【実施例】
【0077】
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
なお、以下では実施例8を参考例8と読み替えるものとする。
【0078】
<塗料組成物>
[耐擦傷層に用いる塗料組成物A1]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度50質量%の塗料組成物A1を得た。塗料組成物A1は、耐擦傷性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 25質量部
(“KAYARAD”(登録商標) PET−30 日本化薬株式会社製)
・シリカ粒子分散液 50質量部
(MEK−AC−2140Z 日産化学工業株式会社製 固形物濃度46質量%)
・アルミナ粒子分散液 5質量部
(NANOBYK−3601 ビックケミー・ジャパン株式会社製 固形物濃度97質量%)
・光ラジカル重合開始剤 1.0質量部
(“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 330nm)
・光ラジカル重合開始剤 0.5質量部
(Esacure KTO46 Lamberti社製)
(吸収極大波長: 380nm)。
【0079】
[耐擦傷層に用いる塗料組成物A2]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度50質量%の塗料組成物A2を得た。塗料組成物A2は、耐擦傷性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 25質量部
(“KAYARAD”(登録商標) PET−30 日本化薬株式会社製)
・シリカ粒子分散液 50質量部
(MEK−AC−2140Z 日産化学工業株式会社製 固形物濃度46質量%)
・アルミナ粒子分散液 5質量部
(NANOBYK−3601 ビックケミー・ジャパン株式会社製 固形物濃度97質量%)
・光ラジカル重合開始剤 1.0質量部
(“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 330nm)
・光ラジカル重合開始剤 0.5質量部
(“ルシリン”(登録商標)TOP BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 380nm)。
【0080】
[耐擦傷層に用いる塗料組成物A3]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度50質量%の塗料組成物A3を得た。塗料組成物A3は、耐擦傷性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 25質量部
(“KAYARAD”(登録商標) PET−30 日本化薬株式会社製)
・シリカ粒子分散液 50質量部
(MEK−AC−2140Z 日産化学工業株式会社製 固形物濃度46質量%)
・アルミナ粒子分散液 5質量部
(NANOBYK−3601 ビックケミー・ジャパン株式会社製 固形物濃度97質量%)
・光ラジカル重合開始剤 1.0質量部
(“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 330nm)。
【0081】
[耐擦傷層に用いる塗料組成物A4]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度50質量%の塗料組成物A4を得た。塗料組成物A4は、耐擦傷性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 25質量部
(“KAYARAD”(登録商標) PET−30 日本化薬株式会社製)
・シリカ粒子分散液 50質量部
(MEK−AC−2140Z 日産化学工業株式会社製 固形物濃度46質量%)
・アルミナ粒子分散液 5質量部
(NANOBYK−3601 ビックケミー・ジャパン株式会社製 固形物濃度97質量%)
・光ラジカル重合開始剤 0.5質量部
(Esacure KTO46 Lamberti社製)
(吸収極大波長: 380nm)。
【0082】
[耐擦傷層に用いる塗料組成物A5]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度50質量%の塗料組成物A5を得た。塗料組成物A5は、耐擦傷性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 25質量部
(“KAYARAD”(登録商標) PET−30 日本化薬株式会社製)
・シリカ粒子分散液 50質量部
(MEK−AC−2140Z 日産化学工業株式会社製 固形物濃度46質量%)
・アルミナ粒子分散液 5質量部
(NANOBYK−3601 ビックケミー・ジャパン株式会社製 固形物濃度97質量%)
・光ラジカル重合開始剤 1.0質量部
(“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 330nm)
・光ラジカル重合開始剤 0.5質量部
