(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数台の部品実装機の各々は、前記実装精度測定用基板と前記回路基板を搬送するコンベアを備え、搬入される前記実装精度測定用基板又は前記回路基板の幅に合わせて前記コンベアの幅を変更するように構成され、
前記生産モードの部品実装機は、搬入される前記回路基板の幅に合わせて前記コンベアの幅を変更し、
前記実装精度測定モードの部品実装機は、搬入される前記実装精度測定用基板の幅に合わせて前記コンベアの幅を変更する、請求項1又は2に記載の部品実装ラインの実装精度測定システム。
前記パスモードの部品実装機は、その上流側の部品実装機から前記実装精度測定用基板が搬入される場合に、当該実装精度測定用基板の幅に合わせて前記コンベアの幅を変更する、請求項3に記載の部品実装ラインの実装精度測定システム。
前記パスモードの部品実装機は、その下流側の部品実装機の制御モードが前記実装精度測定モードである場合に、搬入された前記実装精度測定用基板をそのまま当該下流側の部品実装機へ搬出する、請求項4又は5に記載の部品実装ラインの実装精度測定システム。
前記パスモードの部品実装機は、その下流側の部品実装機の制御モードが前記生産モードである場合に、搬入された前記実装精度測定用基板を当該下流側の部品実装機へ搬出せずに待機させる、請求項4乃至6のいずれかに記載の部品実装ラインの実装精度測定システム。
前記パスモードの部品実装機は、自機が前記複数台の部品実装機のうちの最下流の部品実装機である場合に、搬入された前記実装精度測定用基板を搬出せずに待機させる、請求項4乃至7のいずれかに記載の部品実装ラインの実装精度測定システム。
前記複数台の部品実装機の各々は、搬入される基板が前記実装精度測定用基板と前記回路基板のどちらであるかの情報を前記生産管理装置又は上流側の部品実装機から取得する、請求項9に記載の部品実装ラインの実装精度測定システム。
前記複数台の部品実装機の各々は、自機が前記実装精度測定モードの部品実装機のうちの最上流の部品実装機である場合に、当該最上流の部品実装機に前記実装精度測定用基板をセットするように作業者に案内する機能を備えている、請求項1乃至11のいずれかに記載の部品実装ラインの実装精度測定システム。
前記生産管理装置は、前記実装精度測定モードの部品実装機のうちの最上流の部品実装機を指定して当該最上流の部品実装機に前記実装精度測定用基板をセットするように作業者に案内する機能を備えている、請求項9乃至11のいずれかに記載の部品実装ラインの実装精度測定システム。
前記複数台の部品実装機の各々は、搬入された前記実装精度測定用基板を搬出せずに待機させる場合に、当該実装精度測定用基板を取り出すように作業者に案内する機能を備えている、請求項1、7、8のいずれかに記載の部品実装ラインの実装精度測定システム。
前記生産管理装置は、前記実装精度測定用基板を搬出せずに待機させている部品実装機を指定して当該部品実装機から当該実装精度測定用基板を取り出すように作業者に案内する機能を備えている、請求項9乃至11、13のいずれかに記載の部品実装ラインの実装精度測定システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施例を説明する。
まず、
図1に基づいて部品実装ライン10の構成を説明する。
部品実装ライン10は、回路基板11を搬送する基板搬送路12に沿って、回路基板11に部品を実装する複数台の部品実装機14を配列して構成されている。その他、図示はしないが、この部品実装ライン10の上流側と下流側には、部品実装に関連する作業を行う実装関連機が設置されている場合がある。ここで、実装関連機は、例えば、半田印刷機、検査装置、リフロー装置等である。
【0010】
各部品実装機14のフィーダセット台(図示せず)には、それぞれ部品を供給する複数のフィーダ17が交換可能にセットされている。各部品実装機14に交換可能に装着された実装ヘッド18には、各フィーダ17から供給される部品を吸着して回路基板11に実装する1本又は複数本の吸着ノズル(図示せず)が交換可能に保持されている。
【0011】
一方、
図2に示すように、各部品実装機14には、キーボード、タッチパネル、マウス、音声認識装置等の入力装置20と、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置21と、RAM、ROM、ハードディスク装置等の記憶装置27と、吸着ノズルに吸着した部品を撮像して当該部品の吸着姿勢や吸着位置のずれ量等を画像認識する部品撮像用カメラ22と、回路基板11の基準マーク(図示せず)等を撮像するマーク撮像用カメラ23と、回路基板11や後述する実装精度測定用基板41(
