(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、外出業務の実施内容の入力を容易にすると共に、管理にかかるコストの増加を抑制することが可能な情報入力支援ファイル、及び情報入力支援ファイルの使用方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る情報入力支援ファイルは、「外出業務の実施内容をコンピュータに入力するための情報入力支援ファイルであって、閉じられている状態で右から左へ捲って見開きにした時の最初の左右を夫々第一左頁及び第一右頁としているファイル状の本体と、予め入力順が決められている複数の入力情報のうち前記外出業務の実施毎に変動する外出先を示す前記入力情報が記載されている札体とを具備しており、前記本体は、前記外出業務の名称が記載されている業務名称領域と、前記札体を着脱可能に形成されている変動情報領域と、前記外出先を示す前記入力情報よりも前に入力する該入力情報が記載されている前固定情報領域と、前記外出先を示す前記入力情報よりも後に入力する該入力情報が記載されている後固定情報領域と、を有しており、前記業務名称領域、前記前固定情報領域、及び前記後固定情報領域は、前記第一右頁において上下に並べて設けられており、前記変動情報領域は、前記前固定情報領域と前記後固定情報領域との間、又は、前記第一左頁、に設けられており、前記入力情報は、前記実施内容を示す文字とバーコードとで構成されている」ものであることを特徴とする。
【0010】
ここで、ファイル状の「本体」としては、「第一右頁を構成している平板状の本体ベースと、本体ベースの左辺に接続されて第一左頁を構成しており本体ベースよりも軟質の本体カバーと、で構成したもの」、「ルーズリーフ状の複数のシート体と、複数のシート体を綴じているリングバインダと、で構成したもの」、「一つのシートを二つ折りにして構成したもの」、を例示することができる。
【0011】
また、本体に対して札体を「着脱可能」とする構成としては、「磁石によるもの」、「面ファスナーによるもの」、「剥離可能な粘着剤によるもの」、を例示することができる。
【0012】
本構成の情報入力支援ファイルは、介護、介助、代行、輸送、等の事業所で働く職員が使用するものであり、職員が事業所外において外出業務を実施した際に、当該外出業務にかかる実施内容を示す入力情報のバーコードを、バーコードリーダを使用して読み取ることで、当該外出業務の実施内容をコンピュータに入力するためのものである。
【0013】
具体的には、職員が外出業務を実施する際に、当該実施する外出業務の名称が業務名称領域に記載されている情報入力支援ファイルの本体を用意する。次に、当該外出業務において実施毎に変動する外出先を示す入力情報が記載されている複数の札体のうち、当該実施にかかる外出先(入力情報)が記載されている札体を、本体の変動情報領域に装着する。その後、情報入力支援ファイルを携帯(又は車載)した状態で、当該外出業務の実施を開始する。そして、当該外出業務の実施の進行に伴って、上固定情報領域、変動情報領域の札体、及び下固定情報領域、の夫々に記載されている入力情報のバーコードを、予め決められている入力順にバーコードリーダで読み取る。
【0014】
なお、当該外出業務の種類、本体に装着された札体の数、当該外出業務の実施の進行状況、等の必要に応じて、上固定情報領域、札体、及び下固定情報領域、の夫々に記載されている入力情報のバーコードの読み取りを繰り返しても良い。これにより、バーコードリーダを介して管理コンピュータに、職員が実施した外出業務にかかる実施内容を入力することができる。
【0015】
本構成の情報入力支援ファイルによれば、実施毎に変動する外出先を示す入力情報が記載されている札体を、本体の変動情報表示領域において着脱可能に形成しているため、当該実施に必要な入力情報が記載されている札体を、本体の変動情報領域に装着することで、一つの本体で異なる実施に対応することができる。
【0016】
また、事業所の事務所において、職員による外出業務の実施に必要な外出先を示す入力情報が記載されている札体を、管理者等が予め用意しておき、職員が当該外出業務を実施する際に、予め用意された札体を本体の変動情報領域に装着させるようにすることで、本体と札体とにより当該外出業務にかかる実施内容を職員に伝達させることができる。
【0017】
更に、外出業務の実施内容を示す入力情報を、文字とバーコードとで構成しているため、バーコードをバーコードリーダで読み取らせることで、バーコードリーダを介して実施内容を管理コンピュータに入力することができ、実施内容の入力を容易なものとすることができる。また、バーコードリーダを操作するだけで、実施内容を入力することができるため、特許文献1の技術とは異なり、職員が汎用性の高い多彩な機能を有する携帯端末の複雑な操作を覚える必要はなく、職員の負担を軽減させることができると共に、携帯端末を購入する必要はなく、管理にかかるコストの増加を抑制させることができる。
【0018】
また、本体を見開きにした時の左右の第一左頁又は第一右頁に設けられている変動情報領域に、札体を装着するようにしているため、本体を閉じた状態とすることで、札体を第一左頁と第一右頁とで挟んで動き難くすることができる。これにより、本情報入力支援ファイルを持ち運んだり車両に搭載したりすることで振動や衝撃が作用しても、本体からの札体の脱落を防止することができ、情報入力支援ファイルの取り扱いを容易なものとすることができる。
