(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モータ電流の供給を受けて回転駆動力を発生するモータ部と、前記回転駆動力を受けてロータが回転することによりオイルを供給対象に圧送するポンプ部とを有する電動オイルポンプを制御する制御装置であって、
電源電圧をスイッチングして前記モータ電流を出力するスイッチング回路部と、
上位コントローラからの動作指令を受けて前記動作指令に応じた前記モータ電流が出力されるように前記スイッチング回路部を制御すると共に、前記上位コントローラから停止指令を受けたとき、前記モータ電流の出力を停止させる駆動制御手段と、
前記電源電圧が所定値よりも低下した電源低下異常を検出したとき、不揮発性メモリに前記電源低下異常が発生したことを記憶させる異常記録手段と、を備え、
前記異常記録手段は、前記停止指令を受けることなく前記電源低下異常を検出したときに限り、前記電源低下異常が発生したことを前記不揮発性メモリに記憶させ、前記電源低下異常を検出してもその際に前記停止指令を受けていれば、前記電源低下異常が発生したことを前記不揮発性メモリに記憶させない、
電動オイルポンプの制御装置。
前記異常記録手段は、前記停止指令を受け取ることなく前記電源低下異常を第1の所定時間よりも短い第2の所定時間継続して検出したとき、前記電圧低下異常が発生した可能性がある仮異常状態であることを記憶させる、
請求項2に記載の電動オイルポンプの制御装置。
【背景技術】
【0002】
通電により作動してオイルの吸入及び吐出を行う電動オイルポンプが、例えば自動車のトランスミッション用油圧ポンプとして用いられている。この電動オイルポンプは、例えば、アイドルストップ時に低下する油圧を補助供給するために用いられる。電動オイルポンプの制御装置は、上位コントローラからの動作指令に応じて、電動オイルポンプの駆動制御を行う。
【0003】
従来、電動オイルポンプの制御装置では、何らかの異常が発生して電動オイルポンプの制御装置に供給される電源電圧が低下した際には、電動オイルポンプの保護のため電動オイルポンプを停止させている。電動オイルポンプの停止はトランスミッションにおける油圧の低下による異常の発生につながるため、当該異常の原因究明を容易とするために、電源低下異常が発生したこと(何らかの異常の発生により電源電圧が低下したこと)を記録しておくことが望まれる。
【0004】
特許文献1では、電源電圧とインバータの出力指示値とを比較することで電源低下異常を検出する方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電動オイルポンプの電源をオフする際には、上位コントローラにて電動オイルポンプの制御装置への電源供給が遮断される。この電源供給の遮断後にも電源回路の容量素子等の影響により電動オイルポンプの制御装置は短時間動作を継続することになる。そのため、電源電圧が所定値より低下した際に異常と判定する方式では、電動オイルポンプの電源をオフしたときに、正常な動作であるにもかかわらず異常が発生したと判定されてしまうおそれがある。
【0007】
つまり、特許文献1のように単に電源電圧の監視を行っただけでは、電動オイルポンプの電源がオフにされたことにより電源電圧が低下したのか、電圧低下異常が発生して電源電圧が低下したのかを判断することができない、という課題がある。
【0008】
なお、電動オイルポンプの電源がオフにされたか、あるいは電圧低下異常が発生したかを問わずに、電源電圧が低下したことを不揮発性メモリに記憶しておくことも考えられるが、この場合、電動オイルポンプの電源のオンオフは比較的頻繁に(アイドルストップ毎に)行われるために、不揮発性メモリへの書き込み回数が非常に多くなってしまう。不揮発性メモリには、通常書き込み回数制限が存在するため、電源低下異常を検出し、電圧低下異常が発生したときのみ記憶を行うことが望まれる。
【0009】
