(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明において、同様の部分は、それぞれ明細書及び図面を通して同じ符号で示されている。図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の詳細及び特徴をより良く説明するために特定の部分の比率が誇張されている。「内側に」及び「外側に」という用語は、参照される物体の幾何学的軸線に向かう方向及び幾何学的軸線から離れる方向である。比較的よく知られたデザインの構成要素が使用される場合、それらの構造及び動作は詳細には説明されない。
【0008】
フローインジェクションを立て続けに行うための方法及び装置が記載されている。記載された方法及び装置は、一般にフローインジェクションに基づくセンシングシステムに有用であり得るが、表面プラズモン共鳴(SPR)に関して説明される。フローインジェクションに基づくセンシングシステム、一般的に生体分子相互作用解析の用途では、フローインジェクションによって試料又は分析物が表面感応型検出器を横切って流れるようにする。この方法は、実験の全体的な実行時間を短縮するために、一部のフローインジェクションステップを並行して行うことを含む。本発明は、同時に複数のステップを行い、それにより分析サイクル時間及び全体的な分析時間を短縮する方法に関する。
【0009】
SensiQ(登録商標)Pioneer計器用にSensiQTechnologies社によって開発されたもののような典型的なフローインジェクションシステムは、通常、注入を行うステップが順番に行われるように構成されている。これらのステップのハイレベルダイヤグラムを一連の3回の注入に関して以下の表1に示す。
【表1】
【0010】
本発明の実施可能な技術は、一連の試料注入が望ましい場合に必要なステップの一部を同時に行うことができるようなマイクロ流体コンポーネントの配置を含む。本発明の方法の一実施形態を用いた同じ一連の3回の注入のハイレベルダイヤグラムを以下の表2に示す。
【表2】
【0011】
ここで
図1を参照すると、SPR検査システム100の図が示されている。フローインジェクションシステム又は流体送達システム102は、複数の流体源からフローセル104への実質的に一定の流体の流れを提供するように構成されたフローチャネル、バルブ、ポンプ及び/又は他の構成要素の複合体を含む。実施形態によれば、フローセル104は、SPR測定を行うように構成された光インターフェースアセンブリ106に動作可能に連結されることができる。SPR光インターフェースアセンブリは当技術分野において既知であり、薄膜光学基板、プリズム、照明器及び検出器を含み得る。
【0012】
一般的に、フローセルは、SPRカップリング面と複数のアクティブセンシング領域(図示せず)との間の電気光学的な関係を維持するように構成されることができる。薄膜光学基板は、一般的に、生体分子(「リガンド」)が基板に固定化されることを可能にするコーティングを有するように誘導体化される。固定化された生体分子は、通常、1つ以上の特定のポリペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、キナーゼ、及び/又は他の小分子に対する結合特異性を有する。特異親和性の領域をアクティブセンシング領域と称することができる。アクティブセンシング領域は、一般に、上記の1つ以上の非特異的結合を阻止する1つ以上の連続領域によって分離されることができる。実験的設計では、薄膜光学基板上の対応するインタロゲーション領域に生体分子を固定化しないことによって、1つ以上のアクティブセンシング領域を基準センシング領域に指定することが一般的である。
【0013】
アクティブセンシング領域は、薄膜光学基板の表面からフローセル104内の及びフローセル104を通って流れる流体中に上向きに延びる結合タンパク質などの結合部分を含む。フローセルを流れる分析物に、特定のアクティブセンシング領域の結合部分が親和性を有する特定の分子又は生体分子が含まれる場合、その分子又は生体分子は、特徴的な会合反応速度に従って結合部分に結合し又は結び付くことができる。分子又は生体分子のアクティブセンシング領域への結合は、アクティブセンシング領域付近の体積の屈折率を変化させる。一般的に、分析物は、一定又は固定濃度の一様な体積セグメントとしてフローセルを通過するように作られる。しかしながら、当技術分野において既知の他の方法があり、この方法ではアクティブセンシング領域に分析物濃度の勾配を与えるためにフローセルに至る途中で緩衝液又は第3の溶液を用いて分析物体積セグメントを分散させる。例えば、米国特許出願公開第2011/0295512号明細書及び米国特許出願公開第2013/0273564号明細書を参照されたい。
【0014】
他の分析物又は緩衝液がその後フローセルに流され且つ他の分析物又は緩衝液が特定の分子又は生体分子を含まない場合、結合した分子又は生体分子は、特徴的な解離反応速度に従ってアクティブセンシング領域の結合部分から解離することができる。緩衝液は、一般的に、中性に近いpHすなわち弱酸性又は弱塩基性の溶液であり、分析物を含まない。好適な緩衝液は、一般的に、所望の実験条件に応じてHEPES、リン酸塩、トリス(TRIS)及び/又は他の添加剤を含む食塩水である。