図3参照)を搬送するコンベア24と、実装ヘッド18をXY方向(左右前後方向)に移動させるヘッド移動装置25等が設けられている。各部品実装機14のコンベア24は、幅を変更可能に構成され、搬送する回路基板11の幅や実装精度測定用基板41の幅に合わせてコンベア24の幅を変更するようになっている。
【0012】
図1に示すように、部品実装ライン10を構成する複数台の部品実装機14の制御装置32は、部品実装ライン10の生産を管理する生産管理コンピュータ30(生産管理装置)とネットワーク31を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク31はどの様に構成しても良く、例えば、複数台の部品実装機14が1つのベース台(図示せず)上に載置されている場合には、各部品実装機14の制御装置32間をベース台内の通信線を経由して接続しても良いし、各部品実装機14の制御装置32間を通信ケーブル等で接続するようにしても良い。
【0013】
各部品実装機14の制御装置32は、1台又は複数台のコンピュータ(CPU)により構成され、生産管理コンピュータ30から送信されてくる生産ジョブ(生産プログラム)に従って、実装ヘッド18を部品吸着位置→部品撮像位置→部品実装位置の経路で移動させて、フィーダ17から供給される部品を実装ヘッド18の吸着ノズルで吸着して当該部品を部品撮像用カメラ22で撮像して部品吸着位置のずれ量等を認識して当該部品を回路基板11に実装するという動作を繰り返して、当該回路基板11に所定数の部品を実装して部品実装基板を生産する。
【0014】
次に、部品実装ライン10の各部品実装機14の実装精度(実装位置のずれ量)を測定するシステムについて説明する。
【0015】
部品実装機14の実装精度を測定する場合は、実装ヘッド18の各吸着ノズルに実装精度測定用部品42(
図4、
図5参照)を吸着して実装精度測定用基板41の所定位置に実装し、その実装状態をマーク撮像用カメラ23で撮像して、画像処理により実装位置のずれ量を測定する。尚、実装精度測定の対象となる部品実装機14の実装ヘッド18に保持されている吸着ノズルを、実装精度測定用ノズル(図示せず)に交換してから実装精度を測定するようにしても良い。
【0016】
実装精度測定用基板41は、実装精度測定の対象となる2台以上の部品実装機14で使い回される。従って、実装精度測定用基板41には、2台以上の部品実装機14で使用する実装精度測定用部品42を実装する多くの部品実装エリアが形成され、各部品実装エリア毎に所定個数(例えば4個)の測定用基準マーク46が一定の位置関係で形成されている。
【0017】
実装精度測定用部品42は、各部品実装機14毎に吸着ノズルの本数と同じ個数だけ用意される。実装精度測定の対象となる部品実装機14には、必要な個数の実装精度測定用部品42を載置した実装精度測定用部品供給ユニット(図示せず)がセットされる。この実装精度測定用部品供給ユニットは、部品実装機14のフィーダセット台にフィーダ17と交換可能にセットしても良いし、部品実装機14内の空きスペースにセットしても良い。
【0018】
実装精度測定用部品42は、例えばガラスにより形成され、その下面には、
図3に示すように、リード付きICチップの外形を模した不透明の図形パターン47が形成され、この図形パターン47のうちの実装精度測定用基板41の測定用基準マーク46に対応する位置に、該測定用基準マーク46よりも少し大きい透明な窓部48が形成されている。これにより、
図5に示すように、ガラス製の実装精度測定用部品42を実装精度測定用基板41の所定の部品実装エリアに実装したときに、該実装精度測定用部品42の図形パターン47の窓部48が測定用基準マーク46と重なった状態となり、これを上方からマーク撮像用カメラ23で撮像して、その画像を処理することで、測定用基準マーク46に対する実装精度測定用部品42の実装位置のずれ量(測定用基準マーク46に対するキャリブレーション用部品42の図形パターン47の位置ずれ量)を実装精度として測定するようになっている。尚、実装精度測定用部品42の図形パターン47には、該実装精度測定用部品42の方向を示す矢印マーク49が形成されている。
【0019】
実装精度測定用基板41の上面のうちの部品実装領域の外側に、当該実装精度測定用基板41の情報(以下「基板情報」という)を記録(記載)又は記憶した基板情報記録部51が設けられている。この基板情報記録部51には、基板情報として基板ID(基板識別情報)と実装精度測定用基板41の幅の情報等が記録又は記憶されている。この基板情報記録部51は、バーコード、2次元コード等のコードを記録したものでも良いし、電子的に記憶する電子タグや、磁気的に記録する磁気テープ等を用いても良い。尚、回路基板11にも、基板ID等の基板情報を記録又は記憶した基板情報記録部(図示せず)が設けられている。