【0019】
また、本発明に係る情報入力支援ファイルは、上記の構成に加えて、「前記札体は、磁力により前記本体に対して着脱可能とされている」ものであることを特徴とする。
【0020】
本構成によれば、本体又は札体に設けられている磁石の磁力により、札体を本体の変動情報領域に対して着脱可能に装着することができる。また、札体を磁石の磁力(磁着)により着脱可能としているため、面ファスナーや粘着剤により着脱可能とする場合と比較して、汚れの付着や経年変化による装着力の低下を低減させることができる。
【0021】
本発明に係る情報入力支援ファイルの使用方法は、「上記の情報入力支援ファイルを使用する使用方法であって、前記本体の前記業務名称領域に記載されている前記外出業務を実施する前に、当該実施にかかる前記外出先を示す前記入力情報が記載されている前記札体を前記本体の前記変動情報領域に装着し、前記外出業務の実施の進行に伴って、前記前固定情報領域、前記変動情報領域の前記札体、及び前記後固定情報領域、の夫々に記載されている前記入力情報の前記バーコードを、前記入力順にバーコードリーダで読み取る」ことを特徴とする。
【0022】
本構成によれば、外出業務の実施において、実施毎に外出先が変動しても、実施した実施内容を、バーコードリーダを介して予め決められた入力順にコンピュータに入力することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明の効果として、外出業務の実施内容の入力を容易にすると共に、管理にかかるコストの増加を抑制することが可能な情報入力支援ファイル、及び情報入力支援ファイルの使用方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態である情報入力支援ファイル1について、
図1乃至
図3を参照して詳細に説明する。情報入力支援ファイル1は、バーコードを用いて外出業務の実施内容をコンピュータ(管理コンピュータ)に入力するためのものである。ここでは、事業所としての介護施設において使用される情報入力支援ファイル1について説明する。
【0026】
情報入力支援ファイル1は、左右開きのファイル状の本体10と、本体10に対して着脱可能に設けられている複数の札体20と、を備えている。本体10及び札体20には、外出業務の実施内容を示す入力情報5が記載されている。入力情報5は、実施内容を示す文字からなる標記部5aとバーコード5bとで構成されており、標記部5aの下にバーコード5bが配置されている。
【0027】
本体10は、閉じられている状態で右から左へ捲って見開きにした時に、左を第一左頁L1、右を第一右頁R1、としている。本体10の第一右頁R1には、当該頁の上部に設けられている業務名称領域10aと、業務名称領域10aの下方に設けられている前固定情報領域10bと、前固定情報領域10bの下方に設けられている変動情報領域10cと、変動情報領域10cの下方に設けられている後固定情報領域10dと、を有している。
【0028】
業務名称領域10aには、多様な外出業務のうち、この情報入力支援ファイル1が対応している外出業務の名称として「送迎」が記載されている。以下では、送迎の外出業務を、単に送迎業務と称する。
【0029】
本実施形態では、送迎業務の実施内容を示す複数の入力情報5の入力順を、「送迎 迎え・送り」、「職員コード」、「車両コード」、「事業所 出発時」、「目的地 到着時」、「利用者名」、「送迎業務 終了後」、「目的地 出発時」、「事業所 到着時」、「車両コード」、「職員コード」、としている。この送迎業務では、上記のように、予め入力順が決められている複数の入力情報5のうち、送迎業務の実施毎に変動する外出先を示す入力情報5が、「利用者名」である。つまり、本実施形態では「利用者名」が本発明の「外出先」に相当する。
【0030】
前固定情報領域10bには、送迎業務において、予め入力順が決められている複数の入力情報5のうち、「利用者名」を示す入力情報5よりも前に入力する複数の入力情報5が、上から下へ入力順に記載されている。
【0031】
詳述すると、前固定情報領域10b内の左部に、実施内容を示す「送迎 迎え・送り」、「職員コード」、「車両コード」、「事業所 出発時」、「目的地 到着時」、の夫々の文字が上から下へ順に記載されていると共に、それら実施内容の文字の先頭に入力順を示す丸囲みの通し番号(丸1〜丸5)が記載されている。通し番号丸1、丸4、及び丸5が記載されている実施内容の文字の左方には、丸囲みの通し番号と共に、当該実施内容を示す入力情報5が記載されている。
【0032】
通し番号が丸1の「送迎 迎え・送り」の実施内容は、「送迎 迎え」と「送迎 送り」の二つの入力情報5に分けられており、夫々の入力情報5の標記部5aの先頭に通し番号の丸1が記載されている。なお、通し番号が丸2と丸3の実施内容(「職員コード」と「車両コード」)については、詳細は後述するが、ここには当該実施内容を示す入力情報5を記載していない。また、前固定情報領域10bの右下隅には、「丸5〜丸8を繰り返す」の文字が記載されている。
【0033】
変動情報領域10cは、複数(ここでは6個)の札体20を装着可能な広さに形成されており、左上隅に、送迎業務の実施毎に変動する外出先としての実施内容を示す文字(ここでは、「利用者名」の文字)が、通し番号の丸6の文字と共に記載されている。
【0034】
後固定情報領域10dには、送迎業務において、予め入力順が決められている複数の入力情報5のうち、「利用者名」を示す入力情報5よりも後に入力する複数の入力情報5が、上から下へ入力順に記載されている。
