特許第6841712号(P6841712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000002
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000003
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000004
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000005
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000006
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000007
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000008
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000009
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000010
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000011
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000012
  • 特許6841712-ビーコン端末及びプログラム 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6841712
(24)【登録日】2021年2月22日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】ビーコン端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/021 20180101AFI20210301BHJP
   H04W 40/04 20090101ALI20210301BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20210301BHJP
【FI】
   H04W4/021
   H04W40/04
   H04W84/10 110
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-83181(P2017-83181)
(22)【出願日】2017年4月19日
(65)【公開番号】特開2018-182644(P2018-182644A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南日 俊彦
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−245286(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104156747(CN,A)
【文献】 特開2014−120939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離無線通信によりビーコンを送信する第1の送信手段と、
前記第1の送信手段が送信した前記ビーコンを受信した端末から応答を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段が受信した前記応答の受信履歴を記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記受信履歴のデータサイズを含む受信判定要求を他のビーコン端末から受信したことを条件に、当該データサイズと、前記記憶部の残りの容量とに基づいて、前記受信履歴を受信可能であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じて前記他のビーコン端末から送信された前記受信履歴を受信し、前記記憶部に記憶させる第2の受信手段と、
前記記憶部に記憶された前記受信履歴を送信する第2の送信手段と、
を備えるビーコン端末。
【請求項2】
前記第2の送信手段は、他のビーコン端末を介して前記受信履歴を、当該受信履歴を集計するサーバ装置に送信する、
請求項1に記載のビーコン端末。
【請求項3】
前記第2の送信手段は、前記第2の受信手段が他のビーコン端末から送信された前記受信履歴を、他のビーコン端末に送信する、
請求項1又は2に記載のビーコン端末。
【請求項4】
前記第2の送信手段は、前記受信判定要求を送信し、当該受信判定要求に対する判定結果に応じて、前記受信履歴を送信する、
請求項1乃至3の何れか一項に記載のビーコン端末。
【請求項5】
コンピュータを、
近距離無線通信によりビーコンを送信する第1の送信手段と、
前記第1の送信手段が送信した前記ビーコンを受信した端末から応答を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段が受信した前記応答の受信履歴を記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記受信履歴のデータサイズを含む受信判定要求を他のビーコン端末から受信したことを条件に、当該データサイズと、前記記憶部の残りの容量とに基づいて、前記受信履歴を受信可能であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じて前記他のビーコン端末から送信された前記受信履歴を受信し、前記記憶部に記憶させる第2の受信手段と、
前記記憶部に記憶された前記受信履歴を送信する第2の送信手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ビーコン端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クーポンや広告等の配信にBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)を用いたビーコンシステムが知られている。このようなビーコンシステムでは、ビーコン端末は、店舗の所定位置に1又は複数台設けられ、BLEを用いてビーコンを送信する。顧客が使用するスマートフォン等の顧客端末は、ビーコン端末から送信されたビーコンを受信する。顧客端末は、ビーコンに含まれる識別情報をサーバ装置に送信する。サーバ装置は、識別情報に関連付けられた情報を端末に返信する。これにより、ビーコンシステムは、サーバ装置から例えばクーポンや広告等を配信している。