【0015】
アクティブセンシング領域からの分子又は生体分子の解離は、アクティブセンシング領域付近の流体体積の屈折率を再び変化させる。一般に、完全な解離は、屈折率を最初の結合前の開始屈折率又はそれに近い屈折率に低下させることができる。場合によっては、完全な解離には非常に時間がかかり且つ/又は屈折率は完全に元の値に戻らない可能性がある。また、一連の会合及び解離は、屈折率の段階的な変化をもたらし得る。変化が大きくなり過ぎると、薄膜光学基板の表面は、実質的にその初期状態に戻すために調整又は再生される必要があるかもしれない。
【0016】
センシング面を再生する必要がある状況では、例えば水、洗剤及び/又は酸などの洗浄液をフローセルに流すことによって再生を行うことができる。このような再生は、一般に、アクティブセンシング領域の近くの屈折率をその元の値に近づけることができる。例えば、再生段階中に、水、洗剤、酸、又は水、界面活性剤、及び酸の逐次的な組み合わせをフローセルに注入して、解離の終了後にアクティブセンシング領域に付着したままの分子又は生体分子の最後の強固な部分を除去することができる。
【0017】
光インターフェースアセンブリ106は、薄膜光学基板を照明し且つ反射光エネルギーの量の変化を検出するように動作可能である。反射光エネルギーの量は、分子又は生体分子の分析物からアクティブセンシング領域への結合(又は非結合)によって影響される。
【0018】
上述のように、光インターフェースアセンブリ106は、一般的に、薄膜光学基板を照明するように構成された照明器を含む。照明器は、照明を生成するように機能する多数の個別の及び/又は一体化された構成要素を含むことができる。一般的に、プリズムは、照明器から光を受け取り且つそれを薄膜光学基板に連結するように位置合わせされる。光の光子の一部は、表面プラズモンに変換され得る。一部のSPRシステムにおいて、残りの光子は薄膜光学基板から反射され、プリズムはそれらを検出器に連結するように構成される。検出器は、薄膜光学基板の表面中から反射される光子の割合の変化を検出するように動作可能であり、この変化は、一般的に、分析物からの分子及び/又は生体分子部分のアクティブセンシング領域の1つ以上への会合及び解離に関連する成分を含む。一般的に、ローティングが多いほど(すなわち、結合部分の活性部位のより多くの割合が特定の分子又は生体分子と結合しているほど)光子の表面プラズモンへの変換を増加させる(従って、反射光子の数を減少させる)傾向があり、ローディングが少ないほど光子の表面プラズモンへの変換を最小にする(従って、反射光子の数を最大にする)傾向がある。
【0019】
他のSPRシステムは、SPRディップ最小値を追跡することによって、プラズモンの放射角度のずれを検出する。分析物のローディングが多いほど、放出が生じる角度が増大する。
【0020】
コントローラー108は、流体送達システム102及び光インターフェースアセンブリ106に動作可能に連結されることができ、外部コンピューティングシステム又はネットワーク110へのインターフェースを含むことができる。代替的に、外部コンピューティングシステム又はネットワーク110へのインターフェースは省略されることができ、装置100はスタンドアロンシステムとして動作することができる。コントローラー108は、照明器の出力を制御し、検出器によって取得された画像に対して画像処理を行い、画像処理のためにデータ解析を行い又は外部プロセッサ110に画像データを送信し、内部コンポーネントと外部システムとの間でステータスとコマンドデータを送受信し、キーボード、ディスプレイ、及び/又は他の状態表示器(図示せず)によるヒューマンインタフェースを提供し、且つ流体送達システム102を制御するために使用されることができる。詳細には、流体送達システムは、電気制御インターフェースを備えたポンプ及びバルブを含むことができ、コントローラー108は、流体送達システム102のポンプ、バルブなどを動作させるために信号を送信することができる。必要に応じて、コントローラー108は、廃棄物システム112に動作可能に連結されることができる。
【0021】
図2は、一部の実施形態による流体送達システム102、フローセル104及び廃棄物システム112の概略図である。流体送達システム102は、第1マルチポートバルブ300及び第2マルチポートバルブ500を介して流体をフローセル104に送り込むように構成された第1ポンプ202と第2ポンプ204とを含む。第1及び第2ポンプ202、204はそれぞれ、シリンジポンプのようなポンプ、例えばTecan社によって市販されているCavroXLP6000シリンジポンプ又はCavroCentrisシリンジポンプなどであることができる。それぞれのポンプ202、204は、分配バルブ203、205を有し、4つのフローラインのうちの1つへ又はそれらの1つから送り出すように構成されている。一般に、分配バルブ203は、第1ポンプ202が緩衝液をフローライン214を通して緩衝液貯蔵器206からポンプのシリンジに送り込み且つフローライン211、212及び213のうちの1つを通して送り出すように設定されることができる。従って、分配バルブ203は、第1マルチポートバルブ300又は第2マルチポートバルブ500の1つのポートが常にポンプ202から流体を受け取るように構成されている。緩衝液貯蔵器206からの緩衝液は、第1ポンプ202に導入される前に脱ガス装置208を通過することができる。
