特許第6841590号(P6841590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6841590
(24)【登録日】2021年2月22日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20210301BHJP
【FI】
   A63F5/04 620
【請求項の数】2
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2015-192533(P2015-192533)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-64004(P2017-64004A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 昇平
【審査官】 酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−024188(JP,A)
【文献】 特開2015−144956(JP,A)
【文献】 特許第5771723(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、
小役及びリプレイを含む複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチと、
前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチと、
前記スタートスイッチによる前記開始操作の検出に基づいて、前記複数のリールを回転させ、前記ストップスイッチによる前記停止操作の検出及び前記内部抽選手段により決定された前記内部抽選の結果に基づいて、回転中の前記リールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
前記複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、
通常状態と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態と、の間で移行させる状態制御手段と、
前記状態制御手段によって変更される値を記憶する制御カウンタを複数有するカウンタ記憶手段と、を備え、
前記カウンタ記憶手段は、
記憶する値が第1の値となった場合に、前記有利状態を継続させないことを判定する第1制御カウンタと、
記憶する値が第2の値となった場合に、前記有利状態を継続させることを判定する第2制御カウンタと、を有し、
前記状態制御手段は、
前記有利状態の継続に係る処理を実行する確率変更する処理を実行可能であり、
前記第1制御カウンタの値が変更される場合に、前記有利状態の継続に係る処理を実行する確率を変更する処理を実行可能である、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、
小役及びリプレイを含む複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチと、
前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチと、
前記スタートスイッチによる前記開始操作の検出に基づいて、前記複数のリールを回転させ、前記ストップスイッチによる前記停止操作の検出及び前記内部抽選手段により決定された前記内部抽選の結果に基づいて、回転中の前記リールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
前記複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、
通常状態と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態と、の間で移行させる状態制御手段と、
前記状態制御手段によって変更される値を記憶する制御カウンタを複数有するカウンタ記憶手段と、を備え、
前記カウンタ記憶手段は、
記憶する値が第1の値となった場合に、前記有利状態を継続させないことを判定する第1制御カウンタと、
記憶する値が第2の値となった場合に、前記有利状態を継続させることを判定する第2制御カウンタと、を有し、
前記状態制御手段は、
前記有利状態の継続に係る処理を実行する確率変更する処理を実行可能であり、
前記第2制御カウンタの値が変更される場合に、前記有利状態の継続に係る処理を実行する確率を変更する処理を実行可能である、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機の一部においては、役の入賞を補助する入賞補助演出を実行する演出状態として、アシストタイム状態を実行することによって、遊技媒体を獲得しやすくすることができる構成が知られている。また、アシストタイム状態が発生するか否かの判定が、所定の回数の遊技において実行される2体のキャラクタの戦闘の結果に依存すると共に、上記戦闘において、アシストタイム状態が発生すると判定する確率を上昇させるアイテムが設けられた遊技機が提案されている(特許文献1参照)。上記遊技機では、2体のキャラクタの内、一方のキャラクタが戦闘に勝利することによって、アシストタイム状態が発生する。その一方のキャラクタが戦闘に勝利する確率は、戦闘の間の入賞に応じて上昇する。入賞が発生しなかった際にも、遊技者が所持するアイテムを使用するか否かを決める抽選が実行され、その抽選の結果に基づいてアイテムが使用されることによって、その一方のキャラクタが戦闘に勝利する確率は上昇する。アイテムは、遊技者が戦闘の間に入賞したことを契機として実行される抽選によって獲得可能である。また、アイテムは複数種類あり、アイテムの種類ごとに獲得できる確率は異なると共に、上記確率は、入賞した役ごとに異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−250953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遊技機においては、遊技者がアイテムを獲得できる確率は、入賞した役の種類によって変化するが、入賞した役の種類ごとに設定された上記確率は、遊技ごとに変化しない。このため、アシストタイム状態が発生するか否かの判定に係る戦闘の進行が単調になりやすく、アシストタイム状態に関する制御に対する遊技者の興趣が欠けてしまうという虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、終了後をアシストタイム状態にするか否かを判定する判定状態が単調になることを防止して、遊技者の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明は、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリール(R1,R2,R3)と、
小役及びリプレイを含む複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(115)と、
遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチ(230)と、
前記複数のリール(R1,R2,R3)に対応して設けられ、各リール(R1,R2,R3)を停止させるための停止操作を検出するストップスイッチ(240)と、
前記スタートスイッチ(230)による前記開始操作の検出に基づいて、前記複数のリール(R1,R2,R3)を回転させ、前記ストップスイッチ(240)による前記停止操作の検出及び前記内部抽選手段(115)により決定された前記内部抽選の結果に基づいて、回転中の前記リール(R1,R2,R3)を停止させる制御を行うリール制御手段(120)と、
前記複数のリール(R1,R2,R3)が停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン(L1)上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段(125)と、
通常状態と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態と、の間で移行させる状態制御手段(200)と、
前記状態制御手段(200)によって変更される値を記憶する制御カウンタを複数有するカウンタ記憶手段(160)と、を備え、
前記カウンタ記憶手段(160)は、
記憶する値が第1の値となった場合に、前記有利状態を継続させないことを判定する第1制御カウンタ(160A)と、
記憶する値が第2の値となった場合に、前記有利状態を継続させることを判定する第2制御カウンタ(160B)と、を有し、
前記状態制御手段(200)は、
前記有利状態の継続に係る処理を実行する確率変更する処理を実行可能であり、
前記第1制御カウンタの値又は前記第2制御カウンタの値が変更される場合に、前記有利状態の継続に係る処理を実行する確率を変更する処理を実行可能である、ことを特徴とする。
【0010】
本発明では、第1制御カウンタの値又は第2制御カウンタの値が変更される場合に、利状態の継続に係る処理を実行する確率変更する処理を実行可能であり、これにより、有利状態を継続する確率が変更される。このため、有利状態が継続される処理が単調になることが防止され、遊技者の興趣が向上される。
【0011】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、終了後をアシストタイム状態にするか否かを判定する判定状態が単調になることを防止して、遊技者の興趣を向上させることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図3】(A)は、本発明の実施形態の遊技機において通常状態及びボーナス成立状態で当選する打順ベル1〜打順ベル8と共通ベル役との当選態様、特にストップボタンの押下順序と入賞役との関係を説明する図、(B)は、ボーナス状態で当選するJAC1及びJAC2の当選態様を説明する図である。
図4】(A)は、本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図、(B)は、アシストタイム状態制御手段が制御するアシストタイム状態に関する状態遷移図である。
図5】本発明の実施形態の遊技機の第1アシストタイム状態においてアシストタイム状態制御手段が実行する制御処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態の遊技機の第1テーブルを示す図である。
図7】本発明の実施形態の遊技機の第1テーブル選択抽選用テーブルを示す図である。
図8】本発明の実施形態の遊技機の第2テーブルを示す図である。
図9】本発明の実施形態の遊技機のポイント初期設定テーブルを示す図である。
図10図5に示した第1アシストタイム状態処理において実行される第1制御カウンタ変更処理を示すフローチャートである。
図11】(A)は、本発明の実施形態の遊技機の第1制御カウンタ変更抽選テーブル選択用テーブルを示す図、(B)は、第2制御カウンタ変更抽選テーブル選択用テーブルを示す図である。
図12】(A)は、本発明の実施形態の遊技機の第1制御カウンタ変更抽選テーブルを示す図、(B)は、第2制御カウンタ変更抽選テーブルを示す図である。
図13図5に示した第1アシストタイム状態処理において実行される第2制御カウンタ変更処理を示すフローチャートである。
図14図5に示した第1アシストタイム状態処理において実行される第1アシストタイム終了判定処理を示すフローチャートである。
図15図14に示した第1アシストタイム終了判定処理において実行される確率変更処理を示すフローチャートである。
図16】本発明の実施形態の遊技機の第3確率変更抽選テーブルを示す図である。
図17】本発明の実施形態の遊技機の第4確率変更抽選テーブルを示す図である。
図18図14に示した第1アシストタイム終了判定処理において実行されるポイント増加処理を示すフローチャートである。
図19】(A)は、本発明の実施形態の遊技機の通常ポイント増加抽選テーブルを示す図、(B)は、特別ポイント増加抽選テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0015】
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0016】
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0017】
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
【0018】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0019】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が後述する通常状態、ボーナス成立状態及びボーナス状態のいずれの遊技状態においても3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0020】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0021】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0022】
また、前面上扉UDには、演出を行うための表示装置330が設けられている。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0023】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1〜ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
【0024】
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作又はマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
【0025】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ240がオン動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。ここで、ストップスイッチは、例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサ等から構成される。
【0026】
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。そして、制御基板は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
【0027】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0028】
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210と、複数の操作検出手段としてのベットスイッチ220、スタートスイッチ230及びストップスイッチ240と、の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作を制御する。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0029】
また、遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段115、リール制御手段120、入賞判定手段125、払出制御手段130、リプレイ処理手段135、遊技状態移行制御手段140、演出制御手段145、記憶手段150、アシストタイム状態制御手段200及び遊技情報管理手段205を含む。遊技制御手段100を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段150に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0030】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0031】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段115が内部抽選を実行する契機となっている。
【0032】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0033】
内部抽選手段115は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0034】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段150の内部抽選テーブル記憶手段151に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。
【0035】
各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役やハズレ(非当選)が対応づけられている。ここで、遊技状態が通常状態である場合に選択される内部抽選テーブル(以下、「第1内部抽選テーブル151A」と記載)と、遊技状態がボーナス成立状態である場合に選択される内部抽選テーブル(以下、「第2内部抽選テーブル151B」と記載)とは、小役の当選確率が同一に設定されており、小役として、打順ベル1〜打順ベル8と、共通ベル役と、3枚ベル役と、レア役と、にそれぞれ乱数が対応付けられている。また、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのビッグボーナス(以下、「BB」と記載)が用意されており、第1内部抽選テーブル151Aでは、BBが抽選対象として設定されている。第2内部抽選テーブル151Bは、第1内部抽選テーブル151Aとリプレイの当選確率が異なっており、第1内部抽選テーブル151AにおけるBB及びハズレの代わりにリプレイを抽選対象とすることで、第1内部抽選テーブル151Aよりもリプレイの当選確率が高くなるように設定されている。遊技状態がボーナス状態である場合に選択される内部抽選テーブル(以下、「第3内部抽選テーブル151C」と記載)は、小役としてJAC1とJAC2とに乱数が対応付けられている。
【0036】
本実施形態のスロットマシン1では、入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベルA、ベルB、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役A3、特殊小役A4、特殊小役B、3枚ベル役及びレア役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選態様として、図3に示すように、第1当選態様としての打順ベル1〜打順ベル8と、共通ベル役と、第2当選態様としてのJAC1及びJAC2と、が設定されている。
【0037】
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味し、打順1〜打順6の6通りの打順から構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。このため、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
【0038】
打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
【0039】
打順ベル1〜打順ベル4は、図3(A)に示すように、ベルAと、特殊小役A1〜特殊小役A4のうちいずれか1種類と、特殊小役Bとが重複して当選する。また、打順ベル5〜打順ベル8は、ベルBと、特殊小役A1〜特殊小役A4のうちいずれか1種類と、特殊小役Bとが重複して当選する。ここで、特殊小役A1〜特殊小役A4は、ストップボタンB1が最初に停止操作(以下、「第1停止操作」と記載)された場合に入賞可能な入賞役であり、ストップボタンB1の押下タイミングによっていずれの役も入賞しない取りこぼし(ハズレ)が発生する場合がある入賞役である。また、打順ベル1〜打順ベル8の当選時に入賞可能なベルA、ベルBと、特殊小役Bと、は、それぞれストップボタンB2又はストップボタンB3が第1停止操作された場合に入賞可能な入賞役であり、各ストップボタンの押下タイミングによらず入賞するように構成されている。そして、打順ベル1〜打順ベル8は、それぞれベルA又はベルBのいずれか1つと、2種類の特殊小役とに重複して当選しており、いずれも重複して当選する入賞役の組み合わせが異なるように構成されている。
【0040】
なお、以下の記載において、打順ベル1〜打順ベル4の当選時にベルAを入賞させることができる打順及び打順ベル5〜打順ベル8の当選時にベルBを入賞させることができる打順を、正解打順とも記載する。また、打順ベル1〜打順ベル4の当選時にベルAを入賞させることができない打順及び打順ベル5〜打順ベル8の当選時にベルBを入賞させることができない打順を、不正解打順とも記載する。