【0003】
しかしながら、従来構成のビーコン端末は、ビーコンの送信を行うだけであるため、ビーコン送信の実績を測定し、他の装置へ送信するためには追加の通信装置を付加しなければ困難でありコストアップに繋がることになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ビーコン送信の実績を測定することができるビーコン端末及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のビーコン端末は、第1の送信手段と、第1の受信手段と、記憶制御手段と、判定手段と、第2の受信手段と、第2の送信手段とを備える。前記第1の送信手段は、近距離無線通信によりビーコンを送信する。前記第1の受信手段は、前記第1の送信手段が送信した前記ビーコンを受信した端末から応答を受信する。前記記憶制御手段は、前記第1の受信手段が受信した前記応答の受信履歴を記憶部に記憶させる。前記判定手段は、前記受信履歴のデータサイズを含む受信判定要求を他のビーコン端末から受信したことを条件に、当該データサイズと、前記記憶部の残りの容量とに基づいて、前記受信履歴を受信可能であるかを判定する。前記第2の受信手段は、前記判定手段の判定結果に応じて前記他のビーコン端末から送信された前記受信履歴を受信し、前記記憶部に記憶させる。前記第2の送信手段は、前記記憶部に記憶された前記受信履歴を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態に係るビーコンシステムの一例を示す説明図である。
図2図2は、ビーコンシステムが実行する処理の概要の一例を示す説明図である。
図3図3は、ビーコン端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、顧客端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、ネットワーク機器のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、集計テーブルのデータ構成の一例を説明する説明図である。
図8図8は、POS端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図9図9は、ビーコンシステムが備える各種装置の特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
図10図10は、配信処理の一例を示すシーケンス図である。
図11図11は、転送処理の一例を示すシーケンス図である。
図12図12は、集計処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、ビーコン端末及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、ビーコン端末及びプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様、設置場所等を限定するものではない。本実施形態のビーコン端末は、店舗や街かど等に導入されたビーコンシステムに含まれるビーコン端末への適用例である。
【0008】
図1は、本実施形態に係るビーコンシステム1の一例を示す説明図である。ビーコンシステム1は、ビーコン端末10と、顧客端末20と、ネットワーク機器30と、サーバ装置40と、POS(Point Of Sales)端末50とを備える。図1に示すビーコンシステム1には、9台のビーコン端末10と、1台の顧客端末20と、1台のネットワーク機器30と、1台のサーバ装置40と、1台のPOS端末50とを記載しているが、各装置の台数を限定するものではない。
【0009】
ビーコン端末10は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の近距離無線通信を使用して各種情報を送受信する。例えば、ビーコン端末10は、近距離無線通信可能な領域に存在する不特定の端末に情報を送信する。また、ビーコン端末10は、各ビーコン端末10が相互に通信することにより網目上の通信経路を有するメッシュ型のネットワークを形成する。例えば、ビーコン端末10は、例えばスーパーマーケットや量販店等の小売店の商品売り場に設置される。すなわち、ビーコン端末10は、小売店の商品売り場等にメッシュ型のネットワークを形成する。
【0010】
顧客端末20は、例えばスマートフォンやタブレット端末等の顧客が携帯可能な装置である。顧客端末20は、BLE等の近距離無線通信によりビーコン端末10と通信可能である。また、顧客端末20は、無線LAN通信やモバイル通信等によりサーバ装置40と通信可能である。ここで、ビーコン端末10は、例えばスーパーマーケットや量販店等の小売店の商品売り場に設置される。顧客端末20は、顧客に携帯されてビーコン端末10が情報を送信する領域に入った場合に、ビーコン端末10が送信した情報を受信する。そして、顧客端末20は、ビーコン端末10から受信した情報に応じた画面を表示させる。これにより、ビーコンシステム1は、店舗に来店した顧客が所定の領域に入った場合に、広告等を顧客の顧客端末20に表示させる。
【0011】
ネットワーク機器30は、複数のビーコン端末10により形成されるネットワークと、サーバ装置40が接続しているネットワークとを接続する機器である。
【0012】
サーバ装置40は、顧客端末20に配信する情報を記憶する。また、サーバ装置40は、ビーコン端末10と顧客端末20との通信履歴を管理する。なお、サーバ装置40は、複数台の装置等により形成されていてもよい。さらに、サーバ装置40は、ハードウェアやソフトウェア等のコンピュータ資源を提供するクラウドサービス等により提供されるものであってもよい。
【0013】
POS端末50は、販売データ登録処理として販売対象の商品の登録と、登録した商品の会計処理とを実行する。また、POS端末50は、ネットワークを介して、サーバ装置40と通信する。
【0014】
