【実施例】
【0047】
[II.実施例]
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において、パラメータの測定される対象となるダンボール材(以下「測定ダンボール材」と称する)は、両面ダンボールのシートである。
この測定ダンボール材は、下記のサイズである。
・ サ イ ズ :縦寸法1300[mm],
横寸法1150[mm],
高さ寸法1800[mm]
【0048】
実施例1〜6および比較例7,8では、以下に示す三種のフルートのうち何れか一つのフルートを採用した。
・ A フルート
・ B フルート
・ E フルート
【0049】
実施例1〜6および比較例7,8のそれぞれで表ライナおよび裏ライナには、下記の品番「No.1」〜「No.6」のうち何れか一つのライナ原紙を用いた。
・No.1:坪量120[g/m
2],フリーネス400[ml]
・No.2:坪量160[g/m
2],フリーネス400[ml]
・No.3:坪量170[g/m
2],フリーネス400[ml]
・No.4:坪量210[g/m
2],フリーネス400[ml]
・No.5:坪量120[g/m
2],フリーネス300[ml]
・No.6:坪量120[g/m
2],フリーネス600[ml]
【0050】
品番「No.1」のライナ原紙は、フリーネスが400[ml]の針葉樹クラフトパルプおよびダンボール古紙パルプを原料とし、多層抄き抄紙機を使用して抄紙を行って三層で構成されるダンボール用ライナ原紙として作成された。抄紙条件は、カチオン性の紙力増強剤を紙層の全パルプの合計100[質量部]に対して、0.5[質量部]で含有し、表層のパルプのうち、針葉樹クラフトパルプを10[質量%]の割合で含有した。なお、カチオン性の紙力増強剤は全て表層に含有させた。また、針葉樹クラフトパルプは紙層の全パルプのうち6[質量%]であった。
【0051】
品番「No.2」のライナ原紙は、坪量を160[g/m
2]に変更した以外は、「No.1」のライナ原紙と同様の作成方法で作成された。
品番「No.3」のライナ原紙は、表層のパルプのうち針葉樹クラフトパルプが含有される割合を50[質量%]に変更し、坪量を170[g/m
2]に変更した以外は、「No.1」のライナ原紙と同様の作成方法で作成された。
品番「No.4」のライナ原紙は、坪量を210[g/m
2]に変更した以外は、「No.1」のライナ原紙と同様の作成方法で作成された。
【0052】
品番「No.5」のライナ原紙は、針葉樹クラフトパルプおよびダンボール古紙パルプのフリーネスを300[ml]に変更した以外は、「No.1」のライナ原紙と同様の作成方法で作成された。
品番「No.6」のライナ原紙は、針葉樹クラフトパルプおよびダンボール古紙パルプのフリーネスを600[ml]に変更した以外は、「No.1」のライナ原紙と同様の作成方法で作成された。
【0053】
「フリーネス」は原紙の原料をなすパルプが叩解される程度を表すパラメータである。
パルプの叩解とは、パルプ繊維を叩き、磨砕(摩砕)する機械的処理であり、周知のリファイナー(機械的処理設備)を用いて実施される。フリーネスの値はリファイナーの設定により調節され得る。
パルプを叩解する工程(叩解工程)は、原紙の製造工程における抄紙工程の直前に実施される。この叩解工程では、抄紙に用いられるパルプの叩解のほか、パルプに薬品を配合する処理などが施される。
【0054】
実施例1〜6および比較例7,8のそれぞれで中芯には、下記の品番「No.7」,「No.8」のうち何れか一つの中芯原紙を用いた。
・No.7:坪量120[g/m
2]〔OND−EM120:王子マテリア株式会社
製〕
・No.8:坪量160[g/m
2]〔OND−EM160:王子マテリア株式会社
製〕
実施例1〜6および比較例7,8の測定ダンボール材のそれぞれは、表3に示す総厚[mm]を有する両面ダンボールである。
【0055】
【表3】
【0056】
上記の実施例1〜6および比較例7,8のそれぞれについて、表3に示す動的粘弾性(弾性率E′,損失弾性率E′′およびtanδの三種の値)が測定された。
実施例1〜6および比較例7,8のそれぞれでは、ライナ原紙のフリーネスを調節することで、弾性率E′の値を変化させており、その結果tanδの値が調節されている。
