(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ワイヤーハーネスをインサート部品としてインサート成形する必要が有る。
【0005】
そこで、本発明は、サイレンサに対して別体として形成されたワイヤーハーネスを容易に固定可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、車両においてフロアマットとボディとの間に配設されるサイレンサと、前記サイレンサの主面に沿って配設されたワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスを前記サイレンサに固定している固定用部材と、を備え、前記サイレンサには、前記主面から厚み方向に凹む態様で有底状に有底穴が形成され、前記固定用部材は前記有底穴に係止することによって前記ワイヤーハーネスを前記サイレンサに固定している。
【0007】
また第1の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造
において、前記サイレンサは、サイレンサ本体部と、前記サイレンサ本体部よりも高剛性の材料によって形成されると共に前記サイレンサ本体部と一体に設けられ前記有底穴を有する係止用部材とを含む。
【0008】
第
2の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第
1の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記固定用部材と前記係止用部材との双方に、相互に係止し合う係止突起部が形成されている。
【0009】
また第1の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造
において、前記係止用部材は、前記サイレンサ本体部の前記主面側に露出する一端部から前記サイレンサ本体部の内部に向けて延び前記有底穴が形成される軸部と、前記軸部の他端部につらなり前記軸部が前記サイレンサ本体部から抜けるのを規制する抜止部とを含み、前記固定用部材は、棒状に形成され前記軸部に形成された前記有底穴に挿入係止されている挿入部と、前記挿入部の基端に形成され前記有底穴への前記挿入部のそれ以上の挿入を規制する挿入規制部とを有する。
【0010】
第
3の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第
1又は第2の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記固定用部材は、前記挿入規制部から延長する態様で設けられ、前記ワイヤーハーネスが固定されているハーネス固定部をさらに有する。
【0011】
第
4の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第1から第
3のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記固定用部材は、支柱部と前記支柱部の先端に形成された係止片とを有し、穴部に挿入係止可能に形成されたクリップを含み、前記クリップの前記係止片が前記サイレンサの本体部に形成された前記有底穴に係止している。
【0012】
第
5の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第1から第
4のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記ワイヤーハーネスは、電線と、前記電線が固定されると共に前記固定用部材と前記サイレンサとの間に挟まれているシート材とを含む。
【0013】
第
6の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第1から第
5のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記ワイヤーハーネスは、丸断面形状を呈する態様に束ねられた複数の電線を含み、結束部材によって前記固定用部材に固定されている。
【発明の効果】
【0014】
第1から第
6の態様によると、固定用部材によってサイレンサに対して別体として形成されたワイヤーハーネスを容易に固定することができる。このとき、固定用部材を係止するためにサイレンサに形成された穴が有底穴であるため、当該穴が形成されることによる防音性の低下を抑制できる。
【0015】
また第1から第6の態様によると、サイレンサの本体部に直接固定用部材を係止させる場合に比べて、係止状態が安定する。
【0016】
特に、第
2の態様によると、固定用部材と係止用部材との係止状態がより安定する。
【0017】
また第1から第6の態様によると、係止用部材がサイレンサ本体部から抜けにくくなる。また、係止用部材への固定用部材の挿入し過ぎを抑制できる。
【0018】
特に、第
3の態様によると、固定用部材をワイヤーハーネスに先に固定しておくことができる。また、ワイヤーハーネスに固定しておいた固定用部材を容易にサイレンサに係止させることができる。
【0019】
特に、第
