特許第6841931号(P6841931)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6841931-竹繊維のクリーンプロダクション 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6841931
(24)【登録日】2021年2月22日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】竹繊維のクリーンプロダクション
(51)【国際特許分類】
   D01C 1/00 20060101AFI20210301BHJP
   D01C 1/04 20060101ALI20210301BHJP
【FI】
   D01C1/00 F
   D01C1/04 Z
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-549619(P2019-549619)
(86)(22)【出願日】2016年12月29日
(65)【公表番号】特表2020-501040(P2020-501040A)
(43)【公表日】2020年1月16日
(86)【国際出願番号】CN2016112925
(87)【国際公開番号】WO2018119834
(87)【国際公開日】20180705
【審査請求日】2019年5月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】519197789
【氏名又は名称】張 毅
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 毅
(72)【発明者】
【氏名】彭 建新
【審査官】 ▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第104562220(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101864602(CN,A)
【文献】 特開2000−071209(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0000761(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第105316770(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102517642(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0101294(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/063014(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01C 1/00
D01C 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹繊維のクリーンプロダクションであって、以下のステップを含み、
ステップ1:フィラメントに分けロープとし、
新鮮な竹材を竹串に均等に分け、表皮、竹黄、フシを取り除き、竹片を形成し、竹フィラメント加工設備を用い、竹片をフィラメントに分け、縒りを加えてロープ状竹フィラメントとし、
ステップ2:マイクロウェーブ細分化を行い、
ロープ状竹フィラメントは、自動化輸送と緩衝装置により、多重細分化設備に送り入れられ、冷熱処理及びローリング・ラビングの方式を採用して竹フィラメントを細分化し、
ステップ3:バイオ脱ガムを行い、
ロープ状粗竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、恒温長方形発酵槽に送り入れられ、発酵後にロープ状竹繊維を送り出し、乾燥設備に入れた後、複合材料に用いる粗竹繊維を製造する
ことを特徴とする、竹繊維のクリーンプロダクション。
【請求項2】
前記ステップ1中において、フィラメント分離設備を利用し、竹片を、相互につながらない竹フィラメントとし、ロープ生産装置により縒りを加えて連続したロープ状竹フィラメントとする
ことを特徴とする、請求項1に記載の竹繊維のクリーンプロダクション。
【請求項3】
前記ステップ2中の多重細分化設備は、10〜20対の溝付きローラー、及び各2対の溝付きローラー間に設置されるマイクロウェーブ加熱装置、冷水シャワー装置により構成される
ことを特徴とする、請求項1に記載の竹繊維のクリーンプロダクション。
【請求項4】
竹繊維のクリーンプロダクションは、以下のステップを含み、
ステップ1:フィラメントに分けロープとし、
新鮮な竹材を竹串に均等に分け、表皮、竹黄、フシを取り除き、竹片を形成し、竹フィラメント加工設備を用い、竹片をフィラメントに分け、縒りを加えてロープ状竹フィラメントとし、
