(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1測定機械(20.1)の測定と第2測定機械(20.2)の測定との間のずれが決定された場合に、上位装置(50)は、第1測定機械(20.1)及び/又は第2測定機械(20.2)に影響を与える、請求項1に記載の方法。
少なくとも第1ギア測定機械(20.1)と第2ギア測定機械(20.2)とを備える全体装置(200)であって、ギア測定機械(20.1、20.2)は、同じタイプの測定機械(20.1、20.2)に関するものであり、第1ギア測定機械(20.1)は、同一部品(4)の第1の数を測定するように設計されており、第2ギア測定機械(20.2)は、同一部品(4)の第2の数を測定するように設計されており、
通信技術によってギア測定機械(20.1、20.2)のそれぞれに接続される比較モジュール(50)を備え、
前記比較モジュールは、比較処理の範囲内で、
第1の数の不良品発生率(W1)を、第2の数の不良品発生率(W2)と関連付け、
第1ギア測定機械(20.1)の測定と第2ギア測定機械(20.2)の測定との間のずれを決定する、
ようにプログラムされている、全体装置(200)。
第1ギア測定機械(20.1)と第2ギア測定機械(20.2)と通信接続する比較モジュール(50)を備え、比較モジュール(50)には、比較処理が実装されている、請求項7に記載の全体装置(200)。
【背景技術】
【0002】
工作機械の分野において、生産性及び精度は重要である。生産精度に関する需要が急激に増えているという観点から、プロセスモニタリング及びワークピースのテストが更に重要性を増している。また、精度に加えて、利益性の課題も懸念されている。
【0003】
通常行われているアプローチとして、例えば、機械とその中で行われるプロセスを監視し、エラーが生じた場合に介入できるようにしている。例えば、測定機械に接続されたギアホイールを製造するための加工機械がある。加工機械で加工されたワークピースは、測定機械に自動的に搬送される。次に、測定機械は、ワークピースを測定するか、又はテストし、例えば、誤差がある場合に加工機械にフィードバックすることができる。このアプローチは、閉ループという用語で知られている。
【0004】
特に、同一部品の連続生産の向上が求められている。
【0005】
更なる目的は、上記内容の観点から、機械の効率を向上させることができるようなアプローチを見つけることである。機械は、特に、ギアホイールの製造又は加工に関連して使用されるものに関する。
【0006】
本発明に係る方法は、その特徴が請求項1に開示されることにより提供されている。
【0007】
本発明に係る全体装置についても、その特徴が請求項7に開示されることにより提供されている。
【0008】
本発明に係る全体装置は、好ましくは、イントラマシン通信のための手段を備えており、それは(例えば、機械シリーズ又は機械セル、又はハンドリンググループの部分である測定機械などの)同じタイプの測定機械の現在の製造規格を互いに関連付けることを可能にすることで、例えば、測定機械の測定、決定、能力又は動作の違いを自動的に認識することができる。これらの違いは、ここでは生産物の違いとして表れる。
【0009】
本発明は、好ましくは、生産チェーンの最後に位置するギア測定機械で使用される。これは、実質的に最後の過程であり、適合しないワークピースを顧客に提供することを防止している。
【0010】
本発明の実施形態に応じて、同じタイプの測定機械は、互いの間で情報を交換することによって、互いの間で測定機械の直接の情報交換において、生産物の比較を可能にしている。あるいは、中央モジュール(本明細書では、比較モジュール)が使用され、同じタイプの全ての測定機械から情報を受信し、それらを互いにリンクしている。最初のケースでは、同じタイプの測定機械のうちの1つがマスターとして機能し、同じタイプの他の測定機械がスレーブとして機能する。この場合、マスターとして使用される測定機械は、比較モジュール(例えば、前述の測定機械のコントローラに搭載されたソフトウェアなど)を備える。
【0011】