4の態様によると、クリップを用いてワイヤーハーネスを固定できる。この際、クリップが有底穴に係止しているため、サイレンサのうちワイヤーハーネスが配設される主面とは反対側の主面の外方に突出することを抑制できる。
【0020】
特に、第
5の態様によると、固定用部材とサイレンサとによってシート材部分を挟むことによって容易にワイヤーハーネスを固定できる。
【0021】
特に、第
6の態様によると、丸断面のワイヤーハーネスをサイレンサに固定できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造について説明する。
図1は、第1実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造1を示す概略断面図である。
図2は、第1実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造1を示す概略分解断面図である。
図3は、第1実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造1を示す分解側面図である。
【0024】
ワイヤーハーネスの固定構造1は、サイレンサ10と、サイレンサ10の主面に沿って配設されたワイヤーハーネス30と、ワイヤーハーネス30をサイレンサ10に固定している固定用部材40と、を備える。
【0025】
サイレンサ10は、車両においてフロアマット80とボディ82との間に配設される部材である。サイレンサ10には、ワイヤーハーネス30が配設される主面から厚み方向に凹む態様で有底状に有底穴20が形成されている。具体的には、サイレンサ10は、サイレンサ本体部12と、係止用部材14とを含む。ここでは係止用部材14に有底穴20が形成されているものとして説明する。
【0026】
サイレンサ本体部12は、防音性を有する材料によって板状に形成されている。ここでは、サイレンサ本体部12は、発泡ポリウレタン等の樹脂発泡体のチップに、接着剤(バインダ)を塗布するなどして混在させたものを蒸気雰囲気下で圧縮させつつ一体に固着させることによって形成されるものとして説明する。かかる接着剤としてはウレタンチップ用接着剤などチップの素材に応じた周知の接着剤を用いることができる。もっとも、サイレンサ本体部12の製造方法は上記したものに限られない。例えば、サイレンサ本体部12は、ポリウレタン等の樹脂材料を発泡させつつモールド成形して形成されるものであってもよい。また例えばサイレンサ本体部12は、無数の繊維状部材が圧縮されて形成されるものであってもよい。この場合、無数の繊維状部材は絡み合って結合されていてもよいし、接着剤等によって固着されていてもよい。係る繊維状部材は、天然繊維であってもよいし、化学繊維であってもよい。
図1に示す例ではサイレンサ本体部12は平坦に形成されているが、フロアマット80或いはボディ82の形状に沿わせること、又は部分的にかさ上げすること等を目的として厚み方向に凹凸を呈する部分を有していてもよい。
【0027】
係止用部材14は、例えば、非発泡の樹脂などサイレンサ本体部12よりも高剛性の材料によって形成されている。係止用部材14は、サイレンサ本体部12と一体に設けられている。具体的には、係止用部材14は、軸部16と、抜止部18とを含む。そして、係止用部材14に、有底穴20が形成されている。さらにここでは係止用部材14には、係止突起部22が形成されている。係止突起部22は、固定用部材40の後述する係止突起部44と係止し合う。
【0028】
軸部16は、棒状に形成されている。軸部16の一端部16aは、サイレンサ本体部12のうちワイヤーハーネス30が配設される主面側に露出する。軸部16は、サイレンサ本体部12の主面側に露出する一端部16aからサイレンサ本体部12の内部に向けて延びている。軸部16は両端が開口した円筒状に形成されている。
【0029】
ここで、軸部16の一端部16aの先端はサイレンサ本体部12の主面より外側に突出している。そして、当該突出部分の周縁にはフランジ部17が設けられている。当該突出部分及びフランジ部17は、係止用部材14をインサート部品としてサイレンサ10がインサート成形される際に、金型90に保持される部分である。もっとも当該突出部分及びフランジ部17は設けられていない場合もあり得る。
【0030】
抜止部18は、軸部16がサイレンサ本体部12から抜けるのを規制する部分である。具体的には、抜止部18は、軸部16の他端部16bにつらなる。抜止部18は軸部16よりも大きく形成されている。抜止部18は、例えば円板状又は角板状などの板状に形成されている。抜止部18における外向きの主面はサイレンサ本体部12に覆われている。
【0031】
有底穴20は、ここでは軸部16と、抜止部18とで構成されている。より詳細には、円筒状の軸部16の内部の中空部16cが、有底穴20の穴部を構成している。このとき軸部16の他端部16bにおける中空部16cの開口は抜止部18によって塞がれている。従ってここでは抜止部18が有底穴20の底部を構成している。このとき軸部16の一端部16aがサイレンサ本体部12の主面側に露出することによって、軸部16の一端部16aにおける中空部16cの開口が外部に露出し、有底穴20の開口をなしている。そして当該開口から固定用部材40が挿入されている。