【0057】
動的粘弾性は、下記の手順A1〜A5で、実施例1〜6および比較例7,8のそれぞれの測定ダンボール材から取り出された測定用サンプル片(測定片)を用いて測定された。
【0058】
手順A1:測定ダンボール材の全段数のうち半分の段数(すなわち真ん中の段)を基
準に真ん中の段よりも上方の任意の段から測定用シートを切り出す。具体
的には、測定ダンボール材の全段数Mが奇数の場合、測定ダンボール材の
全段数のうち半分の段数M/2を四捨五入した段(すなわち真ん中の段)
を基準にシートを採取し、測定ダンボール材の全段数Mが偶数の場合、測
定ダンボール材の全段数のうち半分の段数[(M/2)+1]を基準にシ
ートを採取した。なお、シートを採取するときに、傷や凹みの無い(また
は少ない)段を選定するように注意した。
手順A2:手順A1で採取した測定用シートを、水道水に15[分]間浸漬する。
手順A3:手順A2で浸漬された測定用シートを水道水から取り出して、取り出した
測定用シートのライナ原紙(表ライナおよび裏ライナ)のそれぞれを、ラ
イナ原紙が破れないよう、手で剥がすことで中芯原紙から分離する。
手順A4:手順A3で分離したライナ原紙を105[°]の乾燥機で20[分]間乾
燥する。
手順A5:手順A4で乾燥されたライナ原紙から下記の寸法の測定用サンプル片を切
り出す。
>寸法
・縦方向:5[mm]
・横方向:30[mm]
【0059】
上記の手順A5で切り出した測定用サンプル片について、下記の機器を用いて下記の条件で、動的粘弾性(弾性率E′,損失弾性率E′′,tanδ)が測定された。測定には、表ライナのライナ原紙から切り出された測定用サンプル片を用いた。なお、裏ライナのライナ原紙から切り出された測定用サンプル片を用いた場合であっても、表ライナの測定用サンプル片を用いた場合と測定結果に差異が生じない、または、略生じない。
>機器
動的粘弾性測定装置
株式会社ユービーエム製,型番Rheogel−E4000
>条件
・測定手法:引張剪断モード
・ 周波数 :100 [Hz](振動条件)
・ 歪 み :0.10[%]
・ 温 度 :25 [℃](温度条件)
【0060】
――評価――
上記のようにして動的粘弾性が測定された実施例1〜6および比較例7,8について、つぎに説明するスタッキング性と罫割性とを評価した。
「スタッキング性」は、測定ダンボール材が蛇腹折りに折り畳まれた(スタッキングされた)際の荷姿の良否に対応する評価基準であり、シートを折目で折り返した状態の保持する性能(折り返し保持性)とも言える。
「罫割性」は、測定ダンボール材を折目で折り返した状態で、折目の箇所における破損(罫割れ)のしにくさに対応する評価基準である。破損は折目の箇所でのライナ原紙の割れ,裂け,破れなどを含む。折目の箇所とは折目の周辺を含む領域である。
【0061】
評価対象となる測定ダンボール材は、下記の製造工程で製造された両面ダンボールウェブを下記の折畳工程で蛇腹折りに折り畳んで製造されたものである。
製造工程は下記の手順B1〜B4を備える。この製造工程で両面ダンボールウェブの製造には、シングルフェーサとダブルフェーサとを備える周知のコルゲータが用いられる。
【0062】
・手順B1:中芯用原紙ロールから供給された中芯原紙に段目(波目)を形成し、形
成した段目の段頂に接着剤を塗工する。
・手順B2:手順B1で接着剤を塗布した中芯原紙に対して裏ライナ用原紙ロールか
ら供給された裏ライナ用のライナ原紙を貼合し、これをロールで加圧お
よび加熱して接着し、片面ダンボールウェブを形成する(シングルフェ
ーサでの処理)。
・手順B3:手順B2で形成した片面ダンボールウェブの中芯側に、表ライナ用原紙
ロールから供給された表ライナ用のライナ原紙を接着剤で貼合し、これ
を加圧および加熱ロールで加圧および加熱して接着し、両面ダンボール
ウェブを作成する(ダブルフェーサでの処理)。
・手順B4:手順B3で作成した両面ダンボールウェブに対して、延在方向に一定間
隔で離間して幅方向に延びる折目を形成する。
【0063】
上記の手順B2,B3において加圧および加熱は、例えば下記の条件で実施される。
>手順B2(シングルフェーサ)