【0020】
部品実装ライン10の最上流又は複数台の部品実装機14の各々に、実装精度測定用基板41の基板情報記録部51から基板情報を読み取るリーダ26(基板情報読取り部)が設けられている。部品実装ライン10の最上流にリーダ26が設置されている場合は、複数台の部品実装機14の各々は、部品実装ライン10の最上流のリーダ26で読み取った基板情報をネットワーク31を介して取得する。例えば、部品実装ライン10の最上流のリーダ26で読み取った基板情報を上流側の部品実装機14から下流側の部品実装機14に順次送信したり、或は、部品実装ライン10の最上流のリーダ26で読み取った基板情報を生産管理コンピュータ30に送信して、この生産管理コンピュータ30から各部品実装機14に送信するようにしても良い。また、複数台の部品実装機14の各々にリーダ26が設けられている場合は、自機のリーダ26で読み取った基板情報を取得するようにすれば良い。後述する
図6乃至
図9の実装精度測定動作制御プログラムでは、実装精度測定用基板41の基板情報を上流側の部品実装機14から下流側の部品実装機14へ順次送信する方法を採用している。
【0021】
尚、実装精度測定用基板41の基板情報記録部51には、基板IDのみを記録又は記憶して、実装精度測定用基板41の幅の情報は、生産管理コンピュータ30の記憶装置33に基板IDと関連付けて登録しておき、リーダ26で読み取った基板IDを生産管理コンピュータ30に送信して、生産管理コンピュータ30が記憶装置33の登録データの中から、受信した基板IDに対応する実装精度測定用基板41の幅の情報を検索して各部品実装機14の制御装置32に送信するようにしても良い。
【0022】
その他、作業者が実装精度を測定する部品実装機14の入力装置20を操作して当該部品実装機14の制御装置32に実装精度測定用基板41の基板情報を入力するようにしても良い。或は、作業者が生産管理コンピュータ30の入力装置34を操作して実装精度測定用基板41の基板情報を生産管理コンピュータ30に入力して、この生産管理コンピュータ30から実装精度測定用基板41の基板情報を各部品実装機14の制御装置32に送信するようにしても良い。
【0023】
部品実装ライン10を構成する複数台の部品実装機14の各々は、搬入した回路基板11に部品を実装して搬出する生産モードと、実装精度測定用部品42を実装精度測定用基板41の所定位置に実装してその実装精度を測定する実装精度測定モードと、搬入された基板(回路基板11又は実装精度測定用基板41)に部品を実装することなく当該基板を搬出するパスモードとを切り替え可能に構成されている。各部品実装機14の制御モードの切り替え方法は、作業者が各部品実装機14の入力装置20を操作して制御モードを手動操作で切り替えるようにしても良いし、或は、生産管理コンピュータ30が各部品実装機14の生産進捗状況や実装精度測定用基板41の搬送状況等を監視して、その監視結果に基づいて各部品実装機14の制御装置32に制御モード切り替え信号を送信して各部品実装機14の制御モードを自動的に切り替えるようにしても良い。
【0024】
本実施例では、部品実装ライン10を構成する複数台の部品実装機14のうちの2台以上の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モードである場合に、少なくとも当該2台以上の部品実装機14の間を基板搬送路12に沿って実装精度測定用基板41を搬送することで、当該2台以上の部品実装機14が順番に当該実装精度測定用基板41を使用して実装精度を測定するようになっている。
【0025】
この場合、作業者が実装精度測定モードの部品実装機14のうちの最上流の部品実装機14に実装精度測定用基板41をセットするようにしても良い。或は、部品実装ライン10の最上流に実装精度測定用基板41を投入して部品実装ライン10の基板搬送機能により実装精度測定モードの部品実装機14へ実装精度測定用基板41を搬送するようにしても良い。
【0026】
各部品実装機14は、自機が実装精度測定モードの部品実装機14のうちの最上流の部品実装機14である場合には、当該最上流の部品実装機14(自機)に実装精度測定用基板41をセットするように当該最上流の部品実装機14の表示装置21に表示したり音声によって作業者に案内するようにしても良い。
【0027】
