(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、電子部品は突部により係止はされているものの、突部や凹部の内面と電子部品との間には隙間が存在するため(特許文献1の第2図参照)、電子部品は凹部内で移動可能である。そのため、梱包状態で搬送されたり、電子部品が装置の製造に供されたりする際に生じる振動により電子部品がキャリアテープの凹部内で揺り動かされて電子部品が凹部や突部との衝突により損傷を受けたり、電子部品と凹部や突部との間の摩擦によって梱包材が削られてできた削り粉が電子部品に付着したりする可能性があり、結果として、電子部品や電子部品を用いた製品の品質の低下や歩留まりの低下を招く恐れがある。電子部品を凹部内に収容する際に電子部品をある程度の力で押し込んで突部を変形させて開口を押し広げる構成を採用している場合には、その際に加えられる外力によって電子部品が破損する可能性もある。
【0005】
特許文献2(特開2008−273620号公報)、特許文献3(特開平4−114876号公報)には、梱包材の凹部の底面に粘着材を配置し、この粘着材により電子部品を固定的に保持することを狙った技術が開示されている。しかしながら、この場合は粘着材を配置するためのコストが発生する問題があり、また、取り出した電子部品に粘着材の一部が移ってしまい、電子部品や電子部品を用いた製品の品質の低下や歩留まりの低下を招く可能性もある。
【0006】
本発明は上記に鑑み、簡便に、かつ、コストを抑えながら、収容対象物を収容体に対して固定的に保持できる収容方法を提供することをその目的の一つとし、収容方法を実行する装置を提供することを目的の別の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下のように本発明の各局面に想到した。
すなわち、本発明の第1の局面による収容対象物の収容方法は、加熱により変形する材料からなる収容体の収容面部分に収容対象物を載置する載置ステップと、載置ステップの後、収容体のうち収容面部分に近接する近接部分を収容対象物へ向けて型材で押圧および加熱して変形させることで収容対象物の側面に当接する保持部とし、保持部により収容対象物を収容体の収容面部分に固定的に保持する保持ステップと、を有する収容対象物の収容方法である。
【発明の効果】
【0008】
上記局面に係る収容方法によれば、加熱により変形させた収容体の近接部分を保持部として収容対象物の側面に当接させて収容対象物を収容体の収容面部分に固定的に保持するため、運搬中や使用中に振動が生じても収容対象物が収容体に対して移動することが抑制され、収容対象物と収容体が衝突し合ったり、収容対象物が収容体を削ったりすることが抑制される。そのため、収容対象物が収容体との衝突により破損したり、収容体の削り粉が収容対象物に付着したりすることを抑制できる。
【0009】
収容対象物の収容体からの意図しない脱離を防止するためにカバー部材(カバーテープ等)を用いる場合、収容対象物の表面が接着性のある樹脂材料や静電気が逃げにくい絶縁材料で形成されていたり、平坦性が良い表面であったりすると、収容対象物がカバーテープに張り付き易く、収容対象物の使用時の適切な取出し及び供給の妨げとなることがある。
その点、上記局面に係る収容方法によれば、保持部により収容対象物を収容体の収容面部分に固定的に保持できるため、収容対象物とカバー部材とを確実に離隔して保持することが可能であり、収容対象物がカバー部材に張り付くことを防止できる。また、カバー部材を外しても収容対象物が収容体から不意に脱落することがないためカバー部材を外す際の作業効率が向上する。
なお、上記局面に係る収容方法によれば、収容対象物が高強度の物であったり、硬い表面を有する物であったりする場合には、収容対象物の脱落防止のみを目的としたカバー部材の使用については省略することも可能となる。
【0010】
また、上記局面に係る収容方法は、収容体の近接部分を加熱して変形させることで収容対象物の側面に当接する保持部を形成し、この保持部により収容対象物を保持するものである。そのため、収容対象物を収容する際に収容対象物を大きな外力で押し込む必要がない。よって、本発明の上記局面に係る収容方法によれば、収容対象物を収容体に収容する際に収容対象物に加えられる外力により収容対象物に破損が生じることを抑制できる。特に、収容対象物が光学的機能を有する半導体発光素子(LED素子等)や半導体受光素子(2次元イメージセンサ等)などの柔らかい樹脂から成る表面を有するものである場合には、本発明の有する上記効果がより有効に発揮される。