本発明の全ての実施形態は、モジュラーシステムで構成することができる。これは、それぞれのソフトウェアモジュールをインストールすることによって、それぞれの測定機械を測定タスク又は決定タスクに合わせることができる。したがって、本発明に係るギア測定機械は、比較モジュールを備えることができる。比較モジュールは、例えば、測定機械間で互いに通信してそれぞれの情報を関連付けることによって、生産物の違いを明らかにすることができる。
【0012】
本発明の全ての実施形態は、解析用ソフトウェアを備え、更なる評価を行うことができる。そのような解析用ソフトウェアは、例えば、同一部品の連続生産に関連するエラー傾向を決定することができる。その結果、例えば、測定機械が、他の測定器よりも前述の測定機械のエラーによって同一部品を拒絶することが少ない場合、生産に介入することができる。
【0013】
本発明の全ての実施形態は、レコーディングソフトウェアを備え、(例えば、日報などの形式で)記録することができる。そのような記録は、品質管理に関連付けてもよい。
【0014】
本発明は、好ましくは、測定機械に備え付けられている、所謂、合否判定に関連する全ての実施形態に使用される。前述の比較モジュールは、前述の合否判定の上位又は下位になるものである。
【0015】
更に、好ましい実施形態が、それぞれの従属請求項に開示されている。
【0016】
本発明の詳細及び利点は、実施形態を参照すると共に図面を参照しながら、以下に述べられている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
関連刊行物及び特許で使用されている用語は、本明細書と関連して使用されている。但し、これらの用語は、理解し易くするためにのみ使用されるべきである。本発明の概念及び特許請求の範囲の保護の範囲は、それらの用語の特定の選択によって解釈されると限定されるべきではない。本発明は、他の概念のシステム及び/又は専門分野にも容易に適用できるものである。他の専門分野においても、それらの用語は同様に適用されるものである。
【0019】
用語「ギア測定機械」は、測定機械、測定センター、試験装置、テスター、ベベルギアテスター、シングルフランクローラ試験装置、ダブルフランクローラ試験装置、ラン試験装置、及び1つ又は複数のギアリングのパラメータを測定及び/又は決定するために使用される試験装置を示すものとして使用される。
【0020】
機械は、本発明の用語において、特にギア測定機械として適用されており、以下のように形成される。
− ギアホイール/ペアのギアホイールの設置位置を決定する、及び/又は
− ギアホイール(ギアリングの形状試験としても知られている)の(例えば、歯幅の)1つ又は複数の寸法を決定する、及び/又は
− ギアホイール/ペアのギアホイールの走行性能を決定する、及び/又は
− ギアホイールの搬送能力を決定する、及び/又は
− ギアホイールのトポグラフィー(例えば、波面のしわ)を決定し、いくつかの例を示す。
【0021】
用語「同じタイプの機械」は、次の意味で使用される。これは、両方の機械が機械的に及び/又は電気的に同一であり、機械の関連する要素/部品が同じか、又は類似する。
【0022】
用語「同一部品」は、次の意味で使用される。これらは、(生産に起因するばらつき/公差を無視した場合)同一のワークピースである。特に、ギアホイール又はギアホイールセット(例えば、3.373のギア比を有する9インチのギアホイール)が同一であるとみなされる。
【0023】
図1は、本発明に係る第1装置100の概略図を示す。装置100は、一方にギア切断機械10、他方にギア測定機械20を備える。ギア切断機械10とギア測定機械20とは、両矢印13に示されるように、互いに接続される。用語「接続する」は、ギア切断機械10とギア測定機械20とが互いに接続され、少なくとも(データ交換などの)通信ができることを示すために使用される。通信に関連する接続は、ギア切断機械10とギア測定機械20とが、同じか又は互換性のある通信プロトコルを「理解」し、それらがデータ交換に関する特定の規則に従うことを要求する。ギア測定装置20のギア切断装置10への通信に関する接続は、例えば、自動計算及び収集したデータをギア切断機械10へフィードバックすることを可能にする。これは、ワークピース4の生産安定性及び最適な部品品質に寄与するものであり、本発明の主題ではない。
【0024】
