(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0009]ここに記載されている実施形態は、用途の広い多目的ロールイン型救急用簡易寝台のための自動システムにおいて、救急車、バン、ステーションワゴン、航空機、及びヘリコプターの様な、各種救助車両へ転がし込ませることが可能でありながら、尚且つ、簡易寝台重量の改善された管理、改善されたバランス、及び/又は任意の簡易寝台高さにおけるより容易な搬入を提供する、多目的ロールイン型救急用簡易寝台のための自動システムに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0010]1つの実施形態によれば、簡易寝台は、支持フレームと、前脚と、後脚と、前アクチュエータと、後アクチュエータと、より多くのプロセッサの1つと、を含むものとすることができる。支持フレームは、簡易寝台の前端と簡易寝台の後端の間を延びている。前脚及び後脚は支持フレームへ滑動式に連結されている。前アクチュエータは前脚へ連結されている。前アクチュエータは前脚を支持フレームに沿って滑動させて前脚を格納及び伸展させることができる。後アクチュエータは後脚へ連結されている。後アクチュエータは後脚を支持フレームに沿って滑動させて前脚を格納及び伸展させることができる。1つ又はそれ以上のプロセッサは、前アクチュエータ及び後アクチュエータへ通信可能に連結されている。1つ又はそれ以上のプロセッサは、センサからの簡易寝台の前端及び前脚を指示する信号を受信するように機械可読命令を実行することができる。1つ又はそれ以上のプロセッサは、簡易寝台の前端が表面によって支持されていて前脚が所定量だけ格納されているとき、後アクチュエータを作動させて後脚を伸展させ簡易寝台の後端を上昇させることができる。
【0011】
[0011]幾つかの実施形態では、1つ又はそれ以上のセンサは、前脚と支持フレームの間の前角度を測定する前角度センサを含んでいる。前角度センサは、前角度に相関付けられるようにして前角度信号を1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信する。1つ又はそれ以上のプロセッサは、前脚が所定量だけ格納されていることを少なくとも一部には前角度に基づいて確定するように機械可読命令を実行することができる。代替的又は追加的に、前角度センサは、ポテンショメータ回転センサ又はホール効果回転センサであってもよい。
【0012】
[0012]ここに記載されている実施形態によれば、1つ又はそれ以上のセンサは、後脚と支持フレームの間の後角度を測定する後角度センサを備えている。後角度センサは、後角度に相関付けられるようにして後角度信号を1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信する。後角度センサは、ポテンショメータ回転センサ又はホール効果回転センサであってもよい。1つ又はそれ以上のプロセッサは、前脚と後脚の間の差を少なくとも一部には前角度信号及び後角度信号に基づいて確定するように機械可読命令を実行することができる。代替的又は追加的に、1つ又はそれ以上のプロセッサは、後角度と前角度の間の差を所定の角度デルタに比較するように機械可読命令を実行することができる。後角度と前角度の間の差が所定の角度デルタより大きいか又はそれに等しいとき、後脚が自動的に伸展される。
【0013】
[0013]1つ又はそれ以上のセンサは、前脚、後脚、又はその両方の、支持フレームに対する位置を指示する距離を測定する距離センサを備えていてもよい。距離センサは、距離に相関付けられるようにして距離信号を1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信する。1つ又はそれ以上のセンサは、簡易寝台の前端の、表面に対する位置を指示する距離を測定し距離に相関付けられるようにして距離信号を1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信する距離センサを備えていてもよい。距離センサは、支持フレーム又は後アクチュエータへ連結されていてもよい。距離センサは、超音波センサ、タッチセンサ、又は近接センサであってもよい。
【0014】
[0014]ここに記載されている実施形態によれば、簡易寝台は、前アクチュエータセンサ及び後アクチュエータセンサを含むものとすることができる。前アクチュエータセンサは、1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信可能に連結されている。前アクチュエータセンサは、前アクチュエータへ掛かっている力を測定することができ、前アクチュエータへ掛かっている力に相関付けられる前アクチュエータ力信号を通信することができる。後アクチュエータセンサは、1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信可能に連結されている。後アクチュエータセンサは、後アクチュエータへ掛かっている力を測定することができ、後アクチュエータへ掛かっている力に相関付けられる後アクチュエータ力信号を通信することができる。1つ又はそれ以上のプロセッサは、前アクチュエータ力信号が引張を指示し後アクチュエータ力信号が圧縮を指示していることを確定するように機械可読命令を実行することができる。前アクチュエータ力信号が引張を指示し後アクチュエータ力信号が圧縮を指示しているとき、後脚が自動的に伸展される。
【0015】
[0015]ここに記載されている実施形態によれば、1つ又はそれ以上のプロセッサは、後脚の、簡易寝台の後端に対する位置が、後アクチュエータが作動された後の所定の時間量に亘って変化し損ねていれば、後アクチュエータの作動を中断するように機械可読命令を実行することができる。
【0016】
[0016]別の実施形態では、簡易寝台は、支持フレームと、前脚と、後脚と、中央部分と、線指示器と、を含むものとすることができる。支持フレームは簡易寝台の前端と簡易寝台の後端の間を延びている。前脚及び後脚は支持フレームへ滑動式に連結されている。前脚及び後脚は支持面からの搬入及び搬出が容易になるように格納及び伸展することができる。中央部分は簡易寝台の前端と簡易寝台の後端の間に配置されている。線指示器は簡易寝台へ連結されている。線指示器は簡易寝台の中央部分を指示する光学的な線を投射することができる。代替的又は追加的に、光学的な線は、簡易寝台の中央部分の下に又はそれに隣接して、簡易寝台の側面からオフセットした点へ投射されるようになっていてもよい。代替的又は追加的に、線指示器は、レーザー、発光ダイオード、又はプロジェクタを含んでいてもよい。
【0017】
[0017]ここに記載されている実施形態によれば、中間搬入車輪が前脚の近位端と遠位端の間で前脚へ連結されている。中間搬入車輪は搬入時又は搬出時に光学的な線と実質的に整列させることができる。代替的又は追加的に、中間搬入車輪は搬入時又は搬出時の支点とすることができる。代替的又は追加的に、中間搬入車輪は搬入時又は搬出時に簡易寝台の平衡中心に設置されていてもよい。
【0018】
[0018]ここに記載されている実施形態によれば、1つ又はそれ以上のプロセッサは線指示器へ通信可能に連結されている。1つ又はそれ以上のプロセッサは、センサからの簡易寝台の前端を指示する信号を受信するように機械可読命令を実行することができる。1つ又はそれ以上のプロセッサは、簡易寝台の前端が支持面より上にあるとき、線指示器に光学的な線を投射するよう仕向けるように機械可読命令を実行することができる。
【0019】
[0019]ここに記載されている実施形態によれば、簡易寝台は、後アクチュエータ及び後アクチュエータセンサを含むものとすることができる。後アクチュエータは後脚へ連結されている。後アクチュエータは後脚を支持フレームに沿って滑動させて前脚を格納及び伸展させることができる。後アクチュエータセンサは1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信可能に連結されている。後アクチュエータセンサは、後アクチュエータへ掛かっている力を測定することができ、後アクチュエータへ掛かっている力に相関付けられる後アクチュエータ力信号を通信することができる。1つ又はそれ以上のプロセッサは、後アクチュエータ力信号が引張を指示していることを確定するように機械可読命令を実行することができる。後アクチュエータ力信号が引張を指示しているとき、光学的な線が投射される。
【0020】
[0020]ここに記載されている実施形態によれば、1つ又はそれ以上のセンサは、簡易寝台の前端の、支持面に対する位置を指示する距離を測定する距離センサを含んでいてもよい。距離センサは、当該距離に相関付けられるようにして距離信号を1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信することができる。1つ又はそれ以上のプロセッサは、距離が定義可能範囲内にあるとき、簡易寝台の前端は支持面より上にある、と確定するように機械可読命令を実行することができる。距離センサは、後アクチュエータへ連結されていてもよいし、又は中間搬入車輪と整列していてもよい。距離センサは、超音波センサ、タッチセンサ、又は近接センサであってもよい。
