(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記テキスト抽出部は、前記原稿の画像における文字を認識し、この認識した文字に対応する言語の種類を判定して、当該判定した言語種類毎に前記テキスト領域を抽出する請求項1に記載の画像形成装置。
前記編集部は、前記原稿の画像における文字の色を識別し、前記原稿の画像における文字の色が黒色を除く他の色である場合に、前記文字を含むテキスト領域に対する色の付与を行わない請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。この画像形成装置10は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えたMFP(複合機)である。この画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12とを備えている。
【0011】
画像読取部11は、原稿の画像を光学的に読み取るスキャナーを有し、このスキャナーの撮像素子から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して、原稿の画像を示す画像データを生成する。
【0012】
画像形成部12は、画像読取部11で生成された画像データ又は外部から受信した画像データによって示される画像を記録紙に印刷するものであり、マゼンタ用の画像形成ユニット3M、シアン用の画像形成ユニット3C、イエロー用の画像形成ユニット3Y、及びブラック用の画像形成ユニット3Bkを備えている。各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、感光体ドラム4の表面を均一帯電させ、感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム4の表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラム4の表面のトナー像を、中間転写ベルト5に転写する。これにより、カラーのトナー像(画像)が中間転写ベルト5上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト5と2次転写ローラー6の間のニップ域Nにおいて給紙部7から搬送路8を通じて搬送されてきた記録紙Pに2次転写される。
【0013】
この後、定着装置15で記録紙Pが加熱及び加圧されて、記録紙P上のトナー像が熱圧着により定着され、更に記録紙Pが排出ローラー対16を通じて排出トレイ17に排出される。
【0014】
図2は、画像形成装置10の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように画像形成装置10は、制御ユニット31、表示部32、操作部34、タッチパネル35、記憶部38、画像メモリー39、画像読取部11、及び画像形成部12などを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信を可能とされている。
【0015】
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0016】
操作部34は、例えば、表示部32の初期画面を呼び出すメニューキー、スタートキーなどを備え、ユーザーから画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付ける。
【0017】
表示部32の画面には、タッチパネル35が重ねられている。タッチパネル35は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル35に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置と共に検知し、表示部32の画面上のGUIなどに対するユーザーの指示を入力する。従って、タッチパネル35は、表示部32の画面に対するユーザー操作が入力される操作部としての役割を果たす。
【0018】
記憶部38は、大容量のSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などからなり、各種のデータやプログラムを記憶している。
【0019】
画像メモリー39は、画像読取部11により読取られた原稿の画像を示す画像データ、外部から受信した画像データを一時的に記憶する。