図1に示すように、ギア切断機械10は、測定機械20(本明細書では第1ギア測定機械20.1で示される)に直接割り当てられる。類似のアプローチが
図2Aにも示されている。本発明は、
図2Bに示される配置(constellation)において有利に使用できる。
図2Bでは、ギア切断機械10.1、10.2、10.3と測定機械20.1、20.2とが直接割り当てられていない。
【0025】
装置100の詳細について、例示的な方法を示すことで理解できるように、次のように説明する。ギア切断機械10は、供給装置5を有する例が示されている。供給装置5は、ギア切断機械10で加工するブランク1をギア切断機械10に供給するために使用される。図示された例では、全部で4つのブランク1がギア切断機械10の右側に見られる。図示された時間で、2つのブランク1は、搬送システム2を介してギア切断機械10の中に送られる。2つの別のブランク1は、テーブル3の上で待機される。ギア切断機械10の実際の加工室は、例えば、検査窓12を設けたドア11の後方に位置する。
【0026】
本発明において、加工されるブランク1は、加工後にワークピース4として指定されるものであり、ギア切断機械10によって直接(
図2A参照)か、又は間接的(
図2B参照)にギア測定機械20.1に送られる。これは、本発明の全ての実施形態において、手動か、又は自動(例えば、ロボット又は搬送システムを用いる)のいずれかで行うことができる。ギア測定機械20.1は、加工されたワークピース4のギアリングの1つ又は複数の寸法を決定し、ワークピース4が仕様に対応しているかどうかを確認するために使用することができる。ギア測定機械20.1は、例えば、この目的のために測定センサを備えてもよい。
【0027】
所謂、比較処理は、本発明の全ての実施形態で使用されており、そのプロセスは、以下に例を参照してより詳しく記載されている。この比較処理は、本発明の全ての実施形態に実装されており、例えば、比較モジュール50に実装されている。
【0028】
このような比較モジュール50は、例えば、全ての実施形態における測定機械20.1の測定コントローラ22の部分である。比較モジュール50は、
図1に示されるように、外部に配置することもできる。
【0029】
比較モジュール50は、この目的のために全ての実施形態において、例えば、次のように形成されている。
− 本発明の範囲内で比較通信を実行することに参加する、及び/又は
− 本発明の範囲内で比較処理を実行する、及び/又は
− 本発明の歯に内で比較処理に参加する、及び/又は
− 本発明の範囲内で(マスターとして)比較処理の動作を実行する。
【0030】
図1は、(双方向の)通信接続7を介してギア測定機械20.1に接続される上位の比較モジュール50を示す。比較モジュール50は、
図1に概念的に示されるように、それぞれ別の(双方向の)通信接続6を介して、同じタイプの少なくとも1つの別のギア測定機械20.2に接続されている。
【0031】
用語「接続する」は、ギア切断機械10とギア測定機械20.1とが機械的に互いに接続されているか、完全に統合されていることを意味する。ワークピース4は、
図1において2つの矢印で概念的に示されるように、そのような任意の機械接続を介して、ギア切断機械10からギア測定機械20へ送られる。ロボットアーム又は搬送システムは、全ての実施形態において、例えば、機械接続として使用される。
【0032】
本発明に係る例示的な方法の詳細は、
図2A及び
図2Bを用いて説明されている。
図2Aは、2つのアレンジメント(2つのハンドリンググループとしても知られている)を有する全体装置200を示す。2つのアレンジメントのそれぞれは、機械10とギア測定機械20とを有する。
図2Bは、3つの機械10と2つのギア測定機械20とを有する全体装置200を示す。
【0033】
符号は、
図1に示されたものを使用している。全体装置200の要素は、インデックスとして1、2又は3を付すことによって、
図2A及び
図2Bの個々の機械を区別できるようにしている。
【0034】
図2Aのハンドリンググループは、それぞれ完成品ストア8.1及び8.2を有する。機械20.1に受け入れられた完成したワークピース4は、完成品ストア8.1で販売される。機械20.2に受け入れられた完成したワークピース4は、完成品ストア8.2で販売される。必ずしもすべてのワークピース4が所定の基準を満たすものではないため、不適合な(準拠しない)ワークピース4が分別される。