・加熱温度120〜200[℃]
・ロール線圧20〜40[kN/m]
・加圧時間0.01〜0.20[秒]、
>手順 B3 (ダブルフェーサ)
・加熱温度120〜200[℃]
・ロール線圧0.1〜1.0[kN/m]
・加圧時間2〜7[秒]
【0064】
手順B1,B2でライナ原紙と中芯原紙とを貼合する接着剤には通常用いられるワンタンク方式の澱粉糊を使用した。
なお、ライナ原紙と中芯原紙とを貼合には、合成樹脂などのエマルジョンが使用されてもよい。合成樹脂の具体例としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリエステル,エチレン−不飽和カルボン酸共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,ブタジエン−アクリロニトリル共重合体,スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体,ポリ酢酸ビニル,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリアクリル酸エステル系共重合体,スチレン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
【0065】
そのほか、手順B1,B2でライナ原紙と中芯原紙とを貼合する方法として、ライナ原紙または中芯原紙に対して押出ラミネートや合成樹脂エマルジョンの塗工などを施すことにより接着剤層を形成してから、ライナ原紙と中芯原紙とを重合する方法や,ライナ原紙および中芯原紙の間に合成樹脂フィルムを介在させてこれらを加圧および加熱して接着する方法が採用されてもよい。
【0066】
上記の製造工程で作成された両面ダンボールウェブは、下記の手順C1,C2を備える折畳工程で蛇腹折りに折り畳まれる。この折畳工程では下記の折り畳み装置を下記の条件で用いる。
・折り畳み装置:BHS Corrugated Machinery 社製
品番「AS−F」,
・ 搬 送 速 度:100[m/min]
・手順C1:手順B4の後、作成された両面ダンボールウェブを上記の折り畳み装置
へ搬送する(
図2の搬送パート50Aを参照)。
・手順C2:手順C1で搬送された両面ダンボールウェブを折目で交互に折り返して
、蛇腹折りに折り畳み、上述した荷姿寸法の蛇腹折りの測定ダンボール
材を作成する(
図2のフォールディングパート50B,スタッキングパ
ート50Cを参照)。
【0067】
スタッキング性の評価では、上記の手順C2で作成された測定ダンボール材の外観を目視で確認し、以下の基準で評価した。
・○:測定ダンボール材が作成可能であり、何れの折目にも隙間〔
図3(b)の
符号Sを参照〕が生じていない。
・△:測定ダンボール材が作成可能であるが、一[個]以上の折目に隙間〔
図3
(b)の符号Sを参照〕が生じた。
・×:測定ダンボール材が作成できなかった。
スタッキング性の評価では「△」以上を良好な評価とした。
【0068】
罫割性の評価では、上記の手順C2で作成された測定ダンボール材で折目の箇所に罫割れが生じている否かを目視確認し、確認結果を以下の基準で評価した。「折目の箇所」は、上記のように、折目の周辺を含む領域である。
・○:全ての折目に罫割がみられなかった。
・△:一[個]以上の折目で幅方向の一部分に罫割れが一[個]以上みられた。
・×:一[個]以上の折目で幅方向の全幅にわたり罫割れが一[個]以上みられた。
罫割性の評価では「△」以上を良好な評価とした。
【0069】
実施例1〜6では弾性率E′が1.00×10
9[Mpa]以上であって8.00×10
9[Mpa]以下であり、tanδが2.50×10
-2以上であって1.50×10
-1以下であり、スタッキング性および罫割性について「△」以上の評価が得られた。
特に、弾性率E′が3.00×10
9[Mpa]以下であってtanδが7.00×10
-2以上である実施例1,2,5,6では、罫割性について「△」の評価だったが、スタッキング性について「〇」の評価が得られた。
また、弾性率E′が4.00×10
9[Mpa]以上であってtanδが4.00×10