【0021】
[0021]更に別の実施形態では、簡易寝台は、支持フレームと、前脚と、後脚と、アクチュエータと、駆動照明と、1つ又はそれ以上のプロセッサと、1つ又はそれ以上の操作員制御部と、を含むものとすることができる。支持フレームは簡易寝台の前端と簡易寝台の後端の間を延びている。前脚及び後脚は支持フレームへ滑動式に連結されている。アクチュエータは前脚又は後脚へ連結されている。アクチュエータは前脚又は後脚を支持フレームに沿って滑動させて支持フレームを作動させることができる。駆動照明はアクチュエータへ連結されている。1つ又はそれ以上のプロセッサは駆動照明へ通信可能に連結されている。1つ又はそれ以上の操作員制御部は1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信可能に連結されている。1つ又はそれ以上のプロセッサは、1つ又はそれ以上の操作員制御部からの入力が受信されたとき自動的に駆動照明に照射するよう仕向けるように機械可読命令を実行することができる。アクチュエータが前脚を作動させると、駆動照明は簡易寝台の前端の前の区域を照射することになる。アクチュエータが後脚を作動させると、駆動照明は簡易寝台の後端の後ろの区域を照射することになる。
【0022】
[0022]本開示の実施形態によって提供されるこれらの特徴及び更なる特徴は、次に続く詳細な説明を図面と関連付けて考察することでより深く理解されることであろう。
[0023]次に続く本開示の具体的な実施形態の詳細な説明は、添付図面と関連付けて閲読されれば最も深く理解され得るものであり、図面中、同様の構造は同様の符号で指示されている。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0032]
図1を参照すると、運搬及び搬入のためのロールイン型簡易寝台10が示されている。ロールイン型簡易寝台10は、前端17及び後端19を備える支持フレーム12を備えている。ここでの使用に際し、前端17は、搬入端即ちロールイン型簡易寝台10の最初に搬入面上へ積み載せられる端と同義である。対照的に、ここでの使用に際し、後端19は、ロールイン型簡易寝台10の最後に搬入面上へ積み載せられる端である。加えて、ロールイン型簡易寝台10に患者が載せられるときは、患者の頭が前端17に最も近く向き付けられ患者の足が後端19に最も近く向き付けられることを指摘しておく。而して、「頭側の端」という語句は「前端」という語句と置き換え可能に使用することができ、「足側の端」という語句は「後端」という語句と置き換え可能に使用することができる。また、「前端」という語句と「後端」という語句は置き換え可能であることを指摘しておく。而して、これらの語句は、明解さを期して、全体を通し一貫して使用されているが、ここに説明されている実施形態は本開示の範囲から逸脱することなく逆転されてもよい。概して、ここでの使用に際し、「患者」という用語は、例えば、人間、動物、死体、などの様な、何れかの生きているもの又はかつて生きていたものを指す。
【0026】
[0033]
図2と
図3を併せて参照して、前端17及び/又は後端19は入れ子式になっている。1つの実施形態では、前端17は伸展及び/又は格納されるようになっている(概括的に
図2に矢印217で指示)。別の実施形態では、後端19は伸展及び/又は格納されるようになっている(概括的に
図2に矢印219で指示)。而して、前端17と後端19の間の全長は、様々な寸法の患者を収容するべく増加及び/又は減少させることができる。
【0027】
[0034]
図1−
図3を併せて参照して、支持フレーム12は前端17と後端19の間を延びている一対の実質的に平行な側面部材15を備えている。側面部材15については様々な構造が考えられる。1つの実施形態では、側面部材15は一対の離間している金属軌道である。別の実施形態では、側面部材15は付属クランプ(描かれていない)と係合でき
るアンダーカット部分を備えている。その様な付属クランプは、点滴静脈注射用ポールの様な患者ケア付属品をアンダーカット部分へ取り外し可能に連結するのに利用することができる。アンダーカット部分は、付属品をロールイン型簡易寝台10上の多くの異なる場所へ取り外し可能に締め付け固定できるように、側面部材の長さ全体に沿って提供されていてもよい。
【0028】
[0035]
図1を再度参照して、ロールイン型簡易寝台10は、更に、支持フレーム12へ連結されている一対の格納式及び伸展式前脚20と、支持フレーム12へ連結されている一対の格納式及び伸展式後脚40と、を備えている。ロールイン型簡易寝台10は、例えば金属構造又は複合材構造の様な、何れかの剛性材料を備えていよう。具体的には、支持フレーム12、前脚20、後脚40、又はそれらの組合せは、炭素繊維樹脂構造を備えていてもよい。ここにより詳細に説明されている様に、ロールイン型簡易寝台10は前脚20及び/又は後脚40を伸展することによって複数の高さへ上昇させることができ、或いはロールイン型簡易寝台10は前脚20及び/又は後脚40を格納することによって複数の高さへ下降させることができる。「上昇」、「下降」、「〜より上」、「〜より下」、及び「高さ」の様な用語は、ここでは、基準(例えば簡易寝台を支えている表面)を用いて重力に平行な線に沿って測定した物体間距離関係を指示するのに使用されていることを指摘しておく。
【0029】
[0036]具体的な実施形態では、前脚20及び後脚40は、各々、側面部材15へ連結されている。
図4A−
図5Eに示されている様に、前脚20及び後脚40は、簡易寝台を横から見て、具体的には前脚20及び後脚40が支持フレーム12(例えば側面部材15(
図1−
図3))へそれぞれ連結されている場所で、互いに交差している。
図1の実施形態に示されている様に、後脚40は、前脚20の内寄りに配置されていてもよく、即ち、後脚40が各々前脚20の間に設置されるようにして前脚20同士は後脚40同士が互いから離間されているよりも更に互いから遠く離間されていてもよい。加えて、前脚20及び後脚40は、ロールイン型簡易寝台10を転動させることができるように前車輪26及び後車輪46を備えている。
【0030】
[0037]1つの実施形態では、前車輪26及び後車輪46は、スイベルキャスター車輪又はスイベルロック式車輪であってもよい。ロールイン型簡易寝台10を上昇及び/又は下降させる際、確実にロールイン型簡易寝台10の側面部材15の平面と車輪26、46の平面が実質的に平行になるように前車輪26と後車輪46が同期をとるようになっていてもよい。
【0031】
[0038]
図1−
図3を再度参照して、ロールイン型簡易寝台10は、更に、前脚20を動かすように構成されている前アクチュエータ16と、後脚40を動かすように構成されている後アクチュエータ18と、を備える簡易寝台作動システムを備えている。簡易寝台作動システムは、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18の両方を制御するように構成されている1つのユニット(例えば集中化されたモータ及びポンプ)を備えていてもよい。例えば、簡易寝台作動システムは、前アクチュエータ16又は後アクチュエータ18又はその両方を弁や制御論理などを利用して駆動する能力のある1つのモータを有する1つのハウジングを備えていてもよい。代わりに、
図1に描かれている様に、簡易寝台作動システムは、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18を個別に制御するように構成されている別々のユニットを備えていてもよい。この実施形態では、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は、各自が、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18をそれぞれ駆動する個別のモータを有する別々のハウジングを含んでいてもよい。
【0032】
[0039]前アクチュエータ16は、支持フレーム12へ連結されていて、前脚20を作動させロールイン型簡易寝台10の前端17を上昇及び/又は下降させるように構成されて
いる。加えて、後アクチュエータ18は、支持フレーム12へ連結されていて、後脚40を作動させロールイン型簡易寝台10の後端19を上昇及び/又は下降させるように構成されている。ロールイン型簡易寝台10は、何れの適する動力源によって動力供給されていてもよい。例えば、ロールイン型簡易寝台10は、その動力源として公称約24V又は公称約32Vの様な電圧を供給する能力のあるバッテリを備えていてもよい。
【0033】
[0040]前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18は、前脚20及び後脚40を同時に又は独立に作動させる働きをする。
図4A−
図5Eに示されている様に、同時作動及び/又は独立作動は、ロールイン型簡易寝台10を様々な高さへ設定できるようにする。ここに説明されているアクチュエータは、約350ポンド(約158.8kg)の動的力及び約500ポンド(約226.8kg)の静的力を提供することができるようになっていてもよい。更に、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18は、集中化されたモータシステムによって動作するようになっていてもよいし、又は複数の独立したモータシステムによって動作するようになっていてもよい。