図2Aにおいて、それぞれのハンドリンググループは、コンテナ(又は適切なデポジット)9.1及び9.2を備え、それらは不合格とされたワークピース4を収納するために使用される。
図2Aの概念的な例において、2つのワークピース4のみが完成品ストア8.1に置かれている。これに対し、4つのワークピース4が完成品ストア8.2に置かれている。一方、3つのワークピースが第1リジェクトコンテナ9.1に置かれ、1つのワークピースのみが第2リジェクトコンテナ9.2に置かれている。全体装置200の上側のハンドリンググループは、下側のハンドリンググループよりも明らかに不合格品を多く生産している。
【0035】
本発明は、ギア測定機械20.1、20.2を操作する及び/又は監視するために行われる方法を提供する。これらは、同じタイプの機械20.1、20.2に関するものであり、同一部品(ワークピース4)を測定するために行われる。方法は、以下のステップを含む。
A1.複数の測定機械20.1、20.2のうち第1測定機械20.1の同一部品4の第1の量を測定するステップ、
A2.複数の測定機械20.1、20.2のうち第2測定機械20.2の同一部品4の第2の量を測定するステップ、
A3.(例えば、比較モジュール50を用いて)比較処理を行うステップ。
この比較処理の範囲内で本発明において、
a.第1の量の少なくとも1つの値は、第2の量のそれぞれの値の少なくとも1つと関連付けられ、
b.第1機械20.1の測定と第2機械20.2の測定とのずれが決定される。
【0036】
前述の比較処理は、以下でより詳しく説明されている。それは
図2Aに概略的に示されており、測定機械20.1と測定機械20.2との両方は、値W1、W2を、通信接続14.1及び14.2を介して比較モジュール50に送る。値W1、W2は、方法ステップA3.aで述べたように、比較モジュール50において関連付けられている。この関連付けは、方法ステップA3.bにおいて、第1測定機械20.1の測定動作と第2測定機械20.2の測定動作との間にずれがあるかどうかを決定するために使用される。
【0037】
より一般的な表現では、全ての実施形態は、測定機械20.1、20.2の測定、決定、性能又は動作の違いを自動認識することに関する。これらの違いは、生産物の差として、ここで参照される。
【0038】
生産物の差の決定は、第1測定機械20.1によって決定される第1の同一部品の測定値と第2測定機械20.2によって決定された第2の同一部品の測定値との比較に関連しない。これは、例えば、不良品についての上位の情報(例えば、不良品の見積もり又は不良品発生率)、又は統計情報(例えば、測定された全ての同一部品のガウス分布の最大値)に関連する。
【0039】
図2Aの例では、値W1は、例えば、5つのワークピースに対して、3つのワークピース4が不合格と判定されたことを示す。これは、不良品発生率60%であることに対応する。
図2Aの例では、値W2は、5つのワークピース4の場合において、1つのワークピース4が不良品であったことを示す。これは、不良品発生率20%に対応する。比較モジュール50は、例えば、2つの値W1、W2が比較処理の範囲内で相互に関連付けられるような方法で実装される。本ケースでは、2つの値W1とW2とが互いに明らかに異なっており、即ち、測定機械20.1、20.2において、生産物に明確な違いがあることを示している。この場合、比較モジュール50は、例えば、本明細書においてOUTで指定されている出力を行うことができる。この出力OUTは、上位のシステム(例えば、処理又は生産管理)に転送することができる。
【0040】
本明細書では、
図2Aの全体装置200に関連して説明されている。
図2Aは、上部のハンドリンググループ(装置100.1)が下部のハンドリンググループ(装置100.2)よりも不良品発生率が高いことを示している。なんらかの更なる評価をせずに、これが測定機械20.1又は機械10.1によって引き起こされているかどうかを言うことはできない。
【0041】
図2Bの配置に基づいて、本発明の更なる実施例が以下で説明されている。