【0041】
共通ベル役は、ベルAとベルBとが重複して当選する。共通ベル役に当選した場合には、打順及び押下タイミングによらずベルA又はベルBのいずれか一方が入賞可能に構成されている。また、3枚ベル役は、打順及び押下タイミングによらず3枚ベル役が入賞可能に構成されている。そして、レア役は、ストップボタンB1の押下タイミングが適切な場合に入賞可能に構成された小役であり、打順ベル1〜打順ベル8、共通ベル役及び3枚ベル役の他の小役よりも当選確率が低くなるように構成されている。
【0042】
ベルA、ベルB及び共通ベル役の配当は、入賞時に規定投入枚数よりも多い枚数の払出枚数(例えば8枚)に設定されている。3枚ベル役の配当は、規定投入枚数である3枚と同じ払出数に設定されている。また、特殊小役A1〜特殊小役A4、特殊小役B及びレア役は、入賞時に規定投入枚数よりも少ない枚数の払出枚数(例えば1枚)に設定されている。
【0043】
次に、JAC1及びJAC2について図3(B)を参照しながら具体的に説明する。JAC1は、図3(B)に示すように、ベルA、ベルB及び3枚ベル役が重複して当選する。また、JAC2は、図3(B)に示すように、特殊小役A1〜特殊小役A4と、特殊小役Bと、レア役とが重複して当選する。
【0044】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0045】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から当選状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、記憶手段150の抽選フラグ記憶手段152に格納される。
【0046】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、BBがあり、小役及びリプレイは、後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でBBに当選すると、BBの抽選フラグの当選状態を、BBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段115は、BBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、BBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0047】
リール制御手段120は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段120は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段120は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段120は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段120は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
【0048】
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段120は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
【0049】
ここで、リール制御手段120は、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段120は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ230から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段120は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
【0050】
リール制御手段120は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段150の停止制御テーブル記憶手段153に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
【0051】
まず、ロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点、つまりストップボタンの押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。ここで、リール制御手段120は、リールユニット310に設けられたフォトセンサが各リールに設けられたリール位置検出部を検出した場合に出力されるリールが1回転したことを示す情報であるリールインデックスと、リールインデックスが検出されるリールの基準位置からの回転角度(ステッピングモータに供給した駆動パルスの供給回数から算出)を用いて、ストップスイッチからリール停止信号を受信した時点におけるリールの回転状態を取得する。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置等に応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
【0052】
本実施形態のスロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補を、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
【0053】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法とが存在する。有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せ(以下、「入賞図柄組合せ」と記載)の数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。また、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置、すなわち配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0054】
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。ここで、引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このように、リール制御手段120は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
【0055】
入賞判定手段125は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段150の入賞判定テーブル記憶手段154に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、BB、リプレイ、ベル役、レア役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
【0056】
本実施形態において、ベルA、ベルBは、上述した通り、打順ベル1〜打順ベル8の当選時に正解打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合又は共通ベル役の当選時に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらず必ず入賞可能に構成されている。つまり、ベルA、ベルBの入賞図柄組合せを構成する各図柄は、押下検出位置に関わらずに有効ラインL1上に表示可能な位置関係で第1リールR1〜第3リールR3にそれぞれ配列されている。また、3枚ベル役、リプレイ及び特殊小役Bも同様に各ストップボタンの押下タイミングによらずに必ず入賞できるように構成されている。一方、BBと、特殊小役A1〜特殊小役A4と、レア役と、は、各入賞役の入賞図柄組合せを構成する図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態で各ストップボタンが停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように、各リールに配列されている。
【0057】
そして、本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段125の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段130にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段135に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段140に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0058】
払出制御手段130は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。本実施形態において、規定投入枚数よりも多い払出数に設定されているベルA及びベルBの配当は、いずれも8枚に定められている。規定投入枚数と同数の払出数に設定されている3枚ベル役の配当は、3枚に定められている。また、規定投入枚数よりも少ない払出数に設定されている特殊小役A1〜特殊小役A4、特殊小役B及びレア役の配当は、いずれも1枚に定められている。
【0059】
リプレイ処理手段135は、入賞判定手段125により有効ラインL1上にリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0060】
遊技状態移行制御手段140は、図4(A)に示すように、通常状態、ボーナス成立状態及びボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。ここで、遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。なお、本実施形態において、遊技状態移行制御手段140は、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態及びボーナス状態を有しているが、これに限らず、例えば、通常状態やボーナス成立状態とはリプレイの当選確率が異なるリプレイタイム状態(RT状態)を有していてもよく、また、それぞれリプレイの当選確率が異なる複数のRT状態を有していてもよい。
【0061】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてBBが当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また、通常状態では、第1内部抽選テーブル151A〜第3内部抽選テーブル151Cのうち、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定され、かつBBが抽選対象として設定されている第1内部抽選テーブル151Aを参照した内部抽選が行われる。
【0062】
ボーナス成立状態は、内部抽選でBBに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、第1内部抽選テーブル151A〜第3内部抽選テーブル151Cのうち、第2内部抽選テーブル151Bを参照した内部抽選が行われる。第2内部抽選テーブル151Bにおいては、上述した通り、BBが持越可能フラグに対応付けられた当選役であることから、BBを抽選対象から除外し、BBの代わりにリプレイが抽選対象となっている。このため、第2内部抽選テーブル151Bは、第1内部抽選テーブル151Aよりもリプレイの当選確率が高く設定されている。
【0063】
また、ボーナス成立状態では、上述した通り、BBが入賞するまでBBに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。遊技状態移行制御手段140は、BBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されると、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
【0064】
ボーナス状態は、BBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、第1内部抽選テーブル151A〜第3内部抽選テーブル151Cのうち他の内部抽選テーブルとは小役の当選確率が異なる構成の第3内部抽選テーブル151Cを参照した内部抽選が行われる。
【0065】
また、ボーナス状態では、ボーナス状態によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判定する。遊技状態移行制御手段140は、予め定められた所定枚数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。なお、本実施形態では、ボーナス状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、ボーナス状態での遊技回数や小役の入賞回数によって終了条件が定められていてもよい。また、ボーナス状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0066】
演出制御手段145は、演出データ記憶手段155に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置330を用いて行う表示演出や音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、表示装置330の表示内容の変化、スピーカからの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1〜第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1〜第3リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0067】
また、演出制御手段145は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、本実施形態において、演出制御手段145は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出抽選テーブル記憶手段156に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
【0068】
アシストタイム状態制御手段200(以下、「AT状態制御手段200」と記載)は、当選した役の入賞を補助する入賞補助制御が実行されるアシストタイム状態(AT状態)と、入賞補助制御が実行されない非アシストタイム状態(非AT状態)と、の間で移行させる制御を実行する。本実施形態において、AT状態制御手段200は、AT状態において、複数種類の役のうち打順ベル1〜打順ベル8の当選時に正解打順を遊技情報表示部DSに表示する入賞補助制御を実行するとともに、例えば表示装置330に正解打順を表示する演出等の演出装置300によって正解打順を報知する入賞補助演出を演出制御手段145に実行させる。
【0069】
図4(B)に示すように、AT状態制御手段200は、非AT状態として、通常非アシストタイム状態(通常非AT状態)と、チャンスゾーン状態(CZ状態)と、を有している。また、AT状態制御手段200は、AT状態として、第1AT状態と、第2AT状態と、を有している。
【0070】
通常非AT状態は、入賞補助制御が実行されない非AT状態であり、かつCZ状態でない場合に実行される状態であり、他の状態に移行するまで継続する状態である。通常非AT状態において、AT状態制御手段200は、予め定められた所定の当選役に当選した場合や予め定められた所定の遊技回数の遊技が実行された場合等の、予め定められた抽選条件が成立した場合に、CZ状態に移行するか否かを抽選により決定するCZ抽選を実行する。また、通常非AT状態において、AT状態制御手段200は、所定の当選役とは異なる特定の当選役(例えば、内部抽選において他の当選役よりも当選確率の低いレア役等)に当選した場合にAT状態に移行するか否かを抽選により決定するAT抽選を実行する。
【0071】
CZ状態は、通常非AT状態においてCZ抽選に当選した場合に移行する状態であり、通常非AT状態よりもAT状態に移行する確率が高い状態である。CZ状態において、AT状態制御手段200は、CZ状態の開始時に記憶手段150のCZ終了判定カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、10ゲーム)をセットし、当選した役に関わらず1ゲームごとにAT状態に移行するか否かを抽選するAT抽選を実行するように構成されており、予め定められた特定の当選役に当選した場合にのみAT抽選が実行される通常非AT状態よりもAT状態に移行しやすい状態となっている。AT状態制御手段200は、AT抽選に当選した場合には、非AT状態であるCZ状態からAT状態に移行する制御を実行する。また、AT状態制御手段200は、AT抽選に当選することなく予め設定された遊技回数(例えば、10ゲーム)の遊技が実行され、CZ終了判定カウンタの記憶する値が0となった場合に、CZ状態から通常非AT状態に移行しCZ状態を終了する。
【0072】
AT状態は、通常非AT状態及びCZ状態において実行されるAT抽選に当選した場合と、AT状態に移行することなく所定の遊技回数(例えば、1000ゲーム)の遊技が実行された場合と、に移行する演出状態である。AT状態において、AT状態制御手段200は、上述した通り、複数種類の役のうち打順ベル1〜打順ベル8の当選時に正解打順を遊技情報表示部DSに表示する入賞補助制御を実行するとともに、演出装置300によって正解打順を報知する入賞補助演出を演出制御手段145に実行させる。このため、AT状態は、遊技者がメダルを獲得することが容易になっており、遊技者にとってメダルの払い出しに関して有利な状態となっている。
【0073】
本実施形態において、AT状態制御手段200は、通常非AT状態又はCZ状態からAT状態に移行する場合に、AT状態のうち第1AT状態に移行させる。第1AT状態において、AT状態制御手段200は、カウンタ記憶手段160が複数有する制御カウンタのうち、第1制御カウンタ160Aの記憶する値と第2制御カウンタ160Bの記憶する値との少なくとも一方を変更するか否かを決定するカウンタ抽選を実行する。そして、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶する値が第1の値である「0」となった場合に、第1AT状態を終了し通常非AT状態に移行する制御を実行する。また、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ160Bの記憶する値が第2の値である「0」となった場合に、後述する遊技情報管理手段205が管理する遊技情報に基づき、遊技者に有利な特典を付与する。ここで、AT状態制御手段200が付与する遊技者に有利な特典には、例えば、第1AT状態から第2AT状態へ移行する制御処理が含まれている。また、遊技情報に基づく特典が付与した場合、AT状態制御手段200は、付与した特典に基づく遊技の終了後に第1AT状態に移行するように制御する。すなわち、本実施形態では、第1AT状態開始から第1制御カウンタ160A又は第2制御カウンタ160Bの値が0となって第1AT状態が終了又はAT状態が継続となるまでを1セットの第1AT状態とし、第1制御カウンタ160Aの値が0となって第1AT状態が終了するまで、複数セットの第1AT状態を実行可能(ループ可能)になっている。
【0074】
第1AT状態において、AT状態制御手段200は、現在の第1制御カウンタ160Aの記憶する値及び第2制御カウンタ160Bの記憶する値を、表示装置330に表示させる制御を演出制御手段145に実行させる。また、AT状態制御手段200は、現在使用している第1テーブル(図6参照)及び第2テーブル(図8参照)を示唆する演出を表示装置330に表示させる制御を演出制御手段145に実行させる。
【0075】
ここで、第1テーブルを示唆する演出と第2テーブルを示唆する演出としては、例えば、値が0になると第1AT状態が終了する第1制御カウンタ160Aの記憶する値が「5」で、値が0になるとAT状態が継続する第2制御カウンタ160Bの値が「4」であった場合、AT状態制御手段200は、表示装置330に第1制御カウンタ160Aの記憶する値に対応するキャラクタ(以下、「第1キャラクタ」とも記載)を5人表示させ、第2制御カウンタ160Bの記憶する値に対応するキャラクタ(以下、「第2キャラクタ」とも記載)を4人表示する演出を演出制御手段145に実行させ、表示装置330に表示される第1キャラクタによって第1テーブルを示唆し、表示装置330に表示される第2キャラクタによって第2テーブルを示唆する。
【0076】