ステップ2:マイクロウェーブ細分化を行い、
ロープ状竹フィラメントは、自動化輸送と緩衝装置により、多重細分化設備に送り入れられ、冷熱処理及びローリング・ラビングの方式を採用して竹フィラメントを細分化し、ロープ状粗竹繊維を送り出し、
ステップ3:バイオ脱ガムを行い、
ロープ状粗竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、恒温長方形発酵槽に送り入れられ、発酵後にロープ状竹繊維を送り出し、
ステップ4:クリーニングし給油し、
ロープ状竹繊維を、自動化輸送と緩衝装置により、溝付きローラーとスプレー装置により構成されるクリーニング設備に送り入れ、反復洗浄とローリングを行い、乾燥設備に入れ、乾燥後はスプレー式給油を行い、ロープ状細竹繊維を送り出し、
ステップ5:カーディング処理を行い、
ロープ状細竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、カーディング処理設備に送り入れられ、カーディングが行われ、テキスタイル材料に用いる竹繊維を製造する
ことを特徴とする、竹繊維のクリーンプロダクション。
【請求項5】
前記ステップ1中において、フィラメント分離設備を利用し、竹片を、相互につながらない竹フィラメントとし、ロープ生産装置により縒りを加えて連続したロープ状竹フィラメントとする
ことを特徴とする、請求項4に記載の竹繊維のクリーンプロダクション。
【請求項6】
前記ステップ2中の多重細分化設備は、10〜20対の溝付きローラー、及び各2対の溝付きローラー間に設置されるマイクロウェーブ加熱装置、冷水シャワー装置により構成される
ことを特徴とする、請求項4に記載の竹繊維のクリーンプロダクション。
【請求項7】
前記ステップ3中の恒温長方形発酵槽中のバイオ酵素はラッカーゼとキシラナーゼにより組成される複合バイオ酵素で、その比率は1:0.5〜1:1に、発酵槽中パラメーターは制御され、バイオ酵素液の酵素濃度は、水1リットル当たり2〜4g、温度45〜65℃、pH値4〜6、溶解酸素濃度5.4〜4.8mg/Lで、
任意の一段のロープ状竹繊維の槽中での発酵時間は2〜4時間である
ことを特徴とする、請求項1又は4に記載の竹繊維のクリーンプロダクション。
【請求項8】
前記恒温長方形発酵槽中には、槽全体の長さを貫くベルトコンベアーを設置し、ロープ状粗竹繊維を伝送し、
ベルトコンベアーは発酵液中に水没せず、運転速度は公式:v=l/tに基づき設置され、
その内、vは輸送速度で、lは槽全体の長さで、tは所要発酵時間で、
槽中には液位検知器を設置し、長さ方向に応じて、若干の温度、pH値、溶解酸素濃度検知信号ステーションを設置し、リアルタイムで各パラメーターの制御と調整を行う
ことを特徴とする、請求項1又は4に記載の竹繊維のクリーンプロダクション。
【請求項9】
溶解酸素濃度の検知、制御は以下の公式を参照:DO=(p/p)*(477.8/(T+32.6))し、
その内、pは現地で実測された大気圧で、pは標準大気圧で、Tは温度である
ことを特徴とする、請求項8に記載の竹繊維のクリーンプロダクション。
【請求項10】
前記自動化輸送と緩衝装置は、若干対の溝付きローラーと緩衝容器により構成される。
ことを特徴とする、請求項4に記載の竹繊維のクリーンプロダクション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天然竹繊維のクリーンプロダクションに関し、特に連続化生産ライン、冷熱処理物理加工、バイオ脱ガムパラメーター自動化制御で、化学薬品を用いず、汚染を生じず、クリーンで環境にやさしく、省エネで高効率の方法で天然竹繊維を製造できる竹繊維のクリーンプロダクションに関する。
【背景技術】
【0002】
竹繊維(天然竹繊維、別名:竹原繊維)は植物茎の木質繊維である。その繊維素は木質素、半繊維素の中に包まれるが、単繊維の長さは2mm前後に過ぎない。これを用いてテキスタイル材料用の竹繊維とする時には、完全脱ガムの方式を採用することはできず、半脱ガム方式で加工し、繊維束状態の天然竹繊維を得る。
【0003】
天然竹繊維の脱ガムでは、多くは化学脱ガム方式が採用されるが、これは環境に対して汚染を生じる。そのため、業界ではバイオ脱ガムの方式が模索されている。既存の技術は、いくらかは化学薬品を用い、つまり生物に化学を加えた方式で脱ガムが行われ、クリーンプロダクションを実現することはできていない。製造工程においては、多くが竹片を化学で軟化し、脱ガムすることを起点とするが、これは竹材資源の利用にとっては不合理で、生産プロセスを増やすことで、エネルギー消費と環境汚染を拡大し、さらに竹繊維の加工コストを増大させている。
【0004】
