(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記文字列抽出装置は、前記原画像から予め定められた削除指定マークを抽出する処理と、前記全文字列の中から前記削除指定マークが付された削除文字列を抽出する処理と、を実行可能であり、
前記画像データ生成装置は、前記全文字列から前記削除文字列を削除する処理を前記編集処理として実行することにより、残りの文字列を表す前記出力画像データを生成可能である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0012】
図2は、手書きのマークM1,M2,M3,M4を含む原画像I1が形成された原稿91の一例を示す。実施形態に係る画像処理装置10は、
図2に示されるような原稿91から原画像I1を読み取り、原画像I1にマークM1,M2,M3,M4に対応する文書編集を施し、編集後の出力画像I2のデータを生成する機能を備える。
【0013】
[画像処理装置10の構成]
図1に示されるように、画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)1、操作表示装置2、画像読取装置20、読取制御装置30、画像形成装置40、印刷制御装置50、通信装置60、画像データ処理装置70、RAM(Random Access Memory)1aおよび二次記憶装置1bなどを備える。
【0014】
CPU1、読取制御装置30、印刷制御装置50および通信装置60は、バス9に接続されおり、バス9を通じて相互にデータの受け渡しが可能である。
【0015】
画像読取装置20は、原稿91の画像を読み取り、原画像I1を表す原画像データD01を出力する。画像読取装置20は、不図示の露光装置およびイメージセンサーなどを備える。前記露光装置が、原稿91に光を照射し、前記イメージセンサーが、原稿91からの反射光の光量を画素ごとに検出する。さらに、前記イメージセンサーは、複数の画素の光量値のデータを含む原画像データD01を出力する。
【0016】
本実施形態において、画像読取装置20はカラー画像を読み取り可能なカラーイメージセンサーを備える。従って、原画像I1がカラー画像を含む場合、画像読取装置20はカラーの原画像データD01を出力する。
【0017】
読取制御装置30は、画像読取装置20を制御し、画像読取装置20から原画像データD01を取得する。さらに、読取制御装置30は、バス9を通じて原画像データD01を画像データ処理装置70などの他の機器に転送する。
【0018】
画像形成装置40は、周知の電子写真方式またはインクジェット方式の画像形成処理によってシートに画像を形成する。
【0019】
例えば、電子写真方式の画像形成装置40は、不図示の感光体、帯電装置、レーザースキャニングユニット、現像装置、転写装置および定着装置などを含む。
【0020】
前記帯電装置は、前記感光体を帯電させ、前記レーザースキャニングユニットは、前記感光体に静電潜像を書き込み、前記現像装置は、前記感光体上の前記静電潜像をトナー像へ現像し、前記転写装置は、前記トナー像を前記感光体から前記シートへ転写する。前記定着装置は、前記シート上の前記トナー像を加熱することにより、前記トナー像を前記シートに定着させる。前記トナー像が定着した前記シートが印刷物92である。
【0021】
印刷制御装置50は、画像データ処理装置70から出力画像データD02を取得し、出力画像データD02に基づく画像を前記シートに形成する処理を画像形成装置40に実行させる。出力画像データD02は、原画像データD01に基づく画像処理によって得られる出力用の画像データである。出力画像データD02が表す画像が出力画像I2である。
【0022】
通信装置60は、LANなどの通信回線101を通じてパーソナルコンピューターなどの外部装置との間でデータの送受信を行う通信インターフェイスデバイスである。CPU1が実行する前記外部装置との間の通信は、全て通信装置60を通じて行われる。
【0023】
さらに、通信装置60は、バス9を通じてCPU1、読取制御装置30および印刷制御装置50などの各機器とデータの受け渡しを行う。
【0024】
画像データ処理装置70は、バス9を通じて他の機器から得た画像データなどに対する各種のデータ処理を実行する。原画像データD01は、画像データ処理装置70によるデータ処理の対象である。
【0025】