【0022】
同様に、分配バルブ205は、一般的に、第2ポンプ204が緩衝液をフローライン224を通して緩衝液貯蔵器206からポンプのシリンジに送り込み且つフローライン221、222、223のうちの1つを通して送り出すように設定されることができる。従って、分配バルブ205は、第1マルチポートバルブ300又は第2マルチポートバルブ500の1つのポートが常にポンプ204から流体を受け取るように構成されている。この場合も、緩衝液貯蔵器206からの緩衝液は、第2ポンプ204に導入される前に脱ガス装置208を通過することができる。任意の好適な分配バルブを分配バルブ203、205に利用することができる。
【0023】
フローライン211及び212は、第1ポンプ202を第1マルチポートバルブ300に流体流連通状態で接続する。フローライン221及び222は、第2ポンプ204を第1マルチポートバルブ300に流体流連通状態で接続する。また、第1マルチポートバルブ300は、フローライン232及び234を介して合流点230に接続されている。合流点230はフローライン236にも接続され、フローライン236は合流点230を合流点240と流体流連通状態にする。合流点240はプローブ244に動作可能に接続され、プローブ244は試料ラック246から試料を得ることができ又は洗浄ステーション270と流体流連通状態に置かれることができる。また、合流点240は、フローライン242を介して第2マルチポートバルブ500と流体流連通している。従って、合流点240を横切る流体流は、動作中のポンプ202、204及びそれに関連する分配バルブの設定に応じて、フローライン242によってプローブ244と第2マルチポートバルブ500との間にあるか又はフローライン236によってプローブ244と合流点230との間にある。同様に、合流点230を横切る流体流は、動作中のポンプ202、204及びそれに関連する分配バルブの設定に応じて、フローライン232によって又はフローライン234によってプローブ244と第1マルチポートバルブ300との間にある。従って、第1マルチポートバルブ300は、フローライン232を通して又はフローライン234を通してプローブ244から流体、一般的に試料を受け取ることができる。また、プローブ244は、フローライン232を通して又はフローライン234を通して第1マルチポートバルブ300から流体、一般的に緩衝液を受け取ることができる。最後に、第1マルチポートバルブ300はライン248を介してフローセル104と流体流連通しており、フローセル104は第1マルチポートバルブ300を廃棄物選別機260と連通させる。
【0024】
フローライン213は第1ポンプ202を合流点254と流体流連通状態で接続し、合流点254はフローライン256を介して第2マルチポートバルブ500と流体流連通している。同様に、フローライン223は第2ポンプ202を合流点254と、結果としてフローライン256を介して第2マルチポートバルブ500に流体流連通状態で接続する。従って、合流点254を横切る流体流は、どちらのポンプが動作しているか及びそれに関連するバルブ設定に応じて、フローライン213及び256によって第1ポンプ202と第2マルチポートバルブ500との間にあるか又はフローライン223及び256によって第2ポンプ204と第2マルチポートバルブ500との間にあるか、或いは両方のポンプ202、204の間にある。
【0025】
上述のように、第2マルチポートバルブ500は、フローライン242を介してプローブ244と流体流連通していることができる。また、第2マルチポートバルブ500は、フローライン250を介して第1マルチポートバルブ300と、フローライン252を介してフローセル104と流体流連通している。フローライン250は分散ループ251を含むことができる。分散ループ251を含まない実施形態は、実質的に一定濃度の分析物の注入をもたらす。分散ループ251を含む実施形態は、分析物の傾斜濃度の注入をもたらす。フローライン252を通ってフローセル104に入る流体は、光インターフェースアセンブリ106の薄膜光学基板と相互作用する。フローライン248を通ってフローセル104に入る流体も廃棄ポートの選択に応じて光インターフェースと相互作用し得ることに留意されたい。
【0026】
フローセル104は、フローライン262、264、266及び268を介して廃棄物選別機260と流体流連通するように接続されている。従って、フローライン248又はフローライン252を通って入る流体は、廃棄物選別機260に送られる。廃棄物選別機260は、同様に、フローライン272を介して洗浄ステーション270と流体流連通している。洗浄ステーション270はまた、フローライン276を介して廃棄物貯蔵器274と流体流連通している。
【0027】
一実施形態によれば、第1マルチポートバルブ300は、図示のような2位置10ポートバルブであることができ、或いは2位置8ポートバルブであることができ、従って以下に説明するジャンパーフローライン321を取り除く。
