(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記読取装置により前記物品情報が読み取られなかった物品を、前記上流貯留部と前記最終貯留部とに搬送することで、前記上流分岐貯留部又は前記最終分岐貯留部に存在する物品の数が各分岐貯留部における貯留可能な物品数を超えた場合には、物品の搬送を停止して異常を報知する請求項4に記載の物品並べ替え装置。
前記搬送コンベヤにより搬送されている物品に付与された物品情報を読み取る第2読取装置と、前記搬送コンベヤにより搬送されている物品に付与された前記物品情報を前記第2読取装置より前記搬送方向の上流側で読み取る第1読取装置と、前記搬送方向において前記第1読取装置と前記第2読取装置との間に設置された排出装置と、を備え、
前記排出装置は、前記第1読取装置により前記物品情報が読み取られなかった物品を前記搬送コンベヤから排出し、
前記制御部は、前記第1読取装置により前記物品情報が読み取られ且つ前記第2読取装置により前記物品情報が読み取られなかった物品については、前記第1読取装置により読み取った前記物品情報に基づいて、前記指定順序で前記払出部から払い出すように前記整列部及び前記払出部の作動を制御する請求項3に記載の物品並べ替え装置。
前記制御部は、前記物品収納棚から搬出された物品の情報である搬出情報を取得し、物品が前記読取装置によって物品の前記物品情報が読み取られる前に、前記搬出情報に基づいて前記指定順序を設定する請求項4から6のいずれか一項に記載の物品並べ替え装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施形態
物品並べ替え装置を物品保管設備に適用した実施形態について図面に基づいて説明する。
本実施形態の物品保管設備は、製造業者等から納入された複数種の物品(例えば段ボール梱包やパレット等)に支持されている複数の荷を、異なる複数の出荷先ごとに必要種及び必要量だけ取り揃えて出荷する在庫型物流センター(ディストリビューションセンター)として構成されている。
【0013】
本実施形態の物品保管設備では、物品Bを
図1に示す保管庫1に保管している。
図1に示すように、保管庫1には物品Bを収納する収納部が上下方向及び左右方向に複数並べて備えられた物品収納棚Kが複数設けられ、上記物品収納棚Kと出庫用コンベヤC1との間で物品Bを搬送するスタッカークレーンSが複数設けられている。複数の出庫用コンベヤC1の下流側端部には、当該出庫用コンベヤC1から受け取った物品Bを下流に向けて搬送する上流搬送コンベヤC10が設けられている。出庫用コンベヤC1及び上流搬送コンベヤC10の夫々は、搬送経路に沿って物品Bが一列に並ぶ状態で物品Bを搬送する。
【0014】
上流搬送コンベヤC10は、出庫用コンベヤC1から受け取った物品Bを搬送方向に並べ且つ前後順を維持した状態で下流側に向けて搬送するようになっている。なお、複数の出庫用コンベヤC1は上流搬送コンベヤC10の搬送方向Xに離間する複数の箇所で上流搬送コンベヤC10と合流するようになっており、複数の出庫用コンベヤC1のうち下流側の出庫用コンベヤC1が上流搬送コンベヤC10に引き渡した物品Bが、出庫用コンベヤC1が上流搬送コンベヤC10に引き渡した物品Bよりも先に搬送される場合もある。なお、上流搬送コンベヤC10は受け取った順に物品Bを搬送するのみであり、搬送している物品Bの順序を入れ替える機能は有していない。
【0015】
また、保管庫1から出庫された物品Bは、上流搬送コンベヤC10よりも下流の払出コンベヤC30の端部Ceに搬送される。説明を加えると、上流搬送コンベヤC10は、整列部Aに搬送し、整列部Aから払い出された物品Bを払出コンベヤC30が当該払出コンベヤの端部Ceまで搬送する。
そして、ピッキングロボットRが、端部Ceに位置する物品Bから必要数の荷を取り出して、取り出した荷を例えば積み付け箇所Tにて待機している集品ケースDに投入する。図示は省略するが、集品ケースDとは、自走式台車に支持されたコンテナや搬送ベルト上に載置されたカゴ車等である。
【0016】
このようにピッキングロボットRにて集品ケースDに荷を投入するに当たり、その投入順を考慮しなければならない場合がある。例えば、同一の集品ケースDに水のペットボトル等の重量物と箱入りの薬剤とを投入する場合、箱入りの薬剤を先に投入しその後にペットボトルを投入すると、薬剤の箱がペットボトルに押しつぶされる虞がある。また、集品ケースDへの荷の投入順序によって、集品ケースD内での荷の収納効率が異なる場合がある。これらの場合のように、重量や安定性等の関係或いは収納効率を向上させるために集品ケースDへの荷の投入順序を考慮する必要がある場合において、上流搬送コンベヤC10にて搬送される物品Bの順序が適切でない場合には、払出コンベヤC30の端部Ceへの物品Bの到達順序を適切な順序とするように調整する必要がある。本実施形態においては、上記のような場合に払出コンベヤC30の端部Ceに到達する物品Bの順序を適正な順序に入れ替えるために物品並べ替え装置Eが用いられる。
【0017】
図1及び
図2に示すように、物品並べ替え装置Eは、物品Bを受け入れる受入部としての上流リフタL1と、物品Bを払い出す払出部としての払出コンベヤC30と、物品収納棚Kから搬出された物品Bを上流リフタL1に搬送する搬送コンベヤとしての上流搬送コンベヤC10と、上流リフタL1から受け入れた物品Bの順序を指定された指定順序G2に並べ替える整列部Aと、を備えている。整列部Aは、