そこで、本発明は、電源低下異常を検出可能な電動オイルポンプの制御装置及び電動オイルポンプユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の目的を達成するため、モータ電流の供給を受けて回転駆動力を発生するモータ部と、前記回転駆動力を受けてロータが回転することによりオイルを供給対象に圧送するポンプ部とを有する電動オイルポンプを制御する制御装置であって、電源電圧をスイッチングして前記モータ電流を出力するスイッチング回路部と、上位コントローラからの動作指令を受けて前記動作指令に応じた前記モータ電流が出力されるように前記スイッチング回路部を制御すると共に、前記上位コントローラから停止指令を受けたとき、前記モータ電流の出力を停止させる駆動制御手段と、前記電源電圧が所定値よりも低下した電源低下異常を検出したとき、不揮発性メモリに前記電源低下異常が発生したことを記憶させる異常記録手段と、を備え、前記異常記録手段は、前記停止指令を受けることなく前記電源低下異常を検出したときに限り、前記電源低下異常が発生したことを前記不揮発性メモリに記憶させ
、前記電源低下異常を検出してもその際に前記停止指令を受けていれば、前記電源低下異常が発生したことを前記不揮発性メモリに記憶させない、電動オイルポンプの制御装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電源低下異常を検出可能な電動オイルポンプの制御装置及び電動オイルポンプユニットを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、
図1乃至
図6を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
【0014】
(電動オイルポンプの説明)
図1は、本実施の形態に係る電動オイルポンプの制御装置で制御対象となる電動オイルポンプの一構成例を示す概略構成図である。また、
図2は、
図1のA−A線断面図であり、
図3は、
図1のB−B線断面図である。
図1は、
図2におけるC−C線断面を示している。
【0015】
この電動オイルポンプ1は、自動車のトランスミッションに用いられ、トランスミッションケースのオイルパンに貯留されたオイルに没した状態で取り付けられる。
【0016】
電動オイルポンプ1は、モータ電流の供給を受けて回転駆動力を発生するモータ部3と、その回転駆動力を受けてロータが回転することによりオイルを供給対象に圧送するポンプ部2と、を有している。また、電動オイルポンプ1は、ポンプ部2を収容するポンプハウジング4と、オイルの油路が形成されたポンププレート5と、モータ部3をポンプハウジング4及びポンププレート5に締結する複数(本実施の形態では3つ)のボルト6と、を有している。ポンプハウジング4及びポンププレート5は、例えばアルミニウム合金からなる金属製である。
【0017】
本実施の形態では、ポンプ部2が内接ギヤポンプによって構成されている。ポンプ部2は、
図3に示すように、複数の内歯210を有するアウタロータ21と、アウタロータ21の内周側に配置され、複数の外歯220を有するインナロータ22とを備えている。アウタロータ21は、インナロータ22の外歯220の数よりも1つ多い数の内歯210を有し、インナロータ22の回転中心に対して偏心した位置を中心に、ポンプハウジング4内で回転自在となるように配置されている。
【0018】
インナロータ22は、複数の外歯220のうち一部の外歯220がアウタロータ21の内歯210に噛み合うとともに、それぞれの外歯220がアウタロータ21の内面に内接しながら回転する。また、インナロータ22は、後述するモータ部3のロータシャフト35と連結され、ロータシャフト35と共に回転する。
【0019】
ロータシャフト35が回転駆動されると、ポンプ部2のアウタロータ21とインナロータ22との間隙の容積が、インナロータ22の回転によって拡大と縮小を繰り返すので、これらの間隙に通じる吸入口510から吐出口520に向けてオイルを送り出すポンプ動作が行われる。
【0020】
