特許第6841949号(P6841949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6841949
(24)【登録日】2021年2月22日
(45)【発行日】2021年3月10日
(54)【発明の名称】カーテンレール
(51)【国際特許分類】
   A47H 1/02 20060101AFI20210301BHJP
   A47H 13/02 20060101ALN20210301BHJP
【FI】
   A47H1/02
   !A47H13/02
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-36128(P2020-36128)
(22)【出願日】2020年3月3日
(62)【分割の表示】特願2018-113341(P2018-113341)の分割
【原出願日】2013年9月12日
(65)【公開番号】特開2020-78719(P2020-78719A)
(43)【公開日】2020年5月28日
【審査請求日】2020年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】江上 達也
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−300958(JP,A)
【文献】 特開2004−230153(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0148526(US,A1)
【文献】 実開平2−99121(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3200297(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0247174(US,A1)
【文献】 中国実用新案第202960011(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に沿って延びるポールと、
前記ポールが通されて前記ポールに沿って摺動するランナーと、を備え、
前記ランナーは、前記摺動に際して前記ポールと接触する摺接部を含み、
前記ポールは、前記摺動に際して前記摺接部と接触するように構成された被摺接部であって、前記水平方向と直交する前記ポールの前後方向に沿って延びる延設壁から上方向に向かって延びる前記被摺接部を備え、前記ポールの外側面は、シートを備え、
前記シートの端部は前記延設壁上に位置し、前記被摺接部は、前記シートから露出されている
カーテンレール。
【請求項2】
前記被摺接部は、前記ポールの外側面において突出する突条である
請求項1に記載のカーテンレール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、ポールとポールに沿って摺動するランナーとを備えるカーテンレールに関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンレールは、通常、1つの方向に沿って延びる円柱状を有するポールと、ポールが通る円環状を有した複数のランナーとを備えている。複数のランナーの各々は、ランナーの下端部にてカーテンを吊り下げ、こうしたランナーがポールを摺動することによってカーテンは開閉する。ランナーが摺動する際に、ポールとランナーとの間には摩擦力が作用し、こうした摩擦力が大きいほどランナーの走行性は低いため、ポールとランナーとの間に作用する摩擦力は小さい方が好ましい。特許文献1に記載のポールは、ポールとランナーとを点接触させることによって上記摩擦力を抑えることを目的として、ポールの外周面に、ポールの延びる方向に沿って延びる樹脂製の突起を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3273036号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の技術は、ランナーの走行性を向上することのできるカーテンレールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するカーテンレールは、水平方向に沿って延びるポールと、前記ポールが通されて前記ポールに沿って摺動するランナーとを備える。前記ランナーは、前記摺動に際して前記ポールと接触する摺接部を含み、前記ポールは、前記摺動に際して前記摺接部と接触するように構成された被摺接部を備え、前記ポールの外側面は、シートを備え、前記被摺接部は、前記シートから露出されている。
【0006】
上記カーテンレールにおいて、前記被摺接部は、前記ポールの外側面において突出する突条であることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術によれば、ランナーの走行性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の技術における一実施形態でのカーテンレールの全体構成を示す正面図。