図2Bにおいて、全体装置200において、3つの機械10.1、10.2、10.3と2つの測定機械20.1、20.2とは、直接割り当てられていない。3つの機械10.1、10.2、10.3は、ワークピース4を生産/加工し、それらを中間保管部15に転送する。中間保管部15への転送は、この場合、(例えば、ロボット又は搬送システムを使用することによって)所謂、ハンドリングパス16に沿って行われる。同一部品4は、ハンドリングパス17に示されるように、(例えば、ロボット又は搬送システムを使用することによって)2つの測定機械20.1、20.2へ転送される。
【0042】
図2Bにおける配置において、2つの可能性がある。同一部品4は、機械10.1、10.2、10.3にもはや割り当てることができないか、又はそれらが識別の結果として、機械10.1、10.2、10.3に割り当てることができる。同一部品4の測定機械20.1、20.2への割り当てがランダムである第1アプローチを想定することができる。なぜならば、同一部品4は、測定機械20.1、20.2内の空き容量に応じて、中間保管部15から機械10.1、10.2、10.3へランダムに割り当てられる。一方、割り当てが同一部品4の識別子に基づいて行われる場合、より具体的な文章を作ることができる。
【0043】
前述した比較処理は、以下でより詳細に述べられている。
図2Bには、測定機械20.1と測定機械20.2が、値W1、W2を、通信接続14.1及び14.2を介して比較モジュール50に提供することが、概略的に示されている。方法ステップA3.aに述べられているように、値W1、W2は、比較モジュール50において関連付けられている。この関連付けは、方法ステップA3.bにおいて、第1測定機械20.1の測定動作と第2測定機械20.2の測定動作との間にずれがあるかどうかを決定するために使用される。
【0044】
図2Bの例では、値W1は、例えば、5つのワークピース4のうち3つのワークピース4に不良品が出たことを示している。これは、60%の不良品発生率に対応している。
図2Bの例では、値W2は、5つのワークピース4のうち1つのワークピース4に不良品が出たことを示している。これは、20%の不良品発生率に対応する。比較モジュール50は、例えば、2つの値W1、W2が比較処理の範囲内で互いに関連付けられるような方法で実装されている。この場合も、2つの値W1及びW2は、互いに明確にずれが発生しており、即ち、測定機械20.1、20.2において、生産物に明確な違いがあることを示している。この場合、比較モジュール50は、例えば、本明細書においてOUTで指定されている出力を行うことができる。この出力OUTは、例えば、(例えば、中央コンピュータなどの)他のシステム又は全体装置200の他の処理に転送される。
【0045】
図2Bの全体装置200について説明する。
図2Bは、上部の測定機械20.1が下部の測定機械20.2よりも明らかに不良品率が高くなっている。
【0046】
ルールに基づく決定処理60は、好ましくは、本発明の全ての実施形態における比較モジュール50に(ハードウェア及び/又はソフトウェアの形式で)実装されている。
図2A、2Bの例の場合では、決定処理60は、単純なフローチャートに基づく
図3及び
図4に示されるような方法で提供されている。
【0047】
決定処理60は、例えば、対応する2つの値W1、W2がライン14.1、14.2を介して入手可能となったときに開始される。初期化ステップS0において、全てのパラメータは、ゼロにセットされる。ここでは、OUT=0にセットされる。第1ステップS1において、比較は、値W1及びW2が全く異なるかどうかで行われる。2つの値が同一である場合(例えば、W1=W2)、決定処理60は、左方向へ進んで、ステップS2が実行される。出力OUTは、例えば、ステップS2において、OUT=0にセットされる。出力OUT=0は、全体装置200の他のシステム/処理の準備が整っている(両方のハンドリンググループの不良品発生率が等しくなる)と解釈することができる。W2と異なるステップS1でW1が決定される場合、ステップS3においてサブプロセス又はサブモジュールM1が使用される。
【0048】
サブプロセス又はサブモジュールM1に関する詳細な例は、
