個/mLの細胞溶液に希釈した。密度調整後の細胞溶液を、90μL/ウェルで細胞アッセイプレートに入れた。ウェルプレートを37℃の5%CO
2インキュベーターで24時間培養した後、濃度が異なる試験対象化合物を加えた。細胞を、10%のウシ胎児血清の存在下で、化合物とともに72時間培養した。CellTiter−Glo(R) Luminescent Cell Viability Assay kit(製品取扱書参照)を用いて、ATPの含有量を測定することにより、細胞成長に対する阻害を評価した。簡単に言えば、ウェルあたりに30μlのCellTiter−Glo(R)試薬を加えて、10分間振ることにより、細胞溶解を誘導し、そして蛍光/化学発光分析装置Fluoroskan Ascent FL (Thermo Scientific Fluoroskan Ascent FL)を用いて蛍光信号を検出して記録した。ジメチルスルホキシド(DMSO)で72時間又は120時間処理された細胞から最大の信号値を取得した。単独の培地(細胞数はゼロ)から取得した最小の信号値を0とした。阻害率%=(最大の信号値−化合物の信号値)/(最大の信号値−最小の信号値)×100%。GraphPad Prism V5.0(GraphPad Software,San Diego,CA)ソフトウェアを用いてデータを処理した。S字形の投与量−反応曲線をフィッティングすることによりC
50値を計算した。
【0122】
2、実験結果
細胞のアッセイにおける本発明による化合物の細胞増殖抑制活性は表4に示されている。これらのアッセイにおいて、下記のレベルが適用された:IC
50に対して、I>10μM、10μM
>II>1μM、1μM
>III>0.5μM、0.5μM
>IV>0.1μM、V
<0.1μM。本発明による化合物は、TMD−8などの腫瘍細胞に対して強い細胞増殖抑制活性を示している一方、HCC827 NSCLC細胞に対しては活性が弱く又はない。HCC827細胞株は、EGFR Exon 19 delをもっており、EGFR阻害剤に対して感受性がある。実験の結果からわかるように、本発明による化合物は良好な選択性を示している。
【表4】
【0123】
四、薬物動態学(PK)実験
1、実験方法
体重250−300gの雄性SDラットを用い、試験前に一晩禁食させた。試験対象化合物を、30%スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE−β−CD)に溶解し、ラットに20mg/kgの投与量で胃内投与した。投与後15分間、30分間、及び1、2、3、4、6、8、24時間の時点で、それぞれ約0.3mLの血液を採取した。血液サンプルをK2−EDTA(エチレンジアミン四酢酸二カリウム)が入っている遠心チューブに入れて、遠心処理(2,000g、10分間、4℃)して血漿を取り、−80℃の超低温冷蔵庫に保存した。50μLの血漿サンプルを5μLの内部標準(S)と混合させ、酢酸エチルで抽出した。真空乾燥した後、残留物をアセトニトリルに再度溶解した。サンプルを濾過し、LC−MS/MSに注入して分析した。
【0124】
2、実験結果
図1は、化合物1とACP−196をそれぞれラットに経口投与した(20mg/kg)後の、化合物1とACP−196の血中薬物濃度−時間曲線を示す。表5は、ラット体内における化合物1とACP−196の薬物動態パラメータを示す。
図1及び表5に示すように、ラット体内における化合物1の半減期は4.2時間であり、ACP−196の半減期は7.9時間であり、化合物1のC
max及びAUCは、ACP−196より1倍以上高くなった。化合物1は、ラット体内での吸収が良く、血中薬物濃度が高い。不可逆的BTK阻害剤として、ACP−196は、第一世代のBTK阻害剤であるイブルチニブより、安全かつ有効である。これは、BTKに対するACP−196の高い選択性に加えて、またACP−196の短い半減期および高い血中薬物濃度も理由だと考えられている(Byrd J.C. et al. N Engl J Med 374:323,2016)。化合物1は、ACP−196よりも短い半減期と高い血中薬物濃度を呈するため、もっと安全かつ有効であろう。
【表5】
備考:上表において、T
maxはピークに達した時点、C
maxは最大の血中薬物濃度、t
1/2は半減期、AUC
0〜24は0−24時間の時間−血中濃度曲線下面積、AUC
infは0−nfの時間−血中濃度曲線下面積を表す。
【0125】
五、腫瘍モデル薬力学実験
1、実験方法
本実験では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞株TMD−8移植腫瘍モデルにおいて、腫瘍の成長を抑制する化合物の用量―効果関係を研究した。TMD−8腫瘍の体積が約200mm
3に達すると、動物を4つの経口投与群に分け、即ち、賦形剤対照群、化合物1のそれぞれ50mg/kg、100mg/kg、及び200mg/kgの経口投与群に分けた(n=8/群)。化合物1を、30%スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(SBE−β−CD)及び1.0モル当量の塩酸(pH3−4)に溶解し、10mL/kgで1日1回で連続21日間、胃内投与した。
腫瘍の体積を測定し、相対腫瘍体積(RTV)及び相対腫瘍体積の比(T/C)を計算した。RTV=V
t/V
0とするが、ここで、V
tは各群に投与した後t日目の平均腫瘍体積であり、V
0は群を分けた当日の腫瘍平均体積である。T/C=治療群のRTV/対照群のRTV×100%。
【0126】
2、実験結果
18日間の投与後、賦形剤対照群の腫瘍の体積が3000mm
3を超えたため、実験を停止した。
図2は、TMD−8リンパ腫細胞株の移植腫瘍の成長を抑制する化合物1の用量―効果関係を示す図であり、
図2Aは、各群のマウスの腫瘍の体積変化を示す図であり、
図2Bは、各群のマウスの体重変化を示す図である。図に示されるように、化合物1を18日間投与した後、50mg/kgの投与量で腫瘍の成長を軽く抑制することができ(T/Cは71%であり、p<0.05)、100mg/kgの投与量で腫瘍の成長を停止させることができ(T/Cは7%であり、p<0.001)、200mg/kgの投与量で腫瘍を大体消えさせることができる(T/Cは−91%であり、p<0.001)。各投与群の動物の体重は、投与前より増加した。賦形剤対照群及び低投与量群の体重がより著しく増加したが、腫瘍の急速な増大が理由である可能性がある。実験の結果によれば、化合物1は、経口投与により用量依存的にTMD−8移植腫瘍の成長を抑制することができる。
【0127】
本発明の具体的な実施形態を詳細に説明したが、当業者にとって、開示された示唆による様々な変形や置換も本発明の保護範囲に含まれると理解されるのが当然である。よって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲及び任意の均等物によるものとする。