また、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶する値を削減する場合や、第2制御カウンタ160Bの記憶する値を削減する場合には、第1キャラクタと第2キャラクタとが競い合う演出を実行し、勝負に負けた方のキャラクタの表示を終了する演出を演出制御手段145に実行させる。
【0077】
第1キャラクタ又は第2キャラクタを減少させる演出を実行する際の制御処理について、具体例を用いて説明する。まず、第1キャラクタを減少させる演出を実行する際の制御処理について説明する。AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶する値が「5」である状態で、後述する第1制御カウンタ変更抽選で値「1」に当選した場合に、第1制御カウンタ160Aの記憶する値を「5」から「4」に変更(減算)する(図10のステップS23〜ステップS25参照)。この処理を実行する際に、AT状態制御手段200は、表示装置330において実行される演出として、第1キャラクタと第2キャラクタとが競い合い、第1キャラクタが負けることで5人表示されていた第1キャラクタが4人の表示に変更(減少)される演出を演出制御手段145に実行させる。
【0078】
次に、第2キャラクタを減少させる演出を実行する際の制御処理について説明する。AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ160Bの記憶する値が「4」である状態で、後述する第2制御カウンタ変更抽選で値「1」に当選した場合に、第2制御カウンタ160Bの記憶する値を「4」から「3」に変更(減算)する(図13のステップS31〜ステップS35参照)。この処理を実行する際に、AT状態制御手段200は、表示装置330において実行される演出として、第1キャラクタと第2キャラクタとが競い合い、第2キャラクタが負けることで4人表示されていた第2キャラクタが3人の表示に変更(減少)される演出を演出制御手段145に実行させる。
【0079】
このように、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶する値又は第2制御カウンタ160Bの記憶する値を変更する処理と連動した表示を演出制御手段145に実行させるように構成されている。そして、演出制御手段145によって実行される演出において第1キャラが0人となった場合、つまり、第1制御カウンタ160Aの記憶する値が「0」となった場合に、AT状態制御手段200は、第1AT状態を終了し、通常非AT状態に移行する。一方、演出制御手段145によって実行される演出において第2キャラが0人となった場合、つまり、第2制御カウンタ160Bの記憶する値が「0」となった場合に、AT状態制御手段200は、AT状態が継続することを報知する演出を演出制御手段145に実行させるとともに、第1AT状態を終了した後に遊技情報に応じた特典を付与し、特典の付与後に再度第1AT状態を開始することで、次のセットの第1AT状態を実行する。
【0080】
なお、本実施形態では、表示装置330において、第1制御カウンタ160Aの記憶する値と第2制御カウンタ160Bの記憶する値とを、それぞれ第1キャラクタと第2キャラクタとの人数として表示しているが、例えば、第1キャラクタの体力と第2キャラクタの体力として換算して表示し、第1制御カウンタ160Aの記憶する値又は第2制御カウンタ160Bの記憶する値が0となった場合に、制御カウンタに対応するキャラクタの体力が0になる演出を実行し、AT状態を継続又は第1AT状態を終了とするようにしてもよい。
【0081】
本実施形態において、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶する値と第2制御カウンタ160Bの記憶する値との少なくとも一方を変更するか否かを決定するカウンタ抽選における当選確率を第1AT状態の実行中に変更可能に構成されている。AT状態制御手段200は、予め設定された条件である抽選条件が成立した場合に、カウンタ抽選における当選確率を変更するか否かを決定する抽選である確率変更抽選を実行する。ここで、確率変更抽選は、第1確率変更抽選〜第4確率変更抽選の複数の確率変更抽選から構成されており、成立した抽選条件に応じてそれぞれ異なる確率変更抽選が実行される。
【0082】
具体的には、AT状態制御手段200は、抽選条件として第1制御カウンタ160Aの記憶する値の変更が成立した場合に、第1制御カウンタ160Aの記憶の値が変更されにくくなる第1の確率変更状態を実行するか否かを決定する第1確率変更抽選を実行する。また、AT状態制御手段200は、抽選条件として第2制御カウンタ160Bの記憶する値の変更が成立した場合に、第2制御カウンタ160Bの記憶値が変更されやすくなる第2の確率変更状態を実行するか否かを決定する第2確率変更抽選を実行する。
【0083】
また、AT状態制御手段200は、抽選条件として内部抽選でのレア役の当選が成立した場合に、第1制御カウンタ160Aの記憶する値が初期値から減少した際に1加算することで、第2制御カウンタ160Bの記憶する値が0になる以前に第1制御カウンタ160Aの記憶値が0になる確率を減少させる第3の確率変更状態と、1回の第2制御カウンタ160Bの記憶する値の変更契機において複数回第2制御カウンタ160Bの記憶する値を変更するか否かの抽選である第2制御カウンタ変更抽選を実行することで、第1制御カウンタ160Aの記憶する値が0になる以前に第2制御カウンタ160Bの記憶値が0になる確率を増加させる第4の確率変更状態と、の少なくとも一方を実行するか否かを決定する第3確率変更抽選を、現在実行中の第1AT状態において表示装置330に表示されている第1キャラクタと、現在表示されている第1キャラクタが第2キャラクタに負けた後に表示が予定されている第1キャラクタと、に応じて実行する。また、AT状態制御手段200は、抽選条件として第1AT状態における1回の遊技の実行が成立した場合に、第3の確率変更状態と第4の確率変更状態との少なくとも一方を実行するか否かを決定する第4確率変更抽選を、現在実行中の第1AT状態において表示装置330に表示されている第1キャラクタと、現在表示されている第1キャラクタが第2キャラクタに負けた後に表示が予定されている第1キャラクタと、に応じて実行する。各確率変更抽選及び各確率変更状態等、確率変更状態に係る処理の詳細については、後述する。
【0084】
第1AT状態においてAT状態制御手段200が実行する各制御処理の詳細や第1テーブル及び第2テーブルの詳細については、後述する。また、以下の記載において、各制御カウンタの記憶する値を「記憶値」とも記載する。
【0085】
第2AT状態は、第1AT状態から移行可能なAT状態である。第2AT状態において、AT状態制御手段200は、上述した第1の確率変更状態〜第4の確率変更状態のいずれかを次回の第1AT状態において実行するか否かを決定する抽選である特典用確率変更抽選を遊技ごとに実行する。そして、AT状態制御手段200は、予め設定される遊技回数(例えば、5ゲーム)の遊技が実行された場合に、第2AT状態を終了し、第1AT状態に移行する。
【0086】
遊技情報管理手段205は、第1AT状態において遊技制御手段100を構成する各手段が実行する制御を、遊技情報として記録することで、遊技情報を管理している。ここで、遊技情報として記録される制御は、例えば、第1AT状態の開始から第2制御カウンタ160Bの記憶値が0になるまでに実行された遊技回数や、第1AT状態において使用された抽選テーブル、第2制御カウンタ160Bの記憶値が0になった時点における第1制御カウンタ160Aの記憶値等が含まれる。遊技情報管理手段205の詳細については、後述する。
【0087】
2.第1AT状態における制御処理
次に、図5図19を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1において、AT状態制御手段200が実行する第1AT状態に係る制御処理の詳細について説明する。
【0088】
<第1AT状態制御処理>
図5は、本実施形態におけるスロットマシン1において、第1AT状態においてAT状態制御手段200が実行する各制御処理を示すフローチャートである。AT状態制御手段200は、第1AT状態における遊技ごとに、図5に示すSTARTからRETURNまでを実行する。なお、図5において図示を省略しているが、AT状態制御手段200は、内部抽選で打順ベル1〜打順ベル8のいずれかに当選した場合に、ベルA、ベルBを入賞させることができる正解打順を遊技情報表示部DSに表示する入賞補助制御と、入賞補助演出として表示装置330に正解打順を表示する演出を演出制御手段145に実行させる制御と、を実行している。
【0089】
まず、AT状態制御手段200は、第1AT状態における最初の遊技において実行する第1AT初期設定処理を実行済みか否かを判定する(S1)。この処理において、AT状態制御手段200は、第1AT状態制御データ記憶手段159の第1AT状態フラグ格納領域159Bに格納されたフラグであり、第1AT初期設定処理の実行時にセットされる第1初期設定フラグがONであるか否かを判定することで、今回の遊技が第1AT状態に移行してから最初の遊技であり、第1AT初期設定処理を実行する必要があるか否かを判定する。なお、AT状態制御手段200は、第1初期設定フラグを用いて第1AT初期設定処理を実行する必要があるか否かを判定する構成に限らず、例えば第1制御カウンタ160Aの記憶値又は第2制御カウンタ160Bの記憶値が1以上であるか否かを判定することで、第1AT初期設定処理を実行する必要があるか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0090】
ステップS1の処理において、第1AT初期設定処理を実行済みではないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、ステップS2〜ステップS10に示す第1AT初期設定処理を実行する。第1AT初期設定処理において、まず、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ初期値抽選を実行する(S2)。この処理において、AT状態制御手段200は、第1AT状態制御データ記憶手段159の第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aから複数の乱数のそれぞれに対して値「1」〜「5」のいずれかが対応付けられた第1制御カウンタ初期値抽選テーブル(不図示)を取得する。そして、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに記憶されている第1制御カウンタ初期値抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき第1制御カウンタ160Aの初期値を設定する。
【0091】
次に、AT状態制御手段200は、第1テーブル選択抽選を実行する(S3)。この処理において、AT状態制御手段200は、図6に示す第1テーブルA1〜第1テーブルA5(以下、第1テーブルA1〜第1テーブルA5のすべてをまとめて「第1テーブルAn」とも記載)のうち、いずれの第1テーブルを第1AT状態における遊技で使用するのかを抽選により選択する処理を実行する。第1テーブルAnは、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに記憶されているデータテーブルであり、それぞれ第1抽選用パラメータA11〜第1抽選用パラメータA51(以下、第1抽選用パラメータA11〜第1抽選用パラメータA51のすべてをまとめて「第1抽選用パラメータAn1」とも記載)と、第2抽選用パラメータA12〜第2抽選用パラメータA52(以下、第2抽選用パラメータA12〜第2抽選用パラメータA52のすべてをまとめて「第2抽選用パラメータAn2」とも記載)と、が設定されている。各第1テーブルに設定されている第1抽選用パラメータは、後述する第1制御カウンタ変更処理(図10参照)において参照されるパラメータである。また、各第1テーブルに設定されている第2抽選用パラメータは、後述する第2制御カウンタ変更処理(図13参照)において参照されるパラメータである。
【0092】
AT状態制御手段200が第1テーブルAnのうちいずれの第1テーブルを使用するか設定する第1テーブル選択抽選の詳細について説明する。AT状態制御手段200は、まず、ステップS2の処理において設定した第1制御カウンタ160Aの初期値を参照し、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに記憶されている第1テーブル選択抽選用テーブルを選択する。
【0093】
図7は、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに記憶されている第1テーブル選択抽選用テーブルである。図7に示すように、第1テーブル選択抽選用テーブルは、第1制御カウンタ160Aの初期値ごとに、乱数に対応付けられている第1テーブルが異なる構成となっている。例えば、ステップS2の処理において、第1制御カウンタ160Aの初期値を「4」と設定した場合に選択される第1テーブル選択抽選用テーブルには、複数の乱数のそれぞれに第1テーブルAnのうちいずれか4つが対応付けられている。AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を選択した第1テーブル選択抽選用テーブルと比較して、比較結果に基づき第1テーブルを選択する。
【0094】
ステップS3の処理によって第1AT状態で使用する第1テーブルを選択した後、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値と選択した第1テーブルとを対応付ける第1設定処理を実行する(S4)。この処理において、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値と、ステップS3の処理で選択した第1テーブルのいずれかと、をそれぞれ対応付ける処理を実行する。
【0095】
ここで、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値に対して、ランダムに第1テーブルを対応付けていく。例えば、ステップS2の処理で第1制御カウンタ160Aの初期値を「4」と設定し、ステップS3の処理で第1テーブルA1〜第1テーブルA4を選択した場合、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値「1」に、抽選により決定した第1テーブルA1〜第1テーブルA4の4つの第1テーブルのうちいずれか1つを対応付ける。また、第1制御カウンタ160Aの記憶値「2」については、記憶値「1」に対応付けた第1テーブルを除く3つの第1テーブルのうちいずれか1つを抽選により決定して対応付ける。また、記憶値「3」及び記憶値「4」についても、同様に第1テーブルを対応付けていく。
【0096】
第1設定処理を実行することで、AT状態制御手段200は、後述する第1制御カウンタ変更処理及び第2制御カウンタ変更処理の実行時において、いずれの第1テーブルを参照すればいいのか判定することができる。
【0097】
次に、AT状態制御手段200は、第2テーブルグループ選択抽選を実行する(S5)。本実施形態において、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに記憶されている第2テーブルは、図8に示すように、グループB〜グループDのそれぞれに5種類の第2テーブルが設定されている。そして、AT状態制御手段200は、グループB〜グループDのいずれか1つのグループを選択し、選択したグループに設定されている第2テーブルのいずれか又はすべてを、以降の処理で選択し、第1AT状態における遊技を実行する。
【0098】
ステップS5の処理において、AT状態制御手段200は、まず、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aから複数の乱数のそれぞれにグループB〜グループDのいずれかが対応付けられた第2テーブルグループ選択抽選用テーブル(不図示)を取得する。そして、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を第2テーブルグループ選択抽選用テーブルと比較して、比較結果に基づきグループB〜グループDのいずれかを選択し、以降の処理で選択対象となる第2テーブルを決定する。
【0099】
ここで、各グループに設定されている第2テーブルは、図8に示すように、それぞれ第1抽選用パラメータと第2抽選用パラメータとに差を有している。具体的には、グループBに設定されている第2テーブルB1〜第2テーブルB5(以下、第2テーブルB1〜第1テーブルB5のすべてをまとめて「第2テーブルBn」とも記載)に設定されている第1抽選用パラメータB11〜第1抽選用パラメータB51(以下、第1抽選用パラメータB11〜第1抽選用パラメータB51のすべてをまとめて「第1抽選用パラメータBn1」とも記載)及び第2抽選用パラメータB12〜第2抽選用パラメータB52(以下、第2抽選用パラメータB12〜第2抽選用パラメータB52のすべてをまとめて「第2抽選用パラメータBn2」とも記載)の合計値は、「16」であり、グループCに設定されている第2テーブルC1〜第2テーブルC5(以下、第2テーブルC1〜第1テーブルC5のすべてをまとめて「第2テーブルCn」とも記載)に設定されている第1抽選用パラメータC11〜第1抽選用パラメータC51及び第2抽選用パラメータC12〜第2抽選用パラメータC52の合計値は、「19」であり、グループDに設定されている第2テーブルD1〜第2テーブルD5(以下、第2テーブルD1〜第1テーブルD5のすべてをまとめて「第2テーブルDn」とも記載)に設定されている第1抽選用パラメータD11〜第1抽選用パラメータD51及び第2抽選用パラメータD12〜第2抽選用パラメータD52の合計値は、「24」である。
【0100】
つまり、第2テーブルBnに設定されている各第1抽選用パラメータ及び各第2抽選用パラメータは、第2テーブルCnに設定されている各第1抽選用パラメータ及び各第2抽選用パラメータと、第2テーブルDnに設定されている各第1抽選用パラメータ及び各第2抽選用パラメータと、よりも小さい傾向にある。また、第2テーブルDnに設定されている各第1抽選用パラメータ及び各第2抽選用パラメータは、第2テーブルBnに設定されている各第1抽選用パラメータ及び各第2抽選用パラメータと、第2テーブルCnに設定されている各第1抽選用パラメータ及び各第2抽選用パラメータと、よりも大きい傾向にある。これらの第2テーブルに設定された各第1抽選用パラメータ及び各第2抽選用パラメータの大小の差の影響の詳細については、後述する。
【0101】
ステップS5の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ初期値抽選を実行する(S6)。この処理において、AT状態制御手段200は、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aから複数の乱数のそれぞれに対して値「1」〜「5」のいずれかが対応付けられた第2制御カウンタ初期値抽選テーブル(不図示)を取得する。そして、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに記憶されている第2制御カウンタ初期値抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき第2制御カウンタ160Bの初期値を設定する。
【0102】
次に、AT状態制御手段200は、第2テーブル選択抽選を実行する(S7)。この処理において、AT状態制御手段200は、ステップS3で実行した第1テーブル選択抽選と略同様の抽選処理を実行し、ステップS5の処理で選択したグループに設定された複数の第2テーブルから、いずれの第2テーブルを第1AT状態における遊技で使用するのかを抽選により選択する。
【0103】
ステップS7の処理によって第1AT状態で使用する第2テーブルを選択した後、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ160Bの記憶値と選択した第2テーブルとを対応付ける第2設定処理を実行する(S8)。この処理において、AT状態制御手段200は、ステップS4の処理と略同様に、第2制御カウンタ160Bの記憶値と、ステップS7の処理で選択した第2テーブルのいずれかと、をそれぞれ対応付ける処理を実行する。
【0104】
第2設定処理を実行することで、AT状態制御手段200は、後述する第1制御カウンタ変更処理及び第2制御カウンタ変更処理の実行時において、いずれの第2テーブルを参照すればいいのか判定することができる。
【0105】