【0011】
また、上記局面に係る収容方法によれば、収容体の近接部分を加熱して変形させて収容対象物の側面に当接する保持部とするため、近接部分の変形した材料が収容対象物の側面に密着することができ、収容対象物と保持部との隙間を無いものとするか、あるいは極めて小さなものとすることができる。よって、収容対象物を保持する精度が高められる。
また、上記局面に係る収容方法によれば、収容対象物の幅に合わせて事後的に保持部を形成できるため、収容対象物の幅にある程度のばらつき(すなわち、幅の誤差または複数の種類の幅)があってもそれを許容できる。すなわち、本発明の上記局面に係る収容方法によれば、収容対象物の幅の自由度が高められる。よって、上記局面に係る収容方法によれば幅にばらつきのある収容対象物を好適に保持できる。
【0012】
また、本発明の第2の局面によれば、上記の収容方法において、載置ステップは収容対象物の底面を収容体の収容面部分に当接させ、保持ステップは、保持部を、収容対象物の底面の縁から収容対象物の底面と隣接する収容対象物の側面の少なくとも一部までの範囲に当接させる。
このような方法によれば、収容対象物をより安定的に保持できる。
【0013】
また、本発明の第3の局面によれば、上記の収容方法において、保持ステップの後、保持部を冷却する冷却ステップを更に含む。これにより保持部の形態が早期に安定し、保持部による収容対象物の保持精度が向上する。
また、本発明の第4の局面によれば、上記の収容方法において、収容体は凹部を有し、収容面部分は凹部の底面であり、近接部分は凹部の底面と隣接する凹部の側壁である。
また、本発明の第5の局面によれば、上記の収容方法において、近接部分は収容体の収容面部分から離れる方向に伸びる爪状部分である。
【0014】
また、本発明の第6の局面によれば、上記の収容方法において、収容対象物は電子部品であり、収容体はキャリアテープである。
また、本発明の第7の局面によれば、上記の収容方法において、収容対象物は電子部品であり、収容体は平板状のトレイである。
また、本発明の第8の局面によれば、上記の収容方法を実行する収容装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の複数の実施形態に係る収容方法について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る収容方法による収容対象物の収容体への収容状態を説明するための概略図である。本実施形態の収容方法として、以下、収容対象物としてのLED素子や受光素子等の電子部品を、収容体としてのエンボスキャリアテープに収容する方法を例に取り説明する。
【0017】
図1の(A−1)は本実施形態に係る収容方法の実施に用いるエンボスキャリアテープ1(以下、「キャリアテープ1」と称する)の一部を示す平面図であり、(A−2)は(A−1)のIAII−IAII断面を示す断面図である。キャリアテープ1は樹脂からなる長尺テープ状の本体10を有し、本体10には、収容対象物を収容するための複数の凹部20(エンボス)が、本体10の長手方向に沿って配列される態様で形成されている。各凹部20は逆四角錐台状に形成されることで、底面21と、4つの側壁22を有する。各凹部20の4つの側壁22は、凹部20が底面21側に向かって狭くなるような勾配を有する。各凹部20の底面21にはピン挿入孔23が形成されており、凹部20に収容された収容対象物を押し出すためのピンを挿入できるようになっている。図例においては、ピン挿入孔23は凹部20の底面21の中央部付近に形成されている。キャリアテープ1の本体10の長手縁部付近には、キャリアテープ1を送り出すための送り穴30が所定間隔で連続的に形成されている。
【0018】
図1の(B−1)は、本実施形態に係る収容方法により、キャリアテープ1の凹部20内に収容対象物である電子部品50を収容した状態を示す平面図であり、(B−2)は(B−1)のIBII−IBII断面を示す断面図である。図示するように、本実施形態の収容方法によれば、凹部20の4つの側壁22のそれぞれから内側へ突出するように形成された保持部24を電子部品50に当接させることで、これらの保持部24により電子部品50を凹部20内に固定的に保持することができる。
【0019】
(収容方法の実行手順)
次に、
図2および