生産加工過程においては、どのような方式を採用して製造された竹フィラメントであろうと、他の植物繊維と同様、すべて長さに限界がある。これは、竹繊維の自動化連続加工における難題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記先行技術では、クリーンプロダクションが実現できず、自動化連続加工が難しいという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は自動化連続加工が可能で、化学薬品を用いず、クリーンで、省エネで、環境にやさしい竹繊維のクリーンプロダクションに関する。
【0007】
本発明による竹繊維のクリーンプロダクションは、以下の方式により実現される。
【0008】
技術方案一:
竹繊維のクリーンプロダクションは以下のステップを含む。
ステップ1:フィラメントに分けロープとする。
新鮮な竹材等を竹串に分け、表皮、竹黄、フシを取り除き、竹片を形成し、竹フィラメント加工設備を用い、竹片をフィラメントに分け、縒りを加えてロープ状竹フィラメントとする。
ステップ2:マイクロウェーブ細分化を行う。
ロープ状竹フィラメントは、自動化輸送と緩衝装置により、多重細分化設備に送り入れられ、冷熱処理及びローリング・ラビングの方式を採用して竹フィラメントを細分化し、乾燥設備に入れた後、複合材料に用いる粗竹繊維を製造する。
【0009】
さらに、上記のステップ1中において、フィラメント分離設備を利用し、竹片を、相互につながらない竹フィラメントとし、ロープ生産装置により縒りを加えて連続したロープ状竹フィラメントとする。
【0010】
さらに、上記のステップ2中の多重細分化設備は、10〜20対の溝付きローラー、及び各2対の溝付きローラー間に設置されるマイクロウェーブ加熱装置、冷水シャワー装置により構成される。
【0011】
技術方案二:
竹繊維のクリーンプロダクションは以下のステップを含む。
ステップ1:フィラメントに分けロープとする。
新鮮な竹材等を竹串に分け、表皮、竹黄、フシを取り除き、竹片を形成し、竹フィラメント加工設備を用い、竹片をフィラメントに分け、縒りを加えてロープ状竹フィラメントとする。
ステップ2:マイクロウェーブ細分化を行う。
ロープ状竹フィラメントは、自動化輸送と緩衝装置により、多重細分化設備に送り入れられ、冷熱処理及びローリング・ラビングの方式を採用して竹フィラメントを細分化し、ロープ状粗竹繊維を送り出す。
ステップ3:バイオ脱ガムを行う。
ロープ状粗竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、恒温長方形バイオ酵素発酵槽に送り入れられ、発酵後にロープ状竹繊維を送り出す。
ステップ4:クリーニングし給油する。
ロープ状竹繊維を、自動化輸送と緩衝装置により、溝付きローラーとスプレー装置により構成されるクリーニング設備に送り入れ、反復洗浄とローリングを行い、乾燥設備に入れ、乾燥後はスプレー式給油を行い、ロープ状細竹繊維を送り出す。
ステップ5:カーディング処理を行う。
ロープ状細竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、カーディング処理設備に送り入れられ、カーディングが行われ、テキスタイル材料に用いる竹繊維を製造する。
【0012】
さらに、上記のステップ1中において、フィラメント分離設備を利用し、竹片を、相互につながらない竹フィラメントとし、ロープ生産装置により縒りを加えて連続したロープ状竹フィラメントとする。
【0013】
さらに、上記のステップ2中の多重細分化設備は、10〜20対の溝付きローラー、及び各2対の溝付きローラー間に設置されるマイクロウェーブ加熱装置、冷水シャワー装置により構成される。
【0014】
さらに、上記のステップ3中の恒温長方形発酵槽中のバイオ酵素はラッカーゼとキシラナーゼにより組成される複合バイオ酵素で、その比率は1:0.5〜1:1に、発酵槽中パラメーターは制御される。バイオ酵素液の酵素濃度は、水1リットル当たり2〜4g、温度45〜65℃、pH値4〜6、溶解酸素濃度5.4〜4.8mg/Lである。任意の一段のロープ状竹繊維の槽中での発酵時間は2〜4時間である。
【0015】
さらに、上記の恒温長方形発酵槽中には、槽全体の長さを貫くベルトコンベアーを設置し、ロープ状粗竹繊維を伝送する。
【0016】
ベルトコンベアーは発酵液中に水没せず、運転速度は公式:v=l/tに基づき設置される。その内、vは輸送速度で、lは槽全体の長さで、tは所要発酵時間である。槽中には液位検知器を設置し、長さ方向に応じて、若干の温度、pH値、溶解酸素濃度検知信号ステーションを設置し、リアルタイムで各パラメーターの制御と調整を行う。
【0017】
さらに、上記の溶解酸素濃度検知、制御は以下の公式を参照:DO=(p/p)*(477.8/(T+32.6))し、その内、pは現地で実測された大気圧で、pは標準大気圧で、Tは温度(℃)である。
【0018】
さらに、上記の自動化輸送と緩衝装置は、若干対の溝付きローラーと緩衝容器により構成される。
【0019】
本発明の長所は、以下の通りである。
【0020】