【0032】
もっとも、抜止部18に軸部16の中空部16cに連なる貫通孔が形成されていることもあり得る。この場合、サイレンサ本体部12のうち係止用部材14に対してワイヤーハーネス30が配設される主面とは反対側に位置する部分が有底穴20の底部を構成する。また、軸部16が、他端部16bが閉口した筒状に形成されるなどして、有底穴20の底部が軸部16の中間部に位置していることも考えられる。
【0033】
係止突起部22は、軸部16の内周面から内向きに突出する態様で形成されている。係止突起部22は、少なくとも1つ(ここでは複数)の突起22aを含む。突起22aは、有底穴20の開口側から底部側に行くに向けて徐々に突出寸法が大きくなるように形成されている。より詳細には突起22aは軸方向に対して傾斜した傾斜面22bと、軸方向に対して垂直な垂直面22cとを有している。突起22aにおいて、傾斜面22bが有底穴20の開口側を向いていると共に垂直面22cが有底穴20の底部側を向いている。複数の突起22aは軸方向に並んで形成されている。突起22aは周方向全体に亘って形成されている。もっとも、突起22aは、周方向に沿った一部の領域のみに形成されていてもよい。この場合、周方向に沿った寸法が半周より小さい突起が複数、周方向に並んでいることも考えられる。
【0034】
かかる係止用部材14は、例えば、樹脂等を材料として金型を用いて一体成形された一体成形品であることが考えられる。
【0035】
図4は、サイレンサ10を製造する様子を説明する模式図である。
【0036】
上記サイレンサ10は、例えば、成形品である係止用部材14をインサート部品とするインサート成形によって形成することができる。この際、
図4に示すように、金型90の下型91に軸部16の突出部分及びフランジ部17を保持させた状態で、下型91にチップと接着剤との混和物Bが投入される。これにより、サイレンサ本体部12を構成する材料が有底穴20へ侵入することを抑制できる。この状態で、金型90内に蒸気をかけつつ上型92を下型91に接近させて混和物を圧縮する。これによりチップが圧縮した状態で接着剤が硬化し、成形品の形状を呈する。蒸気は例えば下型91に形成された通気孔91hを通じて下型91内に導入される。なお、樹脂を発泡させつつモールド成形してサイレンサを製造する場合、インサート成形の他に二色成形(ダブルモールドなどとも言う)によって形成することもできる。
【0037】
サイレンサ10を一体成形するに当たり、サイレンサ本体部12と係止用部材14とが樹脂によって接着していることが好ましい。これにより、サイレンサ本体部12と係止用部材14とががたつきにくくなる。かかる樹脂は、例えば、サイレンサ本体部12を構成する樹脂の一部であることが考えられる。具体的には、上述したようにサイレンサ本体部12をチップと接着剤との混和物Bに蒸気雰囲気下で圧縮して形成する場合、混和物Bに含まれる接着剤が係止用部材14にも接着するものであることが考えられる。
【0038】
ワイヤーハーネス30は、複数の電線32を含む。ここでは複数の電線32は、丸断面形状を呈する態様に束ねられている。複数の電線32は、例えば図示省略の粘着テープ又は結束バンドなどの結束部材が巻き付けられることによって、丸断面形状を呈する態様に束ねられる。粘着テープは、例えば螺旋状に巻付けられたり、間隔をあけて部分的に巻付けられたりする。また例えば、複数の電線32は、コルゲートチューブなどの筒状部材が外装される、又はシート材が巻付けられることなどによって丸断面形状を呈する態様に束ねられる。
【0039】
ワイヤーハーネス30は、固定用部材40の後述するハーネス固定部48と共にその周囲に結束部材70が巻き付けられることによって、ハーネス固定部48に固定されている。係る結束部材70としては、例えば、粘着テープ又は結束バンド等であることが考えられる。ここでは、結束部材70として粘着テープが採用されているものとして説明する。
【0040】
ワイヤーハーネス30をハーネス固定部48に固定する結束部材70は、複数の電線32を、丸断面形状を呈する態様に束ねる結束部材としての機能を兼ねるものであってもよい。この場合、ワイヤーハーネス30においてハーネス固定部48に固定される部分では、粘着テープが螺旋巻きされるなどした部分は省略されていることも考えられる。
【0041】
なお、
図1に示す例では、ワイヤーハーネス30がサイレンサ10に対してフロアマット80側を向く主面に配設されているが、このことは必須の構成ではない。ワイヤーハーネス30は、サイレンサ10に対してボディ82側を向く主面に配設されている場合もあり得る。
【0042】
固定用部材40は、有底穴20に係止することによってワイヤーハーネス30をサイレンサ10に固定している。具体的には、固定用部材40は、挿入部42と、挿入規制部46とを含む。ここでは固定用部材40はハーネス固定部48をさらに含む。またここでは固定用部材40には、係止突起部44が形成されている。係止突起部44は、係止用部材14に形成された係止突起部22と係止し合う。
【0043】
挿入部42は、棒状に形成されている。挿入部42は、軸部16に形成された有底穴20に挿入係止されている。挿入部42は、挿入本体部43と、係止突起部44とを有する。