図3を参照して、本実施形態に係る収容方法の実行手順例を具体的に説明する。
図2の(A−1)、(B−1)、(C−1)、(D−1)、
図3の(A−1)、(B−1)、(C−1)、(D−1)は収容方法の各段階におけるキャリアテープ1の状態またはキャリアテープ1と電子部品50の状態を示す平面図であり、
図2の(A−2)、(B−2)、(C−2)、(D−2)、
図3の(A−2)、(B−2)、(C−2)、(D−2)は上記各平面図に示す状態を各平面図中の矢印IIA、IIB、IIC、IID、IIIA、IIIB、IIIC、IIIDの方向に見た状態を部分断面図によりそれぞれ示したものであり、各部分断面図においてはキャリアテープ1のみ断面により示している。上記各平面図においては電子部品50を吸着して移動させるための吸着機構60の図示は省略した。
【0020】
まず、
図2の(A−1)、(A−2)に示す状態において、キャリアテープ1を所定の位置に位置決めする。同図は、電子部品50を別途の吸着ノズル等の吸着機構60により吸着した状態で、キャリアテープ1の本体10の凹部20に対向する位置に準備した状態を示している。また、同図においては、キャリアテープ1の電子部品50を収容する側とは反対側に配置された梱包装置70の向かい合う一対の可動の型材71Aが、凹部20の中心と相対的に合致するように、センタリング可能な平行移動機構により配置される。また、同図において、一対の型材71Aは、加熱部材72Aと接することで加熱される。
【0021】
次に、吸着機構60を動かして
図2の(B−1)、(B−2)に示すように電子部品50を凹部20内に挿入し、凹部20の底面21上に載置する。また、型材上下動機構により、梱包装置70の型材71Aをキャリアテープ1に接近させて、一対の型材71Aの間に、凹部20の向かい合う一対の側壁22が入るようにする。そのとき、一対の型材71Aの先端の少なくとも一部が、それらの向かい合う方向において、凹部20の向かい合う一対の側壁22の少なくとも一部と重なり合うようにする。本例においては、一対の側壁22はキャリアテープ1の長手方向と直交する方向に向かい合う一対の側壁22である。
【0022】
次に、
図2の(C−1)、(C−2)に示す様に、吸着機構60により電子部品50を凹部20の底面21に当接させた状態を保持しながら、加熱した一対の型材71Aを互いに接近させて凹部20の向かい合う一対の側壁22の外側にそれぞれ接触させ、さらに一対の型材71Aを互いに接近させることでそれらが接触している一対の側壁22の部分を加熱し変形させる。こうして、側壁22の変形部分を、電子部品50の底面の縁から側面の部分までの範囲に当接させる。凹部20の側壁22のこのような変形を可能とするため、側壁22との接触までに型材71Aは所定の熱変形温度以上まで加熱されている。この所定の熱変形温度としては、キャリアテープ1がポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)等の非晶性材料からなる場合はガラス転移温度程度を採用することができ、キャリアテープ1がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の結晶性材料からなる場合は結晶融点程度を採用することができる。
図2の(C−2)の段階においては、加熱部材72Aは型材71Aと干渉しない位置に退避している。
【0023】
次に、一対の型材71Aを互いに離隔させて側壁22から離し、その際、側壁22の変形部分の内面側が電子部品50に当接した状態を維持するようにする。このとき、一対の型材71Aが側壁22の外側面に接触した状態でこれらを冷却風等により所定時間冷却してもよい。このとき型材71Aは加熱部材72Aと離れているので、冷却可能である。あるいは一対の型材71Aが側壁22から離れた後に側壁22を冷却風等により冷却してもよい。これにより保持部24の形態が早期に安定し、保持部24による電子部品50の保持精度が向上する。
【0024】
以上により
図2の(D−1)に示すように、向かい合う一対の側壁22の内側面からそれぞれ突出するように変形させられた部分が、各型材71Aの幅に相当する幅を有する保持部24として形成されたこととなる。
図2の(D−2)に示す様に一対の型材71Aは最初の位置に戻り、加熱部材72Aによる加熱が再開される。
【0025】
次に、既に保持部24を形成した一対の側壁22とは別の向かい合う一対の側壁22に保持部24を形成する段階に移る。すなわち、