モータ部3は、軟磁性金属からなる環状のステータコア30と、ステータコア30に装着された第1及び第2のインシュレータ31,32と、第1及び第2のインシュレータ31,32を介してステータコア30に巻き回されたコイル33と、ステータコア30の内側に配置されたロータコア34及びロータシャフト35と、ロータコア34に固定された複数の永久磁石36と、ボルト6に螺合するナット部材37と、ナット部材37をモールドしてステータコア30に固定するモールド樹脂部材38とを有している。以下、ロータシャフト35の回転軸線Oに平行な方向を軸方向という。
【0021】
ステータコア30は、例えば複数の電磁鋼板を積層してなる。第1及び第2のインシュレータ31,32は、樹脂からなる絶縁部材である。コイル33は、例えば銅からなる導体の外周面にエナメルからなる絶縁被覆層が形成されたエナメル線である。ロータコア34は、ステータコア30の内側に配置され、その外周面に複数(ここでは8つ)の永久磁石36が固定されている。
【0022】
ロータシャフト35は、軸方向の一端部がロータコア34の中心部に形成された嵌合穴34aに例えば圧入によって嵌合固定され、ロータコア34と一体に回転する。ロータコア34及びロータシャフト35は、コイル33への通電により発生する磁力によってステータコア30に対して回転する。ロータシャフト35の他端部は、インナロータ22の中心部に形成された嵌合穴22aに嵌合されている。これにより、インナロータ22は、ロータシャフト35及びロータコア34と共に回転する。
【0023】
ステータコア30、ポンプハウジング4、及びポンププレート5は、軸方向に並んで配置され、ボルト6により締結固定されている。ポンププレート5には、吸入口510(
図3に示す)に連通する吸入油路51と、吐出口520(
図3に示す)に連通する吐出油路52とが形成されている。
【0024】
(電動ポンプの制御装置の説明)
図4は、本実施の形態に係る電動ポンプの制御装置の概略構成図である。
図4に示すように、電動オイルポンプの制御装置10は、電子制御ユニット(EOP ECU)として車両に搭載されている。本実施の形態に係る電動オイルポンプユニット100は、電動オイルポンプの制御装置10と、電動オイルポンプ(EOP)1と、を備えたものである。
【0025】
電動オイルポンプの制御装置10には、エンジンやトランスミッションを制御する上位コントローラ(上位ECU)12が接続されている。電動オイルポンプの制御装置10と上位コントローラ12とは、電源供給用の電源ライン12a及びグランドライン12bと、上位コントローラ12から電動オイルポンプの制御装置10に動作指令を送るための第1制御ライン12cと、電動オイルポンプの制御装置10から上位コントローラ12に電動オイルポンプ1の状態(正常、異常、ポンプ回転数など)を示す状態信号を送るための第2制御ライン12dにより接続されている。
【0026】
上位コントローラ12は、トランスミッションの主吐出油路等に設けられた油圧センサ(不図示)の出力を基に油圧を監視し、油圧が所定の設定値以上の場合は停止指令を、設定値未満の場合は駆動指令を動作指令として電動オイルポンプの制御装置10に出力する。上位コントローラ12は、電動オイルポンプ1の電源をオフする際には、電動オイルポンプの制御装置10に停止指令を出力し、その所定時間後に電動オイルポンプの制御装置10への電源供給を遮断する。
【0027】
本実施の形態では、パルス幅変調方式の信号においてデューティー比を変化させることにより動作指令を伝送しており、例えば、デューティー比90%の信号を駆動指令、デューティー比10%の信号を停止指令とすることができる。状態信号についても同様に、パルス幅変調方式の信号においてデューティー比を制御すること等により、電動オイルポンプ1の状態を伝送することができる。本実施の形態では、異常時には状態信号を停止し、正常時にはポンプ回転数に応じたデューティー比の状態信号を送信するように電動オイルポンプの制御装置10を構成した。
【0028】