【0020】
制御ユニット31は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、MPU、又はASIC等である。この制御ユニット31は、主制御部41、表示制御部42、文字解析部45、及び画像編集部46を備えている。これらの構成要素は、上記のROM又は記憶部38に記憶されているプログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより機能するか、あるいはそれぞれハード回路により構成されている。また、主制御部41が特許請求の範囲における「制御部」に相当し、文字解析部45が特許請求の範囲における「テキスト抽出部」に相当し、画像編集部46が特許請求の範囲における「編集部」に相当する。
【0021】
主制御部41は、画像形成装置10の全体的な動作制御を司る。表示制御部42は、表示部32を制御して、上記GUI、あるいは各種の情報などを表示部32に表示させる。
【0022】
文字解析部45は、画像メモリー39内の画像データによって示される画像に対してレイアウト解析などを行ってテキスト領域(画像データが示す画像の一部分)を抽出する。文字解析部45は、抽出したテキスト領域に含まれる画像に対して例えば光学的文字認識処理(Optical Character Reader)を行って、画像に含まれる文字を認識する。文字解析部45は、例えば、記憶部38に保存されている文字データベースDBに各種言語の文字が記憶されており、上記認識した文字がいずれの言語の文字と一致するか等の既知の技術を用いて、当該認識した文字の言語の種別を判定する。
【0023】
また、例えば、複数種の言語別に、パターンマッチング用の複数の文字パターンを登録した文字データベースDBが記憶部38に記憶されているものとし、文字解析部45は、上記テキスト領域に含まれる文字画像に対して、文字データベースDBに登録されている各文字パターンを用いてパターンマッチングを行って、各文字パターンと当該文字画像とを比較し、当該文字画像に近似する文字パターンを求める。文字解析部45は、当該近似する文字パターンが示す言語を、当該文字画像が示す言語の種類と判定する。
【0024】
なお、文字解析部45は、上記テキスト領域に複数種の言語を示す文字が含まれる場合には、上記テキスト領域を各種の言語毎に区分する。
【0025】
画像編集部46は、画像メモリー39内の画像データに対して各種の画像処理を施す。例えば、画像編集部46は、各種の言語のテキスト領域に対して互いに異なるそれぞれの色を付与する処理や、各種の言語のテキスト領域を選択的に削除する処理を行う。
【0026】
このような構成の画像形成装置10において、ユーザーは、操作部34及びタッチパネル35を操作することにより、コピー機能、プリンター機能、及びスキャナー機能のいずれかを選択し、この選択した機能を利用したジョブを実行させることができる。例えば、ユーザーが、コピー機能を選択して、このコピー機能を利用したジョブの実行を指示すると、主制御部41は、画像読取部11により原稿の画像を読取らせて、原稿の画像を示す画像データを画像メモリー39に一旦記憶させ、この画像データを画像メモリー39から画像形成部12に入力させて、画像形成部12より原稿の画像を記録紙に印刷させる。同様に、プリンター機能、及びスキャナー機能についても、画像を示す画像データを画像メモリー39に一旦記憶させ、この画像データを画像形成部12に入力させて、画像形成部12より画像を記録紙に印刷させることができる。
【0027】
また、本実施形態では、ユーザーが文字解析部45及び画像編集部46の動作をオンオフさせることができ、文字解析部45及び画像編集部46の動作がオンにされているときには、文字解析部45が、複数種の言語別に、言語の文字を含むテキスト領域を画像メモリー39内の画像データによって示される画像から抽出し、画像編集部46が、各種の言語のテキスト領域に対して互いに異なるそれぞれの色を付与し、あるいは各種の言語のテキスト領域を選択的に削除する。主制御部41は、画像形成部12を制御して、各種の言語のテキスト領域を該各種の言語のテキスト領域に対して付与されたそれぞれの色で記録紙に印刷させ、あるいは各種の言語のテキスト領域のうちの画像編集部46により削除されなかったテキスト領域を記録紙に印刷させる。
【0028】
これにより、例えば