-2以下である実施例3,4ではスタッキング性について「△」の評価だったが、罫割性について「〇」の評価が得られた。
【0070】
一方、弾性率E′が1.00×10
9[Mpa]未満または8.00×10
9[Mpa]よりも大きく、tanδが2.50×10
-2未満または1.50×10
-1よりも大きい比較例7,8では、スタッキング性または罫割性について「×」の評価が得られた。
弾性率E′が8.00×10
9[Mpa]より大きくtanδが2.50×10
-2未満である比較例7では、罫割性について「〇」の評価が得られたがスタッキング性について「×」の評価が得られた。また、弾性率E′が1.00×10
9[Mpa]未満でtanδが1.50×10
-1より大きい比較例8では、スタッキング性について「〇」の評価が得られたが罫割性について「×」の評価が得られた。
【0071】
比較例7,8に鑑みて実施例1〜6からは、弾性率E′が1.00×10
9[Mpa]以上であって8.00×10
9[Mpa]以下であり、tanδが2.50×10
-2以上であって1.50×10
-1以下であれば、測定ダンボール材を折目で折り返した際に折目における折り返しの開きが抑制されるとともに、折目での罫割れが抑制されると言える。
さらに、実施例1,2,5,6からは、弾性率E′が3.00×10
9[Mpa]以下であってtanδが7.00×10
-2以上であれば、測定ダンボール材を折目で折り返した際に折目での折り返しが開くことを防止できると言える。実施例3,4からは、弾性率E′が4.00×10
9[Mpa]以上であってtanδが4.00×10
-2以下であれば、測定ダンボール材を折目で折り返した際に折目での罫割れを防止できると言える。
【0072】
比較例7からは、弾性率E′が8.00×10
9[Mpa]より大きくtanδが2.50×10
-2未満であることにより、折目で折り曲げられた際にライナ原紙をなすパルプ繊維が伸びた状態で留まらずに折目を開こうとする反発力が大きくなり、スタッキング性が不良となるものと推測される。
比較例8からは、弾性率E′が1.00×10
9[Mpa]未満でtanδが1.50×10
-1より大きいことにより、ライナ原紙をなすパルプ繊維が伸びた状態で折目Fに折り曲げによる外力が加わり、罫割性が不良になるものと推測される。
【0073】
そのほか、実施例1〜6よりもフリーネスの値が小さい比較例7と、実施例1〜6よりもフリーネスの値が大きい比較例8とから、フリーネスの値が小さいほど弾性率E′の値が大きくなりtanδの値が小さくなって、フリーネスの値が大きいほど弾性率E′の値が小さい大きくなりtanδの値が大きくなることが見て取れる。
比較例7,8に鑑みて実施例1〜6からはフリーネスの値が350[ml]以上であり500[ml]以下であれば、弾性率E′が1.00×10
9[Mpa]以上であって8.00×10
9[Mpa]以下であり、tanδが2.50×10
-2以上であって1.50×10
-1以下の範囲内に調節されると言える。
【0074】
互いにフリーネスが共通する実施例1〜6のうち、実施例1とは針葉樹クラフトパルプの割合とライナ原紙の坪量とが異なる実施例3や、実施例1とはライナ原紙の坪量が異なる実施例4からは、針葉樹クラフトパルプの割合やライナ原紙の坪量が大きいほど弾性率E′の値が大きくなりtanδの値が小さくなる傾向があると推測される。
なお、損失弾性率E′′については、実施例1〜6から、1.50×10
8[Mpa]以上であって2.50×10
8[Mpa]以下の範囲内であることが好ましいと推測される。
【0075】
[III.変形例]
上述の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
【0076】
たとえば、ダンボール材は蛇腹折りされたダンボール材1に限らず、枚葉シート状のダンボール材であってもよい。ダンボール材には、中芯に対して片側にライナが設けられた片面ダンボールが用いられてもよい。ダンボールを蛇腹折りに折り畳む装置は
図2に例示した構造に限定されない。どのような構造の折り畳み装置を用いて蛇腹折りされたダンボール材でも上述の課題I,IIが生じ得る。