【0034】
[0041]
図1−
図3及び
図6に概略的に描かれている1つの実施形態では、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18はロールイン型簡易寝台10を動作させるための液圧アクチュエータを備えている。1つの実施形態では、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18は、二重積重(dual piggy back)液圧アクチュエータであり、即ち前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は各自がマスタースレーブ液圧回路を形成している。マスタースレーブ液圧回路は、4つの伸展ロッドを有する4つの液圧シリンダを対にして互いに積重させて(即ち機械的に連結させて)備えている。よって、二重積重アクチュエータは、第1ロッドを有する第1液圧シリンダ、第2ロッドを有する第2液圧シリンダ、第3ロッドを有する第3液圧シリンダ、及び第4ロッドを有する第4液圧シリンダを備えている。ここに説明されている実施形態は4つの液圧シリンダを備えるマスタースレーブシステムを頻繁に参照しているが、ここに説明されているマスタースレーブ液圧回路は任意の偶数の液圧シリンダを含むことができることを指摘しておく。
【0035】
[0042]
図6を参照すると、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18は、実質的に「H」の形状をしている(即ち2つの縦部分が1つの横部分によって接続されている)剛性支持フレーム180を備えている。剛性支持フレーム180は、2つの縦部材184の各々のほぼ中ほどで当該2つの縦部材184へ連結されている横部材182を備えている。ポンプモータ160と流体貯留部162が、横部材182へ連結されていて、流体連通にある。1つの実施形態では、ポンプモータ160と流体貯留部162は横部材182の互いに反対側に配置されている(例えば流体貯留部162はポンプモータ160より上に配置されている)。具体的には、ポンプモータ160は、約1400ワットのピーク出力を有するブラシ付き双方向回転電気モータであってもよい。剛性支持フレーム180は、更なる剛性を提供するため及び作動中の縦部材184の横部材182に対する捩れ又は側方運動に抵抗するために追加の横部材又は受け板を含んでいてもよい。
【0036】
[0043]各縦部材184は、一対の積重型液圧シリンダ(即ち、第1液圧シリンダと第2液圧シリンダ、又は第3液圧シリンダと第4液圧シリンダ)を備えており、第1シリンダはロッドを第1の方向に伸展させ、第2シリンダはロッドを実質的に反対方向に伸展させる。それらシリンダが1つのマスタースレーブ構成に配列されている場合、縦部材184の一方は、上側マスターシリンダ168と下側マスターシリンダ268を備えている。縦部材184の他方は、上側スレーブシリンダ169及び下側スレーブシリンダ269を備えている。マスターシリンダ168、268は一体に積重されていて、ロッド165、265を実質的に互いに反対方向に伸展させているが、マスターシリンダ168、268は交互に並ぶ縦部材184に設置されていてもよいし、及び/又はロッド165、265を実質的に同方向に伸展させていてもよいことを指摘しておく。
【0037】
[0044]次に
図7を参照して、制御ボックス50は1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ通信可能に連結されている(矢印線によって概略指示)。1つ又はそれ以上のプロセッサの各々は、例えば、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、などの様な、機械可読命令を実行する能力のある何れかのデバイスとすることができる。ここでの使用に際し、「通信可能に連結されている」という用語は、構成要素同士が互いとデータ信号をやり取りできることを意味しており、例えば、導電性媒体を介する電気信号、空気を介する電磁信号、光導波路を介する光学信号、など、をやり取りできるという意味である。
【0038】
[0045]1つ又はそれ以上のプロセッサ100は、1つ又はそれ以上のメモリモジュール102へ通信可能に連結されており、当該メモリモジュールは、機械可読命令を記憶する能力のある何れかのデバイスとすることができる。1つ又はそれ以上のメモリモジュール102は、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、二次メモリ(例えばハードドライブ)、又はそれらの組合せの様な、何れの型式のメモリを含んでいてもよい。ROMの適当な例として、限定するわけではないが、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、電気的変更可能読み出し専用メモリ(EAROM)、フラッシュメモリ、又はそれらの組合せ、が挙げられる。RAMの適当な例として、限定するわけではないが、静的RAM(SRAM)又は動的RAM(DRAM)が挙げられる。
【0039】
[0046]ここに説明されている実施形態は、1つ又はそれ以上のプロセッサ100を用いて機械可読命令を実行することによって自動的に方法を遂行することができる。機械可読命令は、何れかの世代の何れかのプログラミング言語(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL、又は5GL)で書かれた論理又は(単数又は複数の)アルゴリズムを備えるものであって、例えば、プロセッサによって直接実行されるようになっている機械言語、又はアセンブリ言語、オブジェクト指向型プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコード、他、の様な機械可読命令へコンパイル又はアッセンブルされて記憶されるようになっている言語、で書かれた論理又はアルゴリズムを備えるものとすることができる。代わりに、機械可読命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成か又は特定用途向け集積回路(ASIC)のどちらか又はそれらの等価物を介して実装されている論理の様なハードウェア記述言語(HDL)で書かれていてもよい。従って、ここに説明されている方法は、何れかの従来のコンピュータプログラミング言語で、事前にプログラムされたハードウェア要素として又はハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素の組合せとして実装することができる。
【0040】
[0047]
図2と
図7を併せて参照して、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18がそれぞれ引張下にあるか又は圧縮下にあるかを検知するように構成されている前アクチュエータセンサ62及び後アクチュエータセンサ64が、1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ通信可能に連結されている。ここでの使用に際し、「引張」という用語は引く力がセンサによって検知されていることを意味する。その様な引く力は、概して、アクチュエータヘ連結されている脚から荷重が取り除かれていること、即ち、脚及び又は車輪が支持フレーム12の下の表面と接触すること無く支持フレーム12から垂れ下がっていることと関連付けられる。また、ここでの使用に際し、「圧縮」という用語は、押す力がセンサによって検知されていることを意味する。その様な押す力は、概して、アクチュエータヘ連結されている脚へ荷重が掛かっていること、即ち、脚及び又は車輪が支持フレーム12の下の表面と接触していて、連結されているアクチュエータへ圧縮歪を伝達していることと関連付けられる。
【0041】
[0048]1つの実施形態では前アクチュエータセンサ62と後アクチュエータセンサ64
は支持フレーム12に連結されているが、ここでは他の場所又は構成も考えられる。センサは、近接センサ、歪ゲージ、荷重セル、ホール効果センサ、又は前アクチュエータ16及び/又は後アクチュエータ18が引張下又は圧縮下にあるときにそれを検知する働きをする何れかの他の適当なセンサであってもよい。更なる実施形態では、前アクチュエータセンサ62及び後アクチュエータセンサ64は、ロールイン型簡易寝台10上に置かれた患者の重量を検知する働きをするものであってもよい(例えば歪ゲージが利用されている場合)。ここでの使用に際し、「センサ」という用語は、物理量を測定し、それを物理量の測定値に相関付けられる信号へと変換する装置を意味することを指摘しておく。また、「信号」という用語は、1つの場所からもう1つの場所へ伝送され得る、電流、電圧、磁束、DC、AC、正弦波、三角波、方形波、などの様な、電気的、磁気的、又は光学的な波形を意味する。
【0042】
[0049]
図3及び
