特許第6841752号(P6841752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6841752
(24)【登録日】2021年2月22日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】報知システム
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/00 20060101AFI20210301BHJP
   B62L 1/00 20060101ALI20210301BHJP
   B60T 13/74 20060101ALI20210301BHJP
【FI】
   B60T8/00 Z
   B62L1/00 A
   B60T13/74 G
【請求項の数】29
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-242146(P2017-242146)
(22)【出願日】2017年12月18日
(65)【公開番号】特開2019-107998(P2019-107998A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2019年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】西野 高史
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−147245(JP,A)
【文献】 特開2015−081648(JP,A)
【文献】 特開2017−112801(JP,A)
【文献】 特開2010−032054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/00
B60T 13/74
B62L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車の回転体の制動に関する制動関連情報を報知する報知システムであって、
前記回転体を制動するための制動装置、前記制動装置を操作するための操作装置、および、表示装置の少なくとも1つに前記制動関連情報を報知するように設けられる報知部を備え
摩擦部材によって前記回転体を制動するように前記制動装置を駆動する電動駆動部をさらに備え、
前記制動関連情報は、前記電動駆動部の動作状態に関する情報を含む、報知システム。
【請求項2】
前記電動駆動部を制御するための制御部をさらに備え、
前記制動関連情報は、前記制御部による前記電動駆動部の制御モードに関する情報を含む、請求項1に記載の報知システム。
【請求項3】
人力駆動車の回転体の制動に関する制動関連情報を報知する報知システムであって、
前記回転体を制動するための制動装置、前記制動装置を操作するための操作装置、および、表示装置の少なくとも1つに前記制動関連情報を報知するように設けられる報知部を備え
摩擦部材によって前記回転体を制動するように前記制動装置を駆動する電動駆動部と、
前記電動駆動部を制御するための制御部と、をさらに備え、
前記制動関連情報は、前記制御部による前記電動駆動部の制御モードに関する情報を含む、報知システム。
【請求項4】
前記制御モードは、前記回転体と前記摩擦部材とのクリアランスを調整するための調整モードを含む、請求項2または3に記載の報知システム。
【請求項5】
前記制御モードは、前記電動駆動部を自動的に制御する自動モードを含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項6】
前記電動駆動部に電力を供給するための電源をさらに備え、
前記制動関連情報は、前記電源の電力に関する情報を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項7】
人力駆動車の回転体の制動に関する制動関連情報を報知する報知システムであって、
前記回転体を制動するための制動装置、前記制動装置を操作するための操作装置、および、表示装置の少なくとも1つに前記制動関連情報を報知するように設けられる報知部を備え
摩擦部材によって前記回転体を制動するように前記制動装置を駆動する電動駆動部と、
前記電動駆動部に電力を供給するための電源と、をさらに備え、
前記制動関連情報は、前記電源の電力に関する情報を含む、報知システム。
【請求項8】
人力駆動車の回転体の制動に関する制動関連情報を報知する報知システムであって、
前記回転体を制動するための制動装置、前記制動装置を操作するための操作装置、および、表示装置の少なくとも1つに前記制動関連情報を報知するように設けられる報知部を備え
前記制動関連情報は、ABS制御の作動状態に関する情報を含む、報知システム。
【請求項9】
人力駆動車の回転体の制動に関する制動関連情報を報知する報知システムであって、
前記回転体を制動するための制動装置、前記制動装置を操作するための操作装置、および、表示装置の少なくとも1つに前記制動関連情報を報知するように設けられる報知部を備え
前記制動関連情報は、前記回転体の制動に用いられる要素に対応外部品が存在するか否かに関する情報を含む、報知システム。
【請求項10】