また、生産管理コンピュータ30が実装精度測定モードの部品実装機14を認識できる場合には、生産管理コンピュータ30が実装精度測定モードの部品実装機のうちの最上流の部品実装機14を指定して当該最上流の部品実装機14に実装精度測定用基板41をセットするように当該最上流の部品実装機14の表示装置21及び/又は生産管理コンピュータ30の表示装置35に表示したり音声によって作業者に案内するようにしても良い。尚、上述した作業者への案内は、作業者が携帯する携帯端末(図示せず)に表示や音声で通知するようにしても良い。
【0028】
生産モードの部品実装機14の制御装置32は、搬入される回路基板11の幅に合わせてコンベア24の幅を自動的に変更する。実装精度測定モードの部品実装機14の制御装置32は、搬入される実装精度測定用基板41の幅に合わせてコンベア24の幅を自動的に変更する。パスモードの部品実装機14の制御装置32は、素通りさせる基板(実装精度測定用基板41又は回路基板11)の幅に合わせてコンベア24の幅を自動的に変更する。
【0029】
各部品実装機14の制御装置32は、搬入される基板が実装精度測定用基板41と回路基板11のどちらであるかの情報と基板幅の情報を生産管理コンピュータ30又は上流側の部品実装機14から取得する。ここで、「上流側の部品実装機14」とは、自機の基板搬入側に隣接する1台の部品実装機14を意味する(以下、同じ)。
【0030】
実装精度測定モードの部品実装機14の制御装置32は、その下流側の部品実装機14の制御モードが生産モードである場合に、実装精度測定用基板41を当該下流側の部品実装機14へ搬出せずに待機させる。これにより、実装精度測定用基板41が生産モードの部品実装機14に搬入されて実装精度測定用基板41に電子部品が実装されることを防止する。ここで、「下流側の部品実装機14」とは、自機の基板搬出側に隣接する1台の部品実装機14を意味する(以下、同じ)。
【0031】
また、実装精度測定モードの部品実装機14の制御装置32は、その下流側の部品実装機14の制御モードがパスモードである場合に、実装精度測定終了後に実装精度測定用基板14を当該下流側の部品実装機14へ搬出する。これにより、実装精度測定モードの2台の部品実装機14間に、パスモードの部品実装機14が存在する場合でも、上流側の実装精度測定モードの部品実装機14から搬出した実装精度測定用基板41を、パスモードの部品実装機14を素通りさせて下流側の実装精度測定モードの部品実装機14へ搬送することができる。
【0032】
また、実装精度測定モードの部品実装機14の制御装置32は、自機が部品実装ライン10の複数台の部品実装機14のうちの最下流の部品実装機14である場合に、実装精度測定終了後も実装精度測定用基板41を搬出せずに待機させる。これは、最下流の部品実装機14の下流側には、検査装置やリフロー装置等の実装関連機が配置されているため、実装精度測定終了後に最下流の部品実装機14から実装精度測定用基板41がこれらの実装関連機へ搬送されることを防ぐためである。
【0033】
一方、パスモードの部品実装機14の制御装置32は、その下流側の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モードである場合に、搬入された実装精度測定用基板41をそのまま当該下流側の部品実装機14へ搬出する。これにより、パスモードの部品実装機14から実装精度測定モードの部品実装機14への実装精度測定用基板41の搬送を実行する。
【0034】
また、パスモードの部品実装機14の制御装置32は、その下流側の部品実装機14の制御モードが生産モードである場合に、搬入された実装精度測定用基板41を当該下流側の部品実装機41へ搬出せずに待機させる。これにより、実装精度測定用基板41が生産モードの部品実装機14に搬入されて実装精度測定用基板41に電子部品が実装されることを防止する。
【0035】
また、パスモードの部品実装機14の制御装置32は、自機が複数台の部品実装機14のうちの最下流の部品実装機である場合に、搬入された実装精度測定用基板41を搬出せずに待機させる。これにより、最下流のパスモードの部品実装機14から実装精度測定用基板41が実装関連機へ搬送されることを防ぐ。
【0036】
各部品実装機14の制御装置32は、上流側と下流側の各部品実装機14の制御モードの情報を生産管理コンピュータ30又は上流側と下流側の各部品実装機14の制御装置32から取得する。
【0037】
各部品実装機14の制御装置32は、搬入された実装精度測定用基板41を搬出せずに待機させる場合に、当該実装精度測定用基板41を取り出すように表示装置21に表示したり音声によって作業者に案内するようにしている。
【0038】
或は、生産管理コンピュータ30は、実装精度測定用基板41を搬出せずに待機させている部品実装機14を認識できる場合には、当該部品実装機14を指定して当該部品実装機14から当該実装精度測定用基板41を取り出すように生産管理コンピュータ30の表示装置35に表示したり音声によって作業者に案内するようにしても良い。尚、上述した作業者への案内は、作業者の携帯端末(図示せず)に表示や音声で通知するようにしても良い。