図7を併せて参照して、ロールイン型簡易寝台10は、1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ通信可能に連結されている前角度センサ66と後角度センサ68を備えている。前角度センサ66及び後角度センサ68は、例えば、ポテンショメータ回転センサ、ホール効果回転センサ、などの様な、実際の角度又は角度の変化を測定する何れかのセンサとすることができる。前角度センサ66は、前脚20の枢動連結部分の前角度α
fを検知する働きをしている。後角度センサ68は、後脚40の枢動連結部分の後角度α
bを検知する働きをしている。1つの実施形態では、前角度センサ66及び後角度センサ68は前脚20及び後脚40へそれぞれ動作可能に連結されている。従って、1つ又はそれ以上のプロセッサ100は、後角度α
bと前角度α
fの間の差(角度デルタ)を確定するように機械可読命令を実行することができる。搬入状態角度が、約20°の様な角度へ、又は概してロールイン型簡易寝台10が搬入状態にあることを指示する(搬入及び/又は搬出の表れとなる)何れかの他の角度へ、設定されていよう。而して、角度デルタが搬入状態角度を超過している場合、ロールイン型簡易寝台10は、それが搬入状態にあると検知し、搬入状態にあることに依存する特定の行為を遂行することになる。代わりに、前角度α
f及び後角度α
bを確定する角度測定に似た測定を遂行するのに距離センサを利用することもできる。例えば、前脚20及び/又は後脚40の側面部材15に対する位置付けから角度を求めるようにしてもよい。例えば、前脚20と側面部材15に沿った基準点の間の距離が測定されてもよい。同様に、後脚40と側面部材15に沿った基準点の間の距離が測定されてもよい。更に、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18の伸展している距離が測定されてもよい。従って、ここに説明されている距離測定又は角度測定は何れも、ロールイン型簡易寝台10の構成要素の位置付けを確定するのに入れ換え可能に利用することができる。
【0043】
[0050]加えて、距離センサは、下方の表面と諸構成要素の間の距離、例えば、下方の表面と、前端17、後端19、前搬入車輪70、前車輪26、中間搬入車輪30、後車輪46、前アクチュエータ16、又は後アクチュエータ18、などとの間の距離を確定することができるようなロールイン型簡易寝台10の何れかの部分へ連結されていることを指摘しておく。
【0044】
[0051]
図3及び
図7を併せて参照して、前端17は、ロールイン型簡易寝台10を搬入面(例えば救急車の床)上へ積み載せるのを支援するように構成されている一対の前搬入車輪70を備えていてもよい。ロールイン型簡易寝台10は、1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ通信可能に連結されている搬入端センサ76を備えている。搬入端センサ76は、前搬入車輪70の搬入面に対する場所(例えば検知面から前搬入車輪70までの距離)を検知する働きをする距離センサである。適当な距離センサには、限定するわけではないが、超音波センサ、タッチセンサ、近接センサ、又は物体までの距離を検知する能力のある何れかの他のセンサが含まれる。1つの実施形態では、搬入端センサ76は、前搬入車輪70から前搬入車輪70の実質的に真下の表面までの距離を直接又は間接に検知する働きをする。具体的には、搬入端センサ76は、表面が前搬入車輪70から定義可能な距離範囲内にある場合(例えば表面が第1の距離より大きいが第2の距離より小さい場合)に指示を提供するようになっていてもよい。従って、定義可能範囲は、ロールイン型簡易寝台10の前搬入車輪70が搬入面と接触したら搬入端センサ76によって肯定指示が提供されるように設定されていてもよい。両方の前搬入車輪70が搬入面上にあることを確実にすることが重要であり、特にロールイン型簡易寝台10が傾斜している救急車の中へ搬入される状況ではそうである。
【0045】
[0052]前脚20は、前脚20へ取り付けられている中間搬入車輪30を備えている。1つの実施形態では、中間搬入車輪30は、前横梁22(
図1)に隣接して前脚20上に配置されている。ロールイン型簡易寝台10は、1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ通信可能に連結されている中間搬入センサ77を備えている。中間搬入センサ77は、中間搬入車輪30と搬入面500の間の距離を検知する働きをする距離センサである。1つの実施形態では、中間搬入車輪30が搬入面の設定距離内にある場合、中間搬入センサ77は信号を1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ提供するようになっている。図は前脚20上の中間搬入車輪30しか描いていないが、更に、中間搬入車輪30は、後脚40上にも配置することができるし、又は中間搬入車輪30が前搬入車輪70と協働して搬入及び/又は搬出を円滑化させるようなロールイン型簡易寝台10上の何れかの他の位置に(例えば支持フレーム12上)に配置させることもできると考えている。例えば、中間搬入車輪は、ここに説明されている搬入及び/又は搬出プロセス時に支点又は平衡中心になりそうな何れかの場所に設けることができる。
【0046】
[0053]ロールイン型簡易寝台10は、1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ通信可能に連結されている後アクチュエータセンサ78を備えていてもよい。後アクチュエータセンサ78は、後アクチュエータ18と搬入面の間の距離を検知する働きをする距離センサである。1つの実施形態では、後アクチュエータセンサ78は、後脚40が実質的に一杯まで格納されたとき(
図4、
図5D、及び
図5E)の後アクチュエータ18から後アクチュエータ18の実質的に真下の表面までの距離を直接又は間接に検知する働きをする。具体的には、後アクチュエータセンサ78は、表面が後アクチュエータ18から定義可能な距離範囲内にある場合(例えば表面が第1の距離より大きいが第2の距離より小さい場合)に指示を提供するようになっていてもよい。
【0047】
[0054]なおも
図3及び
図7を参照して、ロールイン型簡易寝台10は、1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ通信可能に連結されている前駆動照明86を備えている。前駆動照明86は、前アクチュエータ16へ連結されていて、前アクチュエータ16と連接するように構成されていてもよい。従って、前駆動照明86は、前アクチュエータ16を伸展させた状態又は格納した状態又はその間の何れかの位置に配した状態でロールイン型簡易寝台10を転動させてゆく際に、ロールイン型簡易寝台10の前端17のすぐ前の区域を照射することができる。ロールイン型簡易寝台10は、更に、1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ通信可能に連結されている後駆動照明88を備えていてもよい。後駆動照明88は、後アクチュエータ18へ連結されていて、後アクチュエータ18と連接するように構成されていてもよい。従って、後駆動照明88は、後アクチュエータ18を伸展させた状態又は格納した状態又はその間の何れかの位置に配した状態でロールイン型簡易寝台10を転動させてゆく際に、ロールイン型簡易寝台10の後端19のすぐ後ろの区域を照射することができる。1つ又はそれ以上のプロセッサ100は、ここに説明されている操作員制御部の何れかから入力を受信して、前駆動照明86、後駆動照明88、又はその両方が起動されるように仕向けることができる。
【0048】
[0055]
図1及び
図7を併せて参照して、ロールイン型簡易寝台10は、1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ通信可能に連結された線指示器74を備えている。線指示器74
は、直線状の指示を表面上へ投射するように構成されている、例えば、レーザー、発光ダイオード、プロジェクタ、などの様な、何れかの光源とすることができる。1つの実施形態では、線指示器74は、ロールイン型簡易寝台10へ連結されていて、線をロールイン型簡易寝台10より下の表面上へ、線が中間搬入車輪30と整列するようにして、投射するように構成されていてもよい。線は、ロールイン型簡易寝台10の下の点又はそれに隣接する点からロールイン型簡易寝台10の側面からオフセットした点へ走っていてもよい。従って、線指示器が線を投射したとき、後端19にいる操作員は、線との視覚的接触を保ち、線を搬入時又は搬出時又はその両方でのロールイン型簡易寝台10の平衡中心(例えば中間搬入車輪30)の場所の基準として利用することができる。
【0049】