【0035】
詳述すると、後固定情報領域10d内の左部には、実施内容を示す「送迎業務 終了後」、「目的地 出発時」、「事業所 到着時」、「職員コード」、「車両コード」、「データ送信」、の夫々の文字が上から下へ順に記載されていると共に、それら実施内容の文字の先頭に丸囲みの通し番号(丸7〜丸12)が記載されている。通し番号丸7〜丸9が記載されている実施内容の文字の左方には、丸囲みの通し番号と共に、当該実施内容を示す入力情報5が記載されている。
【0036】
通し番号が丸7の「送迎業務 終了後」の実施内容は、「送迎介助」、「準備介助」、「不在・応答なし」、「乗車拒否」、の四つの入力情報5に分けられており、夫々の入力情報5の標記部5aの先頭に通し番号の丸7が記載されている。なお、通し番号が丸10と丸12の実施内容(「車両コード」と「職員コード」)については、詳細は後述するが、ここには当該実施内容を示す入力情報5を記載していない。
【0037】
なお、通し番号が丸12の実施内容は、「データ送信」の文字のみであり、入力情報5に含まれるものではなく、バーコードリーダ(図示は省略)により読み取った入力情報5(バーコード5b)を、管理コンピュータへ転送(入力)することを指示するためのものである。
【0038】
ところで、上述したように、本体10では、実施内容における「職員コード」と「車両コード」は、当該実施内容を示す入力情報5を記載していない。「職員コード」を示す入力情報5は、図示は省略するが、送迎業務を実施する職員が所持しているIDカードに記載されている。また、「車両コード」を示す入力情報5は、送迎業務に使用する車両のサンバイザー、ダッシュボード、キーホルダー、コンソール、のような所定位置(ここでは、サンバイザー)に記載されている。
【0039】
また、本体10では、第一右頁の右上隅に、この情報入力支援ファイル1のバージョン情報7が記載されている。
【0040】
札体20は、外出業務において、予め入力順が決められている複数の入力情報5のうち、外出業務の実施毎に変動する外出先としての「利用者名」を示す入力情報5が、表面に記載されている。複数の札体20では、夫々に異なる「利用者名」(入力情報5)が記載されている。
【0041】
本実施形態の情報入力支援ファイル1について、更に詳述すると、本体10は、縦長長方形の平板状の本体ベース11と、本体ベース11の左辺に接続されており本体ベース11よりも軟質の本体カバー12と、を備えている。本体10では、本体ベース11が第一右頁R1を構成しており、本体カバー12が第一左頁L1を構成している。この本体10は、本体ベース11と本体カバー12との境で折り曲げることにより、本体ベース11と本体カバー12とが互いに重なった状態で閉じることができる。本体10は、本体カバー12を本体ベース11の上にして閉じた状態で、本体カバー12を右から左へ捲って使用するものである。
【0042】
また、本体10は、本体ベース11における第一右頁R1の面に貼り付けられているシート状の表面体13と、表面体13と本体ベース11との間に設けられており磁着可能なシート状の被磁着体14と、を備えている。
【0043】
表面体13は、表面に業務名称領域10a、前固定情報領域10b、変動情報領域10c、及び後固定情報領域10dが設けられており、上述した文字や入力情報5等が耐水性インクにより記載(印刷)されている。被磁着体14は、少なくとも変動情報領域10cに対応する部位に設けられている。詳しくは、被磁着体14は、変動情報領域10cから後固定情報領域10dの上部の部位にかけて設けられている。
【0044】
札体20は、平板状で長手方向の両端が半円弧に形成されている角丸長方形の札体ベース21と、札体ベース21の裏面に接着されている複数(ここでは3個)の磁石22と、を備えている。札体ベース21は、長手方向が左右に向けられており、表面に入力情報5が、耐水性インクにより記載されている。本実施形態では、入力情報5を印刷したシールが、札体ベース21の表面に貼り付けられている。
【0045】
3個の磁石22は、それらを結んだ直線により二等辺三角形が形成されるように配置されている。当該二等辺三角形は、底辺が札体ベース21の長手方向と平行に設けられている。これにより、札体20を本体10に磁着させた状態で、情報入力支援ファイル1を携帯したり車載したりすることで振動や衝撃が作用しても、札体20が移動したり回転したりし難いものとすることができる。
【0046】
また、磁石22は、高さHを、2.5mm〜3.5mmの範囲内としている。その理由は、高さHが2.5mmよりも低いと、札体20を磁着可能なホワイトボード等に磁着させた時に、札体ベース21の下に指が入り難くなることで札体20を取外し難くなるためである。また、高さHが3.5mmよりも高いと、札体20を本体10に磁着した時に、情報入力支援ファイル1が無用に厚くなり過ぎるためである。
【0047】
本実施形態の情報入力支援ファイル1では、本体10の本体ベース11は、A4よりもやや大きく、厚さが2mm〜3mmの合成樹脂板により形成されており、本体10全体を曲がり難いものとしている。本体カバー12は、厚さが0.5mm〜1mmで、透明又は半透明の合成樹脂板により形成されており、捲り易いものとしている。表面体13は、厚さが55μm〜300μmのポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)のような合成樹脂製シートからなる合成紙により形成されており、第一右頁R1の表面の強度を維持しつつ本体10全体の厚さの増加を抑制している。被磁着体14は、厚さが0.1mm〜0.3mmで、12メッシュ〜20メッシュの亜鉛メッキの金網により形成されており、本体10全体の重量と厚さの増加を抑制している。