人力駆動車の回転体の制動に関する制動関連情報を報知する報知システムであって、
前記回転体を制動するための制動装置、前記制動装置を操作するための操作装置、および、表示装置の少なくとも1つに前記制動関連情報を報知するように設けられる報知部を備え
前記制動関連情報は、前記回転体に接する摩擦部材が前記回転体に与える力に関する情報、および、前記操作装置の操作量に関する情報を含む、報知システム。
【請求項11】
摩擦部材によって前記回転体を制動するように前記制動装置を駆動する電動駆動部をさらに備える、請求項8〜10のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項12】
前記制動関連情報は、前記電動駆動部の動作状態に関する情報を含む、請求項11に記載の報知システム。
【請求項13】
前記電動駆動部を制御するための制御部をさらに備え、
前記制動関連情報は、前記制御部による前記電動駆動部の制御モードに関する情報を含む、請求項11または12に記載の報知システム。
【請求項14】
前記制御モードは、前記回転体と前記摩擦部材とのクリアランスを調整するための調整モードを含む、請求項13に記載の報知システム。
【請求項15】
前記制御モードは、前記電動駆動部を自動的に制御する自動モードを含む、請求項13または14に記載の報知システム。
【請求項16】
前記電動駆動部に電力を供給するための電源をさらに備え、
前記制動関連情報は、前記電源の電力に関する情報を含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項17】
前記操作装置は、前記人力駆動車に取り付けられるベース部材、および、人手によって操作されるように前記ベース部材に設けられる操作部材を含み、
前記報知部は、前記ベース部材および前記操作部材の少なくとも一方に設けられる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項18】
前記報知部は、前記ベース部材に設けられる、請求項17に記載の報知システム。
【請求項19】
前記制動装置は、前記回転体に接する摩擦部材、および、前記摩擦部材を保持する本体を含み、
前記報知部は、前記本体に設けられる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項20】
前記回転体は、前記人力駆動車の車輪と一体的に回転するディスクブレーキロータを含み、
前記制動装置は、前記ディスクブレーキロータに対して前記摩擦部材を進退させるように構成される、請求項19に記載の報知システム。
【請求項21】
前記報知部は、前記表示装置に設けられる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項22】
前記報知部は、前記表示装置に設けられるディスプレイを含む、請求項21に記載の報知システム。
【請求項23】
前記表示装置は、前記人力駆動車の走行に関する情報を前記ディスプレイに表示するように構成される、請求項22に記載の報知システム。
【請求項24】
前記報知部は、点灯状態によって前記制動関連情報を報知する発光素子を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項25】
前記報知部は、音によって前記制動関連情報を報知するスピーカを含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項26】
前記報知部は、振動によって前記制動関連情報を報知する振動素子を含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項27】
前記制動関連情報は、前記回転体に対する制動力に関する情報を含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項28】
前記制動関連情報は、前記回転体、前記制動装置、および、前記操作装置の少なくとも1つの使用状態に関する情報を含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項29】
前記制動装置は、前記回転体に接する摩擦部材を含み、
前記使用状態に関する情報は、前記回転体および前記摩擦部材の少なくとも一方の厚みに関する情報を含む、請求項28に記載の報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人力駆動車に適用される報知システムとして、例えば特許文献1の報知システムが知られている。この報知システムは、人力駆動車の走行状態および走行環境の少なくとも一方を報知するように表示装置に設けられる報知部を備える。報知部は、表示装置に設けられるディスプレイを含む。人力駆動車に搭乗するユーザは、ディスプレイに表示される情報を視認することによって、人力駆動車の走行状態および走行情報の少なくとも一方を把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−30395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車に搭乗するユーザが快適に走行するために、人力駆動車の回転体の制動に関する制動関連情報をユーザに把握させることが望ましい。