読取制御装置30、印刷制御装置50および画像データ処理装置70は、例えばMPU(Micro Processing Unit)もしくはDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサー、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路によって実現される。
【0026】
操作表示装置2は、ユーザーインターフェイスのデバイスであり、操作装置2aおよび表示装置2bを含む。操作装置2aは、ユーザーの操作を受け付ける情報入力デバイスである。本実施形態において、操作装置2aはタッチパネルを含む。
【0027】
表示装置2bは、情報を画像として表示する装置である。例えば、表示装置2bが液晶表示パネルであることが考えられる。
【0028】
CPU1は、各種の演算およびデータ処理を実行するプロセッサーである。CPU1は、画像処理装置10を統括して制御する。
【0029】
例えば、CPU1は、表示装置2bに各種のメニュー画面などを表示させる。さらに、CPU1は、操作装置2aに対する操作を通じて入力される入力情報および各種センサーの検出結果に応じて他の制御部に制御指令を出力する。
【0030】
RAM1aは、CPU1に実行させるためのプログラムを一時記憶する揮発性のコンピューター読み取り可能な主記憶部である。
【0031】
二次記憶装置1bは、CPU1が参照する各種情報を記憶する不揮発性のコンピューター読取可能な記憶部である。二次記憶装置1bは、CPU1に各種の処理を実行させるためのプログラム、CPU1によって参照される情報およびCPU1によって書き込まれる情報を記憶する。
【0032】
図2に示されるように、ワードプロセッサーなどにより作成された原稿91が、手書きで修正されることがある。
図2に示される原画像I1は、元々の原稿91に追記された手書きのマークM1,M2,M3,M4と、手書き文字列T1と、を含む。
【0033】
本実施形態において、原稿91から読み取られた画像が、マークM1,M2,M3,M4を含む原画像I1の一例である。
【0034】
さらに、本実施形態において、画像読取装置20が原稿91の画像を読み取ることによって得られる画像のデータは、原画像データD01の一例である。なお、原画像データD01が、他の装置から受信される印刷ジョブに含まれる場合もある。
【0035】
画像処理を実行する従来の装置が、手書き文字列T1が追記された原稿91の画像を読み取り、読取画像に基づいて、手書き文字列T1に基づく文書編集処理を行うことが知られている。この場合、前記従来の装置は、手書き文字列T1に相当する電子データの文字列を、原稿91に印刷されている元の文字列における指定された位置に挿入し、編集後の文字列を表す文書データを生成する。
【0036】
ところで、原稿91に印刷されている文字列の一部の書式を簡易に変更することが出来れば便利である。
【0037】
例えば、ある人が、まずは文字列の書式を気にすることなく原稿91を作成し、他の人または同一の人が、その原稿91における文字列の一部に手書きでマークM1,M2を追記することが考えられる。さらに、画像処理装置10が、マーキングされた文字列をマークM1,M2により指定される書式の文字列へ置き換える処理を実行することが考えられる。これにより、原稿91に印刷されている文字列の一部の書式を簡易に変更することが可能になる。
【0038】
画像処理装置10は、後述する自動編集処理を実行可能である。これにより、画像処理装置10のユーザーは、原稿91に印刷されている文字列の一部の書式を簡易に変更することができる。
【0039】
画像データ処理装置70は、文字列抽出部71および画像データ生成部72を含む。文字列抽出部71は、文字列抽出装置の一例であり、画像データ生成部72は、画像データ生成装置の一例である。
【0040】
例えば、画像データ処理装置70が前記MPUまたは前記DSPなどのプロセッサーで構成される場合、そのプロセッサーがコンピュータープログラムを実行することにより、そのプロセッサーが、文字列抽出部71および画像データ生成部72として動作する。
【0041】
また、画像データ処理装置70がASICなどの回路で構成される場合、その回路が、文字列抽出部71および画像データ生成部72として動作する複数のサブ回路を含む。
【0042】
また、CPU1は、編集内容設定部11、編集履歴記録部12、編集履歴出力部13および編集ルール生成部14などを含む。編集内容設定部11は、編集内容設定装置の一例であり、編集履歴記録部12は、編集履歴記録装置の一例であり、編集履歴出力部13は、編集履歴出力装置の一例であり、編集ルール生成部14は編集ルール生成装置の一例である。
【0043】