次に、ビーコンシステム1が実行する処理の概要を説明する。図2は、ビーコンシステム1が実行する処理の概要の一例を示す説明図である。図2が示す通信1において、ビーコン端末10は、ビーコン情報106(図3参照)をブロードキャストにより、顧客端末20を含む不特定の端末にビーコン情報106を送信する。ここで、ビーコン情報106には、送信元のビーコン端末10を識別可能なビーコンコードが含まれている。
【0015】
図2が示す通信2において、顧客端末20は、ビーコン端末10からビーコン情報106を受信した場合に、ビーコン情報106を送信したビーコン端末10に、応答として端末情報209(図4参照)を送信する。端末情報209には、送信元の顧客端末20を識別可能な端末コードが含まれている。なお、端末情報209には、顧客を識別可能な顧客コードが含まれていてもよい。そして、ビーコン端末10は、送信された端末情報209を記憶する。
【0016】
図2が示す通信3において、顧客端末20は、ビーコン端末10から受信したビーコン情報106に含まれるビーコンコードに関連付けられた概要情報をサーバ装置40に要求する。ここで、概要情報とは、例えばサーバ装置40が配信する情報の概要を示した情報である。概要情報には、文字情報や、画像情報や、動画情報や、音声情報等が含まれている。顧客は、顧客端末20が表示した概要情報を参照することで、サーバ装置40から配信される情報を取得するか否かを判断することができる。
【0017】
図2が示す通信4において、サーバ装置40は、ビーコン情報106に応じた概要情報を顧客端末20に送信する。そして、顧客端末20は、送信された概要情報を表示して、サーバ装置40から配信される情報を取得するか否かの入力を受け付ける。
【0018】
図2が示す通信5において、顧客端末20は、情報の取得を指示する操作を受け付けた場合に、概要情報に関連付けられた配信情報をサーバ装置40に要求する。ここで、配信情報とは、例えば商品の広告等の情報である。例えば、配信情報は、特定の商品の価格を割り引くクーポンや、特定の商品を購入した場合にポイントを付与するクーポン等が含まれる。図2が示す通信6において、サーバ装置40は、概要情報に応じた配信情報を顧客端末20に送信する。そして、顧客端末20は、送信された配信情報を記憶する。
【0019】
図2が示す通信7において、ビーコン端末10は、他のビーコン端末10を介して、端末情報209を受信した受信履歴を有する履歴情報107をネットワーク機器30に送信する。図2が示す通信8において、ネットワーク機器30は、受信した履歴情報107をサーバ装置40に送信する。そして、サーバ装置40は、送信された履歴情報107を記憶する。
【0020】
図2が示す通信9において、POS端末50は、販売した商品を示す販売情報をサーバ装置40に送信する。
【0021】
次に、ビーコンシステム1が備える各種装置のハードウェア構成について説明する。
【0022】
図3は、ビーコン端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ビーコン端末10は、制御部101と、記憶部102と、近距離無線通信インタフェース103とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス104を介して相互に接続している。
【0023】
制御部101は、ビーコン端末10の全体の動作を制御し、ビーコン端末10が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。CPUは、ビーコン端末10の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部102等に格納されたプログラムを実行する。
【0024】
記憶部102は、フラッシュメモリ等の記憶装置である。また、記憶部102は、BLE等の近距離無線通信を制御する集積回路に設けられていてもよい。そして、記憶部102は、制御プログラム105と、ビーコン情報106と、履歴情報107とを記憶する。
【0025】
制御プログラム105は、オペレーティングシステムや、ビーコン端末10が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム105には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0026】
ビーコン情報106は、前述のビーコン情報106である。すなわち、ビーコン情報106は、送信元のビーコン端末10を識別可能なビーコンコードが含まれている情報である。
【0027】
履歴情報107は、顧客端末20から端末情報209を受信した履歴を示す受信履歴を有する情報である。履歴情報107には、自装置を示すビーコンコードと、端末情報209と、端末情報209を受信した日時を示す受信日時情報とが含まれている。なお、記憶部102は、ビーコン端末10自身が受信した端末情報209の履歴を示す履歴情報107に限らず、他のビーコン端末10から送信された履歴情報107を記憶してもよい。
【0028】
近距離無線通信インタフェース103は、BLE等の近距離無線通信により顧客端末20や他のビーコン端末10と通信する。
【0029】
図4は、顧客端末20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。顧客端末20は、制御部201と、記憶部202と、近距離無線通信インタフェース203と、通信インタフェース204と、表示部205と、操作部206とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス207を介して相互に接続している。
【0030】
制御部201は、顧客端末20の全体の動作を制御し、顧客端末20が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部201は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、顧客端末20の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部202等に格納されたプログラムを実行する。
【0031】
記憶部202は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部202は、制御プログラム208と、端末情報209とを記憶する。
【0032】