図3(A)に示すように原稿Mの画像に、日本語のテキスト領域JR、英語のテキスト領域ER、及びロシア語のテキスト領域RRが全て黒一色の画像で含まれている場合、
図3(B)に示すように記録紙Pには、日本語のテキスト領域JRの各文字の色が変更されることなく、該各文字が黒色で印刷され、一方、英語のテキスト領域ERの各文字が赤色で印刷され、また、ロシア語のテキスト領域RRの各文字が緑色で印刷されるようにすることができる。
【0029】
このため、その記録紙Pを見た人は、記録紙Pに印刷されている3種類の言語を明確に区別することができる。あるいは、
図3(C)に示すように記録紙Pには、日本語のテキスト領域JRの各文字が黒色で印刷され、また英語のテキスト領域ERの各文字が赤色で印刷され、更にロシア語のテキスト領域RRが削除されるようにすることができる。つまり、ロシア語の印刷が不要な場合は、ロシア語のテキスト領域RRを削除することができる。
【0030】
また、
図3(C)において、日本語のテキスト領域JR及び英語のテキスト領域ERに記載されている意味が同一である場合には、赤色の透明シートを記録紙Pに重ねたり外したりすることにより、英語のテキスト領域ERだけを見えなくしたり見えるようにしたりすることができ、記録紙Pを英語の勉強に役立てることができる。
【0031】
次に、そのような各種の言語のテキスト領域に対して互いに異なるそれぞれの色を付与するか、又は各種の言語のテキスト領域を選択的に削除するための処理手順を、
図4A及び
図4Bに示すフローチャートなどを参照して説明する。
【0032】
まず、表示制御部42は、画像形成装置10の表示部32に、初期画面として、
図5に示すようにそれぞれの機能に対応付けられた複数のソフトキー51a〜51h等を表示させる。このとき、ユーザーが、言語色変換の機能に対応するソフトキー51h(言語色変換キー)をタッチ操作すると、主制御部41は、タッチパネル35を通じて、ソフトキー51hに対するタッチ操作を受付け、表示制御部42が、
図6に示すような言語色変換設定画面G1を表示部32の画面に表示させる(S101)。この言語色変換設定画面G1には、言語色変換処理を手動でオンオフさせる指示を受け付けるための機能キー61、及び画面を閉じる指示を受け付けるための閉キー62が表示されている。
【0033】
ユーザーが機能キー61をタッチ操作して言語色変換処理をオフからオンに切り替えるタッチ操作を行うと、主制御部41は、タッチパネル35を通じて、機能キー61に対するタッチ操作を検出し(S103でYES)、言語色変換処理を開始させる。表示制御部42は、
図7に示すような色変換詳細設定画面G2を表示部32の画面に表示させる(S105)。
【0034】
この色変換詳細設定画面G2には、日本語に対応する色設定を受け付けるための色設定キー63、英語に対応する色設定を受け付けるための色設定キー64、ロシア語に対応する色設定を受け付けるための色設定キー65、その他の種類の言語に対応する色設定を受け付けるための色設定キー66、スキャンキー67、元々カラーの文字を含むテキスト領域に対する言語色変換処理を禁止又は許可するための機能キー68、及び閉キー69が表示されている。尚、ここでは、日本語、英語、及びロシア語を例示しているが、より多くの種類の言語に対応するそれぞれの色設定キーを設けても構わない。
【0035】
各色設定キー63、64、65、66は、それぞれの言語の文字が言語色変換処理を受けて記録紙に印刷されるときの文字の色で表示されている。例えば、日本語に対応する色設定キー63は、日本語の文字が言語色変換処理を受けて印刷されるときの黒色で表示され、また英語に対応する色設定キー64は、英語の文字が言語色変換処理を受けて印刷されるときの青色で表示され、またロシア語に対応する色設定キー65は、ロシア語の文字が言語色変換処理を受けて印刷されるときの赤色で表示されている。また、他の種類の言語に対応する色設定キー
66は、無色(色変換詳細設定画面G2の地色と同色)となっている。各色設定キー63、64、65、66の操作により、各言語の色が無色に設定されている場合は、画像編集部46は、テキスト領域に含まれる無色に設定された言語の文字を削除する。
【0036】