図2】一実施形態でのポールの斜視構造を示す斜視図。
図3】一実施形態でのポールの断面構造をランナーの内縁と共に示す断面図。
図4】一実施形態におけるポールとブラケットとが組み付けられた状態での側面構造を示す側面図。
図5】一実施形態でのランナーの正面構造を示す正面図。
図6】一実施形態でのランナーが静止している状態におけるポールとランナーとの位置関係を示す図。
図7】一実施形態でのランナーが回転している状態におけるポールとランナーとの位置関係を示す図。
図8】一実施形態でのランナーが回転している状態におけるポールとランナーとの位置関係を示す図。
図9】一実施形態での突条が配置される領域を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1図9を参照して、カーテンレールの一実施形態について説明する。
図1に示されるように、カーテンレールは、水平方向に延びるポール10と、ポール10に沿って摺動する複数のランナー20とを備えている。なお、水平方向とは、厳密な意味の水平方向であってもよいし、カーテンの吊下げられたランナー20が、ポール10において静止することの可能な範囲で、厳密な意味の水平方向に対して一定の範囲を有した方向であってもよい。
【0010】
固定部材の一例であるブラケット30は、例えば、窓際の壁等の任意の固定面に固定され、ポール10は、ブラケット30を介して、その固定面に固定されている。ポール10において水平方向の両端部には、例えば、キャップ40を介して飾り部材50が取り付けられてもよい。
【0011】
ランナー20は、ポール10が通される円環状を有した摺接部21と、摺接部21の下端に組付けられた吊下部22とを備えている。吊下部22には、カーテン60が備えるフックが引っ掛けられ、これによって、ランナー20はカーテン60を吊り下げる。なお、ランナー20の摺接部21は、水平方向から見て弧状を有する構成であればよく、その摺接部21にてポール10と接触する構成であればよい。例えば、摺接部21は、円環の一部が欠けた有端の環形状であってもよいし、長円形状であってもよい。
【0012】
そして、カーテン60を操作する人が、ポール10の端部に向かってカーテン60を引っ張るとき、摺接部21はポール10の端部に向かってポール10に沿って摺動し、これによって、カーテン60は開く。また、カーテン60を操作する人が、ポール10の中央部に向かってカーテン60を引っ張るとき、摺接部21は、ポール10の中央部に向かってポール10に沿って摺動し、これによって、カーテン60は閉じる。
【0013】
[ポール10の構成]
図2に示されるように、ポール10は、水平方向に沿って延びる筒形状を有し、水平方向に沿って延びる略半円筒形状を有する曲壁11を備えている。曲壁11は、水平方向から見て弧状の一例である半円弧状を有し、曲壁11の内側面は、ポール10が固定される面である固定面WFに面し、曲壁11の外側面は、曲壁11に対して固定面WFとは反対側に面している。例えば、カーテンレールが室内の窓際に設置された場合、曲壁11の外側面は、曲壁11に対して窓とは反対側に面している。なお、曲壁11の外側面は、例えば、木目模様等があしらわれたシート15を装飾として備えてもよい。こうした構成において、シート15の外表面は、曲壁11の外側面であって、ポール10が有する意匠性を高める。なお、ポール10は、例えば、アルミニウム等の金属が押出成形されることによって形成される。
【0014】
ポール10は、曲壁11において周方向の両端部を連結する屈曲壁12を備えている。屈曲壁12は、曲壁11の上端部における内側面から固定面WFに向かって突出し、かつ、鉛直方向に沿って折り曲げられた形状を有している。曲壁11の上端部は、曲壁11の外側面から屈曲壁12の上方に向かって突出する突条12aを有している。また、屈曲壁12の外側面は、その外側面から固定面WFに向かって突出する2つの突条12b,12cを有している。
【0015】
3つの突条12a〜12cの各々は、被摺接部の一例であり、例えば、水平方向におけるポール10の全体に渡って、水平方向に沿って延びている。3つの突条12a〜12cの先端は、水平方向から見て、同一の円周C上に位置している。3つの突条12a〜12cは、ランナー20の摺接部21が無端の環形状を有する場合であれ、摺接部21が有端の環形状を有する場合であれ、3つの全てが摺接部21と面することの可能な範囲に位置している。そして、3つの突条12a〜12cの各々の先端は、これらが並ぶ円周Cにて互いに隣り合う2つの突条と摺接部21とが接触するように構成されている。
【0016】