図2に示すように、上流貯留部60と中間リフタL2と下流貯留部70と下流リフタL3とを備えている。
【0018】
上流貯留部60は、複数の一次ソート用コンベヤUを有している。本実施形態では、上流貯留部60は、一次ソート用第1コンベヤU1〜一次ソート用第4コンベヤU4の4つの一次ソート用コンベヤUを有している。下流貯留部70は、複数の二次ソート用コンベヤVを有している。本実施形態では、下流貯留部70は、二次ソート用第1コンベヤV1〜二次ソート用第4コンベヤV4の4つの二次ソート用コンベヤVを有している。上流リフタL1は、上流搬送コンベヤC10から受けた物品Bを4つの一次ソート用コンベヤUの何れかに渡すように、物品Bを搬送する。中間リフタL2は、4つの一次ソート用コンベヤUの何れかから受けた物品Bを4つの二次ソート用コンベヤVの何れかに渡すように、物品Bを搬送する。下流リフタL3は、4つの二次ソート用コンベヤVの何れかから受けた物品Bを払出コンベヤC30に渡すように、物品Bを搬送する。
【0019】
本実施形態では、上流リフタL1、上流貯留部60、中間リフタL2、下流貯留部70、下流リフタL3、及び払出コンベヤC30が、搬送方向Xの上流側X1から下流側X2に記載順に並ぶように、平面視で直線状に並ぶ配置で設けられている。尚、
図2に示すように、物品並べ替え装置Eでは、一次ソート用コンベヤUや二次ソート用コンベヤVが物品Bを搬送する方向(整列部Aにおける上流リフタL1から払出コンベヤC30へ向かう方向)を搬送方向Xとしている。また、搬送方向Xの上流側を上流側X1とし、搬送方向Xの下流側を下流側X2としている。
【0020】
上流リフタL1は、支柱Lsと、当該支柱Lsに案内されて上下方向Zに移動可能な昇降搬送部Lf1と、を備えている。4つの一次ソート用コンベヤUは、上流リフタL1に対して下流側X2に隣接する位置に設けられており、上流リフタL1の昇降搬送部Lf1と4つの一次ソート用コンベヤUの上流側X1の端部との間で物品Bを授受可能となっている。これら4つの一次ソート用コンベヤUは、上下方向Z視で重複するように設けられている。また、上流搬送コンベヤC10の下流側端部も、一次ソート用コンベヤUと上下方向Z視で重複する位置に配置されている。そして、上流リフタL1は、昇降搬送部Lf1の昇降によって、上流搬送コンベヤC10から受けた物品Bを一次ソート用第1コンベヤU1〜一次ソート用第4コンベヤU4の何れかに渡すことができるようになっている。
【0021】
中間リフタL2は、上流リフタL1と同様に、支柱Lsと昇降搬送部Lf2とを備えている。4つの一次ソート用コンベヤUは、中間リフタL2に対して上流側X1に隣接する位置に設けられている。そのため、中間リフタL2の昇降搬送部Lf2と4つの一次ソート用コンベヤUの下流側X2の端部との間で物品Bを授受可能となっている。また、4つの二次ソート用コンベヤVは、中間リフタL2に対して下流側X2に隣接する位置に設けられている。そのため、中間リフタL2の昇降搬送部Lf2と4つの二次ソート用コンベヤVの上流側X1の端部との間で物品Bを授受可能となっている。4つの二次ソート用コンベヤVは、上下方向Z視で重複する状態で設けられている。そして、中間リフタL2は、昇降搬送部Lf2の昇降によって、4つの一次ソート用コンベヤUの何れかから受けた物品Bを4つの二次ソート用コンベヤVの何れかに渡すことができるようになっている。
【0022】
下流リフタL3は、上流リフタL1や中間リフタL2と同様に、支柱Lsと昇降搬送部Lf3とを備えている。4つの二次ソート用コンベヤVは、下流リフタL3に対して上流側X1に隣接する位置に設けられている。そのため、下流リフタL3の昇降搬送部Lf3と4つの二次ソート用コンベヤVの下流側X2の端部との間で物品Bを授受可能となっている。そして、下流リフタL3は、昇降搬送部Lf3の昇降によって、4つの二次ソート用コンベヤVの何れかから受けた物品Bを払出コンベヤC30に渡すことができるようになっている。なお、下流リフタL3は、二次ソート用第1コンベヤV1、二次ソート用第2コンベヤV2、二次ソート用第3コンベヤV3、二次ソート用第4コンベヤV4の順に物品Bを受け取って払出コンベヤC30に引き渡すようになっている。また、二次ソート用第4コンベヤV4の物品Bを授受した後は、二次ソート用第1コンベヤV1に戻る形態で、ラウンドロビン方式で物品Bを授受する。
【0023】
払出コンベヤC30の下流側の端部Ceは、物品Bを停止状態で保持可能に構成され、ピッキングロボットRは、払出コンベヤC30の下流側の端部Ceに保持されている物品Bから荷を取り出すことになる。そして、荷の取出しが終わった物品Bは、返送コンベヤC20及び入庫用コンベヤC2(
図1参照)を介して保管庫1に返送される。
したがって、本実施形態の物品保管設備においては、
図3の実線矢印に示すように物品Bが搬送される。
【0024】
なお、ピッキングロボットRの上方、又は、ピッキングロボットRのピッキングハンド部には、画像認識用のカメラが取り付けられており、ピッキング対象となる物品B内部に荷が存在するか否かを確認できるようになっている。そして、ピッキングロボットRによって荷を取り出した結果、当該物品Bの荷が空になった場合には、当該物品B(以下、空箱と称する)を空箱用ラインに搬送するようになっている。この構成については、例えば自動搬送台車を用いてもよいし、払出コンベヤC30の下流側の端部Ceから空箱集積箇所に向けて空箱用ラインを接続する構成としてもよい。