制御プログラム208は、オペレーティングシステムや、顧客端末20が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム208には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0033】
端末情報209は、前述の端末情報209である。すなわち、端末情報209には、送信元の顧客端末20を識別可能な端末コードが含まれている情報である。
【0034】
近距離無線通信インタフェース203は、BLE等の近距離無線通信によりビーコン端末10と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース204は、無線LAN通信やモバイル通信等によりサーバ装置40と通信するためのインタフェースである。
【0035】
表示部205は、例えば液晶ディスプレイ等である。操作部206は、例えば表示部205に積層されたタッチパネルである。操作部206は、表示部205上の操作(タッチ)された箇所を検知して、表示部205が表示している表示要素に応じた操作が入力されたものとして判断する。これにより、操作部206は、表示部205が表示したキーが操作されたとして当該キーの操作を受け付ける。なお、操作部206は、タッチパネルに限らず、ハードウェアキーを備えていてもよい。
【0036】
図5は、ネットワーク機器30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ネットワーク機器30は、制御部301と、記憶部302と、近距離無線通信インタフェース303と、通信インタフェース304とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス305を介して相互に接続している。
【0037】
制御部301は、ネットワーク機器30の全体の動作を制御し、ネットワーク機器30が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部301は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、ネットワーク機器30の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部302等に格納されたプログラムを実行する。
【0038】
記憶部302は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部302は、制御プログラム306を記憶する。制御プログラム306は、オペレーティングシステムや、ネットワーク機器30が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム306には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0039】
近距離無線通信インタフェース303は、BLE等の近距離無線通信によりビーコン端末10と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース304は、無線LAN通信やモバイル通信等によりサーバ装置40と通信するためのインタフェースである。
【0040】
図6は、サーバ装置40のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。サーバ装置40は、制御部401と、記憶部402と、通信インタフェース403と、表示部404と、操作部405とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス406を介して相互に接続している。
【0041】
制御部401は、サーバ装置40の全体の動作を制御し、サーバ装置40が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部401は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、サーバ装置40の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部402等に格納されたプログラムを実行する。
【0042】
記憶部402は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部402は、制御プログラム407と、配信情報テーブル408と、集計テーブル409とを記憶する。
【0043】
制御プログラム407は、オペレーティングシステムや、サーバ装置40が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム407には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0044】
配信情報テーブル408は、前述した配信情報を記憶する情報テーブルである。配信情報テーブル408は、ビーコンコードと、概要情報と、配信情報とを関連付けて記憶する。
【0045】
図7は、集計テーブル409のデータ構成の一例を説明する説明図である。集計テーブル409は、端末情報209がビーコン端末10を受信した履歴を示す履歴情報107と、販売した商品を示す販売情報との集計結果を記憶した情報テーブルである。集計テーブル409は、ビーコン端末10ごとの送信回数と、配信回数と、販売個数とを各時間帯について記憶する。送信回数は、ビーコン端末10がビーコン情報106を送信した回数を示す情報である。配信回数は、ビーコン端末10が送信したビーコン情報106に基づいて、サーバ装置40が配信情報を配信した回数を示す情報である。販売個数は、POS端末50から受信した売上情報に基づいて集計したビーコン端末10に関する商品の販売個数を示す情報である。ビーコン端末10に関する商品とは、配信情報テーブル408において、ビーコンコードに関連付けられている配信情報が広告の対象にしている特定の商品である。また、図7に示す集計テーブル409は、2時間ごとの集計結果を示しているが、集計の対象期間や集計内容は任意に変更してもよい。
【0046】
通信インタフェース204は、無線LAN通信やモバイル通信等によりPOS端末50や顧客端末20と通信するためのインタフェースである。
【0047】