第1突条12aは、3つの突条12a〜12cの先端が並ぶ円周Cの中心よりも鉛直方向の上方に位置している。第2突条12bは、円周Cの中心よりも鉛直方向の上方であって、第1突条12aよりも下方、かつ、円周Cの中心を通る鉛直面に対して固定面WF側に位置している。そして、第3突条12cは、円周Cの中心よりも鉛直方向の下方、かつ、円周Cの中心を通る鉛直面に対して固定面WF側に位置している。
【0017】
次に、曲壁11、および、突条12a〜12cの位置関係の一例を説明する。
図3に示されるように、水平方向と直交する鉛直面でのポール10の断面形状において、曲壁11の外形を示す弧の中心は、中心CAである。また、中心CAを通る鉛直線は中心線A1であり、中心CAを通り中心線A1と直交する直線は中心線A2である。曲壁11の両端部の各々は、中心線A1と中心線A2とによって区画される互いに異なる領域に位置する。
【0018】
図3において、中心線A1よりも右側の領域は、中心線A1よりも固定面WFに近い領域であり、中心線A1よりも左側の領域は、中心線A1よりも固定面WFから遠い領域である。なお、ランナー20の有する摺接部21の中心CBを通り、かつ、中心線A1と平行な直線は中心線B1である。なお、図3に示されるように、中心CBを中心とする円周が、2つの突条12a,12bを通るとき、中心線B1は中心線A1よりも固定面WFから遠い領域に位置する。
【0019】
曲壁11の上端からは、水平方向においてポール10の全体に渡り、固定面WFに向かって第1延設壁13aが延設されている。第1延設壁13aの先端からは、上方向に向かって延びる第1被摺接部の一例である第1突条12aが突き出ている。第1延設壁13aよりも下方、かつ、中心線A2よりも上方にて、曲壁11からは、水平方向においてポール10の全体に渡り、固定面WFに向かって第2延設壁13bが延設されている。第2延設壁13bの上面略中央には、ブラケット30が嵌められる嵌合溝14が、水平方向に沿って形成されている。
【0020】
曲壁11の下端からは、水平方向においてポール10の全体に渡り、上方向に向かって第3延設壁13cが延設されている。第3延設壁13cは、第2延設壁13bの先端よりもやや曲壁11に近い位置で、第2延設壁13bの下面と接続している。第2延設壁13bと第3延設壁13cとの接続部分からは、水平方向においてポール10の全体に渡り、固定面WFに向かって、第2被摺接部の一例である第2突条12bが突き出ている。第3延設壁13cの基端よりもやや上方にて、第3延設壁13cからは、固定面WFに向かって第3被摺接部の一例である第3突条12cが突き出ている。なお、上記第2延設壁13b、および、第3延設壁13cによって、上記屈曲壁12は構成されている。
【0021】
曲壁11、および、3つの突条12a〜12cは、中心CAを中心とする円周Cの径方向において、最も外側に位置しており、ポール10の外側面を構成している。曲壁11の外側面である曲面、および、3つの突条12a〜12cの先端は、中心CAを中心とする同一の円周C上に位置している。
【0022】
第1突条12aは、中心線A2よりも上方に位置している。こうした第1突条12aは、中心線A1よりも固定面WFから遠い領域、すなわち、図3において、中心線A1よりも中心線B1に近い領域に位置しているとさらに好ましい。さらに、第1突条12aは、中心線A2よりも中心線A1に近い領域に位置していることが好ましい。
【0023】
第2突条12bは、中心線A2よりも上方であって、かつ、第1突条12aよりも下方に位置している。しかも、第2突条12bは、中心線A1よりも固定面WFに近い領域に位置している。すなわち、第1突条12aと第2突条12bとは、円周Cの中心を通る鉛直面を挟んでいる。こうした第2突条12bは、中心線A1よりも中心線A2に近い領域に位置していることが好ましい。
【0024】
第3突条12cは、中心線A2よりも下方であって、かつ、中心線A1よりも固定面WFに近い領域に位置している。こうした第3突条12cは、中心線A1よりも中心線A2に近いことが好ましい。
【0025】
[ブラケット30の構成]
図4に示されるように、ポール10を支持するブラケット30は、水平方向から見て、第2延設壁13bの延びる方向に沿って延びるアーム部31を備えている。アーム部31の先端は、ポール10を支持し、アーム部31の基端は、固定面に固定されている。
【0026】
アーム部31の先端には、ポール10の曲壁11に向けて延びる被挟持端部32が突き出ている。被挟持端部32は、ポール10の第1延設壁13aと第2延設壁13bとによって挟持されている。アーム部31の先端の下部には、その下方向に向けて嵌入部33が突き出ている。嵌入部33は、第2延設壁13bの有する嵌合溝14に嵌められている。
【0027】
嵌入部33よりもアーム部31の基端に近い部位には、ポール10に向けて付勢された固定部34が組み付けられている。固定部34は、アーム部31と対向する部位に係止爪35を有し、係止爪35は、固定部34に加わる付勢力によって、ポール10の第2突条12bをその下方からアーム部31の先端に向けて押さえている。