【0048】
また、札体20の札体ベース21は、厚さが3mm、長辺の長さが60mm、短辺の長さが40mm、の合成樹脂板により形成されている。磁石22は、高さHが3mmで直径が6mmの円柱状のネオジム磁石である。
【0049】
次に、本実施形態の情報入力支援ファイル1の使用方法について説明する。ここでは、外出業務としての送迎業務のうち利用者を介護施設に迎え入れる場合について説明する。送迎業務に使用される自動車のような車両には、実施内容としての当該車両を示す入力情報5が記載されている。情報入力支援ファイル1は、使用しない時には介護施設の事務所に保管されている。
【0050】
また、介護施設で働く各職員は、入力情報5が記載されているIDカードと、バーコード5bを読み取るための携帯用のバーコードリーダ(図示は省略)と、を所持している。バーコードリーダは、バーコード5bの読み取りを開始させるスイッチと、スイッチの操作によりバーコード5bを読み取るための光を発する発光部と、発光部からバーコード5bへ照射されて反射した光を受ける受光部と、受光部により読み取られたバーコード5bをデコードするデコード部と、日時を計測している時計部と、デコードされたバーコード5bを時計部の日時と関連付けて記録データとして記憶する記憶部と、記憶部に記憶された記録データを出力するためにUSBケーブルが接続されるUSB接続部と、を備えている。
【0051】
まず、介護施設の職員が外出業務としての利用者の送迎業務を実施する場合、外出業務等の管理者が、予め事務所内に設けられている磁着可能なホワイトボードからなる運行管理表に、当該職員の氏名を記入すると共に、送迎対象の利用者名を示す入力情報5が記載されている札体20を磁着させておく。そして、送迎業務を実施する職員は、業務名称領域10aに「送迎」と記載されている情報入力支援ファイル1の本体10を所持する。この際に、本体10の本体カバー12が透明又は半透明であるため、本体10が閉じられていても、本体カバー12を通して業務名称領域10aに記載されている文字を読むことができ、使用する情報入力支援ファイル1を容易に見つけることができる。
【0052】
次に、運行管理表に磁着されている札体20を取外し、本体カバー12を捲って、取外した札体20を本体ベース11における変動情報領域10cに装着(磁着)し、本体カバー12を閉じる。その後、情報入力支援ファイル1を携帯して、送迎業務に使用する車両(ここでは自動車)の運転席に乗車する。そして、介護施設を出発する前に、情報入力支援ファイル1を開き、前固定情報領域10bに記載されている入力情報5のうち通し番号が丸1の「送迎 迎え・送り」における「送迎 迎え」のバーコード5bを、携帯しているバーコードリーダで読み取る。次に、通し番号が丸2の「職員コード」の入力作業として、当該職員が所持しているIDカードのバーコード5bを読み取り、続いて、通し番号が丸3の「車両コード」の入力作業として、乗車している車両のサンバイザーに記載されているバーコード5bを読み取る。更に、通し番号が丸4の「事業所 出発」のバーコード5bを読み取り、変動情報領域10cに磁着した札体20に記載されている入力情報5(利用者)の自宅へ向けて事業所を出発する。
【0053】
その後、利用者の自宅に到着したら、前固定情報領域10bに記載されている通し番号5の「目的地 到着」のバーコード5bを読み取った上で、変動情報領域10cに記載されている通し番号が丸6の「利用者名」の入力作業として、変動情報領域10cに磁着されている札体20の当該利用者のバーコード5bを読み取る。続いて、職員は、車両の運転席から降車して当該利用者の自宅を訪問し、当該利用者を車両に乗車させた後に、運転席に乗車する。
【0054】
そして、当該目的地を出発する前に、後固定情報領域10dに記載されている通し番号が丸7の「送迎業務 終了後」の入力作業として、利用者に対して実施した実施内容のバーコード5bを読み取る。具体的には、利用者の送迎を介助した場合は「送迎介助」のバーコード5bを読み取り、利用者の送迎の準備を介助した場合は「準備介助」のバーコード5bを読み取る。送迎の介助と準備の介助の両方を実施した場合は、両方のバーコード5bを読み取る。一方、利用者の自宅を訪問した時に、利用者が自宅に不在の時や応答がなかった場合は「不在・応答なし」のバーコード5bを読み取り、利用者が乗車を拒否した場合は「乗車拒否」のバーコード5bを読み取る。
【0055】
次に、「送迎業務 終了後」のバーコード5bを読み取ったら、通し番号が丸8の「目的地 出発」のバーコード5bを読み取り、次の目的地(次の利用者の自宅、又は、介護施設)へ出発する。一度の送迎業務において複数の利用者を送迎する場合(変動情報領域10cに複数の札体20が磁着されている場合)は、次の利用者の自宅を目的地として出発し、乗車拒否を除いて全ての利用者を車両に乗車させたら、最後に目的地として介護施設へ向けて出発する。この際に、上記の通し番号が丸5〜丸8の入力情報5の入力作業を繰り返す。なお、利用者の自宅を訪問した時に、利用者が不在又は応答がなかった場合には、次の利用者の自宅へ向かい、或る程度時間をおいてから、再度、当該利用者の自宅を訪問する。
【0056】