ステップS8の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、記憶手段150の一部を構成するポイント記憶手段157に格納され、第1テーブルAnのそれぞれに対応付けられた図6に示すポイントA13〜A53(以下、ポイントA13〜A53のすべてをまとめて「ポイントAn3」とも記載)の初期設定を行うポイント初期設定を実行する(S9)。ポイントAn3は、ポイントAn3の増加を制御するポイント増加処理(図18参照)によって、遊技ごとに変更されていく値であり、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率の変更に係わる制御を実行する確率変更処理(図15参照)において、遊技ごとに実行される第4確率変更抽選の実行時に参照される値である。AT状態制御手段200は、ポイントAn3の値の大きさに応じて、第4確率変更抽選において用いる第4確率変更抽選テーブルを選択することで、第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態を実行すると決定する確率が変更される。ポイント増加処理、確率変更処理、第4確率変更抽選、第3の確率変更状態及び第4の確率変更状態については、後述する。
【0106】
ポイント初期設定において、AT状態制御手段200は、ステップS3の処理で選択した第1テーブルAnのポイントAn3の初期値を設定するために、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに格納され、第2テーブルグループに応じたポイントAn3の初期値が格納されたデータテーブルである図9に示すポイント初期設定テーブルを取得する。AT状態制御手段200は、ステップS3の処理において選択した第1テーブルAnと、ステップS5の処理において選択した第2テーブルグループと、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aから取得したポイント初期設定テーブルと、に基づき、ポイントAn3の初期値に設定する値を決定する。具体的には、AT状態制御手段200は、ステップS3の処理で第1テーブルA1を選択し、かつ、ステップS5の処理で選択した第2テーブルグループがグループBである場合、ポイント初期設定テーブルを参照し、ポイントA13の初期値として、ポイント初期設定テーブルに格納されている値「0」を設定する。
【0107】
ステップS9の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、第1AT初期設定フラグをONにセットする(S10)。この処理によって、AT状態制御手段200は、第1AT初期設定フラグをONにセットすることで、以降の第1AT状態での遊技において、既に第1AT初期設定処理が実行されており、第1AT初期設定処理を実行する必要がないことを認識することができるようになる。
【0108】
ステップS1の処理において、第1AT初期設定処理が実行済みであると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値が初期値と同数であるか否かを判定する(S11)。この処理において、AT状態制御手段200は、後述する第1制御カウンタ変更処理(図10参照)により第1制御カウンタ160Aの記憶値がステップS2の処理で決定した初期値から変更されたか否かを判定する。
【0109】
ステップS11の処理において、第1制御カウンタ160Aの記憶値が初期値と同数ではないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第1AT状態フラグ格納領域159Bに格納されるフラグであり、後述する確率変更処理(図15参照)において設定される記憶値増加フラグがONであるか否かを判定する(S12)。この処理において、記憶値増加フラグがONであると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値を1加算する(S13)。また、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値を1加算した場合、以降の処理において、ステップS4の処理で加算後の第1制御カウンタ160Aの記憶値に対応付けた第1テーブルを使用する。具体的には、ステップS4の処理で第1制御カウンタ160Aの記憶値「3」に第1テーブルA2を対応付けており、ステップS12の処理開始時の第1制御カウンタ160Aの記憶値が「2」である場合、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値を1加算して「3」にするとともに、以降の処理において第1テーブルA2を使用する。このように、記憶値増加フラグは、ステップS13の処理で第1制御カウンタ160Aの記憶値を増加するか否かをAT状態制御手段200が判定するために参照するフラグとなっている。ステップS13の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値を増加させたことから、記憶値増加フラグをOFFにする(S14)。
【0110】
ステップS2〜ステップS10に示した第1AT初期設定処理を実行した後、ステップS14の処理を実行した後、ステップS11の処理において、第1制御カウンタ160Aの記憶値が初期値と同数であると判定した場合(YES)又はステップS12の処理において、記憶値増加フラグがOFFであると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、抽選フラグ記憶手段152に格納された抽選フラグの内、3枚ベル役に対応する抽選フラグがONになっているか否かを判定する(S15)。この処理において、AT状態制御手段200は、今回の遊技の内部抽選において、3枚ベル役に当選したか否かを判定し、3枚ベル役に当選したと判定した場合には(YES)、第1制御カウンタ160Aの記憶値の変更に係る制御が実行される第1制御カウンタ変更処理を実行する(S16)。
【0111】
ステップS15の処理において、3枚ベル役に当選していないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、抽選フラグ記憶手段152に格納された抽選フラグの内、レア役、共通ベル役又は打順ベル1〜打順ベル8のいずれかに対応する抽選フラグがONになっているか否かを判定する(S17)。この処理において、AT状態制御手段200は、今回の遊技の内部抽選において、レア役、共通ベル役又は打順ベル1〜打順ベル8のいずれかに当選したか否かを判定しレア役、共通ベル役又は打順ベル1〜打順ベル8のいずれかに当選したと判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ160Bの記憶値の変更に係る制御が実行される第2制御カウンタ変更処理を実行する(S18)。
【0112】
ステップS16、ステップS18の処理を実行した後又はステップS17の処理において、レア役、共通ベル役及び打順ベル1〜打順ベル8のいずれにも当選していないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第1AT終了判定処理を実行し(S19)、第1AT状態において1回の遊技の間に実行する制御処理を終了する。この処理において、AT状態制御手段200は、第1AT状態を終了するか否かを判定するとともに、第1AT状態が継続する場合には、今回の遊技で遊技制御手段100を構成する各手段が実行した制御について遊技情報管理手段205に遊技情報として記録させる。
【0113】
<第1制御カウンタ変更処理>
図10は、図5に示した第1AT状態処理のステップS16において実行される第1制御カウンタ変更処理を示すフローチャートである。なお、第1制御カウンタ変更処理及び後述する第2制御カウンタ変更処理(図13参照)と、第1AT終了判定処理(図14参照)と、の詳細について、第1AT状態処理(図5参照)のステップS5の処理でグループBが選択された場合を例に説明する。なお、ステップS5の処理でグループC又はグループDが選択された場合においても、グループBが選択された場合と同様の処理を実行する。
【0114】
まず、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値が「1」であるか否かを判定する(S21)。この処理において、第1制御カウンタ160Aの記憶値が「1」であると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、第1AT状態の終了後にAT状態を継続すると決定した場合にONにセットされる継続確定フラグがONであるか否かを判定する(S22)。ステップS22の処理において、継続確定フラグがONであると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、以降の処理によって第1制御カウンタ160Aの記憶値が変更されて「0」になってしまうことを防ぐために、第1制御カウンタ変更処理を終了する。
【0115】
ステップS21の処理で第1制御カウンタ160Aの記憶値が「1」ではないと判定した場合(NO)又はステップS22の処理で継続確定フラグがOFFであると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ変更抽選を実行する(S23)。この処理において、AT状態制御手段200は、図11(A)に示す第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに記憶された第1制御カウンタ変更抽選テーブル選択用テーブルを取得する。本実施形態において、AT状態制御手段200は、第1テーブルAnに設定されている第1抽選用パラメータAn1と、第2テーブルBnに設定されている第1抽選用パラメータBn1と、を参照し、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aから取得した第1制御カウンタ変更抽選テーブル選択用テーブルと比較することで、第1制御カウンタ変更抽選テーブルを取得するように構成されている。
【0116】
例えば、第1制御カウンタ160Aの記憶値が「4」で、かつ第1制御カウンタ160Aの記憶値「4」に第1テーブルA1が対応付けられている場合、図6に示すように、第1抽選用パラメータA11は、「3」である。また、第2制御カウンタ160Bの記憶値が「3」で、かつ第2制御カウンタ160Bの記憶値「3」に第2テーブルB2が対応付けられている場合、図8に示すように、第1抽選用パラメータB21は、「1」である。AT状態制御手段200は、第1抽選用パラメータA11の値「3」と、第1抽選用パラメータB21の値「1」と、を第1制御カウンタ変更抽選テーブル選択用テーブルに基づき比較することで、第1制御カウンタ変更抽選テーブルとして第1制御カウンタ変更抽選テーブルS23Cを選択する。
【0117】
図12(A)は、第1制御カウンタ変更抽選テーブルを示す図である。図12(A)に示すように、第1制御カウンタ変更抽選テーブルS23A〜第1制御カウンタ変更抽選テーブルS23Eは、それぞれ複数の乱数に対して値「0」、「1」が対応付けられている。AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ変更抽選を実行する場合に、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数と第1制御カウンタ変更抽選テーブルとを比較して、比較結果に基づき第1制御カウンタ変更抽選に当選、つまり値「1」が当選したか否かを判定する。
【0118】
ここで、図11(A)、図12(A)に示すように、AT状態制御手段200は、第1抽選用パラメータAn1の値が第2抽選用パラメータBn1の値よりも大きい場合に選択する第1制御カウンタ変更抽選テーブルS23B、S23Cを用いて第1制御カウンタ変更抽選を実行する方が、第1抽選用パラメータAn1の値と第1抽選用パラメータBn1の値とが同数の場合に選択する第1制御カウンタ変更抽選テーブルS23Aを用いて第1制御カウンタ変更抽選を実行する場合よりも、値「1」に当選しにくくなっている。また、AT状態制御手段200は、第1抽選用パラメータAn1の値が第2抽選用パラメータBn1の値よりも小さい場合に選択する第1制御カウンタ変更抽選テーブルS23D、S23Eを用いて第1制御カウンタ変更抽選を実行する場合、第1抽選用パラメータAn1の値と第1抽選用パラメータBn1の値とが同数の場合に選択する第1制御カウンタ変更抽選テーブルS23Aを用いて第1制御カウンタ変更抽選を実行する場合よりも、値「1」に当選しやすくなっている。
【0119】
つまり、本実施形態のAT状態制御手段200は、第1テーブルAnに設定されている第1抽選用パラメータAn1が第2テーブルBnに設定されている第1抽選用パラメータBn1よりも大きい程、第1制御カウンタ変更抽選で第1制御カウンタの変更に当選しにくくなるように構成されている。
【0120】
なお、図12(A)に示す第1制御カウンタ変更抽選テーブルS23Fは、第1AT状態フラグ格納領域159Bに格納されているフラグであり、後述する確率変更処理(図15参照)において第1の確率変更状態の実行が決定された場合に設定される第1制御カウンタ変更確率減少フラグがONである状態で、ステップS23の処理を実行する場合に使用される第1制御カウンタ変更抽選テーブルであり、第1制御カウンタ変更抽選において値「0」に当選する確率が高くなるように構成されている。AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ変更確率減少フラグがONである場合、第1テーブルAnに設定されている第1抽選用パラメータAn1と、第2テーブルBnに設定されている第1抽選用パラメータBn1と、によらず、第1制御カウンタ変更抽選テーブルS23Fを使用して第1制御カウンタ変更抽選を実行する。
【0121】
ステップS23の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの変更に当選したか否かを判定する(S24)。この処理において、AT状態制御手段200は、ステップS23の処理において値「1」に当選したか否かを判定し第1制御カウンタ160Aの変更に当選、つまりステップS23の処理において値「1」に当選したと判定した場合には(YES)、第1制御カウンタ160Aの記憶値を変更する処理を実行する(S25)。ステップS25の処理において、AT状態制御手段200は、現在の第1制御カウンタ160Aの記憶値から、ステップS23の処理で決定した値を減算することで、第1制御カウンタ160Aの記憶値を変更する。
【0122】
ステップS25の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、記憶手段150に設けられたカウンタ変更フラグ記憶手段158に格納されるフラグである第1カウンタ変更フラグをONにし(S26)、第1制御カウンタ変更処理を終了する。ここで、第1カウンタ変更フラグは、後述する確率変更処理(図15参照)において、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率を変更する第1の確率変更状態を実行するか否かを決定する第1確率変更抽選を実行するか否かを決める際に参照されるフラグである。AT状態制御手段200は、ステップS26の処理を実行することで、確率変更処理において第1制御カウンタ160Aの記憶値が変更されたことに基づき実行する第1確率変更抽選を実行することができる。
【0123】
ステップS24の処理において、ステップS23の処理で当選した値は値「0」である、つまり、第1制御カウンタ160Aの変更に非当選であると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、カウンタ変更フラグ記憶手段158に格納されるフラグである第1カウンタ維持フラグをONにし(S27)、第1制御カウンタ変更処理を終了する。ここで、第1カウンタ維持フラグは、後述するポイント増加処理(図18参照)において参照されるフラグであり、第1カウンタ維持フラグがONであるか否かによって、ポイント増加処理におけるポイントAn3の増加しやすさが変更される。
【0124】
上述した通り、第1AT状態においては、第1制御カウンタ160Aの記憶値が「0」になった場合に、第1AT状態が終了し通常非AT状態に移行する構成となっている。つまり、本実施形態のAT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの現在の記憶値に対応付けられている第1テーブルAnの第1抽選用パラメータAn1が大きい場合及び第2制御カウンタ160Bの現在の記憶値に対応付けられている第2テーブルBnの第1抽選用パラメータBn1が小さい場合に、AT状態が継続し続ける確率が高くなるように構成されている。
【0125】
また、上述した通り、第2テーブルBnと、第2テーブルCnと、第2テーブルDnと、は、第1抽選用パラメータが「第2テーブルDn>第2テーブルCn>第2テーブルBn」の傾向にある。つまり、第1AT状態においては、第2テーブルとして第2テーブルDnが選択された場合に、他の第2テーブルが選択された場合よりも、第1制御カウンタ160Aの記憶値が減りにやすくなるように構成されている。
【0126】
<第2制御カウンタ変更処理>
図13は、図5に示した第1AT状態処理のステップS18において実行される第2制御カウンタ変更処理を示すフローチャートである。
【0127】
まず、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ変更抽選を実行する(S31)。この処理において、AT状態制御手段200は、まず、図11(B)に示す第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに記憶された第2制御カウンタ変更抽選テーブル選択用テーブルを取得する。本実施形態において、AT状態制御手段200は、第1テーブルAnに設定されている第2抽選用パラメータAn2と、第2テーブルBnに設定されている第2抽選用パラメータBn2と、を参照し、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aから取得した第2制御カウンタ変更抽選テーブル選択用テーブルと比較することで、第2制御カウンタ変更抽選テーブルを取得するように構成されている。
【0128】
例えば、第1制御カウンタ160Aの記憶値が「4」で、かつ第1制御カウンタ160Aの記憶値「4」に第1テーブルA1が対応付けられている場合、図6に示すように、第2抽選用パラメータA12は、「3」である。また、第2制御カウンタ160Bの記憶値が「3」で、かつ第2制御カウンタ160Bの記憶値「3」に第2テーブルB2が対応付けられている場合、図8に示すように、第2抽選用パラメータB22は、「2」である。AT状態制御手段200は、第2抽選用パラメータA12の値「3」と、第2抽選用パラメータB22の値「2」と、を第2制御カウンタ変更抽選テーブル選択用テーブルに基づき比較することで、第2制御カウンタ変更抽選テーブルとして第2制御カウンタ変更抽選テーブルS31Bを選択する。
【0129】
図12(B)は、第2制御カウンタ変更抽選テーブルを示す図である。図12(B)に示すように、第2制御カウンタ変更抽選テーブルS31A〜第2制御カウンタ変更抽選テーブルS31Eは、それぞれ複数の乱数に対して値「0」〜「2」が対応付けられている。AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ変更抽選を実行する場合に、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数と第2制御カウンタ変更抽選テーブルとを比較して、比較結果に基づき第2制御カウンタ変更抽選に当選、つまり値「1」又は「2」が当選したか否かを判定する。
【0130】
ここで、図11(B)、図12(B)に示すように、AT状態制御手段200は、第2抽選用パラメータAn2の値が第2抽選用パラメータBn2の値よりも大きい場合に選択する第2制御カウンタ変更抽選テーブルS31B、S31Cを用いて第2制御カウンタ変更抽選を実行する方が、第2抽選用パラメータAn2の値と第2抽選用パラメータBn2の値とが同数の場合に選択する第2制御カウンタ変更抽選テーブルS31Aを用いて第2制御カウンタ変更抽選を実行する場合よりも、値「1」又は「2」に当選しやすくなっている。また、AT状態制御手段200は、第2抽選用パラメータAn2の値が第2抽選用パラメータBn2の値よりも小さい場合に選択する第2制御カウンタ変更抽選テーブルS31D、S31Eを用いて第2制御カウンタ変更抽選を実行する場合、値「2」に当選することがないとともに、第2抽選用パラメータAn2の値と第2抽選用パラメータBn2の値とが同数の場合に選択する第2制御カウンタ変更抽選テーブルS31Aを用いて第2制御カウンタ変更抽選を実行する場合よりも、値「1」に当選しにくくなっている。
【0131】
つまり、本実施形態のAT状態制御手段200は、第1テーブルAnに設定されている第2抽選用パラメータAn2が第2テーブルBnに設定されている第2抽選用パラメータBn2よりも大きい程、第2制御カウンタ変更抽選で第2制御カウンタの変更に当選しやすくなるように構成されている。
【0132】