本発明の目的は、ユーザによる人力駆動車の快適な走行に貢献できる報知システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う報知システムは、人力駆動車の回転体の制動に関する制動関連情報を報知する報知システムであって、前記回転体を制動するための制動装置、前記制動装置を操作するための操作装置、および、表示装置の少なくとも1つに前記制動関連情報を報知するように設けられる報知部を備える。
前記第1側面の報知システムによれば、報知部が制動関連情報をユーザに報知することによって、ユーザによる人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の報知システムにおいて、前記操作装置は、前記人力駆動車に取り付けられるベース部材、および、人手によって操作されるように前記ベース部材に設けられる操作部材を含み、前記報知部は、前記ベース部材および前記操作部材の少なくとも一方に設けられる。
前記第2側面の報知システムによれば、ユーザが人力駆動車に搭乗した状態において、ユーザインタフェースである操作装置を介して制動関連情報をユーザに容易に報知できる。
【0007】
前記第2側面に従う第3側面の報知システムにおいて、前記報知部は、前記ベース部材に設けられる。
前記第3側面の報知システムによれば、ユーザが視認しやすくかつ接しやすいベース部材に報知部が設けられるため、制動関連情報をユーザに容易に報知できる。
【0008】
前記第1〜第3側面のいずれか1つに従う第4側面の報知システムにおいて、前記制動装置は、前記回転体に接する摩擦部材、および、前記摩擦部材を保持する本体を含み、前記報知部は、前記本体に設けられる。
前記第4側面の報知システムによれば、人力駆動車を構成する各種の要素によって覆われる可能性が低い本体に報知部が設けられるため、ユーザによる人力駆動車のメンテナンス状態において、制動関連情報をユーザに容易に報知できる。
【0009】
前記第4側面に従う第5側面の報知システムにおいて、前記回転体は、前記人力駆動車の車輪と一体的に回転するディスクブレーキロータを含み、前記制動装置は、前記ディスクブレーキロータに対して前記摩擦部材を進退させるように構成される。
前記第5側面の報知システムによれば、いわゆるディスクブレーキタイプのブレーキシステムに関する制動関連情報をユーザに報知することによって、ユーザによる人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0010】
前記第1〜第5側面のいずれか1つに従う第6側面の報知システムにおいて、前記報知部は、前記表示装置に設けられる。
前記第6側面の報知システムによれば、ユーザが人力駆動車に搭乗した状態において、ユーザインタフェースである表示装置を介して制動関連情報をユーザに容易に報知できる。
【0011】
前記第6側面に従う第7側面の報知システムにおいて、前記報知部は、前記表示装置に設けられるディスプレイを含む。
前記第7側面の報知システムによれば、制動関連情報をディスプレイに表示することによって、制動関連情報をユーザに容易に報知できる。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面の報知システムにおいて、前記表示装置は、前記人力駆動車の走行に関する情報を前記ディスプレイに表示するように構成される。
前記第8側面の報知システムによれば、制動関連情報を比較的確認の機会が多い人力駆動車の走行に関する情報と共に表示することによって、制動関連情報をユーザに安定的に報知できる。
【0013】
前記第1〜第8側面のいずれか1つに従う第9側面の報知システムにおいて、前記報知部は、点灯状態によって前記制動関連情報を報知する発光素子を含む。
前記第9側面の報知システムによれば、発光素子の点灯状態によって制動関連情報をユーザに容易に報知できる。
【0014】
前記第1〜第9側面のいずれか1つに従う第10側面の報知システムにおいて、前記報知部は、音によって前記制動関連情報を報知するスピーカを含む。
前記第10側面の報知システムによれば、スピーカからの音によって制動関連情報をユーザに容易に報知できる。
【0015】
前記第1〜第10側面のいずれか1つに従う第11側面の報知システムにおいて、前記報知部は、振動によって前記制動関連情報を報知する振動素子を含む。
前記第11側面の報知システムによれば、振動素子の振動によって制動関連情報をユーザに容易に報知できる。
【0016】
前記第1〜第11側面のいずれか1つに従う第12側面の報知システムにおいて、前記制動関連情報は、前記回転体に対する制動力に関する情報を含む。
前記第12側面の報知システムによれば、制動力に関する情報を報知することによって、好適な制動操作に貢献できる。
【0017】
前記第1〜第12側面のいずれか1つに従う第13側面の報知システムにおいて、前記制動関連情報は、前記回転体、前記制動装置、および、前記操作装置の少なくとも1つの使用状態に関する情報を含む。
前記第13側面の報知システムによれば、使用状態に関する情報を報知することによって、ブレーキシステムの適切な状態維持に貢献できる。