[0056]後端19は、ロールイン型簡易寝台10のための操作員制御部を備えている。ここでの使用に際し、操作員制御部は、操作員からのコマンドを受信する入力構成要素、及び操作員への指示を提供する出力構成要素を備えている。従って、操作員は、操作員制御部を、ロールイン型簡易寝台10の搬入時及び搬出時に、前脚20、後脚40、及び支持フレーム12の運動を制御することに利用することができる。操作員制御部は、ロールイン型簡易寝台10の後端19に配置されている制御ボックス50を含んでいる。例えば、制御ボックス50は1つ又はそれ以上のプロセッサ100へ通信可能に連結されていてもよく、プロセッサ100自体は前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18へ通信可能に連結されている。制御ボックス50は、例えば、液晶ディスプレイ、タッチスクリーン、などの様な、視覚的ディスプレイ構成要素58を備えるものとすることができる。従って、制御ボックス50が入力を受信すれば、それが1つ又はそれ以上のプロセッサ100によって処理されて、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18が制御されることになる。ここに説明されている実施形態は前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18の自動化された動作に言及しているが、ここに説明されている実施形態は、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18を直接に制御するように構成されている操作員制御部を含んでいてもよいことを指摘しておく。つまりは、ここに説明されている自動化されたプロセスは、ユーザによってオーバーライドされるようになっていて、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18がセンサからの入力とは独立に作動されるようになっていてもよい。
【0050】
[0057]操作員制御部は、ロールイン型簡易寝台10の後端19に配置されている1つ又はそれ以上の用手制御部57(例えば入れ子式ハンドル上のボタン)を備えている。用手制御部実施形態の代替として、制御ボックス50は、更に、ロールイン型簡易寝台10を上昇及び下降させるのに使用することのできる構成要素を含んでいてもよい。1つの実施形態では、当該構成要素は簡易寝台を上昇(+)又は下降(−)させることのできるトグルスイッチ52である。他のボタン、スイッチ、又はつまみも適当である。ここに更に詳細に解説されている様に、ロールイン型簡易寝台10にセンサを一体化したおかげで、トグルスイッチ52を使用すれば、ロールイン型簡易寝台10の位置に依存して、上昇、下降、格納、又は解放されるように動作させることのできる前脚20又は後脚40を制御することができるようになる。
【0051】
[0058]1つの実施形態では、トグルスイッチは、アナログ式である(即ち、アナログスイッチの圧力及び/又は変位は作動の速さに比例している)。操作員制御部は、前後のアクチュエータ16、18が起動しているか動作停止しているか、及びその結果としてそれらが上昇、下降、格納、又は解放されることになるかどうかを、操作員に知らせるように構成されている視覚的ディスプレイ構成要素58を備えていてもよい。操作員制御部は、本実施形態ではロールイン型簡易寝台10の後端19に配置されているが、操作員制御部を支持フレーム12上の代わりの位置、例えば前端17上又は支持フレーム12の側面上に配置させることも考えられる。更に別の実施形態では、操作員制御部は、ロールイン型簡易寝台10への物理的取り付け無しにロールイン型簡易寝台10を制御するようになっ
ている取り外し可能に取り付けできる無線遠隔制御部に設置されていてもよい。
【0052】
[0059]次に、ロールイン型簡易寝台10の実施形態が同時作動される場合を考察して、
図2の簡易寝台は伸展したところが描かれており、而して、前アクチュエータセンサ62及び後アクチュエータセンサ64は前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18が圧縮下にあることを、即ち前脚20と後脚40とが下方の表面と接触していて荷重が掛かっていることを、検知する。前後のアクチュエータセンサ62、64が、前後のアクチュエータ16、18がどちらもそれぞれ圧縮下にあると検知したら、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は共にアクティブになり、操作員が操作員制御部(例えば下降の場合は「−」、上昇の場合「+」)を使用することによって上昇又は下降させることができる。
【0053】
[0060]
図4A−
図4Cを併せて参照して、ロールイン型簡易寝台10の実施形態が同時作動を介して上昇されてゆく場合(
図4A−
図4C)又は下降されてゆく場合(
図4C−
図4A)が概略的に描かれている(
図4A−
図4Cには明解さを期して前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18が描かれていないことに留意)。描かれている実施形態では、ロールイン型簡易寝台10は、一対の前脚20及び一対の後脚40と滑動式に係合されている支持フレーム12を備えている。前脚20の各々は、支持フレーム12へ回転可能に連結された前ヒンジ部材24へ回転可能に連結されている。後脚40の各々は、支持フレーム12へ回転可能に連結された後ヒンジ部材44へ回転可能に連結されている。描かれている実施形態では、前ヒンジ部材24は支持フレーム12の前端17寄りに回転可能に連結されており、後ヒンジ部材44は後端19寄りに支持フレーム12へ回転可能に連結されている。
【0054】
[0061]
図4Aは、最も低い運搬位置にあるロールイン型簡易寝台10を描いている。具体的には、後車輪46及び前車輪26は表面と接触にあり、前脚20は、前脚20が支持フレーム12の後端19寄りの部分と接触するようにして支持フレーム12と滑動式に係合しており、後脚40は、後脚40が支持フレーム12の前端17寄りの部分と接触するようにして支持フレーム12と滑動式に係合している。
図4Bは、中間の運搬位置にあるロールイン型簡易寝台10を描いており、即ち前脚20及び後脚40は支持フレーム12に沿った中間の位置にある。
図4Cは、最も高い運搬位置にあるロールイン型簡易寝台10を描いており、即ち前脚20及び後脚40は、支持フレーム12に沿って、ここに更に詳細に説明されている様に前搬入車輪70が簡易寝台を搬入するのに十分な高さに設定されている最大所望高さに来るようにして位置付けられている。
【0055】
[0062]ここに説明されている実施形態は、患者を車両内へ搬入するための準備として患者を車両より下の位置から(例えば地面から救急車の搬入面より上へ)持ち上げるのに利用することができる。具体的には、ロールイン型簡易寝台10は、最も低い運搬位置(
図4A)から中間の運搬位置(
図4B)へ又は最も高い運搬位置(
図4C)へ、前脚20及び後脚40を同時に作動させてそれらを支持フレーム12に沿って滑動させることによって上昇させることができる。上昇させる際、作動は、前脚に、前端17に向かって滑動するとともに前ヒンジ部材24周りに回転するよう仕向け、後脚40に、後端19に向かって滑動するとともに後ヒンジ部材44周りに回転するよう仕向ける。具体的には、ユーザは制御ボックス50(
図2)と対話し、ロールイン型簡易寝台10を上昇させたい旨を指示する入力を(例えばトグルスイッチ52上の「+」を押すことによって)提供することができる。ロールイン型簡易寝台10は、その現在位置(例えば最も低い運搬位置又は中間の位置)からそれが最も高い運搬位置に到達するまで上昇される。最も高い運搬位置へ到達し次第、作動は自動的に止み、即ちロールイン型簡易寝台10を更に高く上昇させるには追加の入力が必要になる。入力は、ロールイン型簡易寝台10及び/又は制御ボックス50へ、電子的、音響的、又は手動的の様な何れかの方式で提供される。
【0056】
[0063]ロールイン型簡易寝台10は、中間の運搬位置(
図4B)又は最も高い運搬位置(
図4C)から最も低い運搬位置(
図4A)へと、前脚20と後脚40を同時に作動させそれらを支持フレーム12に沿って滑動させることによって下降させることができる。具体的には、下降させる際、作動は、前脚に、後端19に向かって滑動するとともに前ヒンジ部材24周りに回転するよう仕向け、後脚40に、前端17に向かって滑動するとともに後ヒンジ部材44周りに回転するよう仕向ける。例えば、ユーザはロールイン型簡易寝台10を下降させたい旨を指示する入力を(例えばトグルスイッチ52上の「−」を押すことによって)提供することができる。当該入力を受信し次第、ロールイン型簡易寝台10は、その現在位置(例えば最も高い運搬位置又は中間の運搬位置)からそれが最も低い運搬位置へ到達するまで下降する。ひとたびロールイン型簡易寝台10がその最も低い高さ(例えば最も低い運搬位置)に到達したら、作動は自動的に止む。幾つかの実施形態では、制御ボックス50は、運動中に前脚20と後脚40がアクティブであることの視覚的指示を提供する。
【0057】
[0064]1つの実施形態では、ロールイン型簡易寝台10が最も高い運搬位置(
図4C)にあるとき、前脚20は前搬入割出部221のところで支持示フレーム12と接触にあり、後脚40は後搬入割出部241のところで支持フレーム12と接触にある。前搬入割出部221及び後搬入割出部241は、