【0039】
以上説明した本実施例の部品実装ライン10の各部品実装機14の実装精度測定は、例えば、各部品実装機14の制御装置32によって
図6乃至
図9に示す実装精度測定動作制御プログラムに従って各部品実装機14毎に実行される。各部品実装機14の記憶装置27には、
図6乃至
図9に示す実装精度測定動作制御プログラムがインストールされている。以下、
図6乃至
図9に示す実装精度測定動作制御プログラムの処理内容を説明する。
【0040】
各部品実装機14の制御装置32は、電源オン中に
図6及び
図7の実装精度測定動作制御プログラム(その1)を所定の周期で繰り返し実行する。各部品実装機14の制御装置32は、
図6及び
図7の実装精度測定動作制御プログラム(その1)を起動すると、まず、ステップ101で、自機の制御モードが実装精度測定モードであるか否かを判定し、実装精度測定モードでなければ、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
【0041】
これに対し、自機の制御モードが実装精度測定モードであれば、ステップ102に進み、上流側の部品実装機14(又は生産管理コンピュータ30)に対して上流側の部品実装機14の制御モードを問い合わせて、次のステップ103で、上流側の部品実装機14の制御モードは、実装精度測定モード又はパスモードであるか否かを判定する。その結果、上流側の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モード、パスモードのどちらでもないと判定した場合、つまり上流側の部品実装機14の制御モードが生産モードであると判定した場合には、上流側の部品実装機14から実装精度測定用基板41が搬送されてこないため、ステップ105に進み、自機に実装精度測定用基板41をセットするように表示や音声で作業者に案内する。
【0042】
尚、部品実装ライン10を構成する複数台の部品実装機14のうちの2台以上の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モードである場合に、自機の上流側の部品実装機14の制御モードが生産モードであれば、自機が2台以上の実装精度測定モードの部品実装機14のうちの最上流の部品実装機14であることを意味する。2台以上の実装精度測定モードの部品実装機14間に位置する部品実装機14の制御モードは、パスモードに切り替えられるためである。
【0043】
その後、ステップ106に進み、自機に実装精度測定用基板41がセットされるまで待機し、実装精度測定用基板41がセットされた時点で、ステップ107に進み、自機の実装ヘッド18の各吸着ノズルに実装精度測定用部品42を吸着して実装精度測定用基板41の所定位置に実装し、その実装状態をマーク撮像用カメラ23で撮像して、画像処理により実装位置のずれ量を測定する実装精度測定を実行する。
【0044】
一方、上記ステップ103で、上流側の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モード又はパスモードであると判定した場合には、ステップ104に進み、上流側の部品実装機14から実装精度測定用基板41が搬入されるまで待機し、実装精度測定用基板41が搬入された時点で、ステップ107に進み、上述した実装精度測定を実行する。
【0045】
実装精度測定終了後に、
図7のステップ108へ進み、自機が部品実装ライン10の複数台の部品実装機14のうちの最下流の部品実装機14であるか否かを判定する。その結果、自機が最下流の部品実装機14である(つまり下流側の部品実装機14が存在しない)と判定すれば、ステップ109に進み、実装精度測定終了後も実装精度測定用基板41を搬出せずに待機させ、次のステップ110で、実装精度測定用基板41を取り出すように表示や音声で作業者に案内して、本プログラムを終了する。
【0046】
これに対し、上記ステップ108で、自機が最下流の部品実装機14ではない(つまり下流側の部品実装機14が存在する)と判定すれば、ステップ111に進み、下流側の部品実装機14(又は生産管理コンピュータ30)に対して下流側の部品実装機14の制御モードを問い合わせて、次のステップ112で、下流側の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モードであるか否かを判定する。その結果、下流側の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モードであると判定すれば、ステップ113に進み、下流側の部品実装機14へ実装精度測定用基板41を搬出して、本プログラムを終了する。