図4に示されている。初期化ステップS4において、全てのパラメータは、ゼロにセットされる。ここでは、SW=0がセットされる。SWは閾値である。ステップS5において、現在使用されている閾値SWがメモリから読み出される。前述の閾値SWは、システムによって引き起こされる正常変動に対して鈍感に決定処理60を行うように使用される。示された例では、閾値SW=10が予め決められている。ステップS6において、W1とW2との量の差が閾値SW以上であるかどうかが決定される。2つの値W1、W2がわずかに異なる場合のみ、決定処理60は、左方向へ進み、ステップS7が実行される。出力OUTは、ステップS7において、(ステップS2のように)OUT=0にセットされる。そうでない場合、ステップS8へ進み、この場合、出力OUTが値1にセットされ、生産物をもたらす。出力OUT=1は、全体装置200の他のシステム/処理のために解釈され、例えば、(カウンタの)措置を必要とするか又はリアクションを開始する状態が生じる。OUT=1である場合、所謂、生産物に違いがある。
【0049】
比較処理は、全ての実施形態で実行され、生産物における違いが検出されるだけでなく、生産物の違いの存在が機械20.1又は20.2のうち一方に割り当てられる。前述の例では、サブプロセス又はサブモジュールにおいて、例えば、値W1の量が値W2の量よりも大きいかどうかを決定することができる。
【0050】
図2Aの左側には、比較モジュール50が、全体装置200の別のシステムまたは処理への通信を介して接続されることによって、例えば、出力がOUT=1であるときに応答して(カウンタの)測定を開始すること、又は実行することが示されている。
図2Bの場合、例えば、出力OUT=1は、マスターシステムに送られ、それに応答して(カウンタの)測定を開始又は実行する。これらの説明は、例示のためのものであると理解されたい。
【0051】
出力信号OUTは、本明細書で述べられた例において選択されている。本明細書では、ゼロ又は1の2つの状態のみを考慮している。出力OUTは、比較モジュール50及び/又は比較処理によって出力されるものであり、明らかにより複雑である。
【0052】
決定処理60は、様々な方法で行うことができる。ルールに基づく決定処理60は、好ましくは、全ての実施形態において使用される。そのようなルールに基づく決定処理60のルールは、予め決定されているか、又は調整することができる。このルールの調整は、本発明の全ての実施形態において、ルールを決定すること(例えば、ユーザが閾値SWを決定すること)に限定することができる。または、ユーザがルールを調整できるか、又は自己のルールを定めることかできるソフトウェアが提供されてもよい。全ての実施形態におけるルールを備えたライブラリを提供し、ユーザがライブラリから所定の決定処理60を選択して、使用することもできる。
【0053】
決定処理60は、
図3及び
図4の例で示されるように、明らかにより複雑な方法で行うことができる。これは、機械ユーザの要求プロファイルに大きく依存する。以下では、複数の例が述べられており、これらは、すべての実施形態に実装することができる。
【0054】
不良品の生産が多くなり過ぎたとき、生産からギア測定機械20(例えば、
図2Bにおける機械20.1、なぜならばこの機械20.1は不良品の生産が多すぎるため)を一時的に取り除く意図がある場合、比較モジュール50又は比較処理のいずれかは、予め決定されるか、又は予め決定されるであろう固定された絶対値との比較を行う。ステップS6における質問に進むと、例えば、W1>5%、又はW2>5%である場合、それぞれの測定機械20.1又は20.2の生産から除去を開始する。あるいは、
図3及び
図4に関連して述べたように、相対的な比較を行うことができる。同じタイプの複数の測定機械20.1、20.2のそのような相対的な比較は、それほど厳密ではないという利点を提供する。例えば、周囲条件の影響(例えば、高湿度の影響)で、全てのギア測定機械20.1、20.2が、いつもよりわずかに高い不良品率となる場合がある。この場合、生産及び測定(ステップA1及びA2)は、継続する。なぜならば、経験によって、この測定動作が正常であることがわかるからである。
【0055】