(“イルガキュア”(登録商標)651 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 340nm)。
【0083】
[帯電防止層に用いる塗料組成物A6]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度30質量%の塗料組成物A6を得た。塗料組成物A6は、帯電防止性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 100質量部
(“KAYARAD”(登録商標) DPHA 日本化薬株式会社製)
・帯電防止剤 1.0質量部
(UV−ASHC−01 日本化成株式会社製 固形物濃度70質量%)
・光ラジカル重合開始剤 1.0質量部
(“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 330nm)
・光ラジカル重合開始剤 0.5質量部
(Esacure KTO46 Lamberti社製)
(吸収極大波長: 380nm)。
【0084】
[アンチブロッキング層に用いる塗料組成物A7]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度30質量%の塗料組成物A7を得た。塗料組成物A7は、アンチブロッキング性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 100質量部
(“KAYARAD”(登録商標) DPHA 日本化薬株式会社製)
・シリカ粒子分散液 5.0質量部
(MEK−AB−505 日産化学工業株式会社製 固形物濃度30質量%)
・光ラジカル重合開始剤 1.0質量部
(“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 330nm)
・光ラジカル重合開始剤 0.5質量部
(Esacure KTO46 Lamberti社製)
(吸収極大波長: 380nm)。
【0085】
[B層に用いる塗料組成物B1]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度50質量%の塗料組成物B1を得た。塗料組成物B1は、ハードコート性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 100質量部
(“KAYARAD”(登録商標) DPHA 日本化薬株式会社製)
・光ラジカル重合開始剤 3.0質量部
(“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 330nm)
・光ラジカル重合開始剤 0.5質量部
(Esacure KTO46 Lamberti社製)
(吸収極大波長: 380nm)。
【0086】
[B層に用いる塗料組成物B2]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度50質量%の塗料組成物B2を得た。塗料組成物B2は、ハードコート性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 100質量部
(“KAYARAD”(登録商標) DPHA 日本化薬株式会社製)
・光ラジカル重合開始剤 3.0質量部
(“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 330nm)
・光ラジカル重合開始剤 0.5質量部
(“ルシリン”(登録商標)TOP BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 380nm)。
【0087】
[B層に用いる塗料組成物B3]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度50質量%の塗料組成物B3を得た。塗料組成物B3は、ハードコート性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 100質量部
(“KAYARAD”(登録商標) DPHA 日本化薬株式会社製)
・光ラジカル重合開始剤 3.0質量部
(“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 330nm)。
【0088】
[B層に用いる塗料組成物B4]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度50質量%の塗料組成物B4を得た。塗料組成物B4は、ハードコート性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 100質量部
(“KAYARAD”(登録商標) DPHA 日本化薬株式会社製)
・光ラジカル重合開始剤 0.5質量部
(Esacure KTO46 Lamberti社製)
(吸収極大波長: 380nm)。
【0089】
[B層に用いる塗料組成物B5]
下記材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し固形分濃度50質量%の塗料組成物B5を得た。塗料組成物B5は、ハードコート性を付与した塗布層を形成するために用いた。
・多官能アクリレートモノマー 100質量部