【0047】
一方、上記ステップ112で、下流側の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モードでないと判定すれば、ステップ114に進み、下流側の部品実装機14の制御モードがパスモードであるか否かを判定する。その結果、下流側の部品実装機14の制御モードがパスモードであると判定すれば、ステップ115に進み、下流側の部品実装機14に対してコンベア24の幅を実装精度測定用基板41の幅に変更するように依頼し、次のステップ116で、下流側の部品実装機14に実装精度測定用基板41を搬送することを通知して、本プログラムを終了する。
【0048】
また、上記ステップ114で、下流側の部品実装機14の制御モードがパスモードでない(つまり生産モードである)と判定すれば、ステップ117に進み、実装精度測定終了後も実装精度測定用基板41を搬出せずに待機させ、次のステップ118で、実装精度測定用基板41を取り出すように表示や音声で作業者に案内して、本プログラムを終了する。
【0049】
図8及び
図9の実装精度測定動作制御プログラム(その2)も、各部品実装機14の制御装置32によって所定の周期で繰り返し実行される。各部品実装機14の制御装置32は、
図8及び
図9の実装精度測定動作制御プログラム(その2)を起動すると、まず、ステップ201で、自機の制御モードがパスモードであるか否かを判定し、パスモードでなければ、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
【0050】
これに対し、自機の制御モードがパスモードであれば、ステップ202に進み、次の(1) 〜(3) のいずれかがあるまで待機する。
(1) 上流側の部品実装機14からの実装精度測定用基板41の搬送通知
(2) 上流側の部品実装機14からのコンベア24の幅の変更依頼
(3) 上流側の部品実装機14からの基板搬入
【0051】
その後、上記(1) 〜(3) のいずれかがあった時点で、ステップ203に進み、上流側の部品実装機14からの実装精度測定用基板41の搬送通知であるか否かを判定し、実装精度測定用基板41の搬送通知であれば、ステップ204に進み、上流側の部品実装機14から実装精度測定用基板41が搬送されてくることを記憶して、上記ステップ202に戻る。
【0052】
その後、上記(2) 又は(3) があった時点で、ステップ202→203→205へと処理が進み、上流側の部品実装機14からのコンベア24の幅の変更依頼であるか否かを判定し、コンベア24の幅の変更依頼であれば、ステップ206に進み、コンベア24上に基板が無いことを確認してコンベア24の幅を変更して、上記ステップ202に戻る。
【0053】
その後、上流側の部品実装機14からの基板搬入があった時点で、ステップ202→203→205→207へと処理が進み、自機が部品実装ライン10の複数台の部品実装機14のうちの最下流の部品実装機14であるか否かを判定し、自機が最下流の部品実装機14である(つまり下流側の部品実装機14が存在しない)と判定すれば、ステップ208に進み、コンベア24上の基板が実装精度測定用基板41であるか否かを判定する。その結果、コンベア24上の基板が実装精度測定用基板41であると判定すれば、ステップ209に進み、実装精度測定終了後も実装精度測定用基板41を搬出せずに待機させ、次のステップ210で、実装精度測定用基板41を取り出すように表示や音声で作業者に案内して、本プログラムを終了する。
【0054】
一方、上記ステップ208で、コンベア24上の基板が実装精度測定用基板41でない(つまり回路基板11である)と判定すれば、ステップ211に進み、回路基板11を搬出して、本プログラムを終了する。
【0055】
これに対し、上記ステップ207で、自機が最下流の部品実装機14でない(つまり下流側の部品実装機14が存在する)と判定すれば、
図9のステップ212に進み、下流側の部品実装機14(又は生産管理コンピュータ30)に対して下流側の部品実装機14の制御モードを問い合わせて、次のステップ213で、下流側の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モードであるか否かを判定する。その結果、下流側の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モードであると判定すれば、ステップ214に進み、下流側の部品実装機14へ実装精度測定用基板41を搬出する。
【0056】