このようにして利用者を乗せた車両が介護施設に到着したら、通し番号が丸9の「事業所 到着」のバーコード5bを読み取った上で、通し番号が丸10の「車両コード」の入力作業として、当該車両のサンバイザーに記載されているバーコード5bを読み取ると共に、通し番号が丸11の「職員コード」の入力作業として、所持しているIDカードのバーコード5bを読み取り、乗車している利用者を降車させる。これにより、バーコードリーダの記憶部には、当該職員により送迎業務において実施した実施内容が、時系列順に記録データとして記憶される。
【0057】
そして、事務所に戻ったら、通し番号が丸12の「データ送信」の作業として、バーコードリーダと事務所のコンピュータ(端末コンピュータ)とをUSBケーブルで接続し、記憶部に記憶されている記録データを、端末コンピュータ及びインターネット等の通信ネットワークを介して、通信ネットワークに接続されている管理サーバ(管理コンピュータ)に転送し、当該管理サーバのデータベースに記憶させる。これにより、職員が実施した送迎業務にかかる実施内容を、デジタルデータとしてバーコードリーダを介して管理コンピュータに入力することができる。
【0058】
ところで、管理サーバでは、送迎業務のような外出業務にかかる記録データがデータベースに記憶されると、当該記録データを使用して所定の書式の運行記録表を作成した上で、当該運行記録表を管理者宛のメールに添付して、管理者に送信する。これにより、介護施設や運行等の管理者は、職員による外出業務の実施内容を速やかに把握することができると共に、介護施設に迎え入れた利用者を把握することができる。
【0059】
本実施形態の情報入力支援ファイル1によれば、実施毎に変動する外出先を示す入力情報5が記載されている札体20を、本体10の変動情報領域10cにおいて着脱可能に形成しているため、当該実施に応じた入力情報5が記載されている札体20を、本体10の変動情報領域10cに装着することで、一つの本体10で異なる実施に対応することができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、介護施設の事務所における磁着可能なホワイトボードからなる運行管理表に、管理者によって予め磁着されている札体20を、本体10の変動情報領域10cに磁着させるようにしているため、本体10と札体20とにより当該外出業務にかかる実施内容を職員に伝達させることができる。
【0061】
更に、本実施形態によれば、外出業務の実施内容の入力情報5を、文字からなる標記部5aとバーコード5bとで構成しているため、バーコード5bをバーコードリーダで読み取らせることで、バーコードリーダを介して実施内容を管理コンピュータに入力することができ、実施内容の入力を容易なものとすることができる。また、バーコードリーダを操作するだけで、実施内容を入力することができるため、従来の技術とは異なり、職員が汎用性の高い多彩な機能を有する携帯端末の複雑な操作を覚える必要はなく、職員の負担を軽減させることができると共に、携帯端末を購入する必要はなく、管理にかかるコストの増加を抑制させることができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、本体を見開きにした時の第一右頁R1に設けられている変動情報領域10cに、札体20を磁着するようにしているため、本体10を閉じた状態とすることで、札体20を第一左頁L1と第一右頁R1とで挟んで動き難くすることができる。これにより、情報入力支援ファイル1を持ち運んだり車両に搭載したりすることで振動や衝撃が作用しても、本体10からの札体20の脱落を防止することができ、情報入力支援ファイル1の取り扱いを容易なものとすることができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、札体20に設けられている磁石22の磁力により、札体20を本体10の変動情報領域10c(被磁着体14)に対して磁着させて着脱可能としているため、面ファスナーや粘着剤により着脱可能とする場合と比較して、汚れの付着や経年変化による装着力の低下を低減させることができる。
【0064】
次に、上記とは異なる実施形態の情報入力支援ファイル2について、
図4乃至
図6を参照して詳細に説明する。この情報入力支援ファイル2は、上記の「送迎業務」に加えて、介護施設の職員が利用者の自宅において実施する訪問介護や訪問介助のような「訪問業務」の実施内容もコンピュータに入力することができるようにしたものである。この実施形態でも、「利用者名」が本発明の「外出先」に相当する。
【0065】
詳述すると、情報入力支援ファイル2は、左右開きのファイル状の本体30と、本体30に対して着脱可能に設けられている複数の札体20と、を備えている。本体30は、リングバインダ31と、リングバインダ31に閉じられているルーズリーフ状のシート体32と、を備えている。この情報入力支援ファイル2の札体20は、情報入力支援ファイル1の札体20と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0066】
本体30は、閉じられている状態で右から左へ捲って見開きにした時に、左であるリングバインダ31の表紙の裏を第一左頁L1、右であるリングバインダ31に閉じられているシート体32の1頁目を第一右頁R1、としている。
【0067】