【0018】
前記第13側面に従う第14側面の報知システムにおいて、前記制動装置は、前記回転体に接する摩擦部材を含み、前記使用状態に関する情報は、前記回転体および前記摩擦部材の少なくとも一方の厚みに関する情報を含む。
前記第14側面の報知システムによれば、回転体および摩擦部材の少なくとも一方の交換時期またはメンテナンス時期を報知できる。
【0019】
前記第1〜第14側面のいずれか1つに従う第15側面の報知システムにおいて、摩擦部材によって前記回転体を制動するように前記制動装置を駆動する電動駆動部をさらに備える。
前記第15側面の報知システムによれば、電動駆動部の駆動または電動駆動部の駆動補助によって回転体の容易な制動に貢献できる。
【0020】
前記第15側面に従う第16側面の報知システムにおいて、前記制動関連情報は、前記電動駆動部の動作状態に関する情報を含む。
前記第16側面の報知システムによれば、電動駆動部の動作状態に関する情報を報知することによって、好適な制動操作に貢献できる。
【0021】
前記第15または第16側面に従う第17側面の報知システムにおいて、前記電動駆動部を制御するための制御部をさらに備え、前記制動関連情報は、前記制御部による前記電動駆動部の制御モードに関する情報を含む。
前記第17側面の報知システムによれば、制御部が実行中の制御モードをユーザに報知できる。
【0022】
前記第17側面に従う第18側面の報知システムにおいて、前記制御モードは、前記回転体と前記摩擦部材とのクリアランスを調整するための調整モードを含む。
前記第18側面の報知システムによれば、調整モードを実行中であることをユーザに報知できる。
【0023】
前記第17または第18側面に従う第19側面の報知システムにおいて、前記制御モードは、前記電動駆動部を自動的に制御する自動モードを含む。
前記第19側面の報知システムによれば、自動モードを実行中であることをユーザに報知できる。
【0024】
前記第15〜第19側面のいずれか1つに従う第20側面の報知システムにおいて、前記電動駆動部に電力を供給するための電源をさらに備え、前記制動関連情報は、前記電源の電力に関する情報を含む。
前記第20側面の報知システムによれば、電源の電力残量等をユーザに報知できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の報知システムによれば、ユーザによる人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態の報知システムを含む人力駆動車の側面図。
図2図1の操作装置およびその周辺を示す模式図。
図3図1の報知システムと各種の要素との接続関係を示すブロック図。
図4】第2実施形態の報知システムの報知部を搭載する制動装置およびその周辺を示す人力駆動車の部分側面図。
図5】第3実施形態の報知システムの報知部を搭載する表示装置の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の報知システム10を含む人力駆動車Aについて説明する。
ここで、人力駆動車は、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車には含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車には含まれない。通常、人力駆動車には、小型軽車両が想定され、公道での運転に免許を要しない車両が想定される。図示される人力駆動車Aは、電気エネルギーを用いて人力駆動車Aの推進を補助する電動補助ユニットEを含む自転車(e−bike)である。具体的には、図示される人力駆動車Aは、トレッキングバイクである。人力駆動車Aは、フレームA1、フロントフォークA2、車輪W、ハンドルH、および、ドライブトレインBをさらに含む。車輪Wは、前輪WFおよび後輪WRを含む。
【0028】
ドライブトレインBは、チェーンドライブタイプに構成される。ドライブトレインBは、クランクC、フロントスプロケットD1、リアスプロケットD2、および、チェーンD3を含む。クランクCは、フレームA1に回転可能に支持されるクランク軸C1、および、クランク軸C1の両端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアームC2を含む。各クランクアームC2の先端には、ペダルPDが回転可能に取り付けられる。なお、ドライブトレインBは、任意のタイプから選択でき、ベルトドライブタイプまたはシャフトドライブタイプであってもよい。
【0029】
フロントスプロケットD1は、クランク軸C1と一体的に回転するようにクランクCに設けられる。リアスプロケットD2は、後輪WRのハブHRに設けられる。チェーンD3は、フロントスプロケットD1およびリアスプロケットD2に巻き掛けられる。人力駆動車Aに搭乗するユーザによってペダルPDに加えられる駆動力は、フロントスプロケットD1、チェーンD3、および、リアスプロケットD2を介して後輪WRに伝達される。
【0030】