表示部205は、例えば液晶ディスプレイ等である。操作部206は、例えばキーボードやマウス等の入力装置である。
【0048】
図8は、POS端末50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。POS端末50は、制御部501と、記憶部502と、通信インタフェース503と、表示部504と、操作部505と、スキャナ506と、印字部507とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス508を介して相互に接続している。
【0049】
制御部501は、POS端末50の全体の動作を制御し、POS端末50が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部501は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、POS端末50の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部502等に格納されたプログラムを実行する。
【0050】
記憶部502は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部502は、制御プログラム509を記憶する。制御プログラム509は、オペレーティングシステムや、POS端末50が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム509には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0051】
通信インタフェース503は、無線LAN通信等によりサーバ装置40と通信するためのインタフェースである。
【0052】
表示部504は、例えば液晶ディスプレイ等である。操作部505は、例えばキーボード等の入力装置である。また、操作部505は、表示部504に積層されたタッチパネルであってもよい。
【0053】
スキャナ506は、商品を識別可能な識別情報である商品コードを示すコードシンボル等を読み取る。印字部507は、取引単位のレシートやジャーナル等を用紙に印字するプリンタである。
【0054】
次に、ビーコンシステム1が備える各種装置の特徴的な機能について説明する。ここで、図9は、ビーコンシステム1が備える各種装置の特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
【0055】
ビーコン端末10の制御部101は、記憶部102の制御プログラム105をRAMに展開し、制御プログラム105に従って動作することで、図9に示す各機能部をRAM上に生成する。具体的には、ビーコン端末10の制御部101は、機能部として、近距離無線通信制御部1001と、ビーコン制御部1002と、転送制御部1003と、受信判定部1004とを備える。
【0056】
近距離無線通信制御部1001は、第1の受信手段の一例である。近距離無線通信制御部1001は、近距離無線通信インタフェース103を制御して、近距離無線通信を実行する。すなわち、近距離無線通信制御部1001は、他のビーコン端末10や、顧客端末20や、ネットワーク機器30との近距離無線通信を制御する。例えば、近距離無線通信制御部1001は、顧客端末20から端末情報209を受信する。また、近距離無線通信制御部1001は、他のビーコン端末10から履歴情報107を受信する。
【0057】
ビーコン制御部1002は、第1の送信手段、及び記憶制御手段の一例である。ビーコン制御部1002は、一定期間が経過するごとに、ビーコン情報106を不特定の端末に近距離無線通信制御部1001に送信させる。そして、ビーコン制御部1002は、ビーコン情報106の応答として端末情報209を近距離無線通信制御部1001が受信した場合に、端末情報209と、受信日時を示す受信日時情報とを含む履歴情報107を記憶部102に記憶させる。
【0058】
転送制御部1003は、第2の送信手段の一例である。転送制御部1003は、記憶部102が記憶している履歴情報107のサーバ装置40への転送を制御する。すなわち、転送制御部1003は、隣接する他のビーコン端末10やネットワーク機器30への履歴情報107の転送を制御する。転送制御部1003は、履歴情報107を転送する転送条件が満たされるまで待機する。ここで、転送条件には、任意の条件を設定することができる。例えば、転送条件は、所定の時刻であってもよいし、所定の時間が経過することであってもよいし、サーバ装置40からの転送要求であってもよいし、ビーコン情報106を受信したことであってもよい。
【0059】
転送制御部1003は、転送条件が満たされた場合に、隣接する他のビーコン端末10から履歴情報107を転送するビーコン端末10を選択する。ここで、転送制御部1003は、予め定められた優先順位に基づいて、優先順位が高いビーコン端末10を、履歴情報107を転送するビーコン端末10に選択する。転送制御部1003は、選択したビーコン端末10に履歴情報107を受信可能であるか否かの判定を要求する判定要求を、近距離無線通信制御部1001に送信させる。ここで、判定要求には、送信する履歴情報107のデータサイズが含まれている。すなわち、履歴情報107を記憶するために必要な記憶媒体の容量が含まれている。これにより、判定要求を受信したビーコン端末10は、履歴情報107を記憶可能であるか否かを判定することができる。
【0060】
転送制御部1003は、近距離無線通信制御部1001が判定要求に対する判定結果に応じて処理を実行する。転送制御部1003は、判定結果が転送休止を示している場合に、所定時間経過した後に、再度判定要求を近距離無線通信制御部1001に送信させる。また、転送制御部1003は、判定結果が履歴情報107の受信不可を示している場合に、次に優先順位が高いビーコン端末10に対して判定要求を、近距離無線通信制御部1001に送信させる。また、転送制御部1003は、所定時間が経過しても判定結果を受信することができなかった場合に受信不可と判定して、次に優先順位が高いビーコン端末10に対して判定要求を、近距離無線通信制御部1001に送信させる。そして、転送制御部1003は、判定結果が履歴情報107の受信可能を示している場合に、履歴情報107を近距離無線通信制御部1001に送信させる。
【0061】