【0044】
挿入本体部43は、有底穴20と同じかそれよりも小さい(ここでは若干小さい)棒状に形成されている。ここでは挿入本体部43は、柱状(ここでは円柱状)に形成されている。もっとも挿入本体部43は、筒状に形成されていてもよい。また挿入本体部43は、弾性変形容易とするために、延在方向に平行な平面に沿って分割されていてもよい。この場合、分割態様は特に限定されず、2分割、3分割、4分割又はそれ以上に分割されていてもよい。
【0045】
係止突起部44は、挿入本体部43の外周面から外向きに突出する態様で形成されている。係止突起部44は、少なくとも1つ(ここでは複数)の突起44aを含む。突起44aは、挿入本体部43の先端側から基端側に行くに向けて徐々に突出寸法が大きくなるように形成されている。ここでは突起44aは軸方向に対して傾斜した傾斜面44bと、軸方向に対して垂直な垂直面44cとを有している。そして突起44aは、傾斜面44bを先端側に向けていると共に垂直面44cを基端側に向けている。複数の突起44aは軸方向に並んで形成されている。突起44aは周方向全体に亘って形成されている。もっとも、突起44aは、周方向に沿った一部の領域のみに形成されていてもよい。この場合、周方向沿った寸法が半周よりも小さい突起が複数、周方向に並んでいることも考えられる。
【0046】
挿入規制部46は、挿入部42の基端に形成されている。挿入規制部46は、有底穴20への挿入部42のそれ以上の挿入を規制する。挿入規制部46は挿入本体部43よりも大きい板状に形成されている。このとき挿入規制部46は有底穴20よりも大きい板状に形成されている。これにより、挿入規制部46は有底穴20に挿入不可とされる。ここでは挿入規制部46は方形板状に形成されている。そして、挿入規制部46から延長する態様でハーネス固定部48が設けられている。
【0047】
ここで、有底穴20と挿入部42との係止態様について説明する。
【0048】
有底穴20に挿入本体部43が挿し込まれていくとやがて突起22a、44aの傾斜面22b、44b同士が接する。そのまま力を加えると、相互に接する突起22a、44aが弾性変形しつつ相手側を挿入方向奥側に案内する。これにより、有底穴20に挿入部42が挿入されていく。そして、挿入規制部46が有底穴20の開口周縁(軸部16の先端)に当接することによってそれ以上の挿入が不可となり、挿入完了とされる。これに対して、有底穴20に挿入係止している挿入部42に有底穴20から抜く方向に力がかけられた場合、突起22a、44aの垂直面22c、44c同士が接するため弾性変形しにくい。これにより、有底穴20に挿入係止している挿入部42を抜くことが困難とされる。
【0049】
なお、突起22aが軸部16の先端にないこと、及び突起44aが挿入本体部43の先端にないことの少なくとも一方の態様を有していることが好ましい。これにより、挿入部42が有底穴20に挿入された後すぐに突起22a、44aが接触することを抑制できる。この結果、挿入部42が有底穴20にある程度挿入された後に、突起22a、44aを弾性変形させるための力をかける工程に移ることができるため、突起22a、44aを弾性変形させるための力を軸方向に沿ってかけやすくなり、もって有底穴20への挿入部42の挿入が容易となる。ここでは、突起22aが軸部16の先端にないこと、及び突起44aが挿入本体部43の先端にないことの両方の態様を有している。これにより、突起22a、44aが接触するまでの挿入寸法を大きくできる。
【0050】
ハーネス固定部48は、ワイヤーハーネス30を固定する部分である。ここでは、挿入規制部46の一部が挿入部42の延びる方向と交差する方向に延長し、当該延長部分がハーネス固定部48とされている。そして、ハーネス固定部48とワイヤーハーネス30との周囲に結束部材70としての粘着テープが巻付けられることによって、ワイヤーハーネス30がハーネス固定部48に固定されている。
【0051】
ここで、
図3に示す例では挿入規制部46に対して両側にそれぞれ延長する態様で2つのハーネス固定部48が設けられているが、このことは必須の構成ではない。例えば、挿入規制部46に対して片側のみに延長する態様でハーネス固定部48が1つのみ設けられていてもよい。
【0052】
また、ハーネス固定部48は、挿入規制部46に対してオフセット部を介してつながっていることも考えられる。オフセット部は、例えば挿入部42の延在方向から見てハーネス固定部48と挿入部42との位置をずらす部分である。例えばオフセット部は、挿入規制部46に対して挿入部42の延びる方向と交差する第1方向に延長する態様で設けられる。このとき、ハーネス固定部48は、オフセット部に対してオフセット部の延びる第1方向と交差する第2方向に延びる態様で、オフセット部の先端側に設けられる。
【0053】
かかる固定用部材40は、例えば、樹脂等を材料として金型を用いて一体成形された一体成形品であることが考えられる。この際、固定用部材40は、サイレンサ本体部12よりも高い剛性を有していることが考えられる。
【0054】