なお、図12(B)に示す第2制御カウンタ変更抽選テーブルS31Fは、第1AT状態フラグ格納領域159Bに格納されるフラグであり、後述する確率変更処理(図15参照)において第2の確率変更状態を実行すると決定した場合に設定される第2制御カウンタ変更確率増加フラグがONである状態で、ステップS31の処理を実行する場合に使用される第2制御カウンタ変更抽選テーブルであり、第2制御カウンタ変更抽選において値「1」〜「3」のいずれかに必ず当選するように構成されている。AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ変更確率増加フラグがONである場合、第1テーブルAnに設定されている第2抽選用パラメータAn2と、第2テーブルBnに設定されている第2抽選用パラメータBn2と、によらず、第2制御カウンタ変更抽選テーブルS31Fを使用して第2制御カウンタ変更抽選を実行する。
【0133】
ステップS31の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ160Bの変更に当選したか否かを判定する(S32)。この処理において、値「0」以外の値に当選したと判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、当選した値が2以上であるか否かを判定する(S33)。この処理において、当選した値が2以上であると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、使用を中止する第2テーブルを抽選により決定する(S34)。
【0134】
ステップS34の処理において、AT状態制御手段200は、第1AT状態処理のステップS7の処理で選択された第2テーブルのうち、現在の第2制御カウンタ160Bの記憶値に対応付けられている第2テーブルを除く第2テーブルからいずれか1つの使用を中止する処理を実行する。具体的には、現在の第2制御カウンタ160Bの記憶値が「3」で、記憶値「3」に第2テーブルB2が対応付けられており、かつ、ステップS7で実行した第2テーブル選択抽選で第2テーブルBnのうち第2テーブルB1〜第2テーブルB3を選択していた場合、AT状態制御手段200は、第2テーブルB1又は第2テーブルB3のいずれか一方を抽選により選択し、該抽選で選択された第2テーブルの使用を中止する。
【0135】
ここで、例えば抽選により選択された第2テーブルB1が第2制御カウンタ160Bの記憶値「1」に対応付けられており、抽選により選択されなかった第2テーブルB3が第2制御カウンタ160Bの記憶値「2」に対応付けられていた場合、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ160Bの記憶値「1」に、新たに第2テーブルB3を対応付ける処理を実行する補正処理を実行する。AT状態制御手段200は、例えば、第2制御カウンタ160Bの記憶値が「3」であり、かつステップS34の処理で第2制御カウンタ160Bの記憶値「1」に対応付けられている第2テーブルの使用を中止すると決定した場合、後述する第2制御カウンタ160Bの記憶値を変更する処理で第2制御カウンタ160Bの記憶値を「1」に変更した場合に、ステップS8の処理で第2制御カウンタ160Bの記憶値「2」に対応付けられていた第2テーブルを使用するように補正するため、以降の処理で使用する第2テーブルが消失してしまうことを防ぐことができる。
【0136】
ステップS34の処理を実行した後又はステップS33の処理において、ステップS31の処理で当選した値は値「1」であると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ160Bの記憶値を変更する処理を実行する(S35)。この処理において、AT状態制御手段200は、現在の第2制御カウンタ160Bの記憶値から、ステップS31の処理で決定した値を減算することで、第2制御カウンタ160Bの記憶値を変更する。
【0137】
ステップS35の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、カウンタ変更フラグ記憶手段158に格納されるフラグである第2カウンタ変更フラグをONにする(S36)。ここで、第2カウンタ変更フラグは、後述する確率変更処理(図15参照)において、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率を変更する第2の確率変更状態を実行するか否かを決定する第2確率変更抽選を実行するか否かを決める際に参照されるフラグである。また、第2カウンタ変更フラグは、後述するポイント増加処理(図18参照)において参照されるフラグでもある。AT状態制御手段200は、第2カウンタ変更フラグがONであるか否かによって、ポイント増加処理において用いるポイント増加抽選テーブルを決定することでポイントAn3の増加しやすさを変更する。AT状態制御手段200は、ステップS36の処理を実行することで、確率変更処理において第2制御カウンタ160Bの記憶値が変更されたことに基づき実行する第2確率変更抽選を実行することができる。
【0138】
ステップS36の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ160Bの記憶値が1以上であるか否かを判定する(S37)。この処理において、第2制御カウンタ160Bの記憶値が0であると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ変更処理を終了する。
【0139】
ステップS32の処理において、第2制御カウンタ160Bの変更に当選していないと判定した場合(NO)又はステップS37の処理において、第2制御カウンタ160Bの記憶値が1以上であると判定した場合には(YES)AT状態制御手段200は、第1AT状態フラグ格納領域159Bに格納されるフラグであり、後述する確率変更処理(図15参照)において第4の確率変更状態を実行すると決定した場合に設定される連続第2制御カウンタ変更抽選フラグがONであるか否かを判定する(S38)。この処理において、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグがOFFであると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ変更処理を終了する。一方、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグがONであると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをOFFにし(S39)、ステップS31に処理を戻すことで、再度第2制御カウンタ変更抽選を実行する。
【0140】
このように、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグは、1回の第2制御カウンタ変更処理において、ステップS31の第2制御カウンタ変更抽選を連続で実行するか否かをAT状態制御手段200が判定するために参照するフラグとなっている。連続第2制御カウンタ変更抽選フラグがONである場合、AT状態制御手段200は、1回の第2制御カウンタ変更処理の実行時に第2制御カウンタ変更抽選を複数回連続して実行するため、仮に1回目の第2制御カウンタ変更抽選において第2制御カウンタ160Bの記憶値が変更されなかった場合でも、2回目以降の第2制御カウンタ変更抽選において第2制御カウンタ160Bの記憶値が変更される可能性がある。すなわち、本実施形態のスロットマシン1においては、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグがONである場合、第2制御カウンタ160Bの記憶値が変更される確率が高くなる構成となっている。
【0141】
上述した通り、第1AT状態においては、第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」になった場合に、遊技情報管理手段205が管理する遊技情報に基づく特典が遊技者に付与される構成となっている。つまり、本実施形態のAT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Bの現在の記憶値に対応付けられている第1テーブルAnの第2抽選用パラメータAn2が大きい場合及び第2制御カウンタ160Bの現在の記憶値に対応付けられている第2テーブルBnの第2抽選用パラメータBn2が小さい場合に、遊技情報管理手段205に管理されている遊技情報に基づく特典が付与されやすくなるように構成されている。
【0142】
また、上述した通り、第2テーブルBnと、第2テーブルCnと、第2テーブルDnと、は、第2抽選用パラメータが「第2テーブルDn>第2テーブルCn>第2テーブルBn」の傾向にある。つまり、第1AT状態においては、第2テーブルとして第2テーブルDnが選択された場合に、他の第2テーブルが選択された場合よりも、第2制御カウンタ160Bの記憶値が減りにくくなるように構成されている。
【0143】
<第1AT終了判定処理>
図14は、図5に示した第1AT状態処理のステップS19において実行される第1AT終了判定処理を示すフローチャートである。
【0144】
まず、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値が「0」であるか否かを判定する(S41)。この処理において、第1制御カウンタ160Aの記憶値が「0」であると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、第1AT状態を終了し、非AT状態である通常非AT状態に移行する(S42)。
【0145】
ステップS41の処理において、第1制御カウンタ160Aの記憶値が「0」ではないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」であるか否かを判定する(S43)。この処理において、第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」であると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、遊技情報管理手段205に管理されている遊技情報に基づき特典を付与する(S44)。
【0146】
ここで、遊技情報に基づき付与される特典としては、予め設定された遊技回数(例えば、5ゲーム)の間、遊技ごとに、上述した特典用確率変更抽選が実行される第2AT状態へ移行される第1特典と、第2AT状態へ移行され、かつ第2AT状態の終了後に開始される第1AT状態が、継続確定フラグがONにセットされた状態で始まる第2特典と、スタートレバーSLの押下による第1リールR1〜R3の回転を遅延させることで遊技の進行を一時的に中断させるフリーズを発生させ、このフリーズ中にリール制御手段120に第1リールR1〜第3リールR3を擬似的に回転、停止させ、第1リールR1〜第3リールR3の停止ごとに継続確定フラグがONにセットされた状態で開始される第1AT状態をストックするか否かを決定する抽選が実行され、第1リールR1〜第3リールR3の擬似的な回転及び停止が複数回(例えば4回)実行される第3特典と、複数ゲーム(例えば8ゲーム)間継続し、遊技ごとに継続確定フラグがONにセットされた状態で開始される第1AT状態をストックするか否かを決定する抽選が実行される第4特典と、がある。各特典が付与された場合におけるメダルが獲得できる期待度は、第1特典<第2特典<第3特典<第4特典となっている。また、AT状態制御手段200は、いずれの特典を付与する場合にも、AT状態を維持したまま特典を付与するとともに、付与した特典に基づく遊技の終了後に、第1AT状態を開始するように構成されている。なお、フリーズは、遊技の進行を一時的に中断させることができればよく、上述の第1リールR1〜第3リールR3の回転を遅延させるものの他に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3、シングルベットボタンBT及びマックスベットボタンMB等に対する操作を一時的に無効化するものであってもよい。
【0147】
ステップS42又はステップS44の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、第1AT初期設定フラグをOFFにする(S45)。この処理において、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160A又は第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」になったことに基づき、第1AT状態を終了することから、次回の第1AT状態の開始時に第1AT状態初期設定処理を実行するために、第1AT初期設定フラグをOFFにする。また、AT状態制御手段200は、第1AT初期設定フラグと共に、後述するステップS52の確率変更処理(図15参照)によってONにセットされた記憶値増加フラグ、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグ、第2制御カウンタ変更確率増加フラグ及び第1制御カウンタ変更確率減少フラグ(以下、第2制御カウンタ変更確率増加フラグ及び第1制御カウンタ変更確率減少フラグをまとめて「確率変更フラグ」とも記載)をOFFにする。
【0148】
また、スロットマシン1は、第1制御カウンタ160Aの記憶値と第2制御カウンタ160Bの記憶値とが、第1制御カウンタ変更抽選(図10のステップS23参照)の抽選結果と、第2制御カウンタ変更抽選(図13のステップS31参照)の抽選結果と、に基づき決定されるため、毎回の遊技によって必ず第1制御カウンタ160Aの記憶値と第2制御カウンタ160Bの記憶値とのいずれかが変更されるとは限らない構成となっている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態の終了後にAT状態になるか否かが第1AT状態の終了直前まで決定されず、AT状態に関する制御に対する遊技者の興趣を向上させることができる。なお、第1制御カウンタ変更抽選と、第2制御カウンタ変更抽選と、は、本実施形態におけるカウンタ抽選を構成する。
【0149】
ステップS43の処理において、第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」ではないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、確率変更フラグのいずれかがONにセットされているか否かを判定する(S46)。この処理において、確率変更フラグのいずれかがONであると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、確率変更フラグ終了抽選を実行する(S47)。この処理において、AT状態制御手段200は、現在セットされている確率変更フラグをOFFにするか否かの抽選を実行する。
【0150】
次に、AT状態制御手段200は、ステップS47の処理で確率変更フラグ終了に当選したか否かを判定する(S48)。この処理において、確率変更フラグ終了に当選したと判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、セットされている確率変更フラグをOFFにする(S49)。このように、AT状態制御手段200は、ステップS47の処理で確率変更フラグの終了に当選するまで、後述するステップS52の処理で実行する確率変更処理において設定される確率変更フラグをON状態で維持するように構成されている。
【0151】
ステップS49の処理を実行した後、ステップS46の処理において、確率変更フラグがいずれもOFFであると判定した場合(NO)又はステップS48の処理において、確率変更フラグ終了に非当選だと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの現在の記憶値に対応付けられた第1テーブルAnのポイントAn3が、ポイントAn3の上限値として設定された値である100未満であるか否かを判定する(S50)。この処理において、AT状態制御手段200は、第1AT状態において実行された前回までのポイント増加処理によって、ポイントAn3の記憶値が上限値である100に到達しているか否かを判定し、現在使用されている第1テーブルAnに対応するポイントAn3が上限値の100未満であると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、現在使用している第1テーブルAnに対応するポイントAn3の増加を制御するポイント増加処理を実行する(S51)。
【0152】
ステップS51の処理を実行した後又はステップS50の処理において、現在使用されている第1テーブルAnに対応するポイントAn3が上限値である値「100」であると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率の変更を制御する確率変更処理を実行する(S52)。確率変更処理では、確率変更フラグ、記憶値増加フラグ及び連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにセットするか否かを決定する抽選が行われる。
【0153】
ステップS52の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、遊技情報管理手段205に遊技情報を記録させる(S53)。遊技情報管理手段205は、第1AT状態の開始から第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」になるまでに実行された遊技回数や、第1AT状態において使用された抽選テーブル(第2テーブルのグループのうちいずれの第2グループを使用したか)、第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」になった時点における第1制御カウンタ160Aの記憶値等を、遊技情報として記録する。そして、遊技情報管理手段205は、記録した遊技情報に応じて点数を設定する。
【0154】
遊技情報管理手段205が点数を設定する際の詳細について説明する。遊技情報管理手段205は、第1AT状態の開始から第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」になるまでに実行された遊技回数が少なければ少ないほど多い点数を付与する。また、遊技情報管理手段205は、第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」になった時点における第1制御カウンタ160Aの記憶値が多いほど多い点数を付与する。
【0155】
そして、AT状態制御手段200は、上述したステップS44の処理において、遊技情報に基づき遊技情報管理手段205によって付与された点数が多いほど、遊技者により有利な特典を付与するように構成されている。
【0156】
つまり、遊技情報管理手段205は、第2制御カウンタ変更処理で第2制御カウンタ160Bの記憶値の変更に高い頻度で当選し、第1AT状態において実行した遊技回数が少ない状態で遊技情報に基づく特典が付与される、という特典の付与について遊技者にとって有利な結果を得たものの、第1AT状態において実行された遊技回数が少ないことで第1AT状態中に実行された入賞補助演出の回数が少なく、遊技者が打順ベル1〜打順ベル8の当選時にベルA、ベルBを入賞させてメダルを獲得した枚数が少ない、というAT状態において得られるメダル数について、第1AT状態での遊技回数が多くなった場合よりも遊技者にとって不利な結果となった場合に、遊技者により有利な特典が付与されるように構成されており、第1AT状態に関する制御に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0157】
上述の通り、本実施形態では、表示装置330において、第1キャラクタと第2キャラクタとが競い合い、第2キャラクタの人数が0になった場合にAT状態が継続することを報知する演出が実行される。また、AT状態制御手段200は、第2キャラクタの人数に対応する第2制御カウンタ160Bの記憶値を、第2制御カウンタ変更処理(図13参照)において実行する第2制御カウンタ変更抽選の結果によって変更する。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態の終了やAT状態の継続についてのコントロールができないものである。このため、例えば、第2制御カウンタ変更処理において、第2制御カウンタ160Bの記憶値の変更に高い頻度で当選すると、表示装置330上においては、第1キャラクタが第2キャラクタに圧勝するという形にはなる一方、第1AT状態において実行した遊技回数がこれに比例するように少なくなってしまう。このような場合、遊技者から見ると、第1キャラクタが第2キャラクタには圧勝したものの、第1キャラクタが第2キャラクタに辛勝した場合よりも第1AT状態における遊技の実行回数が少ないことから、獲得したメダルが少ないという状況となり損失感を与える虞がある。このため、本実施形態では、第1キャラクタが第2キャラクタに圧勝したことで、第1AT状態における遊技回数が相対的に少ない場合には、遊技者により有利な特典を付与することで、AT状態の継続を早期に確定させて、現在実行している第1AT状態を終了させるという動機付けを与え、早期にAT状態が継続確定した際に遊技者に与える虞があった損失感のケアを行うことができる。
【0158】