また、転送制御部1003は、他のビーコン端末10から受信した履歴情報107を記憶部102が記憶している場合には、自装置が受信した履歴情報107と、他のビーコン端末10から受信した履歴情報107とを近距離無線通信制御部1001に送信させる。さらに、転送制御部1003は、自装置がネットワーク機器30と隣接している場合には、ネットワーク機器30に履歴情報107を近距離無線通信制御部1001に送信させる。
【0062】
受信判定部1004は、判定手段の一例である。受信判定部1004は、他のビーコン端末10から履歴情報107を受信可能であるか否かの判定要求を受信した場合に、受信可能であるか否かを判定する。例えば、受信判定部1004は、記憶部102の残りの容量が判定要求に含まれるデータサイズ以下の場合に、転送休止を示す判定結果を近距離無線通信制御部1001に送信させる。
【0063】
ここで、記憶部102は、他のビーコン端末10から受信した履歴情報107を記憶している場合がある。このような場合に、記憶部102の容量不足が発生する。記憶部102に記憶されている履歴情報107が他のビーコン端末10に送信されると容量不足は解消する。そこで、受信判定部1004は、転送休止を示す判定結果を近距離無線通信制御部1001に送信させる。また、受信判定部1004は、例えば自装置に故障等が発生している場合に、受信不可を示す判定結果を近距離無線通信制御部1001に送信させる。そして、受信判定部1004は、転送休止及び受信不可に該当しない場合に、受信可能を示す判定結果を近距離無線通信制御部1001に送信させる。
【0064】
顧客端末20の制御部201は、記憶部202の制御プログラム208をRAMに展開し、制御プログラム208に従って動作することで、図9に示す各機能部をRAM上に生成する。具体的には、顧客端末20の制御部201は、機能部として、近距離無線通信制御部2001と、通信制御部2002と、表示制御部2003と、操作制御部2004と、取得制御部2005とを備える。
【0065】
近距離無線通信制御部2001は、近距離無線通信インタフェース203を制御して、近距離無線通信を実行する。すなわち、近距離無線通信制御部2001は、ビーコン端末10との近距離無線通信を制御する。
【0066】
通信制御部2002は、通信インタフェース204を制御して、通信を実行する。すなわち、通信制御部2002は、サーバ装置40との通信を制御する。表示制御部2003は、表示部205を制御して、各種画面を表示させる。操作制御部2004は、操作部206を制御して、各種操作を受け付ける。
【0067】
取得制御部2005は、配信情報の取得を制御する。例えば、取得制御部2005は、近距離無線通信制御部2001がビーコン情報106をビーコン端末10から受信した場合に、応答として端末情報209を近距離無線通信制御部2001に送信させる。また、取得制御部2005は、近距離無線通信制御部2001がビーコン情報106をビーコン端末10から受信した場合に、通信制御部2002にビーコン情報106をサーバ装置40へ送信させる。
【0068】
取得制御部2005は、サーバ装置40からビーコン情報106の返信として、概要情報の表示を要求する概要表示要求を通信制御部2002に受信させる。ここで、概要表示要求には、概要情報と、概要情報に関連付けられているビーコンコードとが含まれている。取得制御部2005は、通信制御部2002が概要表示要求を受信した場合に、受信した概要情報を含む配信確認画面を表示制御部2003に表示させる。配信確認画面には、概要情報が示す配信情報の概要と、配信情報を取得するか否かの操作を受け付ける操作子とが含まれている。取得制御部2005は、配信確認画面に基づいて配信情報を取得する操作を操作制御部2004が受け付けた場合に、通信制御部2002に配信情報の配信を要求する配信要求をサーバ装置40へ送信させる。ここで、配信要求には、概要表示要求のビーコンコードが含まれている。そして、取得制御部2005は、通信制御部2002が配信要求の返信として配信情報を受信した場合に、受信した配信情報を記憶部202に記憶させる。
【0069】
ネットワーク機器30の制御部301は、記憶部302の制御プログラム306をRAMに展開し、制御プログラム306に従って動作することで、図9に示す各機能部をRAM上に生成する。具体的には、ネットワーク機器30の制御部301は、機能部として、近距離無線通信制御部3001と、通信制御部3002と、中継制御部3003とを備える。
【0070】
近距離無線通信制御部3001は、近距離無線通信インタフェース303を制御して、近距離無線通信を実行する。すなわち、近距離無線通信制御部3001は、ビーコン端末10との近距離無線通信を制御する。
【0071】
通信制御部3002は、通信インタフェース304を制御して、通信を実行する。すなわち、通信制御部3002は、サーバ装置40との通信を制御する。
【0072】
中継制御部3003は、近距離無線通信制御部3001がビーコン端末10から履歴情報107を受信した場合に、通信制御部3002に受信した履歴情報107をサーバ装置40へ送信させる。
【0073】
サーバ装置40の制御部401は、記憶部402の制御プログラム407をRAMに展開し、制御プログラム407に従って動作することで、図9に示す各機能部をRAM上に生成する。具体的には、サーバ装置40の制御部401は、機能部として、通信制御部4001と、配信制御部4002と、記憶制御部4003と、集計制御部4004とを備える。
【0074】
通信制御部4001は、通信インタフェース403を制御して、通信を実行する。すなわち、通信制御部4001は、顧客端末20や、ネットワーク機器30や、POS端末50との通信を制御する。
【0075】
配信制御部4002は、配信情報テーブル408に記憶された配信情報の配信を制御する。配信制御部4002は、通信制御部4001が顧客端末20からビーコン情報106を受信した場合に、ビーコン情報106に含まれるビーコンコードと同一のビーコンコードに関連付けられた概要情報を配信情報テーブル408から抽出する。そして、配信制御部4002は、通信制御部4001に抽出した概要情報と、概要情報に関連付けられていたビーコンコードとを含む概要表示要求を、ビーコン情報106を送信した顧客端末20へ送信させる。
【0076】