図3は、位置A又は第1位置301にある第1マルチポートバルブ300の図である。バルブ位置301は5対のポートを連結する。ポート401はフローチャネル311を介してポート410に連結され、ポート402はフローチャネル312を介してポート403に連結され、ポート404はフローチャネル313を介してポート405に連結され、ポート406はフローチャネル314を介してポート407に連結され、ポート408はフローチャネル315を介してポート409に連結される。また、ポート408はフローライン321を介してポート407に連結される。省略形では、以下のポート、401〜410、402〜403、404〜405、406〜407、408〜409が第1位置301において連結される。
【0028】
第1位置301において、保持ラインとして働くフローライン211内の流体を、第1ポンプ202によって第1マルチポートバルブ300に押し通すことができる。流体はポート403から入り、ポート402から出る。流体はその後、フローライン250を通って第2マルチポートバルブ500へと押し出される。また、流体を第2ポンプ204によって保持ラインとして働くフローライン221に引き込むことができる。流体は、プローブ244に引き込まれ、フローライン236及び234を通過させられ、ポート410を通って第1マルチポートバルブ300に入り、ポート401を通って出る。ポート401から、流体は保持ライン221に導入される。例えば、これらの流体は分析物を含むことができる。また、以下で更に説明するように、第1マルチポートバルブ300に緩衝液を押し通すことができる。
【0029】
図4は、位置B又は第2位置302にある第1マルチポートバルブ300の図である。バルブ位置302は5対のポートを連結する。ポート401はフローチャネル316を介してポート402に連結され、ポート403はフローチャネル317を介してポート404に連結され、ポート405はフローチャネル318を介してポート406に連結され、ポート407はフローチャネル319を介してポート408に連結され、ポート409はフローチャネル320を介してポート410に連結される。第1位置301と同様に、ポート408はフローライン321を介してポート407に連結される。省略形では、以下のポート、401〜402、403〜404、405〜406、407〜408、409〜410が第2位置302において連結される。
【0030】
第2位置302において、保持ライン221内の流体を、第2ポンプ204によって第1マルチポートバルブ300に押し通すことができる。流体はポート401から入り、ポート402から出る。流体はその後、フローライン250を通って第2マルチポートバルブ500へと押し出される。また、流体を第1ポンプ202によって保持ライン211に引き込むことができる。流体は、プローブ244に引き込まれ、フローライン236及び232を通過させられ、ポート404を通って第1マルチポートバルブ300に入り、ポート403を通って第1マルチポートバルブ300を出る。ポート403から、流体は保持ライン211に導入される。例えば、これらの流体は分析物を含むことができる。また、以下で更に説明するように、第1マルチポートバルブ300に緩衝液を押し通すことができる。
【0031】
上記において、マルチポートバルブ330は10個のチャネルを有するものとして記載されているが、1つのチャネルが2つの異なる位置に役立つようにバルブが動作することができるような他の構成も容易に分かるであろう。例えば、フローチャネルが回転ヘッド上の5つの溝であり且つモーターがヘッドを2つの位置の間で回転させるようにバルブを構築することができる。その結果、各チャネルが第1ポート及び第2ポートを接続する第1位置と、第2ポート及び第3のポートを接続する第2位置とを有する、5つのチャネルしかない。
【0032】
一部の実施形態によれば、第2マルチポートバルブ500は、図示のような2位置4ポートバルブであることができる。
図5は、位置A又は第1位置501にある第2マルチポートバルブ500の図である。バルブ位置501は2対のポートを連結する。ポート601はフローチャネル511を介してポート604に連結され、ポート602はフローチャネル512を介してポート603に連結される。省略形では、以下のポート、601〜604、602〜603が第1位置501において連結される。
【0033】
第1位置501において、フローライン213又はフローライン223に導入された緩衝液を、それぞれ第1ポンプ202又は第2ポンプ204によって、フローライン256を通して第2マルチポートバルブ500に押し込むことができる。流体はポート601から入り、ポート604から出て、フローライン252を通ってフローセル104に導入される。流体はその後、廃棄物システム112へと押し出される。一般的に、この流体は、洗浄のため及びフローセル104における解離のための緩衝液である。
【0034】
図5は、位置B又は第2位置502にある第2マルチポートバルブ500の図である。バルブ位置502は2対のポートを連結する。ポート601はフローチャネル513を介してポート602に連結され、ポート603はフローチャネル514を介してポート604に連結される。省略形では、以下のポート、601〜602、603〜604が第2位置502において連結される。
【0035】