上記態様によると、固定用部材40によってサイレンサ10に対して別体として形成されたワイヤーハーネス30を容易に固定することができる。このとき、固定用部材40を係止するためにサイレンサ10に形成された穴が有底穴20であるため、当該穴が形成されることによる防音性の低下を抑制できる。特にここではサイレンサ本体部12に貫通孔が形成されていないため、防音性の低下をより確実に抑制できる。
【0055】
また、係止用部材14に有底穴20が設けられることによって、サイレンサ本体部12に直接固定用部材40を係止させる場合に比べて、係止状態が安定する。
【0056】
また、係止用部材14と固定用部材40との両方に係止突起部22、44が設けられていることによって、係止用部材14と固定用部材40との係止状態がより安定する。
【0057】
また、係止用部材14に抜止部18が設けられていることによって、係止用部材14がサイレンサ本体部12から抜けにくくなる。また、固定用部材40に挿入規制部46が設けられていることによって、係止用部材14への固定用部材40の挿入し過ぎを抑制できる。
【0058】
また、固定用部材40にハーネス固定部48が設けられているため、固定用部材40をワイヤーハーネス30に先に固定しておくことができる。また、ワイヤーハーネス30に固定しておいた固定用部材40を容易にサイレンサ10に係止させることができる。
【0059】
また、丸断面のワイヤーハーネス30をサイレンサ10に固定できる。またシートの両側から挟んで固定するのはサイレンサ10のような大きなシートでは難しく、そのような場合でも、片面のみでの作業で取付け作業を完了できる。
【0060】
{第2実施形態}
第2実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造について説明する。
図5は、第2実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造1Aを示す概略断面図である。
図6は、第2実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造1Aを示す概略分解断面図である。なお、本実施の形態の説明において、これまで説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
本実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造1Aにおいて、固定用部材40Aの形状が第1実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造1における固定用部材40の形状とは異なる。さらに、本実施形態に係るサイレンサ10Aにおいて、係止用部材14が省略されている。
【0062】
具体的には、ここでは固定用部材40Aとしてクリップ60が用いられている。クリップ60は、サイレンサ本体部12に形成された有底穴20Aに挿入係止している。より具体的にはクリップ60は、支柱部62と係止片64とを有する。なおクリップ60は、上記固定用部材40と同様に挿入規制部46及びハーネス固定部48も有している。
【0063】
支柱部62は、有底穴20Aと同じかそれよりも小さく(ここでは僅かに小さく)形成されている。支柱部62の基端に挿入規制部46が設けられ、挿入規制部46が延長されてハーネス固定部48が設けられている。
【0064】
係止片64は、支柱部62の先端に設けられている。係止片64は有底穴20Aよりも大きく形成されている。そして係止片64がサイレンサ本体部12に形成された有底穴20Aに係止している。係止片64は支柱部62の基端に向けて徐々に外側に広がる形状に形成されている。ここでは、係止片64は支柱部62に対して両側に突出するように2つ形成されている。
【0065】
例えば、クリップ60は、樹脂等を材料として金型を用いて一体成形された一体成形品であることが考えられる。
【0066】
なお、ここではクリップ60がサイレンサ本体部12よりも高剛性を有する材料によって形成されているものとして説明する。この場合、クリップ60が有底穴20Aに挿入される際、主としてサイレンサ本体部12が弾性変形する。つまり、有底穴20Aが係止片64と同じかそれ以上に大きくなるようにサイレンサ本体部12が弾性変形する。このとき係止片64は、小さくなるように弾性変形容易に形成されていてもよいし、弾性変形しにくいように形成されていてもよい。
【0067】
図5に示す例では、係止片64の先端が有底穴20Aの内周表面を突き破ってサイレンサ本体部12の内部に達している。もっとも、係止片64の先端が有底穴20Aの内周表面を突き破っていない場合もあり得る。この場合、有底穴20Aの内周面が係止片64の先端に押圧されることによって、有底穴20Aのうち係止片64の先端が位置する部分がそれより開口側に位置する部分と比べて外周側に広がる態様となっていることが考えられる。
【0068】
本態様によると、クリップ60を用いてワイヤーハーネス30を固定できる。この際、クリップ60が有底穴20Aに係止しているため、サイレンサ10Aのうちワイヤーハーネス30が配設される主面とは反対側の主面の外方に突出することを抑制できる。
【0069】