【0028】
こうした構成からなるブラケット30にポール10が組み付けられるとき、まず、水平方向から見て、第2延設壁13bの延びる方向と、被挟持端部32の延びる方向とが交差する状態で、第1延設壁13aと第2延設壁13bとの間の隙間に、被挟持端部32が挿入される。そして、第2延設壁13bの延びる方向と、被挟持端部32の延びる方向とが一致するように、第2延設壁13bと被挟持端部32とが互いに近づけられることによって、被挟持端部32が、第1延設壁13aと第2延設壁13bとに挟持される。これに伴って、嵌入部33が嵌合溝14に嵌められる。この際に、ポール10の第2突条12bは、固定部34の付勢力に反して係止爪35を一旦押し戻し、その後に、係止爪35とアーム部31の間に入り込む。係止爪35とアーム部31の間に入り込んだ第2突条12bは、係止爪35の付勢力によって、アーム部31の先端部と係止爪35とに挟持される。
【0029】
なお、1つのカーテンレールが、前後に2枚のカーテンを吊り下げる仕様では、アーム部31の先端と基端との間に、他のポールが組み付けられてもよいし、他のポールと他のブラケットとが新たに加えられてもよい。
【0030】
[ランナー20の構成]
図5に示されるように、ランナー20の摺接部21は、円環形状を有し、摺接部21の径方向に沿った断面が円形である。吊下部22は、カーテンのフックが通される貫通孔を中央に有する引掛部23と、引掛部23の上端から摺接部21の中心に向けて延びる軸部24とを備えている。摺接部21には、軸部24の通る挿通孔25が形成され、摺接部21は、挿通孔25に通された軸部24を回転自在に軸支する。軸部24がその周方向に沿って回転するとき、吊下部22は、軸部24を中心として、摺接部21の外側で回転する。すなわち、吊下部22は、摺接部21の径方向に沿った軸を中心として回転する。
【0031】
[カーテンレールの作用]
図6は、ランナー20が静止している状態におけるポール10とランナー20との位置関係を示す図であり、図7および図8は、ランナー20が互いに異なる角度に回転している状態におけるポール10とランナー20との位置関係を示す図である。
【0032】
図6に示されるように、ランナー20が静止している状態では、吊下部22は、鉛直方向の下方に向けて摺接部21から出ている。この際、摺接部21を含む円周の中心CBを通る中心線B1は、ポール10の中心線A1と互いに平行である。そして、ポール10は、第1突条12aの先端と第2突条12bの先端との2点で、摺接部21と接触する。
【0033】
図7に示されるように、例えば、カーテンが室内方向に引っ張られながら開閉されるとき、ランナー20は、固定面WFから離れる方向に向かって、ポール10の周方向に沿って小さな回転角度で回転する。なお、図7では、ポール10の中心線A1とランナー20の中心線B1とのなす角度θ1が、ランナー20の回転角度であって、回転角度が約4度である例を示している。このとき、ポール10は、第1突条12aの先端と、第2突条12bの先端との2点で、摺接部21と接触する。
【0034】
図8に示されるように、例えば、図7にて説明された位置よりもカーテンから遠い位置にて、カーテンが室内方向に引っ張られながら開閉されるとき、ランナー20には、固定面WFから離れる方向に向かってランナー20を引く力が、図7にて説明された状態よりも強く作用する。結果として、ランナー20は、ポール10のほぼ周方向に沿って大きな回転角度で回転する。なお、図8では、ポール10の中心線A1とランナー20の中心線B1とのなす角度θ2が、ランナー20の回転角度であって、回転角度が約40度である場合を示している。そして、ポール10は、第2突条12bの先端と、第3突条12cの先端との2点で、摺接部21と接触する。
【0035】
このように、ランナー20が、固定面WFから離れる方向に向かって、ポール10の周方向に小さな回転角度で回転する場合と、同方向に大きな回転角度で回転する場合との各々について、ポール10とランナー20とが、互いに異なる2点で接触する。また、ランナー20が、ポール10の周方向に回転せずに、ポール10に対して上記の静止状態と同じ位置関係を保ったまま摺動する場合にも、ポール10とランナー20とが2点で接触する。したがって、これらの各場合について、ランナー20が摺動する際に、ランナー20が曲壁11の外側面と接触してポール10とランナー20との間に働く摩擦力が増大することが抑えられる。特に、曲壁11が、装飾により表面が滑りにくいシート15を備える構成においては、上述の効果が顕著である。
【0036】
ポール10とランナー20との接点と、ランナー20の回転角度との関係を詳述する。
図9に示されるように、第1突条12aの位置の設定される範囲は、中心CAを中心とする弧で示された領域L1である。この際に、第2突条12bの位置の設定される範囲は、中心CAを中心とする弧で示された領域L2である。そして、第3突条12cの位置の設定される範囲は、中心CAを中心とする弧で示された領域L3である。領域L1と領域L2との境界は、中心線A2よりも上方、かつ、中心線A1よりも固定面WFに近い領域内であれば任意である。