CPU1は、二次記憶装置1bに記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、編集内容設定部11、編集履歴記録部12および編集履歴出力部13として動作する。
【0044】
[自動編集処理]
以下、
図4に示されるフローチャートを参照しつつ、前記自動編集処理の手順の一例について説明する。以下の説明において、S1,S2,…は、前記自動編集処理における複数の工程の識別符号を表す。
【0045】
読取制御装置30は、予め定められた自動編集開始イベントが発生したときに前記自動編集処理を開始する。例えば、前記自動編集開始イベントが、操作装置2aに対して予め定められた自動編集開始操作が行われたこと、であることが考えられる。
【0046】
<工程S1>
前記自動編集処理において、読取制御装置30が、画像読取装置20に原稿91の画像を読み取る処理を実行させる。これにより、読取制御装置30は、画像読取装置20を通じて原画像データD01を取得する。
【0047】
さらに、読取制御装置30は、原画像データD01を画像データ処理装置へ転送する。その後、読取制御装置30は、処理を工程S2へ移行させる。
【0048】
<工程S2>
工程S2において、文字列抽出部71が、原画像データD01が表す原画像I1に含まれる全文字列を特定する文字認識処理を実行する。その後、文字列抽出部71は、処理を工程S3へ移行させる。
【0049】
<工程S3>
工程S3において、文字列抽出部71は、原画像I1から予め定められたマーク条件を満たす第1マークM1,第2マークM2,第3マークM3および第4マークM4を抽出する。例えば、前記マーク条件は、前記下線マークを特定する条件、囲みマークM21および吹き出しマークM22を特定する条件、下線マークM31および削除マークM32を特定する条件などである。
【0050】
さらに、工程S3において、文字列抽出部71は、工程S2で得られる前記全文字列の中から、第1マークM1、第2マークM2または第3マークM3が付された文字列である対象文字列T0を抽出する。
【0051】
さらに、工程S3において、文字列抽出部71は、原画像I1から第4マークM4に対応する手書き文字列T1を抽出する。この処理は、原画像I1から第4マークM4が抽出された場合に実行される。
【0052】
図2に示される例において、第1マークM1は、文字列に沿って記録される下線マークである。第1マークM1の色は、予め定められた複数の候補色のうちの1つである。
【0053】
第1マークM1の位置は、原画像I1に含まれる全文字列の一部または全部である対象文字列T0の位置を表す。第1マークM1の色は、対象文字列T0に対して設定する書式の種類を表す。
【0054】
1つの対象文字列T0に対してそれぞれ異なる色の複数の第1マークM1が重複して付されていることがある。これは、複数種類の前記文字書式が1つの対象文字列T0に対して設定されていることを表す。例えば、1つの対象文字列T0に対して太字および斜字の2種類の前記文字書式が設定されることなどが考えられる。
【0055】
本実施形態において、編集情報D1が、予め二次記憶装置1bに記憶されている(
図1参照)。編集情報D1は、第1マークM1の色と文字書式の種類との対応関係の情報を含む(
図5参照)。第1マークM1の色は、第1マークM1の種類の一例である。
【0056】
なお、編集情報D1が、第1マークM1の形などの色以外の形態と、前記文字書式の種類との対応関係の情報を含むことも考えられる。
【0057】
対象文字列T0に対して設定する書式の種類としては、太字、斜め字、下線、フォントタイプおよび文字列サイズなどが考えられる。但し、第1マークM1は、前記文字列サイズ以外の書式の種類を表す。
【0058】
図2に示される例において、第2マークM2は、文字列の周囲を囲む囲みマークM21と、囲みマークM21に対応付けられる吹き出しマークM22と、吹き出しマークM22内に記録される指定値M23とを含む。指定値M23は、予め定められた複数の候補値のうちの1つである。
【0059】
囲みマークM21は、その内側に存在する文字列が対象文字列T0であることを表す。さらに、囲みマークM21は、それに対応する対象文字列T0のサイズを指定値M23に対応する倍率で拡大または縮小することを表す。
【0060】
即ち、第2マークM2は、対象文字列T0に対して前記文字列サイズを設定することを表す。前記文字列サイズは、対象文字列T0に対して設定される書式の一例である。
【0061】