また、遊技情報管理手段205は、第1AT状態処理において使用した第2テーブルのグループに基づきポイントを付与する場合に、「グループD>グループC>グループB」の順に付与するポイントが多くなる。これは、第2制御カウンタ160Bの記憶値が減りにくく、かつ第1制御カウンタ160Aの記憶値が減りやすいグループDが選択された場合に、他の第2テーブルグループが選択された場合よりも、第1AT状態から通常非AT状態に移行しやすく、遊技者にとって不利な結果となる可能性が高くなっているためである。この構成により、遊技情報管理手段205は、遊技者にとって不利な結果となりやすいグループDが選択されたことを遊技情報として記録し、グループDが選択された状態で第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」となった場合には、他の第2テーブルグループが選択された場合よりも多くのポイントを付与し、AT状態制御手段200によるステップS44の処理において、他の特典よりも遊技者により有利な特典が付与されることができ、第1AT状態に関する制御に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0159】
ステップS45又はステップS53の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ変更処理及び第2制御カウンタ変更処理においてONにセットされた第1カウンタ維持フラグ、第1カウンタ変更フラグ及び第2カウンタ変更フラグ(第1カウンタ維持フラグ、第1カウンタ変更フラグ及び第2カウンタ変更フラグをまとめて「カウンタ変更フラグ」とも記載)をOFFにし(S54)、第1AT終了判定処理を終了する。この処理において、AT状態制御手段200は、次回の遊技において、第1制御カウンタ160Aの記憶値が変更されたか否か及び第2制御カウンタ160Bの記憶値が変更されたか否かを判定するために、カウンタ変更フラグをOFFにする。
【0160】
このように、本実施形態のAT状態制御手段200は、第1AT状態において、第1制御カウンタ160Aの記憶値が第1の値「0」となることに基づき第1AT状態を終了する場合に、第1AT状態の終了後を通常非AT状態にすると判定し、第2制御カウンタ160Bの記憶値が第2の値「0」となることに基づき第1AT状態を終了する場合に、AT状態にしたまま第1特典〜第4特典のいずれかを付与した後に、第1AT状態を開始すると判定するように構成されている。つまり、本実施形態の第1AT状態は、所定の契機として通常非AT状態又はCZ状態においてAT抽選に当選することで開始され、終了後をAT状態にするか否かが判定される判定状態を構成している。
【0161】
<確率変更処理>
図15は、図14に示した第1AT終了判定処理のステップS52において実行される確率変更処理のフローチャートである。
【0162】
まず、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ変更減少フラグがOFFであるか否かを判定する(S61)。この処理において、AT状態制御手段200は、重複して第1制御カウンタ変更減少フラグをONにしないために、第1制御カウンタ変更減少フラグがまだONにセットされていないか否かを判定する。ステップS61の処理において、第1制御カウンタ変更減少フラグがOFFであると判定した場合には(YES)、第1カウンタ変更フラグがONであるか否かを判定する(S62)。この処理において、第1カウンタ変更フラグがONである場合、すなわち、第1制御カウンタ変更処理(図10参照)の第1制御カウンタ変更抽選(ステップS23参照)の処理において、第1制御カウンタ160Aの変更に当選し第1制御カウンタ160Aの記憶値が減少した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、第1確率変更抽選を実行する条件である第1制御カウンタ160Aの記憶値の変更という抽選条件が成立したと判定し、第1の確率変更状態を実行するために第1制御カウンタ変更確率減少フラグをONにするか否かを決定する第1確率変更抽選を実行する(S63)。
【0163】
第1確率変更抽選において、AT状態制御手段200は、複数の乱数のそれぞれに対して、ONにセットされることで第1の確率変更状態が実行される第1制御カウンタ変更減少フラグと、ハズレ(非当選)と、のいずれかに対応付けられた第1確率変更抽選テーブル(不図示)を、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aから取得する。そして、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を第1確率変更抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき第1制御カウンタ変更減少フラグをONにするか否かを決定する。そして、第1制御カウンタ変更減少フラグをONにすると決定した場合には、AT状態制御手段200は、ステップS63の処理で第1制御カウンタ変更減少フラグをONにセットする。
【0164】
上述した通りAT状態制御手段200は、第1の確率変更状態を実行することで第1制御カウンタ変更抽選において、第1制御カウンタ160Aが変更されにくくなる第1制御カウンタ変更抽選テーブルS23F(図12(A)参照)を使用して第1制御カウンタ変更抽選を実行し、第1制御カウンタ160Aの記憶値が0に近づく確率を低くする。このため、AT状態制御手段200は、第1の確率変更状態を実行することで、第1制御カウンタ160Aの記憶値が0になるまでに第2制御カウンタ160Bの記憶値が0になる確率が高くなり、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率を変更することができる。第1の確率変更状態が実行された場合、スロットマシン1においては、第1キャラクタが第2キャラクタと競い合った際に、第2キャラクタに負ける確率が低くなる。
【0165】
ステップS61の処理において、第1制御カウンタ変更減少フラグがONであると判定した場合(NO)又はステップS62の処理において、第1カウンタ変更フラグがOFFであると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ変更増加フラグがOFFであるか否かを判定する(S64)。この処理において、AT状態制御手段200は、重複して第2制御カウンタ変更増加フラグをONにしないために、まだ第2制御カウンタ変更増加フラグがONではないか否かを判定する。ステップS64の処理において、第2制御カウンタ変更増加フラグがOFFであると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、第2カウンタ変更フラグがONであるか否かを判定する(S65)。この処理において、第2カウンタ変更フラグがONであると判定した場合、すなわち、第2制御カウンタ変更処理(図13参照)の第2制御カウンタ変更抽選(ステップS31参照)の処理において、第2制御カウンタ160Bの変更に当選し第2制御カウンタ160Bの記憶値が減少した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、第2確率変更抽選を実行する条件である第2制御カウンタ160Bの記憶値の変更という抽選条件が成立したと判定し、第2の確率変更状態を実行するために第2制御カウンタ変更確率増加フラグをONにするか否かを決定する第2確率変更抽選を実行する(S66)。
【0166】
第2確率変更抽選において、AT状態制御手段200は、複数の乱数のそれぞれに対して、ONにセットされることで第2の確率変更状態が実行される第2制御カウンタ変更増加フラグと、ハズレ(非当選)と、のいずれかに対応付けられた第2確率変更抽選テーブル(不図示)を、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aから取得する。そして、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を第2確率変更抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき第2制御カウンタ変更増加フラグをONにするか否かを決定する。そして、第2制御カウンタ変更増加フラグをONにすると決定した場合には、AT状態制御手段200は、ステップS66の処理で第2制御カウンタ変更増加フラグをONにセットする。
【0167】
上述した通りAT状態制御手段200は、第2の確率変更状態を実行することで第2制御カウンタ変更抽選において、第2制御カウンタ160Bが変更されやすくなる第2制御カウンタ変更抽選テーブルS31F(図12(B)参照)を使用して第2制御カウンタ変更抽選を実行し、第2制御カウンタ160Bの記憶値が0に近づく確率を高くする。このため、AT状態制御手段200は、第2の確率変更状態を実行することで、第1制御カウンタ160Aの記憶値が0になるまでに第2制御カウンタ160Bの記憶値が0になる確率が高くなり、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率を変更することができる。第2の確率変更状態が実行された場合、スロットマシン1においては、第1キャラクタが第2キャラクタと競い合った際に、第2キャラクタに勝つ確率が高くなる。
【0168】
ステップS63、ステップS66の処理を実行した後、ステップS64の処理において、第2制御カウンタ変更増加フラグがONであると判定した場合(NO)又はステップS65の処理において、第2カウンタ変更フラグがOFFであると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、抽選フラグ記憶手段152に格納された抽選フラグの内、レア役に対応する抽選フラグがONになっているか否か、すなわち、今回の遊技の内部抽選において、レア役に当選したか否かを判定する(S67)。この処理において、レア役に当選したと判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、第3確率変更抽選を実行する条件である内部抽選でのレア役の当選という抽選条件が成立したと判定し、記憶値増加フラグをONにセットし第3の確率変更状態を実行する又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにセットし第4の確率変更状態を実行するか否かを決定する第3確率変更抽選を実行する(S68)。
【0169】
第3確率変更抽選において、AT状態制御手段200は、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに格納された図16に示す第3確率変更抽選テーブルS68A〜S68Cの中から、現在の第1制御カウンタ160Aの記憶値に対応付けられた第1テーブルAnと、今回の第1AT状態において、現在の第1制御カウンタ160Aの記憶値から値が減少した場合に使用が予定されている第1テーブルAnと、に応じて1つの第3確率変更抽選テーブルを取得する。
【0170】
なお、以下の説明において、現在の第1制御カウンタ160Aの記憶値に対応付けられた第1テーブルAnと、今回の第1AT状態において、現在の第1制御カウンタ160Aの記憶値から値が減少した場合に使用が予定されている第1テーブルAnと、をまとめて「使用可能な第1テーブルAn」と記載する。今回の第1AT状態において、既に使用を終了した第1テーブルAnと、第1AT状態処理(図5参照)の第1テーブル選択抽選(ステップS3参照)で選択されなかった第1テーブルAnと、をまとめて「使用不可能な第1テーブルAn」と記載する。
【0171】
第3確率変更抽選テーブルを取得する際の制御処理の詳細について説明する。AT状態制御手段200は、例えば、第1テーブルAnの内、第1テーブルA2及び第1テーブルA4が使用不可能な第1テーブルAnである場合には、第3確率変更抽選テーブルS68Aを取得する。第3確率変更抽選テーブルS68Aでは、複数の乱数のそれぞれに対して、ONにセットされることで第3の確率変更状態が実行される記憶値増加フラグと、ハズレ(非当選)と、が対応付けられている。上述したように、第3の確率変更状態を実行した場合、AT状態制御手段200は、第1AT状態処理のステップS11〜ステップS14に示すように、第1制御カウンタ160Aの記憶値が初期値から減少した際に、第1制御カウンタ160Aの記憶値に1加算することで、第2制御カウンタ160Bの記憶値が「0」になるまでに第1制御カウンタ160Aの記憶値が「0」になる確率を減少し、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率を変更することができる。
【0172】
また、AT状態制御手段200は、第1テーブルAnの内、第1テーブルA1、第1テーブルA3及び第1テーブルA5のいずれもが使用不可能な第1テーブルAnである場合には、第3確率変更抽選テーブルS68Bを取得する。第3確率変更抽選テーブルS68Bでは、複数の乱数のそれぞれに対して、ONにセットされることで第4の確率変更状態が実行される連続第2制御カウンタ変更抽選フラグと、ハズレ(非当選)と、が対応付けられている。上述したように、第4の確率変更抽選を実行した場合、AT状態制御手段200が、1回の第2制御カウンタ変更処理において第2制御カウンタ変更抽選(ステップS31参照)を複数回連続して実行することで、第2制御カウンタ160Bを減少する確率を増加し、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率を変更することができる。
【0173】
そして、AT状態制御手段200は、第1テーブルAnの内、第1テーブルA2、第1テーブルA4の少なくともどちらか1つと、第1テーブルA1、第1テーブルA3、第1テーブルA5の少なくともいずれか1つと、が共に使用可能な第1テーブルAnである場合には、第3確率変更抽選テーブルS68Cを取得する。第3確率変更抽選テーブルS68Cでは、複数の乱数のそれぞれに対して、記憶値増加フラグと、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグと、ハズレ(非当選)と、が対応付けられている。第3確率変更抽選において、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を第3確率変更抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグのいずれかをONにするか否かを決定する。
【0174】
このように、本実施形態のAT状態制御手段200は、使用可能な第1テーブルAnに応じて、第3確率変更抽選の実行時に、第3の確率変更状態と、第4の確率変更状態と、のいずれを実行可能にするか否かを決定するように構成されている。上述したように、本実施形態のスロットマシン1においては、演出制御手段180によって現在使用している第1テーブルAnに対応する第1キャラクタが表示装置330に表示されている。つまり、本実施形態のスロットマシン1においては、表示装置330に表示されている又は表示が予定されている第1キャラクタに応じた確率変更状態を実行するか否かを第3確率変更抽選の実行時に決定するように構成されている。そのため、本実施形態のスロットマシン1は、確率変更状態の内容と演出の内容とを連携させることができ、第1AT状態における遊技及び演出に対する遊技者の興趣をより向上させることができる。
【0175】
なお、いずれの第3確率変更抽選テーブルを用いた場合であっても、記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグのいずれかをONにすると決定した場合には、AT状態制御手段200は、ステップS68の処理でONにセットすると決定したフラグをONにセットする。
【0176】
ステップS68の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、ステップS68の第3確率変更抽選において当選したか否か、つまり、記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグのいずれかをONにすると決定したか否かを判定する(S69)。この処理において、記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグのいずれかをONにすると決定したと判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、確率変更処理を終了する。
【0177】
ステップS67の処理において、レア役に当選していないと判定した場合(NO)又はステップS69の処理において、記憶値増加フラグ及び連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにすると決定していないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第4確率変更抽選を実行する条件である第1AT状態において1回の遊技が実行されるという抽選条件が成立したと判定し、記憶値増加フラグをONにセットし第3の確率変更状態を実行する又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにセットし第3の確率変更状態を実行するか否かを決定する第4確率変更抽選を実行する(S70)。
【0178】
第4確率変更抽選において、AT状態制御手段200は、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aに格納された図17に示す第4確率変更抽選テーブルS70A〜S70Iの中から、使用可能な第1テーブルAnと、現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3と、に応じて、1つ取得する。すなわち、第4確率変更抽選において、AT状態制御手段200は、第3確率変更抽選と異なり、現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3の値の大きさによって、取得する第4確率変更抽選テーブルを変更する。
【0179】
第4確率変更抽選テーブルを取得する際の制御処理の詳細について説明する。AT状態制御手段200は、例えば、第1テーブルAnの内、第1テーブルA2及び第1テーブルA4が使用不可能な第1テーブルAnであり、かつ現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3が0〜70のいずれかである場合には、複数の乱数のそれぞれに対して、記憶値増加フラグと、ハズレ(非当選)と、が対応付けられた第4確率変更抽選テーブルS70A〜S70Cのうち第4確率変更抽選テーブルS70Aを取得する。また、第1テーブルAnの内、第1テーブルA2及び第1テーブルA4が使用不可能な第1テーブルAnであり、現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3が71〜99のいずれかである場合には、AT状態制御手段200は、第4確率変更抽選テーブルS70Bを取得する。また、第1テーブルAnの内、第1テーブルA2及び第1テーブルA4が使用不可能な第1テーブルAnであり、現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3が、ポイントの上限値である100である場合には、AT状態制御手段200は、第4確率変更抽選テーブルS70Cを取得する。
【0180】
第4確率変更抽選テーブルS70Cにおいて記憶値増加フラグに当選する確率は、第4確率変更抽選テーブルS70A及び第4確率変更抽選テーブルS70Bにおいて記憶値増加フラグに当選する確率よりも高くなるように構成されている。また、第4確率変更抽選テーブルS70Aにおいて記憶値増加フラグに当選する確率は、第4確率変更抽選テーブルS70B及び第4確率変更抽選テーブルS70Cにおいて記憶値増加フラグに当選する確率よりも低くなるように構成されている。
【0181】
また、AT状態制御手段200は、第1テーブルAnの内、第1テーブルA1、第1テーブルA3及び第1テーブルA5のいずれもが使用不可能な第1テーブルAnであり、かつ現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3が0〜70のいずれかである場合には、複数の乱数のそれぞれに対して、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグと、ハズレ(非当選)と、が対応付けられた第4確率変更抽選テーブルS70D〜S70Fのうち第4確率変更抽選テーブルS70Dを取得する。また、第1テーブルAnの内、第1テーブルA1、第1テーブルA3及び第1テーブルA5のいずれもが使用不可能な第1テーブルAnであり、かつ現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3が71〜99のいずれかである場合には、AT状態制御手段200は、第4確率変更抽選テーブルS70Eを取得する。また、第1テーブルAnの内、第1テーブルA1、第1テーブルA3及び第1テーブルA5のいずれもが使用不可能な第1テーブルAnであり、かつ現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3がポイントの上限値である100である場合には、AT状態制御手段200は、第4確率変更抽選テーブルS70Fを取得する。