第2位置502において、フローライン256に押し込まれた保持ライン211又は保持ライン221内の流体を、それぞれ第1ポンプ202又は第2ポンプ204によって第2マルチポートバルブ500に押し通すことができる。流体はポート603から入り、ポート604から出て、フローライン252を通ってフローセル104に導入される。一般的に、この流体は試料又は分析物である。
【0036】
マルチポートバルブ300のように、マルチポートバルブ500は、記載された4つよりも少ないチャネルしかないような異なる構成を有することができる。マルチポートバルブ300、500の正確な構成は、それらがそれぞれフローラインを上記のように流体流連通状態で接続する第1位置及び第2位置を有する限り問題ではない。
【0037】
次に、一部の実施形態によってハイスループット連続注入を行うプロセスを説明する。以下の説明のために、流体送達システム102は、第1マルチポートバルブ300と第2マルチポートバルブ500の両方がそれらの第1位置にある初期状態を有する。また、保持ライン211は以下の説明において最初の試料を受け取る。当然のことながら、プロセスは他の位置にあるマルチポートバルブから始めることができる。また、保持ライン211又は221が最初の試料を受け取ることができる。
【0038】
最初の試料又は分析物のために、第1マルチポートバルブ300は、位置Bとしても知られるその第2位置302に配置される。ポンプ202は、ポンプ202が保持ライン21から流体を引き出すように設定された分配バルブ203で駆動される。この引き出しは、試料が試料ラック246からプローブ244に取り込まれ、フローライン236及び232を通して引き出されるように、フローパスの下方に伝達される。試料は、ポート404を通って第1マルチポートバルブ300に入り、ポート403を出るようにバルブを通して引き出され、その結果、ポンプ202は試料を保持ライン211に充填する。
【0039】
次に、第1マルチバルブ300は、位置Aとしても知られるその第1位置に配置される。この時、フローライン223に緩衝液を送り込むように分配バルブ205を設定することによって、ポンプ204によってフローセルに緩衝液流を供給することができる。フローライン223は、ポート601を通して第2マルチポートバルブ500に緩衝液を導入する。第2マルチポートバルブ500は、位置Aとしても知られるその第1位置501にあり、従って、ポート601はポート604と流体流連通している。ポート604からの緩衝液は、フローライン252に入り、フローセル104に導入され、その結果、試料を受け取るためにフローセル104を準備する。フローセル104からの流体は、廃棄物選別機260を通して廃棄物システム102に導入される。
【0040】
第1マルチバルブ300をその第1位置301にし続け且つ第2マルチポートバルブをその第2位置502に配置すると、分配バルブ203が保持ライン211への流体流のために設定される。従って、ポンプ202は、保持ライン211内の試料を、ポート403を通して第2マルチポートバルブ300に押し込み、ポート402を通して押し出す。その結果、試料はフローライン250に入り、第2マルチポートバルブ500のポート603に流入する。その後、試料はポート604からフローライン252に流れ、その結果、フローセル104に導入される。
【0041】
フローインジェクションの間、緩衝液流はポンプ204から必要とされない。従って、第1マルチバルブ300がその第1位置301にある状態で、ポンプ204は、フローセル104への次の注入のための試料を充填することができる。ポンプ204は、試料を試料ラック246からプローブ244に、次いでフローライン236に引き込む。フローライン236内の試料は、フローライン236を通って第1マルチポートバルブ300のポート410に入り、ポート401を通って保持ライン221に出る。これにより、1つの試料が保持ライン211からフローセル104に送られると同時に、別の試料が試料ラック246から保持ライン221に充填される。
【0042】
試料の保持ライン211からフローセル104への導入に続いて、注入経路を洗浄することができる。第2マルチポートバルブ500がその第1位置501にある状態で、緩衝液を、ポンプ204によって緩衝液貯蔵器206からフローライン224を通してフローライン223に送り出すことができる。フローライン223内の緩衝液はその後、合流点254を通過し、フローライン256を通って第2マルチポートバルブ500のポート601に入る。緩衝液はポート604を出てフローライン252に入り、その後フローセル104に入る。フローセル104からの緩衝液は、廃棄物システム112に導入される。また、第1マルチポートバルブ300がまだその第1位置301にあり且つ第2マルチポートバルブ500がその第1位置501にある状態で、ポンプ202は緩衝液を、フローライン211の経路で第1マルチポートバルブ300のポート403に、ポート402からフローライン250に、第2マルチポートバルブ500のポート603に、ポート602からフローライン242に、その結果プローブ244に導入されるように押し流すことができ、プローブ244は掃除のために洗浄ステーション270と流体流接触させられる。また、この位置において、ポンプ202は緩衝液を、フローライン212の経路で第1マルチポートバルブ300のポート405に、ポート404からフローライン232に、プローブ244に導入されるようにフローライン236に押し流すことができ、プローブ244は先と同様に掃除のために洗浄ステーション270と流体流接触している。