本体30は、第一右頁R1の上部に設けられている業務名称領域30aと、業務名称領域30aの下方に設けられている前固定情報領域30bと、前固定情報領域30bの下方に設けられている変動情報記載領域30cと、変動情報記載領域30cの下方に設けられている後固定情報領域30dと、を有している。また、本体30は、第一左頁L1の略全体に設けられている変動情報領域30eを、更に有している。
【0068】
業務名称領域30aには、多様な外出業務のうち、この情報入力支援ファイル2が対応している外出業務の名称として「送迎&訪問」の文字が記載されている。以下では、送迎&訪問の外出業務を、単に送迎訪問業務と称する。
【0069】
本実施形態では、送迎訪問業務の実施内容を示す複数の入力順が、上記の情報入力支援ファイル1と同じであるが、第一右頁R1の後固定情報領域30dに記載されている通し番号が丸7の記載内容が若干異なっている。第一右頁R1におけるその他の記載内容については同じであるため、同じ構成については説明を省略する。
【0070】
本体30の第一右頁R1における後固定情報領域30dの左上隅における通し番号が丸7の記載内容は、丸7の文字の右に、「送迎業務 終了後」と「訪問業務 終了後」との実施内容を示す文字が上下に列記されている。更に、「訪問業務 終了後」の文字の下に、「業務」、「様子」、「表情」、「健康状態」、「BPSD」、の実施内容を示す文字が下方へ列記されている。これら一連の文字の右方には、「送迎業務 終了後」及び「訪問業務 終了後」の夫々の実施内容を示す入力情報5が、丸囲みの通し番号と共に記載されている。なお、第一右頁R1には、「業務」、「様子」、「表情」、「健康状態」、「BPSD」、の実施内容を示す入力情報5を記載していない。
【0071】
詳述すると、「送迎業務 終了後」の実施内容は、「送迎介助」、「準備介助」、「不在・応答なし」、「乗車拒否」、の四つの入力情報5に分けられており、夫々の入力情報5の標記部5a先頭に通し番号の丸7が記載されている。また、「訪問業務 終了後」の実施内容は、「身体介助」と「生活援助」の二つの入力情報5に分けられており、夫々の入力情報5の標記部5aの先頭に通し番号の丸7が記載されている。
【0072】
また、第一右頁R1の変動情報記載領域30cには、上下が札体20の短軸の長さよりも短く形成されており、左上隅に丸6の通し番号と共に、実施内容を示す「利用者名」の文字が記載されている。
【0073】
一方、本体30の第一左頁L1の変動情報領域30eでは、左上隅に丸6の通し番号と共に、実施内容を示す「利用者名」の文字が記載されており、その下に、札体20が入る大きさの四角い升目が、上下及び左右に並べられて記載されている。
【0074】
本実施形態の本体30について更に詳述すると、本体30は、リングバインダ31における第一左頁L1を構成している表紙の裏面の略全体に貼り付けられているシート状の表面体33と、表面体33とリングバインダ31の表紙との間に設けられており磁着可能なシート状の被磁着体34と、を備えている。表面体33は、表面に変動情報領域30eが設けられており、上述した文字と升目とが耐水性インクにより記載(印刷)されている。被磁着体34は、表面体33よりも若干小さく形成されており、変動情報領域30eと対応する部位に設けられている。
【0075】
この本体30は、リングバインダ31に複数のシート体32が綴じられていることから、複数のシート体32により複数の頁を有している。本体30は、閉じた状態で右から左へ捲った時の最初のシート体32による最初の1頁目を、上述したように、第一右頁R1としている。
【0076】
複数のシート体32には、最初の1頁目と、最後の2頁を構成している一つのシート体32と、を除いた各頁は、以下のような構成を有している。詳述すると、各頁において、右上隅に記載されているバージョン情報7と、左上隅に記載されており第一右頁R1の業務名称領域10aに記載されている外出業務に関する項目情報8と、バージョン情報7及び項目情報8よりも下方に記載されており項目情報8を細分化したサブ項目情報8aと、サブ項目情報8aの下方において上下に列記されておりサブ項目情報8aに関する実施内容としての複数の入力情報5と、を有している。
【0077】
これらの頁(第一右頁R1よりも後の頁)は、第一右頁R1の業務名称領域30aに記載されている外出業務において、当該外出業務における更に詳細な実施内容の入力情報5を入力するためのものである。本実施形態における項目情報8は、第一右頁R1の後固定情報領域30dにおいて、通し番号が丸7の「訪問業務 終了後」の実施内容の文字の下方に記載されている「業務」、「様子」、「表情」、「健康状態」、「BPSD」、である。
【0078】
上記の各頁では、複数(ここでは三つ)のサブ項目情報8aが左右方向に配置されている。なお、一つのサブ項目情報8aに関する入力情報5が少なく、当該頁において上下中央の下半分が空白になるような場合は、当該空白の部位に別のサブ項目情報8aとそのサブ項目情報8aに関する入力情報5とを記載するようにしても良い。また、当該頁の項目情報8が前の頁と同じ場合は、当該頁での項目情報8の記載を省略しても良い。
【0079】
上記の各頁において、上下及び左右に列設されている複数の入力情報5は、夫々のバーコード5b同士が、上下についてはバーコード5bの高さの1.5倍〜2.5倍の間隔をあけて設けられており、左右についてはバーコード5bの横幅の0.8倍〜1.2倍の間隔をあけて設けられている。
【0080】