図3の(A−1)、(A−2)に示す様に、梱包装置70の別の一対の型材71Bを用いる。これらの一対の型材71Bの並び方向はキャリアテープ1の長手方向に沿うものであり、
図2の段階で用いた一対の型材71Aの並び方向と直交する。
図3の(A−1)、(A−2)に示す状態において、電子部品50は吸着機構60に吸着されて凹部20の底面21に当接させられている。また、一対の可動の型材71Bは、凹部20の中心と相対的に合致するように、センタリング可能な平行移動機構により配置されている。一対の型材71Bは加熱部材72Bにより加熱される。
【0026】
次に、
図3の(B−1)、(B−2)に示すように、型材上下動機構により型材71Bをキャリアテープ1に接近させて、凹部20の向かい合う別の一対の側壁22が、一対の型材71Bの間に入るようにする。そのとき、一対の型材71Bの先端の少なくとも一部が、それらの向かい合う方向において、凹部20の向かい合う別の一対の側壁22の少なくとも一部と重なり合うようにする。本例においては、別の一対の側壁22はキャリアテープ1の長手方向に並ぶ一対の側壁22である。
【0027】
次に、
図3の(C−1)、(C−2)に示す様に、吸着機構60により電子部品50を凹部20の底面21に当接させた状態を維持しながら、加熱した一対の型材71Bを互いに接近させて凹部20の向かい合う別の一対の側壁22の外側にそれぞれ接触させ、さらに一対の型材71Bを互いに接近させることでそれらが接触している別の一対の側壁22の部分を加熱し変形させる。これにより、側壁22の変形部分を、電子部品50の底面の縁から側面の部分までの範囲に当接させる。
図3の(C−2)のステップにおいては、加熱部材72Bは型材71Bと干渉しない位置に退避している。
【0028】
次に、一対の型材71Bを離隔させて側壁22から離し、その際、側壁22の変形部分の内面側が電子部品50に当接した状態を維持するようにする。このとき、一対の型材71Bが側壁22に接触した状態でこれらを冷却風等により冷却してもよく、あるいは一対の型材71Bが側壁22から離れた後に側壁22を冷却風等により冷却してもよい。以上により
図3の(D−1)に示すように、向かい合う別の一対の側壁22の内側面からそれぞれ突出するように変形させられた部分が、各型材71Bの幅に相当する幅を有する保持部24として形成されたこととなる。
図3の(D−2)に示す様に一対の型材71Bは最初の位置に戻り、加熱部材72Bによる加熱が再開される。吸着機構60は型材72Bが離隔するタイミングで吸着破壊を行い、凹部20上から待避する。
【0029】
以上により凹部20の4つの側壁22のそれぞれに保持部24が形成され、4つの保持部24により電子部品50が保持されることとなる。これにより電子部品50の凹部20への収容を完了としてもよい。あるいは、さらにカバーテープをキャリアテープ1の本体10に対して、凹部20を覆うように貼り付けて、外界からの埃の侵入を防ぐようにしてもよい。
【0030】
以上の説明のように一対の型材71Aおよび加熱部材72Aとは別の一対の型材71Bおよび加熱部材72Bを用いる代わりに、一対の型材71Aおよび加熱部材72Aを、一対の保持部24の形成後に90度回転させて、一対の型材71Aおよび加熱部材72Aにより別の一対の保持部24を形成してもよい。保持部24の形成順序は上記に限らず、先にキャリアテープ1の長手方向に並ぶ一対の保持部24を形成してもよい。また、凹部20の4つの側壁22に同時に4つの保持部24を形成してもよい。保持部24は側壁22の幅の一部のみならず、側壁22の全幅に設けてもよい。
【0031】
(第1実施形態の効果)
以上説明した本実施形態に係る収容方法によれば、キャリアテープ1の凹部20の側壁22を加熱により変形させて保持部24とする際、保持部24を電子部品50の側面に当接させて電子部品50を凹部20の底面21上に固定的に保持するため、運搬中や使用中に振動が生じても電子部品50が凹部20内で移動することが抑制され、電子部品50が凹部20の内面に衝突したり、電子部品50が凹部20の内面を削ったりすることが抑制される。そのため、電子部品50が凹部20の内面との衝突により破損したり、キャリアテープ1の削り粉が電子部品50に付着したりすることを抑制できる。
【0032】