人力駆動車Aは、電動補助ユニットEをさらに含む。電動補助ユニットEは、人力駆動車Aの推進力がアシストされるように動作する。電動補助ユニットEは、例えばペダルPDに加えられる駆動力に応じて動作する。電動補助ユニットEは、電気モータE1を含む。電動補助ユニットEは、人力駆動車Aに搭載されるバッテリBTから供給される電力によって駆動される。人力駆動車Aは、電動補助ユニットEを省略してもよい。
【0031】
人力駆動車Aは、車輪Wの数に対応する数の制動装置BDをさらに含む。本実施形態では、前輪WFに対応する制動装置BD、および、後輪WRに対応する制動装置BDが人力駆動車Aに設けられる。2つの制動装置BDは、互いに同じ構成を有する。本実施形態では、制動装置BDは、人力駆動車Aの回転体を制動するディスクブレーキ装置である。回転体は、人力駆動車Aの車輪Wと一体的に回転するディスクブレーキロータF1(以下、「回転体F1」ともいう)を含む。回転体F1は、人力駆動車Aの前輪WFおよび後輪WRのそれぞれに設けられる。
【0032】
制動装置BDは、回転体F1に接する摩擦部材BP(図2参照)、および、摩擦部材BPを保持する本体BCを含む。摩擦部材BPは、例えばそれらの間で回転体F1を挟むことができるように本体BCに取り付けられる一対の摩擦部材BPを含む。制動装置BDは、ディスクブレーキロータF1に対して摩擦部材BPを進退させるように構成される。本実施形態では、本体BCは、回転体F1を摩擦部材BPによって挟持するキャリパである。本体BCは、ハウジングBC1および一対のピストン(図示略)を含む。一方の摩擦部材BPが一方のピストンに取り付けられ、他方の摩擦部材BPが他方のピストンに取り付けられる。本体BCが駆動されることによって一対のピストンが互いに近づく方向に変位し、一対の摩擦部材BPが回転体F1を挟むように回転体F1と接触する。このため、制動装置BDによって回転体F1が制動される。なお、制動装置BDは、一対のピストンの一方、ならびに、一対の摩擦部材BPの一方を省略してもよい。すなわち、一方の摩擦部材BPのみで回転体F1を制動するようにしてもよい。
【0033】
人力駆動車Aは、表示装置SCをさらに含む。表示装置SCは、ハンドルHまたはステムST等に設けられる。本実施形態では、表示装置SCは、ハンドルHに設けられるサイクルコンピュータである。表示装置SCは、人力駆動車Aの走行に関する情報を表示するように構成される。人力駆動車Aの走行に関する情報は、例えば人力駆動車Aに搭載される各種のセンサ(図示略)によって取得される。
【0034】
人力駆動車Aは、操作装置ODをさらに含む。操作装置ODは、人力駆動車Aの中心平面に対して、ハンドルHの右側、および、ハンドルHの左側にそれぞれ設けられる。一方の操作装置ODの操作に応じて一方の制動装置BDが駆動され、他方の操作装置ODの操作に応じて他方の制動装置BDが駆動される。
【0035】
図2は、ハンドルHの右側に設けられる操作装置ODを示す。操作装置ODは、人力駆動車Aに取り付けられるベース部材OB、および、人手によって操作されるようにベース部材OBに設けられる操作部材OMを含む。ベース部材OBは、例えばハンドルHに取り付けられる。操作部材OMは、ユーザ等の人手によって操作されるレバーを含む。レバーは、ベース部材OBに対して回転可能にベース部材OBに取り付けられる。
【0036】
報知システム10は、人力駆動車Aの回転体F1の制動に関する制動関連情報を報知する。報知システム10は、回転体F1を制動するための制動装置BD、制動装置BDを操作するための操作装置OD、および、表示装置SCの少なくとも1つに制動関連情報を報知するように設けられる報知部12を備える。報知部12は、例えば操作装置ODに設けられる。報知部12は、ベース部材OBおよび操作部材OMの少なくとも一方に設けられる。本実施形態では、報知部12は、ベース部材OBに設けられる。報知部12は、ハンドルHの右側に設けられる操作装置ODに代えてまたは加えて、ハンドルHの左側に設けられる操作装置ODに設けられてもよい。なお、報知システム10は、制動装置BDおよび操作装置ODを含むブレーキシステムとしても認識され得る。このブレーキシステムには、表示装置SCも含まれ得る。このブレーキシステムにおいて、電動駆動部14、制御部16、および、電源BT(いずれも後述)は、制動装置BDおよび操作装置ODの少なくとも一方の構成要素として認識され得る。
【0037】
報知部12は、発光素子12A、スピーカ12B、振動素子12C、および、ディスプレイ12Dの少なくとも1つを含む。発光素子12Aは、点灯状態によって制動関連情報を報知する。発光素子12Aは、1つまたは複数の発光素子12Aを含む。発光素子12Aは、例えばLED(Light Emitting Diode)ランプである。本実施形態では、複数の発光素子12Aがベース部材OBの外表面OB1に設けられる。発光素子12Aの点灯状態は、点灯する発光素子12Aの種類(色)、数、および、複数の点灯パターン等を含む。複数の点灯パターンは、発光素子12Aの連続点灯および点滅等を含む。また、点滅の場合、複数の点灯パターンは、点滅時間の変化、および、各点灯時における色の変化を含む。ユーザは、発光素子12Aの点灯状態を視認することによって制動関連情報を把握できる。
【0038】