機能キー68は、元の原稿の画像におけるテキスト領域にカラーの文字が含まれる場合に、当該文字を、当該文字の言語に対応する色設定キーの表示色に変換するか否かの指示を受け付けるためのキーである。画像形成装置10では、主制御部41により、デフォルト設定では、カラーの文字を含むテキスト領域に対する言語色変換処理が禁止されているものとする。この場合は、テキスト領域におけるカラーの文字が、該文字の言語に対応する色設定キーの表示色に変換されることはなく、そのままの色で記録紙に印刷される(すなわち、言語色変換処理を行わない通常通りの印刷がわれる)。
【0037】
また、機能キー68の操作によりカラーの文字を含むテキスト領域に対する言語色変換処理の禁止を解除する指示が入力された場合は、テキスト領域におけるカラーの文字が、該文字の言語に対応する色設定キーの表示色に変換される言語色変換処理が行われ、当該処理後の画像が記録紙に印刷される。
【0038】
図8は、各色設定キー63、64、65、66の表示色、つまり各種の言語の文字が印刷されるときのそれぞれの色、及び元々カラーの文字を含むテキスト領域の言語色変換処理の禁止又は許可を登録したデータテーブルDTを概念的に示す図である。このデータテーブルDTは、記憶部38に記憶されており、主制御部41は、その内容をユーザーによる操作部34の操作で指示された色に書き換える。
【0039】
そして、主制御部41は、閉キー69、スキャンキー67、機能キー68、又は各色設定キー63〜66のタッチ操作を待機しており(S106〜S109)、例えばユーザーにより閉キー69がタッチ操作されると、タッチパネル35を通じて、閉キー69に対するタッチ操作を検出し(S106でYES)、表示制御部42を通じて、色変換詳細設定画面G2を閉じて、言語色変換設定画面G1を表示させ、S101からの処理に戻る。
【0040】
また、例えばユーザーが日本語に対応する色設定キー63をタッチ操作すると、主制御部41は、タッチパネル35を通じて、色設定キー63に対するタッチ操作を検出する(S106〜S108でNO,S109でYES)。例えば、表示制御部42は、色設定キー63に対するタッチ操作に応答する場合、
図9に示すように色設定キー63の下側に、互いに異なる各色(無色を含む)のタブを上下方向に配列してなるプルダウンメニュー71を表示させる(S110)。この状態で、ユーザーがプルダウンメニュー71における各色のタブのいずれかをタッチ操作すると、主制御部41は、タッチパネル35を通じて、タッチ操作された色のタブに対するタッチ操作を検出し(S111)、表示制御部42が、プルダウンメニュー71を消去し、日本語に対応する色設定キー63を、上記タッチ操作された色で表示させて、色設定キー63の表示色を変更させる。主制御部41は、
図8に示すデータテーブルDTにおける日本語の文字の色として、上記タッチ操作された色を登録する(S112)。この後、処理はS106に戻る。
【0041】
他の英語に対応する色設定キー64、ロシア語に対応する色設定キー65、及び他の種類の言語に対応する色設定キー66のいずれについても、同様の手順で、主制御部41により、表示色が上記タッチ操作された色に変更される。同時に
図8に示すデータテーブルDTにおける色設定キーに対応する言語の文字の色も表示制御部42によりタブの色に変更される。
【0042】
また、ユーザーが機能キー68をタッチ操作して、元々カラーの文字を含むテキスト領域の言語色変換処理の禁止を解除するタッチ操作を行うと、主制御部41は、タッチパネル35を通じて、機能キー68に対する当該タッチ操作を検出し(S108でYES)、
図8に示すデータテーブルDTにおけるカラーの文字を含むテキスト領域の言語色変換処理の禁止を許可に書き換える(S113)。この後、処理はS106に戻る。
【0043】
こうしてデータテーブルDTの内容が適宜設定された後、ユーザーが、原稿を画像読取部11にセットして、スキャンキー67をタッチ操作すると、主制御部41は、タッチパネル35を通じて、スキャンキー67に対するタッチ操作を検出し(S107でYES)、画像読取部11を起動する。画像読取部11は、原稿の画像を読み取り、原稿の画像を示す画像データを生成する。ここでは、画像読取部11は、原稿の画像をカラーで読み取るものとする。主制御部41は、当該画像データを記憶部38に記憶させる(S114)。
【0044】
文字解析部45は、画像メモリー39内の画像データによって示される原稿の画像に対してレイアウト解析などを行ってテキスト領域を抽出し(S115でYES)、このテキスト領域に含まれる文字の言語の種類を判定し(S116)、この種類の言語をテキスト領域の言語とする。