配信制御部4002は、通信制御部4001に概要表示要求を、ビーコン情報106を送信した顧客端末20へ送信させる。概要表示要求には、抽出した概要情報と、概要情報に関連付けられていたビーコンコードとが含まれている。配信制御部4002は、通信制御部4001が顧客端末20から配信情報の配信要求を受信した場合に、配信要求に含まれるビーコンコードと同一のビーコンコードに関連付けられた配信情報を配信情報テーブル408から抽出する。そして、配信制御部4002は、通信制御部4001に抽出した配信情報を、配信要求を送信した顧客端末20へ送信させる。
【0077】
記憶制御部4003は、各種情報を記憶部402に記憶させる。例えば、記憶制御部4003は、配信制御部4002が配信情報を送信した場合に、送信した日時と、送信した配信情報とを履歴情報107として記憶部402に記憶させる。また、記憶制御部4003は、通信制御部4001が履歴情報107を受信した場合に、受信した履歴情報107を記憶部402に記憶させる。さらに、記憶制御部4003は、通信制御部4001が販売情報を受信した場合に、受信した販売情報を記憶部402に記憶させる。
【0078】
集計制御部4004は、記憶部402に記憶された各種情報に基づいて集計テーブル409を生成する。例えば、集計制御部4004は、記憶部402に記憶された履歴情報107から時間帯ごとの配信回数を抽出する。また、集計制御部4004は、記憶部402に記憶された履歴情報107から時間帯ごとの送信回数を抽出する。さらに、集計制御部4004は、記憶部402に記憶された販売情報から時間帯ごとの販売個数を抽出する。そして、集計制御部4004は、抽出した時間帯ごとの配信回数と、送信回数と、販売個数とを有する集計テーブル409を生成する。
【0079】
POS端末50の制御部501は、記憶部502の制御プログラム509をRAMに展開し、制御プログラム509に従って動作することで、図9に示す各機能部をRAM上に生成する。具体的には、POS端末50の制御部501は、機能部として、通信制御部5001と、販売登録部5002と、会計処理部5003とを備える。
【0080】
通信制御部5001は、通信インタフェース503を制御して、通信を実行する。すなわち、通信制御部5001は、サーバ装置40との通信を制御する。
【0081】
販売登録部5002は、顧客に販売する商品を登録する販売登録を制御する。例えば、販売登録部5002は、スキャナ506がコードシンボルから読み取った商品コードの商品を販売登録する。商品コードとは、商品を識別可能な識別情報である。
【0082】
会計処理部5003は、販売対象の商品の会計処理を制御する。会計処理部5003は、販売登録部5002が販売登録した商品の合計価格を算出する。そして、会計処理部5003は、合計価格の代金が支払われたことが入力された場合に、通信制御部5001に販売登録した商品の商品コードを含む販売情報をサーバ装置40へ送信させる。
【0083】
次に、ビーコンシステム1の各装置が実行する配信処理について説明する。ここで、図10は、本実施形態のビーコンシステム1の各装置が実行する配信処理の一例を示すシーケンス図である。
【0084】
ビーコン端末10の近距離無線通信制御部1001は、顧客端末20を含む不特定の端末にビーコン情報106を送信する(ステップS11)。
【0085】
顧客端末20の近距離無線通信制御部2001は、ビーコン情報106を受信する(ステップS21)。顧客端末20の近距離無線通信制御部2001は、ビーコン情報106を送信したビーコン端末10に応答として端末情報209を送信する(ステップS22)。
【0086】
ビーコン端末10の近距離無線通信制御部1001は、端末情報209を受信する(ステップS12)。ビーコン端末10のビーコン制御部1002は、受信した端末情報209を記憶部102に記憶させる(ステップS13)。
【0087】
顧客端末20の通信制御部2002は、ビーコン端末10から受信したビーコン情報106をサーバ装置40に送信する(ステップS23)。
【0088】
サーバ装置40の通信制御部4001は、顧客端末20からビーコン情報106を受信する(ステップS31)。サーバ装置40の配信制御部4002は、受信したビーコン情報106に含まれているビーコンコードに関連付けられている概要情報を配信情報テーブル408から抽出する(ステップS32)。サーバ装置40の通信制御部4001は、ビーコン情報106を送信した顧客端末20に、概要情報の表示を要求する概要表示要求を送信する(ステップS33)。
【0089】
顧客端末20の通信制御部2002は、概要表示要求を受信する(ステップS24)。顧客端末20の表示制御部2003は、受信した概要情報を含む配信確認画面を表示部205に表示する(ステップS25)。配信確認画面には、概要情報が示している配信情報の配信を要求するか否かの操作子が含まれている。
【0090】
顧客端末20の操作制御部2004は、概要情報が示している配信情報の配信を要求する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS26)。顧客端末20は、操作制御部2004が配信情報の配信を要求する操作を受け付けていないことを条件に(ステップS26;No)、配信処理を終了する。
【0091】
顧客端末20の通信制御部2002は、操作制御部2004が配信情報の配信を要求する操作を受け付けたことを条件に(ステップS26;Yes)、配信要求をサーバ装置40に送信する(ステップS27)。
【0092】
サーバ装置40の通信制御部4001は、顧客端末20から配信要求を受信する(ステップS34)。サーバ装置40の配信制御部4002は、受信した配信要求に含まれているビーコンコードに関連付けられている配信情報を配信情報テーブル408から抽出する(ステップS35)。サーバ装置40の通信制御部4001は、配信要求を送信した顧客端末20に、配信情報を送信する(ステップS36)。
【0093】
顧客端末20の通信制御部2002は、配信情報を受信する(ステップS28)。顧客端末20の取得制御部2005は、受信した配信情報を記憶部202に記憶させる(ステップS29)。
【0094】
以上により、ビーコンシステム1の各装置は、配信処理を終了する。
【0095】
次に、ビーコン端末10が実行する転送処理について説明する。ここで、図11は、本実施形態のビーコン端末10が実行する転送処理の一例を示すシーケンス図である。
【0096】