【0025】
上流貯留部60は、搬送方向Xに並列に分岐する第1設定数の一次ソート用コンベヤUを有している。本実施形態では、上流貯留部60は、4つの一次ソート用コンベヤUを有しており、第1設定数は「4」となっている。下流貯留部70は、搬送方向Xに並列に分岐する第2設定数の二次ソート用コンベヤVを有している。本実施形態では、下流貯留部70は、4つの二次ソート用コンベヤVを有しており、第2設定数は「4」となっている。このように、本実施形態では、上流貯留部60が有する一次ソート用コンベヤUの数である第1設定数と、下流貯留部70が有する二次ソート用コンベヤVの数である第2設定数と、は同じ数となっている。
尚、「搬送方向Xに並列に分岐する」とは、上流貯留部60であれば、上流リフタL1から受けた物品Bを、複数の一次ソート用コンベヤUに分岐するように搬送され、これら分岐するように搬送された物品Bが上下方向Zに並列することを表している。
【0026】
4つの一次ソート用コンベヤUの夫々は、一次ソート用コンベヤU上に第2設定数以上の物品Bを搬送方向Xに沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成されている。本実施形態では、4つの一次ソート用コンベヤUの夫々は、一次ソート用コンベヤU上に6つの物品Bを搬送方向Xに沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成されている。そのため、上流貯留部60は、24個の物品Bを貯留可能に構成されている。
また、4つの二次ソート用コンベヤVの夫々は、二次ソート用コンベヤV上に第1設定数以上の物品Bを搬送方向Xに沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成されている。本実施形態では、4つの二次ソート用コンベヤVの夫々は、二次ソート用コンベヤV上に4つの物品Bを搬送方向Xに沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成されている。そのため、下流貯留部70は、16個の物品Bを貯留可能に構成されていている。
このように、一次ソート用コンベヤUに貯留可能な物品Bの数は、二次ソート用コンベヤVに貯留可能な物品Bの数より多くなっている。そして、上流貯留部60及び下流貯留部70の夫々は、少なくとも第1設定数に第2設定数を乗じた数の物品Bを貯留可能に構成されている。尚、一次ソート用コンベヤUが、上流分岐貯留部(分岐貯留部)に相当し、二次ソート用コンベヤVが、最終分岐貯留部に相当する。
【0027】
以上のように、整列部Aは、上流貯留部60と下流貯留部70との複数の貯留搬送部を備えており、これら複数の貯留搬送部は、上流リフタL1から払出コンベヤC30へ向かう搬送方向Xに沿って並ぶ状態で設置されている。そして、下流貯留部70は、複数の貯留搬送部のうち搬送方向Xで最も下流側X2に配置された最終貯留部に相当する。上流貯留部60は、最終貯留部の一つ上流側X1に配置されている。
【0028】
図1に示すように、物品並べ替え装置Eは、第1読取装置S1と第2読取装置S2とを備えている。第1読取装置S1及び第2読取装置S2は、上流搬送コンベヤC10により搬送されている物品Bに付与された物品情報を読み取る。本実施形態では、物品Bを識別するコードがバーコードによって印刷や貼付によって物品Bに添付されており、第1読取装置S1や第2読取装置S2は、物品Bに添付されたバーコードを読み取るバーコードリーダによって構成されている。第1読取装置S1は、第2読取装置S2より搬送方向(上流搬送コンベヤC10により物品Bが搬送される方向)の上流側に設置されており、第2読取装置S2より上流側で物品Bの物品情報を読み取る。つまり、上流搬送コンベヤC10により搬送される物品Bは、第1読取装置S1によって物品情報が読み取られた後、第2読取装置S2によって物品情報が読み取られる。
【0029】
また、物品並べ替え装置Eは、排出装置Fを備えている。排出装置Fは、上流搬送コンベヤC10の搬送方向において、第1読取装置S1と第2読取装置S2との間に設置されている。この排出装置Fは、上流搬送コンベヤC10の一部により構成されており、上流搬送コンベヤC10をそのまま下流側に搬送する状態と、上流搬送コンベヤC10から排出コンベヤC40に渡すように搬送する状態と、に切り換え可能に構成されている。つまり、上流搬送コンベヤC10の一部が排出装置Fとしての機能を備えており、物品Bを上流搬送コンベヤC10から排出して排出コンベヤC40に渡すことができるようになっている。排出装置Fは、第1読取装置S1により物品情報が読み取られなかった物品Bを上流搬送コンベヤC10から排出する。
【0030】
次に、
図3に基づいて、本実施形態の物品保管設備の制御構成を説明する。
制御部Hは、例えば演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにて構成されており、記憶装置に記憶したプログラムを実行することによって、各種の制御を実行するようになっている。
【0031】
保管庫1には、複数のスタッカークレーンSと、当該スタッカークレーンSから物品Bを受け取って上流搬送コンベヤC10に渡す複数の出庫用コンベヤC1と、返送コンベヤC20から受けた物品BをスタッカークレーンSとの授受箇所に搬送する複数の入庫用コンベヤC2と、が設けられている。制御部Hは、保管庫1と、通信可能に接続されている。