【0037】
互いに異なる突条12a,12b,12cの位置が、領域L1,L2,L3に各別に設定される構成において、第1突条12aと第2突条12bとを結ぶ弧に対する中心角は鋭角であり、第2突条12bと第3突条12cとを結ぶ弧に対する中心角もまた鋭角である。それゆえに、ポール10は、第1突条12aの先端と第2突条12bの先端との2点でランナー20と接触すること、および、第2突条12bの先端と第3突条12cの先端との2点でランナー20と接触することが可能である。
【0038】
そして、ランナー20が固定面WFから離れる方向に向かって回転するとき、少なくとも互いに異なる2つの回転角度にて、ポール10とランナー20とは2点で接触する。しかも、第3突条12cが、中心線A2よりも下方、かつ、中心線A1よりも固定面WFに近い領域L3に位置するため、ポール10とランナー20とが2点で接触することの可能な回転角度の範囲に、大きな回転角度が含まれる。なお、回転角度によっては、各突条12a〜12cの先端にて、ポール10とランナー20とが1点で接触することも有り得る。
【0039】
ランナー20が摺動する際に、ポール10とランナー20とが点接触する構成であれば、ポール10の外側面とランナー20の内側面との面同士が線接触する構成と比べて、ポール10とランナー20との間に働く摩擦力は小さく、ランナー20の走行性は高まる。そして、ポール10に対してランナー20が回転するときでも、互いに異なる複数の回転角度において、ポール10とランナー20とは点接触する。したがって、ランナー20が回転する際にランナー20と点接触することの可能な突条が1つ以下である構成と比べて、ランナー20の回転角度の広い範囲で、ランナー20の走行性が高められる。
【0040】
特に、ポール10とランナー20とが1点で接触する場合よりも、2点で接触する場合の方が、ランナー20の走行が安定する。そして、本実施形態では、上述のように、少なくとも互いに異なる2つの回転角度において、ポール10とランナー20とが2点で接触する。したがって、ランナー20が回転する際にランナー20と2点で点接触可能な突条が1組以下である場合と比較して、ランナー20の回転角度に幅がある場合にも、ランナー20の走行性を高めつつ、かつ、ランナー20の走行の安定性を高めることができる。
【0041】
カーテンの開閉の際にランナー20が回転する場合、通常、ランナー20の吊下部22は、中心線A2よりも下方、かつ、中心線A1よりも固定面WFから遠い領域L4にて、ポール10と対向する。第1突条12aが、中心線A1よりも固定面WFから遠い領域に位置するとき、中心CAに対して領域L4と点対象である領域は、円周Cにおいて、第1突条12aと第3突条12cとに挟まれる。したがって、カーテンの開閉の際に取り得るランナー20の回転角度のうち、その可能性が高い回転角度について、ポール10とランナー20とが2点で接触しやすい。結果として、実用性の高い範囲で、ランナー20の走行性を高めることができる。
【0042】
また、本実施形態では、曲壁11の外側面、および、3つの突条12a〜12cの先端が、同一の円周C上に位置している。そのため、曲壁11の外側面が位置する円周上から突条の先端が突出している場合と比較して、カーテンレールを室内方向から見た場合に、ポール10から突条が突出して見えることやランナー20がポール10から浮き上がって走行するように見えることが抑えられる。その結果、カーテンレールの美観が低下することが抑えられる。
【0043】
また、本実施形態では、第2突条12bが、ブラケット30と係合する。すなわち、第2突条12bは、ランナー20の走行性を高めるための部材と、ポール10とブラケット30とを固定するための部材とを兼ねる。したがって、ポール10が、これらの部材を各別に備える場合と比較して、ポール10の構成が簡易になる。
【0044】
また、本実施形態では、ランナー20の吊下部22が、摺接部21の径方向に沿った軸を中心として回転する。そのため、カーテンが開閉される際に、ランナー20に対して、ランナー20の摺動方向と斜めに交差する方向の力が加わる場合であっても、吊下部22の回転によって、斜め方向の力が摺接部21に作用することが抑えられる。したがって、摺接部21が摺動方向と斜めに交差する方向に傾くことが抑えられるため、ポール10の突条12a〜12cとランナー20との接触についての安定性が高められる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)カーテンを操作する人は、通常、カーテンが区画する2つの空間のいずれか一方に位置する。例えば、カーテンが窓際に設置されるとき、カーテンを操作する人は、カーテンに対して室内側に位置する。