【0182】
第4確率変更抽選テーブルS70Fにおいて連続第2制御カウンタ変更抽選フラグに当選する確率は、第4確率変更抽選テーブルS70D及び第4確率変更抽選テーブルS70Eにおいて連続第2制御カウンタ変更抽選フラグに当選する確率よりも高くなるように構成されている。また、第4確率変更抽選テーブルS70Dにおいて連続第2制御カウンタ変更抽選フラグに当選する確率は、第4確率変更抽選テーブルS70E及び第4確率変更抽選テーブルS70Fにおいて連続第2制御カウンタ変更抽選フラグに当選する確率よりも低くなるように構成されている。
【0183】
そして、AT状態制御手段200は、第1テーブルAnの内、第1テーブルA2、第1テーブルA4の少なくともどちらか1つと、第1テーブルA1、第1テーブルA3、第1テーブルA5の少なくともいずれか1つと、が共に使用可能な第1テーブルであり、かつ現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3が0〜70のいずれかである場合には、複数の乱数のそれぞれに対して、記憶値増加フラグと、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグと、ハズレ(非当選)と、が対応付けられた第4確率変更抽選テーブルS70G〜第4確率変更抽選テーブルS70Iのうち、第4確率変更抽選テーブルS70Gを取得する。また、第1テーブルAnの内、第1テーブルA2、第1テーブルA4の少なくともどちらか1つと、第1テーブルA1、第1テーブルA3、第1テーブルA5の少なくともいずれか1つと、が共に使用可能な第1テーブルであり、かつ現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3が71〜99のいずれかである場合には、AT状態制御手段200は、第4確率変更抽選テーブルS70Hを取得する。また、第1テーブルAnの内、第1テーブルA2、第1テーブルA4の少なくともどちらか1つと、第1テーブルA1、第1テーブルA3、第1テーブルA5の少なくともいずれか1つと、が共に使用可能な第1テーブルであり、かつ現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3がポイントの上限値である上限値の100である場合には、AT状態制御手段200は、第4確率変更抽選テーブルS70Iを取得する。
【0184】
第4確率変更抽選テーブルS70Iにおいて記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグの少なくともいずれか一方に当選する確率は、第4確率変更抽選テーブルS70G及び第4確率変更抽選テーブルS70Hにおいて記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグの少なくともいずれか一方に当選する確率よりも高くなるように構成されている。また、第4確率変更抽選テーブルS70Gにおいて記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグのどちらか一方に当選する確率は、第4確率変更抽選テーブルS70H及び第4確率変更抽選テーブルS70Iにおいて記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグの少なくともいずれか一方に当選する確率よりも低くなるように構成されている。
【0185】
このように、本実施形態のAT状態制御手段200は、使用可能な第1テーブルAnに応じて、第4確率変更抽選の実行時に、第3の確率変更状態と、第4の確率変更状態と、のいずれを実行可能にするか否かを決定するように構成されている。上述したように、本実施形態のスロットマシン1においては、演出制御手段180によって現在使用している第1テーブルAnに対応する第1キャラクタが表示装置330に表示されている。つまり、本実施形態のスロットマシン1においては、表示装置330に表示されている又は表示が予定されている第1キャラクタに応じた確率変更状態を実行するか否かを第4確率変更抽選の実行時に決定するように構成されている。そのため、本実施形態のスロットマシン1は、確率変更状態の内容と演出の内容とを連携させることができ、第1AT状態における遊技及び演出に対する遊技者の興趣をより向上させることができる。
【0186】
第4確率変更抽選において、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を取得した第4確率変更抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにするか否かを決定する。なお、いずれの第4確率変更抽選テーブルを用いた場合であっても、記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグのいずれかをONにすると決定した場合には、AT状態制御手段200は、ステップS71の処理でONにセットすると決定したフラグをONにセットする。
【0187】
ここで、第3確率変更抽選又は第4確率変更抽選において、例えば既に記憶値増加フラグがONである状態で、記憶値増加フラグをONにするに決定した場合、AT状態制御手段200は、記憶値増加フラグをONにする処理をストックする。記憶値増加フラグをストックした場合、AT状態制御手段200は、第1AT状態処理のステップS14において記憶値増加フラグをOFFにした際に、ストックした記憶値増加フラグをONにする。つまり、AT状態制御手段200は、ストックがなくなるまで、第3の確率変更状態を維持することができる構成となっている。また、例えば既に連続第2制御カウンタ変更抽選フラグがONである状態で、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにするに決定した場合、AT状態制御手段200は、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにする処理をストックする。連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをストックした場合、AT状態制御手段200は、第2制御カウンタ変更処理のステップS39において連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをOFFにした際に、ストックした連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにする。つまり、AT状態制御手段200は、ストックがなくなるまで、第4の確率変更状態を維持することができる構成となっている。
【0188】
このため、本実施形態のスロットマシン1は、第3の確率変更状態の実行中又は第4の確率変更状態の実行中に、第3確率変更抽選又は第4確率変更抽選において、現在実行中の確率変更状態の実行を重複して当選した場合にも、無効にすることなくストックし、現在実行中の確率変更状態の終了する条件が成立し次第再度実行するため、現在実行中の確率変更状態の実行を重複して当選した場合に該当選した結果が無駄にならず、遊技者に損失感を与えることを防ぐことができる。
【0189】
ステップS70の処理を実行した後、AT状態制御手段200は、ステップS70の第4確率変更抽選において、第3の確率変更状態の実行又は第4の確率変更状態の実行に当選したか否か、つまり記憶値増加フラグをONにする又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにすると決定したか否かを判定する(S71)。この処理において、記憶値増加フラグ及び連続第2制御カウンタ変更抽選フラグのいずれもONにすると決定していないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、確率変更処理を終了する。一方、記憶値増加フラグ又は連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにすると決定したと判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、現在使用されている第1テーブルAnに対応するポイントAn3を「0」に更新し(S72)確率変更処理を終了する。この処理において、AT状態制御手段200は、今回の第4確率変更抽選によって第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態の実行が決定されたことにより、次回以降の遊技においてもポイントAn3の値に基づき第4確率変更抽選テーブルを取得する際に、遊技者に有利な第4確率変更抽選テーブルが取得し、遊技者に過度に有利になってしまうことで、第1AT状態における展開が推測できてしまい第1AT状態に対する興趣が低下することを防ぐために、現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3の値を「0」に更新する。
【0190】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、第1AT状態の実行中に、確率変更処理を実行することで、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率を高くする第1の確率変更状態、第2の確率変更状態、第3の確率変更状態及び第4の確率変更状態を実行可能に構成されている。第1の確率変更状態、第2の確率変更状態、第3の確率変更状態及び第4の確率変更状態を実行することにより、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者にとって有利な結果となる確率を高くすることができるため、第1AT状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0191】
また、上述したように、本実施形態のスロットマシン1は、第1の確率変更状態を実行するか否かを決定する第1確率変更抽選を、第1制御カウンタ変更抽選によって第1制御カウンタ160Aの記憶値が変更されることを条件に実行し、第2の確率変更状態を実行するか否かを決定する第2確率変更抽選を、第2制御カウンタ変更抽選によって第2制御カウンタ160Bの記憶値が変更されることを条件に実行する。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、第1の確率変更状態、第2の確率変更状態を互いに異なる条件が成立した場合に実行するため、第1AT状態の実行中における遊技が変化に富んだものとなる。
【0192】
また、第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態を実行するか否かを決定する第3確率変更抽選は、AT状態制御手段200が内部抽選によってレア役に当選したと判定したことを条件に実行される。つまり、第3確率変更抽選は、第1確率変更抽選及び第2確率変更抽選とは異なる条件が成立した場合に実行される。このため、本実施形態のスロットマシン1では、第1の確率変更状態、第2の確率変更状態、第3の確率変更状態及び第4の確率変更状態が様々な条件が成立した場合に実行可能となるため、第1AT状態の実行中における遊技がさらに変化に富んだものとなり、第1AT状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0193】
<ポイント増加処理>
図18は、図14に示した第1AT終了判定処理のステップS51において実行されるポイント増加処理のフローチャートである。
【0194】
まず、AT状態制御手段200は、現在第1テーブルA1が使用されているか否かを判定する(S81)。この処理において、AT状態制御手段200は、現在の第1制御カウンタ160Aの記憶値に対応付けられている第1テーブルが第1テーブルA1か否かを判定することで、現在第1テーブルA1が使用されているか否かを判定し、現在第1テーブルA1が使用されていると判定した場合には(YES)、前回の遊技における内部抽選と、今回の遊技における内部抽選と、のいずれにおいてリプレイに当選した、つまり連続してリプレイに当選しているか否かを判定する(S82)。
【0195】
ステップS82の処理において、今回の遊技おける内部抽選又は前回の遊技における内部抽選においてリプレイに当選していないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aから図19(A)に示す通常ポイント増加抽選テーブルを取得し、ポイントAn3に加算する値を決定するポイント増加抽選を実行し(S83)、ポイント増加抽選処理を終了する。また、ステップS82の処理において、前回の遊技における内部抽選及び今回の遊技における内部抽選において連続してリプレイに当選したと判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、第1AT状態制御テーブル記憶手段159Aから図19(B)に示す特別ポイント増加抽選テーブルを取得し、ポイント増加抽選を実行し(S84)、ポイント増加抽選処理を終了する。
【0196】
図19に示すように、通常ポイント増加抽選テーブルでは、複数の乱数のそれぞれに対して、値「1」又は「2」が対応付けられている。また、特別ポイント増加抽選テーブルでは、複数の乱数のそれぞれに対して、値「1」、「2」又は「3」が対応付けられている。また、特別ポイント増加抽選テーブルは、通常ポイント増加抽選テーブルよりも、値「2」以上に当選する確率が高くなるように構成されている。
【0197】
ステップS83で実行するポイント増加抽選において、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を通常ポイント増加抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき値「1」又は「2」のいずれに当選したかを判定し、当選した値を現在使用している第1テーブルA1に対応したポイントA13に加算する。また、ステップS84で実行するポイント増加抽選において、AT状態制御手段200は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を特別ポイント増加抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき値「1」、「2」又は「3」のいずれに当選したかを判定し、当選した値を現在使用している第1テーブルA1に対応したポイントA13に加算する。
【0198】
ステップS81の処理において、現在第1テーブルA1が使用されていないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、現在第1テーブルA2が使用されているか否かを判定する(S85)。この処理において、AT状態制御手段200は、現在の第1制御カウンタ160Aの記憶値に対応付けられている第1テーブルが第1テーブルA2か否かを判定することで、現在第1テーブルA2が使用されているか否かを判定し、現在第1テーブルA2が使用されていると判定した場合には(YES)、第2制御カウンタ変更処理(図13参照)において第2制御カウンタ160Bの記憶値を変更した場合にONにセットされる第2カウンタ変更フラグがONであるか否かを判定する(S86)。
【0199】
ステップS86の処理において、第2カウンタ変更フラグがOFFであると判定した場合(NO)、AT状態制御手段200は、通常ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選を実行し(S87)、ポイント増加抽選処理を終了する。また、ステップS86の処理において、第2カウンタ変更フラグがONであると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、特別ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選を実行し(S88)、ポイント増加抽選処理を終了する。ステップS87の処理において、AT状態制御手段200は、ステップS83の処理と略同様にポイント増加抽選及びポイントA23を加算する処理を実行する。また、ステップS88の処理において、AT状態制御手段200は、ステップS84の処理と略同様にポイント増加抽選及びポイントA23を加算する処理を実行する。
【0200】
ステップS85の処理において、現在第1テーブルA2が使用されていないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、現在第1テーブルA3が使用されているか否かを判定する(S89)。この処理において、AT状態制御手段200は、現在の第1制御カウンタ160Aの記憶値に対応付けられている第1テーブルが第1テーブルA3か否かを判定することで、現在第1テーブルA3が使用されているか否かを判定し、現在第1テーブルA3が使用されていると判定した場合には(YES)、第1制御カウンタ変更処理(図10参照)が実行され、かつ第1制御カウンタ160Aの記憶値が変更されなかった場合にONにセットされる第1カウンタ維持フラグがONであるか否かを判定する(S90)。
【0201】
ステップS90の処理において、第1カウンタ維持フラグがOFFであると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、通常ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選を実行し(S91)、ポイント増加抽選処理を終了する。また、ステップS90の処理において、第1カウンタ維持フラグがONであると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、特別ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選を実行し(S92)、ポイント増加抽選処理を終了する。ステップS91の処理において、AT状態制御手段200は、ステップS83の処理と略同様にポイント増加抽選及びポイントA33を加算する処理を実行する。また、ステップS92の処理において、AT状態制御手段200は、ステップS84の処理と略同様にポイント増加抽選及びポイントA33を加算する処理を実行する。
【0202】
ステップS89の処理において、現在第1テーブルA3が使用されていないと判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、現在第1テーブルA4が使用されているか否かを判定する(S93)。この処理において、AT状態制御手段200は、現在の第1制御カウンタ160Aの記憶値に対応付けられている第1テーブルが第1テーブルA4か否かを判定することで、現在第1テーブルA4が使用されているか否かを判定し、現在第1テーブルA4が使用されていると判定した場合には(YES)、第2カウンタ変更フラグがONであるか否かを判定する(S94)。
【0203】
ステップS94の処理において、第2カウンタ変更フラグがOFFであると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、通常ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選を実行し(S95)、ポイント増加抽選処理を終了する。また、ステップS94の処理において、第2カウンタ変更フラグがONであると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、特別ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選を実行し(S96)、ポイント増加抽選処理を終了する。ステップS95の処理において、AT状態制御手段200は、ステップS83の処理と略同様にポイント増加抽選及びポイントA43を加算する処理を実行する。また、ステップS96の処理において、AT状態制御手段200は、ステップS84の処理と略同様にポイント増加抽選及びポイントA43を加算する処理を実行する。
【0204】
ステップS93の処理において、現在第1テーブルA4が使用されていないと判定した場合、すなわち第1制御カウンタ160Aの現在の記憶値に第1テーブルA5が対応付けられ、現在第1テーブルA5が使用されていると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、第1カウンタ維持フラグがONであるか否かを判定する(S97)。この処理において、第1カウンタ維持フラグがOFFであると判定した場合には(NO)、AT状態制御手段200は、通常ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選を実行し(S98)、ポイント増加抽選処理を終了する。また、ステップS97の処理において、第1カウンタ維持フラグがONであると判定した場合には(YES)、AT状態制御手段200は、特別ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選を実行し(S99)、ポイント増加抽選処理を終了する。ステップS98の処理において、AT状態制御手段200は、ステップS83の処理と略同様にポイント増加抽選及びポイントA43を加算する処理を実行する。また、ステップS99の処理において、AT状態制御手段200は、ステップS84の処理と略同様にポイント増加抽選及びポイントA43を加算する処理を実行する。