【0043】
掃除が完了すると、試料が既に保持ライン221に充填されているので、保持ライン221内の試料の注入を直ちに開始することができる。2番目の注入の場合、ポンプ202及びポンプ204の役割は逆にされる。第1マルチポートバルブ300はその第2位置302に配置され、第2マルチポートバルブ500はその第2位置502に配置される。ポンプ204はその結果、試料を保持ライン221から第1マルチポートバルブ300のポート401に押し込むことによって試料の注入を行う。試料は、ポート402を通ってフローライン250に入り、第2マルチポートバルブ500のポート603に導入されることができる。試料は、ポート604から出て、フローライン252を通ってフローセルに導入される。
【0044】
フローインジェクションの間、緩衝液流はポンプ202から必要とされない。従って、第1マルチバルブ300がその第2位置302にある状態で、ポンプ202は、フローセル104への次の注入のための試料を充填することができる。ポンプ202は、試料を試料ラック246からプローブ244に、次いでフローライン236に引き込む。フローライン236内の試料は、フローライン232を通って第1マルチポートバルブ300のポート404に入り、ポート403を通って保持ライン211に出る。当然のことながら、分配バルブ203は、ポンプ202がフローライン211に送り出すように設定される。これにより、1つの試料が保持ライン221からフローセル104に送られると同時に、別の試料が試料ラック246から保持ライン211に充填される。
【0045】
試料の保持ライン221からフローセル104への導入に続いて、注入経路を洗浄することができる。第2マルチポートバルブ500がその第1位置501にある状態で、緩衝液を、ポンプ202によって緩衝液貯蔵器206からフローライン214を通してフローライン213に送り出すことができる。フローライン213内の緩衝液はその後、合流点254を通過し、フローライン256を通って第2マルチポートバルブ500のポート601に入る。緩衝液はポート604を出てフローライン252に入り、その後フローセル104に入る。フローセル104からの緩衝液は、廃棄物システム112に導入される。また、第1マルチポートバルブ300がまだその第2位置301にあり且つ第2マルチポートバルブ500がその第1位置501にある状態で、ポンプ204は緩衝液を、フローライン221の経路で第1マルチポートバルブ300のポート401に、ポート402からフローライン250に、第2マルチポートバルブ500のポート603に、ポート602からフローライン242に、その結果プローブ244に導入されるように押し流すことができ、プローブ244は掃除のために洗浄ステーション270と流体流接触させられる。また、この位置において、ポンプ204は緩衝液を、フローライン222の経路で第1マルチポートバルブ300のポート409に、ポート410からフローライン234に、プローブ244に導入されるようにフローライン236に押し流すことができ、プローブ244は先と同様に掃除のために洗浄ステーション270と流体流接触している。
【0046】
流体送達システム102はこのとき、試料を保持ライン211に注入し且つ別の試料を保持ライン221に充填する準備ができている。従って、このシーケンスは、所望の数の試料の注入のために、それぞれの試料を保持ライン211、221の一方からフローセル104に注入すると同時に別の試料を他方の保持ラインに充填することを続けることができる。
【0047】
上記実施形態は、フローライン251を通してフローセル104に導入される試料を用いて説明されている。このような実施形態において、フローライン211、221は試料の保持ラインとして機能し、試料は試料の勾配注入を有するように分散ループ251を通過する。一部の用途では、試料の一定濃度の注入を有することが望ましい場合がある。このような場合、フローライン212、222は保持ラインとして機能する。保持ライン212からの試料は、ポート405を通ってマルチポートバルブ300に入り、ポート406を出てフローライン248を通ってフローセル104に入り、光インターフェースと相互作用する。同様に、保持ライン222からの試料は、ポート409を通ってマルチポートバルブ300に入り、ポート406を出てフローライン248を通ってフローセル104に入り、光インターフェースと相互作用する。また、この一定濃度の用途について、洗浄のための緩衝液の流れに対する調整は上記説明から当業者には明らかであろう。
【0048】
実施例
上述のハイスループットの構造を検査システムに実装した。分析の第1サイクルを
図7に示す。注入は線701から線702までの時間間隔である。導入時間は、試料を充填するのに必要な時間であり、注入より前の時間である。
図7において、導入時間は線701までの時間であり、すなわち、線701の左側の時間である。この場合、注入は約77秒後に始まった。
【0049】
分析の第2サイクルを
図8に示す。注入間隔は線801から線802までの時間である。
図8に示すように、試料注入より前の導入時間は、
図7で必要とされた導入時間よりも短縮されている。導入時間は約24秒に短縮された。全体のサイクル時間は175秒から122秒に短縮され、30%の削減となった。