【0032】
また、制御部Hは、上流搬送コンベヤC10、払出コンベヤC30、返送コンベヤC20、4つの一次ソート用コンベヤU、4つの二次ソート用コンベヤV、上流リフタL1、中間リフタL2、及び下流リフタL3と、通信可能に接続されている。
したがって、上流搬送コンベヤC10、払出コンベヤC30、返送コンベヤC20、4つの一次ソート用コンベヤU、4つの二次ソート用コンベヤV、上流リフタL1、中間リフタL2、及び下流リフタL3は、制御部Hによって制御される。
【0033】
また、制御部Hは、保管庫1から出庫する物品Bについて、
図4の表に示すように、物品Bを識別するための物品コードG1(物品情報に相当するものであり、例えばJANコード等。)と、払出コンベヤC30の下流側の端部Ceに到達させる順序である指定順序G2(すなわち、ピッキングロボットRにより荷をピッキングする順序。)と、物品Bが属するグループG3と、後述するソート符号G4とを記憶設定し、メモリ等に記憶している。制御部Hには、上位のコントローラ(図示せず)からの払出コンベヤC30の下流側の端部Ceに到達させる物品Bの情報(ここでは物品コードG1)及びそれら物品Bの指定順序G2が入力されている。そして、制御部Hは、物品Bの指定順序G2から、第3設定数以下の物品Bが属するグループG3と、グループG3に属する物品Bのソート符号G4とを設定する。
【0034】
このように、制御部Hは、払出コンベヤC30の下流側の端部Ceに到達させる物品Bについて、指定順序G2が先の物品Bから予め設定された第3設定数以下のグループG3を設定して管理している。各グループG3に属する物品数は、第1設定数に第2設定数を乗じた数以下である。本実施形態では、第1設定数「4」に第2設定数「4」を乗じた数「16」以下である「12」に設定されている。つまり、本実施形態では、制御部Hは、払出コンベヤC30の下流側の端部Ceに到達させる物品Bについて、指定順序G2が先の物品Bから12個単位でグループG3が形成されている。
【0035】
制御部Hは、払出コンベヤC30の下流側の端部Ceに到達させる物品Bの情報及びグループG3の情報を保管庫1に送信し、保管庫1は、上流搬送コンベヤC10のある地点(例えば、第1読取装置S1が設置されている地点)において、同じグループG3に属する複数の物品Bが連続した順序となる状態で物品Bが搬送されるように、物品Bを出庫する。
一方、グループG3内の物品Bの搬送順序は、
図5及び
図6に示すように、必ずしも指定順序G2通りに搬送されるわけではない。このため、上流リフタL1は、指定順序G2と異なる順序で物品Bを受け入れる場合があり、制御部Hは、保管庫1から出庫する物品Bについて、上述のソート符号G4に基づいて、物品並べ替え装置Eにより物品Bを指定順序G2に並べ替える処理を行う。
【0036】
このように、制御部Hは、物品収納棚Kから搬出される時点において物品収納棚Kから排出された物品Bの情報である搬出情報を取得しており、第2読取装置S2によって物品Bの物品情報が読み取られる前に、搬送情報に基づいて指定順序G2を設定する。本実施形態では、制御部Hは、1つグループG3に属する複数の物品Bのうちの上流搬送コンベヤC10において最も上流側の物品Bが、第2読取装置S2によって物品情報が読み取られる前に、当該グループG3に属する複数の物品Bについての指定順序G2を搬送情報に基づいて設定する。
【0037】
制御部Hは、第1読取装置S1によって物品情報が読み取られなかった物品Bは、排出装置Fによって上流搬送コンベヤC10から排出するように、上流搬送コンベヤC10を制御する。この上流搬送コンベヤC10から排出した物品Bは、排出コンベヤC40に渡され、この排出コンベヤC40、返送コンベヤC20、入庫用コンベヤC2の順に搬送されて、物品収納棚Kに戻される。また、制御部Hは、第1読取装置S1によって物品情報が読み取れた物品Bは、排出装置Fによって上流搬送コンベヤC10から排出しないように、上流搬送コンベヤC10を制御する。この上流搬送コンベヤC10から排出しなかった物品Bは、上流搬送コンベヤC10によって継続して搬送されて上流搬送コンベヤC10から上流リフタL1に渡される。
【0038】
そして、制御部Hは、第2読取装置S2によって物品情報が読み取られた物品Bについては、第2読取装置S2により読み取った物品情報に基づいて、指定順序G2で払出コンベヤC30から払い出すように整列部A及び払出コンベヤC30の作動を制御する。また、制御部Hは、第1読取装置S1により物品情報が読み取られ且つ第2読取装置S2により物品情報が読み取られなかった物品Bについては、第1読取装置S1により読み取った物品情報に基づいて、指定順序G2で払出コンベヤC30から払い出すように整列部A及び払出コンベヤC30の作動を制御する。
【0039】
以下、
図5及び
図6に基づいて、並べ替えの処理について説明する。
図6に示すように、ソート符号G4は、第1ソート符号G41と第2ソート符号G42との2つの符号の組み合わせで構成される。尚、
図6では、上流搬送コンベヤC10により搬送されている物品Bと、上流貯留部60に貯留されている物品Bと、下流貯留部70に貯留されている物品Bと、は同じ物品Bを示している。つまり、上流貯留部60や下流貯留部70に貯留されている物品Bは、上流搬送コンベヤC10により搬送されている物品Bを貯留した状態を示している。また、
図6に示す物品Bには、当該物品に付されている第1ソート符号G41と第2ソート符号G42とを示している。