電子部品50のキャリアテープ1からの意図しない脱離を防止するためにカバーテープを用いる場合、電子部品50の表面が接着性のある樹脂材料や静電気が逃げにくい絶縁材料で形成されていたり、平坦性が良い表面であったりすると、電子部品50がカバーテープに張り付き易く、電子部品50の使用時の適切な取出し及び供給の妨げとなることがあるが、その点、本実施形態に係る収容方法によれば、保持部24により電子部品50を凹部20の底面21上に固定的に保持できるため、電子部品50とカバーテープとを確実に離隔して保持することが可能であり、電子部品50がカバーテープに張り付くことを防止できる。また、カバーテープを外しても電子部品50がキャリアテープ1から不意に脱落することがないため作業効率が向上する。
なお、本実施形態に係る収容方法によれば、電子部品50が高強度の物であったり、硬い表面を有する物であったりする場合には、電子部品50の脱落防止のみを目的としたカバーテープの利用については省略することも可能となる。
【0033】
また、本実施形態に係る収容方法は、凹部20の側壁22を加熱して変形させることで電子部品50の側面に当接する保持部24を形成し、この保持部24により電子部品50を保持するものである。そのため、電子部品50を収容する際に電子部品50を大きな外力で押し込む必要がない。よって、本実施形態に係る収容方法によれば、電子部品50をキャリアテープ1の凹部20に収容する際に電子部品50に加えられる外力により電子部品50に破損を生じることを抑制できる。特に、電子部品50が光学的機能を有する半導体発光素子(LED素子等)や半導体受光素子(2次元イメージセンサ等)などの柔らかい樹脂から成る表面を有するものである場合には、本発明の有する上記効果がより有効に発揮される。
【0034】
また、本実施形態に係る収容方法によれば、キャリアテープ1の凹部20の側壁22を加熱して変形させて電子部品50の側面に当接する保持部24とするため、側壁22の変形した材料が電子部品50の側面に密着することができ、電子部品50と保持部24との隙間を無いものとするか、あるいは極めて小さなものとすることができる。よって、電子部品50を保持する精度が高められる。
【0035】
また、本実施形態に係る収容方法によれば、電子部品50の幅に合わせて事後的に保持部24を形成するため、電子部品50の幅にある程度のばらつき(すなわち、幅の誤差または複数の種類の幅)があってもそれを許容できる。すなわち、本実施形態に係る収容方法によれば、収容対象物である電子部品50の幅の自由度が高められる。よって、本実施形態に係る収容方法によれば幅にばらつきのある電子部品50を好適に保持できる。
【0036】
また、本実施形態の収容方法においては、電子部品50の底面をキャリアテープ1の凹部20の底面21に当接させ、保持部24を、電子部品50の底面の縁からその底面と隣接する電子部品50の側面の少なくとも一部までの範囲に当接させるようにしている。このような方法によれば、電子部品50をより安定的に保持できる。
【0037】
(第1実施形態の変形例)
図4に第1実施形態とその複数の変形例の収容方法による電子部品50の収容状態を断面図により示す。
図4の(A)は第1実施形態の収容方法による電子部品50の収容状態を示す断面図であり、凹部20の側壁22に形成された保持部24が電子部品50の底面の縁から側面の途中までの範囲に当接して保持していることが理解される。
図4の(B)の保持部24は(A)のものと比べてより高い位置まで形成されており、電子部品50の底面の縁から側面の全高にわたる範囲に当接して保持していることが理解される。
図4の(C)、(D)の保持部24は更に高い位置まで形成されており、電子部品50の底面の縁から側面の全高にわたる範囲に当接して更に電子部品50よりも高い位置まで延在することが理解される。
図4の(E)の保持部24は更に高い位置まで形成されており、電子部品50の底面から側面の全高にわたる範囲に当接して更に電子部品50よりも高い位置まで延在し、キャリアテープ1の本体10の凹部20が形成されていない面まで達していることが理解される。
【0038】
電子部品50の上面(底面とは反対側の面)が柔らかい場合には、保持部24は電子部品の上面より上に出ない
図4の(A)、(B)の態様が、保持部24と電子部品50の上面の接触を防いで電子部品50の上面の損傷を避ける上では有利である。
一方、
図4の(D)や(E)のように保持部24の位置が高くなって保持部24と電子部品50の側面との接触面積が増す程、より強固に電子部品50を保持することができる。また、保持部24が電子部品50よりも高い位置まで延在すると、キャリアテープ1をリールに巻き付けた際に、凹部20同士が重なることを防止できる効果がある。凹部20同士が重なるとキャリアテープ1をリールに対して隙間なく巻き付けることが困難になるため、凹部20同士の重なりを防止することが好ましい。