この際、成形されたサイレンサ本体部12の基材に対してクリップ60係止用の有底穴20Aを任意の位置に設けることができるため、設計変更等によりクリップ60の係止位置が変更される場合でも有底穴を形成する前のサイレンサ本体部12の基材については共通部品とすることができる。また、第1実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造1と比べると、部品点数を少なくできる。またサイレンサ本体部12と係止用部材14との一体成形が不要であるため、サイレンサ10Aの形成が容易となる。これらによって、コストを低く抑えることができる。
【0070】
{変形例}
図7は、変形例にかかるワイヤーハーネス30Bを示す斜視図である。
図8は、別の変形例にかかるワイヤーハーネス30Cを示す斜視図である。
【0071】
ワイヤーハーネス30B、30Cは、偏平に形成されている点で、実施形態に係るワイヤーハーネス30とは異なる。ここでは、ワイヤーハーネス30B、30Cは、電線32がシート材34に固定されていることによって偏平に形成されている。係るシート材34を構成する原料は特に限定されるものではなく、樹脂、金属、天然繊維等を用いることができる、また、係るシート材34は、押出成形等によって一様な充実断面を有するものであってもよい。また、係るシート材34は、織布、編み布、不織布等であってもよい。また、係る電線32は、芯線とその周囲に形成された絶縁被覆とを有する絶縁電線であってもよいし、芯線のみのいわゆる裸電線であってもよい。また係る芯線は単芯線であってもよいし、撚線であってもよい。もっとも、ワイヤーハーネスは、例えば、平行に延びる複数の芯線の周囲に一括被覆が施されたFFC(フレキシブルフラットケーブル)のようにシート材34とは別の手段によって偏平に形成されていてもよい。ここでワイヤーハーネス30Bと、ワイヤーハーネス30Cとは、電線32とシート材34との固定方法が異なっている。
【0072】
具体的にはワイヤーハーネス30Bでは、電線32は、糸36によってシート材34に縫い付けられて固定されている。この場合、ミシンを用いて電線32をシート材34に縫い付けることができる。このとき電線32とは別にミシン糸36としての上糸及び下糸が設けられていてもよいし、電線32をミシン糸36としての上糸及び下糸の一方として用いてもよい。もちろん手縫いで縫い付けられていてもよい。
【0073】
またワイヤーハーネス30Cにおいては、電線32は、シート材34に溶着されて固定されている。この場合、電線32の被覆がシート材34に溶着されているとよい。溶着方法としては、例えば、超音波溶着、レーザ溶着、熱溶着等を用いることができる。
【0074】
もっとも、電線32がシート材34に縫付又は溶着により固定されていることは必須ではない。電線32は、シート材34に対して縫付、溶着とは別の手段によって固定されていてもよい。例えば、電線32とシート材34とは、接着剤、両面テープ等によって固定されていることも考えられる。
【0075】
なお、ワイヤーハーネス30B、30Cにおいて、複数の電線32がフラットな状態に配設されているが、このことは必須の構成ではない。例えば、複数の電線32は束の状態にされていてもよい。また電線32端部がシート材34から延出した状態で、電線32端部にコネクタ33が設けられているが、このことは必須の構成ではない。例えば、コネクタ33がシート材34と重なる位置に設けられていてもよい。
【0076】
図9は、第1実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造1の変形例を示す概略断面図である。
図10は、第2実施形態に係るワイヤーハーネスの固定構造1Aの変形例を示す概略断面図である。
【0077】
図9および
図10に示す例では、電線32がシート材34に固定されたワイヤーハーネス30B(30C)を用いたワイヤーハーネスの固定構造1D、1Eを示している。例えば
図9に示す例では、シート材34が固定用部材40とサイレンサ10との間に挟まれていることによって、ワイヤーハーネス30B(30C)がサイレンサ10に固定されている。特にここでは、挿入部42がシート材34を貫通している。この場合、ワイヤーハーネス30B(30C)のシート材34に先に固定用部材40が取付けられ、固定用部材40が取付けられたワイヤーハーネス30B(30C)がサイレンサ10への組付工場に搬送されるものであってもよい。
図10に示す例でも同様である。なお、固定用部材40、クリップ60において結束部材70を巻き付けるための上記ハーネス固定部48は省略されていてもよいし、されていなくてもよい。ハーネス固定部48は省略されていない場合、上記ハーネス固定部48は例えばシート材34に固定されていてもよい。ハーネス固定部48とシート材34との固定方法は、シート材34の一部をハーネス固定部48に巻付けるものであってもよいし、当接面同士を接着剤、両面粘着テープ、又は溶着等の手段によって接合するものであってもよい。
【0078】
上記態様によると、固定用部材40とサイレンサ10とによってシート材34部分を挟むことによって容易にワイヤーハーネス30B(30C)を固定できる。
【0079】
図11は、ハーネス固定部48の変形例を示す概略断面図である。
【0080】