図4Cには、支持フレーム12の中央近くに設置されているものとして描かれているが、前搬入割出部221及び後搬入割出部241が支持フレーム12に沿った何れかの位置に設置されている追加の実施形態も考えられる。幾つかの実施形態は、最も高い運搬位置より高い搬入位置を有していることもある。例えば、最も高い搬入位置は、ロールイン型簡易寝台10を所望の高さへ作動させ、最も高い搬入位置を設定したい旨を指示する入力を(例えばトグルスイッチ52上の「+」と「−」を同時に押して10秒間保持により)提供することによって設定することができる。
【0058】
[0065]別の実施形態では、ロールイン型簡易寝台10が最も高い運搬位置を越えて或る設定時間(例えば30秒間)に亘って上昇されたときはいつでも、制御ボックス50が、ロールイン型簡易寝台10は最も高い運搬位置を超過してしまっており、ロールイン型簡易寝台10を下降させる必要があるという指示を提供する。この指示は、視覚的、聴覚的、電子的、又はそれらの組合せであってもよい。
【0059】
[0066]ロールイン型簡易寝台10が最も低い運搬位置にあるとき(
図4A)、前脚20は支持フレーム12の後端19付近に設置されている前平坦割出部220のところで支持フレーム12と接触にあり、後脚40は支持フレーム12の前端17付近に設置されている後平坦割出部240のところで支持フレーム12と接触にある。また、ここでの使用に際し、「割出部」という用語は、支持フレーム12に沿った位置であって、例えば、側面部材15に形成されている溝の中の障害物、ロック掛け機構、又はサーボ機構によって制御されるストッパの様な、機械的ストッパ又は電気的ストッパに相当する位置を意味することを指摘しておく。
【0060】
[0067]前アクチュエータ16は、後アクチュエータ18とは独立に、支持フレーム12の前端17を上昇又は下降させる働きをする。後アクチュエータ18は、前アクチュエータ16とは独立に、支持フレーム12の後端19を上昇又は下降させる働きをする。前端17又は後端19を独立に上昇させることによって、ロールイン型簡易寝台10は、ロールイン型簡易寝台10が起伏のある表面、例えば階段や丘、の上を動かされてゆくときに支持フレーム12を水平又は実質的に水平に維持することができる。具体的には、前脚20又は後脚40の一方が引張にある場合、表面と接触に無い脚のセット(即ち引張にある脚のセット)はロールイン型簡易寝台10によって起動される(例えばロールイン型簡易寝台10を縁石から離れさせる)。ロールイン型簡易寝台10の更なる実施形態は、自動的に水平化するように働く。例えば、後端19が前端17より低い場合、トグルスイッチ52上の「+」を押せば、ロールイン型簡易寝台10を上昇させるに先立って後端19が上昇して水平になり、トグルスイッチ52上の「−」を押せば、ロールイン型簡易寝台10を下降させるに先立って前端17が下降する。
【0061】
[0068]
図4C−
図5Eを併せて参照して、患者を車両の中へ搬入するに当たり、独立作動がここに説明されている実施形態によって利用されている(
図4C−
図5Eには明解さを期して前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18は描かれていないことに留意)。具体的には、ロールイン型簡易寝台10は、以下に説明されているプロセスに従って搬入面500上へ積み載せられることになる。始めに、ロールイン型簡易寝台10は、最も高い搬入位置か又は前搬入車輪70が搬入面500を上回る高さに来る何れかの位置へ入れられる。ロールイン型簡易寝台10が搬入面500上へ積み載せられるとき、確実に前搬入車輪70が搬入面500の上方に配置されるようにするため、ロールイン型簡易寝台10は前後のアクチュエータ16、18を介して上昇される。幾つかの実施形態では、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18は、ロールイン型簡易寝台の高さが所定位置になるまでロールイン型簡易寝台を水平に引き留めるべく同時発生的に作動させることができる。所定位置に到達したら、前アクチュエータ16は、ロールイン型簡易寝台10がその最も高い搬入位置の角度になるように前端17を上昇させることができる。そのため、ロールイン型簡易寝台10は、後端19が前端17より低くなった状態で搬入されることになる。次いで、ロールイン型簡易寝台10は、前搬入車輪70が搬入面500に接するまで下降される(
図5A)。
【0062】
[0069]
図5Aに描かれている様に、前搬入車輪70は搬入面500の上にある。搬入車輪が搬入面500と接触した後は、前端17は搬入面500より上にあるので一対の前脚20を前アクチュエータ16で作動させることができる。
図5A及び
図5Bに描かれている様に、ロールイン型簡易寝台10の中央部分は搬入面500から離れている(即ち、ロールイン型簡易寝台10の重量の殆どを車輪70、車輪26、及び/又は車輪30によって片持ちさせ支持させるに足るほどのロールイン型簡易寝台10の広い部分が搬入縁502より向こうには搬入されていない)。前搬入車輪70が十分に搬入されると、力の量を減らしても、ロールイン型簡易寝台10は水平に保持される。加えて、その様な位置では、前アクチュエータ16は引張にあり、後アクチュエータ18は圧縮にある。而して、例えば、トグルスイッチ52上の「−」を起動させると、前脚20が上昇される(
図5B)。
【0063】
[0070]1つの実施形態では、前脚20が搬入状態をトリガするほど十分に上昇された後、前アクチュエータ16及び後アクチュエータ18の動作はロールイン型簡易寝台の場所に依存する。幾つかの実施形態では、前脚20の上昇に際し、視覚的指示が制御ボックス50(
図2)の視覚的ディスプレイ構成要素58上に提供される。視覚的指示は色分けされていてもよい(例えば、起動脚は緑、非起動脚は赤)。前アクチュエータ16は、前脚20が一杯まで格納されたら自動的に動作を止めるようになっていてもよい。また、指摘しておくこととして、前脚20の格納時、前アクチュエータセンサ62が引張を検知すれば、その時点で前アクチュエータ16が前脚20をより高い速度で上昇させるようになっていてもよく、例えば約2秒以内に一杯まで格納するようになっていてもよい。
【0064】
[0071]
図3、
図5B、及び
図7を併せて参照して、前搬入車輪70が搬入面500上に積み載せられた後、後アクチュエータ18が1つ又はそれ以上のプロセッサ100によって自動的に作動させられロールイン型簡易寝台10の搬入面500上への積み載せを支援する。具体的には、前角度センサ66が、前角度α
fが所定角度より小さいと検知すると、1つ又はそれ以上のプロセッサ100は後アクチュエータ18を自動的に作動させて、後脚40を伸展させ、ロールイン型簡易寝台10の後端19を元の搬入高さより高く上昇させることになる。所定角度は、搬入状態又は伸展の割合を指示する何らかの角度とすることができ、例えば1つの実施形態では前脚20の伸展が約10%未満であることを指示するものであり、別の実施形態では前脚20の伸展が約5%未満であることを指示するものである。幾つかの実施形態では、1つ又はそれ以上のプロセッサ100は、後アクチュエータ18を自動的に作動させて後脚40を伸展させる段階に先立って、搬入端センサ76が前搬入車輪70は搬入面500に触れていると指示しているかどうか判定することができる。
【0065】
[0072]更なる実施形態では、1つ又はそれ以上のプロセッサ100は、後アクチュエータセンサ68を監視して、後角度α
bが後アクチュエータ18の作動に従って変化していることを検証することができる。後アクチュエータ18を保護するため、1つ又はそれ以上のプロセッサ100は、後角度α
bが不適正動作を指示している場合には後アクチュエータ18の作動を自動的に中断することができる。例えば、後角度α
bが所定の時間量(例えば約200ms)に亘って変化し損ねていれば、1つ又はそれ以上のプロセッサ100は後アクチュエータ18の作動を自動的に中断するようになっていてもよい。
【0066】
[0073]
図5A−
図5Eを併せて参照して、前脚20が格納された後、ロールイン型簡易寝台10は、中間搬入車輪30が搬入面500上へ載ってしまうまで前方へ推進される(
図5C)。
図5Cに描かれている様に、ロールイン型簡易寝台10の前端17と中央部分は搬入面500より上にある。結果として、一対の後脚40を後アクチュエータ18で格納させることができる。具体的には、中央部分が搬入面500より上になったときにそれを中間搬入センサ77が検知するようになっていてもよい。搬入状態中に中央部分が搬入面50より上になると(例えば前脚20及び後脚40が搬入状態角度より大きい角度デルタを有すれば)、後アクチュエータが作動される。1つの実施形態では、中間搬入車輪30が後脚40の作動を可能にさせるほど十分に搬入縁502を超えたら指示が制御ボックス50(
図2)によって提供されるようになっている(例えば可聴ビープ音が提供される)。
【0067】
[0074]指摘しておくべきこととして、ロールイン型簡易寝台10の中央部分が搬入面500より上になっていて、そのときロールイン型簡易寝台10の支点の役目を果たす部分は搬入縁502より十分向こうにあるので、後脚40を格納させることができ、併せて、後端19を持ち上げるのに要する力の量が減る(例えば積み載せられるロールイン型簡易寝台10の重量で後端19に支持させる必要があるのは半分未満になる)。また、ロールイン型簡易寝台10の場所の検知は、ロールイン型簡易寝台10上に設置されているセンサ及び/又は搬入面500上の又はそれに隣接するセンサによって達成させることもできることを指摘しておく。例えば、救急車が、ロールイン型簡易寝台10の搬入面500及び/又は搬入縁502に対する位置付けを検知するセンサと、情報をロールイン型簡易寝台10へ送信する通信手段と、を有していてもよい。