【0205】
このように、AT状態制御手段200は、例えば第1テーブルA1の使用中に連続でリプレイに当選する等、現在使用している第1テーブルAnごとに設定された条件(ポイント変更条件)が成立した場合に、図19に示す特別ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選を実行するように構成されている。上述した通り、特別ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選は、通常ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選よりもポイントAn3に加算する値として2以上の値に決定される確率が高くなっている。つまり、AT状態制御手段200は、使用中の第1テーブルAnごとに設定された条件が成立した場合に、よりポイントAn3を加算しやすくするように構成されている。
【0206】
そして、本実施形態のスロットマシン1においては、第1キャラクタと第1テーブルAnとが対応している。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、表示装置330に表示されている第1キャラクタごとに設定された条件が成立した場合に、現在表示されている第1キャラクタのポイントが上昇しやすくなっているため、第1キャラクタごとにポイントAn3の増加の傾向に特徴がみられ、現在表示されている第1キャラクタごとに第1AT状態の進行の仕方に変化が生まれやすくなっている。
【0207】
また、上述した通り、第1テーブルAnごとに設定されている条件は、リプレイの連続当選と、第2制御カウンタ160Bの記憶値が変更された場合、つまり第1キャラクタが第2キャラクタに勝った場合と、第1制御カウンタ160Bの記憶値が変更されなかった場合、つまり第1キャラクタが第2キャラクタと競い合いかつ負けなかった場合と、のいずれも演出として認識できる条件となっている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、ポイントAn3が増加しやすい特別ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選の実行時を遊技者に示唆することができ、ポイントの増加に関する制御処理に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0208】
また、上述の通り、AT状態制御手段200は、ポイントAn3に応じて、確率変更処理(図15参照)の第4確率変更抽選(ステップS70参照)において使用する第4確率変更抽選テーブルを変更することで、第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態を実行すると決定する確率を変更する。そして、上述したように、AT状態制御手段200は、第1AT状態において遊技が実行される中で、現在使用している第1テーブルAnごとにポイントAn3の増加の傾向が変化するように構成されている。このため、本実施形態のスロットマシン1においては、第1AT状態中の遊技の進行が変化に富んだものとなり、第1AT状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0209】
以上のように、本実施形態のスロットマシン1において、確率変更処理(図15参照)の第4確率変更抽選(ステップS70参照)において第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態を実行すると決定する確率は、ポイント増加抽選処理(図16参照)において、現在使用している第1テーブルAnに対応するポイントAn3が変更されることで、第4確率変更抽選において使用する第4確率変更抽選テーブルが変更されることで変更される。また、現在使用している第1テーブルAnのポイントAn3の増加量は、第1テーブルAnごとに設定されたポイント変更条件の成立の有無により、図19に示す通常ポイント増加抽選テーブル又は特別ポイント増加抽選テーブルを用いたポイント増加抽選によって変更される。従って、第4確率変更抽選において第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態を実行すると決定する確率は、遊技の進行に応じて変更されることで第1AT状態が単調になることが防止され、遊技者の興趣が向上される。
【0210】
また、本実施形態のスロットマシン1において、AT状態制御手段200は、第1の確率変更状態を実行していない状態で、かつ第1制御カウンタ変更処理(図10参照)によって、第1制御カウンタ160Aの記憶値を減少した場合に、第1確率変更抽選を実行し、第2の確率変更状態を実行していない状態で、かつ第2制御カウンタ変更処理(図13参照)によって、第2制御カウンタ160Bの記憶値を減少した場合に、第2確率変更抽選を実行し、内部抽選においてレア役に当選した場合に、第3確率変更抽選を実行する。従って、AT状態制御手段200は、それぞれ異なる条件が成立した場合に成立した条件に対応する確率変更抽選を実行することができ、様々なタイミングで、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率を変更することができ、第1AT状態が単調になることが防止され、遊技者の興趣が向上される。
【0211】
また、上述した通り、第1確率変更抽選は、第1制御カウンタ変更抽選によって、第1制御カウンタ160Aの記憶値が変更された場合に実行され、第2確率変更抽選は、第2制御カウンタ変更抽選によって、第2制御カウンタ160Bの記憶値が変更された場合に実行される。すなわち、本実施形態のスロットマシン1は、第1制御カウンタ変更抽選又は第2制御カウンタ変更抽選によって、第1制御カウンタ160Aの記憶値又は第2制御カウンタ160Bの記憶値が変更されることで第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定される確率が変更されると、第1の確率変更状態又は第2の確率変更状態を実行する可能性が生じるため、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定される確率を、さらに変更することができる構成となっており第1AT状態が単調になることを防ぎ、遊技者の興趣をさらに向上することができる構成となっている。
【0212】
3.変形例
なお、本実施形態においては、第1AT状態において、第1制御カウンタ160Aの記憶値と第2制御カウンタ160Bの記憶値とを変更し、第1制御カウンタ160Aの記憶値が第1の値となった場合に、第1AT状態の終了後を通常非AT状態に移行し、第2制御カウンタ160Bの記憶値が第2の値となった場合に、第1AT状態の終了後を、AT状態を継続した状態で特典を付与する構成を例に説明したが、これに限らず、第1制御カウンタ160Aの記憶値と第2制御カウンタ160Bの記憶値とを変更し、第1制御カウンタ160Aの記憶値が第1の値となった場合に、第1制御カウンタ160Aの記憶値が第1の値となった遊技の次の遊技を非AT状態にし、第2制御カウンタ160Bの記憶値が第2の値となった場合に、第2制御カウンタ160Bの記憶値が第2の値となった遊技の次の遊技をAT状態にすればよく、第1制御カウンタ160Bの記憶値と第2制御カウンタ160Bの記憶値とを変更するのは、AT状態、非AT状態のいずれの状態であっても本発明を適用し得る。このように構成した場合、第1制御カウンタ160Aの記憶値と第2制御カウンタ160Bの記憶値とが変更される状態が、判定状態を構成する。
【0213】
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、確率変更処理(図14のステップS52及び図15参照)において、確率変更フラグと、記憶値増加フラグと、連続第2制御カウンタ変更抽選フラグと、の遊技者に有利になるフラグのいずれかをONにセットするか否かを決定するように構成されているが、これに限らず、例えば、遊技者に有利になるフラグに加え、第1制御カウンタ変更抽選において値「1」以上に当選しやすくなる第1制御カウンタ変更抽選テーブルが選択されるようになるフラグがONにセットされる等、遊技者に不利になるフラグも含めていずれかのフラグをONにセットするか否かを決定するように構成されていてもよい。
【0214】
このように構成した場合、スロットマシン1は、不利な結果となる確率が変化することで、例えば、第1AT状態において第1制御カウンタ160Aの記憶値が第2制御カウンタ160Bの記憶値よりも大幅に大きく、遊技情報に基づく特典が付与されることが確実視されてしまうことで、第1AT状態の終了後の状態に対する興趣が低下してしまう場合にも、確率変更抽選の結果によっては、第1AT状態の終了後にAT状態となるか否かが第1AT状態の終了直前まで推測できなくなるため、第1AT状態の終了後の状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0215】
また、遊技者に有利又は不利になるフラグとしては、例えば、ONにセットされることによって、第1抽選用パラメータAn1の値又は第2抽選用パラメータAn2の値が変更されるフラグを設けてもよい。上述した通り、本実施形態のスロットマシン1においては、第1抽選用パラメータAn1の値を用いて第1制御カウンタ変更抽選テーブルを取得し、第2抽選用パラメータAn2の値を用いて第2制御カウンタ変更抽選テーブルを取得している。つまり、第1抽選用パラメータAn1又は第2抽選用パラメータAn2の値が変更されるフラグがONにセットされた場合には、第1制御カウンタ変更抽選に用いられる第1制御カウンタ変更抽選テーブル又は第2制御カウンタ変更抽選に用いられる第2制御カウンタ変更抽選テーブルが変更されることになる。このように構成した場合、スロットマシン1は、第1制御カウンタ160Aの記憶値又は第2制御カウンタ160Bの記憶値を変更する確率が変更され、第1AT状態の終了後をAT状態にすると判定する確率が変更されるため、第1AT状態における遊技の進行が変化に富んだものになり、第1AT状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0216】
また、このように構成した場合、スロットマシン1は、該フラグがONにセットされている状態で、所定の条件を満たすことによって、さらに第1抽選用パラメータAn1の値又は第2抽選用パラメータAn2の値が変更される構成にされてもよい。
【0217】
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、確率変更処理(図15参照)にて、確率変更フラグ、記憶値増加フラグ及び連続第2制御カウンタ変更抽選フラグをONにするに当選した際、確率変更フラグ、記憶値増加フラグ及び連続第2制御カウンタ変更抽選フラグがOFFであれば、これらフラグをすぐにONにしたが、これに限定しない。AT状態制御手段200は、当選してから数回の遊技を実行した後に、これらフラグをONにする構成であってもよい。
【0218】
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、AT状態において打順ベル1〜打順ベル8が当選した場合に、正解打順を遊技情報表示部DSに表示する入賞補助制御を実行するとともに、表示装置330に正解打順を表示する演出等の演出装置300によって正解打順を報知する入賞補助演出を演出制御手段145に実行させるように構成されているが、入賞補助演出を演出制御手段145に実行させずに正解打順を遊技情報表示部DSに表示する入賞補助制御のみを実行するように構成されていてもよい。
【0219】
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、第1AT状態において、第1制御カウンタ160Aの記憶値と第2制御カウンタ160Bの記憶値とに基づき、第1AT状態の終了後をAT状態にするか否かを決定するように構成されているが、これに限らず、例えば、第1AT状態の開始時に予め定められた所定の遊技回数(例えば、50ゲーム)の遊技が実行可能であると設定し、第1AT状態中に第1AT状態が継続する遊技回数を変更するか否かを決定する抽選を実行し、第1AT状態の終了後をAT状態にすると決定した場合には、第1AT状態中に払い出されたメダルの枚数に応じて遊技者に付与する特典を変更するように構成されていてもよい。
【0220】
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、第1制御カウンタ160Aの記憶値を変更する場合に、第1制御カウンタ変更抽選によって決定した値を第1制御カウンタ160Aの記憶値から減算することで第1制御カウンタ160Aの記憶値を変更するように構成されているが、これに限らず、例えば、第1制御カウンタ変更抽選によって決定した値を第1制御カウンタ160Aの記憶値に加算することで第1制御カウンタ160Aの記憶値を変更するように構成されていてもよく、第1制御カウンタ変更抽選によって決定された値に基づき第1制御カウンタ160Aの記憶値が変更されればよい。このように構成される場合、第1の値は、予め設定された値(例えば「5」)であればよい。また、第2制御カウンタ160Bの記憶値を変更する場合についても、同様である。
【0221】
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、記憶値増加フラグがONの場合、第1AT状態処理(図5参照)のステップS13の処理において、第1制御カウンタ160Aに値「1」を加算するが、これに限定しない。AT状態制御手段200は、例えば、記憶値増加フラグとは別に、ONにセットされることによって、第1制御カウンタ160Aの記憶値が初期値と異なった際に、第1制御カウンタ160Aに2以上を加算するフラグを有していてもよく、確率変更処理によって当選可能なように構成されてもよい。この場合、AT状態制御手段200は、該フラグがONにセットされていることに基づく加算処理の実行後に、第1制御カウンタ160Aの記憶値が初期値を超えることがないタイミングで加算処理を行う。
【0222】
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、第4確率変更抽選において第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態を実行すると決定する確率を、ポイントAnに応じて変更するが、これに限定しない。AT状態制御手段200は、例えば、第4確率変更抽選において、第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態を実行すると決定する確率を、ポイントAnの大小に応じて変更されることなく一定にするように構成してもよい。また、AT状態制御手段200は、ポイントAnが上限値になった際にのみ、第4確率変更抽選が実行するように構成してもよい。この場合、第4確率変更抽選では、第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態のいずれか一方を必ず実行すると決定するように構成にされていてもよい。
【0223】
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、第1の確率変更状態の実行中に第1確率変更抽選を実行しないように構成にされているが、これに限定しない。AT状態制御手段200は、現在第1の確率変更状態を実行中であっても第1確率変更抽選を実行可能に構成されていてもよい。このように構成した場合、AT状態制御手段200は、第1の確率変更状態の実行中に第1確率変更抽選に当選した場合には、第1の確率変更状態をストック可能に構成し、現在実行中の第1の確率変更状態の終了後にストックしている第1の確率変更状態を実行するように構成することが望ましい。
【0224】
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、第2の確率変更状態の実行中に第2確率変更抽選を実行しないように構成にされているが、これに限定しない。AT状態制御手段200は、現在第2の確率変更状態を実行中であっても第2確率変更抽選を実行可能に構成されていてもよい。このように構成した場合、AT状態制御手段200は、第2の確率変更状態の実行中に第2確率変更抽選に当選した場合には、第2の確率変更状態をストック可能に構成し、現在実行中の第2の確率変更状態の終了後にストックしている第2の確率変更状態を実行するように構成することが望ましい。
【0225】
また、本実施形態においては、ストックされている第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態が実行されないまま第1AT状態が終了する可能性がある構成となっているが、ストックされている第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態を実行するまで、第1制御カウンタ160Aの記憶値を第1の値にしないとともに、第2制御カウンタ160Bの記憶値を第2の値にしないように制御するように構成されていてもよい。このように構成した場合、スロットマシン1においては、ストックされた第3の確率変更状態又は第4の確率変更状態が実行されるまで第1AT状態が継続することで、第1AT状態における遊技回数が増加し、遊技者が獲得できるメダルが増加するため、第1AT状態対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0226】
また、本実施形態において、AT状態制御手段200は、複数の確率変更フラグがONにセットされた場合に、ONにセットされた確率変更フラグに基づき第1AT状態における制御処理を実行するように構成されているが、これに限らず、例えば、複数の確率変更フラグがONにセットされた場合、ONにセットされた確率変更フラグのうちいずれか1つを抽選により選択し、選択した確率変更フラグに基づき第1AT状態における制御処理を実行するとともに、選択しなかった確率変更フラグに基づく第1AT状態における制御処理については、選択した確率変更フラグがOFFになった後に実行されるように構成されていてもよい。
【0227】
また、本実施形態において、演出制御手段145は、入賞補助演出として、AT状態であり、かつ打順ベル1〜打順ベル8の当選時に正解打順を報知する演出を実行しているが、これに限定されない。演出制御手段145は、例えば、CZ状態において、打順1〜打順6のいずれかでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下操作して通常時に入賞可能なリプレイとは入賞図柄組合せが異なる特別リプレイを入賞させるように表示装置330に表示する入賞補助演出を実行できるように構成されていてもよい。
【0228】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、ボーナス状態として第1種特別役物のBBを採用しているが、これに限らず、例えば、第2種特別役物のチャレンジボーナス(CB)を採用してもよい。この場合、CB状態におけるメダル獲得の期待値が、100%以上になるように構成する必要がある。
【0229】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段100を有するように構成されているが、これに限らず、例えば制御基板として主制御基板と副制御基板とを有するように構成されていてもよい。このように構成された場合、スロットマシン1は、内部抽選等の遊技の進行に係る抽選処理やリール制御を実行する各制御手段を主制御基板に有し、演出に係る制御処理として、いわゆるATの当否やATに関する抽選を含む制御処理を実行する各制御手段を副制御基板に有するようにしてもよい。また、ATの当否やATに関する抽選を含む制御処理に関しては、主制御基板を構成する制御手段が実行し、演出に関する制御処理に関しては、副制御基板を構成する制御手段が実行するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0230】
1…スロットマシン(遊技機):115…内部抽選手段:120…リール制御手段:125…入賞判定手段:200…アシストタイム状態制御手段:205…遊技情報管理手段:157…ポイント記憶手段:160…カウンタ記憶手段:160A…第1制御カウンタ:160B…第2制御カウンタ:230…スタートスイッチ:240…ストップスイッチ:L1…有効ライン:R1…第1リール:R2…第2リール:R3…第3リール

図1
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