(“KAYARAD”(登録商標) DPHA 日本化薬株式会社製)
・光ラジカル重合開始剤 3.0質量部
(“イルガキュア”(登録商標)184 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 330nm)
・光ラジカル重合開始剤 0.5質量部
(“イルガキュア”(登録商標)651 BASFジャパン株式会社製)
(吸収極大波長: 340nm)。
【0090】
<積層体の製造方法>
[積層体の製造方法1]
図5に示す製造工程によって、支持基材に厚み125μmのPET樹脂フィルム“ルミラー”(登録商標)U48(東レ株式会社製)、ダイ21に
図2に示す多層スロットダイ8を用い、積層体を製造した。まず、支持基材を搬送方向29に搬送し、支持基材上に塗布し塗膜を形成する工程(工程1)25にて、多層スロットダイの搬送方向の上流側のスロットから塗料組成物Bを、搬送方向の下流側のスロットから塗料組成物Aを、指定された膜厚比率になるように吐出流量を調整して塗布した。次いで、塗膜に活性エネルギー線を照射する工程(工程2)26にて、活性エネルギー線照射装置22を用いて、活性エネルギー線照射した。続いて、塗膜を乾燥する工程(工程3)27にて、乾燥炉23を用いて、塗膜を乾燥した。最後に、塗膜を硬化する工程(工程4)28にて、紫外線硬化装置24を用いて、塗膜を硬化し、A層/B層を有する積層体を作製した。また、工程2、工程3、工程4は、下記条件を用いた。
【0091】
[工程2]
活性エネルギー線照射装置 : UV−LED
(CCS社製 型式:HLUV−126UV385)
(積分分光分布の中央値:385nm、半値全幅:15nm)
照射強度 : 50mW/cm
2
照射時間 : 2秒間
積算光量 : 100mJ/cm
2
[工程3]
乾燥炉: 対流伝熱(熱風)
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間
[工程4]
紫外線硬化装置: 高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス社製 型式:H04−L41)
(積分分光分布の中央値:310nm)
照射強度 : 300mW/cm
2
積算光量 : 200mJ/cm
2
酸素濃度 : 200ppm以下。
【0092】
[積層体の製造方法2]
工程2、工程3、工程4を下記条件とした以外は、積層体の製造方法1と同様の製造方法にて、A層/B層を有する積層体を作製した。
【0093】
[工程2]
活性エネルギー線照射装置 : UV−LED
(CCS社製 型式:HLUV−126UV385)
(積分分光分布の中央値:385nm、半値全幅:15nm)
照射強度 : 10mW/cm
2
照射時間 : 2秒間
積算光量 : 20mJ/cm
2
[工程3]
乾燥炉: 対流伝熱(熱風)
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間
[工程4]
紫外線硬化装置: 高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス社製 型式:H04−L41)
(積分分光分布の中央値:310nm)
照射強度 : 300mW/cm
2
積算光量 : 200mJ/cm
2
酸素濃度 : 200ppm以下。
【0094】
[積層体の製造方法3]
工程2、工程3、工程4を下記条件とした以外は、積層体の製造方法1と同様の製造方法にて、A層/B層を有する積層体を作製した。
【0095】
[工程2]
活性エネルギー線照射装置 : UV−LED
(CCS社製 型式:HLUV−126UV365)
(積分分光分布の中央値:365nm、半値全幅:10nm)
照射強度 : 50mW/cm
2
照射時間 : 2秒間
積算光量 : 100mJ/cm
2
[工程3]
乾燥炉: 対流伝熱(熱風)
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間
[工程4]
紫外線硬化装置: 高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス社製 型式:H04−L41)
(積分分光分布の中央値:310nm)
照射強度 : 300mW/cm
2
積算光量 : 200mJ/cm
2
酸素濃度 : 200ppm以下。
【0096】
[積層体の製造方法4]
工程2、工程3、工程4を下記条件とした以外は、積層体の製造方法1と同様の製造方法にて、A層/B層を有する積層体を作製した。
【0097】
[工程2]
活性エネルギー線は、下記2種の光源を用いた。
活性エネルギー線照射装置 : 1 UV−LED
(CCS社製 型式:HLUV−126UV385)
活性エネルギー線照射装置 : 2 UV−LED
(CCS社製 型式:HLUV−126UV365)
(積分分光分布の中央値:375nm、半値全幅:20nm)
照射強度 : 活性エネルギー線1 20mW/cm
2
活性エネルギー線2 20mW/cm
2
照射時間 : 2秒間
積算光量 : 80mJ/cm
2
[工程3]
乾燥炉: 対流伝熱(熱風)
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間