【0050】
計算された例として、2000回の試料注入を必要とする分析を考える。上記サイクル時間を使用すると、本開示のハイスループット法を使用しない分析は、97.2時間の期間を有する。本開示のハイスループット法を使用すると、同じ分析は67.8時間の期間を有し、丸1日以上節約される。
【0051】
上記の説明に従って、一部の実施形態を説明する。第1実施形態において、フローインジェクションに基づくセンシング測定において流体の送達を行うためのプロセスが提供される。このプロセスにおいて、センシング測定が行われるフローセルに試料が導入される。プロセスは、
(a)第1試料を第1保持ラインに充填するステップと、
(b)第1試料を第1保持ラインからフローセルに注入するステップと、
(c)第2試料を第2保持ラインに充填するステップであって、前記第2試料がステップ(b)と同時に充填されるステップと、
(d)前記第2試料を第2保持ラインからフローセルに注入するステップと、
(e)第3試料を第1保持ラインに充填するステップであって、第3試料がステップ(c)と同時に充填されるステップと
を含む。
【0052】
プロセスは、試料を第1保持ラインと第2保持ラインとに交互に充填することによって及び一方の試料を充填すると同時に他方の試料をフローセルに注入することによって試料の充填及び注入を続けることを更に含むことができる。
【0053】
更に、プロセスは、試料をフローセルに注入する合間に緩衝液をフローセルに注入することを含むことができる。また、プロセスは、試料の第1保持ラインへの充填の合間に緩衝液を第1保持ラインに注入することと、試料の第2保持ラインへの充填の合間に緩衝液を第2保持ラインに注入することとを含むことができる。
【0054】
一部の実施形態において、試料の第1保持ライン及び第2保持ラインへの充填は第1マルチポートバルブを介し、試料のフローセルへの注入は第1マルチポートバルブ及び第2マルチポートバルブを介する。第2マルチポートバルブは第1位置と第2位置とを有することができる。第2マルチポートバルブが第1位置にあるとき、緩衝液をフローセルに導入することができる。第2マルチポートバルブが第2位置にあるとき、第1保持ライン又は第2保持ラインからの試料の一方を第1マルチポートバルブ及び第2マルチポートバルブを通して導入することができる。
【0055】
更なる実施形態において、試料は第1マルチポートバルブと第2マルチポートバルブとの間に位置する分散ループを通過し、分散ループは試料のフローセルへの注入に先立って試料の濃度勾配を形成する。
【0056】
他の実施形態において、フローインジェクションに基づくセンシング測定における流体送達プロセスが提供される。このプロセスにおいて、センシング測定が行われるフローセルに試料ラックからの試料が導入される。プロセスは、
(a)少なくとも2つの保持ラインを設けるステップであって、各保持ラインが保持された試料のフローセルへの注入に先立って1つの試料を保持することができるステップと、
(b)試料の試料ラックから保持ラインへの導入を保持ラインの間で交互に行うステップと、
(c)試料の保持ラインからフローセルへの注入を交互に行うステップであって、一方の保持ラインに1つの試料が充填されると同時に別の試料が他方の保持ラインからフローセルに注入されるステップと
を含む。
【0057】
一部の実施形態において、プロセスは、
プローブによって試料ラックから試料を取り出すことと、
第1マルチポートバルブを通してプローブから保持ラインに試料を導入することと、
第1マルチポートバルブ及び第2マルチポートバルブを通して保持ラインからフローセルに試料を導入することと
を更に含む。
【0058】
他の実施形態において、保持ラインは2つしかない。第1マルチポートバルブは第1位置と第2位置とを有する。第1マルチポートバルブが第1位置にあるとき、第1保持ラインが第2マルチポートバルブと流体流連通し、第2保持ラインがプローブと流体流連通している。第1マルチポートバルブが第2位置にあるとき、第1保持ラインがプローブと流体流連通し、第2保持ラインが第2マルチポートバルブと流体流連通している。第2マルチポートバルブは第1位置と第2位置とを有する。第2マルチポートバルブが第1位置にあるとき、緩衝液をフローセルに導入することができる。第2マルチポートバルブが第2位置にあるとき、保持ラインの一方からの1つの試料を第1マルチポートバルブから第2マルチポートバルブを通してフローセルに導入することができる。更にこれらの実施形態では、プロセスは、
(i)第1マルチポートバルブを第2位置に配置するステップと、
(ii)1つの試料を試料ラックからプローブ及び第1マルチポートバルブを通して第1保持ラインに導入するステップと、
(iii)第1マルチポートバルブを第1位置に配置し且つ第2マルチポートバルブを第2位置に配置するステップと、
(iv)ステップ(iii)の後に、試料を第1保持ラインから第1マルチポートバルブ及び第2マルチポートバルブを通してフローセルに導入すると同時に、別の試料を試料ラックからプローブ及び第1マルチポートバルブを通して第2保持ラインに導入するステップと、
(v)第2マルチポートバルブを第1位置に配置するステップと、