そして、カーテンを操作する人が、カーテンを開閉するとき、ポールの軸方向に沿って、かつ、室内側に向けて、カーテンは引っ張られる。これに伴って、ランナーにおいてカーテンが吊下げられた部位は、それの位置がランナーの中心に対して鉛直方向の下方よりも室内側に位置するように、ポールに対して回転し、その回転角度を概ね保ちながら、ランナーはポールの軸方向に沿って移動する。この際に、カーテンを操作する人とカーテンとの間の距離、ランナーに作用するカーテンの荷重、カーテンを操作する人の身長などは区々であるから、結局のところ、上記ランナーの回転角度は常に一定とはならない。それゆえに、ランナーにおいてポールと点接触する位置を、カーテンの開閉の度に同じ位置に配置することは極めて困難である。したがって、ランナーの回転角度が範囲を有する場合であっても、ランナーの走行性を高められるカーテンレールが求められている。
【0046】
この点、本実施形態のカーテンレールによれば、ランナー20の回転角度に幅がある場合にも、ランナー20の走行性が高められる。また、ランナーの走行の安定性を高めることもできる。
【0047】
(2)第3突条12cが、中心線A2よりも下方、かつ、中心線A1よりも固定面に近い領域L3に位置するため、ポール10とランナー20とが2点で接触するランナー20の回転角度に、大きな回転角度が含まれる。
【0048】
(3)曲壁11の外側面、および、3つの突条12a〜12cの先端が、同一の円周C上に位置しているため、カーテンレールの美観が低下することが抑えられる。
(4)カーテンの開閉時においてランナー20が回転する場合に、吊下部22と対向するポール10の位置と中心CAに対して点対象である領域が、円周Cにおいての第1突条12aと第3突条12cとに挟まれる。したがって、回転の可能性が高い角度について、ポール10とランナー20とが2点で接触しやすくなる。
【0049】
(5)第2突条12bが、ランナー20の走行性を高めるための部材と、ポール10とブラケット30を固定するための部材とを兼ねるため、ポール10の構成が簡易になる。
(6)ランナー20の吊下部22が回転することによって、ランナー20に対して、摺動方向と斜めに交差する方向の力が加わる場合であっても、その力が摺接部21に作用することが抑えられる。したがって、摺接部21が摺動方向に対して傾くことが抑えられるため、突条12a〜12cとランナー20との接触についての安定性が高められる。
【0050】
上記の実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・第2突条12bに代えて、あるいは、第2突条12bに加えて、第1突条12aや第3突条12cがブラケット30と係合してもよい。なお、ポール10は、ブラケット30と係合する部分を突条12a〜12cとは異なる部分に備えていてもよい。
【0051】
・吊下部22は、摺接部21に固定されていてもよく、この際に、摺接部21と吊下部22とは、一体に形成されてもよい。
・突条の数は3つ以上であってもよく、上記の各領域L1,L2,L3に3つの突条12a,12b,12cの各々が位置していれば、上記(1)および(2)の効果は得られる。なお、突条の数が3つである構成は、上記(1)および(2)の効果が得られる最も簡易な構成であり、また、ポール10とランナー20とが3点以上の点で接触する場合よりも、2点で接触する場合の方がポール10とランナー20と間に働く摩擦力を抑える効果が高い。したがって、突条の数は3つであることが好ましい。
【0052】
・曲壁11の外側面が位置する円周上から突条12a〜12cの先端が突出してもよい。
・突条12a〜12cは、水平方向において、ポール10の全体に渡って延びていなくてもよい。例えば、突条12a〜12cの各々は部分的に切れ目を有していてもよい。
【0053】
・曲壁11の有する形状は、曲板形状に限らず、例えば、半円柱形状や多角柱形状であってもよく、ポール10の外側面は、水平方向から見て、弧状に限らず、半円形状や多角形状であってもよい。さらに、曲壁11は、ポール10から省略されてもよい。例えば、ポール10は、柱状の棒材と棒材の外側面に突設された突条とから構成されてもよい。また、ポール10は、水平方向から見て、円周C上に位置して複数の被摺接部として機能する複数の棒材のみから構成されてもよい。また、ポール10は、柱状の棒材と棒材の外側面に突設された突条、および、円周C上に位置して被摺接部として機能する他の棒材から構成されてもよい。要は、ポール10が、上記の各領域L1,L2,L3に位置する3つの被摺接部を備えていれば、上記(1)および(2)の効果は得られる。
【符号の説明】
【0054】
10…ポール、11…曲壁、12a,12b,12c…突条、20…ランナー、21…摺接部、22…吊下部、30…ブラケット、WF…固定面。
図1
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図9