図2に示される例において、丸形状の吹き出しマークM22は、対象文字列T0を拡大することを表し、三角形状の吹き出しマークM22内は、対象文字列T0を縮小することを表す。
【0062】
本実施形態において、編集情報D1は、第2マークM2の指定値M23と対象文字列T0の倍率との対応関係の情報をさらに含む(
図5参照)。
【0063】
以下の説明において、編集情報D1において前記文字書式の種類と対応付けられている色の第1マークM1、および、編集情報D1において前記倍率と対応付けられている第2マークM2のことを登録マークと称し、そうでない第1マークM1および第2マークM2のことを未登録マークと称する。
【0064】
第3マークM3は、文字列に沿って記録される下線マークM31と、下線マークM31に対応付けられた削除マークM32とを含む。
図2に示される削除マークM32は、バツマークである。
【0065】
下線マークM31の位置は、対象文字列T0の位置を表す。削除マークM32は、対応する対象文字列T0を削除することを表す。文字列抽出部71は、工程S2で得られる前記全文字列の中から、第3マークM3が付された文字列である対象文字列T0を削除文字列Td0として抽出する(
図2,
図3参照)。なお、第3マークM3は、予め定められた削除指定マークの一例である。
【0066】
図2に示される例において、第4マークM4は、前記全体文字列の中の特定の挿入位置を指定するマークである。第4マークM4は、予め定められた挿入マークの一例である。原稿91における第4マークM4に対応する位置には、手書き文字列T1が記入されている。
【0067】
以上に示されるように、文字列抽出部71は、原画像I1に含まれる前記全文字列を特定する文字認識処理を実行する(S1)。さらに、文字列抽出部71は、原画像I1から第1マークM1,第2マークM2,第3マークM3および第4マークM4を抽出するマーク抽出処理を実行する(S3)。
【0068】
さらに、文字列抽出部71は、前記全文字列の中から第1マークM1,第2マークM2および第3マークM3に対応する位置に存在する文字列を対象文字列T0として抽出する。そして、文字列抽出部71は、処理を工程S3から工程S4へ移行させる。
【0069】
<工程S4>
工程S4において、CPU1の編集内容設定部11が、特定書式自動設定処理を実行する。
【0070】
前記特定書式自動設定処理は、編集情報D1に基づいて、対象文字列T0に付された第1マークM1の種類に対応する前記文字書式である特定書式を設定する処理である。第1マークM1が前記登録マークである場合、前記特定書式は、前記特定書式自動設定処理によって設定される。
【0071】
<工程S5>
さらに、編集内容設定部11は、工程S3で抽出された第1マークM1または第2マークM2が前記未登録マークを含むか否かを判定する。
【0072】
文字列抽出部71は、第1マークM1または第2マークM2が前記未登録マークを含むと判定した場合、処理を工程S6へ移行させ、そうでない場合、処理を工程S7,S8へ移行させる。
【0073】
<工程S6>
工程S5において、編集内容設定部11は、特定書式手動設定処理を実行する。さらに、編集内容設定部11は、処理を工程S6から工程S7,S8へ移行させる。
【0074】
前記特定書式手動設定処理は、前記未登録マークの情報を含む書式設定画面g0を表示装置2bに表示させる処理を含む(
図5参照)。さらに、前記特定書式手動設定処理は、操作装置2aに対する操作に従って前記未登録マークに対応する前記特定書式を設定する処理を含む。
【0075】
図5に示される書式設定画面g0は、第1マークM1および第2マークM2に関する編集情報D1を含む画面である。
【0076】
図5に示される例において、書式設定画面g0は、複数の色表示枠g1、複数の書式選択枠g2および複数の倍率設定枠g3を含む。
【0077】
色表示枠g1各々は、第1マークM1の色の情報が表示される表示部である。色表示枠g1各々は、第1マークM1の前記複数の候補色各々に対応している。
【0078】
書式選択枠g2各々は、第1マークM1の前記複数の候補色各々に対応する前記文字書式の種類の情報が表示される表示部であり、かつ、前記文字書式の種類を予め定められた複数の候補書式の中から選択する操作を受け付ける操作部である。
【0079】
倍率設定枠g3各々は、第2マークM2の複数の指定値M23各々に対応する前記倍率が表示される表示部であり、かつ、前記倍率を設定する操作を受け付ける操作部である。
【0080】
工程S3で抽出された第1マークM1または第2マークM2が前記未登録マークを含む場合、書式設定画面g0、前記未登録マークに対応付けられた未登録通知アイコンg4を含む。