【0045】
画像編集部46は、文字解析部45によりテキスト領域が抽出されると、テキスト領域にカラーの文字が含まれるか否かを判定する(S117)。画像編集部46は、カラーの文字が含まれていると判定した場合(S117でYES)、
図8に示すデータテーブルDTに、カラーの文字を含むテキスト領域の言語色変換処理が禁止又は許可のいずれで記憶されているかを判断して(S118)、言語色変換処理が禁止されていると判断したときは(S118でYES)、このテキスト領域については文字の色を変換する処理(S119)を行わない。
【0046】
また、画像編集部46は、テキスト領域にカラーの文字が含まれていないと判定するか(S117でNO)、又はカラーの文字を含むテキスト領域の言語色変換処理が許可されていると判断したときは(S118でNO)、
図8に示すデータテーブルDTを参照して、S116で判定されたテキスト領域の言語の種類に対応付けて記憶されている文字の色を読み出し、当該テキスト領域に含まれる文字の色を当該読み出した色に変換する色変換処理を行う(S119)。この後、処理はS115に戻る。この色変換処理では、当該読み出した色が無色である場合は、画像編集部46は、テキスト領域における文字を削除する。
【0047】
以降同様に、S115の処理が行われ、画像メモリー39内の画像データが示す画像から文字解析部45により他のテキスト領域が抽出されると(S115でYES)、当該テキスト領域に対して、S116〜S119の処理が繰り返される。
【0048】
そして、画像メモリー39内の画像データが示す画像からテキスト領域が文字解析部45によっては抽出されなくなると(S115でNO)、つまり全てのテキスト領域の抽出が終了すると、主制御部41は、画像形成部12を制御して、画像メモリー39内の画像データによって示される画像を記録紙に印刷させる(S120)。
【0049】
なお、
図6に示す言語色変換設定画面G1の表示時に、主制御部41が、タッチパネル35を通じて、ユーザーによる閉キー62に対するタッチ操作を検出したときは(S102でYES)、表示制御部42は、言語色変換設定画面G1を閉じて、
図5に示す初期画面を表示部32に表示させ(S104)、処理を終了する。
【0050】
これにより、
図3(A)に示すような原稿Mの画像の場合は、
図3(B)に示すように記録紙Pには、日本語のテキスト領域の各文字の色が黒色で印刷され、また英語のテキスト領域の各文字が赤色で印刷され、更にロシア語のテキスト領域の各文字が緑色で印刷される。
【0051】
また、上記実施形態では、各言語に対応する色設定が黒色、赤色、緑色とされているが、色設定が無色とされている言語がある場合は、画像編集部46は、テキスト領域に含まれる無色に設定された言語の文字を削除する。このため、例えば、ロシア語に対応する色設定が無色とされている場合は、
図3(C)に示すように、記録紙Pには、日本語のテキスト領域の各文字が黒色で印刷され、また英語のテキスト領域の各文字が赤色で印刷され、更にロシア語のテキスト領域の文字が削除される。
【0052】
このように本実施形態では、画像読取部11により読取られた原稿の画像から複数種の言語のテキスト領域を抽出し、各種の言語のテキスト領域に対して互いに異なるそれぞれの色を付与し、あるいは各種の言語のテキスト領域を選択的に削除し、画像形成部12により、各種の言語のテキスト領域の文字を各種の言語のテキスト領域に対して付与されたそれぞれの色で記録紙に印刷させ、あるいは各種の言語のテキスト領域のうちの削除されなかったテキスト領域を記録紙に印刷させる。従って、言語の種類を明確に区別できるように記録紙に印刷したり、特定の言語を削除して記録紙に印刷したりすることが可能となる。
【0053】
尚、上記実施形態では、文字解析部45は、原稿の画像に含まれる全ての文字を認識しているが、テキスト領域の言語の種類が分かれば、テキスト領域に対する色の付与やテキスト領域の削除が可能であるため、全ての文字を認識する必要はない。例えば、文字解析部45は、各種の言語別に、使用頻度が高くかつ言語に特有の予め定められた文字を予め選定しておき、テキスト領域から当該予め定められた文字を抽出した場合には、当該予め定められた文字が属する言語に、テキスト領域に含まれる文字の言語の種類を特定してもよい。例えば、文字解析部45は、日本語の場合は、「は」や「を」などの文字を予め定められた文字として選定しておき、テキスト領域から「は」や「を」の文字を抽出した場合には、テキスト領域の言語の種類を日本語と判定する。