【0040】
制御部Hは、指定順序G2が割り振られた物品Bについて、当該指定順序G2が早い物品B(先の物品B)から第2設定数ずつを同じ物品群に属する物品Bとし、同じ物品群に属する物品Bには同じ第1ソート符号G41(物品群識別情報)を付す。そして、制御部Hは、同じ第1ソート符号G41を有する物品Bについて、指定順序G2が早い物品Bから順に、設定振り分け順序を示す第2ソート符号G42(順序識別情報)を付す。設定振り分け順序とは、上流貯留部60の各段の一次ソート用コンベヤUに貯留されている同一の第1ソート符号G41の物品Bについて、中間リフタL2が下流貯留部70の各段の二次ソート用コンベヤVに振り分ける順序である。本実施形態では、設定振り分け順序は、二次ソート用第1コンベヤV1、二次ソート用第2コンベヤV2、二次ソート用第3コンベヤV3、二次ソート用第4コンベヤV4の順で設定される。
【0041】
制御部Hは、上流リフタL1により受け入れられた1つのグループG3に属する複数の物品Bを、複数の一次ソート用コンベヤUに分散して貯留させる場合には、同じ第1ソート符号G41の物品B(同じ物品群に属する物品B)が同じ一次ソート用コンベヤUに貯留され且つ異なる第1ソート符号G41の物品B(異なる物品群に属する物品B)が異なる一次ソート用コンベヤUに貯留されるように、上流リフタL1が受け入れた物品Bを上流貯留部60に搬送するよう、上流リフタL1及び一次ソート用コンベヤUの作動を制御する。これにより、
図6に示すように、上流貯留部60においては第1ソート符号G41(A,B,C)に基づいて一次ソート用コンベヤUに物品Bが貯留される。これにより、
図6の上流貯留部60において丸付き文字で示した順序で、物品Bが一次ソート用コンベヤUに貯留される。
【0042】
続いて、上流貯留部60に貯留されている1つのグループG3に属する複数の物品Bを下流貯留部70に搬送する場合には、同じ第1ソート符号G41の物品Bが異なる二次ソート用コンベヤVに貯留され且つ指定順序G2が先の第1ソート符号G41の物品Bが、指定順序G2が後の第1ソート符号G41の物品Bよりも下流側X2に貯留されるように、複数の一次ソート用コンベヤUに貯留されている物品Bを複数の二次ソート用コンベヤVに搬送するべく、一次ソート用コンベヤU、中間リフタL2、及び二次ソート用コンベヤVの作動を制御する。ちなみに、指定順序G2が早い物品Bを含む一次ソート用コンベヤUから順(図ではA、B、Cの順)に、一次ソート用コンベヤU単位で下流貯留部70に物品Bを引き渡す。
尚、上流貯留部60に貯留されている1つのグループG3に属する複数の物品Bの下流貯留部70への搬送の開始は、当該グループG3に属する複数の物品Bの全てが上流搬送コンベヤC10における第2読取装置S2に対応する位置を通過した後に開始する。つまり、当該搬送の開始は、1つのグループG3に属する複数の物品Bの全てが上流貯留部60に貯留される前に開始する。
【0043】
これにより、
図6の下流貯留部70において丸付き文字で示した順序で、物品Bが二次ソート用コンベヤVに貯留される。したがって、遅くとも第2ソート符号G42の個数分の物品Bが二次ソート用コンベヤVに分配された時点で、指定順序G2に従った連続した順序の物品Bが二次ソート用コンベヤVに1個ずつ貯留されているため、二次ソート用コンベヤVに貯留された先頭の物品Bを下流リフタL3によって1個ずつ払出コンベヤC30に引き渡すことで、ピッキングロボットRは、指定順序G2どおりに物品Bから荷をピッキングできる。
【0044】
すなわち、指定順序G2が割り振られた整列対象の複数の物品Bを複数の一次ソート用コンベヤUに分散して貯留させ、その後、複数の一次ソート用コンベヤUから複数の二次ソート用コンベヤVに搬送するように整列部Aの作動を制御するとともに、整列対象の複数の物品Bを複数の一次ソート用コンベヤUに分散して貯留させる場合には、二次ソート用コンベヤVの数と同数の物品Bからなる物品群に区分けした状態で、かつ、各物品群を構成する複数の物品Bに割り振られている指定順序G2が物品群内で連続している状態で、物品群単位で分散して貯留し、整列対象の複数の物品Bを一次ソート用コンベヤUから二次ソート用コンベヤVに搬送する場合には、物品群に含まれる物品Bの指定順序G2が早いものから順に、当該物品群を構成する複数の物品Bを、二次ソート用コンベヤVに、指定順序G2の早いものから順に分散して貯留させるように、整列部Aの作動を制御することになる。
【0045】
また、
図7に示すように、上流リフタL1により受け入れられた1つのグループG3に属する複数の物品Bに、当該グループG3に属さない物品B(予定外の物品B)が紛れている場合がある。この場合は、予定外の物品Bを、上流貯留部60と下流貯留部70とに順次搬送して払出コンベヤC30から払い出す。そして、この払出コンベヤC30から払い出された予定外の物品Bは、ピッキングロボットRによるピッキング作業の対象ならず、払出コンベヤC30を通過して物品収納棚Kに戻される。尚、
図7では、予定外の物品BをグループG3に属する物品Bとは別の形態で示しており、予定外の物品Bには、第1ソート符号G41や第2ソート符号G42を示していない。また、1つのグループG3の物品数は「16」に設定されており、1つのグループG3は、4つ(A,B,C,D)の物品群を有している。
【0046】