スピーカ12Bは、音によって制動関連情報を報知する。本実施形態では、スピーカ12Bは、ベース部材OBの外表面OB1に設けられる。スピーカ12Bから出力される音は、音声、メロディ、および、ビープ音等を含む。ユーザは、スピーカ12Bからの音を聞くことによって制動関連情報を把握できる。
【0039】
振動素子12Cは、振動によって制動関連情報を報知する。本実施形態では、振動素子12Cは、ベース部材OBの内部に設けられる。振動素子12Cから出力される振動は、複数の振動パターンを含む。振動素子12Cから出力される振動は、ユーザが握るハンドルHおよび操作部材OM等に伝達される。ユーザは、振動素子12Cから出力される振動を感じることによって制動関連情報を把握できる。
【0040】
ディスプレイ12Dは、文字、数字、記号、模様、画像、および、アイコン等の表示によって制動関連情報を報知する。本実施形態では、ディスプレイ12Dは、ベース部材OBの外表面OB1に設けられる。ユーザは、ディスプレイ12Dに表示される情報を視認することによって制動関連情報を把握できる。
【0041】
図3に示されるように、報知システム10は、摩擦部材BPによって回転体F1を制動するように制動装置BDを駆動する電動駆動部14をさらに備える。電動駆動部14は、各制動装置BDのそれぞれを個別に駆動する複数の電動駆動部14を含む。本実施形態では、電動駆動部14は、一方の制動装置BDを駆動する電動駆動部14、および、他方の制動装置BDを駆動する電動駆動部14を含む。電動駆動部14は、例えば電気モータである。電動駆動部14は、電気的に駆動されれば電気モータに限定されず、ソレノイド等であってもよい。本実施形態では、電動駆動部14は、本体BCの筐体に設けられる。電動駆動部14が駆動されることによって本体BCが電気的に駆動され、一対の摩擦部材BPが回転体F1を挟むことによって回転体F1が制動される。電動駆動部14は、本体BCとは別に設けられてもよい。具体的には、電動駆動部14は、フレームA1、フロントフォークA2、および、ハンドルH等の任意の場所に設けられてもよい。
【0042】
報知システム10は、電動駆動部14に電力を供給するための電源をさらに備える。電源は、人力駆動車Aに搭載されるバッテリBT(以下、「電源BT」ともいう)である。電動駆動部14は、例えば電源BTから供給される電力によって駆動される。電源は、バッテリBTとは別の電源であってもよい。この場合、電源は、各制動装置BDのそれぞれに電力を供給できるように人力駆動車AのフレームA1に設けられてもよく、各制動装置BDに個別に電力を供給できるように各制動装置BDのそれぞれに設けられてもよい。
【0043】
報知システム10は、電動駆動部14を制御するための制御部16をさらに備える。制御部16は、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)である。制御部16は、一方の操作装置ODの操作に応じて一方の電動駆動部14を制御し、一方の制動装置BDを動作させる。また、制御部16は、他方の操作装置ODの操作に応じて他方の電動駆動部14を制御し、他方の制動装置BDを動作させる。制御部16は、一対の操作装置ODのそれぞれの操作に応じて各電動駆動部14を制御し、各制動装置BD(本実施形態では2つの制動装置BD)を動作させてもよい。この場合、一方の操作装置ODにおける各制動装置BDの制動力の比率と、他方の操作装置ODにおける各制動装置BDの制動力の比率とを異ならせるようにしてもよい。
【0044】
また、制御部16は、前輪WFと後輪WRとの相対回転速度に基づいて、回転体F1に対する制動力を調整するように各電動駆動部14を制御する。具体的には、制御部16は、前輪WFおよび後輪WRの一方の回転速度が、前輪WFおよび後輪WRの他方の回転速度に対して所定速度以上遅い場合、前輪WFおよび後輪WRの一方に対する制動を一時的(間欠的)に解除するように各電動駆動部14を制御する。すなわち、制御部16は、各電動駆動部14をABS(Antilock Brake System)制御するように構成される。なお、このようなABS制御は、前輪WFにおいては前輪WFの回転速度と人力駆動車Aの走行速度(車体速度)とに基づいて実行されてもよいし、後輪WRにおいては後輪WRの回転速度と人力駆動車Aの走行速度とに基づいて実行されてもよい。
【0045】
報知システム10は、記憶部18をさらに備える。記憶部18は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部18は、例えば制御のための各種のプログラム、および、予め設定される情報を記憶する。予め記憶部18に記憶される情報は、所定の入力装置(図示略)を用いて変更可能に構成されてもよい。記憶部18において制御部16が各種のプログラムを展開および実行することによって、制動装置BDの各種制御が実行される。
【0046】