【0081】
即ち、編集内容設定部11は、対象文字列T0に付された第1マークM1または第2マークM2が前記未登録マークである場合に、前記未登録マークの情報を含む書式設定画面g0を表示装置2bに表示させる。
【0082】
工程S6において、ユーザーによる操作装置2aの操作に従って、前記未登録マークに対応する前記文字書式または前記倍率が設定される。
【0083】
また、編集内容設定部11は、前記登録マークに対応する前記文字書式または前記倍率を、操作装置2aに対する操作に従って変更することも可能である。
【0084】
また、
図5に示される書式設定画面g0は、実行アイコンg5、保存アイコンg6および中止アイコンg7なども含む。
【0085】
編集内容設定部11は、実行アイコンg5に対する操作に応じて、前記特定書式手動設定処理を終了させ、処理を工程S7,S8へ移行させる。
【0086】
また、編集内容設定部11は、保存アイコンg6に対する操作に応じて、二次記憶装置1bに記憶されている編集情報D1を書式設定画面g0において設定されている内容へ更新する。
【0087】
また、編集内容設定部11は、中止アイコンg7に対する操作に応じて、前記自動編集処理を終了させる。なお、
図4において、中止アイコンg7に対する操作に応じた処理の手順は省略されている。
【0088】
<工程S7,S8>
工程S7,S8において、画像データ生成部72が、書式変換処理および文字列編集処理を実行する。前記文字列編集処理は、削除処理および挿入処理の一方または両方を含む。さらに、画像データ生成部72は、処理を工程S7,S8から工程S9へ移行させる。
【0089】
前記書式変換処理は、原画像I1における対象文字列T0の部分を、第1マークM1または第2マークM2に対応する前記特定書式で表された対象文字列T0である変換後文字列T00の画像に置き換える処理である。
【0090】
図3に示される出力画像I2は、対象文字列T0が拡大された変換後文字列T00、対象文字列T0が斜字で表された変換後文字列T00、対象文字列T0が斜字かつ太字で表された変換後文字列T00、および対象文字列T0が縮小された変換後文字列T00を含む。
【0091】
前記削除処理は、前記文字認識処理により特定された前記全文字列から第3マークM3に対応する対象文字列T0である削除文字列Td0を削除する処理である(
図2,
図3参照)。
【0092】
前記挿入処理は、前記文字認識処理により特定された前記全文字列における第4マークM4の位置に手書き文字列T1に相当する追加文字列Ti0を挿入する処理である(
図3参照)。追加文字列Ti0は、フォントを表す電子データに基づく文字列である。
【0093】
工程S7,S8の処理は、原画像I1における対象文字列T0の部分を変換後文字列T00の画像に置き換える前記書式変換処理を含む編集処理の一例である。
【0094】
<工程S9>
工程S9において、画像データ生成部72は、工程S7,S8の前記編集処理によって得られる編集後の出力画像I2を表す出力画像データD02を生成する(
図3参照)。その後、画像データ生成部72は、処理を工程S9から工程S10へ移行させる。
【0095】
即ち、画像データ生成部72は、前記書式変換処理、前記削除処理および前記挿入処理を含む前記編集処理を実行することにより、編集後の出力画像I2を表す出力画像データD02を生成する(S7〜S9)。
【0096】
第3マークM3が原画像I1から抽出される場合、画像データ生成部72は、前記削除処理を前記編集処理として実行することにより、残りの文字列を表す出力画像データD02を生成する。また、第4マークM4および手書き文字列が原画像I1から抽出される場合、画像データ生成部72は、前記挿入処理を前記編集処理として実行することにより、前記全文字列と挿入された追加文字列Ti0とを表す出力画像データD02を生成する。
【0097】
<工程S10>
工程S10において、印刷制御装置50が、出力画像データD02に基づく画像を前記シートに形成する処理を画像形成装置40に実行させる。その後、印刷制御装置50は、処理を工程S10から工程S11へ移行させる。
【0098】
工程S10の処理は、出力画像データD02に基づく画像出力処理の一例である。なお、通信装置60が、出力画像データD02を予め設定された宛先へ送信する処理を、前記画像出力処理として実行することも考えられる。
【0099】
<工程S11>
工程S11において、CPU1の編集履歴記録部12が、編集履歴記録処理を実行する。その後、編集履歴記録部12は、前記自動編集処理を終了させる。