制御部Hは、予定外の物品Bを、上流貯留部60と下流貯留部70とに搬送することで、一次ソート用コンベヤU又は二次ソート用コンベヤVに存在する物品Bの数が各分岐貯留部における貯留可能な物品数を超える場合には、物品Bの搬送を停止して異常を報知する。本実施形態では、上流貯留部60における複数の一次ソート用コンベヤUのうちの貯留されている物品Bの数が最も少ない一次ソート用コンベヤUを選択し、その選択した一次ソート用コンベヤUに予定外の物品Bを搬送する。そして、予定外の物品Bを搬送することで、
図7に示すように、グループG3に属する物品B(
図7に示す例では第1ソート符号G41がBで且つ第2ソート符号G42が3の物品B)を一次ソート用コンベヤUに搬送した場合に、当該物品Bを搬送しようとする一次ソート用コンベヤU(
図7に示す例では一次ソート用第2コンベヤU2)の物品数が貯留可能な物品数を超える場合に、物品並べ替え装置Eを停止させて物品Bの搬送を停止すると共に、報知装置M(
図3参照)を作動させてエラーを報知する。尚、報知装置Mは、ブザーや回転灯等にて構成されており、作動させることで音や光によって周囲の作業者にエラーを報知可能に構成されている。
【0047】
2.その他の実施形態
次に、物品並べ替え装置のその他の実施形態について説明する。
【0048】
(1)上記実施形態では、第1読取装置S1により物品情報が読み取られ且つ第2読取装置S2により物品情報が読み取られなかった物品Bを、第1読取装置S1により読み取った物品情報に基づいて、物品Bを指定順序G2で払出コンベヤC30から払い出すように整列部A及び払出コンベヤC30の作動を制御したが、第2読取装置S2により物品情報が読み取られなかった物品Bを、予定外の物品Bと同様に、上流貯留部60と下流貯留部70とに順次搬送して払出コンベヤC30から払い出して、物品収納棚K又は上流搬送コンベヤC10へ戻すように、整列部A及び払出コンベヤC30の作動を制御するようにしてもよい。
【0049】
(2)上記実施形態では、排出装置Fは、第1読取装置S1により物品情報が読み取られなかった物品Bのみを上流搬送コンベヤC10から払い出したが、排出装置Fは、第1読取装置S1によって物品情報が読み取られなかった物品Bに加えて、第1読取装置S1により物品情報が読み取られたものの前後の物品Bの双方とグループG3が異なる物品Bを、上流搬送コンベヤC10から払い出すようにしてもよい。
【0050】
(3)上記実施形態では、一次ソート用コンベヤUを、第2設定数を超える物品Bを搬送方向Xに沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成し、上流貯留部60に、1つのグループG3に属する物品Bの数を超える数の物品Bを貯留可能としたが、上流貯留部60に、1つのグループG3に属する物品Bの数と同数の物品Bを貯留可能としてもよい。また、上流貯留部60に、1つのグループG3に属する物品Bを超える数の物品Bを貯留可能とする場合、一次ソート用コンベヤUを、第1設定数の2倍以上の物品Bを搬送方向Xに沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成し、上流貯留部60に、2つのグループG3に属する物品Bを貯留可能としてもよい。
また、上記実施形態では、第1設定数と第2設定数とを同じ数としたが、第1設定数と第2設定数とを異なる数としてもよい。
【0051】
(4)上記実施形態では、二次ソート用コンベヤVを、第1設定数の物品Bを搬送方向Xに沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成し、下流貯留部70に、1つのグループG3に属する物品Bの数と同数の物品Bを貯留可能としたが、二次ソート用コンベヤVを、第1設定数を超える数の物品Bを搬送方向Xに沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成し、下流貯留部70に、1つのグループG3に属する物品Bの数を超える数の物品Bを貯留可能としてもよい。また、二次ソート用コンベヤVを、第1設定数の未満の物品Bを搬送方向Xに沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成し、下流貯留部70に、1つのグループG3に属する物品Bの数未満の物品Bを貯留可能としてもよい。この場合、下流貯留部70から払出コンベヤC30への物品Bの搬送と、上流貯留部60から下流貯留部70への物品Bの搬送とを同時に行うことが考えられる。
【0052】
(5)上記実施形態では、複数の一次ソート用コンベヤUを、上下方向Z視で重複するように設置する例を示したが、複数の一次ソート用コンベヤUを、上下方向Z視で平行に並ぶように設置してもよい。また、複数の二次ソート用コンベヤVを、上下方向Z視で重複するように設置する例を示したが、複数の二次ソート用コンベヤVを、上下方向Z視で平行に並ぶように設置してもよい。これらの場合、上流リフタL1、中間リフタL2、及び下流リフタL3の夫々は、水平方向に物品Bを合流又は分岐搬送可能なコンベヤや自走台車とすることができる。
【0053】