本発明は竹材の天然、物理特性を十分に利用し、物理法則に従い、機械加工方式により、熱膨張冷収縮原理とバイオ脱ガムを利用して、竹繊維のクリーン連続生産を実現する。
【0021】
本発明は竹繊維のクリーンプロダクションで、既存の技術とは異なり、連続自動化、化学薬品を用いず、汚染を生じず、クリーン生産という特徴を備え、竹フィラメントをロープとし伝送し、冷熱処理でフィラメントを細分化し、自動制御連続バイオ脱ガム等の独特の技術を用いる高効率で省エネが可能で、全自動で流れ作業式生産ラインの加工方式である。
【0022】
本発明はまず竹片をフィラメントとにしロープに形成し、後続の連続自動化加工を行うため、人的コストを大幅に引き下げられ、竹繊維の製造率と生産効率を顕著に高めることができる。
本発明は化学薬品を使用せず、機械加工、物質の熱膨張冷収縮原理を巧妙に利用し、冷熱処理方式とバイオ脱ガムの方法を用いて竹繊維を生産する。
【0023】
特に、竹フィラメントを先にロープ状とする連続加工技術は、有限な長さの竹(フィラメント)繊維を理論上は無限の長さとでき、自動化連続性生産を前提条件として実現できる。同時に、生産過程全体で必要な時間を12時間以内に制御することで、迅速、低コスト、大規模という竹繊維生産に存在していた工業化の難題を解決できる。
【0024】
本発明による連続バイオ脱ガムプロセスは、従来の間隙式発酵方式の欠点を改善し、発酵条件(環境)の主要パラメーター、即ち酵素濃度、温度、pH値、溶解酸素濃度等の随時変動する難題を解決し、リアルタイム検知と自動制御を採用して、最適な発酵条件を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明技術のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(一実施形態)
第一実施形態:複合材料に用いる粗竹繊維の加工
ステップ1:新鮮な竹材等を竹串に分け、表皮、竹黄、フシを取り除き、竹片を形成し、フィラメント分離設備を利用し、竹片を、相互につながらない竹フィラメントとし、ロープ生産装置により縒りを加えて連続したロープ状竹フィラメントとする。竹フィラメント本体等効直径は0.5mmである。
【0027】
ステップ2:ロープ状竹フィラメントは、自動化輸送と緩衝装置により、10対の溝付きローラーを有する多重細分化設備に送り入れられ、各2対の溝付きローラー間には、マイクロウェーブ加熱装置、冷水シャワー装置が設置され、反復ローリング、加熱、ローリング、冷卻を行い、冷熱処理にローリングが加えられる。輸送速度は、任意の一段のロープ状竹フィラメントの処理時間を、30分としてコントロールする。最後に、乾燥設備で乾燥され、本体の等効直径が0.3mmの、複合材料に用いる粗竹繊維を製造し、包装して入庫する。自動化輸送と緩衝装置は、若干対の溝付きローラーと緩衝容器により構成される。
【0028】
第二実施形態:図1に示す通り、不織テキスタイル材料とする竹繊維を加工する。
【0029】
ステップ1:新鮮な竹材等を竹串に分け、表皮、竹黄、フシを取り除き、竹片を形成し、フィラメント分離設備を利用し、竹片を、相互につながらない竹フィラメントとし、ロープ生産装置により縒りを加えて連続したロープ状竹フィラメントとする。竹フィラメント本体等効直径は0.5mmである。
【0030】
ステップ2:ロープ状竹フィラメントは、自動化輸送と緩衝装置により、15対の溝付きローラーを有する多重細分化設備に送り入れられ、各2対の溝付きローラー間には、マイクロウェーブ加熱装置、冷水シャワー装置が設置され、ローリング、加熱、ローリング、冷卻が反復執行され、冷熱処理にローリングが加えられる。輸送速度は、任意の一段のロープ状竹フィラメントの処理時間を45分としてコントロールする。得られたロープ状粗竹繊維の繊維本体等効直径は0.28mmである。自動化輸送と緩衝装置は、若干対の溝付きローラーと緩衝容器により構成される。
【0031】
ステップ3:ロープ状粗竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、恒温長方形発酵槽に送り入れられ、発酵槽の反対端から自動化輸送と緩衝装置により送り出される。バイオ酵素はラッカーゼとキシラナーゼにより組成される複合バイオ酵素で、その比率は1:0.5で、発酵槽中パラメーターは制御される。バイオ酵素液の酵素濃度は、水1リットル当たり2gで、温度45℃、pH値は4、溶解酸素濃度は5.4mg/Lである。任意の一段のロープ状竹繊維の槽中での発酵時間は2時間である。恒温長方形発酵槽中には、槽全体の長さを貫くベルトコンベアーを設置し、ロープ状粗竹繊維を伝送する。ベルトコンベアーは発酵液中に水没せず、運転速度は公式:v=l/tに基づき設置される。その内、vは輸送速度で、lは槽全体の長さで、tは所要発酵時間である。
【0032】