上記各実施形態において、電線32と固定用部材とを固定するため、ハーネス固定部48は、板状に形成されて電線32と共にその周囲に別体の結束部材70が巻付けられるものとして説明したが、このことは必須の構成ではない。例えば、固定用部材とハーネス固定部としての結束部材とが一体成形されていてもよい。
図11に示す例では、このようなハーネス固定部として結束バンド構造部50が採用された固定用部材40Fを示している。固定用部材40Fは、結束バンド構造部50と、第1実施形態に係る固定用部材40とが一体成形された事例である。
【0081】
結束バンド構造部50は、バンド部52と、バンド部52の基端に連なるバンド固定部54とを有する。バンド固定部54は、結束対象に巻付けられたバンド部52の先端を固定可能である。より詳細には、バンド固定部54は、直方体状に形成されている。バンド固定部54には、その一対の主面を貫通するバンド挿通孔55が形成されている。バンド挿通孔55の内周面からは、バンド部52に形成された複数の凹部に選択的に係止可能な係止突片56が突出している。
【0082】
固定用部材40Fにおいて、バンド固定部54に対してバンド部52が突出する主面とは別主面から固定用部材40の上記挿入部42が突出している。また、バンド固定部54のうち挿入部42が突出する側が上記挿入規制部46を兼ねている。別の見方をすると、薄肉の挿入規制部46が厚み方向に延長された態様でハーネス固定部としての結束バンド構造部50が形成されているととらえることができる。そして、挿入部42と一体成形された結束バンド構造部50によってワイヤーハーネス30が固定用部材40Fに固定されている。もちろん結束バンド構造部50は、第2実施形態に係るクリップ60と一体に設けられていてもよい。
【0083】
図12は、係止用部材14および固定用部材40の変形例を示す斜視図である。
【0084】
第1実施形態において、軸部16が円筒状に形成されているものとして説明したが、軸部16の形状はこれに限られない。例えば
図12に示す係止用部材14Gのように、相互に離れつつ平行に延びる複数の平板17Gが形成されて軸部16Gとされていてもよい。この場合、複数の平板17Gの間の部分に有底穴20Gが形成される。より詳細には、
図12に示す例では2つの長方形状の平板17Gが形成されて軸部16Gとされている。このとき、2つの長方形状の平板17Gの間の空間が有底穴20Gとされる。この場合、有底穴20Gの周方向の一部(平板17Gに覆われていない部分)は、サイレンサ本体部12に覆われる。また、2つの平板17Gの対向する各主面に係止突起部22Gが形成されている。
【0085】
図12に示す例では、固定用部材40Gにおいて上記有底穴20Gに挿入される挿入部42Gの挿入本体部43Gも長方形平板状に形成されている。そして、長方形平板状の挿入本体部43Gの両主面に外向きに係止突起部44Gが突出形成されている。
【0086】
また第1実施形態において係止用部材14を含むサイレンサ10がインサート成形又は二色成形によって形成されるものとして説明したが、このことは必須の構成ではない。例えば、サイレンサ本体部12は係止用部材14と別体に成形され、サイレンサ本体部12に形成された取付穴に係止用部材14が後から嵌め込まれるものであってもよい。
【0087】
また各実施形態において、サイレンサ10がフロアマット80と別体とされているものとして説明したが、このことは必須の構成ではない。サイレンサ10は、接合等によってフロアマット80と一体となっている場合もあり得る。この場合、一体品において、車室内に露出する部材がフロアマットである。
【0088】
図13は、係止片64の変形例を示す概略側面図である。
【0089】
上記第2実施形態において、係止片64は支柱部62に対して両側に突出するように2つ形成されているものとして説明したが、係止片62の形状はこれに限られるものではない。
【0090】
例えば、
図13に示すクリップ60Aにおいては、支柱部62から四方にそれぞれ延びるように4つの係止片64が形成されている。このときクリップ60Aを支柱部62の延在方向から見ると、一対の係止部64aは、支柱部62に対して相互に逆側に延びている。同様に他の一対の係止部64bも、支柱部62に対して相互に逆側に延びている。そして、一対の係止部64aの延びる方向と、一対の係止部64bの延びる方向とが交差(ここでは、直交)している。従って、クリップ60Aにおいて4つの係止部64は、十字状を呈している。
【0091】
また例えば、係止片は、支柱部62の周囲に全周に亘って形成されていることも考えられる。この場合、係止片は円錐の側面状(傘状)を呈する。
【0092】
本明細書及び図面は下記の各態様を開示する。
第1の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、車両においてフロアマットとボディとの間に配設されるサイレンサと、前記サイレンサの主面に沿って配設されたワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスを前記サイレンサに固定している固定用部材と、を備え、前記サイレンサには、前記主面から厚み方向に凹む態様で有底状に有底穴が形成され、前記固定用部材は前記有底穴に係止することによって前記ワイヤーハーネスを前記サイレンサに固定している。