【0068】
[0075]
図5Dを参照して、後脚40が格納された後、ロールイン型簡易寝台10は前方へ推進される。1つの実施形態では、後脚格納時、後アクチュエータセンサ64は、後脚40に荷重が掛かっていないと検知すれば、その時点で後アクチュエータ18はより高い速度で後脚40を上昇させる。後脚40が一杯まで格納され次第、後アクチュエータ18は動作するのを自動的に止める。1つの実施形態では、ロールイン型簡易寝台10が搬入縁502を十分越えた(例えば、完全に積み載せられた、又は後アクチュエータが搬入縁502より向こうになるように積み載せられた)とき、指示が制御ボックス50(
図2)によって提供される。
【0069】
[0076]ひとたび簡易寝台が搬入面上へ積み載せられたら(
図5E)、前後のアクチュエータ16、18は、救急車へロック式に連結されることによって動作停止状態にされる。救急車とロールイン型簡易寝台10には、各々、連結するのに適する構成要素、例えば雄雌コネクタが装着されていてもよい。加えて、ロールイン型簡易寝台10は、簡易寝台が完全に救急車内に配置されたときにそれを記録しアクチュエータ16、18のロック掛けを生じさせる信号を送るセンサを備えていてもよい。更に別の実施形態では、ロールイン型簡易寝台10は簡易寝台締結具へ接続されるようになっていて、当該締結具がアクチュエータ16、18をロック掛けし、ロールイン型簡易寝台10を充電する救急車動力システムへも連結されているというのであってもよい。その様な救急車充電システムの商業的な実例に、Feruno−Washington,Inc.社によって生産されている一体型充電システム(ICS:Integrated Charging System)がある。
【0070】
[0077]
図5A−
図5Eを併せて参照して、ロールイン型簡易寝台10を搬入面500から搬出するに当たり、以上に説明されている独立作動がここに説明されている実施形態によって利用されている。具体的には、ロールイン型簡易寝台10は締結具からロック解除され、搬入縁502へ向かって推進される(
図5Eから
図5Dへ)。後車輪46が搬入面500から解放されると(
図5D)、後アクチュエータセンサ64が後脚40は荷重が掛かっていないと検知し、後脚40を下降させる。幾つかの実施形態では、例えば簡易寝台が適正場所にない(例えば、後車輪46が搬入面500より上にある又は中間搬入車輪30が搬入縁502から離れている)とセンサが検知すれば、後脚40は下降を阻止されるようになっていてもよい。1つの実施形態では、後アクチュエータ18が起動されるとき(例えば、中間搬入車輪30が搬入縁502付近にある及び/又は後アクチュエータセンサ64が引張を検知したとき)、指示が制御ボックス50(
図2)によって提供される。
【0071】
[0078]
図5D及び
図7を併せて参照して、線指示器74を1つ又はそれ以上のプロセッサによって自動的に作動させ、ロールイン型簡易寝台10の平衡中心を指示する線を搬入面500上に投射させることができる。1つの実施形態では、1つ又はそれ以上のプロセッサ100は、中間搬入センサ77から、中間搬入車輪30が搬入面と接触にあることを指示する入力を受信することができる。1つ又はそれ以上のプロセッサ100は、更に、後アクチュエータセンサ64から、後アクチュエータ18が引張にあることを指示する入力を受信することができる。中間搬入車輪30が搬入面と接触にあり、後アクチュエータ18が引張にあるとき、1つ又はそれ以上のプロセッサは自動的に線指示器74に線を投射するよう仕向けるようになっていてもよい。こうして線が投射されれば、操作員には、搬入面上の視覚的指示が提供され、それを搬入、搬出、又はその両方のための基準として利用することができるようになる。具体的には、操作員は、線が搬入縁502に近づくにつれロールイン型簡易寝台10の搬入面500からの取り出しを低速化し、後脚40を下降させるための追加の時間が取れるようにする。その様な操作は、操作員がロールイン型簡易寝台10の重量を支えるのに必要になる時間量を最小限にする。
【0072】
[0079]
図5A−
図5Eを併せて参照して、ロールイン型簡易寝台10が搬入縁502に対して適正に位置付けられていれば、後脚40を伸展させることができる(
図5C)。例えば、後脚40は、トグルスイッチ52上の「+」を押すことによって伸展されるようになっていてもよい。1つの実施形態では、後脚40の下降に際し、視覚的指示が制御ボックス50(
図2)の視覚的ディスプレイ構成要素58上に提供される。例えば、ロールイン型簡易寝台10が搬入状態にあり、後脚40及び/又は前脚20を作動させるときに、視覚的指示が提供される。その様な視覚的指示は、作動中、ロールイン型簡易寝台を動かす(例えば、引っ張る、押す、又は転動させる)べきではない旨を合図するものであってもよい。後脚40が床に触れたら(
図5C)、後脚40は荷重の掛かった状態になり、アクチュエータセンサ64は後アクチュエータ18を動作停止にする。
【0073】
[0080]前脚20が搬入面500から空いたこと(
図5B)をセンサが検知すると、前アクチュエータ16が起動される。1つの実施形態では、中間搬入車輪30が搬入縁502
にあれば、指示が制御ボックス50(
図2)によって提供される。前脚20は、前脚20が床に接する(
図5A)まで伸展される。例えば、前脚20は、トグルスイッチ52上の「+」を押すことによって伸展される。1つの実施形態では、前脚20の下降に際し、視覚的指示が制御ボックス50(
図2)の視覚的ディスプレイ構成要素58上に提供される。
【0074】
[0081]ここに記載されている実施形態は、患者支持面の様な支持面を支持フレームへ連結することによって様々な寸法の患者を運搬するのに利用することができるということがこれで理解されたはずである。例えば、持上げ式ストレッチャー又は保育器が支持フレームへ取り外し式に連結されてもよい。従って、ここに記載されている実施形態は、乳幼児から肥満患者に及ぶ範囲の患者を搬入及び運搬するのに利用することができる。また、ここに記載の実施形態は、操作員が単一のボタンを保持して独立に連接する脚を作動させることによって、救急車上への搬入及び/又は救急車からの搬出(例えばトグルスイッチ上の「−」を押して簡易寝台を救急車の上へ搬入又はトグルスイッチ上の「+」を押して簡易寝台を救急車から搬出)が可能である。具体的には、ロールイン型簡易寝台10は、操作員制御部からの信号の様な入力信号を受信するようになっていてもよい。入力信号は、第1の方向又は第2の方向(下降又は上昇)を指示するものであってもよい。一対の前脚及び一対の後脚は、信号が第1の方向を指示しているときは独立に下降され、信号が第2の方向を指示しているときは独立に上昇される。
【0075】
[0082]更に指摘しておくこととして、「好適には」、「概して」、「通常は」、「典型的には」の様な用語は、ここでは、請求されている実施形態の範囲を限定するために用いられているのでもなければ、一部の特定の特徴が請求されている実施形態の構造又は機能にとって決定的、不可欠、或いは重要でさえあることを示唆するために用いられているのでもない。むしろ、これらの用語は、本開示の具体的な実施形態において利用されることもあれば利用されないこともある代わりの特徴又は追加の特徴を強調することを意図しているにすぎない。
【0076】
[0083]本開示の説明上及び定義上、「実質的に」という用語は、ここでは、何れかの量的比較、数値、測定値、又は他の表現、に因る特有の不確定度を表すのに用いられていることを付け加えて指摘しておく。「実質的に」という用語は、更に、ここでは、量的表現が、表明されている基準から、問題になっている主題の基本的機能に変化を生じさせることなく変動し得る程度を表すのにも用いられている。
【0077】
[0084]具体的な実施形態について言及してきたが、付属の特許請求の範囲に定義されている本開示の範囲から逸脱することなく修正及び変型が実施可能であるのは自明であろう。より具体的には、本開示の幾つかの態様は、ここでは、好適又は特に好都合であるとして識別されているが、本開示は何れかの具体的な実施形態のこれらの好適な態様に必ずしも限定されるものではないと考えている。
以下は、本願発明の出願当初の各種形態である。
(形態1) 簡易寝台において、
前記簡易寝台の前端と前記簡易寝台の後端の間を延びている支持フレームと、
前記支持フレームへ滑動式に連結されている前脚及び後脚と、
前記前脚へ連結されている前アクチュエータであって、前記前脚を前記支持フレームに沿って滑動させて当該前脚を格納及び伸展させる前アクチュエータと、
前記後脚へ連結されている後アクチュエータであって、前記後脚を前記支持フレームに沿って滑動させて当該後脚を格納及び伸展させる後アクチュエータと、
前記前アクチュエータ及び前記後アクチュエータへ通信可能に連結されている1つ又はそれ以上のプロセッサであって、