図4の(F)に示す変形例は、保持部24とは別に、上記したような凹部20同士の重なりを防止するための突起25を側壁22の内側から突出するように設けたものである。突起25はキャリアテープ1の本体10の凹部20が形成されていない面と同一の面を有し、電子部品50とは接していない。突起25はキャリアテープ1の凹部20に電子部品50を載置する前に予め形成しておいてもよいし、電子部品50の載置後に保持部24と同様の方法により、凹部20の側壁22の一部を加熱して変形させて形成してもよい。
【0039】
図5に第1実施形態の別の複数の変形例を示す。すなわち、第1実施形態においては凹部20の4つの側壁22全てに保持部24を設けたが、
図5の(A)、(B)に示す様に、4つの側壁22のうち向かい合う2つの側壁22のみに保持部24を設けてもよい。
図5の(A)の例においてはキャリアテープ1の長手方向と直交する方向に向かい合う一対の側壁22にのみ保持部24を設けている。
図5の(B)の例においてはキャリアテープ1の長手方向に向かい合う一対の側壁22にのみ保持部24を設けている。
【0040】
あるいは、
図5の(C−1)のように、凹部20の4つの側壁22のうちの1つのみに保持部24を設け、その側壁22と対向する側壁22に対して電子部品50を押し付ける態様で電子部品50を保持するものであってもよい。
図5の(C−2)は(C−1)のVC−VC断面図である。この場合、保持部24を設ける側壁22は任意に選択可能であり、
図5の(C−1)の例ではキャリアテープ1の長手方向に延在する側壁22の一つに保持部24を設けており、
図5の(D)の例では長手方向と直交する方向に延在する側壁22の一つに保持部24を設けている。
【0041】
あるいは、
図6の(A)、(B)の例のように、4つの側壁22のうちの3つのみに保持部24を設け、残る1つの側壁22に対して電子部品50を押し付ける態様で保持してもよい。さらには、
図6の(C)、(D)のように凹部20のいずれかの角部を加熱変形させて、変形部分を保持部24として電子部品50に当接させて保持するものであってもよい。その場合、
図6の(C)、(D)のように、凹部20の一対または二対の対角部分を加熱変形させることが好ましい。凹部20の角部を加熱変形させる場合には、型材71A、71Bの角部への接触部分は、電子部品50の角部の形状に沿う形状とするものとしてもよい。
【0042】
(第2実施形態)
図7に本発明の第2実施形態に係る収容方法を説明するための図を示す。
図7の(A)は本実施形態に係る収容方法により収容対象物としての複数の電子部品50を、収容体としてのトレイ80に収容した状態を示す平面図である。本実施形態のトレイ80は、第1実施形態のキャリアテープ1と同様の材料である熱変形可能な樹脂からなる平板状の本体81に複数の凹部20が形成されており、各凹部20に電子部品50を一つずつ収容するものである。
図7の(B)には
図7の(A)において一点鎖線VIIBで囲む一つの凹部20を拡大して示す。本実施形態の凹部20は第1実施形態の凹部20と同じく4つの側壁22にそれぞれ保持部24が形成されることで電子部品50を保持するものである。また、電子部品50を凹部20内に収容する方法も第1実施形態の凹部20に収容する方法と同様であり、
図2、
図3に基づき説明した方法を、キャリアテープ1の代わりにトレイ80を用いて実行するものである。また、第1実施形態の変形例として
図4〜6に基づいて説明した各構成も第2実施形態に対して適用可能である。
【0043】
(第3実施形態)
図8に本発明の第3実施形態に係る収容方法を説明するための図を示す。
図8の(A)は第3実施形態に係る収容方法により、収容対象物の例としての電子部品50を収容する際に用いる収容体の例としてのキャリアテープ100を示す平面図である。
図8の(B)には、キャリアテープ100に電子部品50を収容した場合の電子部品50の輪郭の位置を一点鎖線により示している。本実施形態のキャリアテープ100は第1実施形態のキャリアテープ1の材料と同様の熱変形可能な樹脂からなるテープ状の本体101を有し、その上に各電子部品50をキャリアテープ100の長手方向に列状に並べて載置し、