(6)上記実施形態では、貯留搬送部を、搬送方向Xで最下流に配置された最終貯留部(下流貯留部70)と、当該最終貯留部の一つ上流側X1に配置された上流貯留部60との2段で構成する例を示したが、搬送貯留部を3つ以上備えて3段以上としてもよい。この場合には、指定順序G2が割り振られた物品Bに対して、指定順序G2に従って、1つの順序識別情報と2つの物品群識別情報とを付すことで、3段階の貯留搬送部の夫々において、各コンベヤ対して物品Bを分配することができる。この場合においても、最終分岐貯留部において指定順序G2の早いものから順に整列対象の複数の物品Bを分散して貯留させることで、受入部にて物品Bを受け入れてからできるだけ短時間で物品Bを払い出すことが可能となる。同様に、貯留搬送部をn段で構成した場合には、指定順序G2が割り振られた物品Bに対して、1つの順序識別情報とnー1個の物品群識別情報とを付すことになる。
【0054】
(7)上記実施形態では、物品並べ替え装置Eを、物品Bから荷をピッキングするピッキングロボットRを備えた物品保管設備に備える例を示したが、物品並べ替え装置Eを備える設備はこのような設備に限定されない。例えば、物品Bを処理する処理設備において、処理対象の物品Bを次の処理工程に必要な順序に並べ替えるために用いる等、各種の設備への適用が可能である。
【0055】
(8)上記実施形態では、上流リフタL1、上流貯留部60、中間リフタL2、下流貯留部70、及び払出コンベヤC30を、平面視で直線状に並ぶ配置で設け、物品Bを平面視で直緯線状の搬送方向に沿って搬送する構成を説明したが、このような構成に限定されるものではなく、上流貯留部60の搬送方向と下流貯留部70の搬送方向とを逆にして平面視又は側面視で物品Bの搬送方向が折り返す形態としたり、上流貯留部60の搬送方向と下流貯留部70の搬送方向とを平面視で交差させる形態で配置して、平面視で物品Bの搬送方向Xを屈曲させる形態としてもよい。
【0056】
(9)上記実施形態では、設定振り分け順序を、二次ソート用第1コンベヤV1、二次ソート用第2コンベヤV2、二次ソート用第3コンベヤV3、二次ソート用第4コンベヤV4の順で設定する例を示したが、設定振り分け順序はこのような順序に限定されるものではなく、任意に設定可能である。例えば、二次ソート用第4コンベヤV4、二次ソート用第3コンベヤV3、二次ソート用第2コンベヤV2、二次ソート用第1コンベヤV1の順で設定してもよいし、二次ソート用第4コンベヤV4、二次ソート用第1コンベヤV1、二次ソート用第2コンベヤV2、二次ソート用第3コンベヤV3の順で設定してもよい。
【0057】
(10)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0058】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品並べ替え装置の概要について説明する。
【0059】
物品並べ替え装置は、物品を受け入れる受入部と、物品を払い出す払出部と、前記受入部で受け入れた物品を前記払出部に搬送するとともに、前記受入部で受け入れた物品の順序を指定された指定順序に並べ替える整列部と、制御部と、を備え、前記整列部は、複数の物品を貯留自在でかつ搬送自在な貯留搬送部を、前記受入部から前記払出部へ向かう搬送方向に沿って並ぶ状態で複数備え、前記複数の貯留搬送部のうち前記搬送方向で最下流に配置されたものを最終貯留部とし、当該最終貯留部の一つ上流側に配置されたものを上流貯留部として、前記最終貯留部及び前記上流貯留部のそれぞれは、前記搬送方向に並列に分岐する複数の分岐貯留部を有し、前記上流貯留部が有する前記分岐貯留部である上流分岐貯留部の数である第1設定数と、前記最終貯留部が有する前記分岐貯留部である最終分岐貯留部の数である第2設定数と、は同数又は異なる数であり、前記受入部は、グループ単位で、グループ内の順序が前記指定順序とは異なる順序で物品を受け入れ、前記複数の上流分岐貯留部の夫々は、前記第2設定数以上の物品を前記搬送方向に沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成され、前記複数の最終分岐貯留部の夫々は、物品を前記搬送方向に沿って一列に並ぶ状態で貯留可能に構成され、前記グループの物品数は、前記第1設定数に前記第2設定数を乗じた数以下であり、前記グループの物品を、前記指定順序が先の物品から前記第2設定数ずつを同じ物品群に属するとして、前記制御部は、同じ前記物品群に属する物品が同じ前記上流分岐貯留部に貯留され且つ異なる前記物品群に属する物品が異なる前記上流分岐貯留部に貯留されるように、前記受入部が受け入れた物品を前記上流貯留部に搬送し、同じ前記物品群に属する物品が異なる前記最終分岐貯留部に貯留され且つ前記指定順序が先の前記物品群が前記指定順序が後の前記物品群よりも前記搬送方向の下流側に貯留されるように、前記上流貯留部に貯留されている物品を前記最終貯留部に搬送し、前記最終貯留部に貯留されている物品を前記指定順序で前記払出部から払い出すように、前記整列部及び前記払出部を制御する。
【0060】
この構成によれば、受入部に受け入れた1つのグループに属する物品は、第1設定数の上流分岐貯留部に搬送される。このとき、同じ物品群に属する物品が同じ上流分岐貯留部に貯留され且つ異なる物品群に属する物品が異なる上流分岐貯留部に貯留される。このように、1つのグループに属する物品を第1設定数の上流分岐貯留部に貯留することで、これらの物品を第2設定数の最終分岐貯留部に搬送する場合に、同じ物品群に属する物品が異なる最終分岐貯留部に貯留され且つ指定順序が先の物品群が指定順序が後の物品群よりも搬送方向の下流側に貯留されるように、搬送できる。そして、このように、1つのグループに属する物品を第2設定数の最終分岐貯留部に貯留することで、これらの物品を払出部から指定順序で払い出すことができる。