1つ又はそれ以上のセンサからの前記簡易寝台の前記前端及び前記前脚を指示する信号を受信するように機械可読命令を実行し、及び、
前記簡易寝台の前記前端が表面によって支持されていて前記前脚が所定量だけ格納されているとき、前記後アクチュエータを作動させて前記後脚を伸展させ前記簡易寝台の前記後端を上昇させるように機械可読命令を実行する、1つ又はそれ以上のプロセッサと、を備えている簡易寝台。
(形態2) 前記1つ又はそれ以上のセンサは、前記前脚と前記支持フレームの間の前角度を測定し前記前角度に相関付けられるようにして前角度信号を前記1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信する前角度センサを備えており、前記1つ又はそれ以上のプロセッサは、前記前脚が前記所定量だけ格納されていることを少なくとも一部には前記前角度に基づいて確定するように機械可読命令を実行する、形態1に記載の簡易寝台。
(形態3) 前記前角度センサは、ポテンショメータ回転センサ又はホール効果回転センサである、形態2に記載の簡易寝台。
(形態4) 前記1つ又はそれ以上のセンサは、前記後脚と前記支持フレームの間の後角度を測定し後角度信号を前記1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信する後角度センサを備えており、前記後角度信号は前記後角度に相関付けられている、形態2に記載の簡易寝台。
(形態5) 前記後角度センサは、ポテンショメータ回転センサ又はホール効果回転センサである、形態4に記載の簡易寝台。
(形態6) 前記1つ又はそれ以上のプロセッサは、前記後角度と前記前角度の間の差を少なくとも一部には前記前角度信号及び前記後角度信号に基づいて確定するように機械可読命令を実行する、形態4に記載の簡易寝台。
(形態7) 前記1つ又はそれ以上のプロセッサは、前記後角度と前記前角度の間の前記差を所定の角度デルタに比較するように機械可読命令を実行し、前記後角度と前記前角度の間の前記差が前記所定の角度デルタより大きいか又はそれに等しいとき、前記後脚が自動的に伸展される、形態6に記載の簡易寝台。
(形態8) 前記1つ又はそれ以上のセンサは、前記前脚、前記後脚、又はその両方の、前記支持フレームに対する位置を指示する距離を測定し距離信号を前記1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信する距離センサを備えており、前記距離信号は前記距離に相関付けられている、形態1に記載の簡易寝台。
(形態9) 前記1つ又はそれ以上のセンサは、前記簡易寝台の前記前端の、前記表面に対する位置を指示する距離を測定し距離信号を前記1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信する距離センサを備えており、前記距離信号は前記距離に相関付けられている、形態1に記載の簡易寝台。
(形態10) 前記距離センサは、前記支持フレーム又は前記後アクチュエータへ連結されている、形態9に記載の簡易寝台。
(形態11) 前記距離センサは、超音波センサ、タッチセンサ、又は近接センサである、形態9に記載の簡易寝台。
(形態12) 前記簡易寝台は、
前記1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信可能に連結されている前アクチュエータセンサであって、前記前アクチュエータへ掛かっている力を測定し前記前アクチュエータへ掛かっている前記力に相関付けられる前アクチュエータ力信号を通信する前アクチュエータセンサと、
前記1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信可能に連結されている後アクチュエータセンサであって、前記後アクチュエータへ掛かっている力を測定し前記後アクチュエータへ掛かっている前記力に相関付けられる後アクチュエータ力信号を通信する後アクチュエータセンサと、を更に備えており、前記1つ又はそれ以上のプロセッサは、前記前アクチュエータ力信号が引張を指示していて前記後アクチュエータ力信号が圧縮を指示していることを確定するように機械可読命令を実行し、前記前アクチュエータ力信号が引張を示し前記後アクチュエータ力信号が圧縮を指示しているとき、前記後脚が自動的に伸展される、形態1に記載の簡易寝台。
(形態13) 前記1つ又はそれ以上のプロセッサは、前記後脚の、前記簡易寝台の前記後端に対する位置が、前記後アクチュエータが作動された後の所定の時間量に亘って変化し損ねていれば、前記後アクチュエータの作動を自動的に中断するように機械可読命令を実行する、形態1に記載の簡易寝台。
(形態14) 簡易寝台において、
前記簡易寝台の前端と前記簡易寝台の後端の間を延びている支持フレームと、
前記支持フレームへ滑動式に連結されている前脚及び後脚であって、支持面からの搬入又は搬出を容易にするように格納及び伸展する前脚及び後脚と、
前記簡易寝台の前端と前記簡易寝台の後端の間に配置されている中央部分と、
前記簡易寝台へ連結されている線指示器であって、前記簡易寝台の前記中央部分を指示する光学的な線を投射する線指示器と、を備えている簡易寝台。
(形態15) 前記前脚の近位端と遠位端の間で当該前脚へ連結されている中間搬入車輪であって、搬入時又は搬出時に前記光学的な線と実質的に整列される中間搬入車輪を更に備えている、形態14に記載の簡易寝台。
(形態16) 前記中間搬入車輪は、搬入時又は搬出時の支点である、形態15に記載の簡易寝台。
(形態17) 前記中間搬入車輪は、前記搬入時又は搬出時の前記簡易寝台の平衡中心に設置されている、形態15に記載の簡易寝台。
(形態18) 前記線指示器へ通信可能に連結されている1つ又はそれ以上のプロセッサであって、
1つ又はそれ以上のセンサからの前記簡易寝台の前記前端を指示する信号を受信するように機械命令を実行し、及び、
前記簡易寝台の前記前端が前記支持面より上にあるときに前記線指示器に前記光学的な線を投射するよう仕向けるように機械可読命令を実行する、1つ又はそれ以上のプロセッサを更に備えている、形態14に記載の簡易寝台。
(形態19) 前記簡易寝台は、
前記後脚へ連結されている後アクチュエータであって、前記後脚を前記支持フレーム
に沿って滑動させて当該前脚を格納及び伸展させる後アクチュエータと、
前記1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信可能に連結されている後アクチュエータセンサであって、前記後アクチュエータへ掛かっている力を測定し、前記後アクチュエータへ掛かっている前記力に相関付けられる後アクチュエータ力信号を通信する後アクチュエータセンサと、を更に備えており、前記1つ又はそれ以上のプロセッサは、前記後アクチュエータ力信号が引張を指示していることを確定するように機械可読命令を実行し、前記後アクチュエータ力信号が引張を指示しているとき、前記光学的な線が投射される、形態18に記載の簡易寝台。
(形態20) 前記1つ又はそれ以上のセンサは、前記簡易寝台の前端の、前記支持面に対する位置を指示する距離を測定し前記距離に相関付けられるようにして距離信号を前記1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信する距離センサを備えており、前記1つ又はそれ以上のプロセッサは、前記距離が定義可能な範囲内にあるとき、前記簡易寝台の前記前端は前記支持面より上にある、と確定するように機械可読命令を実行する、形態19に記載の簡易寝台。
(形態21) 前記距離センサは、前記後アクチュエータへ連結されているか又は前記中間搬入車輪と整列している、形態20に記載の簡易寝台。
(形態22) 前記距離センサは、超音波センサ、タッチセンサ、又は近接センサである、形態20に記載の簡易寝台。
(形態23) 前記光学的な線は、前記簡易寝台の前記中央部分の下に又はそれに隣接して、前記簡易寝台の側面からオフセットした点へ投射される、形態14に記載の簡易寝台。
(形態24) 前記線指示器は、レーザー、発光ダイオード、又はプロジェクタを備えている、形態14に記載の簡易寝台。
(形態25) 簡易寝台において、
前記簡易寝台の前端と前記簡易寝台の後端の間を延びている支持フレームと、
前記支持フレームへ滑動式に連結されている前脚及び後脚と、
前記前脚又は前記後脚へ連結されているアクチュエータであって、前記前脚又は前記後脚を前記支持フレームに沿って滑動させて当該支持フレームを作動させるアクチュエータと、
前記アクチュエータへ連結されている駆動照明と、
前記駆動照明へ通信可能に連結されている1つ又はそれ以上のプロセッサと、
前記1つ又はそれ以上のプロセッサへ通信可能に連結されている1つ又はそれ以上の操作員制御部であって、前記1つ又はそれ以上のプロセッサが、当該1つ又はそれ以上の操作員制御部から入力が受信されたときに自動的に前記駆動照明に照射するよう仕向けるように機械可読命令を実行するようになっている、1つ又はそれ以上の操作員制御部と、を備えている簡易寝台。
(形態26) 前記アクチュエータは前記前脚を作動させ、前記駆動照明は前記簡易寝台の前記前端の前の区域を照射する、形態25に記載の簡易寝台。
(形態27) 前記アクチュエータは前記後脚を作動させ、前記駆動照明は前記簡易寝台の前記後端の後ろの区域を照射する、形態25に記載の簡易寝台。