記憶部18は、例えば制御部16による電動駆動部14の制御に関する制御モードを記憶する。制御モードは、調整モードおよび自動モードの少なくとも一方を含む。調整モードは、回転体F1と摩擦部材BPとのクリアランスを調整するための制御モードである。自動モードは、電動駆動部14を自動的に制御する制御モードである。制御部16の制御モードは、例えば所定の操作装置(図示略)による操作に応じて任意に選択される。制御部16は、調整モードにおいて、所定の操作装置による操作に応じて回転体F1と摩擦部材BPとのクリアランスを調整するように電動駆動部14を制御する。制御部16は、自動モードにおいて、例えば人力駆動車Aの走行速度、人力駆動車Aの前後方向における傾き角度、および、クランクCの回転速度等に応じて制動装置BDが自動的に動作するように電動駆動部14を制御する。具体的には、所定の条件下で人力駆動車Aの走行速度が上限値を超える状態において、制動装置BDによって自動的に制動するように電動駆動部14を制御する。
【0047】
制御部16は、例えば人力駆動車Aを構成する各種の要素、および、人力駆動車Aに搭載される各種の検出装置(図示略)から制動関連情報を取得し、取得した制動関連情報を報知部12に報知させる。制動関連情報は、以下の第1例〜第7例に示される少なくとも1つの情報を含む。
【0048】
第1例では、制動関連情報は、制動装置BDの制動状態に関する情報を含む。制動状態に関する情報は、制動装置BDによって回転体F1が制動されているか否かに関する情報等を含む。第1例の制動関連情報は、報知部が制動関連情報をユーザとは別に外部に報知するように設けられる場合、回転体F1が制動されているか否かに関する情報を含まない。すなわち、制動関連情報は、報知部がブレーキランプに設けられる場合、回転体F1が制動されているか否かに関する情報を含まない。第2例では、制動関連情報は、ABS制御の作動状態に関する情報を含む。ABS制御の作動状態に関する情報は、制御部16によるABS制御が実行されているか否かに関する情報等を含む。報知部が表示装置SCに設けられる場合、ABS制御の作動状態に関する情報は、ABS制御のオン・オフに関する情報を含まない。
【0049】
第3例では、制動関連情報は、回転体F1の制動に用いられる要素のフェールに関する情報を含む。フェールに関する情報は、回転体F1の制動に用いられる要素の動作状態に関する情報、および、回転体F1の制動に用いられる要素に対応外部品が存在するか否かに関する情報等を含む。対応外部品は、互換性のない部品、または、規格が異なる部品を含む。本実施形態では、フェールに関する情報である第3例の制動関連情報は、電動駆動部14の動作状態に関する情報を含む。具体的には、第3例の制動関連情報は、電動駆動部14が正常に動作しているか否かに関する情報を含む。また、第3例の制動関連情報は、電動駆動部14が正常に動作可能か否かに関する情報を含む。第4例では、制動関連情報は、回転体F1に対する制動力に関する情報を含む。制動力に関する情報は、摩擦部材BPが回転体F1に与える力(摩擦力、挟持力、押し付け力)に関する情報、および、操作装置ODの操作量に関する情報等を含む。
【0050】
第5例では、制動関連情報は、回転体F1、制動装置BD、および、操作装置ODの少なくとも1つの使用状態に関する情報を含む。使用状態に関する情報は、回転体F1および摩擦部材BPの少なくとも一方の厚みに関する情報等を含む。第6例では、制動関連情報は、制御部16による電動駆動部14の制御モードに関する情報を含む。制御モードに関する情報は、実行中の制御モードの種類に関する情報等を含む。第7例では、制動関連情報は、電源BTの電力に関する情報を含む。電源BTの電力に関する情報は、電源BTの電池残量に関する情報等を含む。
【0051】
(第2実施形態)
図4を参照して、第2実施形態の報知システム10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図4は、人力駆動車Aの左側面視において、前輪WFに対応する制動装置BDおよびその周辺の構成を示す。
【0052】
報知システム10は、第1実施形態の報知部12(図2参照)に代えて報知部20を備える。報知部20の機能は、報知部12の機能と実質的に同じである。具体的には、報知部20により報知される制動関連情報は、報知部12により報知される制動関連情報と実質的に同じである。報知部20は、例えば制動装置BDに設けられる。報知部20は、摩擦部材BPおよび本体BCの少なくとも一方に設けられる。本実施形態では、報知部20は、本体BCに設けられる。
【0053】
報知部20は、点灯状態によって制動関連情報を報知する発光素子20Aを含む。発光素子20Aは、1つまたは複数の発光素子20Aを含む。発光素子20Aは、例えばLED(Light Emitting Diode)ランプである。本実施形態では、複数の発光素子20Aが本体BCのハウジングBC1の外表面BC2に設けられる。ユーザは、発光素子20Aの点灯状態を視認することによって制動関連情報を把握できる。報知部20は、発光素子20Aに代えてまたは加えて、スピーカ(図示略)、振動素子(図示略)、および、ディスプレイ(図示略)の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0054】
(第3実施形態)
図5を参照して、第3実施形態の報知システム10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0055】
報知システム10は、第1実施形態の報知部12(図2参照)に代えて報知部22を備える。報知部22の機能は、報知部12の機能と実質的に同じである。具体的には、報知部22により報知される制動関連情報は、報知部12により報知される制動関連情報と実質的に同じである。本実施形態では、報知部22は、表示装置SCに設けられる。