【0100】
前記編集履歴記録処理は、前記編集処理S7,S8の内容の履歴を表す編集履歴情報D2を二次記憶装置1bに記録する処理である(
図1参照)。二次記憶装置1bは、不揮発性の記憶装置の一例である。
【0101】
例えば、編集履歴記録部12が、対象文字列T0ごとの前記編集処理の内容および頻度の情報を編集履歴情報D2として二次記憶装置1bに記録することが考えられる。
【0102】
前記自動編集処理を実行可能な画像処理装置10が採用されることにより、原稿91に印刷されている文字列の一部の書式を簡易に変更することが可能である。
【0103】
一方、CPU1の編集履歴出力部13は、編集履歴情報D2に基づく情報を予め定められた装置へ出力する編集履歴出力処理を実行可能である。例えば、編集履歴出力部13は、操作装置2aに対する予め定められた履歴出力操作に応じて、前記編集履歴出力処理を実行する。
【0104】
例えば、前記編集履歴出力処理における情報の出力先の装置が、表示装置2bまたは通信回線101を通じて接続された外部装置であることが考えられる。
【0105】
前記編集履歴出力処理により出力される情報が、編集履歴情報D2そのもの、または、編集履歴情報D2における対象文字列T0ごとの前記編集処理の内容および頻度の情報がグラフ化された情報などであることが考えられる。
【0106】
ユーザーは、前記編集履歴出力処理により出力される情報から、どのような前記編集処理がどのような頻度で過去に実行されたかを容易に把握することができる。
【0107】
CPU1の編集ルール生成部14は、編集履歴情報D2における対象文字列T0ごとの前記編集処理の頻度の情報が、予め定められた基準頻度を超えるという頻度条件を満たす情報を含むか否かを判定する。
【0108】
ユーザーは、前記編集履歴出力処理により出力される情報に基づいて、前記頻度条件を設定することができる。即ち、編集ルール生成部14は、操作装置2aに対する操作に従って、前記頻度条件を設定することができる。
【0109】
以下の説明において、編集履歴情報D2に含まれる対象文字列T0のうち、前記頻度条件を満たす前記頻度の情報に対応するものを学習文字列と称する。
【0110】
さらに、編集ルール生成部14は、編集履歴情報D2が前記頻度条件を満たす前記頻度の情報を含むと判定した場合、前記学習文字列と前記編集処理の内容との対応関係を表す情報を、編集ルール情報D3として設定する(
図1参照)。
【0111】
例えば、編集ルール生成部14が、編集ルール情報D3を二次記憶装置1bに記録することが考えられる。なお、編集ルール情報D3において、前記編集処理の内容を表す情報は、前記文字書式の情報を含む。
【0112】
そして、読取制御装置30は、予め定められた学習編集開始イベントが発生したときに学習編集処理を開始する。例えば、前記学習編集開始イベントが、操作装置2aに対して予め定められた学習編集開始操作が行われたこと、であることが考えられる。
【0113】
[学習編集処理]
以下、前記学習編集処理の一例について説明する。前記学習編集処理において、読取制御装置30は、
図4の工程S1と同様に、原画像データD01を取得する。
【0114】
但し、前記学習編集処理において読取の対象となる原稿91には、第1マークM1および第2マークM2が記入されていなくてもよい。
【0115】
さらに、前記学習編集処理において、文字列抽出部71は、
図4の工程S2と同様に、前記文字認識処理を実行することにより前記全文字列を特定する。
【0116】
さらに、文字列抽出部71は、
図4の工程S3の処理に加え、前記全文字列から編集ルール情報D3に含まれる前記学習文字列と同じ文字列を対象文字列T0として抽出する処理を実行する。
【0117】
さらに、編集内容設定部11は、
図4の工程S4の処理に加え、編集ルール情報D3において前記学習文字列と同じ対象文字列T0に対応付けられた前記文字書式を、前記特定書式として設定する。
【0118】
編集ルール情報D3に基づいて設定される前記特定書式は、前記学習文字列と同じ対象文字列T0について過去に採用される頻度が高かった前記文字書式である。
【0119】
さらに、前記学習編集処理において、文字列抽出部71が、
図4の工程S5〜工程S8の処理を実行し、画像データ生成部72が
図4の工程S9の処理を実行し、印刷制御装置50が、
図4の工程S10の処理を実行する。
【0120】
前記学習編集処理が実行される場合、原稿91に第1マークM1および第2マークM2を記入する手間を省くことが可能である。