そして、次のステップ215で、上流側の部品実装機14からコンベア24の幅の変更依頼があったか否か(つまりコンベア24の幅を変更したか否か)を判定し、コンベア24の幅の変更依頼があったと判定すれば、ステップ216に進み、コンベア24の幅を変更前の幅に戻して、本プログラムを終了する。
【0057】
尚、上記ステップ215で、上流側の部品実装機14からコンベア24の幅の変更依頼がなかったと判定すれば、コンベア24の幅を変更する必要はないと判断して、本プログラムを終了する。
【0058】
これに対し、上記ステップ213で、下流側の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モードでないと判定すれば、ステップ217に進み、下流側の部品実装機14の制御モードがパスモードであるか否かを判定する。その結果、下流側の部品実装機14の制御モードがパスモードであると判定すれば、ステップ218に進み、上流側の部品実装機14からコンベア24の幅の変更依頼があったか否か(つまりコンベア24の幅を変更したか否か)を判定し、コンベア24の幅の変更依頼があったと判定すれば、ステップ219に進み、下流側の部品実装機14にコンベア24の幅を自機から搬出する基板の幅に変更するように依頼し、ステップ220に進む。上記ステップ218で、コンベア24の幅の変更依頼がなかったと判定すれば、そのままステップ220に進む。
【0059】
このステップ220では、上流側の部品実装機14から搬送されてきた基板は実装精度測定用基板41であるか否かを判定し、実装精度測定用基板41であれば、ステップ221に進み、下流側の部品実装機14に実装精度測定用基板41を搬送することを通知して、上記ステップ214に進む。上記ステップ220で、上流側の部品実装機14から搬送されてきた基板は実装精度測定用基板41でない(つまり回路基板11である)と判定すれば、そのまま上記ステップ214に進む。
【0060】
その後、ステップ214〜216の処理により、下流側の部品実装機14へ基板を搬出して、上流側の部品実装機14からコンベア24の幅の変更依頼があった場合には、コンベア24の幅を変更前の幅に戻して本プログラムを終了し、上流側の部品実装機14からコンベア24の幅の変更依頼がなかった場合には、そのまま本プログラムを終了する。
【0061】
尚、上記ステップ213→217で、下流側の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モード、パスモードのどちらでもないと判定した場合(つまり生産モードと判定した場合)には、
図8のステップ208以降の処理を実行する。これにより、コンベア24上の基板が回路基板41である場合は、その回路基板41を搬出し(ステップ208→211)、コンベア24上の基板が実装精度測定用基板41である場合は、実装精度測定終了後も実装精度測定用基板41を搬出せずに待機させ、実装精度測定用基板41を取り出すように表示や音声で作業者に案内する(ステップ208→209→210)。
【0062】
尚、部品実装ライン10を構成する複数台の部品実装機14の間に検査装置等の実装関連機が配置されている場合には、当該実装関連機の制御モードを生産モードとパスモードに切り替え可能に構成し、
図6乃至
図9の実装精度測定動作制御プログラムを実行する際に、生産モードの実装関連機を生産モードの部品実装機14と同様に取り扱い、パスモードの実装関連機をパスモードの部品実装機14と同様に取り扱うようにすれば良い。
【0063】
以上説明した本実施例によれば、部品実装ライン10を構成する複数台の部品実装機14のうちの2台以上の部品実装機14の制御モードが実装精度測定モードである場合に、少なくとも当該2台以上の部品実装機14の間を基板搬送路12に沿って実装精度測定用基板41を搬送することで当該2台以上の部品実装機14が順番に当該実装精度測定用基板14を使用して実装精度を測定するようにしたので、部品実装ライン10の基板搬送機能を利用して1枚の実装精度測定用基板41を自動的に2台以上の部品実装機14で使い回して当該2台以上の部品実装機14が順番に当該実装精度測定用基板41を使用して実装精度を測定することができる。これにより、2台以上の部品実装機14の実装精度を測定する場合に、作業者の作業量を大幅に削減できると共に、2台以上の部品実装機の実装精度を能率良く測定することができる。
【0064】
尚、本発明は上記実施例に限定されず、例えば、部品実装ライン10の構成、部品実装機14の構成、実装精度測定用基板41の構成、実装精度測定用部品42の構成等を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。