[工程4]
紫外線硬化装置: 高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス社製 型式:H04−L41)
(積分分光分布の中央値:310nm)
照射強度 : 300mW/cm
2
積算光量 : 200mJ/cm
2
酸素濃度 : 200ppm以下。
【0098】
[積層体の製造方法5]
工程2、工程3、工程4を下記条件とした以外は、積層体の製造方法1と同様の製造方法にて、A層/B層を有する積層体を作製した。
【0099】
[工程2]
活性エネルギー線照射装置 : 高圧水銀灯(アイグラフィックス社製 型式:H04−L41)
(積分分光分布の中央値:310nm、半値全幅:>20nm)
照射強度 : 100mW/cm
2
積算光量 : 50mJ/cm
2
[工程3]
乾燥炉: 対流伝熱(熱風)
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間
[工程4]
紫外線硬化装置: 高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス社製 型式:H04−L41)
(積分分光分布の中央値:310nm)
照射強度 : 300mW/cm
2
積算光量 : 200mJ/cm
2
酸素濃度 : 200ppm以下。
【0100】
[積層体の製造方法6]
図6に示す製造工程によって、支持基材に厚み125μmのPET樹脂フィルム“ルミラー”(登録商標)U48(東レ株式会社製)、ダイ21に
図2に示す多層スロットダイ8を用い、積層体を製造した。まず、支持基材を搬送方向29に搬送し、支持基材上に塗布し塗膜を形成する工程(工程1)25にて、多層スロットダイの搬送方向の上流側のスロットから塗料組成物Bを、搬送方向の下流側のスロットから塗料組成物Aを、指定された膜厚比率になるように吐出流量を調整して塗布した。次いで、塗膜を乾燥する工程(工程3)27にて、乾燥炉23を用いて、塗膜を乾燥した。最後に、塗膜を硬化する工程(工程4)28にて、紫外線硬化装置24を用いて、塗膜を硬化し、A層/B層を有する積層体を作製した。また、工程3、工程4は、下記条件を用いた。
【0101】
[工程3]
乾燥炉: 対流伝熱(熱風)
送風温湿度 : 温度:80℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間
[工程4]
紫外線硬化装置: 高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス社製 型式:H04−L41)
(積分分光分布の中央値:310nm)
照射強度 : 300mW/cm
2
積算光量 : 200mJ/cm
2
酸素濃度 : 200ppm以下。
【0102】
[積層体の製造方法7]
図6に示す製造工程によって、支持基材に厚み125μmのPET樹脂フィルム“ルミラー”(登録商標)U48(東レ株式会社製)、ダイ21に
図3に示す単層スロットダイ13を用い、積層体を製造した。まず、支持基材を搬送方向29に搬送し、支持基材上に塗布し塗膜を形成する工程(工程1)25にて、単層スロットダイから塗料組成物Bを、指定された膜厚になるように吐出流量を調整して塗布した。次いで、塗膜を乾燥する工程(工程3)27にて、乾燥炉23を用いて、塗膜を乾燥後、塗膜を硬化する工程(工程4)28にて、紫外線硬化装置24を用いて、塗膜を硬化し、B層を作製した。続いて、得られたB層上に、B層を作製した上記工程と同様にして、塗料組成物Aを、指定された膜厚比率になるように吐出流量を調整して塗布した(工程1)。次いで、B層を作製した上記工程と同様にして、乾燥(工程3)、硬化(工程4)を行って、A層を積層し、A層/B層を有する積層体を作製した。また、工程3、工程4は、下記条件を用いた。
【0103】
[工程3]
乾燥炉: 対流伝熱(熱風)
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間
[工程4]
紫外線硬化装置: 高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス社製 型式:H04−L41)
(積分分光分布の中央値:310nm)
照射強度 : 300mW/cm
2
積算光量 : 200mJ/cm
2
酸素濃度 : 200ppm以下。
【0104】
[積層体の製造方法8]
図5に示す製造工程によって、支持基材に厚み125μmのPET樹脂フィルム“ルミラー”(登録商標)U48(東レ株式会社製)、ダイ21に
図2に示す多層スロットダイ8を用い、積層体を製造した。まず、支持基材を搬送方向29に搬送し、支持基材上に塗布し塗膜を形成する工程(工程1)25にて、多層スロットダイの搬送方向の上流側のスロットから塗料組成物Bを、搬送方向の下流側のスロットから塗料組成物Aを、指定された膜厚比率になるように吐出流量を調整して塗布した。次いで、塗膜に活性エネルギー線を照射する工程(工程2)26にて、活性エネルギー線照射装置22を用いて、活性エネルギー線照射した。続いて、塗膜を乾燥する工程(工程3)27にて、乾燥炉23を用いて、塗膜を乾燥した。最後に、塗膜を硬化する工程(工程4)28にて、紫外線硬化装置24を用いて、塗膜を硬化し、A層/B層を有する積層体を作製した。また、工程2、工程3、工程4は、下記条件を用いた。