ビーコン端末10の転送制御部1003は、履歴情報107を転送する転送条件が満たされるまで待機する(ステップS41;No)。ビーコン端末10の転送制御部1003は、履歴情報107を転送条件が満たされたことを条件に(ステップS41;Yes)、履歴情報107を転送するビーコン端末10を抽出する(ステップS42)。
【0097】
ビーコン端末10の近距離無線通信制御部1001は、履歴情報107を受信可能であるか否かを問い合わせる判定要求を、履歴情報107を転送するビーコン端末10に送信する(ステップS43)。
【0098】
ビーコン端末10の近距離無線通信制御部1001は、判定要求を受信する(ステップS51)。ビーコン端末10の受信判定部1004は、履歴情報107を受信可能であるか否かを判定する(ステップS52)。ビーコン端末10の近距離無線通信制御部1001は、履歴情報107を受信可能であるか否かの判定結果を送信する(ステップS53)。
【0099】
ビーコン端末10の近距離無線通信制御部1001は、判定結果を受信する(ステップS44)。ビーコン端末10の転送制御部1003は、判定結果が履歴情報107の転送休止であるか否かを判定する(ステップS45)。
【0100】
ビーコン端末10の転送制御部1003は、判定結果が転送休止であることを条件に(ステップS45;Yes)、所定時間が経過するまで待機する(ステップS46;No)。そして、ビーコン端末10は、所定時間が経過したことを条件に(ステップS46;Yes)、ステップS43に移行して再度処理を実行する。
【0101】
ビーコン端末10の転送制御部1003は、判定結果が転送休止でないことを条件に(ステップS45;No)、判定結果が受信可能であるか否かを判定する(ステップS47)。ビーコン端末10は、判定結果が受信不可であることを条件に(ステップS47;No)、ステップS42に移行して再度処理を実行する。
【0102】
判定結果が受信可能であることを条件に(ステップS47;Yes)、ビーコン端末10の近距離無線通信制御部1001は、履歴情報107をビーコン端末10に送信する(ステップS48)。
【0103】
ビーコン端末10の近距離無線通信制御部1001は、履歴情報107を受信する(ステップS54)。ビーコン端末10のビーコン制御部1002は、履歴情報107を記憶部102に記憶させる(ステップS55)。
【0104】
以上により、ビーコンシステム1の各装置は、転送処理を終了する。
【0105】
次に、ビーコンシステム1の各装置が実行する集計処理について説明する。ここで、図12は、本実施形態のビーコンシステム1の各装置が実行する集計処理の一例を示すシーケンス図である。
【0106】
ネットワーク機器30に隣接したビーコン端末10の近距離無線通信制御部1001は、履歴情報107をネットワーク機器30に送信する(ステップS61)。
【0107】
ネットワーク機器30の近距離無線通信制御部3001は、履歴情報107を受信する(ステップS71)。ネットワーク機器30の通信制御部3002は、履歴情報107をサーバ装置40に送信する(ステップS72)。
【0108】
サーバ装置40の通信制御部4001は、履歴情報107を受信する(ステップS81)。サーバ装置40の記憶制御部4003は、受信した履歴情報107を記憶部402に記憶させる(ステップS82)。
【0109】
POS端末50の通信制御部5001は、販売情報をサーバ装置40に送信する(ステップS91)。
【0110】
サーバ装置40の通信制御部4001は、販売情報を受信する(ステップS83)。サーバ装置40の通信制御部4001は、受信した販売情報を記憶部402に記憶させる(ステップS84)。
【0111】
サーバ装置40の集計制御部4004は、記憶部402に記憶された履歴情報107及び販売情報に基づいて、集計テーブル409を生成する(ステップS85)。
【0112】
以上のように、本実施形態に係るビーコンシステム1によれば、ビーコン端末10は、ビーコン情報106を不特定の顧客端末20に送信する。ビーコン端末10は、ビーコン情報106を受信した顧客端末20から端末情報209を受信する。また、ビーコン端末10は、端末情報209を受信した受信履歴を示す履歴情報107を記憶部102に記憶させる。さらに、ビーコン端末10は、履歴情報107をサーバ装置40に送信する。従って、本実施形態に係るビーコン端末10は、ビーコン情報106の送信の実績を測定することができる。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0114】
また、上記実施形態では、ビーコン端末10は、他のビーコン端末10に履歴情報107を送信する場合に、予め定められた優先順位に基づいて、優先順位が高いビーコン端末10を選択する。そして、ビーコン端末10は、他のビーコン端末10が履歴情報107を受信可能であるか否かを問い合わる。これにより、ビーコン端末10は、が履歴情報107を送信する他のビーコン端末10を抽出している。しかし、ビーコン端末10は、ルーティングプロトコル等により履歴情報107を選択してもよい。この場合、ビーコン端末10は、ルーティングプロトコル等により選択した他のビーコン端末10に履歴情報107を送信する。
【0115】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0116】
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0117】
1 ビーコンシステム
10 ビーコン端末
20 顧客端末
30 ネットワーク機器
40 サーバ装置
50 POS端末
106 ビーコン情報
105 制御プログラム
1001 近距離無線通信制御部
1002 ビーコン制御部
1003 転送制御部
1004 受信判定部
2001 近距離無線通信制御部
2002 通信制御部
2003 表示制御部
2004 操作制御部
2005 取得制御部
3001 近距離無線通信制御部
3002 通信制御部
3003 中継制御部
4001 通信制御部
4002 配信制御部
4003 記憶制御部
4004 集計制御部
5001 通信制御部
5002 販売登録部
5003 会計処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】
【特許文献1】特開2017−16435号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12