(vi)ステップ(iv)の後で、緩衝液を緩衝液貯蔵器から第1マルチポートバルブ及びプローブを通して洗浄ステーションに導入するステップと、
(vii)ステップ(v)の後で、緩衝液を緩衝液貯蔵器から第2マルチポートバルブ及びフローセルを通して洗浄ステーションに導入するステップと、
(viii)ステップ(vii)の後で、第1マルチポートバルブを第2位置に配置し且つ第2マルチポートバルブを第2位置に配置するステップと、
(ix)ステップ(viii)の後で、試料を第2保持ラインから第1マルチポートバルブ及び第2マルチポートバルブを通してフローセルに導入すると同時に、別の試料を試料ラックからプローブ及び第1マルチポートバルブを通して第1保持ラインに導入するステップと、
(x)第2マルチポートバルブを第1位置に配置するステップと、
(xi)ステップ(ix)の後で、緩衝液を緩衝液貯蔵器から第1マルチポートバルブ及びプローブを通して洗浄ステーションに導入するステップと、
(xii)ステップ(x)の後で、緩衝液を緩衝液貯蔵器から第2マルチポートバルブ及びフローセルを通して洗浄ステーションに導入するステップと
を有する。
【0059】
また、プロセスは、試料ラック内の所定数の試料がフローセルに導入されるまでステップ(i)から(xii)を繰り返すことを含むことができる。
【0060】
更に別の実施形態において、フローインジェクションに基づくセンシング測定を行う装置用の流体送達システムが提供される。流体送達システムは、フローセルと、第1保持ラインと、第2保持ラインと、プローブと、第1マルチポートバルブと、第2マルチポートバルブとを含む。センシング測定値はフローセルから得ることができる。プローブは、複数の試料がプローブを通して流体送達システムに導入されるように構成されている。第1マルチポートバルブは第1位置と第2位置とを有する。第1マルチポートバルブは、プローブ、第1保持ライン及び第2保持ラインと流体流連通している。第2マルチポートバルブは第1位置と第2位置とを有する。第2マルチポートバルブは、第1マルチポートバルブ及びフローセルと流体流連通している。第1マルチポートバルブが第1位置にあり且つ第2マルチポートバルブが第2位置にあるとき、1つの試料を第1保持ラインからフローセルに導入すると同時に、別の試料をプローブから第2保持ラインに導入することができる。第1マルチポートバルブが第2位置にあり且つ第2マルチポートバルブが第2位置にあるとき、1つの試料を第2保持ラインからフローセルに導入すると同時に、別の試料をプローブから第1保持ラインに導入することができる。
【0061】
流体送達システムは、緩衝液貯蔵器と、第1緩衝液ラインと、第2緩衝液ラインとを更に含むことができる。第1緩衝液ラインは、第2バルブが第1緩衝液ラインから緩衝液を受け取ることができ、且つ第2バルブが第1位置にあるとき第2バルブがフローセルに緩衝液を導入することができ、且つ第2バルブが第2位置にあるとき第2バルブがプローブに緩衝液を導入することができるように、緩衝液貯蔵器及び第2マルチポートバルブと流体流連通している。
【0062】
第2緩衝液ラインは、第2バルブが第2緩衝液ラインから緩衝液を受け取ることができ、且つ第2バルブが第1位置にあるとき第2バルブがフローセルに緩衝液を導入することができ、且つ第2バルブが第2位置にあるとき第2バルブがプローブに緩衝液を導入することができるように、緩衝液貯蔵器及び第2マルチポートバルブと流体流連通している。
【0063】
また、流体送達システムは、第1ポンプと第2ポンプとを含むことができる。第1ポンプは、緩衝液貯蔵器、第1保持ライン及び第1緩衝液ラインに流体流連通している。第2ポンプは、緩衝液貯蔵器、第2保持ライン及び第2緩衝液ラインに流体流連通している。一部の実施形態において、第1マルチポートバルブが第1位置にあり且つ第2マルチポートバルブが第1位置にあるとき、第1ポンプは、第1保持ライン、第1マルチポートバルブ及び第2マルチポートバルブを通して、緩衝液貯蔵器からプローブに緩衝液を供給することができ、第1マルチポートバルブが第2位置にあり且つ第2マルチポートバルブが第1位置にあるとき、第2ポンプは、第2保持ライン、第1マルチポートバルブ及び第2マルチポートバルブを通して、緩衝液貯蔵器からプローブに緩衝液を供給することができる。
【0064】
更に、流体送達システムは、第3緩衝液ラインと第4緩衝液ラインとを含むことができる。第3緩衝液ラインは、第1マルチポートバルブが第1位置にあるとき、第1ポンプが第1マルチポートバルブを通して緩衝液貯蔵器からプローブに緩衝液を導入することができるように、第1ポンプ及び第1マルチポートバルブと流体流連通している。第4緩衝液ラインは、第1マルチポートバルブが第2位置にあるとき、第2ポンプが第1マルチポートバルブを通して緩衝液貯蔵器からプローブに緩衝液を導入することができるように、第2ポンプ及び第1マルチポートバルブと流体流連通している。
【0065】
本発明を特定の実施形態に関連して説明してきたが、前述の説明は限定的な意味で解釈されることを意図していない。様々な変更及び代替的な用途が前述の明細書及び図によって当業者に示唆されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲に従うあらゆるこのような変更、用途又は実施形態を含めることが意図されている。