【0105】
[工程2]
活性エネルギー線照射装置 : UV−LED
(CCS社製 型式:HLUV−126UV385)
(積分分光分布の中央値:385nm、半値全幅:15nm)
照射強度 : 5mW/cm
2
照射時間 : 2秒間
積算光量 : 10mJ/cm
2
[工程3]
乾燥炉: 対流伝熱(熱風)
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間
[工程4]
紫外線硬化装置: 高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス社製 型式:H04−L41)
(積分分光分布の中央値:310nm)
照射強度 : 300mW/cm
2
積算光量 : 200mJ/cm
2
酸素濃度 : 200ppm以下。
[積層体の製造方法9]
図5に示す製造工程によって、支持基材に厚み125μmのPET樹脂フィルム“ルミラー”(登録商標)U48(東レ株式会社製)、ダイ21に
図2に示す多層スロットダイ8を用い、積層体を製造した。まず、支持基材を搬送方向29に搬送し、支持基材上に塗布し塗膜を形成する工程(工程1)25にて、多層スロットダイの搬送方向の上流側のスロットから塗料組成物Bを、搬送方向の下流側のスロットから塗料組成物Aを、指定された膜厚比率になるように吐出流量を調整して塗布した。次いで、塗膜に活性エネルギー線を照射する工程(工程2)26にて、活性エネルギー線照射装置22を用いて、活性エネルギー線照射した。続いて、塗膜を乾燥する工程(工程3)27にて、乾燥炉23を用いて、塗膜を乾燥した。最後に、塗膜を硬化する工程(工程4)28にて、紫外線硬化装置24を用いて、塗膜を硬化し、A層/B層を有する積層体を作製した。また、工程2、工程3、工程4は、下記条件を用いた。
【0106】
[工程2]
活性エネルギー線照射装置 : UV−LED
(CCS社製 型式:HLUV−126UV385)
(積分分光分布の中央値:385nm、半値全幅:15nm)
照射強度 : 50mW/cm
2
照射時間 : 2秒間
積算光量 : 100mJ/cm
2
[工程3]
乾燥炉: 対流伝熱(熱風)
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間
[工程4]
紫外線硬化装置: UV−LED(CCS社製 型式:HLUV−126UV365)
(積分分光分布の中央値:365nm)
照射強度 : 75mW/cm
2
積算光量 : 150mJ/cm
2
酸素濃度 : 200ppm以下。
【0107】
[積層体の製造方法
10]
図5に示す製造工程によって、支持基材に厚み125μmのPET樹脂フィルム“ルミラー”(登録商標)U48(東レ株式会社製)、ダイ21に
図2に示す多層スロットダイ8を用い、積層体を製造した。まず、支持基材を搬送方向29に搬送し、支持基材上に塗布し塗膜を形成する工程(工程1)25にて、多層スロットダイの搬送方向の上流側のスロットから塗料組成物Bを、搬送方向の下流側のスロットから塗料組成物Aを、指定された膜厚比率になるように吐出流量を調整して塗布した。次いで、塗膜に活性エネルギー線を照射する工程(工程2)26にて、活性エネルギー線照射装置22を用いて、活性エネルギー線照射した。続いて、塗膜を乾燥する工程(工程3)27にて、乾燥炉23を用いて、塗膜を乾燥した。最後に、塗膜を硬化する工程(工程4)28にて、紫外線硬化装置24を用いて、塗膜を硬化し、A層/B層を有する積層体を作製した。また、工程2、工程3、工程4は、下記条件を用いた。
【0108】
[工程2]
活性エネルギー線照射装置 : UV−LED
(CCS社製 型式:HLUV−126UV385)
(積分分光分布の中央値:385nm、半値全幅:15nm)
照射強度 : 2.5mW/cm
2
照射時間 : 2秒間
積算光量 : 5mJ/cm
2
[工程3]
乾燥炉: 対流伝熱(熱風)
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間
[工程4]
紫外線硬化装置: 高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス社製 型式:H04−L41)
(積分分光分布の中央値:310nm)
照射強度 : 300mW/cm
2
積算光量 : 200mJ/cm
2
酸素濃度 : 200ppm以下。
【0109】
以上の方法により、表1に示す塗料組成物、積層体の製造方法の組み合わせで、実施例1〜13、比較例1〜4の積層体を作製した。
【0110】
<積層フィルムの評価>
実施例1〜13、比較例1〜4で作製した積層体について、次に示す機能、性能評価を実施し、得られた結果を表1に示す。
【0111】
[塗布層の膜厚測定]
実施例1〜13、比較例1〜4で作製した積層体の塗布層の膜厚を接触式の膜厚計(株式会社Nikon製 デジマイクロ MH−15M)を用い、測定した。
【0112】
また、塗布層のA層、B層それぞれの膜厚については、