ダンボール材が製函システム用の資材である場合には、意図的に形成された切れ込みやミシン目などの追加加工が折目に施されていないことが好ましく、ダンボール材におけるライナの表層に設けられる罫線を起点(たとえば罫線を内側)に180[°]折り返される箇所が折目であることが好ましい。一方、ダンボール材が製函システム用以外の資材である場合には、切れ込みやミシン目などの加工が折目に施されていてもよい。
【0077】
上述した蛇腹折りのダンボール材の用途は、製函システムに適用される製函用資材としての用途に限らない。
蛇腹折りのダンボール材には、従来の枚葉のダンボールシートと異なる、複数のシートが折目を介して連設された構造を活かした様々な活用方法がある。
例えば、蛇腹折りのダンボール材は、シートを展開した状態で、延在する方向の寸法が大きいウェブ状の紙資材として扱うこともできる。
【0078】
ウェブ状の紙資材として利用方法としては、例えば下記の用途を例に挙げることができる。
災害用品としての利用:窓に貼り付けることで、台風時の窓割れ対策に利用で
きるほか、避難所でのプライバシー保護やストレス軽
減用のパーテーションとしての利用や、緩衝材や冷え
対策用の敷物として利用可能である。
イベント行事での利用:イベントや学校行事の看板等の創作物に利用可能であ
る。
建築/引越資材としての利用:建築現場や引越し現場で一時的にドアや壁、扉などを
守る必要がある場合、対象物に貼り付けるタイプの保
護材(養生材)として活用可能である。対象物に巻き
付けるタイプの保護材(梱包資材)として利用するこ
ともできる。
何れの利用方法においても、複数のシートが折目を介して連設された構造であることで、作業効率向上や、延在する方向の寸法を確保できるという利点がある。
【0079】
[IV.付記]
以上の実施形態に関する付記を開示する。
〔付記1〕
中芯に対してライナを貼合したダンボールを用いており、帯状に連続する前記ダンボールを交互に折り返して積み重ねられた蛇腹折りであるダンボール材であって、
前記ライナから切り出した測定片を25[℃]の温度条件のもと周波数100[Hz]の振動条件の引張剪断モードで測定された動的粘弾性が所定の範囲内であり、
前記動的粘弾性は、弾性率E′と、前記弾性率E′に対する損失弾性率E′′の比率であるtanδとの値により規定されており、
前記所定の範囲は、
前記弾性率E′が1.00×10
9[Mpa]以上であって3.00×10
9[Mpa]以下であり、
前記tanδが7.00×10
-2以上であって1.50×10
-1以下であって、
前記ライナをなす原紙の坪量が120[g/m
2]以上であって210[g/m
2]以下である
ことを特徴とするダンボール材。
〔付記2〕
前記ダンボールがAフルート、BフルートまたはEフルートである
ことを特徴とする付記1に記載のダンボール材。
〔付記3〕
前記ライナをなす前記原紙に用いるパルプのフリーネスが350[ml]以上であって500[ml]以下である
ことを特徴とする付記1または2に記載のダンボール材。
〔付記4〕
前記中芯の両側に対して前記ライナを貼合した両面ダンボールを前記ダンボールとして用いた
ことを特徴とする付記1または2に記載のダンボール材。
〔付記5〕
中芯に対してライナを貼合したダンボールを用いており、帯状に連続する前記ダンボールを交互に折り返して積み重ねられた蛇腹折りであるダンボール材であって、
前記ライナから切り出した測定片を25[℃]の温度条件のもと周波数100[Hz]の振動条件の引張剪断モードで測定された動的粘弾性が所定の範囲内であり、
前記動的粘弾性は、弾性率E′と、前記弾性率E′に対する損失弾性率E′′の比率であるtanδとの値により規定されており、
前記所定の範囲は、
前記弾性率E′が1.00×10
9[Mpa]以上であって3.00×10
9[Mpa]以下であり、
前記tanδが7.00×10
-2以上であって1.50×10
-1以下であることを特徴とするダンボール材。
〔付記6〕
前記ライナをなす原紙に用いるパルプのフリーネスが350[ml]以上であって500[ml]以下である
ことを特徴とする付記5に記載のダンボール材。
〔付記7〕
前記中芯の両側に対して前記ライナを貼合した両面ダンボールを前記ダンボールとして用いた
ことを特徴とする付記5または6に記載のダンボール材。