(例えば、確立プロットを調整するため、測定機能又はヒストグラムを表示するため、)統計評価を行いたい場合、すべてのギア測定機械20.1及び20.2は、すべての実施形態において計算評価を個別に行うことができる、及び/又は計算評価は、上位モジュールによって行われてもよいし、若しくは上位システム/プロセスによって行われてもよい。これらの計算評価の結果は、(
図2Aに示されている実施例と同様に)比較モジュール50に再度送ることができる。この場合、所謂、メタデータは、関連付けられ、比較される場合がある。例えば、値W1は、測定機械20.1のガウス分布の最大値の値ペアを示し、値W2は、測定機械20.2のガウス分布の最大値の値ペアを示してもよい。この場合、これらの2つの値ペアは、互いに関連付けられる。ステップ6の質問は、例えば、次の通りである。W1=28マイクロラジアン±1マイクロラジアンである場合であって、W2=28マイクロラジアン±1マイクロラジアンである場合、OUT=0が適用される。この場合、ルールに基づく決定プロセス60の範囲内で、測定機械20.1、20.2のガウス曲線の最大値が、27マイクロラジアンから29マイクロラジアンまでの間にあるかどうかを決定する。このように、絶対評価が考慮される。また、例えば、測定機械20.1、20.2のガウス曲線の2つの最大値の相対比較が追加で行われてもよい。
【0056】
図2Aの実施形態は、全体配置200に関連し、加工機械は、ギア測定機械とハンドリンググループを形成する。この場合、加工機械10.1は、ギア測定機械20.1と、ギア測定機械20.2を備える加工機械10.2と、同調して動作する。比較処理60において、ハンドリングループ10.1、20.1(装置100.1)が、ハンドリンググループ10.1、20.2(装置100.2)よりも高い不良品率となっている場合、例えば、第1ハンドリンググループ10.1、20.1(装置100.1)に問題があると結論づけることができる。問題が加工機械10,1にあるか、ギア測定機械20.1にあるかについてのステートメントを示すために、より正確なデータ評価が行われてもよい。より正確な評価の範囲内で、以下のステップの1つ又は以下のステップのうちいくつかが行われてもよい。
− 加工機械10.1の温度特性の分析、及び/又は
− 加工機械10.1の振動特性の分析、及び/又は
− 加工機械10.1のノイズ特性の分析、及び/又は
− 加工機械10.1のワークピース及び/又は金属チップの変色の分析、及び/又は
− ギア測定機械(例えば、20.1)の1つによって区別されたワークピースについて、同じギア測定機械(例えば、20.1)による測定の再現性、及び/又は
− ギア測定機械(例えば、20.1)の1つによって区別されたワークピースを別の測定機械(例えば、20.2)に転送し、これらのワークピースについて比較測定を行うことを可能にする。
【0057】
本発明の実施形態のギア測定機械20は、シングルフランクローラ試験、又はダブルフランクローラ試験のための試験機械に関するものであり、そのいくつかは、生産ライン(全体装置200)の終わりで互いに隣接して配置されてもよい。例えば、そのようなシングルフランクローラ試験機械又はダブルフランクローラ試験機械においては、設定エラー又はチャックエラーによって、測定結果にばらつきが生じる場合がある。チャックエラーは、ワークピースのチャック装置の消耗によって生じる。第1測定機械20.1と、同じタイプの第2測定機械20.2との間で違いが生じる場合がある。なぜならば、それらは、互いにわずかに異なる機械要素で組み立てられているからである。それらは少数であるが、測定されるべき大量の同一部品を調べたとき、これらのエラーは、ワークピースの合否の明確な違いを生み出す場合がある。
【0058】
例えば、大量の同一部品が選別される場合に、それらが仕様を実際に満たしていたとしても、エラーが生じる場合がある。これは、そのような同一部品が完全に拒絶されるか、又は実際に必要無いかも知れないが再加工されるという結果をもたらす。また、最終テストを通って実際に選別された同一部品で、エラーが生じる場合もある。これらの同一部品は、完全に一致するものではなく、それは、例えば、トランスミッションにインストールされる。このトランスミッションが問題を生じさせた場合、例えば、車両を修理する必要があるため、コストが高くなる。