図2に示す製造工程により、単層のスロットダイを用いて、A層に用いる塗料組成物AおよびB層に用いる塗料組成物Bで指定されたA層およびB層の膜厚になるように吐出流量を調整し、塗布し、乾燥(工程3)、硬化(工程4)を行い、A層およびB層単膜の積層体を作製し、作製した積層体のA層およびB層単膜の膜厚を、塗布層の膜厚を測定する場合と同様、接触式の膜厚計(株式会社Nikon製 デジマイクロ MH−15M)を用い、測定した。
【0113】
[塗布層の積層構成]
実施例1〜13、比較例1〜4で作製した積層体の断面を凍結ミクロトーム法により切り出した。その断面を電界放射走査電子顕微鏡(JSM−6700F型 日本電子(株)製)を用いて、塗布層のB層への粒子の偏析度合いを確認した。偏析度合いを確認する塗布層の各位置を
図7に示す。
【0114】
支持基材17上に積層した塗布層18のB層20のA層19側から10%の位置(位置A)30、塗布層18のB層20のA層19側から30%の位置(位置B)31、塗布層18のB層20のA層19側から50%の位置(位置C)32、塗布層18のB層20のA層19側から90%の位置(位置D)33のそれぞれの断面を観察し、粒子の有無により確認した。B層側に粒子が存在しなければ、層間拡散が抑制され、機能が良好である。
【0115】
5点: 位置A、B、C、D全ての位置で粒子が存在しない
4点: 位置Aのみ粒子が存在する
3点: 位置A、Bで粒子が存在する
2点: 位置A、B、Cで粒子が存在する
1点: 位置A、B、C、D全ての位置で粒子が存在する。
【0116】
[密着性]
実施例1〜13、比較例1〜4で作製した積層体を温度23℃、相対湿度65%で24時間放置した後、同環境にて、JIS K5600−5−6(1999)に記載の付着性(クロスカット法)に従い、密着性を評価した。表面層に設けた格子の残存個数により、評価を行い、「○」であれば、密着性合格とする。
【0117】
○: 表面層の残存個数が90以上
×: 表面層の残存個数が90未満。
【0118】
[ハードコート性]
実施例1〜13、比較例1〜4で作製した積層体を温度20℃で12時間放置した後、同環境にてJIS K 5600−5−4(1999)に記載の引っかき硬度(鉛筆法)に従い、表面層の表面硬度を測定した。表面硬度が2H以上を合格とする。
【0119】
5点: 表面硬度4H以上
4点: 表面硬度3H
3点: 表面硬度2H
2点: 表面硬度H
1点: 表面硬度F以下
[耐擦傷性]
実施例1〜8、11〜13および比較例1、2で作製した積層体について、#0000のスチールウールを用い、平面摩耗試験機(株式会社大栄科学精器製作所製 PA−300A)を用いて、荷重1kg/cm
2にて、塗布層の表面を100往復摩擦し、傷の発生の有無を目視により観察し、以下の判定基準に従い、評価した。
5点: 0本
4点: 1本以上 5本未満
3点: 5本以上 10本未満
2点: 10本以上 20本未満
1点: 20本以上。
【0120】
[帯電防止性]
実施例9、比較例3で作製した塗布層のA層が帯電防止層である積層体について、高抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック製の商品名ハイレスタUP MCP−HT450)にて印加電圧1000Vで表面抵抗値を測定した。測定した表面比抵抗が1×10
11Ω/□未満であれば、帯電防止性が良好である。なお、表面比抵抗の単位Ω/□とは、Ω/sq.(単位面積あたりの抵抗)の意味である。
【0121】
[アンチブロッキング性]
実施例10、比較例4で作製した積層体について、積層体を切断して2枚のシート片(5cm×5cm)を作製した。作製した2枚のシート片を塗布層面が向かい合うようにして重ね合わせる。次に、2枚のシート片を重ね合わせた試料をガラス版で挟み込み、12.2kg/cm
2の荷重をかけ、80℃のオーブンで24時間放置する。次に、重ね合わせ面を目視により観察しニュートンリングの発生状況を確認した後、両者を剥離し、以下の基準で評価した。「○」であれば、アンチブロッキング性が良好である。
【0122】
○: 剥離前のニュートンリングの発生がなく、剥離時、剥離音なく軽く剥離される
×: 剥離前全面にニュートンリングが発生する、または剥離時、剥離音を立てて剥離される。
【0123】
【表1】
【0124】
表1から明らかなように、実施例1〜実施例8及び実施例11〜13で作製した積層体は、密着性に優れ、2層間の層間拡散が少なく、2層それぞれの機能の維持し、ハードコート性と耐擦傷性に優れたバランスのよい積層体であった。さらに、実施例9、10で作製した積層体についても、密着性に優れ、2層間の層間拡散が少なく、2層それぞれの機能を維持し、帯電防止性とハードコート性、アンチブロッキング性とハードコート性に優れたバランスのよい積層体であった。
【0125】
また、工程2を実施しなかった比較例1、3、4で作製した積層体は、密着性には優れるものの、2層間の層間拡散が見られ、ハードコート性と耐擦傷性、帯電防止性、およびアンチブロッキング性に欠ける積層体であった。一層毎に塗布、乾燥、硬化を行い、その工程を2回繰り返した比較例2で作製した積層体は、層間拡散がなくハードコート性と耐傷性は良好なものの、層間密着性に欠ける積層体であった。