電動オイルポンプの制御装置10は、電源電圧をスイッチングして電動オイルポンプ1にモータ電流を出力するスイッチング回路部11と、上位コントローラ12からの動作指令を受けて動作指令に応じたモータ電流が出力されるようにスイッチング回路部11を制御すると共に、上位コントローラ12から停止指令を受けたとき、モータ電流の出力を停止させる駆動制御手段としての駆動制御部13と、電源電圧が所定値よりも低下した電源低下異常を検出したとき、不揮発性メモリに電源低下異常が発生したことを記憶させる異常記録手段としての異常記録部14と、を備えている。駆動制御部13及び異常記録部14は、演算素子、メモリ、ソフトウェア、インターフェイス等を適宜組み合わせることにより実現される。
【0029】
駆動制御部13は、上位コントローラ12から停止指令が出力されているときは、スイッチング回路部11を制御してモータ電流の出力を停止し、電動オイルポンプ1を停止させる。また、駆動制御部13は、上位コントローラ12から駆動指令が出力されているときは、スイッチング回路部11を制御してモータ電流を出力し、電動オイルポンプ1を駆動させる。
【0030】
また、駆動制御部13は、電源電圧が予め設定された高電圧閾値以上となる電圧上昇以上が発生したとき、モータ電流の出力を停止して電動オイルモータ1を保護する。この際、駆動制御部13は、異常記録部14により不揮発性メモリに電圧上昇異常が発生したことを記憶させ、状態信号の出力を停止させる。不揮発性メモリとしては、例えば、電動オイルポンプの制御装置10に搭載されているマイクロコンピュータのデータフラッシュ領域(フラッシュメモリ)を用いることができる。以下、異常の発生を示すデータ(フラグ)を、フリーズドフレームデータ(FFD)と呼称する。FFDは、異常の検証時等に外部装置や上位コントローラ12により読み出すことができる。
【0031】
異常記録部14は、電源電圧が所定値(以下、低電圧閾値という)よりも低下した電源低下異常を検出したとき、不揮発性メモリに電源低下異常が発生したことを記憶させるものである。本実施の形態に係る電動オイルポンプの制御装置10では、異常記録部14は、停止指令を受けることなく電源低下異常を検出したときに限り、電源低下異常が発生したことを記憶させる。
【0032】
換言すれば、本実施の形態では、電源電圧が低電圧閾値よりも低下した場合であっても、その際に上位コントローラ12から停止指令が出力されていれば、FFDに電源低下異常が発生したことを記憶させない。これは、上位コントローラ12から停止指令が出力されている際には、電動オイルポンプ1の電源がオフとなる(モータ電流の出力が停止される)ことに起因して電源電圧が低下したと考えられ、異常は発生していないと考えられるためである。電源低下異常の判定に用いる低電圧閾値は、電動オイルポンプの制御装置10が動作可能な下限電圧よりも大きい値に設定される。ここでは、正常な電源電圧が+12Vであり、電動オイルポンプの制御装置10が動作可能な下限電圧が+4V程度であることを考慮し、低電圧閾値を+8Vに設定した。
【0033】
また、本実施の形態では、誤作動を抑制するため、異常記録部14は、停止指令を受け取ることなく電源低下異常を第1の所定時間継続して検出したときに限り、電源低下異常が発生したことを記憶させるようにした。第1の所定時間は、例えば1〜2秒程度に設定される。
【0034】
この場合、例えば電源ライン12aが断線した場合など、電源電圧が急激に低下した場合に、電源低下異常が発生したことを記憶させる前に電動オイルポンプの制御装置10がシステムダウンしてしまうことも考えられる。そこで、このような場合に対応するため、異常記録部14は、停止指令を受け取ることなく電源低下異常を第1の所定時間よりも短い第2の所定時間継続して検出したとき、電圧低下異常が発生した可能性がある仮異常状態であることを記憶させてもよい。第2の所定時間は、できるだけ短いことが望ましく、例えば10ミリ秒程度である。
【0035】
電動オイルポンプの制御装置10は、電源低下異常を検出すると、状態信号の出力を停止すると共に、駆動制御部13がスイッチング回路部11を制御してモータ電流の出力を停止し、電動オイルポンプ1を停止させる。なお、ここでは、電動オイルポンプ1を停止させる際の電源電圧の下限値を、電源低下異常を記憶する際の閾値(低電圧閾値)と同じにしているが、異なる値(例えば低電圧閾値より低い値)にしてもよい。また、上述の仮異常状態が検出された場合に、当該仮異常状態が検出されたことを状態信号により出力するように電動オイルポンプの制御装置10を構成してもよい。