槽中には液位検知器を設置し、長さ方向に応じて、若干の温度、pH値、溶解酸素濃度検知信号ステーションを設置し、リアルタイムで各パラメーターの制御と調整を行い、バイオ酵素液を適時に補充し、槽中液位を一定に保持する。溶解酸素濃度検知、制御は以下の公式を参照:DO=(p/p)*(477.8/(T+32.6))、その内、pは現地で実測された大気圧で、pは標準大気圧で、Tは温度(℃)である。得られたロープ状竹繊維の繊維本体等効直径は0.20mmである。
【0033】
ステップ4:ロープ状竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、10対の溝付きローラーを有し、各2対の溝付きローラー間にスプレー装置を設置するクリーニング設備に送り入れられる。ロープ状竹繊維に対して、反復ローリング・ラビング、クリーニングを行い、繊維上に残るバイオ酵素、膠質等を除去し、さらに細分化する。ローリングの後、乾燥設備に入れ、乾燥後はスプレー式給油を行う。輸送速度は、任意の一段のロープ状竹繊維の処理時間を60分としてコントロールする。得られたロープ状細竹繊維の繊維本体等効直径は0.15mmである。
【0034】
ステップ5:ロープ状竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、カーディング処理設備に送り入れられ、カーディングが行われ、本体等効直径が0.08mmで、不織テキスタイルに用いられる竹繊維を製造し、包装して入庫する。
【0035】
第三実施形態:加工用於紡績織造材料の竹繊維
ステップ1:新鮮な竹材を竹串に均等に分け、表皮、竹黄、フシを取り除き、竹片を形成し、フィラメント分離設備を利用し、竹片を、相互につながらない竹フィラメントとし、ロープ生産装置により縒りを加えて連続したロープ状竹フィラメントとする。竹フィラメント本体等効直径は0.5mmである。
【0036】
ステップ2:ロープ状竹フィラメントは、自動化輸送と緩衝装置により、20対の溝付きローラーを有する多重細分化設備に送り入れ、各2対の溝付きローラー間には、マイクロウェーブ加熱装置、冷水シャワー装置が設置され、ローリング、加熱、ローリング、冷卻が反復執行され、冷熱処理にローリングが加えられる。輸送速度は、任意の一段のロープ状竹フィラメントの処理時間を、60分としてコントロールする。得られたロープ状粗竹繊維の繊維本体等効直径は0.25mmである。自動化輸送と緩衝装置は、若干対の溝付きローラーと緩衝容器により構成される。
【0037】
ステップ3:ロープ状粗竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、恒温長方形発酵槽に送り入れられ、発酵槽の反対端から自動化輸送と緩衝装置により送り出される。バイオ酵素はラッカーゼとキシラナーゼにより組成される複合バイオ酵素で、その比率を1:1として発酵槽中パラメーターは制御される。バイオ酵素液の酵素濃度は、水1リットル当たり4g、温度65℃、pH値6で、溶解酸素濃度は4.8mg/Lである。任意の一段のロープ状竹繊維の槽中での発酵時間は4時間である。恒温長方形発酵槽中には、槽全体の長さを貫くベルトコンベアーを設置し、ロープ状粗竹繊維を伝送する。ベルトコンベアーは発酵液中に水没せず、運転速度は公式:v=l/tに基づき設置される。その内、vは輸送速度で、lは槽全体の長さで、tは所要発酵時間である。槽中には液位検知器を設置し、長さ方向に応じて、若干の温度、pH値、溶解酸素濃度検知信号ステーションを設置し、リアルタイムで各パラメーターの制御と調整を行い、バイオ酵素液を適時に補充し、槽中液位を一定に保持する。溶解酸素濃度検知、制御は以下の公式を参照:DO=(p/p)*(477.8/(T+32.6))、その内、pは現地で実測された大気圧で、pは標準大気圧で、Tは温度(℃)である。得られたロープ状竹繊維の繊維本体等効直径は0.18mmである。
【0038】
ステップ4:ロープ状竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、20対の溝付きローラーを有し、各2対の溝付きローラー間にスプレー装置を設置するクリーニング設備に送り入れられる。ロープ状竹繊維に対して、反復ローリング・ラビング、クリーニングを行い、繊維上に残るバイオ酵素、膠質等を除去し、さらに細分化する。ローリングの後、乾燥設備に入れ、乾燥後はスプレー式給油を行う。輸送速度は、任意の一段のロープ状竹繊維の処理時間を90分としてコントロールする。
得られたロープ状細竹繊維の繊維本体等効直径は0.12mmである。
【0039】
ステップ5:ロープ状竹繊維は、自動化輸送と緩衝装置により、カーディング処理設備に送り入れられ、カーディングが行われ、本体の等効直径0.06mm、紡績織造に用いられる竹繊維を製造し、包装して入庫する。
【0040】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
図1