【0056】
報知部22は、発光素子22A、スピーカ22B、振動素子22C、および、表示装置SCに設けられるディスプレイ22Dの少なくとも1つを含む。発光素子22Aは、点灯状態によって制動関連情報を報知する。発光素子22Aは、1つまたは複数の発光素子22Aを含む。発光素子22Aは、例えばLED(Light Emitting Diode)ランプである。本実施形態では、複数の発光素子22Aが表示装置SCの外表面SC1に設けられる。ユーザは、発光素子22Aの点灯状態を視認することによって制動関連情報を把握できる。
【0057】
スピーカ22Bは、音によって制動関連情報を報知する。本実施形態では、スピーカ22Bは、表示装置SCの外表面SC1に設けられる。ユーザは、スピーカ22Bからの音を聞くことによって制動関連情報を把握できる。振動素子22Cは、振動によって制動関連情報を報知する。本実施形態では、振動素子22Cは、表示装置SCの内部に設けられる。振動素子22Cから出力される振動は、ユーザが握るハンドルH等に伝達される。ユーザは、振動素子22Cから出力される振動を感じることによって制動関連情報を把握できる。ディスプレイ22Dは、文字、数字、記号、模様、画像、および、アイコン等の表示によって制動関連情報を報知する。本実施形態では、ディスプレイ22Dは、表示装置SCの外表面SC1に設けられる。ディスプレイ22Dは、表示装置SCのディスプレイを兼ねる。すなわち、表示装置SCは、人力駆動車Aの走行に関する情報をディスプレイ22Dに表示するように構成される。ユーザは、ディスプレイ22Dに表示される情報を視認することによって制動関連情報を把握できる。
【0058】
(変形例)
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従う報知システムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う報知システムは、例えば以下に示される上記各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0059】
・表示装置SCの配置は、任意に変更可能である。第1例では、表示装置SCは、フレームA1に設けられる。第2例では、表示装置SCは、フロントフォークA2に設けられる。第3例では、表示装置SCは、人力駆動車Aのフェンダ(図示略)に設けられる。
【0060】
・制動関連情報の内容は、任意に変更可能である。一例では、第1実施形態および第2実施形態において、ABS制御の作動状態に関する情報は、ABS制御のオン・オフに関する情報を含んでいてもよい。具体的には、報知部が操作装置ODおよび制動装置BDの少なくとも一方に設けられる例では、ABS制御の作動状態に関する情報は、ABS制御のオン・オフに関する情報を含んでいてもよい。
【0061】
・制動装置BDの種類は、任意に変更可能である。第1例では、制動装置BDは、リムブレーキ装置である。この場合、回転体はリムF2(図1参照)である。第2例では、制動装置BDは、油圧式ブレーキ装置である。制動装置BDは、流体によって本体BCを駆動するアクチュエータ(図示略)をさらに含む。動力伝達媒体である流体の一例は、作動油である。電動駆動部14によってアクチュエータが駆動され、流体の圧力が本体BCを介して摩擦部材BPに与えられる。このため、摩擦部材BPが回転体F1と接触し、回転体F1が制動される。第3例では、制動装置BDは、ケーブル式ブレーキ装置である。制動装置BDは、ケーブルによって本体BCを駆動するアクチュエータ(図示略)をさらに含む。電動駆動部14によってアクチュエータが駆動され、摩擦部材BPが変位するようにケーブルが引かれる。このため、摩擦部材BPが回転体F1と接触し、回転体F1が制動される。第4例では、回生ブレーキ装置である。この場合、制動装置BDは、電動補助ユニットEの電気モータE1を含む。電気モータE1は、回生可能に構成される。第4例によれば、報知システム10は、電動駆動部14を省略してもよい。第5例では、制動装置BDは、機械的に駆動される制動装置である。第5例によれば、報知システム10は、電動駆動部14を省略してもよい。
【0062】
・人力駆動車Aの種類は、任意に変更可能である。第1例では、人力駆動車Aは、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイク、シティサイクル、カーゴバイク、または、リカンベントである。第2例では、人力駆動車Aは、キックスケータである。
【符号の説明】
【0063】
10…報知システム、12…報知部、12A…発光素子、12B…スピーカ、12C…振動素子、14…電動駆動部、16…制御部、20…報知部、20A…発光素子、22…報知部、22A…発光素子、22B…スピーカ、22C…振動素子、22D…ディスプレイ、A…人力駆動車、BC…本体、BD…制動装置、BP…摩擦部材、BT…電源、F1…回転体(ディスクブレーキロータ)、OB…ベース部材、OD…操作装置、OM…操作部材、SC…表示装置、W…車輪。
図1
図2
図3
図4
図5