【0054】
また、各種の言語別に、テキスト領域の文字を該テキスト領域に対して付与された色で記録紙に印刷させているが、この代わりに、画像編集部46は、テキスト領域の文字の背景を該テキスト領域に対して付与された色とした画像を生成し、主制御部41は、画像形成部12に、この画像を含むテキスト領域の画像を記録紙に印刷させてもよい。例えば、
図10に示すように日本語のテキスト領域JRの各文字の色を黒色とし、かつ当該黒色よりも薄い黒色とされた背景と共に記録紙に印刷し、また英語のテキスト領域ERの各文字を黒色でかつ赤色の背景と共に記録紙に印刷し、更にロシア語RRのテキスト領域の各文字を黒色でかつ緑色の背景と共に記録紙に印刷する。
【0055】
また、主制御部41は、ユーザーにより設定された一定期間は、文字解析部45及び画像編集部46の動作をオンに維持するようにしてもよい。例えば、表示制御部42は、
図11に示すように色変換詳細設定画面G2に、一定期間の設定を指示するための期間キー72を追加して表示させておく。そして、ユーザーが期間キー72をタッチ操作すると、主制御部41は、タッチパネル35を通じて、期間キー72に対するタッチ操作を検出し、表示制御部42が、一定期間を設定するためのポップアップ画面GPを表示部32に表示させる。
【0056】
ユーザーの操作により一定期間がポップアップ画面GPに記入されると、当該一定期間だけ、主制御部41は、文字解析部45及び画像編集部46の動作をオンに維持する。この場合、ユーザーが
図5に示す初期画面における言語色変換の設定に対応するソフトキー51hをタッチ操作しなくても、ユーザーが原稿を画像読取部11にセットして、この原稿がセンサー(図示せず)により検出された時点で、表示制御部42が
図7に示す色変換詳細設定画面G2を表示部32に表示させ、この状態で、ユーザーがスキャンキー67をタッチ操作すると、S114以降の処理が実行されるようにできる。外国語学校や複数種の言語を用いる様々な人々が集まる施設などにおいて、書類のコピーが頻繁に行われる期間(試験の実施期間など)に文字解析部45及び画像編集部46の動作をオンに維持しておくと、操作の簡略化を図ることができる。
【0057】
また、
図7に示すような色変換詳細設定画面G2を用いて各種の言語に対応するそれぞれの色を設定する代わりに、
図12(A)に示すように原稿の文字又は文字列にマーカーQを印しておき、画像読取部11により原稿のマーカーQ及び該マーカーQが印された文字又は文字列を読取って、文字解析部45が、マーカーQの色を解析して、該文字又は文字列の言語に、当該マーカーQの色を対応付けるようにしてもよい。
【0058】
この場合、文字解析部45は、画像メモリー39内の画像データによって示される原稿の画像からテキスト領域を抽出する度に、テキスト領域から文字を認識して、認識した文字に基づき該文字の言語の種類を判定すると共に、マーカーQの画像部分の色を判定する。
【0059】
主制御部41は、文字解析部45により言語の種類が判定されると共にマーカーQの色が判定されると、
図8に示すデータテーブルDTにおいて、当該判定した言語について対応付けられている色を、マーカーQの色に変更して登録する。更に、画像編集部46は、文字画像とマーカーの濃度差などに基づきマーキングされた部分の文字だけを残して、この文字部分はマーカーQの色とし、マーカーを示す画像を消去する画像処理を画像データに対して行う。主制御部41は、画像形成部12に、当該画像データに基づき、
図12(B)に示すように各種の言語のテキスト領域別に、テキスト領域の各文字を言語の種類に対応する色で記録紙に印刷させる。
【0060】
この後、画像編集部46は、文字解析部45によりテキスト領域が判定される度に、
図8に示すデータテーブルDTを参照して、テキスト領域の言語の文字の色を読み出し、そのテキスト領域の言語の文字の色を、当該読み出した色に変換する処理を画像データに行う。主制御部41は、画像形成部12に、当該画像データに基づき、各種の言語のテキスト領域別に、テキスト領域の各文字を言語の種類に対応する色で記録紙に印刷させる。
【0061】
また、
図1乃至
図12を用いて説明した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。