【0036】
上位コントローラ12は、アイドルストップ時に電動オイルポンプの制御装置10からの状態信号が異常となることが複数回繰り返されたときに、アイドルストップ制御を禁止するように構成されてもよい。
【0037】
(電動オイルポンプの制御装置10の制御フロー)
図5は、電動オイルポンプの制御装置10の制御フローを示すフロー図である。電動オイルポンプの制御装置10は、例えば、上位コントローラ12から駆動指令が入力されたとき(停止指令から駆動指令に切り替わったとき)に、
図5の制御を開始する。
【0038】
まず、ステップS1にて、カウンタをクリアし、ステップS2にて、電源電圧が低電圧閾値よりも低いかを判定する。ステップS2でNOと判定された場合、電圧低下異常は発生していないため、ステップS3にてカウンタをクリアした後、ステップS2に戻る。
図5では省略しているが、本実施の形態では、5msの制御周期毎にステップS2の判定を実行するようにしている。
【0039】
ステップS2でYESと判定された場合、ステップS4にて、停止指令が入力されているかを判定する。ステップS4でYESと判定された場合、制御を終了する。ステップS4でNOと判定された場合、ステップS5にてカウンタをインクリメントした後、ステップS6にて、カウンタが予め設定したカウンタ閾値より大きいかを判定する。カウンタ閾値は、制御周期を考慮し、1〜2秒程度となるように予め設定されている。
【0040】
ステップS6でNOと判断された場合、カウンタの値を維持したままステップS2に戻る。ステップS6でYESと判断された場合、電源電圧が低電圧閾値よりも低い状態が1〜2秒継続したことになるため、ステップS7にて電圧低下異常を確定し、ステップS8にて電圧低下異常が発生したことを不揮発性メモリに記憶(FFDに記録)する。その後、処理を終了する。
【0041】
なお、
図5では、仮異常状態の検出及び記憶のフローを省略している。仮異常状態の検出及び記憶を行う場合には、
図6に示すように、
図5におけるステップS5とステップS6との間に、カウンタがカウンタ閾値よりも小さい所定値(ここでは、10ミリ秒に相当する2としている)と等しいか判定するステップS9を設け、ステップS9でNOと判定された場合にステップS6に進み、ステップS9でYESと判定された場合に、ステップS10にて仮異常状態であることを不揮発性メモリに記憶(FFDに記録)した後、ステップS2に戻るようにすればよい。
【0042】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、以下に述べる作用及び効果が得られる。
【0043】
(1)異常記録部14が、停止指令を受けることなく電源低下異常を検出したときに限り、電源低下異常が発生したことを記憶させることで、電動オイルポンプ1の電源オフ時(つまり正常な状態)を除外して電源低下異常のみを検出することが可能になる。よって、電源低下異常を不揮発性メモリに記憶(FFDに記録)することが可能になり、トランスミッションの油圧低下等の異常が発生した際の原因究明が容易になる。
【0044】
(2)異常記録部14が、停止指令を受け取ることなく電源低下異常を第1の所定時間継続して検出したときに限り、電源低下異常が発生したことを記憶させることで、誤作動を抑制することができる。
【0045】
(3)異常記録部14が、停止指令を受け取ることなく電源低下異常を第1の所定時間よりも短い第2の所定時間継続して検出したとき、電圧低下異常が発生した可能性がある仮異常状態であることを記憶させることにより、電源電圧が急激に低下した場合であっても、電動オイルポンプの制御装置10がダウンする前に仮異常状態であることを記憶させることが可能になる。
【0046】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、複数の低電圧閾値を設定しておき、当該複数の低電圧閾値と電源電圧とを比較することで、電源電圧の低下を段階的に検出し不揮発性メモリに記憶させるように異常記録部14を構成してもよい。