図8の(C)に示すように電子部品50の並び方向と直交する方向の両側から保持部102で保持することによって複数の電子部品50を収容するものである。
図8の(D)は
図8の(C)のVIIID−VIIID断面図である。
【0044】
図8の(B)において一点鎖線で示す電子部品50の載置予定場所の中心部付近には電子部品50を取り出すためのピンを挿入するためのピン挿入孔103が形成されている。キャリアテープ100の本体101のピン挿入孔103が形成された場所を載置中心部と呼ぶことにすると、載置中心部の両側には一対の爪穴104が形成されており、一対の爪穴104はキャリアテープ100の長手方向と直交する方向に並んでいる。各爪穴104の縁のうち、載置中心部側の縁部分からは、載置中心部とは反対側に伸びる爪105が形成されている。爪105は載置されるべき電子部品50の縁(
図8の(B)において一点鎖線により示す)を跨いでその内側から外側までの範囲にわたって延びている。爪105は爪穴104の縁のうち、載置中心部側の縁部分以外の縁部分とは離れている。
【0045】
ピン挿入孔103の両側の一対の爪105は、後に説明する加熱変形により
図8の(C)および(D)に示すように、途中から立ち上がった形状を有する一対の保持部102となり、電子部品50の底面の縁から側面の一部までの範囲に当接する態様で電子部品50を保持する。
【0046】
(第3実施形態に係る収容方法の手順)
次に、
図9を参照し、本実施形態に係る電子部品50の収容方法の手順を説明する。
図9の(A)は
図8の(A)におけるキャリアテープ100のIXA−IXA断面を、本実施形態の収容に用いる一対の型材110とともに示す図である。
まず、
図9の(A)に示す状態において、キャリアテープ100を所定の位置に位置決めする。一対の型材110は、キャリアテープ100の電子部品50を載置する側とは反対の側に、キャリアテープ100の電子部品50の載置予定場所の中心と相対的に合致するように、センタリング可能な平行移動機構により配置される。一つの型材110の先端部付近を
図9の(G)に斜視図として示す。各型材110は別の型材110と対向し合う第1面111と、
図9の(A)の状態においてキャリアテープ100の底面に対向する第2面112を有する。第1面111は各型材110の先端の突起の側面に形成されている。
【0047】
次に、
図9の(B)、(C)に示す様に、電子部品50を別途の吸着ノズル等の吸着機構60により吸着して、キャリアテープ100表面の電子部品50の載置予定場所に載置、保持する。同時に、一対の型材110は、不図示の加熱部材と接することで加熱されている。
【0048】
次に、型材上下動機構により一対の型材110を動かし、
図9の(D)に示す様にキャリアテープ100の底面に型材110の第2面112が当接する程度に型材110をキャリアテープ100に接近させる。そのとき、一対の型材110の先端部をキャリアテープ100の一対の爪穴104にそれぞれ挿入し、各型材110の第1面111をキャリアテープ100の爪105の先端に対向させる。
【0049】
次に、吸着機構60により電子部品50をキャリアテープ100上の載置予定場所に当接させた状態を保持しながら、加熱した一対の型材110を互いに接近させて一対の爪105の先端にそれぞれ接触させ、
図9の(E)に示す様に、さらに一対の型材110を互いに接近させることでそれらが接触している一対の爪105を加熱し変形させる。このとき、加熱および変形を受けた爪105の材料が、
図9の(E)に示す様に電子部品50の底面の縁から側面の部分までの範囲に当接するようにする。このように爪105を加熱して変形させ保持部102を形成する。
【0050】
爪105のこのような変形を可能とするため、爪105との接触までに型材110は所定の熱変形温度以上まで加熱されている。この所定の熱変形温度としては、キャリアテープ100がポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)等の非晶性材料からなる場合はガラス転移温度程度を採用することができ、キャリアテープ100がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の結晶性材料からなる場合は結晶融点程度を採用することができる。
【0051】
次に、