バーコード5b同士の上下の間隔を、上記の範囲内としている理由は、この範囲よりも狭いと、当該バーコード5bの直上に記載している入力情報5が、上方のバーコード5bにかかる入力情報5であると勘違いし易くなると共に、バーコードリーダでバーコード5bを読み取る際に、上方や下方のバーコード5bを誤って読み取り易くなるためである。また、この範囲よりも広いと、1頁において記載される入力情報5(バーコード5b)の数が少なくなることで、相対的に頁数が多くなり、捲る頁数が多くなることで入力にかかる時間が長くなるためである。
【0081】
また、バーコード5b同士の左右の間隔を、上記の範囲内としている理由は、この範囲よりも狭いと、バーコードリーダでバーコード5bを読み取る際に、左右に広がる走査光が左方や右方のバーコード5bにかかり易くなることで、バーコード5b(シート体32)からバーコードリーダまでの距離を調整するために読み取りに時間がかかるようになるためである。また、この範囲よりも広いと、1頁において記載される入力情報5(バーコード5b)の数が少なくなることで、相対的に頁数が多くなり、捲る頁数が多くなることで情報の入力にかかる時間が長くなるためである。
【0082】
複数のシート体32のうち、最後の2頁を構成している一つのシート体32は、右頁(最終の見開き頁の一つ前の見開き頁の右頁、換言すると、シート体32の数をnとした場合、第n右頁Rn)となる面に、破線により仕切られている複数の升目が記載されている(
図6を参照)。複数の升目は左右方向に3列設けられている。この頁は、新たな入力情報5(バーコード5b)を追加したい時に、追加したい入力情報5を印刷したシールを貼り付けることで、対応できるようにしたものである。この本体30は、最終の見開き頁の一つ前の見開き頁まで、入力情報5が記載されている。
【0083】
本実施形態の情報入力支援ファイル2は、本体30のリングバインダ31が、A4の用紙を綴じることが可能な大きさで、ポリプロピレンのような合成樹脂により形成されている。また、シート体32及び表面体33は、厚さが55μm〜300μmのポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)のような樹脂製シートからなる合成紙により形成されている。被磁着体34は、上述した被磁着体14と同じものである。
【0084】
本実施形態の情報入力支援ファイル2の使用方法は、上述した情報入力支援ファイル1の使用方法と基本的に同じであり、異なる部分についてのみ説明する。この情報入力支援ファイル2でも、職員が訪問送迎業務を実施する際に、訪問送迎対象の利用者名を示す入力情報5が記載されている札体20を、本体30の第一左頁L1の変動情報領域30eに磁着して使用する。
【0085】
また、職員が利用者の自宅を訪問して介護や介助等の訪問業務を実施した場合は、利用者宅から車両に戻って通し番号が丸7の入力情報5のバーコード5bを読み取る時に、実施した実施内容(「身体介助」、「生活援助」)のバーコード5bを読み取る。そして、通し番号が丸7の「訪問業務 終了後」の下に記載されている「業務」、「様子」、「表情」、等の項目情報8にかかる実施内容を示す入力情報5を入力するために、第一右頁R1(複数のシート体32における1頁目)を右から左へ捲って、2頁目(第二左頁L2)と3頁目(第二右頁R2)を開く(
図5を参照)。
【0086】
この第二左頁L2の左上隅には、項目情報8として「訪問業務」の文字が記載されており、第一右頁R1の後固定情報領域30dにおける通し番号が丸7の「訪問業務 終了後」の下に記載されている「業務」と対応している。
【0087】
そして、第一右頁R1よりも後の頁を開いたら、当該訪問業務において実施した実施内容を示す入力情報5のバーコード5bをバーコードリーダで読み取る。この際に、当該頁の最も左方の列(左列)の上から下へ順番に入力情報5の内容を確認しながら、該当する入力情報5のバーコード5bを読み取る。そして、左列の下まで確認したら、右方の列(中央の列)に移動して、上記と同様に上から下へ順番に入力情報5の内容を確認しながら、該当する内容があればその入力情報5のバーコード5bを読み取り、当該列の下まで確認したら右方の列(右列)へ移動する。右列でも上記と同様の作業を行い、下まで確認したら、次の頁に移動して、上記と同様の作業を繰り返す。これにより、入力すべき入力情報5のバーコード5bの読み取り忘れを低減させることができる。
【0088】
その後、項目情報8としての「訪問業務」の頁が終了したら、次の項目情報8(ここでは図示を省略するが、「様子」)の頁に移動して、上記と同様の作業を繰り返し、シート体32を右から左へ捲って掲載されている順番に各項目情報8にかかる入力情報5を確認すると共に、入力すべき入力情報5のバーコード5bを読み取る。
【0089】
本体30の最終の見開き頁の一つ前の見開き頁(
図6を参照)まで、つまり、第n左頁Ln及び第n右頁Rnまで、入力情報5を確認したら、第一右頁R1へ戻り、通し番号が丸7に関する入力情報5(バーコード5b)の読取作業が終了することとなる。その後は、情報入力支援ファイル1の使用方法と同様の作業を行うことで、職員が実施した送迎訪問業務にかかる実施内容を、バーコードリーダを介して管理コンピュータに入力することができる。
【0090】
本実施形態の情報入力支援ファイル2によれば、上記の情報入力支援ファイル1と同様の作用効果を奏することができる。
【0091】
上記の実施形態では、情報入力支援ファイル2が対応している外出業務として、送迎訪問業務を例にして示したが、これに限定するものではなく、例えば、送迎する利用者の自宅において居宅業務も実施する訪問居宅業務、利用者の送迎を実施しない訪問業務や居宅業務、としても良い。何れの外出業務でも、「利用者名」が本発明の「外出先」に相当する。