【0061】
従って、受入部で受け入れた物品が指定順序に並んでいなかったとしても、整列部において所定の順序に並べ替えることができる。よって、受入部にて物品を受け入れてから比較的短時間で払い出すことが可能な物品並べ替え装置を提供できる。
【0062】
ここで、前記上流貯留部に貯留可能な物品の数が、前記最終貯留部に貯留可能な物品の数より多いと好適である。
【0063】
この構成によれば、上流貯留部に貯留可能な物品の数に余裕を持たせているので、グループ単位で搬送される複数の物品の間に、別のグループの物品やグループが不明な物品などの予定外の物品が混入していた場合であっても、当該予定外の物品を上流貯留部に貯留することができる。そのため、予定外の物品が混入していた場合であっても、上流貯留部が物品で一杯になってしまうことによって物品を最終貯留部に搬送できない状態となる可能性を低減することができる。
【0064】
また、物品を収納する物品収納棚から搬出された物品を前記受入部に搬送する搬送コンベヤを更に備え、前記搬送コンベヤは、同じ前記グループに属する複数の物品が連続した順序となるように、物品を搬送すると好適である。
【0065】
この構成によれば、受入部では同じグループに属する複数の物品が連続した順序で受け入れられるため、搬送コンベヤにより搬送されている物品を同じ前記グループに属する複数の物品が連続した順序となるように並べ替える必要がない。そのため、物品の受入部への搬送を効率よくできる。
【0066】
また、前記搬送コンベヤにより搬送されている物品に付与された物品情報を読み取る読取装置が備えられ、前記制御部は、前記読取装置が読み取った前記物品情報に基づいて、物品を前記指定順序で前記払出部から払い出すように前記整列部及び前記払出部の作動を制御するとともに、前記読取装置により前記物品情報が読み取られなかった物品を、前記上流貯留部と前記最終貯留部とに順次搬送して前記払出部から払い出すように、前記整列部及び前記払出部の作動を制御すると好適である。
【0067】
この構成によれば、読取装置によって物品情報が読み取られなかった物品は、上流貯留部と最終貯留部とに順次搬送して払出部から払い出し、物品収納棚又は搬送コンベヤに戻される。このように、グループ単位で搬送される複数の物品の間に、読取装置によって物品情報が読み取られなかった物品が混入していた場合であっても、当該物品情報が読み取られなかった物品を払出部から払い出すことができる。そのため、読取装置によって物品情報が読み取られなかった物品が混入していた場合であっても、物品並べ替え装置を停止させる必要がなく、物品並べ替え装置における物品の並べ替えを継続して行うことができる。また、読取装置によって物品情報が読み取られなかった物品の払い出しに上流貯留部と最終貯留部とを利用することで、当該物品を払い出すための専用の装置が必要ない為、物品並べ替え装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0068】
また、前記制御部は、前記読取装置により前記物品情報が読み取られなかった物品を、前記上流貯留部と前記最終貯留部とに搬送することで、前記上流分岐貯留部又は前記最終分岐貯留部に存在する物品の数が各分岐貯留部における貯留可能な物品数を超えた場合には、物品の搬送を停止して異常を報知すると好適である。
【0069】
上流分岐貯留部又は最終分岐貯留部に存在する物品の数が各分岐貯留部における貯留可能な物品数を超える場合は、上流分岐貯留部や最終分岐貯留部に物品を搬送できなくなり、整列部における物品の並べ替えを継続できない場合がある。このような場合、この構成によれば、物品の搬送を停止すると共に異常を報知するので、迅速な対応が可能となる。
【0070】
また、前記読取装置を、第2読取装置とし、前記搬送コンベヤにより搬送されている物品に付与された前記物品情報を前記第2読取装置より前記搬送方向の上流側で読み取る第1読取装置と、前記搬送方向において前記第1読取装置と前記第2読取装置との間に設置された排出装置と、を備え、前記排出装置は、前記第1読取装置により前記物品情報が読み取られなかった物品を前記搬送コンベヤから排出し、前記制御部は、前記第1読取装置により前記物品情報が読み取られ且つ前記第2読取装置により前記物品情報が読み取られなかった物品については、前記第1読取装置により読み取った前記物品情報に基づいて、前記指定順序で前記払出部から払い出すように前記整列部及び前記払出部の作動を制御すると好適である。
【0071】
この構成によれば、第1読取装置により物品情報が読み取られなかった物品は、受入部に搬送される前に排出装置によって搬送コンベヤから排出される。そのため、物品情報が不明な物品が整列部まで搬送されることを規制できる。また、第2読取装置により物品情報が読み取られなかった場合でも、第1読取装置により物品情報が読み取られた場合には、当該物品情報に基づいて物品の並べ替えを行う。従って、整列部における物品の並べ替えを円滑に行い易くなる。
【0072】
また、前記制御部は、前記物品収納棚から搬出された物品の情報である搬出情報を取得し、物品が前記読取装置によって物品の前記物品情報が読み取られる前に、前記搬出情報に基づいて前記指定順序を設定すると好適である。
【0073】
この構成によれば、読取装置によって読み取った物品情報に基づいて指定順序を設定する場合に比べて比較的早い段階で指定順序を設定できるため、受入部に受け入れた物品の並べ替えを早期に開始できる。