図9の(F)に示す様に、一対の型材110を互いに離隔させて最初の位置に戻し、吸着機構60は型材110が離隔するタイミングで吸着破壊を行い、電子部品50と切り離され、電子部品50は保持部102により保持された状態となる。このとき、一対の型材110が保持部102に接触した状態でこれらを冷却風等により所定時間冷却してもよい。あるいは一対の型材110が保持部102から離れた後に保持部102を冷却風等により冷却してもよい。
【0052】
以上により
図8の(D)に示すように、電子部品50の底面の縁から側面の部分までの範囲に当接する保持部102が形成され、一対の保持部102により各電子部品50が固定的に保持されることとなる。
第3実施形態においては各電子部品50をキャリアテープ100の長手方向と直交する方向に並ぶ一対の保持部102により保持するものとしたが、各電子部品50をキャリアテープ100の長手方向に並ぶ一対の保持部により保持してもよく、あるいは、各電子部品50を4つの保持部により4つの方向から保持してもよい。
【0053】
(第4実施形態)
次に、
図10、
図11を参照して、本発明の第4実施形態に係る収容方法を説明する。本実施形態に係る収容方法は、第2実施形態のトレイ80と同様の材料からなる平板状のトレイ120(
図10の(A)に平面図により示す)の本体121に第3実施形態と同様の保持部102を複数組形成し、これらの保持部102により、
図10の(B)に示す様に、複数の電子部品50をトレイ120の面上に縦横に配置した態様で保持し収容するものである。
図10の(A)において一点鎖線XIAにて囲んだ範囲を
図11の(A)に拡大して示す。
図10の(B)において一点鎖線XIBにて囲んだ範囲を
図11の(B)に拡大して示す。
【0054】
図10の(A)、
図11の(A)に示す様に、トレイ120の本体121において、電子部品50を載置する予定の載置予定場所の中心部(以下、「載置中心部」と称する)付近には電子部品50を取り出す際にピンを挿入することができるピン挿入孔103が形成されている。そして、各ピン挿入孔103を中心とする4方向に爪穴104が形成されている。図例では隣り合う2つのピン挿入孔103は一つの爪穴104を共有している。
各爪穴104の縁のうち、載置中心部側の縁部分からは、載置中心部とは反対側に伸びる爪105が形成されている。爪105は載置されるべき電子部品50の縁に相当する位置を跨いでその内側から外側までの範囲にわたって延びている。爪105は爪穴104の縁のうち、載置中心部側の縁部分以外の縁部分とは離れている。
【0055】
これらの爪105を、
図9に基づいて説明した方法と同様の方法により、加熱した型材を用いて加熱して変形させて、
図10(B)、
図11(B)に示す保持部102とする。こうして、電子部品50の底面の縁から側面の少なくとも一部までの範囲に当接する保持部102により、複数の電子部品50をトレイ120上に固定的に保持することができる。
第4実施形態においては各電子部品50の4つの側面を4つの保持部102により保持するものとしたが、各電子部品50の2つの側面を対向する一対または複数対の保持部により保持してもよい。
【0056】
上記複数の実施形態および複数の変形例においては電子部品50を保持したり移動させたりする機構として吸着機構60を用いたが、この吸着機構60に代えて、電子部品50を挟む態様で保持したり移動させたりする機構(図示せず)を用いてもよい。
上記複数の実施形態および複数の変形例において各一つの電子部品50を複数の保持部24(または保持部102)で保持する場合、それら複数の保持部24(または保持部102)は互いに略同形状のものとして図示したが、それら複数の保持部24(または保持部102)互いに異なる形状であってもよい。特に、向かい合う一対の保持部24(または保持部102)は互いに略面対称の形状を有するものに限らず、互いに面対称でない形状を有するものであってもよい。また、電子部品50の両側に形成される複数の保持部24(または保持部102)は、電子部品50を挟んで線対称の位置に形成されてもよく、線対称でない位置に形成されてもよい。電子部品50の平面形状が辺を有する場合、各一辺に対して複数の保持部24(または保持部102)を形成してもよい。
【0057】
以上において説明した本発明の異なる実施形態や変形例の要素を、実現不可能な場合を除き、互いに組み合わせて実施してもよく、そのような実施の態様も本発明の範囲に含まれる。
本発明は上記発明の各局面や実施形態やその変形例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。