【0092】
次に、上記とは更に異なる実施形態の情報入力支援ファイル3について、
図7及び
図8を参照して詳細に説明する。この情報入力支援ファイル3は、事業所としての介護施設における外出業務として、職員の外出による購買や書類提出のような職員業務(事務的業務)の実施内容をコンピュータに入力するためのものである。
【0093】
本実施形態の情報入力支援ファイル3では、外出業務の実施毎に変動する外出先を、「業務地名」としている。つまり、本実施形態では、「業務地名」が本発明の「外出先」に相当する。「業務地名」としては、備品等の販売店名、病院名、役所名、他の事業所名、会館や集会所等の施設名、発注先や外注先等の工場名や業者名、を例示することができる。
【0094】
この情報入力支援ファイル3は、上記の情報入力支援ファイル2に対して、本体30の第一左頁L1及び第一右頁R1では、通し番号が丸6と丸7の記載内容が異なっており、札体20では、表面に記載されている入力情報5の記載内容が異なっている。
【0095】
具体的には、
図7に示すように、本体30における第一右頁R1の変動情報記載領域30c、及び第一左頁L1の変動情報領域30e、における通し番号が丸6の記載内容は、丸6の文字の右に、外出業務の実施毎に変動する外出先としての実施内容を示す「業務地名」の文字が記載されている。
【0096】
また、第一右頁R1の後固定情報領域30dの左上隅における通し番号が丸7の記載内容は、丸7の文字の右に、実施内容を示す「職員業務」の文字が記載されている。そして、その実施内容の文字の右に、「職員業務」に関する入力情報5が通し番号の丸7と共に記載されている。詳述すると、通し番号が丸7の「職員業務」に関する入力情報5は、「購買業務」、「書類提出業務」、「雇用関係業務」、「ガソリン給油」、「会計関係業務」、「書類作成業務」、の六つに分けられており、夫々の入力情報5の標記部5aの先頭に通し番号の丸7が記載されている。
【0097】
更に、本実施形態の本体30では、複数のシート体32による第一右頁R1よりも後の頁において、職員業務を項目情報8とし、当該項目情報8を細分化したサブ項目情報8aを記載していると共に、サブ項目情報8aに関する実施内容としての複数の入力情報5を記載している(
図8を参照)。この本体30でも、第n右頁Rnには、破線により仕切られている複数の升目が記載されている。
【0098】
本実施形態の札体20は、札体ベース21の表面に、外出業務の実施毎に変動する外出先として「業務地名」を示す入力情報5が記載されている。
【0099】
本実施形態の情報入力支援ファイル3の使用方法は、上記の情報入力支援ファイル2の使用方法と基本的に同じであり、異なる部分についてのみ説明する。この情報入力支援ファイル3は、職員が介護施設外での職員業務を実施する際に、職員の外出先である業務地名を示す入力情報5が記載されている札体20を、本体30の第一左頁L1の変動情報領域30eに磁着して使用する。
【0100】
職員が札体20に記載されている業務地で職員業務を実施した後に車両に戻ったら、本体30における第一右頁R1の後固定情報領域30dに記載されている通し番号が丸7の入力情報5のうち、実施した実施内容の入力情報5のバーコード5bを、バーコードリーダで読み取る。続いて、第一右頁R1を右から左に捲って、第一右頁R1よりも後の頁に記載されている複数の入力情報5のうち、実施した実施内容の入力情報5があれば、そのバーコード5bを読み取る。
【0101】
そして、本体30の最終の見開き頁の一つ前の見開き頁の第n左頁Ln及び第n右頁Rn(
図8を参照)まで、入力情報5を確認したら、第一右頁R1へ戻り、通し番号が丸7に関する入力情報5(バーコード5b)の読取作業が終了することとなる。その後、次の業務地又は介護施設を目的地として出発し、上記の情報入力支援ファイル1,2の使用方法と同様の作業を行うことで、職員が実施した外出業務としての職員業務にかかる実施内容を、バーコードリーダを介して管理コンピュータに入力することができる。
【0102】
本実施形態の情報入力支援ファイル3によれば、上記の情報入力支援ファイル2と同様の作用効果を奏することができる。
【0103】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0104】
例えば、上記の実施形態では、職員の外出業務に使用するものとして自動車を示したが、これに限定するものではなく、原動機付自転車、自転車、自動二輪車、貨物車、タクシーやバスや鉄道等の公共交通機関、徒歩、等としても良い。公共交通機関や徒歩の場合、前固定情報領域10bや後固定情報領域10dにおける車両コードの部位に、例えば、移動手段を記載すると共に、その右又は第一右頁R1よりも後の頁に、移動手段としてのタクシー、バス、鉄道、徒歩、等の入力情報5を記載する。
【0105】
また、上記の実施形態では、事業所として介護や介助を行う介護施設を示したが、これに限定するものではなく、利用者の家事や買物等を代行する代行サービス所、園児や生徒等を送迎する送迎サービス所、利用者を輸送する輸送サービス所、等としても良い。
【0106】
更に、上記の実施形態では、札体20を磁石22による磁着によって本体10,30に着脱可能とするものを示したが、これに限定するものではなく、面ファスナーや粘着剤により着脱可能とするようにしても良い。