第2の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第1の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記サイレンサは、サイレンサ本体部と、前記サイレンサ本体部よりも高剛性の材料によって形成されると共に前記サイレンサ本体部と一体に設けられ前記有底穴を有する係止用部材とを含む。
第3の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第2の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記固定用部材と前記係止用部材との双方に、相互に係止し合う係止突起部が形成されている。
第4の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第2又は第3の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記係止用部材は、前記サイレンサ本体部の前記主面側に露出する一端部から前記サイレンサ本体部の内部に向けて延び前記有底穴が形成される軸部と、前記軸部の他端部につらなり前記軸部が前記サイレンサ本体部から抜けるのを規制する抜止部とを含み、前記固定用部材は、棒状に形成され前記軸部に形成された前記有底穴に挿入係止されている挿入部と、前記挿入部の基端に形成され前記有底穴への前記挿入部のそれ以上の挿入を規制する挿入規制部とを有する。
第5の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第4の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記固定用部材は、前記挿入規制部から延長する態様で設けられ、前記ワイヤーハーネスが固定されているハーネス固定部をさらに有する。
第6の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第1から第5のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記固定用部材は、支柱部と前記支柱部の先端に形成された係止片とを有し、穴部に挿入係止可能に形成されたクリップを含み、前記クリップの前記係止片が前記サイレンサの本体部に形成された前記有底穴に係止している。
第7の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第1から第6のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記ワイヤーハーネスは、電線と、前記電線が固定されると共に前記固定用部材と前記サイレンサとの間に挟まれているシート材とを含む。
第8の態様に係るワイヤーハーネスの固定構造は、第1から第7のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスの固定構造であって、前記ワイヤーハーネスは、丸断面形状を呈する態様に束ねられた複数の電線を含み、結束部材によって前記固定用部材に固定されている。
第1から第8の態様によると、固定用部材によってサイレンサに対して別体として形成されたワイヤーハーネスを容易に固定することができる。このとき、固定用部材を係止するためにサイレンサに形成された穴が有底穴であるため、当該穴が形成されることによる防音性の低下を抑制できる。
特に、第2の態様によると、サイレンサの本体部に直接固定用部材を係止させる場合に比べて、係止状態が安定する。
特に、第3の態様によると、固定用部材と係止用部材との係止状態がより安定する。
特に、第4の態様によると、係止用部材がサイレンサ本体部から抜けにくくなる。また、係止用部材への固定用部材の挿入し過ぎを抑制できる。
特に、第5の態様によると、固定用部材をワイヤーハーネスに先に固定しておくことができる。また、ワイヤーハーネスに固定しておいた固定用部材を容易にサイレンサに係止させることができる。
特に、第6の態様によると、クリップを用いてワイヤーハーネスを固定できる。この際、クリップが有底穴に係止しているため、サイレンサのうちワイヤーハーネスが配設される主面とは反対側の主面の外方に突出することを抑制できる。
特に、第7の態様によると、固定用部材とサイレンサとによってシート材部分を挟むことによって容易にワイヤーハーネスを固定できる。
特に、第8の態様によると、丸断面のワイヤーハーネスをサイレンサに固定できる。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。例えば、固定用部材40とクリップ60とが共に1つのサイレンサに対して異なる位置に係止していることもあり得る。また、例えば1つのサイレンサに固定されている1つのワイヤーハーネスが、電線がシート材に固定された部分と、電線が丸断面を呈する態様に束ねられた部分との両方を含む場合もあり得る。
【0093】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。